JP3869741B2 - 3次元情報取得装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学的手段を用い被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置が種々提案されている。そのような3次元情報取得装置としては、光を投影せずに行う受動的なもの、パターンを照射して行う能動的なもの、回転テーブル上に載せた被写体のシルエットを利用するもの、などがある。
【0003】
上記受動的なものとしては、例えば、コマツ(株式会社 小松製作所)の製品名「FZ930」なる9眼式ステレオシステムや、株式会社ビュープラスの製品名「Color Digiclops」なる3眼式ステレオシステムが発表されている。
【0004】
また、上記能動的なものとしては、ミノルタ株式会社の製品名「3D 1500」なるポータブル3D画像入力システムや、特開2000−283735号公報に開示の3次元情報入力カメラが発表されている。
【0005】
そして、上記回転テーブル上に載せた被写体のシルエットを利用するものとしては、コンパックコンピュータ株式会社の製品名「Creation Studio」なるシステムが発表されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置はすべて、光学的手段である撮像装置の画角、投影装置の投影範囲などにより、撮影できる範囲が規定されている。
【0007】
しかしながら、ユーザは、3次元情報取得装置による取得動作実行前に、まず、被写体の寸法をメジャーで予め計るという非常にわずらわしい手段で、3次元情報取得装置で取得可能かどうかを確認しなければならないのがほとんどである。
【0008】
また、メジャーで計測するまではいかなくとも、撮像装置のファインダを見て、撮影範囲に入っているか確認するというものもある。しかしながら、一般的には小さいファインダで確認すること自体もわずらわしく、それを避けて大きな液晶画面で見るには、わざわざ電気スイッチを入れるというわずらわしい操作も必要である。さらに、ファインダ内に入っていても取得範囲外になることもあり、あまり参考にならないこともあった。
【0009】
また、能動的な光学的手段を使用する場合、一般に投影光は強ければ強いほど測定性能を高くすることができるが、あまり強くすると、人間の目にとって危険になり、一定のレベル以上には強く出来ない問題があった。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置において、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が情報取得可能なものかどうかを確認できる3次元情報取得装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、安全性を保ったまま、投影光の強度レベルを強くすることができる3次元情報取得装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による3次元情報取得装置は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報入力手段と、上記3次元情報入力手段が3次元情報の取得が可能な範囲における水平面方向の最大測定範囲を規定する水平方向測定範囲規定手段と、上記3次元情報の取得が可能な範囲における垂直面方向の最大測定範囲を規定する垂直方向測定範囲規定手段と、上記3次元情報の取得が可能な範囲の中に上記被写体を出し入れする開口部とを備えることを特徴とする。
【0013】
即ち、本発明の3次元情報取得装置によれば、開口部を通す時あるいは3次元情報取得位置への配置後に、被写体の水平面での最大測定範囲を規定する水平方向測定範囲規定手段と、被写体の鉛直方向での最大測定範囲を規定する垂直方向測定範囲規定手段とにより、その被写体が3次元情報取得可能であるかを、非常に簡単に方法で規定することができる。
【0014】
従って、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置において、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が3次元情報取得可能かどうかを確認できる。
【0015】
なお、上記水平方向測定範囲規定手段が、上記被写体を回転させる回転テーブルを有していても良い。
【0016】
また、上記3次元情報入力手段は、上記被写体を照明する照明手段と、上記3次元情報の取得が可能な範囲を含む空間を光学的に遮蔽効果のある部材で囲む光学的遮蔽手段とをさらに有しても良い。この場合、上記光学的遮蔽手段の上記開口部に相当する部分が開閉する開閉手段をさらに具備しても良い。更に、上記3次元情報入力手段は、上記被写体を空間的にマーキングするための投影光を投影する投影手段と、上記開閉手段が開放されているときは、上記投影手段の投光を禁止する発光制御手段とをさらに有しても良い。この場合、上記光学的遮蔽手段の一部が、上記投影光の波長の透過率が他の波長に比べて相対的に低い部材で構成されていることが好ましい。
【0017】
また、上記3次元情報入力手段は、上記被写体を空間的にマーキングするための投影光を投影する投影手段をさらに有し、上記投影光が直接上記開口部に入射しないように上記投影手段と上記開口部が配置されたものとしても良い。この場合、上記投影手段と上記開口部が、互いに面の方向が異なり、隣り合う面に設けられていることが好ましい。
【0018】
また、上記水平方向測定範囲規定手段または上記垂直方向測定範囲規定手段若しくは上記開口部と、上記3次元情報入力手段とが、上記被写体の大きさに合わせて変更可能となっていても良い。
【0019】
さらに、上記被写体の3次元情報を取得するための処理が完了した後、処理終了を操作者に告知するための告知手段をさらに具備しても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【0022】
この3次元情報取得装置は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報入力手段が3次元情報を取得可能な範囲における水平面方向の最大測定範囲を規定する水平方向測定範囲規定手段としての水平面測定範囲規定部1と、同じく3次元情報を取得可能な範囲における垂直面方向の最大測定範囲を規定する垂直方向測定範囲規定手段としての鉛直方向測定範囲規定部2と、上記3次元情報入力手段が3次元情報を取得可能な範囲の中に被写体aを出し入れする開口部3と、上記3次元情報入力手段としての3次元情報入力部4とから構成されている。
【0023】
このような構成において、上記被写体aは、上記開口部3を通して、本実施の形態に係る3次元情報取得装置内に入れられ、3次元情報が取得できるよう配置される。
【0024】
この配置前、あるいは、配置後に、上記被写体aは、被写体の水平面での最大測定範囲を規定する上記水平面測定範囲規定部1と、被写体の鉛直方向での最大測定範囲を規定する上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより、その被写体aが3次元情報取得可能であるかどうかが規定される。この規定されるタイミングは、上記開口部3から入れられ、3次元情報が取得できるよう配置された時でも良いし、上記開口部3を通す時に規定できるようにしても良いが、後者の場合は、上記開口部3を通す時に上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより、それぞれ水平面、鉛直方向での最大測定範囲が規定できるように配置しておけば良い。
【0025】
また、規定の方法としては、「開口部3を通す時に規定外のものは物理的に通らないようにしておく」、「3次元情報が取得できるよう配置する時に規定外のものは物理的に配置できないようにしておく」、「マーカなどをつけて規定外のものが目視等で簡単に判定できるようにしておく」などが考えられる。
【0026】
上記3次元情報入力部4は、「3次元画像計測」、井口征士、佐藤宏介共著、昭晃堂、P14−15に開示されているような、光を投影せずに行う受動的なステレオ方式を利用している。しかしながら、この3次元情報入力部4は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得するものなら何でも良く、光を投影せずに行う受動的なもの、パターンを照射して行う能動的なもの、回転テーブル上に載せた被写体のシルエットを利用するもの、など、様々なものが考えられる。
【0027】
