JP3868459B2 - 光記録媒体への情報記録方法、情報記録/再生装置および光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体への情報記録方法、情報記録/再生装置および光記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、光記録媒体、光記録媒体への情報記録方法及び情報記録/再生装置に関し、さらに詳細には、高データ転送レートを実現するのに適した光記録媒体、光記録媒体への情報記録方法及び情報記録/再生装置に関する。
従来より、デジタルデータを記録するための記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録媒体が広く利用されており、そのデータ記録方式としては、記録すべきデータをトラックに沿った記録マークの長さに変調するという方式が広く用いられている。例えば、ユーザによるデータの書き換えが可能な光記録媒体の一種であるDVD−RWにおいては、3T〜11T及び14T(Tは1クロック周期)に対応する長さの記録マークが用いられ、これによってデータの記録が行われる。
このような記録マークの形成においては、レーザビームが光記録媒体のトラックに沿って照射され、これによって光記録媒体に含まれる記録層に所定の長さを持ったアモルファス領域が形成され、これが記録マークとして用いられる。記録層のうちアモルファス状態でない部分は結晶状態となっている。
記録マークの形成に際しては、一般に、形成すべき記録マークの長さに対応する時間と同じパルス幅を持ったレーザビームが光記録媒体に照射されるのではなく、形成すべき記録マークの種類に基づき定められた数のパルス列からなるレーザビームが光記録媒体に照射され、これによって所定の長さをもった記録マークが形成される。例えば、上述したDVD−RWに対するデータの記録においては、n−1またはn−2(nは記録マークの種類であり、3〜11及び14のいずれかの値となる)の数のパルスが連続的に照射され、これによって3T〜11T及び14Tに対応する長さをもったいずれかの記録マークが形成される。したがって、n−2の場合、3Tに対応する長さをもった記録マークを形成する場合には1個のパルスが用いられ、11Tに対応する長さをもった記録マークを形成する場合には9個のパルスが用いられることになる。また、n−1の場合、3Tに対応する長さをもった記録マークを形成する場合には2個のパルスが用いられ、11Tに対応する長さをもった記録マークを形成する場合には10個のパルスが用いられることになる。
近年、光記録媒体に対してデータ転送レートのさらなる向上が強く望まれており、これを実現するためには、より高速な記録を行う必要がある。ここで、高速な記録を可能とするためには、記録層に用いる相変化膜の結晶化速度を高めることが有効である。しかしながら、記録層に用いる相変化膜の結晶化速度を高めると、データの記録時において、アモルファス状態とすべき領域が結晶状態に変化する、いわゆる再結晶化現象が起こりやすくなってしまう。再結晶化が発生すると、所望の長さ・形状の記録マークが形成できなくなることからジッタが大幅に悪化し、場合によってはデータの読み出しができないという状況も考えられる。
本発明者らの研究によれば、このような再結晶化を抑制するためには、記録時におけるレーザビームの記録パワー(Pw)を高くするとともに、レーザビームの消去パワー(Pe)を低くすることにより、記録パワー(Pw)と消去パワー(Pe)との比(Pe/Pw)を低く設定することが有効であると判明した。記録パワー(Pw)と消去パワー(Pe)との比(Pe/Pw)は、相変化膜の結晶化速度が速いほど、すなわち、得ようとするデータ転送レートが高いほど、低く設定する必要が生じる。
しかしながら、記録時におけるレーザビームの消去パワー(Pe)を低く設定すると、既に書き込まれた記録マーク上に新たな記録マークを直接上書き(ダイレクト・オーバーライト)する場合に、古い記録データが十分に消去されず、オーバーライト不能となるおそれが生じる。特に、高いデータ転送レート(フォーマット効率を80%として70Mbps以上)を実現するために記録パワーと消去パワーとの比(Pe/Pw)を0.5以下に設定してダイレクト・オーバーライトする場合にオーバーライト不能となるおそれが高くなり、より高いデータ転送レート(フォーマット効率を80%として140Mbps以上)を実現するために記録パワーと消去パワーとの比(Pe/Pw)を0.3以下に設定してダイレクト・オーバーライトする場合にオーバーライト不能となるおそれが極めて高くなることが判明した。
したがって、本発明の目的は、高データ転送レートで光記録媒体に情報を記録するのに適した光記録媒体への情報記録方法及び情報記録/再生装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、高データ転送レートでの記録が可能な光記録媒体を提供することである。
