JP3868792B2 - ボールアクチュエータ - Google Patents
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Description
【0001】
〔発明の背景〕
本発明は、特に電気開閉装置の開閉機構を制御するため、特に、電力回路遮断機を制御するために設計された効率が高く且つ小型のボールアクチュエータに関する。
【0002】
〔技術の現状〕
技術文献DE2,340,450は、電気スイッチをラッチ止めする戻止めボールを備えたラッチ止め装置を記載しており、このラッチ止め装置は、ケース内を並進運動の状態で摺動するラッチ止めボルト及びこのボルトの並進軸線に垂直に配置された軸方向運動を行う制御ロッドによって形成されていて、2個のボールの支持プレートを備えた制御サブアセンブリを有している。ラッチ止め位置では、2個のボールのうち一方が、一方の側部のところでボルトの平らな端部に当接し、他方の側部のところでロッドに当接する。ボルトの平らな端部の表面は、ロッドの接触面に平行であり、ボルトは純粋に半径方向に向いた力をロッドに伝えるに過ぎないようになっている。かかる力は、ロッドとケースとの間に配置された第2のボールによって吸収される。ボルトの端部はさらに、傾斜部を形成する面取り部を底部に有している。ボルトを外すためには、ロッドを単に動かせば済み、第1のボールが転動して一方においてロッドに接触し、他方においてロッドの平らな端部に接触し、ついには、ボルトの傾斜部に向くようになる。この時点において、ボールは突き出され、ボルトが解除される。かかる装置は、比較的性能が良いが、寸法上の許容誤差及び部品の摩耗の影響を非常に受けやすい。2個のボールによってロッドに加えられる力は大きいので、ロッドに跡形が残る場合がある。さらに、第2のボールの直径がロッドとケースとの間の距離に正確に一致していない場合、ラッチ止め位置において第1のボールによってロッドに伝えられた半径方向の力は第2のボールに完全には伝えられず、ロッドを変形させる傾向がある。
【0003】
技術文献DE1,131,304は、ケース内を摺動し、列をなす4つのローラに当接するラッチ止めボルトを備えた高圧電気スイッチのキャッチのラッチ止め装置を記載している。ラッチ止め位置では、4つのローラは、ボルトの並進軸線内で整列し、ボルトから最も遠くに位置したローラは、ケースの壁に当接する。押しボタンにより、第2及び第3の位置にある中間ローラを非整列状態にすることができるが、これら中間ローラは、戻しばねにより整列位置に付勢される。4つのローラの整列状態が維持されている限り、ボルトによって加えられる力は、完全にローラからローラへ、そしてケースに伝えられる。押しボタンを押すと、2つの中間ローラは、戻しばねの付勢力に抗してこれらの非整列位置まで転動するようになる。ローラが非整列状態になると、ボルトが解除される。中間ローラをボルトと整列状態に維持できるかどうかは、戻しばねの校正の如何で決まる。中間ローラが非整列状態になり始めるやいなや、ボルトによって加えられる力の大部分が事実上、戻しばねに伝えられる。装置がローラを非整列状態にする傾向のある衝撃又は振動を受けるとすぐに、戻しばねは、ボルトによって加えられた力により大きな応力を受ける。装置の衝撃感受性を低下させようとすると、戻しばねの剛性を増大させる必要があり、したがって、装置を非整列状態にするためにロッドに加えられる力が増大するようになる。ボルトの行程は一段と制限される。
【0004】
技術文献FR1,060,856では、幾何学的並進軸線を定めるケース、幾何学的並進軸線に平行な方向にラッチ止め制御位置とラッチ外し制御位置との間でケースに対して並進運動することができ、転動面を備えている制御ロッド、幾何学的並進軸線に平行な方向に加重又はロード位置と除重又はアンロード位置との間でケースに対して並進運動することができ、支持カラーを備えているストライカ、ストライカがその加重位置にあるとき、ストライカを付勢してこれを除重位置に戻すような仕方でストライカと連携して動作するストライカの駆動手段、各々がラッチ止め位置と通過位置との間で動くことができ、ラッチ止め位置では、ストライカの支持カラーに圧接するようになっていて、中心を備えた4個で一組の戻止めボール、各々が中心を備えている4個で一組の制御ボールを有するアクチュエータが記載され、このアクチュエータは、ストライカが加重位置にあり且つロッドがラッチ止め制御位置にあるとき、戻止めボール及び制御ボールの中心が、幾何学的並進軸線に垂直な同一の幾何学的平面内に位置するようなものである。この装置は、戻止めボールと制御ボールとの間で受け渡しされる力をまったく減少させない。
【0005】
技術文献DE1,006,044は、力の減少を達成することができるように1個の制御ボールと2個の戻止めボールを有するラッチ止めシステムを明細書の一部に記載している。1個の制御ボール及び2個の戻止めボールを備えているこれと類似した形式のラッチ止め機構が、技術文献FR2,417,177に記載されている。かかる機構は、制御ボールの数が少なく、戻止めボールの数が少ないので動力には制約がある。さらに、制御ボール1個について2個の戻止めボールが必要である。
【0006】
〔発明の概要〕
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を解決し、大きな機械的エネルギを出すのに必要な動作エネルギが非常に小さい高効率のボールアクチュエータを提案することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、アクチュエータを小型化し、貯蔵された機械的エネルギが一定であるとした場合のボールの数を抑えることにある。本発明の別の目的は、貯蔵された運動エネルギを出す可動手段の行程を増大させることにある。本発明の別の目的は、製造上の許容誤差又は摩耗に起因する寸法のばらつきの影響を比較的受けにくいようアクチュエータを構成することにある。本発明の別の目的は、機械的に衝撃及び振動の影響を比較的受けにくいようアクチュエータを構成することにある。本発明の別の目的は、アクチュエータの動作速度を増加させることにある。最後に、本発明の別の目的は一般に、アクチュエータの製造費を減少させることにある。
【0008】
本発明によれば、これらの目的は、幾何学的並進軸線を定めるケースと、幾何学的並進軸線に平行な方向にラッチ止め制御位置とラッチ外し制御位置との間でケースに対して並進運動でき、転動面を備えている制御ロッドと、幾何学的並進軸線に平行な方向に加重位置と除重位置との間でケースに対して並進運動でき、支持カラーを備えているストライカと、ストライカがその加重位置にあるとき、ストライカを付勢してこれを除重位置に戻すような仕方でストライカと連携して動作するストライカの駆動手段と、n個で一組の戻止めボールとを有するアクチュエータであって、nは、3以上の整数であり、各戻止めボールは、ラッチ止め位置と通過位置との間で動くことができ、各戻止めボールは、ラッチ止め位置にあるときにストライカの上記支持カラーに圧接し、各戻止めボールは、中心を有し、上記アクチュエータは、n個で一組の制御ボールを更に有し、各制御ボールは、中心を備え、上記アクチュエータは、ストライカが加重位置にあり且つ制御ロッドがラッチ止め制御位置にあるとき、戻止めボールの中心が、幾何学的並進軸線に垂直な第1の幾何学的平面内に位置し、制御ボールの中心が、幾何学的並進軸線に垂直な第2の幾何学的平面内に位置し、上記アクチュエータは、ストライカが加重位置にあり且つ制御ロッドがラッチ止め制御位置にあるとき、各制御ボールが制御ロッドの転動面に圧接すると共に一組の戻止めボールのうちの上記制御ボールと対応関係にある2個の戻止めボールに圧接し、各制御ボールの中心が制御ロッドと幾何学的並進軸線に平行であって上記2個の対応関係にある戻止めボールの各々の中心を通る第3の幾何学的平面との間に位置するようなものであることを特徴とするアクチュエータによって達成される。
【0009】
制御ボールを2個の戻止めボールの間に配置することにより、力の分散を達成することができ、したがって、制御ボールにより制御ロッドに加えられた力が、制御ロッドの並進軸線に対して垂直に向いていて、制御ロッドの並進軸線に垂直な平面内にあってストライカにより戻止めボールに加えられた力の成分よりも小さい成分を有するようになっている。換言すると、ストライカによって加えられた力の一部は、制御ロッドには伝達されない。制御ロッドがラッチ止め制御位置を離れてラッチ外し制御位置に向かって動き始めるときに、各制御ボールは転動面上を転動する。したがって、制御ロッドをそのラッチ止め制御位置とそのラッチ外し制御位置との間で動かすのに必要な動作エネルギは小さい。これにより、制御ロッド駆動手段の動力消費量及び寸法を減少させることができる。
【0010】