その際、光学的な理由から決定される取得できる規定範囲を、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより規定される範囲と対応させておけば良い。なお、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより規定される範囲は、規定外になると全く取得できなくなるレベルにまで厳密に設定しなくても良く、規定内ならある程度良好に、あるいは必ず取得できるという推奨範囲であって良い。このように、両者の規定範囲は全く一致させていなくても良く、ユーザが困惑しない範囲で、両者にマージンを設けておいても構わない。
【0028】
図2は、本第1の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【0029】
これは、底面の板を上記水平面測定範囲規定部1とし、側面の柱と上方の横棒とを上記鉛直方向測定範囲規定部2として構成したものである。この場合、上記開口部3は、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより規定される。
【0030】
この変形例においても、被写体aは、上記開口部3を通して該3次元情報取得装置に入れられ、3次元情報が取得できるよう配置される。上記開口部3を通す時に、上記水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2とにより、それぞれ、水平面での最大測定範囲、鉛直方向での最大測定範囲が規定でき、規定外のものは物理的に通らなくなっている。
【0031】
以上のように、本第1の実施の形態では、光学的な理由から決定される取得できる規定範囲を水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2とにより規定される範囲と一致させている。勿論、厳密に一致させる必要はなく、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2とによって規定される範囲は、光学的に良好に取得できる推奨範囲であっても良い。
【0032】
本実施の形態によれば、開口を通す時あるいは3次元情報取得位置への配置後に、被写体の水平面での最大測定範囲を規定する水平面測定範囲規定部1と、被写体の鉛直方向での最大測定範囲を規定する鉛直方向測定範囲規定部2とにより、その被写体が3次元情報取得可能であるかを、非常に簡単に方法で(例えば、開口を通るか否か、配置できるか否か、などで、あるいは、物理的にマーカを超えていないかなど簡単な目視で)規定することができる。
【0033】
即ち、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置において、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が3次元情報取得可能かどうかを確認できる。
【0034】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0035】
図3は、その構成を示す斜視図であり、本実施の形態では、上記水平面測定範囲規定部1が、底面の板と、その板に書かれた水平面マーカ11として、また、上記鉛直方向測定範囲規定部2が、側面の円柱の壁と、その壁に書かれた鉛直方向マーカ21として構成され、上記開口部3は上方に設けられているものである。
【0036】
即ち、被写体aは、上方の上記開口部3を通して本実施の形態に係る3次元情報取得装置に入れられ、3次元情報が取得できるよう配置される。そして、その配置後に、底面の上記水平面マーカ11と側面の上記鉛直方向マーカ21とにより、それぞれ水平面での最大測定範囲、鉛直方向での最大測定範囲が規定でき、規定外のものはそれらマーカ11,21を超えるようになっている。
【0037】
なお、上記3次元情報入力部4は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得するものとして、例えば、「3次元画像計測」、井口征士、佐藤宏介共著、昭晃堂、P36−40に開示されているような、パターンを照射して行う能動的なものを利用している。
【0038】
このような本実施の形態によれば、被写体の水平面での最大測定範囲を規定する水平面測定範囲規定部1と、被写体の鉛直方向での最大測定範囲を規定する鉛直方向測定範囲規定部2とにより、その被写体が3次元情報取得可能であるかを、マーカ11,21を超えているか否かという非常に簡単に方法で規定することができる。また、物理的に書かれたマーカであるので、該3次元情報取得装置の電源を入れることなく確認できるという利点もある。
【0039】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0040】
図4は、その構成を示す図で、本実施の形態においては、上記水平面測定範囲規定部1は、被写体aを回転させる回転テーブル12を有するものである。
【0041】
一般に、3次元情報入力部4において、一つの光学系システム(乃至は1組のステレオペア)では、一方向から見た3次元情報しか取得できないが、このように回転テーブル12上に被写体aを置いて回転させることにより、被写体aの全周囲の3次元情報を取得することができる。
【0042】
このとき、この回転テーブル12の範囲を水平面測定範囲とし、回転テーブル12からはみ出さずに載せられ、且つ、鉛直方向測定範囲規定部2の規定内のものを、その被写体が3次元情報取得可能であると規定する。
【0043】
なお、この場合も、回転テーブル12の範囲と水平面測定範囲は厳密に一致させていなくても良く、回転テーブル12にマーカを付けて、規定外のものが目視等で簡単に判定できるようにしておいても良い。
【0044】
図5は、本第3の実施の形態の変形例を示す図である。
即ち、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報入力部4として、バック投影機41により被写体aを後方からバック投影し、スクリーン42上にシルエットが写るようにして撮影カメラ43で撮影し、被写体aの輪郭を切り出す操作を、被写体aを回転させる毎に逐次行い、各撮影像を解析することによって被写体の全周3次元情報を得るというものを利用している。
【0045】
なお、この場合も、回転テーブル12の範囲と水平面測定範囲は厳密に一致させていなくても良く、回転テーブル12にマーカを付けて、規定外のものが目視等で簡単に判定できるようにしておいても良い。
【0046】
以上のように、本第3の実施の形態によれば、開口を通す時あるいは3次元情報取得位置への配置後に、回転テーブル12を有する水平面測定範囲規定部1と、鉛直方向測定範囲規定部2とにより、その被写体が3次元情報取得可能であるかを、回転テーブルからはみ出さないかどうか(またはマーカを超えていないかどうか)という簡単な方法で規定することができるだけでなく、被写体の全周の3次元情報も簡単に取得できる。
【0047】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0048】
図6は、その構成を示す図である。即ち、本第4の実施の形態に係る3次元情報取得装置は、上記3次元情報入力部4として、被写体aを照明するための照明部44、あるいは、被写体aを空間的にマーキングするための投影部45のうちの少なくとも一方を有するものを使用し、また、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2と上記開口部3のうち、少なくとも何れかを、光学的に遮蔽効果のある部材(例えば、黒い金属板)で構成したものである。
【0049】
即ち、一般に、3次元情報入力部4において、パターンを照射して被写体を空間的にマーキングする能動的な方法を使う場合、マーキングがより鮮明に行われた方が3次元情報の精度は上がるので、投影光量はより大きいことが望ましい。しかし、あまり光量を上げると、ユーザの目への安全性の問題が生じる。そこで本実施の形態では、上記水平面測定範囲規定部1、上記鉛直方向測定範囲規定部2、及び上記開口部3の内の少なくとも何れかが光学的に遮蔽の構成とすることにより、ユーザの目への安全性を保ったまま、投影光量を大きくすることを可能としている。
【0050】
また、3次元情報入力部4において、被写体のテクスチャー情報も同時に撮影する場合や受動的にステレオ計測する場合などでは、被写体を照明することが行われるが、その場合にも、外光の影響がない方が精度が良く、また3次元情報に貼り付けた被写体のテクスチャーが元の被写体に近くなり、より望ましいと言える。そこで、この場合も、本実施の形態によれば、水平面測定範囲規定部1、鉛直方向測定範囲規定部2、及び開口部3の内の少なくとも何れかが光学的に遮蔽されている構成としたことにより、外乱の影響が少なく、精度良く且つ良好な3次元情報を取得することが可能となる。