本発明のかかる目的は、光記録媒体に、互いに長さの異なる複数種類の記録マークを形成することによって、情報を記録する光記録媒体への情報記録方法であって、第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記第1の記録マークよりも長さの長い第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーよりも高く設定し、かつ、前記光記録媒体に情報を記録するときのデータ転送レートが高くなるほど、前記第1の記録マークおよび前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの記録パワーを高くするとともに、消去パワーを低く設定して、前記光記録媒体に情報を記録することを特徴とする光記録媒体への情報記録方法によって達成される。
本発明においては、前記第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記光記録媒体に記録された情報の再生に用いるレーザビームの再生パワーよりも高く設定して、前記光記録媒体に情報を記録することが好ましい。
本発明においては、前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記再生パワー以下のレベルに設定して、前記光記録媒体に情報を記録することが、さらに好ましい。
本発明においては、前記第1の記録マークが、前記複数種類の記録マークのうちの最短の長さを有する記録マークであることが、さらに好ましい。
本発明の前記目的はまた、光記録媒体に、互いに長さの異なる複数種類の記録マークを形成することによって、情報を記録する情報記録/再生装置であって、第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記第1の記録マークよりも長さの長い第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーよりも高く設定し、かつ、前記光記録媒体に情報を記録するときのデータ転送レートが高くなるほど、前記第1の記録マークおよび前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの記録パワーを高くするとともに、消去パワーを低く設定して、前記光記録媒体に情報を記録することを特徴とする情報記録/再生装置によって達成される。
本発明の前記他の目的は、少なくとも記録層を有し、前記記録層に、互いに長さの異なる複数種類の記録マークを形成することによって、情報を記録可能な光記録媒体であって、第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記第1の記録マークよりも長さの長い第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーよりも高く設定し、かつ、前記光記録媒体に情報を記録するときのデータ転送レートが高くなるほど、前記第1の記録マークおよび前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの記録パワーを高くするとともに、消去パワーを低く設定して、前記記録層に情報を記録するために必要な記録条件設定情報を有することを特徴とする光記録媒体によって達成される。
本発明によれば、高データ転送レートで情報を記録するのに適した光記録媒体への情報記録方法、情報記録/再生装置および光記録媒体を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる情報記録/再生装置の主要部を概略的に示す図である。
本実施態様にかかる情報記録/再生装置は、図1に示されるように、光記録媒体1を回転させるためのスピンドルモータ2と、光記録媒体1にレーザビームを照射するヘッド3と、スピンドルモータ2及びヘッド3の動作を制御するコントローラ4と、ヘッド3にレーザ駆動信号を供給するレーザ駆動回路5と、ヘッド3にレンズ駆動信号を供給するレンズ駆動回路6とを備えている。
さらに、図1に示されるように、コントローラ4にはフォーカスサーボ追従回路7、トラッキングサーボ追従回路8及びレーザコントロール回路9が含まれている。フォーカスサーボ追従回路7が活性化すると、回転している光記録媒体1の記録面にフォーカスがかかった状態となり、トラッキングサーボ追従回路8が活性化すると、光記録媒体1の偏芯している信号トラックに対して、レーザビームのスポットが自動追従状態となる。フォーカスサーボ追従回路7及びトラッキングサーボ追従回路8には、フォーカスゲインを自動調整するためのオートゲインコントロール機能及びトラッキングゲインを自動調整するためのオートゲインコントロール機能がそれぞれ備えられている。また、レーザコントロール回路9は、レーザ駆動回路5により供給されるレーザ駆動信号を生成する回路であり、データの記録時においては、対象となる光記録媒体に記録されている記録条件設定情報に基づいて適切なレーザ駆動信号の生成を行い、データの再生時においては、対象となる光記録媒体の種類に応じ、レーザビームのパワーがあらかじめ定められたパワーとなるよう、レーザ駆動信号の生成を行う。尚、データの再生時におけるあらかじめ定められたパワーは、各光記録媒体の種類ごとに規格によって定められる。
