しかしながら、従来の付箋紙機能を持つ文書処理装置では、付箋紙機能そのものが作業の効率化につながるということは少なく、また、同一文書や同一プログラムに対して複数の作業者が関わる場合の配慮についても特になされていないというのが実情である。
例えば、従来技術では、付箋紙を貼るためのコマンドを実行すると、メモを書き込むためのウィンドウを開き、それにメモや必要な情報を書き込むことで、初めて付箋紙が貼られるようになるという構成を採っている。
これから、例えば、紙面上に赤のチェックマークを入れるのと同様の感覚で、画面上の気になった箇所に次々に付箋紙を貼る場合、従来技術に従っていると、付箋紙に同じ内容のメモを逐一書き込みながら何枚もの付箋紙を繰り返し貼り続けなければならず、ユーザは非常に煩わしい作業を強いられることになる。
また、例えば、文書の推敲時に、推敲者から執筆者へ指摘事項を伝達する目的で付箋紙を使用するような場合にあって、二人の推敲者A,Bが各々の指摘箇所のみに確認と承認の権限を持つという取り決めがあるとする。この場合、推敲者Bは推敲者Aによって貼られた付箋紙を見ることはできても剥がす権限を持たず、その逆もまた同様であるのだが、従来技術では、貼られた付箋紙にその区別を設ける機能を持っていない。
また、プログラムの保守の場面においても、例えば、案件Pに関して貼られた付箋紙と、案件Qに関して貼られた付箋紙とを別々に管理したいのであるが、従来技術では、案件などユーザの作業内容に即した管理を行う機能を持っていない。
このように、従来技術に従っていると、付箋紙機能そのものが作業時の利便性を考慮したものでないために、作業の効率化につながるということは少なく、また、同一文書や同一プログラムに対して複数の作業者が関わる場合の配慮についても特になされていないなど、様々な面で問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、テキストに対してマークやメモを貼り付ける構成を採るときにあって、作業時の利便性や作業に即した付箋紙機能を持つことでユーザの利便を図る新たなテキスト編集装置の提供を目的とする。
この目的を達成するために、本発明のテキスト編集装置は、テキストをディスプレイ画面に表示しつつ編集するという構成を採るときにあって、(1)検索機能を使って、指定された検索文字列の指す文字列部分がテキスト中のどこに記載されているのかを検索することにより、その文字列部分の記載されるテキスト位置を特定することで、付箋紙の貼付先となるマーキング箇所の情報を取得する取得手段と、(2)取得手段の取得したマーキング箇所情報と、検索文字列と、検索結果の文字列部分とで構成される付箋紙の属性情報を生成する生成手段と、(3)取得手段の取得したマーキング箇所情報の規定する位置に、生成手段の生成した属性情報を持つ付箋紙を貼付する貼付手段と、(4)取得手段の取得したマーキング箇所情報の規定する位置に、生成手段の生成した付箋紙の属性情報をコメント文として挿入することで、テキストにコメント文を挿入する挿入手段とを備えるように構成する。
この構成を採るときに、テキストと付箋紙の属性情報とをその対応をとりつつ分離して管理し、テキストの行を単位にして付箋紙を貼付可能とする構成をとるとともに、テキストの表示領域とは別の表示領域を使って付箋紙をディスプレイ画面に表示するように構成されることがある。
また、1枚又は複数枚の付箋紙で構成される付箋紙グループに割り付けられるアクセス権情報に従って、付箋紙に対する処理を実行するように構成されることがある。
図1に、本発明の概要構成を図示する。
次に、この図に従って、本発明及び本発明に関連する技術について説明する。
図中、1は本発明を具備するテキスト編集装置であって、文書やプログラムなどのテキストをディスプレイ画面に表示しつつ編集するもの、2はテキスト編集装置1の備えるキーボードやマウスなどの入力装置、3はテキスト編集装置1の備えるディスプレイやプリンタなどの出力装置、4はテキスト編集装置1の備えるテキストファイルであって、処理対象となる文書やプログラムを格納するもの、5はテキスト編集装置1の備えるマーキング箇所情報ファイルであって、システムによって得られた結果や、ユーザが直接書き下した情報や、付箋紙の貼付先の情報などを格納するものである。
本発明のテキスト編集装置1は、入力部6と、制御部7と、出力部8と、付箋紙管理部9と、テキスト情報ファイル10と、直前付箋紙情報ファイル11と、付箋紙情報ファイル12と、案件情報ファイル13と、アクセス権情報ファイル14とを備える。
この入力部6は、入力装置2からの入力情報を入力する。制御部7は、入力装置2からの処理要求を処理する。出力部8は、制御部7の処理結果を出力装置3に出力する。
付箋紙管理部9は、付箋紙に関する本発明の処理を実行する。テキスト情報ファイル10は、付箋紙管理部9に関連して保持されるテキスト情報を管理する。直前付箋紙情報ファイル11は、直前に貼付された付箋紙の属性情報を管理する。
付箋紙情報ファイル12は、貼付された付箋紙の属性情報を管理する。案件情報ファイル13は、設定された案件に関する情報を管理する。アクセス権情報ファイル14は、設定されたアクセス権に関する情報を管理する。
ここで、本発明を実現すべく備えられる付箋紙管理部9の機能は具体的にはプログラムで実現されるものであり、このプログラムは、フロッピィディスクなどに格納されたり、サーバなどのディスクなどに格納され、それらからテキスト編集装置1にインストールされてメモリ上で動作することで、本発明を実現することになる。