【0051】
図7は、本実施の形態の変形例を示す図である。
即ち、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2の素材を、光学的に遮蔽効果のある部材(黒い金属板)とし、また、3次元情報入力部4はステレオ計測法を利用した入力部として、被写体aを照明するための照明部44を具備しているものである。このような構成とすることにより、外光の影響を軽減させることが可能になるので、精度が良く、また、3次元情報に貼り付けた被写体のテクスチャーを元の被写体に近くすることができる。
【0052】
なお、本実施形態のように、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2に関しては、光学的に遮蔽効果のある部材をそのまま使用して構成すれば容易に実現できるが、開口部3については、例えば開閉できる窓やカーテンを付与し、窓、カーテンの素材を光学的に遮蔽効果のある部材にすれば良い。
【0053】
ここで、遮蔽作用の意味するところは、光を100%遮断するものに限定されるものでなく、一部を遮蔽するもの、ある特定波長成分のみやある偏光成分のみを遮蔽するものなど、広く指すものとする。これは、照明光、外光に応じて、適宜利用すれば良い。
【0054】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0055】
図8は、その構成を示す図で、本実施の形態においては、3次元情報取得装置は、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2の素材を光学的に遮蔽効果のある部材(黒い金属板)とし、3次元情報入力部4をパターンを照射して被写体aを空間的にマーキングする能動的な方法を利用した入力部として、被写体aをマーキング投影するための投影部45を具備しているものである。
【0056】
即ち、一般に、マーキングがより鮮明に行われた方が3次元情報の精度は上がるので、投影光量はより大きいことが望ましい。しかし、あまり光量を上げると、ユーザの目への安全性の問題が生じる。本実施の形態では、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2とが光学的に遮蔽されていることにより、目への安全性を保ったまま投影光量を大きくすることが可能となる。
【0057】
なお、本実施の形態においても、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2に関しては光学的に遮蔽効果のある部材をそのまま使用して構成すれば容易に実現できるが、開口部3については、例えば開閉できる窓やカーテンを付与し、窓、カーテンの素材を光学的に遮蔽効果のある部材にしても良い。この場合も、遮蔽作用の意味するところは光を100%遮断するものに限定されるものでなく、一部を遮蔽するもの、ある特定波長成分のみやある偏光成分のみを遮蔽するものなど、照明光、外光に応じて適宜利用すれば良い。
【0058】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。
【0059】
図9は、その構成を示す斜視図であり、本第6の実施の形態に係る3次元情報取得装置は、開口部3を開閉できる開閉手段としての開口開閉部31と、この開口開閉部31内に設けられ、該開口開閉部31が開いている状態では照明部44あるいは投影部45の少なくとも一方が発光しないように制御する発光制御部32とを有しているものである。ここで、上記発光制御部32は、例えば、機械式なドアスイッチ(図示せず)に連動し、照明部44又は投影部45の発光回路と電気的に接続したものとして構成できる。
【0060】
この場合、上記開口開閉部31を光学的に遮蔽効果のある部材(黒い金属板)により構成することが好ましい。
【0061】
また、図10に示すように、上記発光制御部32を該開口開閉部31内以外のところに構成しても良い。
【0062】
このように、本第6の実施の形態によれば、開口を開閉できる開口開閉部31を設けることによって、更に光学的な遮蔽度が増加し、安全性が増大し、且つ、精度良く且つ良好な3次元情報を取得することが可能となるだけでなく、開口開閉部31が開いている状態では照明部44あるいは投影部45の少なくとも一方が発光しないように制御する発光制御部32を有するので、被写体の出し入れ時に誤って発光する危険がなく、更に2重に安全性が増すことになる。
【0063】
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。
【0064】
図11は、本第7の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図であり、本実施の形態の3次元情報取得装置では、開口部3の部材に関し投影部45からの投影光に対して選択的に遮蔽するようになっている。即ち、開口開閉部31に、特定波長遮蔽ガラス33を設けている。
【0065】
ここで、上記投影部45から発光される投影光を波長700nmのLD光源とした場合、上記特定波長遮蔽ガラス33は、波長350〜650nmを透過させ、波長680〜720nmは遮蔽するようなミラー(例えば、レーザ用の安全メガネの素材)として構成する。
【0066】
つまり、3次元情報取得する際に、作業上の理由で、内部の被写体は何か、被写体の有無が外部から確認できた方が望ましいことがある(被写体の置き忘れ防止、転倒していた時の発見、被写体の誤選択の防止など)。そこで、本実施の形態では、内部からの可視光(照明部44からの照明光の被写体反射光)は透過し、投影部45からの投影光を選択的に遮断するような特定波長遮蔽ガラス33により、安全性を保ったまま、内部の被写体を見ることを可能にしている。また、同時に、投影光を選択的に遮蔽するものとして構成すれば、外部からその投影光と同じ性質の光が入射しようとしても遮蔽することが可能になるので、装置内部にノイズとしての外来光が入ることを防ぐこともできる。
【0067】
なお、本実施の形態では、開口部3の部材に関し投影部45からの投影光に対して選択的に遮蔽するようにしたが、どの方向から内部を見たいか、投影光がどの方向から射出し易いいか等の事情により、水平面測定範囲規定部1や、鉛直方向測定範囲規定部2を、そのような選択的遮蔽部材としても全く構わない。
【0068】
このように、本実施の形態によれば、3次元情報を取得する際に、内部の被写体は何か、被写体の有無などが外部から確認できることによる、作業上の能率アップに効果があるだけでなく、より外乱の防止につながり、良好な3次元情報を取得できるようになる。
【0069】
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態を説明する。
【0070】
図12は、その構成を示す斜視図であり、本実施の形態に係る3次元情報取得装置では、投影部45からの投影光が直接、開口部3に入射しないようになっている。即ち、投影部45と開口部3とを同一線上に配置せずに、直角方向に配置し、投影部45からの投影光が直接、開口部3に入射しないようにしている。
【0071】
このように配置すれば、仮に開口部3に付けた前述したような開口開閉部31が開けられた時に発光制御部32が壊れていて投影光が発光してしまった場合、あるいは、運転中、開口部3に設けた光学的遮蔽手段、例えば上記第7の実施の形態のような特定波長遮蔽ガラス33が割れてしまった場合にも、投影光は直接開口部3に入射しないので、ユーザの目の障害につながる大事故にならないという利点がある。
【0072】
また、直接目に入射しなければ危険でないレベルの投影光の場合は、開口開閉部31や光学的遮蔽手段を不要、あるいは、簡単で安価なものにできるという利点もある。
【0073】
[第9の実施の形態]
次に、本発明の第9の実施の形態を説明する。
【0074】
本実施の形態は、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2と上記開口部3のうち、少なくとも何れかが、風量的、温度的、真空的の少なくとも何れかの遮蔽効果のある部材を有しているものである。即ち、3次元情報を取得する際、外光、風などの外乱の影響は少ない方が望ましい。しかしながら、従来技術ではそのことについては考慮していない。
【0075】