ここで、記録条件設定情報とは、光記録媒体1に対してデータを記録する場合に必要な各種条件を特定するために用いられる情報をいう。本実施態様においては、記録条件設定情報には、記録時におけるレーザビームのパワー及び以下に詳述する記録ストラテジを決定するために必要な情報が少なくとも含まれている。記録条件設定情報としては、データの記録に必要な各条件を具体的に示すもののみならず、情報記録/再生装置内にあらかじめ格納されている各種条件のいずれかを指定することにより記録条件の特定を行うものも含まれる。
尚、上記フォーカスサーボ追従回路7、トラッキングサーボ追従回路8及びレーザコントロール回路9については、コントローラ4内に組み込まれた回路である必要はなく、コントローラ4と別個の部品であっても構わない。さらに、これらは物理的な回路である必要はなく、コントローラ4内で実行されるソフトウェアであっても構わない。
図2は、本実施態様にかかる情報記録/再生装置に光記録媒体1が挿入されてからスタンバイ状態となるまでに行われる一連の動作を概略的に示すフローチャートである。
図2に示されるように、まず本実施態様にかかる情報記録/再生装置に光記録媒体1が挿入されると(ステップS1)、まずコントローラ4はスピンドルモータ2を駆動して光記録媒体1を回転させるとともに、レーザ駆動回路5によりヘッド3を駆動してレーザビームを光記録媒体1の記録面に照射する(ステップS2)。その後、コントローラ4は、レンズ駆動回路5によりヘッド3をホームポジションに移動させる(ステップS3)。
次に、コントローラ4は、フォーカスサーチを行い、これによりフォーカス位置を決定する(ステップS4)。かかるフォーカスサーチにおいては、レンズ駆動回路6による制御のもと、ヘッド3が光記録媒体1の記録面に対して垂直方向に駆動される。その後、コントローラ4はフォーカスゲインの設定を行う(ステップS5)。
このようにして、フォーカスサーチ(ステップS4)及びフォーカスゲインの設定(ステップS5)が完了すると、コントローラ4は、フォーカスサーボ追従回路7を活性化させる。すなわち、フォーカスをオンさせる(ステップS6)。これにより、回転している光記録媒体1の記録面にフォーカスがかかった状態となる。尚、フォーカスサーボ追従回路7が活性化すると、フォーカスゲインはオートゲインコントロール機能により自動調整される。
次に、コントローラ4は、トラッキングエラー信号振幅の測定を行い(ステップS7)、さらに、トラッキングゲインの設定を行う(ステップS8)。かかるトラッキングゲインの設定(ステップS8)においては、ステップS7において得られたトラッキングエラー信号振幅に基づき、適切なトラッキングゲインが選択され、設定される。
このようにしてトラッキングゲインの設定(ステップS8)が完了すると、コントローラ4は、トラッキングサーボ追従回路8を活性化させる。すなわち、トラッキングをオンさせる(ステップS9)。これにより、偏芯している信号トラックに対して、レーザビームのスポットが自動追従状態となる。トラッキングサーボ追従回路8が活性化すると、トラッキングゲインはオートゲインコントロール機能により自動調整される。
以上のようにして、フォーカスサーボ追従回路7及びトラッキングサーボ追従回路8の活性化が完了すると、コントローラ4は、アドレスの検出やファイル管理情報の読みとり、上述した記録条件設定情報の読みとり等からなる初期設定を実行し(ステップS10)、これが終了するとスタンバイ状態となる(ステップS11)。スタンバイ状態は、ユーザからの指示の待ち受け状態であり、例えば、かかる状態においてユーザより光記録媒体1に対するデータの記録が指示されると、これが開始される。
次に、本実施態様にかかる光記録媒体の構造について説明する。
図3は、本実施態様にかかる光記録媒体1の構造を概略的に示す断面図である。
図3に示されるように、光記録媒体1は、厚さが約1.1mmの基板11と、厚さが約10〜300nmの反射層12と、厚さが約10〜50nmの第2の誘電体層13と、厚さが約5〜30nmの記録層14と、厚さが約30〜300nmの第1の誘電体層15と、厚さが約50〜150μmの光透過層16によって構成される。また、光記録媒体1の中央部分には孔17が設けられている。このような構造を有する光記録媒体に対するデータの記録においては、ヘッド3の一部であり記録用レーザビームを収束するための対物レンズと光記録媒体1の表面との距離(ワーキング・ディスタンス)が非常に狭く(例えば、約80〜150μm)設定され、これにより、従来に比べて極めて小さいビームスポット径が実現されている。このような構造を持つ光記録媒体1は、大容量且つ高データ転送レートを実現可能である。また、光記録媒体1には、上述した記録条件設定情報が記録されている。
光記録媒体1の記録層14は、相変化膜によって構成され、結晶状態である場合の反射率とアモルファス状態である場合の反射率とが異なることを利用してデータの記録が行われる。高データ転送レートでの記録を可能とするためには、より結晶化速度の速い相変化膜によって記録層14を構成する必要がある。
