JP3868747B2 - ヨーク型磁気へッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録再生装置等に搭載されるヨーク型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、HDD(ハードディスクドライブ)の磁気記録密度は飛躍的に向上し、更なる高記録密度化が望まれている。高記録密度化に伴う記録ビットサイズの微小化により、従来の薄膜ヘッドでは再生感度が不充分となり、現在では磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果型ヘッド(以下、MRヘッドともいう)が主流となっている。その中でも特に大きな磁気抵抗効果を示すものとして、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果型ヘッド(以下、SV−GMRヘッドともいう)が注目されている。
【0003】
一方、高記録密度化により薄膜磁気ヘッド走行時の浮上量は低下する傾向にある。これは、小さな媒体ビット磁界をセンスするためである。この傾向では記録媒体と間欠的な接触あるいは定常的な接触をしながら磁気ヘッドを走行させることは避けられないであろうと予想される。また、高記録密度化以外の観点からみても、今後の世の中のマルチメディア化が進むにつれて音響映像機器へのHDDの搭載が予想される。音響映像機器への搭載にはHDDの信頼性、特に外部からの衝撃による耐性が重要となる。その際、磁気ヘッドは媒体表面と接触することが考えられるために、接触に強い磁気ヘッド開発が望まれている。
しかしながら、上述した従来のSV−GMRヘッドは再生時の記録媒体との接触により発生する熱により異常な抵抗変化を示すこと(サーマルアスペリティ)がよく知られている。従って、媒体対向面に感磁部が露出する従来のMRヘッドおよびSVヘッドは今後の高記録密度化には適応できなくなる。
【0004】
そこで様々な形のヨーク型磁気ヘッドが考案されている。ヨーク型磁気ヘッドは媒体対向面にSV部の感磁部が露出していないために、上述したサーマルアスペリティに強い。その中でも短磁路化が可能であり、ヘッドスライダの軽量化が容易な水平ヨーク型磁気ヘッドが注目されている。
【0005】
ヨーク型磁気ヘッドにおいて、磁気ヨーク内の磁壁移動によるバルクハイウゼンノイズを低減することが課題である。バルクハウゼンノイズ低減には、磁区形成あるいは磁壁移動を抑制するためのヨーク磁気異方性の制御が重要である。また、磁気回路的に効率を低下させない、すなわち、短磁路かつ高効率であってしかも透磁率を低下させない異方性制御方法が必要となる。
【0006】
この異方性制御方法を用いた水平ヨーク型磁気ヘッドが、既に特開平4−167211号公報で提案されている。この公報で開示されたヨーク型磁気ヘッドの構成を図9に示す。このヨーク型磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜30と、この磁気抵抗効果膜30に磁気的に接続された磁気ヨーク300と、磁気ヨーク300の少なくとも磁気ギャップの形成部のギャップ深さ方向の中間部に磁気ギャップを横切ってギャップ長方向に延び、この方向に通電がなされる通電層320と、を備えた構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記異方性制御方法は、素子サイズがおよそ1μm以上の比較的大きな再生磁気ヘッドでは相対的に通電層320の磁気ヨーク300に対する割合が小さいために有効であった。しかしながら、高記録密度化による微細化が進行している現状では再生ヘッドの短磁路化が必須であるが、上記方法を用いたヨーク型磁気ヘッドでは磁気ヨーク300間に通電層320が配置されているために短磁路化が困難である。仮に、通電層320を薄膜化したとしても通電層320が磁気ギャップとして作用し磁気ヨーク300内のリラクタンスが大きくなってしまう。また、磁気ヘッドの微細化により磁気ヨーク300内での磁化回転の連続性が通電層320により阻害されピンニングサイトとして作用し、ノイズ発生源となってしまう。
【0008】