そこで、本実施の形態では、図13の(A)に示すように、上記水平面測定範囲規定部1、上記鉛直方向測定範囲規定部2、及び上記開口部3を、風量的遮蔽効果のある部材として構成する。このように、風量的に遮蔽していると、風になびき易いものである旗、煙、風鈴などの3次元情報取得に効果がある。
【0076】
あるいは、図13の(B)に示すように、上記水平面測定範囲規定部1、上記鉛直方向測定範囲規定部2、及び上記開口部3を、温度的遮蔽効果のある部材として構成する。このように、温度的に遮蔽していると、温度変化で変形してしまうものである氷、料理、温度変形し易い各種素材などの3次元情報取得に効果がある。
【0077】
また、図13の(C)に示すように、上記水平面測定範囲規定部1、上記鉛直方向測定範囲規定部2、及び上記開口部3を、真空的遮蔽効果のある部材として構成する。このように、真空状態に遮蔽していると、真空でないと変化してしまうものである錆易い各種金属、スパッタ蒸着などを行なう各種素子などの3次元情報取得に効果がある。
【0078】
[第10の実施の形態]
次に、本発明の第10の実施の形態を説明する。
【0079】
本実施の形態は、水平面測定範囲規定部1、鉛直方向測定範囲規定部2、及び開口部3の内の少なくとも何れかと、3次元情報入力部4とが、被写体の大きさによって変更可能になっているものである。
【0080】
例えば、図14に示すように、上記水平面測定範囲規定部1が、各種の大きさのものと交換可能となっており、上記鉛直方向測定範囲規定部2は、延長制御器具22によって延長可能になっている。そして、遮蔽効果を得るために、遮光カーテン5を上から掛けるようになっている。また、上記3次元情報入力部4は、パターン投影を利用する入力部とし、最大取得範囲を変更するために投影部45の投影画角、撮影カメラ43の画角を変更できるようになっている。
【0081】
即ち、前述の実施の形態においては、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が取得可能かどうかを確認できるようになっている。従って、簡単に取得の可否が判断できるが、取得できないものに関しては、大きさの異なる3次元情報取得装置を用いて取得を行わなくてはならない。しかし、多くの装置をそろえておくとコストが多くかかるし、保管場所も必要である。そこで、本実施の形態では、取得不可能なものとなった場合には、上記水平面測定範囲規定部1を適当な大きさのものと交換すると共に、上記鉛直方向測定範囲規定部2を上記延長制御器具22によって延長し、また、上記3次元情報入力部4の投影部45の投影画角、撮影カメラ43の画角を変更することにより、3次元情報の取得を行えるようにしている。
【0082】
また、遮光するために非常に容易に変形できる遮光カーテン5を用いているので、装置全体の大きさが変っても遮光することが簡単にできる。
【0083】
一般的に、3次元情報取得の作業として考えられる工程としては、まず、本実施形態の各部を変形させない状態で、取得可能な被写体に対してのみ3次元情報の取得作業を完了させ、次に、本実施形態の各部を変形させて、最初の状態で取得できなかった被写体を取得可能な状態にしてから、その残りの被写体について3次元情報取得を取得するというのが考えられる。
【0084】
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が取得可能かどうかを確認できるだけでなく、もし取得不可能な場合も簡単な変更で取得可能とすることができる。
【0085】
[第11の実施の形態]
次に、本発明の第11の実施の形態を説明する。
【0086】
図15は、その構成を示す図で、本実施の形態に係る3次元情報取得装置は、被写体の3次元情報を取得したことを知らせる音を発する取得終了音発生部6を更に有しているものである。
【0087】
即ち、オフィスなどで3次元情報取得装置を利用する場合、一般に被写体aを入れた後、ユーザはずっとその位置にいなくても済むほうが、同時に他の仕事ができるので望ましい。しかし、一般には、他の場所にいると、3次元情報の取得が終了したかどうかが分からない。そこで、本実施の形態では、被写体の3次元情報を取得したことを知らせる音を発するようにし、これにより、ユーザは他の場所にいても情報取得終了がわかるし、また同時に、別のユーザもそのことを知ることができる。よって、例えば多くの被写体を逐次3次元情報取得したい場合などに作業の効率アップにつながる。
【0088】
勿論、音による告知のみならず、光(LEDランプ)なども告知手段として適用可能である。
【0089】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0090】
例えば、3次元情報入力部4では、3次元情報の計算、出力を当該入力部内で行っても良いし、PCを組み合わせてPC上で行っても構わない。
【0091】
また、3次元情報の出力形態として、本装置に別途設置した画面(PCも含む)に表示する、電子的にメモリに書き込む、立体実物模型や紙レリーフとして実体出力する、携帯電話等の携帯端末にデータを送信し、その携帯端末画面に表示する、など、種々考えられが、どんな方法を用いても構わない。
【0092】
更に、3次元情報も、動画、静止画を問わず、音声を入力できるようにしてもよい。被写体条件も、静止か運動中か、色、大きさ、重さ、可塑性などを問わず様々なものを入力して良い。
【0093】
また、3次元情報入力部4は、能動的、受動的、組み合わせたものなど、光学を用いて3次元情報が入力できるものならば、どのようなものでも良い。
【0094】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が取得可能かどうかを確認でき、また、安全性を保ったまま、投影光の強度レベルを強くすることができる3次元情報取得装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図5】第3の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図7】第4の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図10】第6の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図13】(A)乃至(C)はそれぞれ本発明の第9の実施の形態に係る3次元情報取得装置の例を示す図である。
【図14】本発明の第10の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図15】本発明の第11の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 水平面測定範囲規定部
2 鉛直方向測定範囲規定部
3 開口部
4 3次元情報入力部
5 遮光カーテン
6 取得終了音発生部
11 水平面マーカ
12 回転テーブル
21 鉛直方向マーカ
22 延長制御器具
31 開口開閉部
32 発光制御部
33 特定波長遮蔽ガラス
41 バック投影機
42 スクリーン
43 撮影カメラ
44 照明部
45 投影部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学的手段を用い被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置が種々提案されている。そのような3次元情報取得装置としては、光を投影せずに行う受動的なもの、パターンを照射して行う能動的なもの、回転テーブル上に載せた被写体のシルエットを利用するもの、などがある。
【0003】
上記受動的なものとしては、例えば、コマツ(株式会社 小松製作所)の製品名「FZ930」なる9眼式ステレオシステムや、株式会社ビュープラスの製品名「Color Digiclops」なる3眼式ステレオシステムが発表されている。
【0004】
また、上記能動的なものとしては、ミノルタ株式会社の製品名「3D 1500」なるポータブル3D画像入力システムや、特開2000−283735号公報に開示の3次元情報入力カメラが発表されている。
【0005】
そして、上記回転テーブル上に載せた被写体のシルエットを利用するものとしては、コンパックコンピュータ株式会社の製品名「Creation Studio」なるシステムが発表されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置はすべて、光学的手段である撮像装置の画角、投影装置の投影範囲などにより、撮影できる範囲が規定されている。
【0007】
