以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由が無い限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る対象特定システム1の概略について説明する。対象特定システム1の具体的な構成や動作については後述する。
図1は、本実施形態に係る対象特定システム1の利用シーンの一例を示す概念図である。
インターフェース装置100は、検出領域200の範囲内を撮像し、撮像した検出領域200に検出対象210が含まれるか否かを検証する。そして、インターフェース装置100は、検出領域200の範囲内において検出対象210を検出すると、検出対象210にマーキング光300を投射する。
本実施形態に係る対象特定システム1においては、裸眼での視認性を下げるために、投射手段30が照射するマーキング光300をパルスにして平均照度を下げる。
マーキング光300を認識する検出者は、シャッタメガネ600を使ってパルス状に出射されたマーキング光300を取り込み、相対的にコントラストが向上されたマーキング光300を視認できる。シャッタメガネ600は、例えば、非特許文献1に開示されているセキュアディスプレイと同様の原理によって実現される。なお、シャッタメガネ600は、非特許文献1とは異なる技術を用いたものであってもよい。
(非特許文献1)“Liquid Crystal Privacy-Enhanced Displays for Mobile PCs”,J. Ishii, G. Saito,M. Imai and F. Okumura, SID'09 Digest, pp.243-246, 2009
昼間の太陽光下においては、照度が50000〜60000ルクスにもなる。太陽光下において裸眼で視認できるマーキング光300を出射するには、強力な信号光を出射する必要がある。場合によっては違法なレーザ光を信号光として出射する必要性が生じる。しかしながら、法律上は信号光の上限に制限があるため、強力な信号光を連続的に出射し続けることができない場合も想定される。
また、周囲の人間がマーキング光300を視認できてしまうと、場合によってはパニックを起こす可能性がある。検出対象210は、マーキング光300を視認すると、逃亡する可能性が高い。そのため、周囲に悟られずに、昼間の太陽光下で見える強い信号光を検出対象210に照射する必要が生じる。
このような状況を克服するため、本実施形態においては、以下のようなアプローチをとる。
第1に、太陽光下において裸眼で視認できるマーキング光300を、非常に短いパルス状にして検出対象210に照射し、適法化する。第2に、パルス状のマーキング光300の平均照度を10〜50ルクス程度にする。この結果、背景光に対する信号光のコントラストは1000:1以上になり、裸眼ではほとんど信号光を視認できなくなってしまう。
図2は、検出対象210に照射するマーキング光300の照度について説明するための概念図である。例えば、検出対象210に照射されたマーキング光300の照度が1000ルクス、マーキング光300の平均的な照度が50ルクスであったとする。背景光に対して、検出対象210に照射されたマーキング光300のコントラストが十分に小さいと、照射された信号光を裸眼では認識できない。なぜならば、裸眼では、背景光の明るさに対してコントラストがあまりにも小さい光は検出できないためである。
なお、図2では、輝度やパルス間隔が一定の信号光について例示しているが、信号光のパルス間隔は任意に設定できる。例えば、信号光の輝度を落とす場合は、パルス間隔を密にし、検出者によって視覚される明るさを一定にすることができる。
図3は、太陽光を背景光とした際に、裸眼で、検出対象210に照射されたマーキング光300を見た場合の視認性について説明するための概念図である。
例えば、昼間の太陽光が50000ルクスであったとする。このとき、図3のように、平均照度が50ルクスとなるマーキング光300を検出対象210に照射すると、背景光の照度と投射光の照度とのコントラストが1000:1となる。すなわち、裸眼ではマーキング光300を視認できない。本実施形態においては、背景光とマーキング光300とのコントラストを利用して、裸眼では検出できないマーキング光300を検出対象210に照射する。
図4は、太陽光を背景光とした際に、シャッタメガネ600を通して、検出対象210に照射されたマーキング光300を見た場合の視認性について説明するための概念図である。
シャッタメガネ600を装着した検出者にとっては、シャッタメガネ600のシャッタが1周期で1/100の時間しか開いていないため、背景光の明るさは500ルクス程度に落ちることになる。一方、マーキング光300は、シャッタが開いているときだけシャッタを通過するため、平均照度は10〜50ルクス程度のままである。その結果、背景光とマーキング光300のコントラストが10:1となるため、シャッタメガネ600を装着した検出者はマーキング光300を十分視認できるようになる。通常、環境によって上述した照度のレベルは変化する。そのため、本実施形態においては、環境に合わせて、マーキング光300の照度およびシャッタ開口時間が自動的に設定されるように構成する。
例えば、ヘッドマウントディスプレイのような装置を用いても、検出対象210にバーチャルな目印を付けることは可能であるが、検出対象210にマーキング光300を一致させることは困難である。それに対し、本実施形態に係る対象特定システム1によれば、検出対象210にマーキング光300を常に一致させることができる。
図5は、複数人の中から検出対象210のみにマーキング光300を投射する例である。
検出対象210に投射されたマーキング光300は、背景光とのコントラストが十分に小さいため、周囲の人には視認できない。一方、検出者は、シャッタメガネ600をかけることによって、マーキング光300を視認できる。
すなわち、図5の例では、ウエアラブル型のインターフェース装置100が犯罪者などの検出対象210を検出し、マーキング光300を検出対象210に照射する。警察官などの検出者は、自身で検出対象210を見逃してしまっても、インターフェース装置100が照射したマーキング光300を見ることによって、検出対象210を把握できる。
以上が、本実施形態に係る対象特定システム1の概略についての説明である。
<構成>
次に、本発明の第1の実施形態に係る対象特定システム1の構成について、図面を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態に係る対象特定システム1の構成を示すブロック図である。図6のように、本実施形態に係る対象特定システム1は、情報入出力装置10および情報認識装置60を備える。なお、図1において、情報入出力装置10がインターフェース装置100に相当し、情報認識装置60がシャッタメガネ600に相当する。
〔情報入出力装置〕
図7のように、本実施形態に係る情報入出力装置10は、撮像手段20と、制御手段40と、投射手段30とを備える。
〔撮像手段〕
図8は、本実施形態に係る撮像手段20の構成を示すブロック図である。撮像手段20は、撮像素子21、画像処理プロセッサ23、内部メモリ24、測光センサ25およびデータ出力部26を有する。
なお、図示していないが、撮像手段20には、少なくとも一つのレンズが組み込まれている。撮像手段20に組み込まれたレンズは、焦点距離を変えることができるズーム機能を有してもよい。また、撮像手段20には、焦点を自動的に合わせるオートフォーカス機能が搭載されていてもよい。また、撮像手段20には、手振れを防止する機能などの一般的なデジタルカメラに適用されている機能が搭載されていることが好ましい。