未記録領域における記録層14の状態は結晶状態となっており、このため、その反射率は例えば20%となっている。このような未記録領域に何らかのデータを記録する場合、記録すべきデータにしたがい、記録層14の所定の部分を融点を超える温度に加熱した後、急冷することによってアモルファス状態に変化させる。アモルファス状態となった部分における反射率は例えば7%となり、これにより、所定のデータが記録された状態となる。そして、一旦記録したデータを上書きする場合には、上書きすべきデータが記録されている部分の記録層14を記録すべきデータにしたがい、結晶化温度以上若しくは融点以上の温度に加熱し、結晶状態若しくはアモルファス状態に変化させる。
この場合、記録層14を溶融する際に照射されるレーザビームのパワー(記録パワー)Pwと、記録層14を冷却する際に照射されるレーザビームのパワー(基底パワー)Pbと、記録層14を結晶化する際に照射されるレーザビームのパワー(消去パワー)Peとの関係は、
Pw>Pe>Pb
である。したがって、光記録媒体1にデータを記録する場合、コントローラ4は光記録媒体1より読み出された記録条件設定情報に基づき、レーザコントロール回路9を介して、レーザビームのパワーがPw、PeまたはPbとなるようレーザ駆動回路5を制御し、これに基づいて、レーザ駆動回路5はレーザ駆動信号のパワーを制御する。
本実施態様においては、再結晶化を抑制すべく、記録時におけるレーザビームの記録パワーPwが高く設定されるとともに、消去パワーPeが低く設定される。記録パワーPw及び消去パワーPeの実際の値については、主に記録層14を構成する相変化膜の結晶化速度に基づいて定めればよく、例えば、70Mbps以上のデータ転送レート(フォーマット効率=80%)を実現するために、結晶化速度の速い相変化膜が用いられている場合には、記録パワーPwと消去パワーPeとの比(Pe/Pw)を0.5以下に設定することが好ましく、140Mbps以上のデータ転送レート(フォーマット効率=80%)を実現するために、結晶化速度のより速い相変化膜が用いられている場合には、記録パワーPwと消去パワーPeとの比(Pe/Pw)を0.3以下に設定することが好ましい。一例として、フォーマット効率を80%としたデータ転送レートとして約140Mbpsを実現する場合、記録パワーPw及び消去パワーPeとしては、それぞれ9.0mW及び2.6mWに設定すればよく、この場合、記録パワーPwと消去パワーPeとの比(Pe/Pw)は、約0.29となる。
一方、光記録媒体1に記録されたデータを再生する場合、コントローラ4は光記録媒体1の種類に基づき、レーザコントロール回路9を介して、レーザビームのパワーがPrとなるようレーザ駆動回路5を制御し、これに基づいて、レーザ駆動回路5はレーザ駆動信号のパワーを制御する。ここで、再生時におけるレーザビームのパワーPrは、光記録媒体1の記録層14が結晶化温度に達しないよう十分低い値に抑えられ、記録時におけるレーザビームとの関係では、
Pb>Pr
となるように設定される。一例として、記録時におけるレーザビームの基底パワーPb及び再生パワーPrは、それぞれ0.5mW及び0.3mWに設定される。
このように、本実施態様においては、記録時におけるレーザビームの基底パワーPbが、再生パワーPrよりも高く設定される。このため、光記録媒体1の記録層14は、レーザビームが規定パワーPbに設定されている期間においても、データの再生時より大きな熱量を受けることになる。
次に、本実施態様にかかる情報記録方法において用いられる変調方式について説明する。
本実施態様にかかる情報記録方法においては、(1,7)RLLの変調方式を用いることが可能である。但し、本発明による情報記録方法において適用可能な変調方式が、これに限定されるものではなく、他の変調方式を用いることも可能であることは言うまでもない。尚、本明細書においては、記録マークを形成するためのレーザビームの照射方法、すなわち記録時におけるレーザビームのパルス数、各パルスのパルス幅、パルス間隔、パルスのパワー等の設定を「記録ストラテジ」と呼ぶことがある。
また、光記録媒体1に格納されている記録条件設定情報には、どのような記録ストラテジによってデータを記録すべきかを決定するための内容が含まれており、図1に示した情報記録/再生装置は、かかる決定に基づき以下に詳述する記録ストラテジによるデータの記録を行う。
次に、(1,7)RLLの変調方式を用いた場合における記録ストラテジの一例について説明する。
図4は、2Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
