JP3868550B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用のベルト式無段変速機における前進と後進との切換時における切換ショックを軽減するようにした無段変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の無段変速機としては、入力軸に設けられたプライマリプーリと出力軸に設けられたセカンダリプーリとの間に金属製の駆動ベルトを装着し、油圧によってプーリ径を変化させて出力軸の回転数を無段階に変化させるようにしたものがある。
【0003】
車両を前進動作と後退動作とに切り換えるために、油圧多板式の前進用クラッチと後退用ブレーキとが無段変速機内に組み込まれており、車室内のコントロールレバーつまりセレクトレバーの操作によって、前進用クラッチを作動させると車両は前進モードとなり、後退用ブレーキを作動させると後退モードとなる。これらのクラッチとブレーキは、それぞれエンジンにより駆動される油圧ポンプからの油圧をクラッチシリンダとブレーキシリンダとに切換制御して供給することによって作動されるようになっており、このような制御装置としては、たとえば、特開平3-223565号公報に記載されるようなものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
セレクトレバーの操作によって油圧バルブを切り換えてクラッチシリンダとブレーキシリンダとに対する油圧の供給が切り換えられたときには、切換ショックが発生することから、これを軽減するために、油圧回路にアキュムレータを接続するようにしている。
【0005】
後退用ブレーキをダブルピニオン式プラネタリギヤつまり遊星歯車により構成したタイプの無段変速機にあっては、後退用ブレーキをプライマリプーリ側に配置し、前進用クラッチをトルクコンバータ側に配置するようにしており、トランスミッションの全長を短くするために、プライマリプーリの軸を支持する軸受の外側にブレーキシリンダを配置する必要がある。このため、ブレーキシリンダはクラッチシリンダに比して有効面積を大きくとることができなくなるのみならず、ブレーキシリンダの作動力は後退用ブレーキが遊星歯車を有するタイプであることから大きく設定する必要がある。
【0006】
このように、ブレーキシリンダにはクラッチシリンダよりも高い作動圧を供給しなければならないので、ブレーキシリンダとクラッチシリンダとに対しては、圧力が相違した油圧を供給する必要がある。したがって、切換時のショックを軽減するためには、従来、ブレーキシリンダ用とクラッチシリンダ用の2つのアキュムレータを設けるようにしている。
【0007】
しかしながら、2つのアキュムレータを組み込むようにすると、それだけトランスミッション内の油圧回路が複雑となるだけでなく、それぞれの設置スペースが必要となる。
【0008】
本発明の目的は、無段変速機における前進と後退の切換時における切換ショックを簡単な構造により低減し得るようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0010】
すなわち、本発明の無段変速機の制御装置は、入力軸に装着されるプーリ間隔可変のプライマリプーリと、出力軸に装着されるとともに前記プライマリプーリとの間に駆動ベルトが掛け渡されるプーリ間隔可変のセカンダリプーリと、エンジン側の回転を前記入力軸に正転方向に伝達する前進用クラッチを作動させるクラッチシリンダと、エンジン側の回転を前記入力軸に逆転方向に伝達する後退用ブレーキを作動させるとともに前記クラッチシリンダよりも小さな油室面積のブレーキシリンダとを有する無段変速機の制御装置であって、前記エンジンにより駆動される油圧源からの油圧を第1圧力とこれよりも低い第2圧力に設定する圧力制御手段と、前記第1圧力を前記ブレーキシリンダ内に供給するブレーキ油路および前記第2圧力を前記クラッチシリンダ内に供給するクラッチ油路の開閉を制御するマニュアル弁と、アキュムレータ室とサポート室とを有するアキュムレータと、前記第1圧力を前記ブレーキシリンダに導通させる後退位置に前記マニュアル弁を設定したときに前記第1圧力を前記アキュムレータ室に供給し、前記第2圧力を前記クラッチシリンダに導通させる前進位置に前記マニュアル弁を設定したときに前記第2圧力を前記アキュムレータ室に供給するアキュムレータ油路と、前記第1圧力をアシスト圧力として前記サポート室に供給するサポート油路とを有し、前記マニュアル弁は、前記ブレーキシリンダに油圧を導通させる前、および前記クラッチシリンダに油圧を導通させる前に、前記アキュムレータ油路を連通させることを特徴とするものである。