撮像素子21は、検出領域200を含む領域を撮像し、画像信号を取得するための素子である。撮像素子21は、半導体部品が集積回路化された光電変換素子である。撮像素子21は、例えば、CCD(Charge−Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide−Semiconductor)などの固体撮像素子によって実現できる。通常、撮像素子21は、可視領域の光を撮像する素子によって構成するが、赤外線や紫外線、X線、ガンマ線、電波、マイクロ波などの電磁波を撮像・検波できる素子によって構成してもよい。
画像処理プロセッサ23は、撮像素子21によって撮像された画像データに対して、暗電流補正や補間演算、色空間変換、ガンマ補正、収差の補正、ノイズリダクション、画像圧縮などの画像処理を実行する画像処理専用の集積回路である。なお、画像データを加工せずに出力する場合は、画像処理プロセッサ23を省略できる。画像処理プロセッサ23は、必要な処理ができるように設計されたプロセッサを用いればよい。
内部メモリ24は、画像処理プロセッサ23によって画像処理を行う際に処理しきれない画像データや、処理済みの画像データを一時的に格納する記憶素子である。なお、撮像素子21によって撮像された画像データを内部メモリ24に一時的に記憶するように構成してもよい。内部メモリ24は、一般的なメモリによって構成すればよい。
測光センサ25は、検出領域200の照度を測定するためのセンサである。測光センサ25は、例えばフォトレジスタやフォトダイオードなどのように光電効果を用いて光を検出する電子回路によって実現できる。なお、撮像素子21が測光する機能を有している場合は、測光センサ25を省略してもよい。
測光センサ25は、測定した検出領域200の照度をデータ出力部26に出力する。なお、測光センサ25によって取得された検出領域200の照度は、画像処理プロセッサ23の演算に用いてもよい。
測光センサ25としては、構造別分類では、ミラーメータ式測光やファインダー光路測光、カットコンデンサ式測光、ダイレクトコンデンサ式測光、サブミラー式測光、リトラクタブルセンサ式測光などに分類される方式を用いたものを適用できる。また、測光センサ25としては、方式別分類では、絞込み測光や瞬間絞込み測光、開放測光などに分類される方式を用いたものを適用できる。また、測光センサ25としては、範囲別分類では、スポット測光や部分測光、全面測光、中央部重点測光、多分割測光などに分類される方式を用いたものを適用できる。なお、ここであげた測光方式は一例であって、本発明の範囲をこれらに限定するわけではない。
データ出力部26は、画像処理プロセッサ23によって処理された処理済みの画像データを制御手段40に出力する。また、データ出力部26は、測光センサ25が測定した検出領域200の測光データ(照度)を制御手段40に出力する。
〔投射手段〕
図9は、本実施形態に係る投射手段30の構成を示すブロック図である。投射手段30は、光源31、光源駆動部32および投射部38を有する。
光源31は、特定波長の光34を発する光源を有する。通常、光源31は、可視光領域の光34を発するように構成する。なお、光源31は、赤外領域や紫外領域などの可視光領域以外の光34を発するように構成してもよい。
光源31は、例えばレーザ光源やLED(Light Emitting Diode)、ランプ、放電灯、電球などの発光源を用いることができる。なお、光源31に用いる発光源はここで挙げた限りではない。また、光源31は、別の発光源から発せられた光を反射する反射体であってもよい。
光源駆動部32は、制御手段40によって設定された照射条件に基づいて、指定された出力のパルス光が出射されるように光源31を駆動する。なお、照射条件の詳細については後述する。
投射部38は、光源31から出射された光34を信号光39として投射する。
投射手段30は、例えば図10のように、位相変調型の空間変調素子を搭載する投射手段30−1とすることができる。
図10は、位相変調型の空間変調素子を搭載した投射手段30−1の構成を示すブロック図である。投射手段30−1は、光源310、光源駆動部320、位相変調素子350、位相変調素子制御部360および投射部380を有する。
光源310は、特定波長のレーザ光340を発する光源を有する。通常、光源310は、可視光領域のレーザ光340を発するように構成する。なお、光源310は、赤外領域や紫外領域などの可視光領域以外のレーザ光340を発するように構成してもよい。
光源310は、投射範囲内の領域に光を均一に投射するのではなく、一部分に光を集中させて投射する。本実施形態に係る投射手段30−1は、文字や記号などの線画を投射する用途に用いられることが多い。文字や記号などの線画を投射する際には、レーザ光340の照射量を減らすことができるため、全体的なレーザ出力を抑えることができる。すなわち、光源310は、小型かつ低電力の光源と、その光源を駆動する低出力の電源とで構成できる。
光源駆動部320は、制御手段40によって設定された照射条件に基づいて、指定された出力のパルス光が出射されるように光源310を駆動する。
位相変調素子350は、位相がそろったコヒーレントなレーザ光340の入射を受け、入射されたレーザ光340の位相を変調する位相変調型の空間変調素子を含む。位相変調素子350は、変調された変調光370を投射部380に向けて出射する。
位相変調素子350上の表示領域には、被投射面上で目的画像を表示するための位相分布が表示される。位相変調素子350の表示領域で反射された変調光370は、一種の回折格子が集合体を形成したような画像になり、これらの回折格子で回折された光が集まることによって目的画像が形成される。
位相変調素子350は、例えば、強誘電性液晶やホモジーニアス液晶、垂直配向液晶などを用いた空間変調素子によって実現される。位相変調素子350は、例えば、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)によって実現できる。また、位相変調素子350は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)によって実現してもよい。
位相変調素子制御部360は、位相変調素子350上の表示領域に照射されるレーザ光340の位相と、表示領域で反射される変調光370の位相との差分を決定づけるパラメータが変化するように位相変調素子350を制御する。位相変調素子350上の表示領域に照射されるレーザ光340の位相と、表示領域で反射される変調光370の位相との差分を決定づけるパラメータは、例えば、屈折率や光路長などの光学的特性に関するパラメータである。例えば、位相変調素子制御部360は、位相変調素子350上の表示領域に印可する電圧を制御することによって、表示領域の屈折率を変化させる。その結果、表示領域に照射されたレーザ光340は、表示領域の屈折率に基づいて適宜回折される。
すなわち、位相変調素子350に照射されたレーザ光340の位相分布は、表示領域の光学的特性に応じて変調される。なお、位相変調素子制御部360による位相変調素子350の制御はここで挙げた限りではない。
投射部380は、位相変調素子350によって反射された変調光370を信号光390として投射する光学系を含む。
図11は、本実施形態に係る投射手段30−1の光学的な構成について説明するための概念図である。図11のように、本実施形態においては、光源310が出射したレーザ光をコリメータ53によって平行なレーザ光340とし、位相変調素子350の表示面に入射する。
本実施形態においては、図11のように、位相変調素子350上の表示面に対して、レーザ光340の入射角を非垂直にする。すなわち、本実施形態においては、光源310から出射されるレーザ光の出射軸を位相変調素子350上の表示面に対して斜めにする。位相変調素子350上の表示面に対してレーザ光340の出射軸を斜めに設定すれば、ビームスプリッタを用いなくても位相変調素子350の表示面にレーザ光340を入射できるため効率を向上させることができる。