その他のヨーク型磁気ヘッドは、磁気ヨークの磁化方向と磁気抵抗効果素子のフリー層の磁化方向とが磁気回路構成上必ずしも平行ではないものが多く、上記のような電流磁界によるバイアス効果は使用することが難しかった。また、磁気ヘッド構成上、磁気抵抗効果素子部と磁気ヨーク部とに同時に電流磁界バイアスを印可することは困難であった。
【0009】
さらに、従来のヨーク型磁気ヘッドにおいては、MR素子のフリー層の磁化・膜厚積が磁気ヨークのそれに比べて小さいために、MR素子部のリラクタンスが大きくなり、磁束効率の低下により磁気ヘッド出力が基本的に小さくなるという課題があった。
【0010】
さらには、高密度化により磁気ヨーク部およびMR素子部が小さくなるために反磁界が大きくなり、軟磁性体からなる磁気ヨークおよびMR素子部の透磁率が低下するという問題があった。
【0011】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、高効率かつ高S/N比な高密度記録信号の再生を可能としたヨーク型磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のヨーク型磁気ヘッドは、媒体対向面から磁気ヘッドの後方に伸びる磁気ヨークと、媒体対向面より後方にて磁気ヨークの媒体対向面と平行な面に形成された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗効果膜を膜面上下から挟む第一及び第二の電極と、を備え、前記第一または第二の電極が導電性強磁性体部と導電性非磁性体部から構成されていることを特徴とするヨーク型磁気ヘッドを提供する。
【0013】
この発明において、次の形態を採用することができる。
【0014】
1) 電極は、前記導電性強磁性体層と前記導電性非磁性体層の2層以上の積層体からなっている。
【0015】
2) 各電極の磁気抵抗効果膜に最も近接する部分を導電性非磁性体部とし、この導電性非磁性体よりも外側(磁気抵抗効果膜から離れた側)に形成された部分を導電性強磁性体部とする。例えば、磁気抵抗効果膜の上表面に形成された上電極では、その最下層を導電性非磁性体部とし、その上層を導電性強磁性体部とすることができる。また、磁気抵抗効果膜の下表面に形成された下電極では、その最上層を導電性非磁性体部とし、その下層を導電性強磁性体部とすることができる。
【0016】
3) 各電極の磁気抵抗効果膜に最も近接する部分を導電性強磁性体部とし、この導電性強磁性体部よりも外側(磁気抵抗効果膜から離れた側)に形成された部分を導電性非磁性体部とする。
【0017】
4) 磁気抵抗効果膜は、外部磁界がゼロの状態において所定の磁化を備え、外部磁界が加わる状態でこの所定の方向から磁化が変化する磁化フリー層、外部磁界がゼロの状態及び外部磁界が加わった状態でも略一定の磁化方向を維持する磁化ピン層、及び磁化フリー層及び磁化ピン層の間に形成された非磁性層を備える。磁気抵抗効果膜には、これらの3層の他にもキャップ層、ピン層を磁化固着するための反強磁性体層、下地層なども含まれる。
【0018】
上記磁気抵抗効果素子には、電子のトンネル効果を利用したトンネル型MR膜(TMR)も用いてもよい。また、界面における電子の反射を利用した強面反射層をフリー層あるいはピン層に挿入したスピンバルブ型MR膜を用いることも可能である。尚、本発明における磁気抵抗効果膜は、特許第2637360号に詳細に記述されており、その対応の記載を参照する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第1の実施の形態を図1および図2を用いて説明する。図1は第1実施形態の水平ヨーク型磁気ヘッドのビット長方向の断面図であり、図2は第1実施形態の水平ヨーク型磁気ヘッドのトラック幅方向の断面図である。
【0021】
本実施形態のヨーク型磁気ヘッド1は、一対の磁気ヨーク10と、下部電極20と、磁気抵抗効果膜30(以下、MR膜ともいう)と、導電性強磁性体部40aおよび導電性非磁性体部40bからなる上部電極40と、ハードバイアス膜50と、を備えている。磁気ヨーク10は、MR膜30と磁気的および電気的に結合されている。また、下部電極20は後述の磁気ヨークウイング部10bに電気的に接続された構成となっている。すなわち磁気ヨーク10は下部電極20の一部として機能している構成となっている。なお、ハードバイアス膜50は磁気ヨークウイング部10bのトラック幅方向の側部に設けられている。