【0011】
このような構成の無段変速機の制御装置にあっては、圧力制御手段により設定された第1圧力がマニュアル弁の操作によりブレーキシリンダとアキュムレータとに導通される一方、第2圧力がマニュアル弁の操作によりクラッチシリンダとアキュムレータとに導通され、共通のアキュムレータによって前後進切換時の切換ショックを低減することができ、部品点数を低減させるとともに装置の小型化を達成することができる。ブレーキシリンダに油圧を導通させる前、およびクラッチシリンダに油圧を導通させる前に、アキュムレータ油路を連通させてアキュムレータ室に油圧を供給することによって、切換ショックをより低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1はベルトを用いた車両用の無段変速機の駆動系を示すスケルトン図であり、図示省略したエンジンにより駆動されるクランク軸1は、トルクコンバータ2のポンプ側ケース3にドライブプレート4を介して直結されており、ポンプ側ケース3内に設けられたポンプインペラ3aに対向して配置されたタービンランナ5はタービン軸6に直結されている。ポンプインペラ3aとタービンランナ5の間にはステータ7が配置され、ワンウエイクラッチ8により支持されている。タービン軸6には、ドライブプレート4に係合および解放可能にロックアップクラッチ9が直結されており、エンジンの動力はトルクコンバータ2またはロックアップクラッチ9を介してタービン軸6に伝達される。
【0014】
タービン軸6は前後進切換機構11を介して無段変速機12の入力軸13に伝達されるようになっている。入力軸13にはプライマリプーリ14が設けられており、これに対向してプライマリ側の可動シー14aが入力軸13に対してボールスプラインなどにより軸方向に摺動自在に装着され、プライマリプーリ14はプーリ間隔可変となっている。入力軸13に平行に配置された出力軸15にはセカンダリプーリ16が設けられており、これに対向してセカンダリ側の可動シー16aが出力軸15に対して、可動シー14aと同様に軸方向に摺動自在に装着され、セカンダリプーリ16はプーリ間隔可変となっている。なお、駆動系全体はケース10内に組み込まれている。
【0015】
プライマリプーリ14とセカンダリプーリ16との間には駆動ベルト17が掛け渡されており、両方のプーリ14,16の溝幅を変化させることにより、それぞれのプーリ14,16に対する巻付け径の比率を変化させて出力軸15の回転数を無段変速するようにしている。
【0016】
プライマリプーリ14の溝幅を変化させるために、可動シー14aとの間に油室18を形成するシリンダ19が入力軸13に取り付けられ、セカンダリプーリ16の溝幅を変化させるために、可動シー16aとの間に油室21を形成するシリンダ22が出力軸15に取り付けられている。
【0017】
出力軸15はギヤ23,24を介して中間軸25に連結されており、中間軸25に取り付けられたギヤ26がディファレンシャル装置27のファイナルギヤ28に噛み合い、ディファレンシャル装置27に連結された車軸29a,29bには車輪31a,31bが取り付けられている。前輪駆動車の場合には、車輪31a,31bは前輪となる。
【0018】
前後進切換機構11は、タービン軸6に固定される前進用クラッチドラム部を備えた環状のクラッチシリンダ32と、入力軸13に固定され端部にクラッチハブ35を備えるキャリア34とを有し、クラッチシリンダ32の端部に設けられたクラッチドラム部と前記クラッチハブ35との間には、多板式の前進用クラッチ36が設けられており、この前進用クラッチ36を作動するための油圧ピストン37がクラッチシリンダ32内に組み込まれている。したがって、クラッチシリンダ32内の油室32aに油圧を供給して前進用クラッチ36を接続状態とすると、タービン軸6の回転はクラッチハブ35およびキャリア34を介して入力軸13に伝達されて入力軸13はタービン軸6と同一の正転方向に回転する。
【0019】