しかしながら、ユーザは、3次元情報取得装置による取得動作実行前に、まず、被写体の寸法をメジャーで予め計るという非常にわずらわしい手段で、3次元情報取得装置で取得可能かどうかを確認しなければならないのがほとんどである。
【0008】
また、メジャーで計測するまではいかなくとも、撮像装置のファインダを見て、撮影範囲に入っているか確認するというものもある。しかしながら、一般的には小さいファインダで確認すること自体もわずらわしく、それを避けて大きな液晶画面で見るには、わざわざ電気スイッチを入れるというわずらわしい操作も必要である。さらに、ファインダ内に入っていても取得範囲外になることもあり、あまり参考にならないこともあった。
【0009】
また、能動的な光学的手段を使用する場合、一般に投影光は強ければ強いほど測定性能を高くすることができるが、あまり強くすると、人間の目にとって危険になり、一定のレベル以上には強く出来ない問題があった。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置において、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が情報取得可能なものかどうかを確認できる3次元情報取得装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、安全性を保ったまま、投影光の強度レベルを強くすることができる3次元情報取得装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による3次元情報取得装置は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報入力手段と、上記3次元情報入力手段が3次元情報の取得が可能な範囲における水平面方向の最大測定範囲を規定する水平方向測定範囲規定手段と、上記3次元情報の取得が可能な範囲における垂直面方向の最大測定範囲を規定する垂直方向測定範囲規定手段と、上記3次元情報の取得が可能な範囲の中に上記被写体を出し入れする開口部とを備えることを特徴とする。
【0013】
即ち、本発明の3次元情報取得装置によれば、開口部を通す時あるいは3次元情報取得位置への配置後に、被写体の水平面での最大測定範囲を規定する水平方向測定範囲規定手段と、被写体の鉛直方向での最大測定範囲を規定する垂直方向測定範囲規定手段とにより、その被写体が3次元情報取得可能であるかを、非常に簡単に方法で規定することができる。
【0014】
従って、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置において、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が3次元情報取得可能かどうかを確認できる。
【0015】
なお、上記水平方向測定範囲規定手段が、上記被写体を回転させる回転テーブルを有していても良い。
【0016】
また、上記3次元情報入力手段は、上記被写体を照明する照明手段と、上記3次元情報の取得が可能な範囲を含む空間を光学的に遮蔽効果のある部材で囲む光学的遮蔽手段とをさらに有しても良い。この場合、上記光学的遮蔽手段の上記開口部に相当する部分が開閉する開閉手段をさらに具備しても良い。更に、上記3次元情報入力手段は、上記被写体を空間的にマーキングするための投影光を投影する投影手段と、上記開閉手段が開放されているときは、上記投影手段の投光を禁止する発光制御手段とをさらに有しても良い。この場合、上記光学的遮蔽手段の一部が、上記投影光の波長の透過率が他の波長に比べて相対的に低い部材で構成されていることが好ましい。
【0017】
また、上記3次元情報入力手段は、上記被写体を空間的にマーキングするための投影光を投影する投影手段をさらに有し、上記投影光が直接上記開口部に入射しないように上記投影手段と上記開口部が配置されたものとしても良い。この場合、上記投影手段と上記開口部が、互いに面の方向が異なり、隣り合う面に設けられていることが好ましい。
【0018】
また、上記水平方向測定範囲規定手段または上記垂直方向測定範囲規定手段若しくは上記開口部と、上記3次元情報入力手段とが、上記被写体の大きさに合わせて変更可能となっていても良い。
【0019】
さらに、上記被写体の3次元情報を取得するための処理が完了した後、処理終了を操作者に告知するための告知手段をさらに具備しても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【0022】
この3次元情報取得装置は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報入力手段が3次元情報を取得可能な範囲における水平面方向の最大測定範囲を規定する水平方向測定範囲規定手段としての水平面測定範囲規定部1と、同じく3次元情報を取得可能な範囲における垂直面方向の最大測定範囲を規定する垂直方向測定範囲規定手段としての鉛直方向測定範囲規定部2と、上記3次元情報入力手段が3次元情報を取得可能な範囲の中に被写体aを出し入れする開口部3と、上記3次元情報入力手段としての3次元情報入力部4とから構成されている。
【0023】
このような構成において、上記被写体aは、上記開口部3を通して、本実施の形態に係る3次元情報取得装置内に入れられ、3次元情報が取得できるよう配置される。
【0024】
この配置前、あるいは、配置後に、上記被写体aは、被写体の水平面での最大測定範囲を規定する上記水平面測定範囲規定部1と、被写体の鉛直方向での最大測定範囲を規定する上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより、その被写体aが3次元情報取得可能であるかどうかが規定される。この規定されるタイミングは、上記開口部3から入れられ、3次元情報が取得できるよう配置された時でも良いし、上記開口部3を通す時に規定できるようにしても良いが、後者の場合は、上記開口部3を通す時に上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより、それぞれ水平面、鉛直方向での最大測定範囲が規定できるように配置しておけば良い。
【0025】
また、規定の方法としては、「開口部3を通す時に規定外のものは物理的に通らないようにしておく」、「3次元情報が取得できるよう配置する時に規定外のものは物理的に配置できないようにしておく」、「マーカなどをつけて規定外のものが目視等で簡単に判定できるようにしておく」などが考えられる。
【0026】
上記3次元情報入力部4は、「3次元画像計測」、井口征士、佐藤宏介共著、昭晃堂、P14−15に開示されているような、光を投影せずに行う受動的なステレオ方式を利用している。しかしながら、この3次元情報入力部4は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得するものなら何でも良く、光を投影せずに行う受動的なもの、パターンを照射して行う能動的なもの、回転テーブル上に載せた被写体のシルエットを利用するもの、など、様々なものが考えられる。
【0027】
その際、光学的な理由から決定される取得できる規定範囲を、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより規定される範囲と対応させておけば良い。なお、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより規定される範囲は、規定外になると全く取得できなくなるレベルにまで厳密に設定しなくても良く、規定内ならある程度良好に、あるいは必ず取得できるという推奨範囲であって良い。このように、両者の規定範囲は全く一致させていなくても良く、ユーザが困惑しない範囲で、両者にマージンを設けておいても構わない。
【0028】
図2は、本第1の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【0029】
これは、底面の板を上記水平面測定範囲規定部1とし、側面の柱と上方の横棒とを上記鉛直方向測定範囲規定部2として構成したものである。この場合、上記開口部3は、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2とにより規定される。
【0030】
この変形例においても、被写体aは、上記開口部3を通して該3次元情報取得装置に入れられ、3次元情報が取得できるよう配置される。上記開口部3を通す時に、上記水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2とにより、それぞれ、水平面での最大測定範囲、鉛直方向での最大測定範囲が規定でき、規定外のものは物理的に通らなくなっている。