図4に示されるように、2Tに対応する長さの記録マークを形成する場合、記録用レーザビームのパルス数は「1」に設定される。ここで、記録用レーザビームのパルス数とは、記録用レーザビームのパワーがPwまで高められた回数によって定義される。より詳細には、記録用レーザビームが記録マークの始点に位置するタイミングを時刻tsとし、記録用レーザビームが記録マークの終点に位置するタイミングを時刻teとした場合、時刻tsから時刻teまでの間に、記録用レーザビームのパワーが一旦Pwとされ、次に、パワーPbとされる。ここで、時刻ts以前における記録用レーザビームのパワーはPeに設定されており、時刻tsにおいて記録用レーザビームの立ち上げが開始される。また、時刻teにおける記録用レーザビームのパワーはPeまたはPbに設定される。
ここで、図4に示す時刻t21から時刻t22までの期間をTtop(2T)と定義し、時刻t22から時刻t23までの期間をTcl(2T)と定義した場合、Ttop(2T)は約0.6Tに設定され、Tcl(2T)は約0.7Tに設定される。図4に示されるように、時刻t21とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時刻t22とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を下回ったタイミングであり、時刻t23とは記録用レーザビームのパワーが(Pe+Pb)/2を超えたタイミングである。
Ttop(2T)の期間(加熱期間)においては、光記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度が融点を超え、Tcl(2T)の期間(冷却期間)においては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却される。これにより、光記録媒体1の記録層14には、2Tに対応する長さの記録マークが形成される。
図5は、3Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
図5に示されるように、3Tに対応する長さの記録マークを形成する場合も、記録用レーザビームのパルス数は「1」に設定される。より詳細には、時刻tsから時刻teまでの間に、記録用レーザビームのパワーが一旦Pwとされ、次に、パワーPbとされる。ここで、時刻ts以前における記録用レーザビームのパワーはPeに設定されており、時刻tsにおいて記録用レーザビームの立ち上げが開始される。また、時刻teにおける記録用レーザビームのパワーはPeまたはPbに設定される。
ここで、図5に示す時刻t31から時刻t32までの期間をTtop(3T)と定義し、時刻t32から時刻t33までの期間をTcl(3T)と定義した場合、Ttop(3T)は約1.3Tに設定され、Tcl(3T)は約0.7Tに設定される。図5に示されるように、時刻t31とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時刻t32とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を下回ったタイミングであり、時刻t33とは記録用レーザビームのパワーが(Pe+Pb)/2を超えたタイミングである。
Ttop(3T)の期間(加熱期間)においては、光記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度が融点を超え、Tcl(3T)の期間(冷却期間)においては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却される。これにより、光記録媒体1の記録層14には、3Tに対応する長さの記録マークが形成される。
図6は、4Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
図6に示されるように、4Tに対応する長さの記録マークを形成する場合、記録用レーザビームのパルス数は「2」に設定される。より詳細には、時刻tsから時刻teまでの間に、記録用レーザビームのパワーが一旦Pwとされ、次に、パワーPbとされる組み合わせからなるセットが2回繰り返される。ここで、時刻ts以前における記録用レーザビームのパワーはPeに設定されており、時刻tsにおいて記録用レーザビームの立ち上げが開始される。また、時刻teにおける記録用レーザビームのパワーはPeまたはPbに設定される。
ここで、図6に示す時刻t41から時刻t42までの期間をTtop(4T)と定義し、時刻t42から時刻t43までの期間をToff(4T)と定義し、時刻t43から時刻t44までの期間をTlast(4T)と定義し、時刻t44から時刻t45までの期間をTcl(4T)と定義した場合、Ttop(4T)は約1.0Tに設定され、Toff(4T)は約1.0Tに設定され、Tlast(4T)は約0.7Tに設定され、Tcl(4T)は約0.7Tに設定される。図6に示されるように、時刻t41とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時刻t42及び時刻t44とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を下回ったタイミングであり、時刻t43とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を超えたタイミングであり、時刻t45とは記録用レーザビームのパワーが(Pe+Pb)/2を超えたタイミングである。