キャリア34に固定された支持軸には、相互に噛み合って対をなすプラネタリピニオンギヤ38,39が回転自在に装着され、一方のプラネタリピニオンギヤ38はタービン軸6に固定されたサンギヤ41に噛み合い、他方のプラネタリピニオンギヤ39はサンギヤ41の外側に設けられたリングギヤ42の内歯と噛み合っており、これらのギヤによりダブルピニオン式プラネタリギヤが構成されている。それぞれのプラネタリピニオンギヤ38,39は図1にあっては作図の便宜上離して示されているが、これらに対となって噛み合っており、これらのプラネタリピニオンギヤ38,39を複数対設けるようにしても良い。このリングギヤ42とケース10との間には多板式の後退用ブレーキ43が設けられており、この後退用ブレーキ43を作動するための油圧ピストン44がケース10に形成されたブレーキシリンダ45内に組み込まれている。
【0020】
したがって、前進用クラッチ36が解放された状態のもとで、ブレーキシリンダ45内の油室45aに油圧を供給して後退用ブレーキ43を制動状態とすると、リングギヤ42がケース10に固定された状態になるので、タービン軸6と一体のサンギヤ41の回転は対となったプラネタリピニオンギヤ38,39を介してキャリア34に伝達され、入力軸13はタービン軸6とは逆の逆転方向に回転する。
【0021】
このように、後退用ブレーキ43がプライマリプーリ14側に配置され、前進用クラッチ36がトルクコンバータ2側に配置されており、トランスミッションの全長を短くするために、プライマリプーリ14の軸を支持する軸受46の外側にブレーキシリンダ45が配置されている。このため、ブレーキシリンダ45はクラッチシリンダ32に比して有効面積を大きくとることができないので、ブレーキシリンダ45内の油室45a内には、クラッチシリンダ32内の油室32aよりも作動圧の高い油圧を供給する必要がある。
【0022】
ブレーキシリンダ45やクラッチシリンダ32などの油圧作動機器を作動させるために、ケース10内には油圧源としてのオイルポンプ47が配置されており、このオイルポンプ47はクランク軸1によりポンプ側ケース3を介して駆動されるようになっている。
【0023】
図2は図1に示された駆動系の作動を制御するための油圧回路を示す図であり、オイルポンプ47はローラベーン式であり、エンジンにより駆動されるロータとケース10側のポンプハウジングとを有し、2つの吐出口48a,48bと、2つの吸入口49a,49bとが設けられている。吸入口49a,49bにはそれぞれオイルパン51に接続された流入側油路52a,52bが接続されている。
【0024】
それぞれの吐出口48a,48bに接続された吐出側油路53a,53bはライン圧油路54に合流しており、このライン圧油路54はセカンダリプーリ16側の可動シー16aを作動させる油室21に接続されるとともに、変速制御弁55とライン圧制御弁56のライン圧ポートに接続されている。これらの制御弁55,56は、比例電磁リリーフ弁であり、それぞれ制御ユニット57からの電力により作動するソレノイドを有している。
【0025】
ライン圧制御弁56はそのソレノイドに制御ユニット57から供給される電流に対応してライン圧油路54の圧力を制御してセカンダリプーリ16の油室21に供給されるライン圧つまりセカンダリ圧を制御する。また、ライン圧制御弁56の潤滑ポートには潤滑圧油路58が接続されており、ライン圧よりも低い潤滑などのための潤滑圧を設定する。ライン圧は第1圧力であり、潤滑圧はライン圧よりも低い第2圧力であり、ライン圧制御弁56は圧力制御手段を構成する。
【0026】
変速制御弁55のプライマリポートにはプライマリプーリ14側の可動シー14aを作動させる油室18に連通したプライマリ油路59が接続されており、変速制御弁55はそのソレノイドに制御ユニット57から供給される電流に対応したプライマリ圧を油室18に供給する。このプライマリ圧はライン圧を調圧して設定されるので、ライン圧を超えない。ただし、油室18の断面積は油室21の断面積よりも大きく設定されているので、ベルトを挟み付ける力はセカンダリプーリ側よりも大きくすることができる。潤滑圧油路58には潤滑ノズル60が接続されており、ここから吐出される油により駆動ベルト17とプーリ14,16などの潤滑がなされるようになっている。
【0027】
登坂や急加速などのエンジン出力が大きいときには、ライン圧は上げられてベルト17のスリップが防止され、エンジン出力が小さいときにはライン圧は下げられてオイルポンプ47のロスと伝達効率の向上が図られる。オイルポンプ47の一方の吐出側油路53bを連通させる位置と、吐出側油路53bを流入側油路52bにバイパスさせる位置とに作動する切換弁61がこれらの油路に設けられており、この切換弁61は潤滑圧油路58と切換弁61の制御ポートとを接続する油路62に設けられた電磁弁62aによって作動するようになっている。したがって、オイルポンプ47のロスを防止する際には、電磁弁62aに通電することによって吐出油路53bを休止状態として、吐出油路53aのみからライン圧油路54に油圧を供給することができる。
