JP3869896B2 - 歯科補綴物作成用の作業模型 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、歯科技工において、主として歯冠修復などの補綴物を作成する際に使用する作業模型に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、歯科技工における補綴物の作成に際しては、ワックスやプラスチックからなる義歯模型を製造し、この義歯模型から所望する歯科補綴物を得る。前記義歯模型を製造するには、主として石膏によって形成された作業模型を使用する。
【０００３】
この作業模型を作成するには、まず、患者から採取した歯型に石膏を流し込んで、支台歯の歯形模型を形成する。つぎに、この歯形模型の下端部にドリルで穴をあけ、この穴にダウエルピンを挿し込んで接着剤で固着する。そして、この植設されたダウエルピンの周囲をさらに石膏で固めて整形することにより、所定の大きさの作業模型を得るのである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした作業模型はひとつずつ手作業で作られるが、当然ながら、その作成には細かな作業が要求されることとなり、とりわけ、前記ドリルによる穴開け作業やダウエルピンの植設作業には手間がかかるため、歯科補綴物作成における作業性の向上を図ることがむずかしいという問題があった。
【０００５】
そこで、この発明の課題は、作業模型作成にかかる手間を軽減するようにして、歯科補綴物作成における作業性の向上を図ることにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
こうした課題を解決するため、この発明では、互いに隣り合う複数本のダウエルピンが下面から突出した基板の上面に歯形ブロックを固着し、この歯形ブロックの所定部分を基板とともに切り出した中間成形体から、歯科補綴物作成用の作業模型を得ることとしたのである。
【０００７】
このような作業模型は、前記基板にあらかじめダウエルピンを隣り合わせて複数本設けたことにより、この基板とともに歯形ブロックを切り出して得られる中間成形体には、少なくとも一本のダウエルピンが付帯することとなるので、その作成に際して、ドリルによる穴開け作業やダウエルピンの植設作業を行う必要がない。
【０００８】
前記基板の上面には、基板と歯形ブロックとの固着剤が流入可能な凹部を形成することもできる。この場合には、固着剤による基板と歯形ブロックとの固着面積を大きく確保することができるので、基板と歯形ブロックとをより確実に固着した中間成形体を得ることができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、この発明の一実施形態を説明する。図１は、この発明に係る、歯科補綴物作成用の作業模型の一作成過程を示すものである。この作業模型は、複数本のダウエルピン１ａを下面に設けた基板１と、この基板１の上面に固着される歯形ブロック２とからなり、図示のような作業台Ｂを使用して形成する。作業台Ｂの上面には、前記ダウエルピン１ａが挿入可能な挿入穴ｂが複数形成されている。
【００１０】
基板１は、前記ダウエルピン１ａを、３mm程度の厚みを有する平板部１ｂとともに一体に成形した強化プラスチックからできており、各ダウエルピン１ａは互いに隣り合い、平板部１ｂの長さ方向に沿って二列にわたって設けられている。また、基板１の上面には平板部１ｂの長さ方向に沿う溝３が複数形成されている。
【００１１】
歯形ブロック２は、患者から採取した歯型に石膏を流し込んで形成したものである。この歯形ブロック２は、図２に示すように、石膏を使用した固着剤によって基板１の上面に固着される。
【００１２】
そして、この歯形ブロック２のうち、支台歯となる部分を図示しないディスクカッタで切除し、基板１とともに切り出すことにより、図３に示すような中間成形体４が得られる。この後、この中間成形体４の下端部にさらに石膏を塗布し、ダウエルピン１ａの周囲を石膏で固めた後、適宜な整形を施すことにより、所望する支台歯の義歯模型を作成するための作業模型ができあがる。
【００１３】
このように作成された作業模型は、前記基板１にあらかじめダウエルピン１ａを隣り合わせて複数本設けたことにより、この基板１とともに歯形ブロック２を切り出して得られる中間成形体４には、少なくとも一本のダウエルピン１ａが付帯することとなる。したがって、ドリルによる穴開け作業や、ダウエルピン１ａの植設作業を別途行う必要がなく、作業模型作成に伴う手間を軽減することができる。
【００１４】
また、基板１の上面に溝３を複数形成してあるので、この溝３によって形成される凹部に固着剤が流入することにより、基板１と歯形ブロック２との固着面積が大きく確保されるので、基板１と歯形ブロック２とをより確実に固着した中間成形体４を得ることができる。
【００１５】
なお、ダウエルピン１ａの配列は、この実施形態に示したものに限定されず、いずれの支台歯部分を切り出しても、少なくとも一本のダウエルピン１ａを得ることができる程度のものであればよい。
