JP3868497B2 - センサエレメント - Google Patents

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Description

技術分野:
本発明は、請求項1に発明の上位概念として記載した形式の、ガスの酸素含有量を測定する、特に内燃機関の排ガス中の酸素含有量を測定するための電気化学的な測定検知器用のセンサエレメントに関する。
背景技術:
前記形式のセンサエレメントは公知である。該センサエレメントは例えば、所謂プレーナ形センサエレメントとして構成されており、該プレーナ形センサエレメントは、支持体として構成された固体電解質上に、測定ガスに曝される第1の電極と、基準ガスに曝される第2の電極とを有している。種々の適用においてセンサエレメントは、所定の温度に加熱されねばならない。このために該センサエレメントに加熱装置を配設することは公知であり、該加熱装置は通常、基準ガスに曝される電極の下に延びる加熱導体を有している。
基準ガス電極に基準ガスを導くために、層状に構成されたプレーナ形センサエレメントの内部には基準ガス通路が設けられており、該基準ガス通路は例えばセンサエレメントの長手方向に延在している。該基準ガス通路は基準ガス電極と加熱導体との間に延びている。
前記のようなセンサエレメントを備えた電気化学的な測定検知器は例えばドイツ連邦共和国特許第2928496号明細書に基づいて公知である。この場合の欠点は、基準ガス通路が、加熱装置から放出される熱エネルギにとって不良熱伝導体を成しているので、動作温度(使用温度)へのセンサエレメントの加熱が、加熱エネルギを高めることによって、或いは相応の長い加熱時間を経た後に始めて可能になることである。加熱導体を基準ガス通路に直接接続している形式のセンサエレメントの場合は特に、センサエレメントへの熱伝達は不良である。
発明の開示:
請求項1に特徴部分として記載した構成手段を有する本発明のセンサエレメントは、前記の背景技術に対比して、加熱装置からセンサエレメントへの熱伝達が著しく改善されるという利点を有している。基準ガス通路を、少なくとも加熱装置の領域において分割構成したことによって、基準ガス通路のレイアウト及び/又は加熱装置のレイアウトを互いに調和させて、加熱装置とセンサエレメントとの間の熱伝導を、分割(分枝)された基準ガス通路間に位置しているサブストレートによって引受け得るようにすることが可能になる。該サブストレートは、基準ガス通路内の基準ガスよりも遥かに良好な熱伝導率を有しているので、熱伝達がより迅速に、かつより高い効率で可能である。これによって特にセンサエレメントの加熱時間は一層短縮され、或いは加熱装置の加熱電力が特定されていても一層高いセンサエレメント温度が得られる。他面において加熱時間と等温のセンサエレメント温度を維持した場合、加熱装置の加熱電力が低減されるので、加熱装置の長期安定性が改善され、かつセンサエレメントの熱ショック挙動も改善される。そればかりか加熱装置の領域内における基準ガス通路の分枝によって、基準ガス通路の個々の通路枝間に残存しているウェブが、支持作用を受けない基準ガス通路幅を一層小さくするので、プレーナ形センサエレメント全体の機械的安定性が向上する。
本発明のセンサエレメントにおける別の利点は、基準ガス通路幅と加熱導体の絶縁系との間に最早交差点が存在しないことである。これによってセンサエレメントの製造時に、特にセンサエレメントの個々の層の成層貼合せ時に、加熱導体領域における絶縁系の損傷が回避される。絶縁系の損傷の最低限化もしくは損傷排除によって、加熱導体の漏れ電流挙動は更に改善される。
本発明の有利な構成は、請求項2以降に記載した手段から明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるセンサエレメントの縦断面図である。
第2図は第1図に示したセンサエレメントの横断面図である。
第3図は別の実施例による本発明のセンサエレメントの横断面図である。
発明を実施するための最良の形態:
次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
第1図の縦断面図ではセンサエレメント10の一部分が図示されている。センサエレメント10は、図示を省いた電気化学的な測定検知器の構成部分であり、かつ該測定検知器のケーシング内に気密に位置決めされている。センサエレメント10は、第2図に基づいて追って詳説するプレーナ形の層構造を有している。第1図ではセンサエレメント10の測定ガス側区分12が図示されている。更に該センサエレメント10は、図示を省いた基準ガス側区分を有している。センサエレメント10は、測定ガス、例えば自動車の排ガスに曝される第1電極14を有している。この場合第1電極14は固体電解質、例えば安定化された酸化ジルコニウムに載着されており、該固体電解質は同時に支持体16として役立てられる。該支持体16は、第1電極14から離反した方の側に第2電極18を有し、該第2電極は基準ガス、例えば空気中酸素に曝される。基準ガスを導き寄せるためにセンサエレメント10は、長手方向に延びる基準ガス通路20を有している。該基準ガス通路20は2つの基準ガス通路枝22に分枝し、両方の基準ガス通路枝は、同じく相応に分割されている第2電極18の下で延びている。基準ガス通路20もしくは両基準ガス通路枝22は1つのサブストレート24内に形成されている。基準ガス通路20の分枝によって、両基準ガス通路枝22間には、サブストレート24の閉じた残留領域26が生じる。
第1図及び第2図に2つの基準ガス通路枝22をもって示した枝数は例示にすぎない。従って基準ガス通路20をより多くの個々の枝に分枝することも勿論可能である。更に又、個々の枝間を横方向連通路によって接続することも可能である。決定的なことは、個々の基準ガス通路枝22の間にサブストレート24の残留領域26が残存していることである。
サブストレート24の下には別のサブストレート層28が配置されており、該サブストレート層はセンサエレメント10のための加熱装置30を有している。該加熱装置30は蛇行状に延びる加熱導体32を有し、該加熱導体は、サブストレート24もしくは該サブストレート24の残留領域26が前記加熱導体を夫々カバーするように配置されている。従って加熱導体32は、基準ガス通路枝22に直接的な接続が生じないように延びている。
第1図及び第2図において選ばれた、加熱導体32に対する基準ガス通路枝22の配置によって、加熱導体32は、サブストレート層28及びサブストレート24、もしくは該サブストレート24の残留領域26によって全面的に包囲されている。これによって、加熱導体32を介してセンサエレメント10へ導入される熱エネルギを、第1電極14及び第2電極18を有する支持体16へ良好に熱伝導することが保証される。従って基準ガス通路枝22は、熱伝達に対して極度に僅かな阻止影響しか及ぼさない。
基準ガス通路枝22への基準ガス通路20の分割は、加熱装置30の能動的な作用領域に制限されているのが有利であり、従ってセンサエレメント全体を通じて、長手方向に延びるただ1つの基準ガス通路20が設けられているにすぎない。基準ガスに曝される第2電極18は、基準ガス通路枝22に類似の方式で有利に分割されているので、基準ガス通路枝22の、支持体16に面した方の全ての側は第2電極18の領域でもって被覆されている。
加熱装置30からセンサエレメント10への本来の検知領域への熱伝達作用の改善によって、加熱電力が等しくてもセンサエレメント10の加熱時間を一層短縮化することが可能になる。他面において加熱電力を低減化できるので、加熱装置30又はセンサエレメント10の長期安定性も全体的に改善されることになる。より僅かな加熱電力によって、センサエレメント10の熱ショック挙動の改善が同時に得られる。すなわちセンサエレメント10が、より低温の媒体、例えば噴射水、凝縮水などと突発的に接触しても、加熱電力が低減化されていれば、それほど高い温度差が発生することはない。他面においてセンサエレメント10をより高い温度に設定することが可能であるので、第1電極14及び第2電極18の内部抵抗の低下が減少され、ひいては前記電極の損失電力が減少し、かつ損失電力に基づいて測定結果に及ぼすネガティブな影響も減少される。更には又、サブストレート24の残留領域26が、センサエレメント10の測定ガス側区分12の機械的な安定性を一層高めるために寄与している。それというのは、基準ガス通路20を個々の基準ガス通路枝22に分割したことによって、測定ガス側区分12の領域における支持のない基準ガス通路幅が縮小しているからである。
第3図に示したセンサエレメント10の横断面図では、第1図及び第2図に等しい構成部分には同一符号を付して、説明の重複を避けた。但し前記実施例とは異なり、基準ガスに曝される第2電極18は、本実施例では断絶無く連続的に構成されており、従ってサブストレート24の残留領域26と支持体16との間にも第2電極18の区分が残存している。これは、センサエレメント10の測定精度に影響を及ぼす。
更に第3図に示した実施例では基準ガス通路枝22は、加熱導体間の間隔よりも狭く構成されており、従って加熱導体は基準ガス通路枝22に対して比較的大きな隔たりで延びている。これによってサブストレート24もしくは該サブストレート24の残留領域26を経て第2電極18もしくは第1電極14に至る熱伝導が改善される。それというのはサブストレート24もしくは残留領域26を経た熱伝導の方が、基準ガス通路枝22を介しての熱輻射よりも大きいからである。
本明細書ではセンサエレメント10の製造段階についての詳細な説明は省かれる。それというのはセンサエレメントは、例えばフォイル鋳造、プリント加工、押抜き加工、フライス切削加工又はエンボッシング加工のような公知の製造法によって製造することができるからである。