位相変調素子350で変調された変調光370は、投射部380によって信号光390として投射される。図11のように、投射部380は、フーリエ変換レンズ381、アパーチャ382、投射レンズ383を有する。
フーリエ変換レンズ381は、位相変調素子350上の表示面で反射された変調光370を無限遠に投射した際に形成される像を、近傍の焦点位置に形成させるための光学レンズである。
アパーチャ382は、フーリエ変換レンズ381によって集束された光に含まれる高次光を消去し、画像領域を特定する機能を有する。アパーチャ382の開口部は、アパーチャ382の位置における投射画像の画像領域よりも小さく開口され、投射画像の周辺領域を遮るように設置される。例えば、アパーチャ382の開口部は、矩形状や円形上になるように形成される。アパーチャ382は、フーリエ変換レンズ381の焦点位置に設置されることが好ましいが、高次光を消去する機能を発揮できれば、焦点位置からずれていても構わない。
投射レンズ383は、フーリエ変換レンズ381によって集束された光を拡大して投射する光学レンズである。投射レンズ383は、位相変調素子350に入力された位相分布に対応する目的画像が被投射面上に表示されるように信号光390を投射する。
〔制御手段〕
制御手段40は、撮像手段20が撮像した検出領域200に検出対象210が含まれている場合、検出対象210に向けて適切な画像を投射するように投射手段30を制御する。また、制御手段40は、撮像手段20が撮像した検出領域200に含まれるユーザインターフェース画像に対して行われた操作に応じた画像情報を投射手段30に提供するとともに、その画像情報に関する画像を投射するように投射手段30を制御する。制御手段40は、例えば演算装置や制御装置などを含むマイクロコンピュータの機能によって実現できる。
なお、制御手段40は、検出対象210を検出した結果や、検出領域200になされた操作に関する情報をサーバなどの上位システムに所定のタイミングで送信するように構成してもよい。
図12のように、制御手段40は、撮像制御部41、照射条件設定部42、処理部43、記憶部44、投射制御部45および通信部46を有する。また、制御手段40は、検出対象210を特定するための対象特定手段50を含む。なお、図12には制御手段40が対象特定手段50を含む構成を示したが、制御手段40と対象特定手段50とを別の構成としてもよい。対象特定手段50については、後ほど詳細に説明する。
撮像制御部41は、撮像手段20に検出領域200を撮像させる制御を行う。撮像制御部41は、所定のタイミングで検出領域200を撮像手段20に撮像させる。また、撮像制御部41は、撮像手段20から出力された画像データおよび測光データを取得する。撮像制御部41は、画像データを対象特定手段50に出力し、測光データを照射条件設定部42に出力し、画像データおよび測光データを処理部43に出力する。
照射条件設定部42は、測光データに含まれる検出領域200の照度に基づいて、投射手段30が出射する信号光のパルス条件や出力条件を含む照射条件を算出する。なお、パルス条件には、信号光の照射時間に相当するパルス幅、信号光を出射する繰返し周期に関する条件を含む。また、出力条件には、信号光の出力強度、その出力強度で出射された信号光の検出領域200における照度などに関する条件を含む。照射条件設定部42は、算出した信号光の照射条件を処理部43に出力するともに、信号光のパルス条件を通信部46に出力する。なお、照射条件設定部42は、処理部43を経由せずに、投射制御部45または通信部46に照射条件を送信するように構成してもよい。
処理部43は、後述する対象特定手段50から取得した検出対象210が検出された位置座標を含む通知信号と、照射条件設定部42によって算出された照射条件とを取得する。なお、通知信号には、検出対象210が検出されたか否かを示す照合結果を含み、検出対象210が検出された場合には検出対象210の位置座標を含む。
処理部43は、撮像画像上における投射画像の位置座標を明らかにし、信号光を検出対象210に投射するための制御条件を生成する。処理部43は、検出対象210の位置座標を基に、検出対象210に向けて照射する信号光の照射方向を含む照射方向条件を制御条件の一つとして算出する。通常、対象特定手段50は、顔認証によって検出対象210を検出する。そのため、処理部43は、検出対象210の顔位置よりも下の胴体部分に信号光を照射できるように信号光の照射方向を決定する。処理部43によって生成される制御条件には、信号光のパルス条件、出力条件および照射方向条件に関する条件を含む。
処理部43は、投射手段30の制御条件を投射制御部45に出力する。
記憶部44は、投射手段30が投射する目的画像を記憶する。目的画像は、例えば×や○など、目的画像が照射された対象が検出対象210であることを識別するための所定の画像を含む。なお、記憶部44は、目的画像以外のデータを記憶するように構成してもよい。また、投射手段30が図10のような位相変調型の空間変調素子を含む場合、記憶部44は、目的画像の位相分布を記憶しておけばよい。
投射制御部45は、制御条件および照射条件を取得すると、適切な目的画像を記憶部44から取得する。そして、投射制御部45は、取得した目的画像を投射手段30に提供し、制御条件および照射条件に基づいて投射手段30を制御してその目的画像を投射させる。
通信部46は、照射条件設定部42によって設定された信号光のパルス条件を投射手段30に送信する。また、対象特定手段50が制御手段40の内部に含まれない構成の場合、通信部46は、対象特定手段50が出力した通知信号を受信する。
〔対象特定手段〕
図13は、本実施形態に係る対象特定手段50の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る対象特定手段50は、データベース51、画像取得部52、画像解析部53、照合部54、照合結果出力部55を有する。
データベース51は、検出対象210を含む顔画像の特徴データを格納しておく。データベース51は、例えば、鼻や目、あご、頬骨などといった顔のパーツの形状、それらのパーツの相対的な位置関係や大きさなどに関する情報を特徴データとして格納しておけばよい。なお、データベース51に格納しておくデータはここで挙げた限りではない。また、データベース51は、多数の顔画像から作成された平均的な顔画像の特徴データと、個々の顔画像の特徴データとの差分データを格納しておいてもよい。
本実施形態においては、人物の顔画像の特徴データを用いて、検出対象210を検出するが、顔画像以外の特徴データを用いて検出対象210を検出するようにしてもよい。例えば、人物の髪型や体格などを特徴データに設定することができる。また、動画解析することが可能ならば、人物の歩き方や癖などを特徴データに設定することもできる。
画像取得部52は、撮像制御部41から画像データを取得する。画像取得部52は、取得した画像データを画像解析部53に出力する。
画像解析部53は、画像取得部52から画像データを取得し、取得した画像データを解析する。画像解析部53は、解析した画像データから人物の顔に対応する顔画像を検出し、検出した顔画像から特徴データを抽出する。画像解析部53は、例えば、鼻や目、あご、頬骨などといった顔のパーツの形状、それらのパーツの相対的な位置関係や大きさなどの特徴データを顔画像から抽出する。このとき、画像解析部53は、画像データから抽出された顔画像の特徴データに、その顔画像が抽出された画像データ上の位置座標を関連付ける。
画像解析部53は、抽出した顔画像の特徴データと、その顔画像に対応する位置座標とを含むデータを照合部54に出力する。
照合部54は、画像解析部53によって抽出された顔画像の特徴データと、データベース51に格納された個々の顔画像の特徴データとを比較する。照合部54は、顔画像上の特徴データをそのまま比較したり、顔画像を統計的に数値化して比較したりすればよい。なお、顔画像を比較する具体的なアルゴリズムとしては、一般的な手法を用いればよい。例えば、照合部54は、特徴的な顔のパーツの組み合わせを用いてテンプレートマッチングを行うことによって、撮像手段20によって撮像された検出領域200に検出対象210が含まれるか否かを照合できる。