このように構成される本発明のテキスト編集装置1では、入力装置2を介して入力部6に伝えられた要求が制御部7で処理され、その処理結果が出力部8を介して出力装置3に出力される。
この処理を実行するときに、テキストファイル4に格納されるテキストに関する付箋紙の処理要求が発行されると、制御部7は、付箋紙管理部9に対して、その処理要求を満たすための管理やデータの作成を指示し、これを受けて、付箋紙管理部9は、指示された内容が本発明に特徴的なものであったり、本発明に関連するものである場合には、以下に説明するように、その指示の規定する付箋紙に関する処理を実行して、その処理結果を制御部7に返す処理を行う。
(1)例えば、付箋紙管理部9は、本発明に関連する技術として、編集対象のテキストに連携するソフトウェアから通知される付箋紙の貼付先情報を入手する入手手段と、入手手段の入手する貼付先情報の指定するテキスト部分を特定する特定手段と、特定手段の特定するテキスト部分に付箋紙を貼付する貼付手段とを備える。
この機能を持つことで、付箋紙管理部9は、例えば、付箋紙を貼付する機能を有しない図形装置などからの要求に応答して、その装置の扱う図形などの必要な箇所に付箋紙を貼り付けることができるようになるので、付箋紙を貼付する機能を有しない図形装置などを効率的に運用することが可能となる。
(2)また、付箋紙管理部9は、本発明に関連する技術として、編集対象のテキストに付箋紙を貼付する貼付手段と、編集対象のテキストに連携するソフトウェアを処理対象として、貼付手段の貼付する付箋紙の貼付先テキスト部分に連携するそのソフトウェアの持つ連携先情報を取得する取得手段と、取得手段の取得する連携先情報に付箋紙が貼付されていることを示す情報を保存する保存手段とを備える。
この機能を持つことで、付箋紙管理部9は、例えば、付箋紙を貼付する機能を有しない図形装置などの扱う図形などの必要な箇所に付箋紙を貼り付けることができるとともに、その装置に対して、どの部分に付箋紙が貼り付けられているのかを通知できるので、付箋紙を貼付する機能を有しない図形装置などを効率的に運用することが可能となる。
(3)また、付箋紙管理部9は、本発明に関連する技術として、設定された付箋紙の属性情報を保持する保持手段(直前付箋紙情報ファイル11)と、付箋紙の貼付指示が発行されるときに、保持手段の保持する属性情報を読み出し、属性情報の設定用のウィンドウを開設することなく、その読み出した属性情報を、貼付する付箋紙の属性情報として割り付ける割付手段と、テキストに貼付される付箋紙を指定して、付箋紙の属性情報の更新要求が発行されるときに、属性情報の設定用のウィンドウを開設することで付箋紙の属性情報を設定して、その設定した属性情報に従って保持手段の保持する属性情報を更新する更新手段とを備える。
このとき、更新手段は、付箋紙の属性情報について予め数種類のものを用意して、ユーザに、その中から選択させることで、付箋紙の属性情報を簡単に設定できるようにすることも可能である。
従来技術では、付箋紙を貼り付ける場合、(イ)付箋紙を貼る命令を実行し、(ロ)付箋紙を貼る対象を指定し、(ハ)付箋紙の属性情報(付箋紙の種類や色やメモ内容など)を指定して描画するという手順で行われる。すなわち、従来技術では、ユーザは、入力用のウィンドウを開いて、そのウィンドウ上で、入力すべき付箋紙の属性情報をその都度入力しなければならない。これから、全く同じ属性情報を持つ付箋紙を何枚も貼りたい場合には、入力用のウィンドウをその都度開かなくてはならず、煩わしい手順を強いられる。また、付箋紙の属性情報の数が多ければ多い程、それらを全て逐一入力するのは非常に煩わしい。
これに対して、本発明に関連する技術では、この機能を持つことで、直前に設定した付箋紙の属性情報が新たに設定する付箋紙の属性情報として自動的に設定される構成が採られることから、ユーザは、文書やプログラムなどを画面上で見ながら、気になった箇所に、同一の属性情報を持つ付箋紙を次々に貼ることができるようになり、これにより、入力用のウィンドウを逐一開く煩わしさを回避することで、付箋紙を効率的に貼れるようになる。
(4)また、付箋紙管理部9は、検索機能を使って、指定された検索文字列の指す文字列部分がテキスト中のどこに記載されているのかを検索することにより、その文字列部分の記載されるテキスト位置を特定することで、付箋紙の貼付先となるマーキング箇所の情報を取得する取得手段と、取得手段の取得したマーキング箇所情報と、検索文字列と、検索結果の文字列部分とで構成される付箋紙の属性情報を生成する生成手段と、取得手段の取得したマーキング箇所情報の規定する位置に、生成手段の生成した属性情報を持つ付箋紙を貼付する貼付手段とを備える。
従来技術では、文書やプログラムを見ながら付箋紙を貼る場合、作業者は貼る対象を指定しながら一枚一枚付箋紙を貼る操作を行うことになる。しかし、貼る対象が予め分かっている場合や、他のシステムによって得られた結果に対して付箋紙を貼りたい場合(対象が膨大な数に及ぶ場合は特に)は、作業者が貼る操作をいちいち繰り返すのではなくて、自動的に付箋紙を貼ることができるようにすることが望まれる。
そこで、本発明では、作業者の作業を効率化すべく、この機能を持つことで、テキストを検索することで得られるマーキング箇所に、付箋紙を自動的に貼ることを実現する。
(5)また、付箋紙管理部9は、本発明に関連する技術として、テキストに貼付される付箋紙の中から、処理対象となる付箋紙を設定する設定手段と、設定手段の設定する付箋紙の持つメモ内容を、付箋紙貼付先のテキスト部分の近傍位置に挿入することで、付箋紙をコメント化するコメント化手段とを備える。
