JP3870277B2 - 防音パネルの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として車輌等の走行に伴う騒音を遮音・吸音するために、高速道路や鉄道等の側縁に沿って設置される防音壁の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高速道路等に設置される防音壁は、図4(イ)の如く、高速道路や鉄道等の側縁に沿って設けられた壁高欄aに、一定間隔をおいて立設された断面H型の支柱bの間に、順次防音パネルcを段積して形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の防音壁は、その最下段の防音パネルcと壁高欄aとの間に、図4(ロ)の如く隙間dが生じることがある。この様な隙間dが生じると、騒音漏れが発生して防音性能が著しく低下し、又この隙間を風が通ると風切り音が発生することがある。
【0004】
このため、従来では、鉄板等でその隙間を塞いでいたが十分な閉塞ができず、また、壁高欄の不陸や防音パネルの傾斜に適確に対応できず、期待する防音効果が得られなかった。
【0005】
そこで本発明は、前記の如き問題点を解消し、防音パネルと壁高欄との間で発生していた騒音漏れや風切り音を防止した防音壁の取付構造を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわち本発明に係る防音壁の取付構造は、H型支柱を、高速道路の側縁に沿って設置された壁高欄に、所定の間隔毎にその断面H型の凹部が相対向するようにして立設し、該凹部間に防音パネルを順次段積みして防音壁を形成する防音パネルの取付構造であって、該防音パネルの下端部にほぼ全範囲にわたって防音パネルの下端部より垂下された可撓性を有するシート材が取着され、該シート材が、H型支柱の凹部に防音パネルが落とし込まれた際に、防音パネルと壁高欄との間の隙間を閉塞して壁高欄上に覆い被さるようになされたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、防音パネルの下端部に可撓性を有するシート材が垂下されているので、防音パネルを壁高欄上に設置した場合、このシート材によって、防音パネルと壁高欄の間に生じる隙間が閉塞されるので、防音性能の低下が解消されると共に隙間によって発生していた風切り音を解消することができる。
【0008】
本発明における防音パネルは、多数の透孔を有する前面板と遮音性を有する背面板及び側面板とによって形成された中空体内に吸音材が充填されてなるものであってもよく、又透光性を有する遮音板であってもよく、さらにコンクリート等からなる透光性を有しない遮音板であってもよく、防音パネルの形態は特に限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明に係るシート付き防音パネルの実施の一形態を示す正面図、図2は図1の断面図、図3(イ)〜(ニ)は本発明防音壁の取付構造の施工例を示す説明図である。
【0010】
図面において、1は騒音側に向けて配置されたアルミニウム合金等からなる前面板であって、ほぼ全面にわたって多数の透孔11を有している。2は亜鉛メッキ鋼板等からなる遮音性を有する背面板であり、前面板1の背後に配置されている。3は左右に配置された側面板である。そして前記前面板1、背面板2及び左右の側面板3とが箱状に組み合わされて中空体となされ、
その中空体内にガラス繊維等からなる吸音材4が充填されて防音パネルAが形成される。
【0011】
かかる防音パネルAによれば、前面板1の透孔11より中空体内に入射した騒音は、吸音材4により吸音されると共に、背面板2により遮音されて、背面側より外部に漏れることがない。
【0012】
5は前面板1の下端部にそのほぼ全範囲にわたって取着された可撓性を有するシート材であって、前面板1の下端部より下方に突出するようにして垂下されている。シート材5は、例えばEPDMやEPT等、任意のゴムや合成樹脂エラストマー等で形成され、又施工現場で切り込みを入れたりして微調整がし易いように通常厚みを1〜5mm程度としている。
【0013】
防音パネルAへのシート材5の取付方法は特に限定されるものではないが、本形態では、前面板1の下端部にL形のシート押さえ51を当接し、リベットやボルト等で固定している。シート材5の取り付けは外に粘着剤を塗布して接着してもよい。
【0014】
次いで、本発明シート付き防音パネルの施工例を図3に沿って説明する。図3(イ)において、Bは、防音パネルAを設置するための断面H型の支柱であって、このH型支柱Bを、高速道路の側縁に沿って設置された壁高欄Cに、例えば3000mm間隔毎にその断面H型の凹部が相対向するようにして立設し、そしてこの凹部間に図3(ロ)に示す如く防音パネルAを順次段積みして防音壁を形成する。
【0015】
この場合、最下段の防音パネルAと壁高欄Cとの間に隙間6が生じることがある。この隙間6は壁高欄Cの不陸や防音パネルAの傾斜等により生じることもあるし、図3(ハ)に図示する如き壁高欄Cの後方にH型支柱Bが取り付けられた場合にも生じる。しかしながら、図3(ニ)の如く防音パネルAに取着されたシート材5がこの隙間を閉塞する。
【0016】
なお、シート材5の取り付け位置は、本形態の如き防音パネルAの前面板1の下端部の外、防音パネルAの底壁から垂下するように取着してもよい。
【0017】
前記形態における防音パネルAは、多数の透孔11を有する前面板1と遮音性を有する背面板2及び側面板3とによって形成された中空体内に吸音材4が充填されたものであったが、透光性を有する遮音板であってもよく、さらにコンクリート等からなる透光性を有
しない遮音板であってもよく、本発明における防音パネルAの形態は特に限定されるものではない。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、防音パネルの下端部に可撓性を有するシート材が垂下されているので、防音パネルを壁高欄上に設置した場合、このシート材によって、防音パネルと壁高欄の間に生じる隙間が閉塞されるので、防音性能の低下が解消されると共に隙間によって発生していた風切り音を解消することができる。しかも、シート材は可撓性を有しているので、隙間が不規則に生じていてもそれに追従し、効果的にその隙間を閉塞する。
【0019】
又、シート材が防音パネルに取着されているので、防音パネルの施工と同時にシート材の取り付けも完了し、従来の鉄板等で隙間を塞ぐ場合に比し、迅速な施工を行うことが出来て好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート付き防音パネルの実施の一形態を示す正面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明シート付き防音パネルの施工例を示し、(イ)〜(ニ)はその施工過程を示す説明図である。
【図4】従来の防音パネルの施工例を示し、(イ)はその正面図、(ロ)は平面図である。
【符号の説明】
A 防音パネル
B H型支柱
C 壁高欄
1 前面板
11 透孔
2 背面板
3 側面板
4 吸音材
5 シート材
51 シート押え
6 隙間
Claims (3)
- H型支柱を、高速道路の側縁に沿って設置された壁高欄に、所定の間隔毎にその断面H型の凹部が相対向するようにして立設し、該凹部間に防音パネルを順次段積みして防音壁を形成する防音パネルの取付構造であって、該防音パネルの下端部にほぼ全範囲にわたって防音パネルの下端部より垂下された可撓性を有するシート材が取着され、該シート材が、H型支柱の凹部に防音パネルが落とし込まれた際に、防音パネルと壁高欄との間の隙間を閉塞して壁高欄上に覆い被さるようになされ、前記シート材は、前面板の下端部にL形のシート押さえを当接し、リベット又はボルトで固定されていることを特徴とする防音パネルの取付構造。
- 防音パネルは、多数の透孔を有する前面板と遮音性を有する背面板及び側面板とによって形成された中空体内に吸音材が充填されてなることを特徴とする請求項1に記載の防音パネルの取付構造。
- 防音パネルは、透光性を有する遮音板であることを特徴とする請求項1に記載の防音パネルの取付構造。
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