照合部54は、検出対象210を検出した場合、検出対象210が検出されたという判定結果を照合結果出力部55に出力する。このとき、照合部54は、検出対象210の顔画像の位置座標を判定結果と併せて出力する。
照合結果出力部55は、検出対象210が検出されたという判定結果を受信すると、検出対象210が検出されたことを示す情報と、検出対象210の顔画像の位置座標とを含む通知信号を投射手段30に出力する。
〔情報認識装置〕
図14は、本実施形態に係る情報認識装置60の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る情報認識装置60は、受信手段61、開閉タイミング設定手段62、開閉制御手段63、シャッタ駆動手段64、シャッタ65を有する。
情報認識装置60は、検出者に対して検出領域200から届く光の入射量を制御するシャッタ65を有する。情報認識装置60は、情報入出力装置10によって設定された制御条件に基づいてシャッタ65の開閉条件を設定する。また、情報認識装置60は、情報入出力装置10から出力された通知信号に応じてシャッタ65を開閉制御する。
受信手段61は、情報入出力装置10から出力されたデータを受信する手段である。受信手段61は、例えば無線通信によってデータを受信する。受信手段61は、制御手段40の照射条件設定部42によって設定された制御条件を受信する。受信手段61は、受信した制御条件を開閉タイミング設定手段62に出力する。なお、受信手段61は、一般的な液晶モジュールの画像メモリを含んでいてもよい。
開閉タイミング設定手段62は、受信手段61から受信した制御条件に基づいて、シャッタ65の開閉条件を設定する。開閉タイミング設定手段62は、設定したシャッタ開閉条件を開閉制御手段63に出力する。例えば、開閉制御手段63は、一般的な液晶モジュールのタイミングコントローラによって実現できる。
図15のように、開閉タイミング設定手段62は、信号光が出射されているタイミングを含む時間帯に、シャッタ65を開くように設定する。なお、開閉タイミング設定手段62は、信号光が出射されているタイミングにおいて、常にシャッタ65を開く必要はない。開閉タイミング設定手段62は、シャッタ65を通して見た背景光に対して、検出対象210に照射されたパルス状の信号光のコントラストを相対的に向上させる条件を計算する。そして、開閉タイミング設定手段62は、計算した条件と、制御条件に含まれるパルス条件に基づいて、信号光を視認可能とするシャッタ開閉条件を設定する。
図16のように、信号光のパルス間隔は均一ではなくてもよい。図16の例において、時間帯Bでは、時間帯Aと比べて信号光の輝度を落としている。そして、時間帯Bでは、パルス間隔を密にすることによって、視覚できる明るさを時間帯Aの信号光と同等にしている。このとき、開閉タイミング設定手段62は、時間帯Bにおいては、コントラストを向上させるために、シャッタ65を開く時間を時間帯Aと比べて短く設定する。
開閉タイミング設定手段62は、情報入出力装置10によって測定された背景光の明るさと、検出対象210に照射される信号光の平均的な明るさとを基に、シャッタ65の開閉タイミングを設定する。
例えば、朝や夕方、曇天、雨天では、晴天の昼間と比べて背景光が暗くなる。その場合、開閉タイミング設定手段62は、照射する信号光の平均的な明るさが小さくなるように設定するとともに、適切なコントラストが得られるようにシャッタ開閉条件を設定する。また、例えば、雪山や真夏の海岸では、通常の昼間と比べて背景光が明るくなる。その場合、開閉タイミング設定手段62は、照射する信号光の平均的な明るさが大きくなるように設定するとともに、適切なコントラストが得られるようにシャッタ開閉条件を設定する。
開閉制御手段63は、開閉タイミング設定手段62によって設定されたシャッタ開閉条件に基づいて、シャッタ65を開閉するシャッタ駆動手段64を制御する。例えば、開閉制御手段63は、一般的な液晶モジュールの表示コントローラによって実現できる。なお、タイミングコントロールと表示コントロールを同一の手段で制御する場合、開閉タイミング設定手段62と開閉制御手段63を共通化してもよい。
シャッタ駆動手段64は、開閉制御手段63の制御に応じて、シャッタ65を開閉させる。例えば、シャッタ駆動手段64は、一般的な液晶モジュールのXYドライバによって実現できる。
シャッタ65は、シャッタ駆動手段64によって開閉される。例えば、シャッタ65は、閉状態のときは外光を遮断し、開状態のときは外光を通過させる。なお、シャッタ65は、閉状態のときに完全に外光を遮断しなくてもよく、開状態のときに外光を減光させる程度でもよい。
シャッタ65は、例えば高速応答液晶を用いて実現してもよいし、MEMS(Micro Electro Mechanical System)シャッタを用いて実現してもよい。通常のTN(Twisted Nematic)液晶を用いる場合、偏光板を入れる関係で、シャッタ65を通した光の明るさは外光よりも40%程度に落ちる。そのため、TN液晶を用いたシャッタ65を通して見る場合は、裸眼で見る場合よりも暗くなる。一方、MEMSシャッタを用いると、偏光板がないので、TN液晶を用いたシャッタ65よりも明るくなる。ただし、シャッタ65にMEMSシャッタを用いても、開口率が100%ということはないので、裸眼で見るよりかは暗くなる。しかしながら、MEMSシャッタの場合は、視野全体が暗くなるために瞳孔が開き、TN液晶を用いた場合よりかは明るく感じる。なお、シャッタ65の構造は、外光の遮断や通過、減光を切り替えることができれば、ここで挙げた限りではない。
図15は、信号光の照射タイミングと、シャッタ65の開閉タイミングとを同期させる一例である。
情報認識装置60は、信号光のパルス条件を受信すると、そのパルス条件に基づいて、検出対象210に信号光が照射されるタイミングにおいてシャッタ65を開き、信号光が照射されていないタイミングにおいてシャッタ65を閉じるように制御する。情報認識装置60は、シャッタ65を開閉することによって、シャッタ65を通して感じられる背景光に対する信号光のコントラストを相対的に向上させ、視認可能になるように制御する。
図17および図18は、本実施形態に係るシャッタメガネ600の一例を示す。シャッタメガネ600は、検出対象210を検出する検出者の少なくとも一方の目の前方にシャッタ65を配置するためのフレームを有する。シャッタメガネ600は、メガネのレンズの位置に透明なガラスやプラスチックなどの透光体を設置してもよいし、シャッタ65のみを設置してもよい。なお、図17および図18は、本実施形態に係るシャッタメガネ600の構造を具体化するための一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
図17のシャッタメガネ611は、少なくとも片方のレンズにシャッタ65の機能を有するシャッタ612を搭載する。また、シャッタメガネ611は、受信手段61、開閉タイミング設定手段62、開閉制御手段63、シャッタ駆動手段64の機能を有する制御装置613を搭載する。制御装置613は、情報入出力装置10から受信したパルス条件でシャッタ611を開閉制御する。シャッタメガネ611を装着した検出者は、情報入出力装置10が投射した投射光を視認できるため、検出対象210を把握できるようになる。