Ttop(4T)、Toff(4T)及びTlast(4T)の期間(加熱期間)においては、光記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度が融点を超え、Tcl(4T)の期間(冷却期間)においては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却される。これにより、光記録媒体1の記録層14には、4Tに対応する長さの記録マークが形成される。
図7は、5Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
図7に示されるように、5Tに対応する長さの記録マークを形成する場合も、記録用レーザビームのパルス数は「2」に設定される。より詳細には、時刻tsから時刻teまでの間に、記録用レーザビームのパワーが一旦Pwとされ、次に、パワーPbとされる組み合わせからなるセットが2回繰り返される。ここで、時刻ts以前における記録用レーザビームのパワーはPeに設定されており、時刻tsにおいて記録用レーザビームの立ち上げが開始される。また、時刻teにおける記録用レーザビームのパワーはPeまたはPbに設定される。
ここで、図7に示す時刻t51から時刻t52までの期間をTtop(5T)と定義し、時刻t52から時刻t53までの期間をToff(5T)と定義し、時刻t53から時刻t54までの期間をTlast(5T)と定義し、時刻t54から時刻t55までの期間をTcl(5T)と定義した場合、Ttop(5T)は約1.0Tに設定され、Toff(5T)は約1.0Tに設定され、Tlast(5T)は約1.3Tに設定され、Tcl(5T)は約0.7Tに設定される。図7に示されるように、時刻t51とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時刻t52及び時刻t54とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を下回ったタイミングであり、時刻t53とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を超えたタイミングであり、時刻t55とは記録用レーザビームのパワーが(Pe+Pb)/2を超えたタイミングである。
Ttop(5T)、Toff(5T)及びTlast(5T)の期間(加熱期間)においては、光記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度が融点を超え、Tcl(5T)の期間(冷却期間)においては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却される。これにより、光記録媒体1の記録層14には、5Tに対応する長さの記録マークが形成される。
図8は、6Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
図8に示されるように、6Tに対応する長さの記録マークを形成する場合、記録用レーザビームのパルス数は「3」に設定される。より詳細には、時刻tsから時刻teまでの間に、記録用レーザビームのパワーが一旦Pwとされ、次に、パワーPbとされる組み合わせからなるセットが3回繰り返される。ここで、時刻ts以前における記録用レーザビームのパワーはPeに設定されており、時刻tsにおいて記録用レーザビームの立ち上げが開始される。また、時刻teにおける記録用レーザビームのパワーはPeまたはPbに設定される。
ここで、図8に示す時刻t61から時刻t62までの期間をTtop(6T)と定義し、時刻t62から時刻t63までの期間をToff(6T−1)と定義し、時刻t63から時刻t64までの期間をTmp(6T)と定義し、時刻t64から時刻t65までの期間をToff(6T−2)と定義し、時刻t65から時刻t66までの期間をTlast(6T)と定義し、時刻t66から時刻t67までの期間をTcl(6T)と定義した場合、Ttop(6T)は約1.0Tに設定され、Toff(6T−1)は約1.0Tに設定され、Tmp(6T)は約1.0Tに設定され、Toff(6T−2)は約1.0Tに設定され、Tlast(6T)は約0.7Tに設定され、Tcl(6T)は約0.7Tに設定される。図8に示されるように、時刻t61とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時刻t62、時刻t64及び時刻t66とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を下回ったタイミングであり、時刻t63及び時刻t65とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を超えたタイミングであり、時刻t67とは記録用レーザビームのパワーが(Pe+Pb)/2を超えたタイミングである。