【0031】
以上のように、本第1の実施の形態では、光学的な理由から決定される取得できる規定範囲を水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2とにより規定される範囲と一致させている。勿論、厳密に一致させる必要はなく、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2とによって規定される範囲は、光学的に良好に取得できる推奨範囲であっても良い。
【0032】
本実施の形態によれば、開口を通す時あるいは3次元情報取得位置への配置後に、被写体の水平面での最大測定範囲を規定する水平面測定範囲規定部1と、被写体の鉛直方向での最大測定範囲を規定する鉛直方向測定範囲規定部2とにより、その被写体が3次元情報取得可能であるかを、非常に簡単に方法で(例えば、開口を通るか否か、配置できるか否か、などで、あるいは、物理的にマーカを超えていないかなど簡単な目視で)規定することができる。
【0033】
即ち、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報取得装置において、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が3次元情報取得可能かどうかを確認できる。
【0034】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0035】
図3は、その構成を示す斜視図であり、本実施の形態では、上記水平面測定範囲規定部1が、底面の板と、その板に書かれた水平面マーカ11として、また、上記鉛直方向測定範囲規定部2が、側面の円柱の壁と、その壁に書かれた鉛直方向マーカ21として構成され、上記開口部3は上方に設けられているものである。
【0036】
即ち、被写体aは、上方の上記開口部3を通して本実施の形態に係る3次元情報取得装置に入れられ、3次元情報が取得できるよう配置される。そして、その配置後に、底面の上記水平面マーカ11と側面の上記鉛直方向マーカ21とにより、それぞれ水平面での最大測定範囲、鉛直方向での最大測定範囲が規定でき、規定外のものはそれらマーカ11,21を超えるようになっている。
【0037】
なお、上記3次元情報入力部4は、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得するものとして、例えば、「3次元画像計測」、井口征士、佐藤宏介共著、昭晃堂、P36−40に開示されているような、パターンを照射して行う能動的なものを利用している。
【0038】
このような本実施の形態によれば、被写体の水平面での最大測定範囲を規定する水平面測定範囲規定部1と、被写体の鉛直方向での最大測定範囲を規定する鉛直方向測定範囲規定部2とにより、その被写体が3次元情報取得可能であるかを、マーカ11,21を超えているか否かという非常に簡単に方法で規定することができる。また、物理的に書かれたマーカであるので、該3次元情報取得装置の電源を入れることなく確認できるという利点もある。
【0039】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0040】
図4は、その構成を示す図で、本実施の形態においては、上記水平面測定範囲規定部1は、被写体aを回転させる回転テーブル12を有するものである。
【0041】
一般に、3次元情報入力部4において、一つの光学系システム(乃至は1組のステレオペア)では、一方向から見た3次元情報しか取得できないが、このように回転テーブル12上に被写体aを置いて回転させることにより、被写体aの全周囲の3次元情報を取得することができる。
【0042】
このとき、この回転テーブル12の範囲を水平面測定範囲とし、回転テーブル12からはみ出さずに載せられ、且つ、鉛直方向測定範囲規定部2の規定内のものを、その被写体が3次元情報取得可能であると規定する。
【0043】
なお、この場合も、回転テーブル12の範囲と水平面測定範囲は厳密に一致させていなくても良く、回転テーブル12にマーカを付けて、規定外のものが目視等で簡単に判定できるようにしておいても良い。
【0044】
図5は、本第3の実施の形態の変形例を示す図である。
即ち、光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報入力部4として、バック投影機41により被写体aを後方からバック投影し、スクリーン42上にシルエットが写るようにして撮影カメラ43で撮影し、被写体aの輪郭を切り出す操作を、被写体aを回転させる毎に逐次行い、各撮影像を解析することによって被写体の全周3次元情報を得るというものを利用している。
【0045】
なお、この場合も、回転テーブル12の範囲と水平面測定範囲は厳密に一致させていなくても良く、回転テーブル12にマーカを付けて、規定外のものが目視等で簡単に判定できるようにしておいても良い。
【0046】
以上のように、本第3の実施の形態によれば、開口を通す時あるいは3次元情報取得位置への配置後に、回転テーブル12を有する水平面測定範囲規定部1と、鉛直方向測定範囲規定部2とにより、その被写体が3次元情報取得可能であるかを、回転テーブルからはみ出さないかどうか(またはマーカを超えていないかどうか)という簡単な方法で規定することができるだけでなく、被写体の全周の3次元情報も簡単に取得できる。
【0047】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0048】
図6は、その構成を示す図である。即ち、本第4の実施の形態に係る3次元情報取得装置は、上記3次元情報入力部4として、被写体aを照明するための照明部44、あるいは、被写体aを空間的にマーキングするための投影部45のうちの少なくとも一方を有するものを使用し、また、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2と上記開口部3のうち、少なくとも何れかを、光学的に遮蔽効果のある部材(例えば、黒い金属板)で構成したものである。
【0049】
即ち、一般に、3次元情報入力部4において、パターンを照射して被写体を空間的にマーキングする能動的な方法を使う場合、マーキングがより鮮明に行われた方が3次元情報の精度は上がるので、投影光量はより大きいことが望ましい。しかし、あまり光量を上げると、ユーザの目への安全性の問題が生じる。そこで本実施の形態では、上記水平面測定範囲規定部1、上記鉛直方向測定範囲規定部2、及び上記開口部3の内の少なくとも何れかが光学的に遮蔽の構成とすることにより、ユーザの目への安全性を保ったまま、投影光量を大きくすることを可能としている。
【0050】
また、3次元情報入力部4において、被写体のテクスチャー情報も同時に撮影する場合や受動的にステレオ計測する場合などでは、被写体を照明することが行われるが、その場合にも、外光の影響がない方が精度が良く、また3次元情報に貼り付けた被写体のテクスチャーが元の被写体に近くなり、より望ましいと言える。そこで、この場合も、本実施の形態によれば、水平面測定範囲規定部1、鉛直方向測定範囲規定部2、及び開口部3の内の少なくとも何れかが光学的に遮蔽されている構成としたことにより、外乱の影響が少なく、精度良く且つ良好な3次元情報を取得することが可能となる。
【0051】
図7は、本実施の形態の変形例を示す図である。
即ち、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2の素材を、光学的に遮蔽効果のある部材(黒い金属板)とし、また、3次元情報入力部4はステレオ計測法を利用した入力部として、被写体aを照明するための照明部44を具備しているものである。このような構成とすることにより、外光の影響を軽減させることが可能になるので、精度が良く、また、3次元情報に貼り付けた被写体のテクスチャーを元の被写体に近くすることができる。
【0052】
なお、本実施形態のように、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2に関しては、光学的に遮蔽効果のある部材をそのまま使用して構成すれば容易に実現できるが、開口部3については、例えば開閉できる窓やカーテンを付与し、窓、カーテンの素材を光学的に遮蔽効果のある部材にすれば良い。
【0053】
ここで、遮蔽作用の意味するところは、光を100%遮断するものに限定されるものでなく、一部を遮蔽するもの、ある特定波長成分のみやある偏光成分のみを遮蔽するものなど、広く指すものとする。これは、照明光、外光に応じて、適宜利用すれば良い。