さらに、制御ボールによって生じる可動質量は比較的小さく、その運動の振幅は非常に僅かであり、一方において、制御ロッドの運動に引き続いて生じるストライカのラッチ外し動作は、非常に速く、これにより特に良好な応答時間が得られ、他方において、ばねに蓄えられた潜在的エネルギはほぼ全てストライカに伝えられ、これによって、機構の非常に良好な効率が得られる。
【0011】
さらに、制御ロッドの運動は、第1及び第2の幾何学的平面に垂直であり、したがって、制御ボールは、制御ロッド上を摺動するわけではなく、転動することによって動作し、その結果、摩耗が最小限に抑えられる。
【0012】
好ましくは、ストライカの駆動手段は、ストライカがその加重位置にあるとき、加重状態にあってストライカを付勢してこれを除重位置に戻すような仕方でケース及びストライカと連携して動作するエネルギ貯蔵ばねを有しする。制御ロッドを駆動するのに必要なエネルギは、エネルギ貯蔵ばねに蓄えられた潜在的エネルギが高い割には非常に小さい。得られるアクチュエータは、その据え付けを行うと、多くの調整作業を必要としない機能的ユニットを構成する。
【0013】
好ましくは、エネルギ貯蔵ばねは、幾何学的並進軸線と同軸状に設けられたコイルばねである。制御ロッドは、幾何学的並進軸線に沿って配置され、ストライカの支持カラーは、幾何学的並進軸線を中心とする回転面を形成し、戻止めボールの中心は、n個の辺が幾何学的並進軸線を中心として配置された状態で多角形のn個の頂点を形成し、制御ボールの中心は、n個の辺が幾何学的並進軸線を中心として配置された状態で多角形のn個の頂点を形成している。かくして、制御ボールは、戻止めボールの動作の組合せにより自動的に心出しされ、これにより、寸法上のばらつき及び摩耗の作用の影響を比較的受けにくい装置又はアクチュエータが構成される。
【0014】
好ましくは、アクチュエータは、制御ロッドをラッチ止め制御位置に戻す戻し手段と、制御ロッドをラッチ外し制御位置に駆動する駆動手段とを更に有する。制御ボールと戻止めボールの相対的配置関係により得られるラッチ止め力の減少により、制御ロッドの戻り手段が及ぼさなければならない力が比較的小さくなり、従って、制御ロッドの駆動手段は、制御ロッドの戻し手段の作用に対抗して制御ロッドをラッチ外し制御位置に駆動するのに僅かな量のエネルギを提供しさえすればよい。
【0015】
好ましい実施形態によれば、制御ロッドと固定関係をなして並進的に摺動する強磁性材料製の可動組立体を更に有する。制御ロッドの駆動手段は、可動組立体を駆動する電磁式励磁巻線から成る。
【0016】
有利には、可動組立体は、ケースのキャビティに収納されている。励磁巻線は、ケースによって支持されている。かくして、小型化が達成される。それにより、装置の信頼性が向上する。さらに、得られる組立体は特にコンパクトである。
【0017】
有利には、可動組立体は、制御ロッドの一部で形成されている。したがって、部品数が少なくなる。
【0018】
一実施形態によれば、制御ロッドの戻し手段は、可動組立体を引き付ける永久磁石を含む。永久磁石だけで、制御ロッドラッチ止め制御位置に保ち、場合によっては、制御ロッドのリセットを完全に又は部分的に行うのに十分である。これにより、制御アクチュエータの電気消費量をかなり減少させることができる。変形例として又は追加例として、制御ロッドの戻し手段は、戻しばねを含む。
【0019】
一実施形態によれば、制御ロッドは、ストライカが加重位置にあり且つ制御ロッドがラッチ止め制御位置にあるときに制御ボールと当接する軸方向停止部とを有し、前記第1の幾何学的平面と第2の幾何学的平面は互いに別個であり、第2の幾何学的平面は、第1の幾何学的平面と軸方向停止部との間に位置している。かかる構成では、ラッチ外し制御位置への機構の偏向運動が機械的に行われる。というのは、制御ボールによって制御ロッドに加えられた力の合力が軸方向成分となるからである。ボール相互間の遊びの吸収は非常に効率的である。
【0020】
好ましくは、制御ロッドは、ラッチ止め制御位置からラッチ外し制御位置に動くときに動作方向に動き、第2の幾何学的平面は、上記動作方向において第1の幾何学的平面からずれる。この場合、制御ボールによって制御ロッドに加えられた力の合力は、制御ロッドをそのラッチ外し制御位置に駆動する傾向のある軸方向成分を有する。それにより、引外し運動は非常に速く、制御ロッドをそのラッチ外し制御位置に動かすのに必要な動力は非常に小さい。
【0021】
変形例として、第1の上記平面と第2の上記平面は、互いに同一である。この場合、制御ロッドに伝えられる力は、幾何学的並進軸線に純粋に垂直である。
【0022】
有利には、制御ロッドをラッチ止め制御位置からラッチ外し制御位置に駆動し、第1の位置から第2の位置に動く可動補助押しボタンが設けられている。押しボタンにより、機構を手動で操作してアクチュエータの動作状態をチェックすることができる。また、装置の外部に設けられていて、電磁式制御アクチュエータとパラレルに動作するよう設計された機構により引外しを行うことができる。
【0023】
有利には、制御ボール、戻止めボール及び制御ロッドの少なくとも一部は、ケースの壁及びストライカによって構成されたキャビティ内に収納され、上記壁は、ストライカが加重位置と除重位置との間で動くときに塵密を達成するようにストライカと連携して動作する案内面を形成する。かくして、機構の信頼性が、部品数又は製造費を非常に節約して達成される。
【0024】
本発明の他の利点及び特徴は、添付の図面に示されていて、非限定的な例示として与えられているに過ぎない本発明の特定の実施形態についての以下の説明から明らかになろう。
【0025】
〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
図1〜図6を参照すると、本発明の第1の実施形態としてのボールアクチュエータ10が、エネルギ貯蔵ばね16付きのストライカ14を支持したケース12、幾何学的軸線19に平行に並進運動できる制御ロッド18、戻止めボール20及び制御ボール22を有している。
【0026】
全体として円筒形の形をしたケース12は、制御ロッド18のための軸方向内部案内ボア24、ストライカ14のための円筒形外側案内面26、エネルギ貯蔵ばね16の端部のための支持肩28、及び戻止めボール20及び制御ボード22を受け入れるケージ30(図2に見える)を形成している。ストライカ14は、ケースの外側案内面26上を摺動する円筒形管状部分32を有し、カバー36によって閉鎖された僅かに大きな内径の凹部34がストライカの延長部をなしており、カバー36は、エネルギ貯蔵ばね16の第2の端部の支持体としての役目を果たしている。ストライカ14及びケースの外部案内面26は、塵密状態を達成するような仕方で機械加工されている。面取り部(特に図3で見える)が、管状案内部分32と凹部34を結合している。ロッド18は、ケースの軸方向内部案内ボアの壁24上を摺動する案内面44及び円筒形転動面46を有している。エネルギ貯蔵ばね16は、圧縮されると潜在的なエネルギを蓄積し、緩めると運動エネルギを放出する圧縮ばねである。図2及び図3に示すように、ケージ30は、戻止めボール20の半径方向案内を達成する半径方向案内面50及び戻止めボール20の軸方向保持を達成する軸方向案内面52,54を有している。
【0027】
電磁石を備えた電磁継電器100が、制御ロッド18を駆動するようアクチュエータに関連付けられている。継電器は、ケースの凹部102内に収納されており、この継電器は、磁界を増強させるよう設計された分流器104、励磁コイル106、磁束を再び閉じることができるようにするストッパ108、戻しばね110を有し、これら組立体は、絶縁フレーム112によって位置決めされると共に案内される。ロッド18は、強磁性材料で作られ、かくして、戻しばね110によってロッド18と分流器104との間の空隙114の拡大方向に付勢されるプランジャーコアを構成している。
【0028】
図1〜図3の加重又はロード位置では、戻止めボール20の中心は、ロッドの並進軸線19に垂直な幾何学的平面、この場合、図1の断面II−II内に位置した第1の多角形56、この場合、正方形の頂点を形成している。制御ボール22は、ロッドの転動面と接触状態にあり、戻止めボール20相互間に位置している。制御ボール22の中心は、第2の多角形58、この場合、正方形の頂点を形成し、この第2の多角形58は、第1の多角形56の内側に位置した状態でこれ又、図1の幾何学的断面II−II内に位置し、第1の多角形から1/8回転だけずれていて、各戻止めボール20が2個の制御ボール22に力を加え、これに対し各制御ボール22は2個の戻止めボール20の支持体として働くようになっている。制御ボールは、軸方向停止部54に圧接している。戻止めボール20は面取り部40に圧接している。エネルギ貯蔵ばね16は、圧縮されている。したがって、ストライカ14は戻止めボール20によって位置が固定され、これら戻止めボールはそれ自体、ロッドを分流器から遠ざけようとする戻しばねのスラストによりロッドによって定位置に保持された制御ボール22によって動きが妨げられている。ロッド18は、ラッチ止め制御位置と呼ばれる位置にある。