【0022】
また、図1には、垂直記録媒体100の記録層101と記録ビット102が模式的に描かれている。本実施形態のヨーク型磁気ヘッドは垂直磁気記録のみならず、面内磁気記録にも適用ができる。
【0023】
本実施形態においては、後述の図5に示されるような上部電極ピラー部は形成されていない。いわゆる、ピラーレスであるが、上部電極40が突き出たピラー部が存在しても構わない。
【0024】
図1において磁気ヨーク10は磁気ヨーク先端部10aと、磁気ヨークウイング部10bとから構成される。磁気ヨークウイング部10bは、磁気ヨーク10全体の磁気異方性制御がより容易になるように形成されているもので、無くても問題はない。磁気ヨークウイング部10bがある場合は、たとえば、反強磁性体と強磁性体との交換結合を利用して磁気ヨークウイング部10bの磁気異方性を制御したり、硬磁性体により磁気ヨークウイング部10bの端部から磁気異方性を制御することも可能である。
【0025】
また、一対の磁気ヨーク10は同一平面上に、再生磁気ギャップ12,13を挟む形で設置される。磁気ヨーク10の形成面は、媒体対向面80と略平行である。再生磁気ギャップ12,13は、図1に示されるように媒体対向面側の磁気ギャップ12が狭く、媒体対向面から離れるに従って広くなる形状を有する。再生磁気ギャップ12,13はできるだけ滑らかな曲線を描く方が望ましい。再生磁気ギャップにおいては、最も広い部分13は最も狭い部分12の30倍以下であることが望ましく、さらには、10倍以下であることが好ましい。
【0026】
また、MR膜30は、外部磁界がゼロの状態において所定の磁化を備え、外部磁界が加わる状態でこの所定の方向から磁化が変化する磁化フリー層(図示せず)、外部磁界がゼロの状態及び外部磁界が加わった状態でも略一定の磁化方向を維持する磁化ピン層(図示せず)、及び磁化フリー層及び磁化ピン層の間に形成された非磁性層(図示せず)を備える。MR膜30には、これらの3層の他にもキャップ層(図示せず)、ピン層を磁化固着するための反強磁性体層(図示せず)、下地層(図示せず)なども含まれる。
【0027】
なお、上記MR膜30として、電子のトンネル効果を利用したトンネル型MR膜(TMR)も用いてもよい。また、界面における電子の反射を利用した強面反射層をフリー層あるいはピン層に挿入したスピンバルブ型MR膜を用いることも可能である。
【0028】
本実施形態のヨーク型磁気ヘッド1では、上部電極40の一部40aが軟磁気特性を有する強磁性体で構成される。磁気ヨーク10の形状から考えると媒体対向面80からMR膜30までの距離は、磁気ヨーク幅に比べて非常に短い。従って、そのままでは媒体対向面80から吸いあがる媒体信号磁束が反磁界の影響によりMR膜30へ吸いあがりにくくなる。しかしながら、上部電極40の一部40aを軟磁性強磁性体にすることにより、磁気回路上、非常に大きかった磁気ヨーク10のリラクタンス、および非常に薄いために大きくなるMR膜30のフリー層のリラクタンスを大幅に低減することが可能となる。従って、フリー層への流入磁束は増大する。また、強磁性体部40aはできるだけ大きな面積で磁気ヨーク10とオーバーラップした方が望ましい。これにより磁気ヨーク10全体の反磁界を低減することができる。
【0029】
強磁性体部40aは上部磁気ギャップ部13の幅および長さG1(図1参照)より大きいことが好ましい。すなわち、強磁性体部40aは、上部磁気ギャップ部13を覆う形となる。さらには強磁性体部40aは、MR膜30の幅(図2参照)よりも大きいことが好ましい。すなわち、MR膜30のSV膜部を覆うことになる。さらには、強磁性体部40aは、磁気ヨーク10の幅よりも大きいことが好ましい。従って、上部電極40が全面にわたって完全に強磁性体部40aと非磁性体部40bの積層型であってもよい。しかしながら、この中で最も好ましい形態としては、強磁性体部40aが上部磁気ギャップ13の長さ以上でMR膜30の長さ以下の大きさである時である。この時最もフリー層への侵入磁束量は増加する。