【0054】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0055】
図8は、その構成を示す図で、本実施の形態においては、3次元情報取得装置は、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2の素材を光学的に遮蔽効果のある部材(黒い金属板)とし、3次元情報入力部4をパターンを照射して被写体aを空間的にマーキングする能動的な方法を利用した入力部として、被写体aをマーキング投影するための投影部45を具備しているものである。
【0056】
即ち、一般に、マーキングがより鮮明に行われた方が3次元情報の精度は上がるので、投影光量はより大きいことが望ましい。しかし、あまり光量を上げると、ユーザの目への安全性の問題が生じる。本実施の形態では、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2とが光学的に遮蔽されていることにより、目への安全性を保ったまま投影光量を大きくすることが可能となる。
【0057】
なお、本実施の形態においても、水平面測定範囲規定部1と鉛直方向測定範囲規定部2に関しては光学的に遮蔽効果のある部材をそのまま使用して構成すれば容易に実現できるが、開口部3については、例えば開閉できる窓やカーテンを付与し、窓、カーテンの素材を光学的に遮蔽効果のある部材にしても良い。この場合も、遮蔽作用の意味するところは光を100%遮断するものに限定されるものでなく、一部を遮蔽するもの、ある特定波長成分のみやある偏光成分のみを遮蔽するものなど、照明光、外光に応じて適宜利用すれば良い。
【0058】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。
【0059】
図9は、その構成を示す斜視図であり、本第6の実施の形態に係る3次元情報取得装置は、開口部3を開閉できる開閉手段としての開口開閉部31と、この開口開閉部31内に設けられ、該開口開閉部31が開いている状態では照明部44あるいは投影部45の少なくとも一方が発光しないように制御する発光制御部32とを有しているものである。ここで、上記発光制御部32は、例えば、機械式なドアスイッチ(図示せず)に連動し、照明部44又は投影部45の発光回路と電気的に接続したものとして構成できる。
【0060】
この場合、上記開口開閉部31を光学的に遮蔽効果のある部材(黒い金属板)により構成することが好ましい。
【0061】
また、図10に示すように、上記発光制御部32を該開口開閉部31内以外のところに構成しても良い。
【0062】
このように、本第6の実施の形態によれば、開口を開閉できる開口開閉部31を設けることによって、更に光学的な遮蔽度が増加し、安全性が増大し、且つ、精度良く且つ良好な3次元情報を取得することが可能となるだけでなく、開口開閉部31が開いている状態では照明部44あるいは投影部45の少なくとも一方が発光しないように制御する発光制御部32を有するので、被写体の出し入れ時に誤って発光する危険がなく、更に2重に安全性が増すことになる。
【0063】
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。
【0064】
図11は、本第7の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図であり、本実施の形態の3次元情報取得装置では、開口部3の部材に関し投影部45からの投影光に対して選択的に遮蔽するようになっている。即ち、開口開閉部31に、特定波長遮蔽ガラス33を設けている。
【0065】
ここで、上記投影部45から発光される投影光を波長700nmのLD光源とした場合、上記特定波長遮蔽ガラス33は、波長350〜650nmを透過させ、波長680〜720nmは遮蔽するようなミラー(例えば、レーザ用の安全メガネの素材)として構成する。
【0066】
つまり、3次元情報取得する際に、作業上の理由で、内部の被写体は何か、被写体の有無が外部から確認できた方が望ましいことがある(被写体の置き忘れ防止、転倒していた時の発見、被写体の誤選択の防止など)。そこで、本実施の形態では、内部からの可視光(照明部44からの照明光の被写体反射光)は透過し、投影部45からの投影光を選択的に遮断するような特定波長遮蔽ガラス33により、安全性を保ったまま、内部の被写体を見ることを可能にしている。また、同時に、投影光を選択的に遮蔽するものとして構成すれば、外部からその投影光と同じ性質の光が入射しようとしても遮蔽することが可能になるので、装置内部にノイズとしての外来光が入ることを防ぐこともできる。
【0067】
なお、本実施の形態では、開口部3の部材に関し投影部45からの投影光に対して選択的に遮蔽するようにしたが、どの方向から内部を見たいか、投影光がどの方向から射出し易いいか等の事情により、水平面測定範囲規定部1や、鉛直方向測定範囲規定部2を、そのような選択的遮蔽部材としても全く構わない。
【0068】
このように、本実施の形態によれば、3次元情報を取得する際に、内部の被写体は何か、被写体の有無などが外部から確認できることによる、作業上の能率アップに効果があるだけでなく、より外乱の防止につながり、良好な3次元情報を取得できるようになる。
【0069】
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態を説明する。
【0070】
図12は、その構成を示す斜視図であり、本実施の形態に係る3次元情報取得装置では、投影部45からの投影光が直接、開口部3に入射しないようになっている。即ち、投影部45と開口部3とを同一線上に配置せずに、直角方向に配置し、投影部45からの投影光が直接、開口部3に入射しないようにしている。
【0071】
このように配置すれば、仮に開口部3に付けた前述したような開口開閉部31が開けられた時に発光制御部32が壊れていて投影光が発光してしまった場合、あるいは、運転中、開口部3に設けた光学的遮蔽手段、例えば上記第7の実施の形態のような特定波長遮蔽ガラス33が割れてしまった場合にも、投影光は直接開口部3に入射しないので、ユーザの目の障害につながる大事故にならないという利点がある。
【0072】
また、直接目に入射しなければ危険でないレベルの投影光の場合は、開口開閉部31や光学的遮蔽手段を不要、あるいは、簡単で安価なものにできるという利点もある。
【0073】
[第9の実施の形態]
次に、本発明の第9の実施の形態を説明する。
【0074】
本実施の形態は、上記水平面測定範囲規定部1と上記鉛直方向測定範囲規定部2と上記開口部3のうち、少なくとも何れかが、風量的、温度的、真空的の少なくとも何れかの遮蔽効果のある部材を有しているものである。即ち、3次元情報を取得する際、外光、風などの外乱の影響は少ない方が望ましい。しかしながら、従来技術ではそのことについては考慮していない。
【0075】
そこで、本実施の形態では、図13の(A)に示すように、上記水平面測定範囲規定部1、上記鉛直方向測定範囲規定部2、及び上記開口部3を、風量的遮蔽効果のある部材として構成する。このように、風量的に遮蔽していると、風になびき易いものである旗、煙、風鈴などの3次元情報取得に効果がある。
【0076】
あるいは、図13の(B)に示すように、上記水平面測定範囲規定部1、上記鉛直方向測定範囲規定部2、及び上記開口部3を、温度的遮蔽効果のある部材として構成する。このように、温度的に遮蔽していると、温度変化で変形してしまうものである氷、料理、温度変形し易い各種素材などの3次元情報取得に効果がある。
【0077】
また、図13の(C)に示すように、上記水平面測定範囲規定部1、上記鉛直方向測定範囲規定部2、及び上記開口部3を、真空的遮蔽効果のある部材として構成する。このように、真空状態に遮蔽していると、真空でないと変化してしまうものである錆易い各種金属、スパッタ蒸着などを行なう各種素子などの3次元情報取得に効果がある。
【0078】
[第10の実施の形態]
次に、本発明の第10の実施の形態を説明する。
【0079】
本実施の形態は、水平面測定範囲規定部1、鉛直方向測定範囲規定部2、及び開口部3の内の少なくとも何れかと、3次元情報入力部4とが、被写体の大きさによって変更可能になっているものである。
【0080】
例えば、図14に示すように、上記水平面測定範囲規定部1が、各種の大きさのものと交換可能となっており、上記鉛直方向測定範囲規定部2は、延長制御器具22によって延長可能になっている。そして、遮蔽効果を得るために、遮光カーテン5を上から掛けるようになっている。また、上記3次元情報入力部4は、パターン投影を利用する入力部とし、最大取得範囲を変更するために投影部45の投影画角、撮影カメラ43の画角を変更できるようになっている。