【0029】
装置の作動のため、コイル106への給電を行う。ロッド18によって形成されたプランジャーコアは図4の矢印116の方向に引き寄せられ、ばね110の戻し力に抗して分流器104に到達し、これに力を及ぼす。制御ボール22は、図4に示すように転動面46上を転動し、図2の幾何学的断面から出る。非整列状態になるやいなや、戻止めボールは、面取り部40によって及ぼされるスラストにより、制御ボール22を突き出し、これら制御ボールは、図5に示す矢印にしたがって軸方向に逃げる。戻止めボール20は、図6に示すように自由空間内をロッド18に向かって半径方向に立ち去り、ストライカ14を解除する。ストライカ14は、エネルギ貯蔵ばね16によって上方に駆動され、ついには、図5に示す除重又はアンロード位置に達するようになる。この時、ロッド18は、ラッチ外し制御位置と呼ばれる位置にある。
【0030】
アクチュエータ10をリセットするため、第1段階において、ストライカ14を図5の位置から図1の位置に任意の手段によって動かす必要があり、それにより再び、戻止めボール20に空間が与えられる。ロッドは、戻しばね110の反発作用により、分流器104と協働して空隙114を再び形成する。次に、戻止めボール20及び制御ボール22は、図1に示すこれらの位置に戻る。介在状態の戻止めボール20は、ストライカ14を加重位置にとどめる。
【0031】
システムの単純なモデル化を行う上で図2には以下のこと、即ち、一方において2個の隣り合う戻止めボールの中心を通る軸線と、他方において2個の戻止めボールのうちの一方の中心及びその隣の制御ボールの中心を通る軸線との間には角αが形成されていること、及び、一方において2つの隣り合う戻止めボールの中心を通る軸線と、他方において戻止めボールの中心を通りロッドの並進軸線を切る軸線との間には角βが形成されていることが示されている。
【0032】
この単純化されたモデルでは、ストライカにより各戻止めボールに加えられた力は、幾何学的軸線に平行な軸方向成分F0 及び半径方向成分F1 を有するものと考えられる。2つのボール相互間に働く反力は本質的に接触面に垂直なので、戻止めボール20は純粋に半径方向の力だけを制御ボール22に伝えることができる。その結果、ボールのための軸方向案内面54は、軸方向成分全体を受け止める。戻止めボール20は各々、純粋に半径方向の力F2 をその隣の制御ボール22の各々に及ぼし、この力のモジュラスは、以下の式で示された角度βの関数である。
【0033】
F2 =F1 /2cosβ
システムの対称性を考慮し、ストライカによって戻止めボールの各々に加えられた力が、F1 にモジュラスにおいて等しい半径方向成分を有するものと仮定し、各制御ボールが2つの戻止めボールによって加えられた力を受けることに注目すると、各制御ボールがロッドの転動面に半径方向の力を及ぼすものと推論することができ、この力のモジュラスF3 は、以下の式で示された角度αの関数である。
【0034】
F3 =2F2 sinα
角度α,βは次式によって関連づけられる。
【0035】
2(α+β)+2π/n=π
ただし、0<β<π/2、0<α<π/2、n≧3
即ち、
α+β=(n−2)π/2n
ただし、0<β<(n−2)π/2n<π/2
上式において、nは、2よりも大きな整数であり、戻止めボールの個数を表し、この個数はさらに、制御ボールの個数に等しい。
【0036】
かくして、数nが所与の場合、比F3 /F1 と角度βとの間には相関関係があり、これは以下のように表現される。
【0037】
F3 /F1 =sinα/cosβ
=sin{(n−2)π/2n−β}/cosβ
=sin{(n−2)π/2n}−tanβcos{(n−2)π/2n}
ただし、0<F3 /F1 <sin{(n−2)π/2n}<1
したがって、比F3 /F1 は常に1よりも小さいということが分かる。本発明の第1の実施形態について考えた特定の場合において、n=4のとき、次式が得られる。
【0038】
【数1】
加重位置において制御ボール2よりロッドに加えられた力のモジュラスF3 は、ロッドの操作に必要なエネルギを調整する。ロッドの直径及びボールの直径を変えることにより、空隙に角度βを与えることができ、したがって、ラッチ止め力F1 が所与の場合、F3 の値が変わる。したがって、作業エネルギを変える必要なく、多少強力なばねを用いると幅広いアクチュエータを得ることができる。
【0039】
図7の純理論的な説明図を用いるとモデルの理論上の限度が得られ、この場合、角度αは0であり、ロッド18に伝えられる力F3 は0である。
【0040】
上記の単純化されたモデルは、機構の許容誤差及び摩耗による寸法上の差を考慮に入れていない。しかしながら、制御ボールは各々、2個の戻止めボール及びロッドによって押圧され、したがって、これら制御ボールが戻止めボールによって加えられた力を分散させるようになることは強調されるべきである。さらに、これら制御ボールは自動的に半径方向動作平面内に心出しされる。
【0041】
図8〜図11に示された本発明の第2の実施形態のアクチュエータは、第1の実施形態のアクチュエータに構造が類似している関係上、同一又は類似の要素を示すために同一の符号が用いられている。第2の実施形態のアクチュエータは、加重位置において、戻止めボール20の中心がロッドの並進軸線19に垂直な第1の幾何学的平面60内に位置し、制御ボールの中心が第1の平面60からずれた状態でこれに平行な第2の平面62内に位置している点において本質的に第1の実施形態とは異なっている。この構造は、加重位置において戻止めボールによって制御ボールに伝えられた力に軸方向の成分を付加するという作用効果を発揮する。加重位置では、制御ボール22は、ロッドのヘッド48によって形成された軸方向停止部64に圧接し、軸方向力をこれに伝達する。したがって、アクチュエータを加重位置に保つために軸方向保持力をロッド18に加えなければならない。保持力の作用が妨げられると、制御ボール22はロッド18をはじいて上方に移動し、それにより戻止めボール20を解放する。
【0042】
ロッド18を駆動するために電磁継電器200がアクチュエータに関連付けられている。この継電器は、ケースの凹部102内に収納されており、かかる継電器は、磁界を増強させるよう設計された分流器204、消磁コイル206、磁界を再び閉じることができるようにするストッパ208、ロッド18の端部と反対側に配置された永久磁石210及び機械式押しボタン211を有し、この組立体はフレーム212によって案内されると共に定位置に保持される。ロッド18は、強磁性材料で作られ、継電器200のプランジャーコアを構成している。
【0043】
本発明の第2の実施形態のアクチュエータは、以下のように動作する。図8の加重位置では、永久磁石210は、制御ボール22によってロッド18に加えられた力の軸方向合力よりも大きな力でロッドをそのラッチ止め制御位置に押圧し、永久磁石210がロッド18をラッチ止め制御位置に保持するようにする。電力をコイル206に供給すると、このコイルは永久磁石210の磁束を打ち消す磁束を生じさせ、したがって制御ボール22によって押圧されたロッド18は分流器204から離れるようになり、空隙214を生じさせる。制御ボールは図10に示すように転動面46上を転動し、次に、図11に示すように突き出される。この装置のリセットは、ストライカを任意の手段によって図8の加重位置に動かすことにより達成される。この位置に到達するとすぐに永久磁石210はロッド18を引き付け、このロッドは分流器204に当接するようになる。押しボタン211は、行われるべき装置の機械的な引外しを可能にする任意的に用いられる要素である。図8の加重位置では、この押しボタンは一端を介してロッド18の端に当たっている。もし押しボタン211を押し下げると、これによりロッド18が駆動される。
【0044】
ラッチ止め制御位置では、制御ボール22は、転動面46のヘッド48の高さ位置において、一方においては2個の隣り合う戻止めボール20により、他方においてはロッド18によって半径方向及び軸方向に押圧される。制御ボール22の心出し及び寸法差の吸収が自然に行われる。
【0045】
ロッドとストライカの相互作用によってアクチュエータのリセットを行うことができ、第1の段階では、ストライカを加重位置に移動させ、ロッドのヘッドをはじき、ボールを収容するのに必要な空間を自由にし、次に第2段階において、ストライカは加重位置を越えてその移動を続行し、ロッドを永久磁石に押し付ける。これにより、永久磁石の磁力を制限することができる。
【0046】
当然のことながら、種々の設計変更例を想到できる。
【0047】