【００１６】
また、基板１上面の凹部は、溝３以外にも、複数の突起を設けることにより形成するようにしてもよい。
【００１７】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る作業模型は、歯形ブロックを基板とともに切り出した中間成形体に、少なくとも一本のダウエルピンを付与することができるので、ドリルによる穴開け作業や、ダウエルピンの植設作業を行うことなく作成することが可能となる。この結果、作業模型作成に要する手間が軽減されて、歯科補綴物作成における作業性の向上に寄与することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に係る作業模型の一作成過程を示す分解斜視図
【図２】同上の正面図
【図３】同上における中間成形体を示す斜視図
【符号の説明】
１ 基板
１ａ ダウエルピン
１ｂ 平板部
２ 歯形ブロック
３ 溝
４ 中間成形体
Ｂ 作業台
ｂ 挿入穴
【発明の属する技術分野】
この発明は、歯科技工において、主として歯冠修復などの補綴物を作成する際に使用する作業模型に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、歯科技工における補綴物の作成に際しては、ワックスやプラスチックからなる義歯模型を製造し、この義歯模型から所望する歯科補綴物を得る。前記義歯模型を製造するには、主として石膏によって形成された作業模型を使用する。
【０００３】
この作業模型を作成するには、まず、患者から採取した歯型に石膏を流し込んで、支台歯の歯形模型を形成する。つぎに、この歯形模型の下端部にドリルで穴をあけ、この穴にダウエルピンを挿し込んで接着剤で固着する。そして、この植設されたダウエルピンの周囲をさらに石膏で固めて整形することにより、所定の大きさの作業模型を得るのである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした作業模型はひとつずつ手作業で作られるが、当然ながら、その作成には細かな作業が要求されることとなり、とりわけ、前記ドリルによる穴開け作業やダウエルピンの植設作業には手間がかかるため、歯科補綴物作成における作業性の向上を図ることがむずかしいという問題があった。
【０００５】
そこで、この発明の課題は、作業模型作成にかかる手間を軽減するようにして、歯科補綴物作成における作業性の向上を図ることにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
こうした課題を解決するため、この発明では、互いに隣り合う複数本のダウエルピンが下面から突出した基板の上面に歯形ブロックを固着し、この歯形ブロックの所定部分を基板とともに切り出した中間成形体から、歯科補綴物作成用の作業模型を得ることとしたのである。
【０００７】
このような作業模型は、前記基板にあらかじめダウエルピンを隣り合わせて複数本設けたことにより、この基板とともに歯形ブロックを切り出して得られる中間成形体には、少なくとも一本のダウエルピンが付帯することとなるので、その作成に際して、ドリルによる穴開け作業やダウエルピンの植設作業を行う必要がない。
【０００８】
前記基板の上面には、基板と歯形ブロックとの固着剤が流入可能な凹部を形成することもできる。この場合には、固着剤による基板と歯形ブロックとの固着面積を大きく確保することができるので、基板と歯形ブロックとをより確実に固着した中間成形体を得ることができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、この発明の一実施形態を説明する。図１は、この発明に係る、歯科補綴物作成用の作業模型の一作成過程を示すものである。この作業模型は、複数本のダウエルピン１ａを下面に設けた基板１と、この基板１の上面に固着される歯形ブロック２とからなり、図示のような作業台Ｂを使用して形成する。作業台Ｂの上面には、前記ダウエルピン１ａが挿入可能な挿入穴ｂが複数形成されている。
【００１０】
基板１は、前記ダウエルピン１ａを、３mm程度の厚みを有する平板部１ｂとともに一体に成形した強化プラスチックからできており、各ダウエルピン１ａは互いに隣り合い、平板部１ｂの長さ方向に沿って二列にわたって設けられている。また、基板１の上面には平板部１ｂの長さ方向に沿う溝３が複数形成されている。
【００１１】
歯形ブロック２は、患者から採取した歯型に石膏を流し込んで形成したものである。この歯形ブロック２は、図２に示すように、石膏を使用した固着剤によって基板１の上面に固着される。
【００１２】
そして、この歯形ブロック２のうち、支台歯となる部分を図示しないディスクカッタで切除し、基板１とともに切り出すことにより、図３に示すような中間成形体４が得られる。この後、この中間成形体４の下端部にさらに石膏を塗布し、ダウエルピン１ａの周囲を石膏で固めた後、適宜な整形を施すことにより、所望する支台歯の義歯模型を作成するための作業模型ができあがる。
【００１３】