Ttop(6T)、Toff(6T−1)、Tmp(6T)、Toff(6T−2)及びTlast(6T)の期間(加熱期間)においては、光記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度が融点を超え、Tcl(6T)の期間(冷却期間)においては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却される。これにより、光記録媒体1の記録層14には、6Tに対応する長さの記録マークが形成される。
図9は、7Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
図9に示されるように、7Tに対応する長さの記録マークを形成する場合も、記録用レーザビームのパルス数は「3」に設定される。より詳細には、時刻tsから時刻teまでの間に、記録用レーザビームのパワーが一旦Pwとされ、次に、パワーPbとされる組み合わせからなるセットが3回繰り返される。ここで、時刻ts以前における記録用レーザビームのパワーはPeに設定されており、時刻tsにおいて記録用レーザビームの立ち上げが開始される。また、時刻teにおける記録用レーザビームのパワーはPeまたはPbに設定される。
ここで、図9に示す時刻t71から時刻t72までの期間をTtop(7T)と定義し、時刻t72から時刻t73までの期間をToff(7T−1)と定義し、時刻t73から時刻t74までの期間をTmp(7T)と定義し、時刻t74から時刻t75までの期間をToff(7T−2)と定義し、時刻t75から時刻t76までの期間をTlast(7T)と定義し、時刻t76から時刻t77までの期間をTcl(7T)と定義した場合、Ttop(7T)は約1.0Tに設定され、Toff(7T−1)は約1.0Tに設定され、Tmp(7T)は約1.0Tに設定され、Toff(7T−2)は約1.0Tに設定され、Tlast(7T)は約1.3Tに設定され、Tcl(7T)は約0.7Tに設定される。図9に示されるように、時刻t71とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時刻t72、時刻t74及び時刻t76とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を下回ったタイミングであり、時刻t73及び時刻t75とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を超えたタイミングであり、時刻t77とは記録用レーザビームのパワーが(Pe+Pb)/2を超えたタイミングである。
Ttop(7T)、Toff(7T−1)、Tmp(7T)、Toff(7T−2)及びTlast(7T)の期間(加熱期間)においては、光記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度が融点を超え、Tcl(7T)の期間(冷却期間)においては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却される。これにより、光記録媒体1の記録層14には、7Tに対応する長さの記録マークが形成される。
図10は、8Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
図10に示されるように、8Tに対応する長さの記録マークを形成する場合、記録用レーザビームのパルス数は「4」に設定される。より詳細には、時刻tsから時刻teまでの間に、記録用レーザビームのパワーが一旦Pwとされ、次に、パワーPbとされる組み合わせからなるセットが4回繰り返される。ここで、時刻ts以前における記録用レーザビームのパワーはPeに設定されており、時刻tsにおいて記録用レーザビームの立ち上げが開始される。また、時刻teにおける記録用レーザビームのパワーはPeまたはPbに設定される。
ここで、図10に示す時刻t81から時刻t82までの期間をTtop(8T)と定義し、時刻t82から時刻t83までの期間をToff(8T−1)と定義し、時刻t83から時刻t84までの期間をTmp(8T−1)と定義し、時刻t84から時刻t85までの期間をToff(8T−2)と定義し、時刻t85から時刻t86までの期間をTmp(8T−2)と定義し、時刻t86から時刻t87までの期間をToff(8T−3)と定義し、時刻t87から時刻t88までの期間をTlast(8T)と定義し、時刻t88から時刻t89までの期間をTcl(8T)と定義した場合、Ttop(8T)は約1.0Tに設定され、Toff(8T−1)は約1.0Tに設定され、Tmp(8T−1)は約1.0Tに設定され、Toff(8T−2)は約1.0Tに設定され、Tmp(8T−2)は約1.0Tに設定され、Toff(8T−3)は約1.0Tに設定され、Tlast(8T)は約0.7Tに設定され、Tcl(8T)は約0.7Tに設定される。図10に示されるように、時刻t81とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時刻t82、時刻t84、時刻t86及び時刻t88とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を下回ったタイミングであり、時刻t83、時刻t85及び時刻t87とは記録用レーザビームのパワーが(Pw+Pb)/2を超えたタイミングであり、時刻t89とは記録用レーザビームのパワーが(Pe+Pb)/2を超えたタイミングである。