図18のシャッタメガネ621は、少なくとも片方のレンズにシャッタ65の機能を有するシャッタ622を搭載する。また、シャッタメガネ621は、少なくともシャッタ駆動手段64の機能を有する制御装置623を搭載する。さらに、シャッタメガネ621は、受信手段61、開閉タイミング設定手段62、開閉制御手段63のうちいずれかの機能を有する制御装置624を搭載する。図18の例は、シャッタ622の制御系統を2系統に分担することによって、シャッタメガネ621を軽量化できる。通常、シャッタメガネ621を駆動させるためには電力が必要となるが、制御装置624に電源を仕込めば、シャッタメガネ622の軽量化と、電源の大容量化とを両立することも可能となる。
以上が、本実施形態に係る対象特定システム1の構成についての説明である。
<動作>
次に、本実施形態に係る対象特定システム1の動作について説明する。
図19は、本実施形態に係る対象特定システム1の情報入出力装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
図19において、まず、情報入出力装置10は、検出領域200を撮像する(ステップS11)。なお、図19の例では、検出領域200の測光データを併せて取得するものとする。
次に、情報入出力装置10は、撮像した画像信号から、画像データを生成する(ステップS12)。このとき、情報入出力装置10の撮像手段20は、アナログデータである画像信号をデジタルデータである画像データに変換する。また、撮像手段20は、必要に応じて、画像データに画像処理を加える。
次に、情報入出力装置10は、画像データを検証する(ステップS13)。このとき、情報入出力装置10の対象特定手段50は、画像データ中から顔画像を抽出し、抽出した顔画像が検出対象210と一致するか否かを検証する。
抽出された顔画像が検出対象210と一致する場合、すなわち検出対象210が発見された場合(ステップS14でYes)、情報入出力装置10は、検出対象210に投射する信号光の照射条件を設定する(ステップS15)。このとき、情報入出力装置10の照射条件設定部42は、測光データに基づいて、信号光の適切なパルス条件および出力条件を設定する。なお、ステップS15は、ステップS11の次の段階で、ステップS12〜S14に並行させて実行してもよい。
一方、抽出された顔画像が検出対象210と一致しない場合、すなわち検出対象210が発見されていない場合(ステップS14でNo)、ステップS11に戻る。
ステップS15において検出対象210に投射する信号光の照射条件が設定されると、情報入出力装置10は、照射条件に含まれるパルス条件を情報認識装置60に送信する(ステップS16)。
そして、情報入出力装置10は、目印の投射光を検出対象210に投射する(ステップS17)。
以上が、本実施形態に係る対象特定システム1の情報入出力装置10の動作についての説明である。情報認識装置60は、受信したパルス条件に基づいてシャッタ65の開閉動作を行う。
以上のように、本実施形態に係る対象特定システムによれば、周囲に悟られずに、昼間の太陽光下で見えるような強い信号光を検出対象に照射できる。また、本実施形態に係る対象特定システムによれば、検出者は、シャッタメガネなどの情報認識装置によって、検出対象に照射された信号光を認識できる。その結果、本実施形態に係る対象特定システムによれば、検出者のみが検出対象に投射された所望の情報を認識できる。
(利用シーン)
ここで、図面を参照しながら本実施形態に係る対象特定システム1の利用シーンについて説明する。
図20は、対象特定システム1を天井に設置する利用シーンである。
対象特定システム1は、位置Aにおいて検出対象210を検出すると、その検出対象210にマーキング光300を照射する。対象特定システム1は、位置Aでは2つのマーキング光300を検出対象210に照射している。そして、対象特定システム1は、検出対象21がマーキング光300を照射されていることに気づいて逃げ出しても、検出対象210を継続的に検出し、位置Bにおいてもマーキング光300を照射し続けている。すなわち、対象特定システム1は、リアルタイムで動き回る検出対象210に追随し、その検出対象210に対してマーキング光300を照射し続ける。
図21は、検出対象210である犯罪者などが別の人物の背後に位置しており、検出対象210に直接マーキング光300を照射できない場合の利用シーンである。
このような場合、対象特定システム1は、検出対象210の直前に位置する人物に対して、「後ろ犯人」というマーキング光300を照射し、検出対象210を特定させる。すなわち、対象特定システム1は、検出対象210に直接マーキング光300を照射できなくても、別の対象物にマーキング光300を照射することによって検出対象210を特定させることができる。
図22は、対象特定システム1が検出対象210にマーキング光300を直接照射できない場合の利用シーンである。
対象特定システム1は、別のシステムから検出対象210の検出通知を受信し、受信した検出通知に応じて検出対象が接近していることを検出者に知らせるマーキング光300を地面に照射する。シャッタメガネ600を装着した検出者は、地面に照射されたマーキング光300を視認することによって、検出対象210である犯人の接近を知る。なお、対象特定システム1は、検出対象210に直接マーキング光300を照射できる表示可能ライン302上にマーキング光300を照射することによって、接近してくる複数の人物のうち誰が検出対象210であるのかを示すようにしてもよい。
(第2の実施形態)
図23は、本発明の第2の実施形態に係る対象特定システムの情報認識装置60−2の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る対象特定システムは、第1の実施形態に係る対象特定システム1の情報認識装置60に測光手段66を追加した構成である。
測光手段66は、シャッタ65を通した背景光の明るさを測定する測光センサである。測光手段66は、測光センサ25と同様の構成とすればよい。
開閉タイミング設定手段62は、測光手段66が測定したシャッタ65を通した背景光の明るさと、パルス状の信号光の平均化した明るさとを基に、信号光が視認可能になる条件を設定する。
本実施形態によれば、シャッタ65を通した背景光の明るさを実測するため、実際の天候条件や照明条件などの背景光の状態に対応させて信号光の視認性を設定できる。そのため、より確実に信号光を視認できるようになる。
(第3の実施形態)
図24は、本発明の第3の実施形態に係る対象特定システム3の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る対象特定システム3は、検出対象210を特定する対象特定装置50−3がネットワーク70を介して情報入出力装置10−2および情報認識装置60に接続される点で、第1の実施形態の実施形態に係る対象特定システム1とは異なる。対象特定装置50−3の機能は、一般的なサーバなどに割り当てればよい。
図25は、本実施形態に係る制御手段40−3の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る制御手段40−3は、第1の実施形態に係る制御手段40とは異なり、対象特定装置50−3を含まない。本実施形態に係る制御手段40−3の通信部46は、ネットワーク70を介して対象特定装置50−3に接続される。なお、制御手段40−3のその他の構成は、第1の実施形態に係る制御手段40と同様であるために説明は省略する。
本実施形態に係る対象特定システムにおいては、制御手段の外部に対象特定装置を設けることができるため、情報入出力装置を軽量化・小型化できる。また、高性能のサーバ側に対象特定装置を置けば、検出対象の検出処理を高速化できるとともに、制御手段の演算処理を軽減できる。また、対象特定装置による検出対象処理に用いる電力を削減できるため、情報入出力装置に搭載する電源を小型化できる。
(第4の実施形態)