文書を執筆・推敲している最中や、プログラムをコーディング・レビューしている最中に、気が付いたことを付箋紙にメモ書きして取り敢えず該当する箇所に付箋紙を貼っておき、後から、その付箋紙を参照するということが行われる。メモ書きした内容が本文に直接挿入したい文章やコメントである場合に、これを文書中やプログラム中にそのまま反映することができれば、メモを見ながら文章やコメントを手で入力したり、入力後に付箋紙を剥がしたりする作業が不要となって極めて便利である。また、付箋紙機能を持たない他の装置に移行して作業を行う場合にも、付箋紙に書かれた内容を移行先でコメントとして参照することができるので極めて便利である。
そこで、本発明に関連する技術では、作業者の作業の利便性を図りながら効率化すべく、また、付箋紙機能を持たない他の装置においても作業を続行することを可能にするために、この機能を持つことで、付箋紙のメモの内容を文書中にコメントとして挿入できるようにすることを実現する。
(6)また、付箋紙管理部9は、本発明に関連する技術として、テキストに記述されるコメント文の中から、処理対象となるコメント文を設定する設定手段と、設定手段の設定するコメント文を抜き出し、そのコメント文の書かれていた位置に付箋紙を貼付するとともに、そのコメント文をその貼付する付箋紙の属性情報として割り付けることで、テキストに記述されるコメント文を付箋紙化する付箋紙化手段とを備える。
本発明に関連する技術では、付箋紙のメモの内容を文書中やプログラム中にコメントとして挿入できるようにする上述の機能の逆の機能として、この機能を備える。この機能を持つことで、テキストに記述されるコメント文を付箋紙としてテキスト中から抜き出すことによって、テキストの見た目の汚さを回避することができる。そして、プログラム中からコメント行を外す作業自体も容易になる。また、コメントを付箋紙の一覧として見ることができるようになることから、コメントの重要度が一目で分かるようになる。
(7)また、付箋紙管理部9は、本発明に関連する技術として、検索機能や解析機能を使ってテキストを検索したり解析したりすることで得られる付箋紙のマーキング箇所情報、あるいは、その検索機能・解析機能に代えてユーザにより書かれたマーキング箇所情報を取得する取得手段と、取得手段の取得するマーキング箇所情報の指定する情報を、そのマーキング箇所情報の規定するテキスト位置に挿入することで、テキストにコメント文を挿入する挿入手段とを備える。
上述の(4)の機能に従って、マーキング箇所情報を使って付箋紙を貼り、その後、上述の(5)の機能に従って、その貼った付箋紙をコメント化することでテキストにコメントを挿入することも可能であるが、この方法に従うと、2段階のステップを踏むことになる。
そこで、本発明に関連する技術では、作業効率を図るべく、この機能を持つことで、テキストを検索することで得られるマーキング箇所(検索機能を使わずに、ユーザが明に記すことで作成される場合もある)の指すテキスト位置に、自動的にコメントを挿入することを実現する。
(8)また、付箋紙管理部9は、本発明に関連する技術として、案件情報を設定する設定手段と、設定手段の設定する案件情報と、その案件情報の下で貼付される1枚又は複数枚の付箋紙で構成される付箋紙グループとの対応関係を管理する管理手段と、管理手段の管理データに従い、案件情報を使って付箋紙に対する処理(表示や上述したコメント化などの処理)を実行する実行手段とを備える。
付箋紙の貼られたテキストを開いた際に、各々の付箋紙が何に関連して貼られたものであるのかを、一見して理解することは難しい。付箋紙を貼った作業者自身の頭の中では、「この内容に関してはこの色」、「あの内容に関してはあの色」とかいったように表示色による区別をつけていたとしても、その情報が作業者から伝達されない限り、第三者に付箋紙の意図を伝えることは難しい。一般に、作業者はプログラムの修正作業や、機能改善を伴う作業や、新機能の追加に伴う作業など、主として、自分自身が関わる案件(作業項目)に関して付箋紙を貼ることが多い。
そこで、本発明に関連する技術では、この機能を持つことで、実際の案件と付箋紙情報とを対応付けて管理・表示する手段を提供することで、作業者自身や第三者に理解し易い付箋紙についての処理を可能にしている。
(9)このような構成を採るときにあって、付箋紙管理部9は、テキストと付箋紙情報とをその対応をとりつつ分離して管理し、テキストの行を単位にして付箋紙を貼付可能とする構成をとるとともに、テキストの表示領域とは別の表示領域を使って付箋紙をディスプレイ画面に表示する構成を採る。
付箋紙は、着目箇所が何処にあるのかを一目で分かるようにするなど、作業者の作業効率を向上させるための一過性の道具として用いられるものである。しかし、文書そのものに付箋紙の情報を埋め込む方式を採ると、作業終了時に、付箋紙の情報が文書の中に残ってしまう危険性があり、そのような場合には、付箋紙の情報を取り除くという余計な作業が生じて、結果、かえって作業効率が低下してしまうことになりかねない。また、本発明を用いて作成した文書を他の一般の文書処理装置でも扱えるようにするためには、本発明に固有の情報を文書そのものに埋め込む方式を採ることは好ましくない。
そこで、本発明では、テキスト中に付箋紙の情報を埋め込むという方式は採らないで、テキストと付箋紙情報との対応を保ちつつ、各々を別々に管理するという方式を採る。すなわち、本発明では、テキスト自体に直接の影響を与えずに付箋紙を貼る構成を採るのである。