【0030】
上部電極強磁性部40aに用いる材料は、我々の研究の結果、比透磁率が50以上あることが望まれ、さらには500以上であれば好ましい。従って、図1に示される本実施形態では、上部電極40の最下層40aすなわちMR膜30との接触層がNiFe(パーマロイ)やCoFe、Co−Zr−Nbなどのアモルファス系合金などの軟磁気特性を有する強磁性体で構成されている。
【0031】
上部電極の強磁性体部40aは、MR膜30との距離が50nm以下でなければならない。さらには、MR膜30のフリー層(図示せず)との距離が50nm以下であるとなお好ましい。距離が50nmより離れるとフリー層への磁束効率は向上しなくなる。さらに上部電極強磁性体部40aの膜厚は、フリー層の膜厚以上であることが好ましく、さらには、2倍以上であることが好ましい。フリー層の膜厚より小さい場合は、フリー層への侵入磁束量の増大効果はほとんど得られない。
【0032】
図1において、電流の通電方向は、トラック幅方向とは略垂直となる方向である。これにより、トラック幅方向に電流磁界を印加できるため、磁気ヨーク10およびフリー層の磁気異方性制御が容易となる。本実施形態の場合、5mA程度のセンス電流の通電においても、フリー層および磁気ヨーク10には磁気異方性制御に十分な電流磁界が得られた。
【0033】
なお、上部電極40と下部電極20の電流の流れが一方向になることが好ましい。図1においては、上部電極40の図の左方向から下部電極の図の右側方向に通電される。これにより磁気ヨーク10およびフリー層に同方向の電流磁界が印加されることになる。
【0034】
以上説明したように、上部電極40の一部40aを軟磁性強磁性体にすることにより、磁気回路上、磁気ヨーク10のリラクタンスおよびMR膜30のフリー層のリラクタンスを大幅に低減することが可能となり、これによりフリー層への流入磁束を増大させ、磁気回路の磁束効率を増大させることができ、短磁路化および高効率が可能となるとともに磁気ヘッドの出力を増大することができる。また、強磁性体部40aはできるだけ大きな面積で磁気ヨーク10とオーバーラップすることにより、磁気ヨーク10全体の反磁界を低減することが可能となり、磁気ヨーク10およびMR膜の透磁率が低減するのを防止することができる。また、磁気ヨーク10およびフリー層の磁気異方性制御が容易となることにより、バルクハウゼンノイズを低減することができ、高S/N比の高密度記録信号の再生が可能となる。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第2の実施形態を図3を参照して説明する。図3は第2の実施形態のヨーク型磁気ヘッドのトラック幅方向の断面図である。この第2の実施形態のヨーク型磁気ヘッドは、磁気ヨーク10と、MR膜30と、上部電極42と、下部電極(図示せず)を有しており、上部電極42がバイアス導体として機能する構成となっている。ここでいうバイアス導体とは、電流磁界により磁気ヨーク10およびMR膜30のフリー層の磁気異方性をトラック幅方向に制御するために設けられた導電体である。なお、この実施形態においても第1の実施形態と同様に、上部電極42は、強磁性体部42aおよび非磁性体部42bを積層した構成となっている。しかし、第1の実施形態と異なり、この第2の実施形態においては、MR膜30に接しているのは非磁性体部42bであり、この非磁性体部42b上に強磁性体部42aが形成された構成となっている。なお、下部電極は、第1の実施形態と同様にビット長方向において、磁気ヨークのウイング部と電気的に接続されている。
【0036】
図3に示すように、バイアス導体を上部電極42または下部電極(図示せず)と併用することにより、磁気ヨーク10およびMR膜30のフリー層にバイアス導体が近づくことが可能となり、より大きな電流磁界を印加することができる。
【0037】
バイアス導体には、できるだけ大きな電流密度の電流を通電するのが電流磁界の増大という観点から望ましい。しかし、通電時の電気抵抗によるジュール熱の影響を考慮する必要がある。ジュール熱はできるだけ小さい方がよい。従って、バイアス導体42の非磁性体部42bとしては、Au、Cu、Ag、W、Pt、Ta、Tiのような材料を用いることが好ましい。さらには単層膜で、さらには単一組成材料であることが好ましい。さらに、その結晶粒径は、低抵抗化のためには10nm以上であることが望ましい。