図26は、本発明の第4の実施形態に係る対象特定システム4の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る対象特定システム4は、第1の実施形態に係る対象特定システム1に照明装置80を追加した構成である。なお、本実施形態に係る対象特定システム4は、第3の実施形態に係る対象特定システム3に照明装置80を追加した構成としてもよい。
図27は、本実施形態に係る対象特定システム4の制御手段40−4の構成を示すブロック図である。制御手段40−4は、第1の実施形態に係る対象特定システム1の制御手段40に照明制御部47を追加した構成である。
照明装置80は、ある地点を通過する人や、ある地点に滞在する人に対して特定の光を照射する。すなわち、照明装置80は、検出領域200に含まれる対象に対して特定の光を照射する。特定の光とは、マーキング光300とは波長や性質が異なる光である。例えば、マーキング光300のコントラストをあげるための照明光や、マーキング光300の照射を意識されにくくするためのダミー光などが特定の光に相当する。
照明制御部47は、照明装置80に特定の光を照射させる制御をする。例えば、照明制御部47は、ある地点を通過する全ての人物に特定の光を照射するように照明装置80を制御する。
照明制御部47は、投射制御部45のマーキング光300の照射タイミングに合わせて、特定の光の照射タイミングを切り替えてもよい。例えば、照明制御部47は、投射制御部45のマーキング光300の照射タイミングで、照明装置80に特定の光を照射させる制御をする。例えば、照明制御部47は、投射制御部45のマーキング光300の照射タイミングで、照明装置80による特定の光の照射を止める制御をする。ただし、照明制御部47は、ここで挙げた例とは異なるタイミングで特定の光の照射を切り替えてもよい。
また、照明制御部47は、照明装置80が特定の光を照射させるエリアを設定する。例えば、照明装置80が複数のエリアを個別に照射することができる場合、照明制御部47は、複数のエリアのうち特定エリアに特定の光を照射させる制御を行うことができる。具体的には、照明装置80が複数のLEDで構成されている場合、照明制御部47は、検出対象210に特定の光を照射するLEDのみを駆動させ、その他のLEDは駆動させないように制御することができる。反対に、照明制御部47は、検出対象210に特定の光を照射するLEDのみを駆動させないように制御することができる。また、照明制御部47が照明装置80による特定の光の照射方向を制御することによって、特定のエリアのみに光を照射するように設定してもよい。なお、照明装置80に位相変調型の空間変調素子を用いれば、照射方向を変更せずに、特定のエリアのみに光を照射することができる。
図28は、照明装置80を含む対象特定システム4の利用シーンの一例を示す概念図である。
例えば、夜間や暗い室内では、十分な明るさの背景光が得られない場合がある。そのような場合、照明装置80によって、検出領域の背景光を十分に明るくする。背景光を十分に明るくすれば、情報入出力装置10は、第1の実施形態において説明した手法を用いて、検出対象210に対してマーキング光300を照射できる。図28の例の場合、照明装置80から照射される特定の光は、十分な明るさの照明光であればよい。
図29は、照明装置80を含む対象特定システム4の利用シーンの別の一例を示す概念図である。
例えば、何らかの検問をするために、検問所を通過する全ての人を特定の場所に誘導する。その特定の場所には、検問所を通過する全ての人が通過しなくてはならない検出領域200を設定する。そして、検出領域200を通過する全ての人にダミーのマーキング光(以下、ダミー光303)を照射する照明装置80を設ける。なお、ダミー光303を子供などに当てないような配慮をする場合、照明装置80の替わりにインターフェース装置100を用いて、子供であると認証された対象にはダミー光303を照射しないようにすればよい。
検出対象210が検出された場合、インターフェース装置100は、検出対象210にマーキング光300を照射する。例えば、ダミー光303とマーキング光300とを異なる波長の光とすれば、シャッタメガネ600を装着した検出者には、マーキング光300が視認される。このとき、ダミー光303を連続波としたり、ダダミー光303のパルス条件をマーキング光300とは異なる条件にしたりすれば、マーキング光300をより峻別しやすくなる。
図29のような場合、インターフェース装置100は、ウエアラブルではなく、据置型にしてもよい。ただし、図29のような場合であっても、インターフェース装置100をウエアラブルなものとしてもよい。
図29の例のように、全ての人にダミー光303が当たっていれば、周囲の人や検出対象210自身がマーキング光300に気づきにくくなる。シャッタメガネ600を装着した検出者は、検出対象210に当たるマーキング光300を視認できるので、検出対象210を特定できる。
一般に、検問などの場合、複数の警察官が検出者として臨場している。このような場合、単一のモニタなどを通じて検出対象210を特定していたのでは、どの人が検出対象210の犯罪者なのかを瞬間に識別できない。本実施形態に係る対象特定システム4によれば、シャッタメガネ600を装着した全ての検出者が同時に検出対象210を識別できる。犯罪者を逮捕するような場面において、このような時間差は、犯罪者の逮捕に大きな寄与をする可能性がある。
図30〜図32は、図29のような場面において、信号光のパルス条件に対応させて、シャッタ65の開閉をどのように制御するのかについて説明するための概念図である。なお、図30〜図32は一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、図30〜図32中の信号光のパルス条件や出力条件等は、任意に設定できる。
図30の例では、インターフェース装置100は、検出領域200を通過する全ての人に対して、パルス状のダミー光303を照射するように制御する。そして、インターフェース装置100は、ダミー光303を照射しないタイミングでパルス状のマーキング光300を検出対象210に照射するように制御する。ダミー光303は、全ての人に見られてもよいため、パルス幅は長めに設定できる。それに対し、マーキング光300は、シャッタメガネ600を装着した検出者のみが視認できるように、裸眼では視認できない程度の短めのパルス条件を設定する。そして、シャッタ65は、マーキング光300の照射タイミングに併せて開くように設定する。このとき、シャッタメガネ600は、背景光に対するマーキング光300のコントラストがシャッタ65を通して視認できるように、シャッタ65の開閉を制御する。
図31の例では、インターフェース装置100は、検出領域200を通過する全ての人に対して、連続波のダミー光303を照射し、検出対象210にはパルス状のマーキング光300を照射するように制御する。連続波のダミー光303は、全ての人に視認できる。それに対し、マーキング光300は、シャッタメガネ600を装着した検出者のみが視認できるように、裸眼では視認できない短めのパルス条件を設定する。図31の例では、マーキング光300のピーク出力をダミー光303よりも強めに設定する。そして、シャッタ65は、マーキング光300の照射タイミングに併せて開くように設定する。このとき、シャッタメガネ600は、背景光に対するマーキング光300のコントラストがシャッタ65を通して視認できるように、シャッタ65の開閉を制御する。
図32の例では、図30の例と同様に、インターフェース装置100は、検出領域200を通過する全ての人に対して、パルス状のダミー光303を照射するように制御する。そして、インターフェース装置100は、ダミー光303を照射しないタイミングに併せて、パルス状のマーキング光300を検出対象210に照射するように制御する。ダミー光303は、全ての人に視認できてもよいし、視認できなくてもよい。それに対し、マーキング光300は、シャッタメガネ600を装着した検出者のみが視認できるように、裸眼で視認できない短めのパルス条件を設定する。図32の例では、検出領域200を通過するそれぞれの人に対して、異なる照射タイミングでダミー光303を照射する。そして、シャッタ65は、マーキング光300の照射タイミングのみに開くように設定する。このとき、シャッタメガネ600は、背景光に対するマーキング光300のコントラストがシャッタ65を通して視認できるように、シャッタ65の開閉を制御する。