そして、本発明では、テキスト中に付箋紙を表す絵やマークを埋め込むことはせずに、テキストの表示領域とは別に付箋紙の表示領域を設けて、そこに、テキストの行に対応付けた形式で付箋紙を貼る構成を採る。これから、付箋紙の表示領域はテキストの表示領域と水平方向に並ぶように設けられ、双方と連動することになる。
(10)更に、このような構成を採るときにあって、付箋紙管理部9は、1枚又は複数枚の付箋紙で構成される付箋紙グループに割り付けられるアクセス権情報に従って、付箋紙に対する処理を実行する構成を採る。
一般に、大きなプログラムになればなる程作業は分担化され、各担当者は、自分自身の立場や作業内容に応じた権限を持つようになる。複数の作業者が一つのテキストを見る際は、特に各作業者に与えられた権限の範囲が守らなければならない。
そこで、本発明では、1枚又は複数枚の付箋紙で構成される付箋紙グループ(上述の案件に対応付けられる)に割り付けられるアクセス権情報に従って、付箋紙に対する処理(表示や上述したコメント化などの処理)を実行する構成を採ることで、そのような要求に応えるのである。
文書やプログラムなどのテキストに対する付箋紙機能技術は、マークやメモ、しおり、タグといった形で既に沢山のものが考案されている。しかしながら、これまでに開示されたいずれの技術も、一人の作業者が行う作業についての技術であり、複数の作業者が関与する場合や、作業内容を考慮しての技術まで言及されていない。
プログラムの保守作業は通常多くの作業者の手によって行われるものである。作業の各段階を担当する作業者間で、また、作業の流れに沿った段階間で、意図することが誤りなく伝達されることは非常に重要なことである。一般の文書においても、同様で、複数の作業者が関わる場合には、特に意図の伝達が必要となる。
本発明のテキスト編集装置は、既存の付箋紙機能よりも更に簡便に付箋紙を扱うための機能と、複数の作業者及び作業内容を考慮した機能を提供することで、目的に応じた付箋紙利用のために大きく貢献できるようになる。
以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。
本発明のテキスト編集装置1では、図2(a)に示すように、テキストの表示領域の左端に付箋紙の表示領域を設ける構成を採って、この付箋紙の表示領域に付箋紙を貼り付けるという構成を採っている。ここで、付箋紙の表示領域は、テキストの表示領域の左端に限られることなく、図2(b)に示すように、テキストの表示領域の中間位置や右端位置に設けることも可能である。
付箋紙管理部9は、この付箋紙の表示領域を使って、テキストの行番号を貼付単位にして付箋紙を貼り付けるものであって、ユーザは、例えば、図3(a)に示すように、行番号“300100”と、行番号“300300〜300400”と、行番号“302000〜302200”とに3枚の付箋紙が貼り付けられているときにあって、行番号“302000〜302200, 305800〜305900”に新たな1枚の付箋紙を貼り付けるときには、先ず最初に、マウスを使って行番号“302000”を先頭として指定し、続いて、そこから、行番号“302200”までドラッグし、それに続けて、行番号“305800”から行番号“305900”までドラッグし、その後、「付箋紙を貼る」というボタンを押すことで、図3(b)に示すように、複数行に渡る行番号“302000〜302200, 305800〜305900”に新たな1枚の付箋紙を貼り付けることになる。
なお、このような複数行に渡って貼り付けられる1枚の付箋紙については、1回の削除操作によりその削除が実行され、これにより付箋紙を効率的に剥がすことが可能になっている。
ここで、付箋紙は、例えば、図4に示すような、開始行位置及び終了行位置を明示する図形表現で表示される。付箋紙を表す色は任意に設定可能となっており、縦線の幅も設定可能としてもよい。複数の付箋紙が同じ開始行番号を持つ場合には、付箋紙の開始行位置を示すマーク部分が重なって描画されることになるが、異なる色の付箋紙が重なる場合には、そのマーク部分を色数で分割することでその重なりが分かるようになっている。なお、同じ色の付箋紙が重なるときには、重ねて表示してあたかも一枚のように見せる構成を採っている。この表示方法を採ると、沢山の付箋紙が同一箇所に貼り付けられても場所を取ることがなく便利である。
ユーザがこの図形表現のマーク部分又は縦線部分をクリックすると、付箋紙管理部9は、図5に示すような付箋紙の属性情報の入力画面(既に設定されている属性情報の表示画面としても機能する)を表示し、これを使ってユーザと対話することで、付箋紙に割り付けるメモの内容を入力したり、付箋紙図形の表示色を入力することで付箋紙の属性情報の設定処理を行う。なお、行番号については、上述のマウス操作に応じて自動的に入力される。
この付箋紙の属性情報の入力画面が開かれている間、ディスプレイ画面上では、対象の付箋紙以外の全付箋紙が薄く表示され、対象の付箋紙(マーク及び縦線)のみが目立つような表示になる。これによって、ユーザは、どの付箋紙の属性入力画面が開かれているのかが一目で分かるようになる。
次に、図1に図示した直前付箋紙情報ファイル11、付箋紙情報ファイル12、案件情報ファイル13、アクセス権情報ファイル14について説明する。
付箋紙情報ファイル12は、図6に示すように、テキストに貼り付けられた付箋紙の持つ属性情報を管理するものである。各付箋紙には通番が割り付けられ、履歴管理が可能になっている。なお、以下の実施形態例では、説明の便宜上、付箋紙の属性情報として、開始行位置/終了行位置、メモ内容、表示色を想定しているが、これ以外のものを加えることも可能である。