【0038】
バイアス導体42は、図3に示すように非磁性体部42bと強磁性体部42aの積層構造をとること、あるいは、バイアス導体が導電性強磁性体層からなることが好ましい。これにより、磁気ヨーク10およびMR膜30のフリー層が磁気的に還流し、エッジ部の磁化が安定する効果がある。
【0039】
図3に示すように、強磁性体部42aと非磁性体部42bの積層構造を有するバイアス導体42の場合、強磁性体部42aにより電流磁界を効率的に磁気ヨーク10あるいはフリー層に収束させることが可能となり、磁気ヨーク10およびフリー層における電流磁界強度を上げることが可能となる。
【0040】
なお、この第2の実施形態も、上部電極42が強磁性体部42aと非磁性体部42bから構成されているため、第1の実施形態と同様に、高効率かつ高S/N比な高密度記録信号の再生が可能となる。
【0041】
(第3の実施形態)
次に、本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第3の実施形態を図4を参照して説明する。図4は、第3の実施形態のヨーク型磁気ヘッドのトラック幅方向の断面図である。この第3の実施形態のヨーク型磁気ヘッドは、図3に示す第2の実施形態において、上部電極42を上部電極44に置き換えた構成となっている。この上部電極44は、導電性強磁性体部44aと導電性非磁性体部44bから構成されて、第2の実施形態の場合と同様に、バイアス導体を兼ねている。そして、非磁性体部44bがMR膜30の上面に接するように形成され、強磁性体部44aが非磁性体部44bの上面および側面を覆うように形成されている。なお、強磁性体部44aが導電性であるため、非磁性体部44bと強磁性体部44aとの間には、絶縁性非磁性体部43が設けられている。
【0042】
このように本実施形態においては、強磁性体部44aが非磁性体部44bの上面および側面を覆うように形成されているため、そのままでは空間に発散していた電流磁界をより効率的に収束させることができる。さらには図4にも示すように強磁性体部44aの先端が磁気ヨーク10側に突き出ているように構成すれば更に、空間に発散していた電流磁界をより効率的に収束させることができる。
【0043】
なお、この第3の実施形態も、上部電極44が強磁性体部44aと非磁性体部44bとから構成されているため、第2の実施形態と同様に、高効率かつ高S/N比な高密度記録信号の再生が可能となる。
【0044】
図4においては、強磁性体部44aが電導性であるために、強磁性体部44aは絶縁性非磁性体部43により電気的に分離されているが、強磁性体部44aの比抵抗が電導性非磁性体部44bの比抵抗より大きければ、絶縁性非磁性体部43を挿入する必要性はない。この時、強磁性体部44aは電導性非磁性体部44bの5倍以上の比抵抗を有することが好ましく、さらには10倍以上であることが好ましい。
【0045】
(第4の実施形態)
次に、本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第4の実施形態を図5を参照して説明する。図5は、第4の実施形態のヨーク型磁気ヘッドのビット長方向の断面図である。
【0046】
この第4の実施形態のヨーク型磁気ヘッドは、第1の実施形態において、上部電極40を上部電極45に置き換えた構成となっている。そして、上部電極45は、MR膜30に接するように形成された強磁性体部45aと、非磁性体部45bと、強磁性体部45aと非磁性体部45bとの間に形成されたピラー部45cとを有している。強磁性体部45aは、MR膜30へのフラックス流入をアシストする磁気ヨークと考える。
【0047】
図5に示すように、上部電極45にピラー部45cを有する場合には、上部電極45の強磁性体部45aは上部電極45の非磁性体部45bから突き出た部分(ピラー部45c)からの電流磁界をシールドする効果がある。従って、強磁性体部45aが無い場合に懸念されるピラー部45cからの電流磁界の磁気ヨーク10およびMR膜30のフリー層への影響はほとんど無視できる程度になる。 強磁性体部45aは導電性であるので、上部電極45の一部として用いられる。 この場合、上記のアシスト磁気ヨークの大きさは、MR膜30の大きさと同等かあるいは大きいことが好ましい。MR膜30より小さいとアシスト磁気ヨークの効果が充分に得られない。