【0028】
図1に示されたロックアップクラッチ9のオンオフ作動を制御するために、図2に示すように、油圧制御回路にはロックアップ制御弁63とロックアップ作動電磁弁64とが設けられており、この電磁弁64は制御ユニット57からの制御信号によってオンオフ作動するようになっている。
【0029】
車速が所定値以上になると、制御ユニット57からロックアップオン信号が電磁弁64に送られ、潤滑圧油路58と油路65とが連通状態となって潤滑圧が油路65を介して制御ポート63gに作用することになり、このときには、油路65と潤滑圧油路58との間に接続された第1リリーフ弁66にも制御圧が作用して潤滑圧が低めに設定される。これにより、ロックアップ制御弁63のスプールは図2において右側に摺動してポート63aと63eとが連通状態となって、潤滑圧油路58はポート63eとアプライ室9bとを連結する油路67に潤滑圧が流れ、この潤滑圧がアプライ室9bに供給される。この結果、ロックアップクラッチ9が左側に押されてロックアップ状態つまり直結状態となり、リリース室9a内の圧力は油路68を介して解放される。
【0030】
電磁弁64にロックアップオフ信号が送られると、潤滑圧油路58と油路65の連通が解かれて油路65が閉じる。これにより、ロックアップ制御弁63のポート63gには制御圧が作用しなくなると共に、第1リリーフ弁66はドレンしにくくなり、潤滑圧は高めに調圧される。この結果、潤滑圧油路58に接続されたポート63bに作用する潤滑圧によってロックアップ制御弁63のスプールは左側に摺動してポート63aが閉じられることになる。このときには、第1リリーフ弁66のドレンポートに接続された第2リリーフ弁69によって前記した潤滑圧よりも低い第2の潤滑圧が設定され、その低い潤滑圧が油路70によりロックアップ制御弁63のポート63cに供給される。
【0031】
ロックアップ制御弁63のスプールが左側に摺動した状態では、ポート63cとポート63dとが連通状態となり、ポート63eとポート63fとが連通状態となり、油路68を介してリリース室9aに潤滑圧が供給される。これにより、ロックアップクラッチ9はオフつまり解放されると共に、そのリリース油圧は油路67と、ポート63fに接続された油路71に案内され、オイルクーラ72により冷却された後に、オイルパン51へ戻ることになる。なお、符号73はリリーフ弁である。
【0032】
前述したように、車両を前進させる際には前進用クラッチ36のクラッチシリンダ32内の油室32aに油圧が供給され、車両を後退させる際には後退用ブレーキ43のブレーキシリンダ45内の油室45aに油圧が供給され、それ以外ではそれぞれの油室32a,45aには油圧の供給が停止される。油室32aには潤滑圧油路58からの潤滑圧が供給され、油室45aには潤滑圧よりも高いライン圧が供給される。
【0033】
このように前進用クラッチ36と後退用ブレーキ43を作動させるために、潤滑圧油路58と油室32aを連通させるクラッチ油路75と、ライン圧油路54と油室45aとを連通させるブレーキ油路76との間には、車室内に設けられたセレクトレバーによって作動するマニュアル弁77が設けられている。
【0034】
このマニュアル弁77を示すと、図3の通りであり、セレクトレバーの作動によってこのマニュアル弁77のスプールは、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、D3〜D1レンジに操作される。車両を後退させるRレンジつまり後退位置では、図3(B)に示すように、ライン圧ポート77aはブレーキ油路76と導通状態となってこの油路が開かれる。また、車両を前進させるD、D3〜D1レンジつまり前進位置では、図3(D)に示すように、潤滑圧ポート77bはクラッチ油路75に導通状態となってこの油路が開かれる。これら以外の位置にマニュアル弁77を操作したときには、クラッチ油路75およびブレーキ油路76はいずれも閉じられる。
【0035】