後述するように、付箋紙は、付箋紙の形態で表示することもあるし、テキストにコメント文として埋め込んだ形態で表示することもあるので、この付箋紙情報ファイル12では、行位置やメモ内容や表示色の属性情報に加えて、どちらの形態で表示するのかということや、コメント文の形態で表示するときには、その挿入先となる行番号を管理することになる。
直前付箋紙情報ファイル11は、図7に示すように、直前に貼り付けた付箋紙の持つメモ内容及び表示色を管理する。後述するように、付箋紙管理部9は、ユーザが図5に示した入力画面を開かないで付箋紙を貼り付けていくときには、それらの付箋紙はこの直前付箋紙情報ファイル11に格納されるメモ内容及び表示色を属性情報として持つものとして扱っていくことで、ユーザが付箋紙を簡単に貼り付けることができるようにする構成を採っている。
アクセス権情報ファイル14は、図8に示すように、付箋紙グループに対して設定されるアクセス権情報(ユーザグループ別にアクセス権の設定が可能である)を管理する。ここで、付箋紙グループは、1枚又は複数枚の付箋紙の集合で設定されるものであって、ここでは省略してあるが、各付箋紙グループがどの付箋紙から構成されているのかが管理されている。
案件情報ファイル13は、図9に示すように、設定された案件の下に貼り付けられる付箋紙グループの情報を管理する。案件とは作業項目のことであり、この案件を設定して付箋紙を貼り付けていくことで、あるいは、既存の付箋紙情報と案件とを対応付けることで作業が遂行されることになることから、案件情報ファイル13を使ってこの対応関係を管理するのである。
図8で説明したように、付箋紙グループにはアクセス権情報を割り付けることができるので、これから、案件に対応付けられた付箋紙グループに対してもアクセス権情報を割り付けることができるようになる。
図11に、本発明のテキスト編集装置1の実行する処理フローを図示する。
この図11の処理フローに示すように、本発明のテキスト編集装置1は、起動されると、先ず最初に、ステップ1で、処理対象となるテキストを指定し、続いて、ステップ2で、その処理対象のテキストが付箋紙を持つのか否かを判断して、付箋紙を持たないことを判断するときには、ステップ5に進んで、処理対象のテキストのみをディスプレイ画面に表示する。
一方、ステップ2で付箋紙を持つことを判断するときには、ステップ3に進んで、付箋紙の表示を指示するモードに設定されているのか否かを判断して、付箋紙の表示を指示しないモードに設定されていることを判断するときには、ステップ5に進んで、処理対象のテキストのみをディスプレイ画面に表示する。
一方、ステップ3で付箋紙の表示を指示するモードに設定されていることを判断するときには、ステップ4に進んで、上述した表示方法に従って、別々に設けられる表示領域を使い、処理対象のテキストとそれが持つ付箋紙とをその対応をとりつつディスプレイ画面に表示する。
続いて、ステップ6で、ユーザからの入力を待って、ユーザからの入力があると、ステップ7に進んで その入力の判定を行い、テキスト処理の入力であることを判断するときには、ステップ9に進んで、入力で指示される一般のテキスト処理を実行してから、ステップ6に戻る。
一方、ステップ7で付箋紙処理の入力であることを判断するときには、ステップ8に進んで、付箋紙管理部9に制御を渡すことで付箋紙処理を実行し、それが終了すると、ステップ6に戻る。
一方、ステップ7でテキスト処理終了の入力であることを判断するときには、ステップ10に進んで、未保存の付箋紙情報の保存指示があるのか否かを判断して、保存指示があることを判断するときには、ステップ11に進んで、未保存の付箋紙情報を保存してから、ステップ12に進み、テキスト処理の終了処理を実行して全処理を終了する。一方、ステップ10で保存指示がないことを判断するときには、直ちにステップ12に進んで、テキスト処理の終了処理を実行して全処理を終了する。
このようにして、本発明のテキスト編集装置1は、付箋紙処理の入力があると、付箋紙管理部9を使ってその付箋紙処理を実行するように処理する。
この付箋紙管理部9の実行する付箋紙処理には、図12の処理フローに示すように、「付箋紙の簡易設定処理」、「付箋紙のマーキング箇所設定処理」、「付箋紙のコメント化処理・コメント文の付箋紙化処理」、「付箋紙の案件管理処理」、「付箋紙のアクセス権管理処理」、「付箋紙の編集・解除・表示・印刷・一覧表示処理」がある。
付箋紙管理部9は、図13(a)の処理フローに従って、付箋紙情報ファイル12から既に設定されている付箋紙の属性情報を取得し、それに従って付箋紙の表示色を取得する。そして、その表示色を用いて、その取得した属性情報の指す開始行位置に付箋紙のマーク部分を描画するとともに、そのマーク部分からその取得した属性情報の指す終了行位置まで縦線を描画することで、付箋紙を描画していく。
このようにして既に設定されている付箋紙を描画していくときに、付箋紙管理部9は、ユーザから付箋紙の貼付要求が発行されると、図13(b)の処理フローに示すように、ユーザに対して付箋紙の貼付先となるテキストの行位置(開始行位置及び終了行位置)を指定させた後、直前付箋紙情報ファイル11に格納される直前に貼り付けた付箋紙の持つメモ内容及び表示色を取得し、その行位置とそのメモ内容及び表示色とを付箋紙情報ファイル12に格納することで、新たな付箋紙の設定処理を実行する。