【0048】
この第4の実施形態も、上部電極45が強磁性体部45aと非磁性体部45bとから構成されているため、第1の実施形態と同様に、高効率かつ高S/N比な高密度記録信号の再生が可能となる。
【0049】
(第5の実施形態)
次に、本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第5の実施形態を図6を参照して説明する。図6は、第5の実施形態のヨーク型磁気ヘッドのビット長方向の断面図である。
【0050】
この第5の実施形態のヨーク型磁気ヘッドは、第2の実施形態において、上部電極40を上部電極46に置き換えるとともに、バイアス導体60を新たに設けた構成となっている。すなわち、バイアス導体60は第2の実施形態と異なり上部電極46と別に設けられた構成となっている。そして、上部電極46は、MR膜30に接するように形成された強磁性体部45aと、この強磁性体部46aの側面に接するように形成された非磁性体部45bとを備えている。
【0051】
この第5の実施形態も、上部電極46が強磁性体部46aと非磁性体部46bとから構成されているため、第2の実施形態と同様に、高効率かつ高S/N比な高密度記録信号の再生が可能となる。
【0052】
(第6の実施形態)
次に、本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第6の実施形態を図7を参照して説明する。図7は、第6の実施形態のヨーク型磁気ヘッドのビット長方向の断面図である。
【0053】
本実施形態のヨーク型磁気ヘッドは、図5に示す第4の実施形態において、上部電極45を上部電極47に置き換えた構成となっている。上部電極47は、強磁性体部47aと、非磁性体部47b、47cと、を備えている。強磁性体部47aの方が非磁性体部47b、47cより電気抵抗が大きい。上部電極47の非磁性体部47b、47cはMR膜30に向かってピラー部47cが形成されている。MR膜30にはピラー部47cと、強磁性体部47aが接続される。ピラー部47cの周囲に強磁性体部47aが形成されている。こうすることにより、ピラー部47cからの電流磁界を強磁性体部47aによってシールドする効果がある。また、強磁性体部47aの電気抵抗を非磁性体部47b、47cのそれより大きくすることにより、センス電流をMR膜30の高感度領域に集中させることができ、さらに大きな出力を有するヨーク型磁気ヘッドを得ることが可能となる。この場合、我々の実験結果では、強磁性体部47aに用いられる材料は、Co−Fe−AlOやNi−Fe−AlO、Fe−Al−N、Fe−Ta−Nなどの比抵抗で50μΩcm以上ある高抵抗なグラニュラー軟磁性膜が好ましい。非磁性体部47aは、Cu,Au,Agなどの低抵抗材料を用いるのが好ましい。
【0054】
この実施形態も、上部電極47が強磁性体部47aと、非磁性体部47b、47cとから構成されているため、第4の実施形態と同様に、高効率かつ高S/N比な高密度記録信号の再生が可能となる。
【0055】
なお、第1乃至第6の実施形態においては、上部電極を、強磁性体部と、非磁性体部とから構成したが、下部電極がMR膜に接するように形成されている場合には、下部電極を強磁性体部と、非磁性体部とから構成するようにしても、同様の効果を得ることが可能となる。
【0056】
(第7の実施形態)
次に、本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第7の実施形態の構成を図8に示す。この第7の実施形態のヨーク型磁気ヘッドは、記録部・再生部分離形成型磁気ヘッドであって、その構成断面図を図8に示す。この実施形態のヨーク型磁気ヘッドは、再生部150と、記録部200とを有している。再生部150は、上記第1乃至第6の実施形態のいずれかの磁気ヘッドに用いられた再生部であり、記録部200は、磁極210と、記録コイル220とを有している。磁極210は、磁極先端部210aと、磁気ヨーク210bとからなっている。再生部150と、記録部200とは、媒体対向面80が同一平面上にあるように構成されている。