図2に示すように、マニュアル弁77はアキュムレータ油路81によりアキュムレータ82のアキュムレータ室83に接続されており、このアキュムレータ82内に組み込まれたピストン84によりアキュムレータ室83に対してサポート室85が仕切られている。このサポート室85はアキュムレータ室83を収縮させる方向に作動させる力を付与するものであって、アキュムレータ82内にはピストン84に対してアキュムレータ室83を収縮させる方向のばね力を付与するためのばね部材86が組み込まれている。
【0036】
アキュムレータ油路81は、図3(B)に示すように、マニュアル弁77がRレンジに設定されたときに、ライン圧ポート77aと導通状態となり、ライン圧がアキュムレータ室83内に供給される。また、図3(D)に示すように、マニュアル弁77がDレンジ、D3〜D1レンジに設定されたときに、潤滑圧ポート77bとアキュムレータ油路81とが導通状態となり、潤滑圧がアキュムレータ室83内に供給される。
【0037】
ライン圧油路54はサポート油路87によりサポート室85に導通されており、常時このサポート室85にはライン圧が供給されるようになっている。
【0038】
図4はアキュムレータ82の作動特性を示す特性線図である。この図に示すように、後退用ブレーキ43のブレーキシリンダ45の制御圧範囲PBと、前進用クラッチ36のクラッチシリンダ32の制御圧範囲PCとでは、相互に異なっており、後退用ブレーキ43の方が高い圧力範囲内で作動する。
【0039】
マニュアル弁77がRレンジつまり後退位置に設定された場合には、ライン圧がブレーキシリンダ45とアキュムレータ室83に供給されるので、時間とともにこれらの中の圧力が上昇してライン圧P1に到達する。同様に、マニュアル弁77がD,D3〜D1レンジつまり前進位置に設定された場合には、潤滑圧がクラッチシリンダ32とアキュムレータ室83に供給され、時間とともにこれらの中の圧力が上昇して潤滑圧P2に到達する。
【0040】
アキュムレータ82に組み込まれたばね部材86によりピストン84を介してアキュムレータ室83には一定のばね力が付与されており、サポート室85にはライン圧油路54からライン圧P1が供給されてアシスト力が付与されているので、後退用ブレーキ43にライン圧P1を供給したときのアキュムレータ82内のピスント84のストローク特性(ブレーキ作動時のストローク特性)SBは図示するようになる。また、前進用クラッチ36に潤滑圧P2を供給したときのアキュムレータ82内のピストン84のストローク特性(クラッチ作動時のストローク特性)SCは図示するようになる。
【0041】
このように、アキュムレータ室83に供給される圧力に対応してサポート室85に供給されるライン圧を制御することによって、ブレーキシリンダ45およびアキュムレータ室83に油圧が供給される場合には、クラッチシリンダ32およびアキュムレータ室83に油圧が供給される場合よりも、サポート室85には高い圧力に制御されたライン圧が供給されることになり、棚圧が加えられることになる。これにより、アキュムレータ82は前進時と後退時のいずれにおいても、圧力調整が行われて、それぞれの特性SBとSCの傾斜角度が同一となり、ほぼ同一の時間で所定のストローク作動することになるので、共通のアキュムレータ82を用いて前進切換時と後退切換時の切換ショックを同様の特性で軽減することができる。
【0042】
前進用クラッチ36と後退用ブレーキ43のそれぞれの作動時間は、クラッチ油路75とブレーキ油路76にそれぞれ設けられた絞りないしオリフィス88,89により制御される。
【0043】
マニュアル弁77の操作により、クラッチシリンダ32内に油圧を導通させる際、およびブレーキシリンダ45内に油圧を導通させる際には、それぞれの導通がなされる前にアキュムレータ油路81を導通させて、アキュムレータ室83内に油圧を供給するようにしても良く、そのような機構はマニュアルバルブのスプール形状とバルブに設けられるポート位置の設定により、切換タイミングを適正化することによりなされる。
【0044】
また、マニュアル弁77には、図3に示すように、ドレンポート77c,77dが設けられており、ブレーキシリンダ45内の油圧を排出するときにはドレンポート77dが、また、クラッチシリンダ32内の油圧を排出するときには、ドレンポート77cがそれぞれのシリンダと連通するようになっており、同時に、アキュムレータ油路81もドレンポート77cと連通状態となり、アキュムレータ室83内の油圧も外部のオイルパン51に排出される。
【0045】