本発明は、任意の個数nの戻止めボールに適用でき、nは、3以上の整数である。実際、3又は5以上のボールを利用した実施形態は、完全に作用することが期待できる。ボールの個数が任意の数nの場合(nは3よりも大きい)、戻止めボールの中心は、n個の辺を持つ多角形を形成し、制御ボールの中心も又、この多角形の内側に位置し、これからπ/nだけずれたn個の辺を持つ多角形を形成する。一般的に言えば、各制御ボールの中心は、ロッドと、これが接触する2つの戻止めボールの中心を通り、並進軸線19に平行な平面との間に位置し、このことは、或る意味では、各制御ボールが、これと接触関係にある2つの戻止めボールとロッドとの間に位置していることを示している。
【0048】
エネルギ貯蔵ばねに代えて任意他の形式の駆動手段を用いることができ、かかる駆動手段は、ストライカを加重位置から除重位置に駆動し、また、ストライカが加重位置にある限り、常時これを除重位置に付勢するものである。特に、重力の作用でストライカの端に作用する質量によって形成される駆動手段を計画することができ、この場合、ストライカは、図示の方向とは逆方向に下方に配置される。
【0049】
電磁継電器は、任意形式のものであってよく、即ち、永久磁石を備えていても或いはそうではなくてもよく、分極式のものであっても或いはそうでなくてもよいこと等が挙げられる。アクチュエータを電磁石ではなく任意他の制御装置に関連付けてもよい。ロッドは必ずしも強磁性体で作られたものである必要はなく、磁心に固着してもよい。
【0050】
第1の実施形態と第2の実施形態の純粋に機械的な部品と電磁式駆動手段を逆にしてもよい。かくして、永久磁石を持つ継電器を、ラッチ止め制御位置において戻止めボール及び制御ボールの中心が同一平面上に位置するアクチュエータに取り付けることができる。逆の態様では、戻しばねを持つ継電器を、2つの別々の平面60,62を有するアクチュエータに取り付けることができる。
【0051】
電磁継電器を、アクチュエータのケースとは別個独立に、ケース内に収納してもよい。分流器及びストッパは、単一部品の状態であってもよい。
【0052】
転動面は、非円形の半径方向断面、例えば、制御ボール1個当たりにつき平らなフェーセットを備えた多角形断面のものであってもよい。転動面の半径方向断面は、一定でなくてもよい。特に、転動面をテーパさせて制御ボールによってロッドに加えられる力が軸方向の成分を持つようにしてもよい。転動面は、任意の曲率を持つロッドの並進軸線を中心とする回転面であってもよく、かくして、ロッドの運動中、制御ボールによってロッドに加えられた力の合力の軸方向成分の調節が可能になる。
【0053】
エネルギ貯蔵ばねが弛緩するときのストライカの運動方向は、ラッチ止め制御位置からラッチ外し制御位置へのロッドの運動方向とは逆であるのがよい。ロッドは、ストライカを貫通してこれから突き出るのがよい。
【0054】
第2の実施形態の変形例(図示せず)によれば、制御ボールの中心を含む平面が戻止めボールの中心を含む平面の下に位置し、制御ボールがロッドをはじいてこれを移動停止部の端に当てる傾向のある軸方向成分を持つ力をロッドの中間停止部に加えるようにする装置を提供することも可能である。かかるアクチュエータは、安定性のある加重位置をもつ。エネルギ貯蔵ばねを解除するためには、ロッドを上方に駆動して制御ボールが戻止めボールを外側に向かって半径方向にはじき、これら戻止めボールが肩の傾斜部と接触した状態で、エネルギ貯蔵ばねによって及ぼされた力に抗してストライカを軸方向にはじくようにする必要がある。制御ボールが死点を通って戻止めボールの上方に位置するやいなや、制御ボールは先に説明した実施形態の場合と同様に突き出され、ストライカが解放される。この実施形態は、加重位置における安定性が一層高いという利点をもたらすのは当然であるが、より大きな作業エネルギを必要とする。
【0055】
アクチュエータは電磁式駆動手段に必ずしも関連付けられるというわけではない。ロッドが手で又は任意適当な手段によって操作される用途を想到できる。特に、アクチュエータと図示の実施形態に関して上下逆さまにすることによりロッドをそれ自体の重力で動作させることも想到できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加重位置にある本発明の第1の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図2】加重位置にある本発明の第1の実施形態の装置の図1の平面II−IIにおける拡大半径方向断面図。
【図3】図1の部分拡大詳細図。
【図4】過渡的な中間引外し位置にある本発明の第1の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図5】除重位置にある本発明の第1の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図6】除重位置にある本発明の第1の実施形態の装置の半径方向断面図。
【図7】理論的限度の場合を示す装置の半径方向断面図。
【図8】加重位置にある本発明の第2の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図9】図8の部分拡大詳細図。
【図10】過渡的な中間引外し位置にある本発明の第2の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図11】除重位置にある本発明の第2の実施形態の装置の軸方向断面図。
【符号の説明】
10 アクチュエータ
12 ケース
14 ストライカ
16 駆動手段
18 制御ロッド
19 幾何学的並進軸線
20 戻止めボール
22 制御ボール
40 支持カラー
46 転動面
〔発明の背景〕
本発明は、特に電気開閉装置の開閉機構を制御するため、特に、電力回路遮断機を制御するために設計された効率が高く且つ小型のボールアクチュエータに関する。
【0002】
〔技術の現状〕
技術文献DE2,340,450は、電気スイッチをラッチ止めする戻止めボールを備えたラッチ止め装置を記載しており、このラッチ止め装置は、ケース内を並進運動の状態で摺動するラッチ止めボルト及びこのボルトの並進軸線に垂直に配置された軸方向運動を行う制御ロッドによって形成されていて、2個のボールの支持プレートを備えた制御サブアセンブリを有している。ラッチ止め位置では、2個のボールのうち一方が、一方の側部のところでボルトの平らな端部に当接し、他方の側部のところでロッドに当接する。ボルトの平らな端部の表面は、ロッドの接触面に平行であり、ボルトは純粋に半径方向に向いた力をロッドに伝えるに過ぎないようになっている。かかる力は、ロッドとケースとの間に配置された第2のボールによって吸収される。ボルトの端部はさらに、傾斜部を形成する面取り部を底部に有している。ボルトを外すためには、ロッドを単に動かせば済み、第1のボールが転動して一方においてロッドに接触し、他方においてロッドの平らな端部に接触し、ついには、ボルトの傾斜部に向くようになる。この時点において、ボールは突き出され、ボルトが解除される。かかる装置は、比較的性能が良いが、寸法上の許容誤差及び部品の摩耗の影響を非常に受けやすい。2個のボールによってロッドに加えられる力は大きいので、ロッドに跡形が残る場合がある。さらに、第2のボールの直径がロッドとケースとの間の距離に正確に一致していない場合、ラッチ止め位置において第1のボールによってロッドに伝えられた半径方向の力は第2のボールに完全には伝えられず、ロッドを変形させる傾向がある。
【0003】
技術文献DE1,131,304は、ケース内を摺動し、列をなす4つのローラに当接するラッチ止めボルトを備えた高圧電気スイッチのキャッチのラッチ止め装置を記載している。ラッチ止め位置では、4つのローラは、ボルトの並進軸線内で整列し、ボルトから最も遠くに位置したローラは、ケースの壁に当接する。押しボタンにより、第2及び第3の位置にある中間ローラを非整列状態にすることができるが、これら中間ローラは、戻しばねにより整列位置に付勢される。4つのローラの整列状態が維持されている限り、ボルトによって加えられる力は、完全にローラからローラへ、そしてケースに伝えられる。押しボタンを押すと、2つの中間ローラは、戻しばねの付勢力に抗してこれらの非整列位置まで転動するようになる。ローラが非整列状態になると、ボルトが解除される。中間ローラをボルトと整列状態に維持できるかどうかは、戻しばねの校正の如何で決まる。中間ローラが非整列状態になり始めるやいなや、ボルトによって加えられる力の大部分が事実上、戻しばねに伝えられる。装置がローラを非整列状態にする傾向のある衝撃又は振動を受けるとすぐに、戻しばねは、ボルトによって加えられた力により大きな応力を受ける。装置の衝撃感受性を低下させようとすると、戻しばねの剛性を増大させる必要があり、したがって、装置を非整列状態にするためにロッドに加えられる力が増大するようになる。ボルトの行程は一段と制限される。
【0004】