【0057】
この実施形態のヨーク型磁気ヘッドも、高効率かつ高S/N比な高密度記録信号の再生が可能となることはいうまでもない。
【0058】
【発明の効果】
以上で述べたように、本発明によれば、高効率かつ高S/N比な高密度記録信号の再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第1の実施形態の構成を示すビット長方向の断面図。
【図2】本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第1の実施形態の構成を示すトラック幅方向の断面図。
【図3】本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第2の実施形態の構成を示すトラック幅方向の断面図。
【図4】本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第3の実施形態の構成を示すトラック幅方向の断面図。
【図5】本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第4の実施形態の構成を示すビット長方向の断面図。
【図6】本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第5の実施形態の構成を示すビット長方向の断面図。
【図7】本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第6の実施形態の構成を示すビット長方向の断面図。
【図8】本発明によるヨーク型磁気ヘッドの第7の実施形態の構成を示すビット長方向の断面図。
【図9】従来のヨーク型磁気ヘッドの構成を示すビット長方向の断面図。
【符号の説明】
1 ヨーク型磁気ヘッド
10 磁気ヨーク
10a 磁気ヨーク先端部
10b 磁気ヨークウイング部
12 磁気ギャップ(媒体対向側)
13 磁気ギャップ(MR膜側)
20 下部電極
30 MR膜
40 上部電極
40a 強磁性体部
40b 非磁性体部
42 上部電極
42a 強磁性体部
42b 非磁性体部
43 絶縁性非磁性体部
44 上部電極
44a 強磁性体部
44b 非磁性体部
45 上部電極
45a 強磁性体部
45b 非磁性体部
45c ピラー部
46 上部電極
46a 強磁性体部
46b 非磁性体部
47 上部電極
47a 強磁性体部
47b 非磁性体部
50 ハードバイアス膜
60 バイアス導体
80 媒体対向面
100 垂直記録媒体
101 記録層
102 記録ビット
150 再生部
200 記録部
210 磁極
210a 磁極先端部
210b 磁気ヨーク
220 記録コイル
300 磁気ヨーク
320 通電層

Claims (3)

  1. 媒体対向面から磁気ヘッドの後方に伸びる磁気ヨークと、
    前記媒体対向面より後方にて前記磁気ヨークの前記媒体対向面と平行な面に形成された磁気抵抗効果膜と、
    前記磁気ヨークとは反対側の前記磁気抵抗効果膜の面に設けられ前記磁気抵抗効果膜と電気的に接続される第一の電極と、
    前記磁気ヨークに電気的に接続される第二の電極と、
    を備え、前記第一の電極は導電性強磁性体部と導電性非磁性体部とを積層した構成となっており、前記導電性強磁性体部は前記磁気ヨークとオーバーラップするように配置されていることを特徴とするヨーク型磁気ヘッド。
  2. 前記導電性非磁性体部は前記磁気抵抗効果膜に接し、前記導電性強磁性体部は前記導電性非磁性体部が前記磁気抵抗効果膜に接する面と反対の面において、前記導電性非磁性体部と接することを特徴とする請求項1記載のヨーク型磁気ヘッド。
  3. 前記導電性強磁性体部は前記磁気抵抗効果膜に接し、前記導電性非磁性体部は前記導電性強磁性体部が前記磁気抵抗効果膜に接する面と反対の面において、前記導電性強磁性体部と接することを特徴とする請求項1記載のヨーク型磁気ヘッド。
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