貼り付けた付箋紙の属性を変更したい場合や、これから貼り付けていく付箋紙の属性情報をこれまでに貼り付けたものから変える場合には、ユーザは、属性情報を変更したい付箋紙のマーク部分又は縦線部分をクリックすることで変更対象となる付箋紙を指定する。
これを受けて、付箋紙管理部9は、図14の処理フローに示すように、更新対象となる付箋紙の指定を受け付けると、図5に示した付箋紙の属性情報の入力画面を開設することで現在設定されている属性情報(表示色及びメモ内容)を表示し、この入力画面を介してユーザと対話することで新たな表示色やメモ内容を入力すると、更新対象となる付箋紙の属性情報をそれに更新しつつ、直前付箋紙情報ファイル11に格納される直前に貼り付けた付箋紙の持つメモ内容や表示色をそれに更新する。
このようにして、付箋紙管理部9は、新たに付箋紙を貼り付けるときには、図5に示した付箋紙の属性情報の入力画面を開設することなく、直前付箋紙情報ファイル11に格納される属性情報を割り付けていくことから、ユーザは簡単な操作により付箋紙を貼り付けていくことができるようになる。
付箋紙管理部9の実行する「付箋紙のマーキング箇所設定処理」は、図15(a)に示すように、処理対象のテキストに対するマーキング箇所の情報(付箋紙を貼りたい箇所の情報)を整形して各付箋紙の属性情報を生成し、付箋紙を自動的に貼り付ける処理を行う。マーキング箇所情報とは、図15(b)に示すような一般の検索機能を使って得られた文字列検索の結果である付箋紙を貼りたい箇所の情報である。図15(a)や図15(b)に示すように、1つのマーキング箇所情報から1つの付箋紙グループの属性情報が生成される。
例えば、図16(a)に示すような処理対象となるテキストと、このテキストに対して一般の検索機能によって得られた図16(b)に示すような「ABC(大文字、小文字の区別なし)」の検索結果(マーキング箇所情報)がある場合に、このマーキング箇所情報を整形して図16(c)に示すような各付箋紙の行位置とメモ内容(文字列検索結果、検索結果の行内カラム位置、検索文字列)とを自動生成することで、自動的に付箋紙を貼り付けることが可能になる。
付箋紙管理部9は、この「付箋紙のマーキング箇所設定処理」に関連する技術として、ユーザによって指定されたマーキング箇所情報を用いることがあり、この場合には、図17の処理フローに示すように、ユーザによって指定されたマーキング箇所情報に対して整形処理(その詳細は図18(a)の処理フローに示す)を施すことで付箋紙の属性情報を得て、それを使って付箋紙を表示(その詳細は図18(b)の処理フローに示す)する。そして、マーキング箇所情報と抽出した付箋紙の属性情報との対応関係を保存する処理を行う。
このようにして、ユーザは、他のシステムやユーザによって得られたマーキング箇所情報を指定するだけで、その情報より抽出した箇所に自動的に付箋紙を貼り付けることができるようになる。
付箋紙管理部9の実行する「付箋紙のコメント化処理」は、図19に示すように、処理対象となる付箋紙が設定されると、その付箋紙の持つメモ内容を付箋紙の貼り付けられるテキスト部分(例えば、付箋紙の貼り付けられるテキストの直前位置)に挿入することで、付箋紙をコメント化する処理である。
この図19では、「合計を計算する」というメモ内容を持つ付箋紙がコメント化されて、テキストの本文に、コメント文であることを示す「*」とともに、「合計を計算する」というコメント文が挿入される例を示してある。
このコメント化された付箋紙については、ディスプレイ画面から消去されることになるが、付箋紙情報ファイル12から消去されることはなく、図6で説明したように、その表示方法がコメント文で表示されているというように変更されるだけである。
付箋紙管理部9は、この「付箋紙のコメント化処理」を実行する場合には、図20の処理フローに示すように、コメント化する付箋紙を指定すると、その属性情報を取得することで挿入するメモ内容とその挿入先行位置を得て、そのメモ内容をその挿入先行位置に挿入することで、付箋紙をコメント化する。
このようにして、ユーザは、処理対象となる付箋紙を指定するだけで、付箋紙のメモ内容をテキストの本文に挿入できるようになる。
上述したように、付箋紙管理部9は、「付箋紙のマーキング箇所設定処理」で、図16(b)に示すようなマーキング箇所情報を整形することで、自動的に付箋紙を貼り付ける処理を行うことを説明した。一方、付箋紙管理部9は、この「付箋紙のコメント化処理」で、付箋紙をコメント化する処理を行うことを説明した。
付箋紙管理部9は、図21の処理フローに示すように、この2つの処理を連続して行う機能を有することで、マーキング箇所情報を指定すると、直ちに、テキストの本文にコメント文を挿入した形態の付箋紙を作成する処理を行う。
すなわち、マーキング箇所情報を整形することで付箋紙を貼り付けた後に、付箋紙をコメント化する処理を行うと、図22に示すような2段階の処理手順を踏むことになる。これに対して、この図21の処理フローを実行することで、図23に示すように、マーキング箇所情報を指定すると、直ちに、テキストの本文にコメント文を挿入する機能を用意するのである。この機能により、ユーザは、例えば予め文字列検索しておいた結果を指定するだけで、自動的に、その検索結果に応じたコメント文をテキストの本文に挿入できるようになる。
付箋紙管理部9の実行する「コメント文の付箋紙化処理」は、図24に示すように、処理対象となるコメント文が設定されると、そのコメント文を抜き出すとともに、そのコメント文の行位置の直ぐ後の行位置に付箋紙を貼り付けて、その抜き出したコメント文をその付箋紙のメモ内容とすることで、コメント文を付箋紙化する処理である。