技術文献FR1,060,856では、幾何学的並進軸線を定めるケース、幾何学的並進軸線に平行な方向にラッチ止め制御位置とラッチ外し制御位置との間でケースに対して並進運動することができ、転動面を備えている制御ロッド、幾何学的並進軸線に平行な方向に加重又はロード位置と除重又はアンロード位置との間でケースに対して並進運動することができ、支持カラーを備えているストライカ、ストライカがその加重位置にあるとき、ストライカを付勢してこれを除重位置に戻すような仕方でストライカと連携して動作するストライカの駆動手段、各々がラッチ止め位置と通過位置との間で動くことができ、ラッチ止め位置では、ストライカの支持カラーに圧接するようになっていて、中心を備えた4個で一組の戻止めボール、各々が中心を備えている4個で一組の制御ボールを有するアクチュエータが記載され、このアクチュエータは、ストライカが加重位置にあり且つロッドがラッチ止め制御位置にあるとき、戻止めボール及び制御ボールの中心が、幾何学的並進軸線に垂直な同一の幾何学的平面内に位置するようなものである。この装置は、戻止めボールと制御ボールとの間で受け渡しされる力をまったく減少させない。
【0005】
技術文献DE1,006,044は、力の減少を達成することができるように1個の制御ボールと2個の戻止めボールを有するラッチ止めシステムを明細書の一部に記載している。1個の制御ボール及び2個の戻止めボールを備えているこれと類似した形式のラッチ止め機構が、技術文献FR2,417,177に記載されている。かかる機構は、制御ボールの数が少なく、戻止めボールの数が少ないので動力には制約がある。さらに、制御ボール1個について2個の戻止めボールが必要である。
【0006】
〔発明の概要〕
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を解決し、大きな機械的エネルギを出すのに必要な動作エネルギが非常に小さい高効率のボールアクチュエータを提案することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、アクチュエータを小型化し、貯蔵された機械的エネルギが一定であるとした場合のボールの数を抑えることにある。本発明の別の目的は、貯蔵された運動エネルギを出す可動手段の行程を増大させることにある。本発明の別の目的は、製造上の許容誤差又は摩耗に起因する寸法のばらつきの影響を比較的受けにくいようアクチュエータを構成することにある。本発明の別の目的は、機械的に衝撃及び振動の影響を比較的受けにくいようアクチュエータを構成することにある。本発明の別の目的は、アクチュエータの動作速度を増加させることにある。最後に、本発明の別の目的は一般に、アクチュエータの製造費を減少させることにある。
【0008】
本発明によれば、これらの目的は、幾何学的並進軸線を定めるケースと、幾何学的並進軸線に平行な方向にラッチ止め制御位置とラッチ外し制御位置との間でケースに対して並進運動でき、転動面を備えている制御ロッドと、幾何学的並進軸線に平行な方向に加重位置と除重位置との間でケースに対して並進運動でき、支持カラーを備えているストライカと、ストライカがその加重位置にあるとき、ストライカを付勢してこれを除重位置に戻すような仕方でストライカと連携して動作するストライカの駆動手段と、n個で一組の戻止めボールとを有するアクチュエータであって、nは、3以上の整数であり、各戻止めボールは、ラッチ止め位置と通過位置との間で動くことができ、各戻止めボールは、ラッチ止め位置にあるときにストライカの上記支持カラーに圧接し、各戻止めボールは、中心を有し、上記アクチュエータは、n個で一組の制御ボールを更に有し、各制御ボールは、中心を備え、上記アクチュエータは、ストライカが加重位置にあり且つ制御ロッドがラッチ止め制御位置にあるとき、戻止めボールの中心が、幾何学的並進軸線に垂直な第1の幾何学的平面内に位置し、制御ボールの中心が、幾何学的並進軸線に垂直な第2の幾何学的平面内に位置し、上記アクチュエータは、ストライカが加重位置にあり且つ制御ロッドがラッチ止め制御位置にあるとき、各制御ボールが制御ロッドの転動面に圧接すると共に一組の戻止めボールのうちの上記制御ボールと対応関係にある2個の戻止めボールに圧接し、各制御ボールの中心が制御ロッドと幾何学的並進軸線に平行であって上記2個の対応関係にある戻止めボールの各々の中心を通る第3の幾何学的平面との間に位置するようなものであることを特徴とするアクチュエータによって達成される。
【0009】
制御ボールを2個の戻止めボールの間に配置することにより、力の分散を達成することができ、したがって、制御ボールにより制御ロッドに加えられた力が、制御ロッドの並進軸線に対して垂直に向いていて、制御ロッドの並進軸線に垂直な平面内にあってストライカにより戻止めボールに加えられた力の成分よりも小さい成分を有するようになっている。換言すると、ストライカによって加えられた力の一部は、制御ロッドには伝達されない。制御ロッドがラッチ止め制御位置を離れてラッチ外し制御位置に向かって動き始めるときに、各制御ボールは転動面上を転動する。したがって、制御ロッドをそのラッチ止め制御位置とそのラッチ外し制御位置との間で動かすのに必要な動作エネルギは小さい。これにより、制御ロッド駆動手段の動力消費量及び寸法を減少させることができる。
【0010】
さらに、制御ボールによって生じる可動質量は比較的小さく、その運動の振幅は非常に僅かであり、一方において、制御ロッドの運動に引き続いて生じるストライカのラッチ外し動作は、非常に速く、これにより特に良好な応答時間が得られ、他方において、ばねに蓄えられた潜在的エネルギはほぼ全てストライカに伝えられ、これによって、機構の非常に良好な効率が得られる。
【0011】
さらに、制御ロッドの運動は、第1及び第2の幾何学的平面に垂直であり、したがって、制御ボールは、制御ロッド上を摺動するわけではなく、転動することによって動作し、その結果、摩耗が最小限に抑えられる。
【0012】
好ましくは、ストライカの駆動手段は、ストライカがその加重位置にあるとき、加重状態にあってストライカを付勢してこれを除重位置に戻すような仕方でケース及びストライカと連携して動作するエネルギ貯蔵ばねを有しする。制御ロッドを駆動するのに必要なエネルギは、エネルギ貯蔵ばねに蓄えられた潜在的エネルギが高い割には非常に小さい。得られるアクチュエータは、その据え付けを行うと、多くの調整作業を必要としない機能的ユニットを構成する。
【0013】
好ましくは、エネルギ貯蔵ばねは、幾何学的並進軸線と同軸状に設けられたコイルばねである。制御ロッドは、幾何学的並進軸線に沿って配置され、ストライカの支持カラーは、幾何学的並進軸線を中心とする回転面を形成し、戻止めボールの中心は、n個の辺が幾何学的並進軸線を中心として配置された状態で多角形のn個の頂点を形成し、制御ボールの中心は、n個の辺が幾何学的並進軸線を中心として配置された状態で多角形のn個の頂点を形成している。かくして、制御ボールは、戻止めボールの動作の組合せにより自動的に心出しされ、これにより、寸法上のばらつき及び摩耗の作用の影響を比較的受けにくい装置又はアクチュエータが構成される。
【0014】
好ましくは、アクチュエータは、制御ロッドをラッチ止め制御位置に戻す戻し手段と、制御ロッドをラッチ外し制御位置に駆動する駆動手段とを更に有する。制御ボールと戻止めボールの相対的配置関係により得られるラッチ止め力の減少により、制御ロッドの戻り手段が及ぼさなければならない力が比較的小さくなり、従って、制御ロッドの駆動手段は、制御ロッドの戻し手段の作用に対抗して制御ロッドをラッチ外し制御位置に駆動するのに僅かな量のエネルギを提供しさえすればよい。
【0015】
好ましい実施形態によれば、制御ロッドと固定関係をなして並進的に摺動する強磁性材料製の可動組立体を更に有する。制御ロッドの駆動手段は、可動組立体を駆動する電磁式励磁巻線から成る。
【0016】
有利には、可動組立体は、ケースのキャビティに収納されている。励磁巻線は、ケースによって支持されている。かくして、小型化が達成される。それにより、装置の信頼性が向上する。さらに、得られる組立体は特にコンパクトである。
【0017】
有利には、可動組立体は、制御ロッドの一部で形成されている。したがって、部品数が少なくなる。
【0018】
一実施形態によれば、制御ロッドの戻し手段は、可動組立体を引き付ける永久磁石を含む。永久磁石だけで、制御ロッドラッチ止め制御位置に保ち、場合によっては、制御ロッドのリセットを完全に又は部分的に行うのに十分である。これにより、制御アクチュエータの電気消費量をかなり減少させることができる。変形例として又は追加例として、制御ロッドの戻し手段は、戻しばねを含む。
【0019】
一実施形態によれば、制御ロッドは、ストライカが加重位置にあり且つ制御ロッドがラッチ止め制御位置にあるときに制御ボールと当接する軸方向停止部とを有し、前記第1の幾何学的平面と第2の幾何学的平面は互いに別個であり、第2の幾何学的平面は、第1の幾何学的平面と軸方向停止部との間に位置している。かかる構成では、ラッチ外し制御位置への機構の偏向運動が機械的に行われる。というのは、制御ボールによって制御ロッドに加えられた力の合力が軸方向成分となるからである。ボール相互間の遊びの吸収は非常に効率的である。