以上のように、本実施形態に係る対象特定システムによれば、夜間や暗い室内であっても、情報認識装置を装着した検出者のみが検出できる投射光を検出対象に投射できる。また、本実施形態によれば、全ての人にダミー光を照射することによって、検出対象自身や周囲には悟られることなく、検出対象にマーキング光を照射できる。
(第5の実施形態)
図33は、本発明の第5の実施形態に係る対象特定システムの情報入出力機能を発揮する情報入出力システム110の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る情報入出力システム110は、撮像手段20の機能をもつ撮像装置120、投射手段30、制御手段40の機能を有する制御装置140、照明装置80の機能を有する照明手段81を備える。すなわち、情報入出力システム110は、第4の実施形態に係る照明装置80の機能を有する照明手段81を追加した構成である。なお、照明手段81は照明装置80と同じ機能を有しており、詳細な説明は省略する。
また、照明手段81と投射手段30は、光照射装置800を構成する。光照射装置800は、撮像装置120や制御装置140とは別の装置として設けられ、制御装置140の制御を受けて動作する。
以下において、本実施形態に係る情報入出力システム110を含む対象特定システムの利用シーンについて説明する。
図34は、室内において検出対象210を検出する例である。天井には、複数の光照射装置800が設置されている。撮像装置120や制御装置140は、光照射装置800の設置位置とは異なる位置に設置されている。なお、光照射装置800は、イントラネットやインターネットなどのネットワークを通じて制御装置140の制御を受けるように構成してもよい。
図34の左側は、検出者が装着するシャッタメガネ600が閉じるタイミングで、光照射装置800から特定の光として照明光を照射する場面を示す。このとき、室内にいる全ての人物に光照射装置800からの照明光が照射されている。
図34の右側は、検出者が装着するシャッタメガネ600が開くタイミングで、検出対象210近傍の光照射装置800のみから検出対象210に照明光を照射する場面を示す。このとき、照明光を照射していない光照射装置800は、マーキング光300を検出対象210に照射する。このとき、室内にいる他の人物は、マーキング光300を認識することはない。
図34の右側の場面では、シャッタメガネ600を開くタイミングに併せて、ある光照射装置800からは検出対象210のみに照明光を照射し、他の複数の光照射装置800からは検出対象210にマーキング光300を照射する。このとき、光照射装置800からは検出対象210に照射する照明光は、検出対象210を視認できる範囲で必要最低限まで暗くする。その結果、マーキング光300のコントラストが向上し、シャッタメガネ600を装着した検出者のみマーキング光300を検出しやすくなる。また、複数の光照射装置800から検出対象210に照明光を照射すれば、検出対象210の姿勢や検出者の立ち位置などの関係で死角が発生することを防ぐことができる。
図35〜図38は、ある地点を通過する人物全員に光照射手段800から帯状の光を照射しつつ、検出対象210のみにマーキング光300を照射する例である。図35〜図38における光照射装置800による光の照射は、図30〜図32のようなタイミングで制御することができる。なお、図30〜図32の例において、検出対象210に信号光を照射するタイミングでマーキング光300を照射し、その他のタイミングではダミー光303を照射するなどして制御すればよい。
図35は、天井などに設置された光照射装置800から地面に向けて帯状の光を照射する。光照射装置800は、位置Cから位置C’に向けて帯状の光を走査する。そして、光照射装置800は、検出対象210を走査するタイミングで、検出対象210にマーキング光300を照射する。このとき、C−C’間を通過する検出対象210以外の対象には、ダミー光303が投射される。なお、照射装置800は、位置Cと位置C’との間で帯状の光を往復させるように走査してもよい。
そして、制御装置140は、マーキング光300を検出対象210に照射するタイミングをシャッタメガネ600に通知する。シャッタメガネ600は、検出対象210にマーキング光300が照射されるタイミングでシャッタ65を開く。
図36は、光照射装置800から照射される帯状の光を図35とは別の角度からみた概念図である。なお、図36の例では、撮像装置120が帯状の光を通過する人を撮像し、制御装置140が撮像された画像上で人物の顔や位置を検知する。
人物が位置Aにいる場合、光照射装置800が光を照射してしまうと人物の顔にダミー光303が投射されてしまう。そのため、光照射装置800は、光が人物の顔の位置に照射される場合、光の照射をやめる。そして、光照射装置800は、人物が位置Bにいる場合は肩近辺、人物が位置Cにいる場合は腰近辺、人物が位置Dにいる場合は膝近辺に光を照射する。すなわち、光照射装置800は、人物の顔を避けて光を照射する。
図37は、C−C’間を通過する人物のうち、検出対象210以外の人物に光照射手段800から帯状の光を照射する例である。
光照射装置800は、シャッタメガネ600を閉じるタイミングにおいて、図37の左側のように、検出対象210以外の人物に帯状の光が照射する。このとき、帯状の光を照射された人物にはダミー光303が投射される。一方、光照射装置800は、検出対象210には帯状の光を照射しない。そして、光照射装置800は、シャッタメガネ600を開くタイミングにおいて、図37の右側のように、検出対象210にマーキング光300を照射する。
シャッタメガネ600を装着した検出者は、シャッタメガネ600を開くタイミングでマーキング光300を視認できるため、検出対象210を周囲に知られずに検出することができる。
図38は、C−C’間を通過する全ての人物に光照射手段800から帯状の光を照射する例である。
光照射装置800は、シャッタメガネ600を閉じるタイミングにおいて、図38の左側のように、位置C−C’間を通過する全ての人物に帯状の光を照射する。このとき、検出対象210を含めた全ての人物にダミー光303が投射される。そして、光照射装置800は、シャッタメガネ600を開くタイミングにおいて、図38の右側のように、ダミー光303とは異なるダミー光304を検出対象210に投射する。
また、光照射装置800は、シャッタメガネ600を閉じるタイミングにおいて、全員に同じダミー光を照射せず、ダミー光303(第1のダミー光)とは異なるダミー光(第2のダミー光)を検出対象210のみに照射してもよい。このとき、情報入出力システム100は、マーキング光300と第2のダミー光とを組み合わせると、特定の意味のある画像が形成されるようにする。このとき、シャッタメガネ600を装着した検出者は、第2のダミー光とマーキング光300が合成された画像を認識することによって、特定の意味のある画像を認識することができる。図38の方法によれば、特定の意味のある画像を検出対象210に投射する場合に、第三者からその特定の画像をより認識しにくくすることができる。
(第6の実施形態)
図39は、本発明の第6の実施形態に係る対象特定システムの情報認識装置60−6の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る対象特定システムは、第1の実施形態に係る対象特定システム1の情報認識装置60に警報手段67を追加した構成である。