この図24では、「平均を計算する」というコメント文が付箋紙化される例を示してある。このようにして付箋紙化されたコメント文については、ディスプレイ画面から消去されることになるが、付箋紙の属性情報として、付箋紙情報ファイル12には保存されている。
付箋紙管理部9は、この「コメント文の付箋紙化処理」を実行する場合には、図25の処理フローに示すように、付箋紙化するコメント文を指定すると、そのコメント文の行位置を取得することで付箋紙を貼り付ける行位置を得て、その行位置に付箋紙を描画するとともに、そのコメント文をテキスト本文から消去してメモ内容として付箋紙に割り付けることで、コメント文を付箋紙化する。
このようにして、ユーザは、処理対象となるコメント文を指定するだけで、テキストの本文に記述されるコメント文を付箋紙化できるようになる。
付箋紙管理部9の実行する「付箋紙の案件管理処理」は、図26(a)に示すように、案件と付箋紙グループとの対応関係を管理して、付箋紙に対する処理を行うものであり、図9に示したファイル構造を持つ案件情報ファイル13を作成する。
例えば、図26(b)に示すように、貼り付けられた付箋紙を、“プログラム修正”という案件の下で貼り付けられた付箋紙グループと、“機能改善”という案件の下で貼り付けられた付箋紙グループと、“機能追加”という案件の下で貼り付けられた付箋紙グループとに分けて管理し、指定される案件配下の付箋紙のみを表示したり、図27に示すように案件別に付箋紙の表示色を変えて表示したり、指定される案件配下の付箋紙を一括消去するなどの処理を行う。
付箋紙管理部9は、この「付箋紙の案件管理処理」を実行する場合には、図28の処理フローに示すように、案件を入力すると、その入力がその案件の下で作成された付箋紙の表示要求である場合には、案件情報ファイル13を参照して、その案件の下で作成された付箋紙のみを表示することなどにより、その案件の下で作成された付箋紙を明示する。
一方、その入力が案件の設定要求である場合には、図29の処理フローに示すように、案件情報を入力し、既に付箋紙グループが対応付けられているときには、そのグループを必要に応じて変更する。案件情報に付箋紙グループが対応付けられていないときには、既存の付箋紙グループを指定して案件情報を対応付けるか、あるいは、上述した簡易設定処理に従って付箋紙を貼り付けていくことで、案件情報ファイル13及び付箋紙情報ファイル12を作成・更新する。
このようにして、ユーザは、案件を単位にして、貼り付けた付箋紙を見ることができるようになるし、また、案件を単位にして、上述のコメント化処理や付箋紙化処理などの処理を実行できるようになる。
付箋紙管理部9の実行する「付箋紙のアクセス権管理処理」は、図30に示すように、付箋紙グループに対してアクセス権を設定することで、付箋紙グループとアクセス権情報との対応関係を管理して、それに従ってユーザのアクセスを許すのか否かを決定する処理であり、図8に示したファイル構造を持つアクセス権情報ファイル14を作成する。
付箋紙管理部9は、この「付箋紙のアクセス権管理処理」を実行する場合には、図31の処理フローに示すように、処理対象となる付箋紙グループを指定(付箋紙グループがない場合には、それを上述の簡易設定処理を使って作成する)して、それに対して、既存のアクセス権情報を割り付ける場合には、それを指定し、既存のアクセス権情報を割り付けない場合には、図32の処理フローに従ってそれを作成して割り付けることで、アクセス権情報ファイル14に登録することで行う。
このようにして、ユーザは、付箋紙にアクセスする他のユーザに対して、付箋紙に対するアクセス権を自在に設定できるようになる。
よって、付箋紙管理部9は、図33(a)に示すように、案件別に貼られた付箋紙グループをアクセス権に従って管理することが可能となる。例えば、図33(b)に示すように、“プログラム修正”という案件の下で貼り付けられた付箋紙グループに対して特定のアクセス権情報を設定し、“機能改善”という案件の下で貼り付けられた付箋紙グループに対して特定のアクセス権情報を設定し、“機能追加”という案件の下で貼り付けられた付箋紙グループに対して特定のアクセス権情報を設定できるようにしている。
この案件情報とアクセス権情報との対応関係(図10に示したもの)は、案件情報ファイル13の管理する案件情報と、アクセス権情報ファイル14の管理するアクセス権情報との間にリンク関係を張ることで実現されることになる。
更に、付箋紙管理部9は、案件と、マーキング箇所情報と、マーキング箇所情報を整形することで得られる付箋紙情報と、アクセス権情報との間の対応関係を管理する処理を行う。
例えば、図34(a)に示すように、案件と、マーキング箇所情報と、マーキング箇所情報を整形することで得られる付箋紙情報との対応関係を管理する。また、図34(b)に示すように、マーキング箇所情報と、マーキング箇所情報を整形することで得られる付箋紙情報と、アクセス権情報との対応関係を管理する。
図34(a)に示す対応関係は、例えば、検索機能によって得られたマーキング箇所情報を元に生成した付箋紙の情報に対して、ユーザと対話することで、その付箋紙の情報がどの案件に属するものかを設定することが可能であることを示す。例えば、「新機能Aのために追加された部分」という案件に対して、「事象Xに関する変数の検索結果」というマーキング箇所情報を対応付けると、そのマーキング箇所情報から生成された図35に示す付箋紙情報を元に、図36に示す位置に付箋紙を貼り付けることができる。
このような対応関係を管理すると、ユーザは、案件を指定することで、その案件に属する付箋紙のみを明示表示するなどの処理を行える。