【0020】
好ましくは、制御ロッドは、ラッチ止め制御位置からラッチ外し制御位置に動くときに動作方向に動き、第2の幾何学的平面は、上記動作方向において第1の幾何学的平面からずれる。この場合、制御ボールによって制御ロッドに加えられた力の合力は、制御ロッドをそのラッチ外し制御位置に駆動する傾向のある軸方向成分を有する。それにより、引外し運動は非常に速く、制御ロッドをそのラッチ外し制御位置に動かすのに必要な動力は非常に小さい。
【0021】
変形例として、第1の上記平面と第2の上記平面は、互いに同一である。この場合、制御ロッドに伝えられる力は、幾何学的並進軸線に純粋に垂直である。
【0022】
有利には、制御ロッドをラッチ止め制御位置からラッチ外し制御位置に駆動し、第1の位置から第2の位置に動く可動補助押しボタンが設けられている。押しボタンにより、機構を手動で操作してアクチュエータの動作状態をチェックすることができる。また、装置の外部に設けられていて、電磁式制御アクチュエータとパラレルに動作するよう設計された機構により引外しを行うことができる。
【0023】
有利には、制御ボール、戻止めボール及び制御ロッドの少なくとも一部は、ケースの壁及びストライカによって構成されたキャビティ内に収納され、上記壁は、ストライカが加重位置と除重位置との間で動くときに塵密を達成するようにストライカと連携して動作する案内面を形成する。かくして、機構の信頼性が、部品数又は製造費を非常に節約して達成される。
【0024】
本発明の他の利点及び特徴は、添付の図面に示されていて、非限定的な例示として与えられているに過ぎない本発明の特定の実施形態についての以下の説明から明らかになろう。
【0025】
〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
図1〜図6を参照すると、本発明の第1の実施形態としてのボールアクチュエータ10が、エネルギ貯蔵ばね16付きのストライカ14を支持したケース12、幾何学的軸線19に平行に並進運動できる制御ロッド18、戻止めボール20及び制御ボール22を有している。
【0026】
全体として円筒形の形をしたケース12は、制御ロッド18のための軸方向内部案内ボア24、ストライカ14のための円筒形外側案内面26、エネルギ貯蔵ばね16の端部のための支持肩28、及び戻止めボール20及び制御ボード22を受け入れるケージ30(図2に見える)を形成している。ストライカ14は、ケースの外側案内面26上を摺動する円筒形管状部分32を有し、カバー36によって閉鎖された僅かに大きな内径の凹部34がストライカの延長部をなしており、カバー36は、エネルギ貯蔵ばね16の第2の端部の支持体としての役目を果たしている。ストライカ14及びケースの外部案内面26は、塵密状態を達成するような仕方で機械加工されている。面取り部(特に図3で見える)が、管状案内部分32と凹部34を結合している。ロッド18は、ケースの軸方向内部案内ボアの壁24上を摺動する案内面44及び円筒形転動面46を有している。エネルギ貯蔵ばね16は、圧縮されると潜在的なエネルギを蓄積し、緩めると運動エネルギを放出する圧縮ばねである。図2及び図3に示すように、ケージ30は、戻止めボール20の半径方向案内を達成する半径方向案内面50及び戻止めボール20の軸方向保持を達成する軸方向案内面52,54を有している。
【0027】
電磁石を備えた電磁継電器100が、制御ロッド18を駆動するようアクチュエータに関連付けられている。継電器は、ケースの凹部102内に収納されており、この継電器は、磁界を増強させるよう設計された分流器104、励磁コイル106、磁束を再び閉じることができるようにするストッパ108、戻しばね110を有し、これら組立体は、絶縁フレーム112によって位置決めされると共に案内される。ロッド18は、強磁性材料で作られ、かくして、戻しばね110によってロッド18と分流器104との間の空隙114の拡大方向に付勢されるプランジャーコアを構成している。
【0028】
図1〜図3の加重又はロード位置では、戻止めボール20の中心は、ロッドの並進軸線19に垂直な幾何学的平面、この場合、図1の断面II−II内に位置した第1の多角形56、この場合、正方形の頂点を形成している。制御ボール22は、ロッドの転動面と接触状態にあり、戻止めボール20相互間に位置している。制御ボール22の中心は、第2の多角形58、この場合、正方形の頂点を形成し、この第2の多角形58は、第1の多角形56の内側に位置した状態でこれ又、図1の幾何学的断面II−II内に位置し、第1の多角形から1/8回転だけずれていて、各戻止めボール20が2個の制御ボール22に力を加え、これに対し各制御ボール22は2個の戻止めボール20の支持体として働くようになっている。制御ボールは、軸方向停止部54に圧接している。戻止めボール20は面取り部40に圧接している。エネルギ貯蔵ばね16は、圧縮されている。したがって、ストライカ14は戻止めボール20によって位置が固定され、これら戻止めボールはそれ自体、ロッドを分流器から遠ざけようとする戻しばねのスラストによりロッドによって定位置に保持された制御ボール22によって動きが妨げられている。ロッド18は、ラッチ止め制御位置と呼ばれる位置にある。
【0029】
装置の作動のため、コイル106への給電を行う。ロッド18によって形成されたプランジャーコアは図4の矢印116の方向に引き寄せられ、ばね110の戻し力に抗して分流器104に到達し、これに力を及ぼす。制御ボール22は、図4に示すように転動面46上を転動し、図2の幾何学的断面から出る。非整列状態になるやいなや、戻止めボールは、面取り部40によって及ぼされるスラストにより、制御ボール22を突き出し、これら制御ボールは、図5に示す矢印にしたがって軸方向に逃げる。戻止めボール20は、図6に示すように自由空間内をロッド18に向かって半径方向に立ち去り、ストライカ14を解除する。ストライカ14は、エネルギ貯蔵ばね16によって上方に駆動され、ついには、図5に示す除重又はアンロード位置に達するようになる。この時、ロッド18は、ラッチ外し制御位置と呼ばれる位置にある。
【0030】
アクチュエータ10をリセットするため、第1段階において、ストライカ14を図5の位置から図1の位置に任意の手段によって動かす必要があり、それにより再び、戻止めボール20に空間が与えられる。ロッドは、戻しばね110の反発作用により、分流器104と協働して空隙114を再び形成する。次に、戻止めボール20及び制御ボール22は、図1に示すこれらの位置に戻る。介在状態の戻止めボール20は、ストライカ14を加重位置にとどめる。
【0031】
システムの単純なモデル化を行う上で図2には以下のこと、即ち、一方において2個の隣り合う戻止めボールの中心を通る軸線と、他方において2個の戻止めボールのうちの一方の中心及びその隣の制御ボールの中心を通る軸線との間には角αが形成されていること、及び、一方において2つの隣り合う戻止めボールの中心を通る軸線と、他方において戻止めボールの中心を通りロッドの並進軸線を切る軸線との間には角βが形成されていることが示されている。
【0032】
この単純化されたモデルでは、ストライカにより各戻止めボールに加えられた力は、幾何学的軸線に平行な軸方向成分F0 及び半径方向成分F1 を有するものと考えられる。2つのボール相互間に働く反力は本質的に接触面に垂直なので、戻止めボール20は純粋に半径方向の力だけを制御ボール22に伝えることができる。その結果、ボールのための軸方向案内面54は、軸方向成分全体を受け止める。戻止めボール20は各々、純粋に半径方向の力F2 をその隣の制御ボール22の各々に及ぼし、この力のモジュラスは、以下の式で示された角度βの関数である。
【0033】
F2 =F1 /2cosβ
システムの対称性を考慮し、ストライカによって戻止めボールの各々に加えられた力が、F1 にモジュラスにおいて等しい半径方向成分を有するものと仮定し、各制御ボールが2つの戻止めボールによって加えられた力を受けることに注目すると、各制御ボールがロッドの転動面に半径方向の力を及ぼすものと推論することができ、この力のモジュラスF3 は、以下の式で示された角度αの関数である。
【0034】
F3 =2F2 sinα
角度α,βは次式によって関連づけられる。
【0035】
2(α+β)+2π/n=π
ただし、0<β<π/2、0<α<π/2、n≧3
即ち、
α+β=(n−2)π/2n
ただし、0<β<(n−2)π/2n<π/2
上式において、nは、2よりも大きな整数であり、戻止めボールの個数を表し、この個数はさらに、制御ボールの個数に等しい。
【0036】
かくして、数nが所与の場合、比F3 /F1 と角度βとの間には相関関係があり、これは以下のように表現される。