このように、ブレーキシリンダ45内の油圧を排出するとき、およびクラッチシリンダ32内の油圧を排出するときには、アキュムレータ油路81を導通させた状態のもとでブレーキ油路76とクラッチ油路75を閉じるようにし、それからそれぞれのシリンダ45,32内の油圧を排出するようにしても良い。このような作動は、マニュアルバルブのスプール形状とバルブに設けられるポート位置の設定により、切換タイミングを適正化することにより達成される。
【0046】
ブレーキ油路76とクラッチ油路75には、セーフティロック弁91が設けられており、これの制御ポート91aと潤滑圧油路58とを結ぶ油路92に設けられた電磁弁93を作動させることにより、セーフティロック弁91が作動するようになっている。
【0047】
次に、セレクトレバーを操作することによって、車両を前後進させる場合の無段変速機の作動について説明する。
【0048】
車両が駐車している状態では、セレクトレバーはPレンジに設定されており、図3(A)に示すように、マニュアル弁77のスプールは図において最右端の位置に設定され、このときには、エンジンが作動していても、ライン圧ポート77aと潤滑圧ポート77bは何れも閉塞されており、後退用ブレーキ43のブレーキシリンダ45および前進用クラッチ36のクラッチシリンダ32には油圧は供給されず、後退用ブレーキ43と前進用クラッチ36はオフとなっている。
【0049】
この状態で車両を後退させるべくマニュアル弁77がRレンジに設定されると、図3(B)に示すように、ライン圧ポート77aはブレーキ油路76とアキュムレータ油路81とにそれぞれ導通状態となり、ブレーキシリンダ45内の油室45aにライン圧が供給されるとともに、アキュムレータ室83内にもライン圧が供給される。これにより、後退用ブレーキ43がオンとなり、入力軸13は逆転方向に回転する。このとき、ライン圧はブレーキシリンダ45内のみならず、アキュムレータ室83内にも供給されることから、PレンジからRレンジの切換時における切換ショックが低減される。そして、Rレンジが保持されている間では、常に、ブレーキ油路76とアキュムレータ油路81はライン圧油路54と導通状態に保持される。
【0050】
Rレンジから中立位置のNレンジにマニュアル弁77が操作されると、後退用ブレーキ43がオフとなるとともに、ブレーキシリンダ45の油室45a内とアキュムレータ室83内の油圧は、それぞれドレンポート77cから排出されてオイルパン51に戻される。
【0051】
セレクトレバーの操作によって、NレンジからDレンジにマニュアル弁77が操作されると、潤滑圧ポート77bがクラッチ油路75とアキュムレータ油路81とにそれぞれ導通状態となり、潤滑圧油路58の潤滑圧が前進用クラッチ36のクラッチシリンダ32内の油室32aに供給されるとともに、アキュムレータ室83内にも潤滑圧が供給される。これにより、前進用クラッチ36がオンとなり、入力軸13は正転方向に回転する。このとき、潤滑圧はクラッチシリンダ32内のみならず、アキュムレータ室83内にも供給されることから、NレンジからDレンジの切換時における切換ショックが低減される。そして、Dレンジが保持されている間では、常に、クラッチ油路75とアキュムレータ油路81は潤滑圧油路58と導通状態に保持される。D3レンジからD1レンジにマニュアル弁77が操作された場合には、Dレンジの導通状態が維持される。
【0052】
Dレンジから中立位置のNレンジにマニュアル弁77が操作されると、クラッチシリンダ32の油室32a内とアキュムレータ室83内の油圧は、それぞれドレンポート77cから排出されてオイルパン51に戻される。
【0053】
後退用ブレーキ43と前進用クラッチ36の作動速度は、潤滑圧油路58とライン圧油路54のうち、マニュアル弁77のライン圧ポート77aと潤滑圧ポート77bの上流側に設けられたオリフィス88,89によって制御される。
【0054】
また、ブレーキ油路76とクラッチ油路75にそれぞれオリフィスを設けることにより、ブレーキシリンダ45およびクラッチシリンダ32に油圧が作用する前に、アキュムレータ82内のアキュムレータ室83に油圧を供給することができる。これにより、切換ショックをより低減することが可能となる。
【0055】
さらに、ブレーキシリンダ45およびクラッチシリンダ32への油圧の供給を停止する際には、アキュムレータ油路81を導通状態にさせた状態でブレーキ油路76およびクラッチ油路75を閉じた後に、それぞれのシリンダ45,32内の油圧がドレンポート77cから排出される。