また、図34(b)に示す対応関係は、検索機能によって得られたマーキング箇所情報を元に生成した付箋紙の情報に対して、ユーザと対話することで、その付箋紙の情報がどのアクセス権情報に従うのかを設定することが可能であることを示す。この設定処理により、例えば、図37に示すような対応関係を管理できるようになる。
このような対応関係を管理すると、ユーザは、マーキング箇所情報で作成された付箋紙に対して、特定のアクセス権情報を設定するなどの処理を行える。
なお、上述しなかったが、付箋紙管理部9は、編集対象のテキストに設定されている付箋紙グループの一覧を表示して、その中から特定の付箋紙グループが選択されると、その選択された付箋紙グループに属する付箋紙の一覧やアクセス権などの情報を表示するなどの機能を有している。同様にして、編集対象のテキストに設定されている案件の一覧を表示して、その中から特定の案件が選択されると、その選択された案件に対応付けられる付箋紙グループやアクセス権などの情報を表示するなどの機能を有している。
以上に説明したように、本発明のテキスト編集装置1は、テキストに貼り付ける付箋紙の効率的な処理を実現することになるが、更に、自装置に展開される他のソフトウェアや、他の装置に展開されるソフトウェアと連携する機能を有して、それらのソフトウェアが付箋紙を貼り付ける機能を有しないような場合に、付箋紙の機能を提供することで、それらのソフトウェアの利便性を向上できる機能を有している。
具体的に説明するならば、図38に示すように、プログラム画面を開いている本発明を具備するプログラム編集装置と、そのプログラム編集装置の編集するプログラムで扱われるデータフロー図を編集する装置と、そのプログラム編集装置の編集するプログラムで扱われるコントロールフロー図を編集する装置とがあることを想定する。
この場合に、本発明を具備するプログラム編集装置は、データフロー図を編集する装置が扱う「SUBPRG」という図形要素を指定して付箋紙の貼付要求があると、データフロー図の各図形要素とそれに対応付けられるプログラム部分との対応関係を管理する管理機構にアクセスすることで、その「SUBPRG」に対応するプログラム部分を特定して、ユーザに対してそのプログラム分に付箋紙の貼付要求があることを明示することで、そのプログラム分に付箋紙を貼り付けていく。
この機能があることで、データフロー図を編集する装置は、自装置が付箋紙を処理する機能を持たない場合に、本発明を具備するプログラム編集装置を使って、本発明を具備するプログラム編集装置で扱うプログラム上で、必要な図形要素に必要な付箋紙を間接的に貼り付けることができるようになる。
図39に、この連携機能を実現するにあたって本発明が実行することになる処理フローを図示する。
この処理フローに示すように、本発明を具備するプログラム編集装置は、データフロー図を編集する装置のディスプレイ画面上で着目する箇所を指定すると、その図形要素を入手して、データフロー図の各図形要素とそれに対応付けられるプログラム部分との対応関係を管理する管理機構にアクセスすることで、その図形要素に対応付けられるプログラム部分を特定する。そして、そのプログラム部分を明示表示しつつそれに付箋紙を描画して、ユーザから入力される必要なメモ内容を登録していくことで、データフロー図を編集する装置の指定する図形要素に間接的に付箋紙を貼り付けていくように処理することになる。
このことは、本発明を具備するプログラム編集装置とコントロールフロー図を編集する装置とを連携する場合にも同様である。
また、本発明を具備するプログラム編集装置は、コントロールフロー図を編集する装置と連携するときにあって、ユーザが編集中のプログラムに付箋紙を貼ると、コントロールフロー図の各図形要素とそれに対応付けられるプログラム部分との対応関係を管理する管理機構にアクセスすることで、そのプログラム部分に対応するコントロールフロー図の図形要素(例えば「SUBPRG」)を特定して、その図形要素に付箋紙が間接的に貼り付けられていることを示す情報をファイルに保存していく。
この保存情報を受けて、コントロールフロー図を編集する装置は、コントロールフロー図を編集するときに、本発明を具備するプログラム編集装置がどの図形要素に付箋紙を貼ったのかを明示できるようになり、その貼り付けられている付箋紙を参照できるようになる。
図40に、この連携機能を実現するにあたって本発明が実行することになる処理フローを図示する。
この処理フローに示すように、本発明を具備するプログラム編集装置は、ユーザがプログラムに付箋紙を貼り付けると、コントロールフロー図の各図形要素とそれに対応付けられるプログラム部分との対応関係を管理する管理機構にアクセスすることで、そのプログラム部分に対応する図形要素を特定して、その図形要素に付箋紙が間接的に貼り付けられていることを示す情報をファイルに保存し、これを受けて、コントロールフロー図を編集する装置がディスプレイ画面上で付箋紙の貼り付けられている図形要素を明示表示できるようになる。
このことは、本発明を具備するプログラム編集装置とデータフロー図を編集する装置とを連携する場合にも同様である。
図示実施形態例に従って本発明を詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、実施形態例では、付箋紙とテキストとを別々に管理して、それぞれ別々の表示領域に表示することで説明したが、付箋紙の簡易設定処理などの本発明の基本的な機能は、この構成を用いない場合にもそのまま適用できる。