【0037】
F3 /F1 =sinα/cosβ
=sin{(n−2)π/2n−β}/cosβ
=sin{(n−2)π/2n}−tanβcos{(n−2)π/2n}
ただし、0<F3 /F1 <sin{(n−2)π/2n}<1
したがって、比F3 /F1 は常に1よりも小さいということが分かる。本発明の第1の実施形態について考えた特定の場合において、n=4のとき、次式が得られる。
【0038】
【数1】
加重位置において制御ボール2よりロッドに加えられた力のモジュラスF3 は、ロッドの操作に必要なエネルギを調整する。ロッドの直径及びボールの直径を変えることにより、空隙に角度βを与えることができ、したがって、ラッチ止め力F1 が所与の場合、F3 の値が変わる。したがって、作業エネルギを変える必要なく、多少強力なばねを用いると幅広いアクチュエータを得ることができる。
【0039】
図7の純理論的な説明図を用いるとモデルの理論上の限度が得られ、この場合、角度αは0であり、ロッド18に伝えられる力F3 は0である。
【0040】
上記の単純化されたモデルは、機構の許容誤差及び摩耗による寸法上の差を考慮に入れていない。しかしながら、制御ボールは各々、2個の戻止めボール及びロッドによって押圧され、したがって、これら制御ボールが戻止めボールによって加えられた力を分散させるようになることは強調されるべきである。さらに、これら制御ボールは自動的に半径方向動作平面内に心出しされる。
【0041】
図8〜図11に示された本発明の第2の実施形態のアクチュエータは、第1の実施形態のアクチュエータに構造が類似している関係上、同一又は類似の要素を示すために同一の符号が用いられている。第2の実施形態のアクチュエータは、加重位置において、戻止めボール20の中心がロッドの並進軸線19に垂直な第1の幾何学的平面60内に位置し、制御ボールの中心が第1の平面60からずれた状態でこれに平行な第2の平面62内に位置している点において本質的に第1の実施形態とは異なっている。この構造は、加重位置において戻止めボールによって制御ボールに伝えられた力に軸方向の成分を付加するという作用効果を発揮する。加重位置では、制御ボール22は、ロッドのヘッド48によって形成された軸方向停止部64に圧接し、軸方向力をこれに伝達する。したがって、アクチュエータを加重位置に保つために軸方向保持力をロッド18に加えなければならない。保持力の作用が妨げられると、制御ボール22はロッド18をはじいて上方に移動し、それにより戻止めボール20を解放する。
【0042】
ロッド18を駆動するために電磁継電器200がアクチュエータに関連付けられている。この継電器は、ケースの凹部102内に収納されており、かかる継電器は、磁界を増強させるよう設計された分流器204、消磁コイル206、磁界を再び閉じることができるようにするストッパ208、ロッド18の端部と反対側に配置された永久磁石210及び機械式押しボタン211を有し、この組立体はフレーム212によって案内されると共に定位置に保持される。ロッド18は、強磁性材料で作られ、継電器200のプランジャーコアを構成している。
【0043】
本発明の第2の実施形態のアクチュエータは、以下のように動作する。図8の加重位置では、永久磁石210は、制御ボール22によってロッド18に加えられた力の軸方向合力よりも大きな力でロッドをそのラッチ止め制御位置に押圧し、永久磁石210がロッド18をラッチ止め制御位置に保持するようにする。電力をコイル206に供給すると、このコイルは永久磁石210の磁束を打ち消す磁束を生じさせ、したがって制御ボール22によって押圧されたロッド18は分流器204から離れるようになり、空隙214を生じさせる。制御ボールは図10に示すように転動面46上を転動し、次に、図11に示すように突き出される。この装置のリセットは、ストライカを任意の手段によって図8の加重位置に動かすことにより達成される。この位置に到達するとすぐに永久磁石210はロッド18を引き付け、このロッドは分流器204に当接するようになる。押しボタン211は、行われるべき装置の機械的な引外しを可能にする任意的に用いられる要素である。図8の加重位置では、この押しボタンは一端を介してロッド18の端に当たっている。もし押しボタン211を押し下げると、これによりロッド18が駆動される。
【0044】
ラッチ止め制御位置では、制御ボール22は、転動面46のヘッド48の高さ位置において、一方においては2個の隣り合う戻止めボール20により、他方においてはロッド18によって半径方向及び軸方向に押圧される。制御ボール22の心出し及び寸法差の吸収が自然に行われる。
【0045】
ロッドとストライカの相互作用によってアクチュエータのリセットを行うことができ、第1の段階では、ストライカを加重位置に移動させ、ロッドのヘッドをはじき、ボールを収容するのに必要な空間を自由にし、次に第2段階において、ストライカは加重位置を越えてその移動を続行し、ロッドを永久磁石に押し付ける。これにより、永久磁石の磁力を制限することができる。
【0046】
当然のことながら、種々の設計変更例を想到できる。
【0047】
本発明は、任意の個数nの戻止めボールに適用でき、nは、3以上の整数である。実際、3又は5以上のボールを利用した実施形態は、完全に作用することが期待できる。ボールの個数が任意の数nの場合(nは3よりも大きい)、戻止めボールの中心は、n個の辺を持つ多角形を形成し、制御ボールの中心も又、この多角形の内側に位置し、これからπ/nだけずれたn個の辺を持つ多角形を形成する。一般的に言えば、各制御ボールの中心は、ロッドと、これが接触する2つの戻止めボールの中心を通り、並進軸線19に平行な平面との間に位置し、このことは、或る意味では、各制御ボールが、これと接触関係にある2つの戻止めボールとロッドとの間に位置していることを示している。
【0048】
エネルギ貯蔵ばねに代えて任意他の形式の駆動手段を用いることができ、かかる駆動手段は、ストライカを加重位置から除重位置に駆動し、また、ストライカが加重位置にある限り、常時これを除重位置に付勢するものである。特に、重力の作用でストライカの端に作用する質量によって形成される駆動手段を計画することができ、この場合、ストライカは、図示の方向とは逆方向に下方に配置される。
【0049】
電磁継電器は、任意形式のものであってよく、即ち、永久磁石を備えていても或いはそうではなくてもよく、分極式のものであっても或いはそうでなくてもよいこと等が挙げられる。アクチュエータを電磁石ではなく任意他の制御装置に関連付けてもよい。ロッドは必ずしも強磁性体で作られたものである必要はなく、磁心に固着してもよい。
【0050】
第1の実施形態と第2の実施形態の純粋に機械的な部品と電磁式駆動手段を逆にしてもよい。かくして、永久磁石を持つ継電器を、ラッチ止め制御位置において戻止めボール及び制御ボールの中心が同一平面上に位置するアクチュエータに取り付けることができる。逆の態様では、戻しばねを持つ継電器を、2つの別々の平面60,62を有するアクチュエータに取り付けることができる。
【0051】
電磁継電器を、アクチュエータのケースとは別個独立に、ケース内に収納してもよい。分流器及びストッパは、単一部品の状態であってもよい。
【0052】
転動面は、非円形の半径方向断面、例えば、制御ボール1個当たりにつき平らなフェーセットを備えた多角形断面のものであってもよい。転動面の半径方向断面は、一定でなくてもよい。特に、転動面をテーパさせて制御ボールによってロッドに加えられる力が軸方向の成分を持つようにしてもよい。転動面は、任意の曲率を持つロッドの並進軸線を中心とする回転面であってもよく、かくして、ロッドの運動中、制御ボールによってロッドに加えられた力の合力の軸方向成分の調節が可能になる。
【0053】
エネルギ貯蔵ばねが弛緩するときのストライカの運動方向は、ラッチ止め制御位置からラッチ外し制御位置へのロッドの運動方向とは逆であるのがよい。ロッドは、ストライカを貫通してこれから突き出るのがよい。
【0054】
第2の実施形態の変形例(図示せず)によれば、制御ボールの中心を含む平面が戻止めボールの中心を含む平面の下に位置し、制御ボールがロッドをはじいてこれを移動停止部の端に当てる傾向のある軸方向成分を持つ力をロッドの中間停止部に加えるようにする装置を提供することも可能である。かかるアクチュエータは、安定性のある加重位置をもつ。エネルギ貯蔵ばねを解除するためには、ロッドを上方に駆動して制御ボールが戻止めボールを外側に向かって半径方向にはじき、これら戻止めボールが肩の傾斜部と接触した状態で、エネルギ貯蔵ばねによって及ぼされた力に抗してストライカを軸方向にはじくようにする必要がある。制御ボールが死点を通って戻止めボールの上方に位置するやいなや、制御ボールは先に説明した実施形態の場合と同様に突き出され、ストライカが解放される。この実施形態は、加重位置における安定性が一層高いという利点をもたらすのは当然であるが、より大きな作業エネルギを必要とする。