Claims (6)

  1. 測定ガスに曝される少なくとも1つの第1電極と、基準ガスに曝される少なくとも1つの第2電極と、センサエレメント用の少なくとも1つの加熱装置と、前記の加熱装置と第2電極との間に延びる基準ガス通路とを備えた形式の、ガスの酸素含有量を測定する電気化学的な測定検知器用のセンサエレメントにおいて、
    第1電極及び第2電極が酸素イオン伝導性固体電解質に載着されており、基準ガス通路(20)が、少なくともサブストレート層(28)に配置された加熱装置(30)の領域内で分岐して構成されていることを特徴とする、センサエレメント。
  2. 基準ガス通路(20)が複数の基準ガス通路枝(22)に分割されており、該基準ガス通路枝(22)が、サブストレート層(28)内で延びている加熱装置(30)の加熱導体(32)を前記基準ガス通路枝(22)に直接接続させないように、サブストレート(24)の内部で延びている、請求項1記載のセンサエレメント。
  3. 基準ガス通路枝(22)の、支持体(16)に対面した全側面が、第2電極(18)の領域でもって夫々被覆されている、請求項1又は2記載のセンサエレメント。
  4. 第2電極(18)が、基準ガス通路枝(22)の相互間に位置しているサブストレート(24)の残留領域(26)を超えて延びている、請求項1から3までのいずれか1項記載のセンサエレメント。
  5. 2つの基準ガス通路枝(22)が設けられており、両基準ガス通路枝が、蛇行状に配置された加熱導体(32)の間隙内で延びている、請求項1から4までのいずれか1項記載のセンサエレメント。
  6. 加熱装置(30)の加熱導体(32)が、分岐した基準ガス通路枝(22)から距離をおいて延びている、請求項1から5までのいずれか1項記載のセンサエレメント。
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