【0056】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0057】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0058】
(1).共通のアキュムレータによって無段変速機における前進と後退の切換時の切換ショックを低減することができる。
【0059】
(2).単一の共通のアキュムレータを用いて切換ショックを低減することができるので、前進用のアキュムレータと後退用のアキュムレータを用いた場合に比して構造が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である無段変速機の制御装置の駆動系を示すスケルトン図である。
【図2】図1に示された制御装置の作動を制御する油圧系を示す油圧回路図である。
【図3】(A)〜(D)はそれぞれ図2に示されたマニュアル弁の作動状態を示す拡大断面図である。
【図4】図2に示されたアキュムレータの作動特性を示す線図である。
【符号の説明】
1 クランク軸
2 トルクコンバータ
3 ポンプ側ケース
5 タービンランナ
6 タービン軸
7 ステータ
9 ロックアップクラッチ
10 ケース
11 前後進切換機構
12 無段変速機
13 入力軸
14 プライマリプーリ
15 出力軸
16 セカンダリプーリ
17 駆動ベルト
18 油室
19 シリンダ
21 油室
22 シリンダ
27 ディファレンシャル装置
32 クラッチシリンダ
34 キャリア
35 クラッチハブ
36 前進用クラッチ
37 油圧ピストン
38,39 プラネタリピニオンギヤ
43 後退用ブレーキ
54 ライン圧油路
55 変速制御弁
56 ライン圧制御弁
57 制御ユニット
58 潤滑圧油路
59 プライマリ油路
75 クラッチ油路
76 ブレーキ油路
77 マニュアル弁
81 アキュムレータ油路
82 アキュムレータ
83 アキュムレータ室
84 ピストン
85 サポート室
86 ばね部材
87 サポート油路
88,89 オリフィス

Claims (3)

  1. 入力軸に装着されるプーリ間隔可変のプライマリプーリと、出力軸に装着されるとともに前記プライマリプーリとの間に駆動ベルトが掛け渡されるプーリ間隔可変のセカンダリプーリと、エンジン側の回転を前記入力軸に正転方向に伝達する前進用クラッチを作動させるクラッチシリンダと、エンジン側の回転を前記入力軸に逆転方向に伝達する後退用ブレーキを作動させるとともに前記クラッチシリンダよりも小さな油室面積のブレーキシリンダとを有する無段変速機の制御装置であって、
    前記エンジンにより駆動される油圧源からの油圧を第1圧力とこれよりも低い第2圧力に設定する圧力制御手段と、
    前記第1圧力を前記ブレーキシリンダ内に供給するブレーキ油路および前記第2圧力を前記クラッチシリンダ内に供給するクラッチ油路の開閉を制御するマニュアル弁と、
    アキュムレータ室とサポート室とを有するアキュムレータと、
    前記第1圧力を前記ブレーキシリンダに導通させる後退位置に前記マニュアル弁を設定したときに前記第1圧力を前記アキュムレータ室に供給し、前記第2圧力を前記クラッチシリンダに導通させる前進位置に前記マニュアル弁を設定したときに前記第2圧力を前記アキュムレータ室に供給するアキュムレータ油路と、
    前記第1圧力をアシスト圧力として前記サポート室に供給するサポート油路とを有し、
    前記マニュアル弁は、前記ブレーキシリンダに油圧を導通させる前、および前記クラッチシリンダに油圧を導通させる前に、前記アキュムレータ油路を連通させることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の制御装置であって、前記マニュアル弁は、前記ブレーキシリンダ内の油圧を排出するとき、および前記クラッチシリンダ内の油圧を排出するときに、前記アキュムレータ室内の油圧も排出することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  3. 請求項記載の無段変速機の制御装置であって、前記マニュアル弁は、前記ブレーキシリンダおよび前記クラッチシリンダ内の油圧を排出するときに、前記アキュムレータ油路を導通させた状態で前記ブレーキ油路およびクラッチ油路を閉じ、次いでそれぞれのシリンダ内の油圧を排出することを特徴とする無段変速機の制御装置。
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