警報手段67は、情報認識装置60−6の受信手段61が通知信号を受信した際に、検出対象210が検出されたことを検出者に通知する。例えば、警報手段67は、音や振動、におい、熱、物理的な刺激などによって、検出対象210が検出されたことを検出者に通知する。なお、警報手段67は、検出者のみが視認できる光によって、検出対象210が検出されたことを検出者に通知してもよい。ただし、検出対象210が検出されたことを検出者に通知する際に、ここであげた情報以外のものを用いてもよい。
本実施形態に係る対象特定システムによれば、検出対象が検出されたことを視覚情報以外の情報で検出者に警報として通知できるため、検出者は、検出対象をより確実に把握しやすくなる。
(ハードウェア構成)
次に、本発明の各実施形態に係る対象特定システムを可能とするためのハードウェア構成について、図40のコンピュータ90を一例として挙げて説明する。なお、図40のコンピュータ90は、各実施形態に係る情報入出力装置を可能とするための一構成例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、各実施形態に係る情報入出力装置は、図2のようなインターフェース装置100の形態とする場合、図40のコンピュータ90の機能を有するマイクロコンピュータとすることが好ましい。
図40のように、コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、通信インターフェース96を備える。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、バス99を介して互いにデータ授受可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークと接続する。コンピュータ90は、ネットワークを介して上位システムのサーバやコンピュータに接続され、投射画像に関する情報を上位システムから受信する。
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを主記憶装置92に展開し、展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、コンピュータ90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、本実施形態に係る情報入出力装置の演算処理や制御処理を実行する。
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとすればよい。また、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを主記憶装置92として構成・追加してもよい。
補助記憶装置93は、投射画像の位相分布などのデータを記憶する手段である。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって構成される。なお、投射画像の位相分布を主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
入出力インターフェース95は、コンピュータ90と周辺機器との接続規格に基づいて、コンピュータ90と周辺機器とを接続する装置である。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続するためのインターフェースである。なお、図40においては、インターフェースをI/F(Interface)と略して表記している。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。
コンピュータ90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどといった入力機器を接続できるように構成してもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示部が入力機器の入力部を兼ねる構成とすればよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ授受は、入力インターフェース95に仲介させればよい。
通信インターフェース96は、ネットワークを通じて、別のコンピュータやサーバなどの上位システムに接続される。上位システムは、通信インターフェース96を介して、本発明の各実施形態で用いる基本画像の位相分布をコンピュータ90に送信する。また、上位システムは、通信インターフェース96を介して、本発明の各実施形態で用いる投射画像に関する情報をコンピュータ90に送信する。上位システムは、本発明の各実施形態で用いる投射画像の位相分布を自装置で生成してもよいし、別の装置から取得してもよい。
また、コンピュータ90には、各種の情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、コンピュータ90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入力インターフェース95を介してコンピュータ90に接続すればよい。
また、コンピュータ90には、必要に応じて、リーダライタを備え付けてもよい。リーダライタは、バス99に接続され、プロセッサ91と図示しない記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体からのデータ・プログラムの読み出し、コンピュータ90の処理結果の記録媒体への書き込みなどを仲介する。記録媒体は、例えばSD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの半導体記録媒体などで実現できる。また、記録媒体516は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体やその他の記録媒体によって実現してもよい。
以上が、本発明の各実施形態に係る対象特定システムを可能とするためのハードウェア構成の一例である。なお、図40のハードウェア構成は、各実施形態に係る情報入出力装置を可能とするためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、各実施形態に係る情報入出力装置による処理をコンピュータに実行させる処理プログラムも本発明の範囲に含まれる。さらに、各実施形態に係る処理プログラムを記録したプログラム記録媒体も本発明の範囲に含まれる。
以上の本発明の各実施形態においては、検出者である警察官や警備員が、検出対象である犯人を検挙する場面を想定して説明してきた。各実施形態の手法は、そのような場面以外にも適用できる。なお、下記の場面は一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
例えば、パチンコ店やカジノ、ゲームセンターなどの遊技施設に、過去に不正をした疑いのある検出対象が入場した際に、検出者である警備員や店員がその検出対象をマークする場面にも本実施形態の手法を適用できる。例えば、デパートやショールームなどの店舗において、過去に店舗内の商品を破損したり、怪しい行動をしたりした履歴がある客が来店した際に、検出者である店員が、その客を検出対象としてマークする場面にも本実施形態の手法を適用できる。例えば、公園や広場などの公共施設において、過去に施設内で迷惑行為をしたり、怪しい行動をしたりした履歴のある来場者が訪れた際に、検出者である公共施設の管理者がその来場者を検出対象としてマークする場面にも本実施形態の手法を適用できる。また、本発明の各実施形態の手法は、動物や物を検出対象とする場合においても適用できる。
この出願は、2015年4月20日に出願された日本出願特願2015−085658を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。