このように作成された作業模型は、前記基板１にあらかじめダウエルピン１ａを隣り合わせて複数本設けたことにより、この基板１とともに歯形ブロック２を切り出して得られる中間成形体４には、少なくとも一本のダウエルピン１ａが付帯することとなる。したがって、ドリルによる穴開け作業や、ダウエルピン１ａの植設作業を別途行う必要がなく、作業模型作成に伴う手間を軽減することができる。
【００１４】
また、基板１の上面に溝３を複数形成してあるので、この溝３によって形成される凹部に固着剤が流入することにより、基板１と歯形ブロック２との固着面積が大きく確保されるので、基板１と歯形ブロック２とをより確実に固着した中間成形体４を得ることができる。
【００１５】
なお、ダウエルピン１ａの配列は、この実施形態に示したものに限定されず、いずれの支台歯部分を切り出しても、少なくとも一本のダウエルピン１ａを得ることができる程度のものであればよい。
【００１６】
また、基板１上面の凹部は、溝３以外にも、複数の突起を設けることにより形成するようにしてもよい。
【００１７】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る作業模型は、歯形ブロックを基板とともに切り出した中間成形体に、少なくとも一本のダウエルピンを付与することができるので、ドリルによる穴開け作業や、ダウエルピンの植設作業を行うことなく作成することが可能となる。この結果、作業模型作成に要する手間が軽減されて、歯科補綴物作成における作業性の向上に寄与することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に係る作業模型の一作成過程を示す分解斜視図
【図２】同上の正面図
【図３】同上における中間成形体を示す斜視図
【符号の説明】
１ 基板
１ａ ダウエルピン
１ｂ 平板部
２ 歯形ブロック
３ 溝
４ 中間成形体
Ｂ 作業台
ｂ 挿入穴
Claims (1)
- 互いに隣り合う複数本のダウエルピン（１ａ）が下面から突出した平板部（１ｂ）から成り、その平板部（１ｂ）と前記ダウエルピン（１ａ）とを強化プラスチックにより一体成形した基板（１）の前記平板部（１ｂ）上面に歯形ブロック（２）を固着し、この歯形ブロック（２）の所定部分を基板（１）とともに切り出して中間成形体（４）とし、前記ダウエルピン（１ａ）は、いずれの支台歯部分を切り出しても少なくとも一本のダウエルピン（１ａ）を得ることができるように配列されて、前記中間成形体（４）の切り出しを、少なくとも一本のダウエルピン（１ａ）を得られるように行ってその中間成形体（４）により歯科補綴物作成用の作業模型を作る方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01108497A JP3869896B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | 歯科補綴物作成用の作業模型 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01108497A JP3869896B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | 歯科補綴物作成用の作業模型 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10201774A JPH10201774A (ja) | 1998-08-04 |
| JP3869896B2 true JP3869896B2 (ja) | 2007-01-17 |
Family
ID=11768118
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP01108497A Expired - Fee Related JP3869896B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | 歯科補綴物作成用の作業模型 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3869896B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101045787B1 (ko) | 2009-09-14 | 2011-07-04 | 덴탈디지웍스(주) | 치아모형 조립체 및 그 제조방법 |
| JP5340118B2 (ja) * | 2009-11-21 | 2013-11-13 | 株式会社デンタス | 間接法作業模型 |
-
1997
- 1997-01-24 JP JP01108497A patent/JP3869896B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10201774A (ja) | 1998-08-04 |
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