【0081】
即ち、前述の実施の形態においては、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が取得可能かどうかを確認できるようになっている。従って、簡単に取得の可否が判断できるが、取得できないものに関しては、大きさの異なる3次元情報取得装置を用いて取得を行わなくてはならない。しかし、多くの装置をそろえておくとコストが多くかかるし、保管場所も必要である。そこで、本実施の形態では、取得不可能なものとなった場合には、上記水平面測定範囲規定部1を適当な大きさのものと交換すると共に、上記鉛直方向測定範囲規定部2を上記延長制御器具22によって延長し、また、上記3次元情報入力部4の投影部45の投影画角、撮影カメラ43の画角を変更することにより、3次元情報の取得を行えるようにしている。
【0082】
また、遮光するために非常に容易に変形できる遮光カーテン5を用いているので、装置全体の大きさが変っても遮光することが簡単にできる。
【0083】
一般的に、3次元情報取得の作業として考えられる工程としては、まず、本実施形態の各部を変形させない状態で、取得可能な被写体に対してのみ3次元情報の取得作業を完了させ、次に、本実施形態の各部を変形させて、最初の状態で取得できなかった被写体を取得可能な状態にしてから、その残りの被写体について3次元情報取得を取得するというのが考えられる。
【0084】
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が取得可能かどうかを確認できるだけでなく、もし取得不可能な場合も簡単な変更で取得可能とすることができる。
【0085】
[第11の実施の形態]
次に、本発明の第11の実施の形態を説明する。
【0086】
図15は、その構成を示す図で、本実施の形態に係る3次元情報取得装置は、被写体の3次元情報を取得したことを知らせる音を発する取得終了音発生部6を更に有しているものである。
【0087】
即ち、オフィスなどで3次元情報取得装置を利用する場合、一般に被写体aを入れた後、ユーザはずっとその位置にいなくても済むほうが、同時に他の仕事ができるので望ましい。しかし、一般には、他の場所にいると、3次元情報の取得が終了したかどうかが分からない。そこで、本実施の形態では、被写体の3次元情報を取得したことを知らせる音を発するようにし、これにより、ユーザは他の場所にいても情報取得終了がわかるし、また同時に、別のユーザもそのことを知ることができる。よって、例えば多くの被写体を逐次3次元情報取得したい場合などに作業の効率アップにつながる。
【0088】
勿論、音による告知のみならず、光(LEDランプ)なども告知手段として適用可能である。
【0089】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0090】
例えば、3次元情報入力部4では、3次元情報の計算、出力を当該入力部内で行っても良いし、PCを組み合わせてPC上で行っても構わない。
【0091】
また、3次元情報の出力形態として、本装置に別途設置した画面(PCも含む)に表示する、電子的にメモリに書き込む、立体実物模型や紙レリーフとして実体出力する、携帯電話等の携帯端末にデータを送信し、その携帯端末画面に表示する、など、種々考えられが、どんな方法を用いても構わない。
【0092】
更に、3次元情報も、動画、静止画を問わず、音声を入力できるようにしてもよい。被写体条件も、静止か運動中か、色、大きさ、重さ、可塑性などを問わず様々なものを入力して良い。
【0093】
また、3次元情報入力部4は、能動的、受動的、組み合わせたものなど、光学を用いて3次元情報が入力できるものならば、どのようなものでも良い。
【0094】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ユーザにとってわずらわしい操作なく3次元情報の取得前に被写体が取得可能かどうかを確認でき、また、安全性を保ったまま、投影光の強度レベルを強くすることができる3次元情報取得装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図5】第3の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図7】第4の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図10】第6の実施の形態に係る3次元情報取得装置の変形例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図13】(A)乃至(C)はそれぞれ本発明の第9の実施の形態に係る3次元情報取得装置の例を示す図である。
【図14】本発明の第10の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【図15】本発明の第11の実施の形態に係る3次元情報取得装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 水平面測定範囲規定部
2 鉛直方向測定範囲規定部
3 開口部
4 3次元情報入力部
5 遮光カーテン
6 取得終了音発生部
11 水平面マーカ
12 回転テーブル
21 鉛直方向マーカ
22 延長制御器具
31 開口開閉部
32 発光制御部
33 特定波長遮蔽ガラス
41 バック投影機
42 スクリーン
43 撮影カメラ
44 照明部
45 投影部
Claims (10)
- 光学的手段を用いて被写体の3次元情報を取得する3次元情報入力手段と、
前記3次元情報入力手段が3次元情報の取得が可能な範囲における水平面方向の最大測定範囲を規定する水平方向測定範囲規定手段と、
前記3次元情報の取得が可能な範囲における垂直面方向の最大測定範囲を規定する垂直方向測定範囲規定手段と、
前記3次元情報の取得が可能な範囲の中に前記被写体を出し入れする開口部と、
を具備することを特徴とする3次元情報取得装置。 - 前記水平方向測定範囲規定手段が、前記被写体を回転させる回転テーブルを有することを特徴とする請求項1に記載の3次元情報取得装置。
- 前記3次元情報入力手段は、
前記被写体を照明する照明手段と、
前記3次元情報の取得が可能な範囲を含む空間を光学的に遮蔽効果のある部材で囲む光学的遮蔽手段と、
をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元情報取得装置。 - 前記光学的遮蔽手段の前記開口部に相当する部分が開閉する開閉手段をさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の3次元情報取得装置。
- 前記3次元情報入力手段は、
前記被写体を空間的にマーキングするための投影光を投影する投影手段と、
前記開閉手段が開放されているときは、前記投影手段の投光を禁止する発光制御手段と、
をさらに有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の3次元情報取得装置。 - 前記光学的遮蔽手段の一部が、前記投影光の波長の透過率が他の波長に比べて相対的に低い部材で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の3次元情報取得装置。
- 前記3次元情報入力手段は、前記被写体を空間的にマーキングするための投影光を投影する投影手段をさらに有し、前記投影光が直接前記開口部に入射しないように前記投影手段と前記開口部が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の3次元情報取得装置。
- 前記投影手段と前記開口部が、互いに面の方向が異なり、隣り合う面に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の3次元情報取得装置。
- 前記水平方向測定範囲規定手段または前記垂直方向測定範囲規定手段若しくは前記開口部と、前記3次元情報入力手段とが、前記被写体の大きさに合わせて変更可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の3次元情報取得装置。
- 前記被写体の3次元情報を取得するための処理が完了した後、処理終了を操作者に告知するための告知手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の3次元情報取得装置。
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