【0055】
アクチュエータは電磁式駆動手段に必ずしも関連付けられるというわけではない。ロッドが手で又は任意適当な手段によって操作される用途を想到できる。特に、アクチュエータと図示の実施形態に関して上下逆さまにすることによりロッドをそれ自体の重力で動作させることも想到できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加重位置にある本発明の第1の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図2】加重位置にある本発明の第1の実施形態の装置の図1の平面II−IIにおける拡大半径方向断面図。
【図3】図1の部分拡大詳細図。
【図4】過渡的な中間引外し位置にある本発明の第1の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図5】除重位置にある本発明の第1の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図6】除重位置にある本発明の第1の実施形態の装置の半径方向断面図。
【図7】理論的限度の場合を示す装置の半径方向断面図。
【図8】加重位置にある本発明の第2の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図9】図8の部分拡大詳細図。
【図10】過渡的な中間引外し位置にある本発明の第2の実施形態の装置の軸方向断面図。
【図11】除重位置にある本発明の第2の実施形態の装置の軸方向断面図。
【符号の説明】
10 アクチュエータ
12 ケース
14 ストライカ
16 駆動手段
18 制御ロッド
19 幾何学的並進軸線
20 戻止めボール
22 制御ボール
40 支持カラー
46 転動面
Claims (17)
- 幾何学的並進軸線(19)を定めるケース(12)と、幾何学的並進軸線(19)に平行な方向にラッチ止め制御位置とラッチ外し制御位置との間でケース(12)に対して並進運動でき、転動面(46)を備えている制御ロッド(18)と、幾何学的並進軸線(19)に平行な方向に加重位置と除重位置との間でケース(12)に対して並進運動でき、支持カラー(40)を備えているストライカ(14)と、ストライカ(14)がその加重位置にあるとき、ストライカを付勢してこれを除重位置に戻すような仕方でストライカ(14)と連携して動作するストライカの駆動手段(16)と、n個で一組の戻止めボール(20)とを有するアクチュエータ(10)であって、nは、3以上の整数であり、各戻止めボール(20)は、ラッチ止め位置と通過位置との間で動くことができ、各戻止めボール(20)は、ラッチ止め位置にあるときにストライカの前記支持カラー(40)に圧接し、各戻止めボールは、中心を有し、前記アクチュエータは、n個で一組の制御ボール(22)を更に有し、各制御ボールは、中心を備え、前記アクチュエータは、ストライカ(14)が加重位置にあり且つ制御ロッド(18)がラッチ止め制御位置にあるとき、戻止めボール(20)の中心が、幾何学的並進軸線(19)に垂直な第1の幾何学的平面(II-II,60)内に位置し、制御ボール(22)の中心が、幾何学的並進軸線に垂直な第2の幾何学的平面(II-II,62)内に位置し、前記アクチュエータは、ストライカ(14)が加重位置にあり且つ制御ロッド(18)がラッチ止め制御位置にあるとき、各制御ボール(22)が制御ロッドの転動面(46)に圧接すると共に一組の戻止めボール(20)のうちの前記制御ボールと対応関係にある2個の戻止めボールに圧接し、各制御ボール(20)の中心が制御ロッド(18)と幾何学的並進軸線に平行であって前記2個の対応関係にある戻止めボールの各々の中心を通る第3の幾何学的平面との間に位置するようなものであることを特徴とするアクチュエータ。
- ストライカ(14)の駆動手段(16)は、ストライカがその加重位置にあるとき、加重状態にあってストライカ(14)を付勢してこれを除重位置に戻すような仕方でケース(12)及びストライカ(14)と連携して動作するエネルギ貯蔵ばね(16)を有していることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- エネルギ貯蔵ばね(16)は、幾何学的並進軸線(19)と同軸状に設けられたコイルばねであることを特徴とする請求項2記載のアクチュエータ。
- 制御ロッド(18)は、幾何学的並進軸線(19)に沿って配置され、ストライカの支持カラー(40)は、幾何学的並進軸線(19)を中心とする回転面を形成し、戻止めボールの中心は、n個の辺が幾何学的並進軸線(19)を中心として配置された状態で多角形(56)のn個の頂点を形成し、制御ボールの中心は、n個の辺が幾何学的並進軸線(19)を中心として配置された状態で多角形(58)のn個の頂点を形成していることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
- 制御ロッドをラッチ止め制御位置に戻す戻し手段(110,210)と、制御ロッドをラッチ外し制御位置に駆動する駆動手段(106,206 )とを更に有していることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
- 制御ロッドと固定関係をなして並進的に摺動する強磁性材料製の可動組立体を更に有し、制御ロッドの駆動手段(106,206 )は、可動組立体を駆動する電磁式励磁巻線(106,206 )から成ることを特徴とする請求項5記載のアクチュエータ。
- 可動組立体は、ケースのキャビティ(102 )に収納されていることを特徴とする請求項6記載のアクチュエータ。
- 可動組立体は、制御ロッド(18)の一部で形成されていることを特徴とする請求項6又は7記載のアクチュエータ。
- 前記励磁巻線(106,206 )は、ケースによって支持されていることを特徴とする請求項6〜8のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
- 制御ロッドの戻し手段は、可動組立体を引き付ける永久磁石(210 )を含むことを特徴とする請求項6〜9のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
- 制御ロッドの戻し手段は、戻しばね(110 )を含むことを特徴とする請求項6〜10のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
- 制御ロッド(18)は、ストライカ(14)が加重位置にあり且つ制御ロッドがラッチ止め制御位置にあるときに制御ボール(22)と当接する軸方向停止部(64)とを有し、前記第1の幾何学的平面(60)と第2の幾何学的平面(62)は互いに別個であり、第2の幾何学的平面(62)は、第1の幾何学的平面(60)と軸方向停止部(64)との間に位置していることを特徴とする請求項1〜11のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
- アクチュエータは、制御ロッド(18)がラッチ止め制御位置からラッチ外し制御位置に動くときに動作方向に動き、第2の幾何学的平面(62)が前記動作方向において第1の幾何学的平面(60)からずれるような仕方で配置されていることを特徴とする請求項12記載のアクチュエータ。
- 第1と第2の幾何学的平面(II-II )は、互いに同一であることを特徴とする請求項1〜11のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
- 制御ロッド(18)をラッチ止め制御位置からラッチ外し制御位置に駆動し、第1の位置から第2の位置に動く可動補助押しボタン(211 )を更に有していることを特徴とする請求項1〜14のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
- 制御ボール(22)、戻止めボール(20)及び制御ロッド(18)の少なくとも一部は、ケース(12)の壁及びストライカ(14)によって構成されたキャビティ内に収納され、前記壁は、ストライカが加重位置と除重位置との間で動くときに塵密を達成するようにストライカと連携して動作する案内面(26)を形成することを特徴とする請求項1〜15のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
- アクチュエータは、制御ロッド(18)がラッチ止め制御位置を離れてラッチ外し制御位置に向かって動き始めるときに、各制御ボール(22)が転動面(46)上を転動するような仕方で配置されていることを特徴とする請求項1〜16のうち何れか一に記載のアクチュエータ。
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