Ttop(8T)、Toff(8T−1)、Tmp(8T−1)、Toff(8T−2)、Tmp(8T−2)、Toff(8T−3)及びTlast(8T)の期間(加熱期間)においては、光記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度が融点を超え、Tcl(8T)の期間(冷却期間)においては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却される。これにより、光記録媒体1の記録層14には、8Tに対応する長さの記録マークが形成される。
上述の通り、高いデータ転送レートを実現するために結晶化速度の速い相変化膜を用いると再結晶化が起こりやすくなるが、これを防止するためには、記録パワーPwを高く消去パワーPeを低く設定することにより、記録パワーPwと消去パワーPeとの比(Pe/Pw)を小さく設定することが有効である。具体的には、フォーマット効率を80%とした場合のデータ転送レートとして70Mbps以上を実現するためには、記録パワーPwと消去パワーPeとの比(Pe/Pw)を0.5以下に設定することが好ましく、フォーマット効率を80%とした場合のデータ転送レートとして140Mbps以上を実現する場合、記録パワーPwと消去パワーPeとの比(Pe/Pw)を0.3以下に設定することが好ましい。この場合、消去パワーPeが小さいことから、消去がされにくい状態となっているが、本実施態様においては、基底パワーPbが再生パワーPrよりも高く設定されているため、Tclの期間における過度の冷却が抑制される。その結果、基底パワーPbによって消去がアシストされ、消去不足が解消される。このため、データ転送レートを高く設定して記録を行う場合においても、十分な消去率を確保することが可能となる。
ここで、「消去率」とは、所定の記録マークの連続によって構成される単一信号を記録した後、この単一信号上に上記記録マークとは異なる記録マークの連続によって構成される他の単一信号を1回上書きした場合の先に記録した単一信号のキャリアの減少分によって定義され、これが低いと、ジッタが高くなってしまう。良好なオーバーライトを実現するためには、30dB以上の消去率が必要であるが、本実施態様によれば、基底パワーPbが再生パワーPrよりも高く設定されていることから30dB以上の高い消去率を確保することが可能となる。
尚、基底パワーPbを高く設定しすぎると、十分な冷却効果が得られなくなり、再結晶化が発生してしまうことから、上述の通り、基底パワーPbは、消去パワーPeよりも低く設定することが好ましい。
まず、図3に示した構造を有し、基板11の厚みが1.1mmであり、反射層12の厚みが100nmであり、第2の誘電体層13の厚みが20nmであり、記録層14の厚みが12nmであり、第1の誘電体層15の厚みが35nmであり、光透過層16の厚みが100μmである光記録媒体1を用意した。
このような光記録媒体1に対し、表1に示す条件のもと、7Tに対応する長さの記録マークのみからなる単一信号を形成した。記録ストラテジは上述した記録ストラテジを用いた。
Figure 0003868459
ここで、レーザビームの記録パワー(Pw)、消去パワー(Pe)及び基底パワー(Pb)は、表2に示す値に設定した。このような光記録媒体1に対するデータの再生においては、一般にレーザビームの再生パワーPrが約0.3mWに設定されることから、本実施例においては、Pb>Prである。
Figure 0003868459
次に、表1及び表2に示す条件によって、かかる7Tの単一信号上に2T、3T、4T、5T、6T及び8Tに対応する長さの記録マークからなる単一信号をそれぞれ上書きし、その消去率を測定した。記録ストラテジは、いずれも上述した記録ストラテジを用いた。測定の結果を表3に示す。
Figure 0003868459
表3に示すように、いずれの単一信号で上書きした場合においても、30dB以上の消去率が得られていることが分かる。
次に、比較例として、表1に示す条件のもと、レーザビームの記録パワー(Pw)、消去パワー(Pe)及び基底パワー(Pb)を表4に示す値に設定して、上記7Tの単一信号上に2T、3T、4T、5T、6T及び8Tに対応する長さの記録マークからなる単一信号をそれぞれ上書きし、その消去率を測定した。
Figure 0003868459
上述の通り、このような光記録媒体1に対するデータの再生においては、一般にレーザビームの再生パワーPrが約0.3mWに設定されることから、本比較例においては、Pb<Prである。測定の結果を表5に示す。
Figure 0003868459
表5に示すように、最短記録マークである2Tに対応する長さの記録マークを上書きした場合において、消去率が低下している。これは、Ttop(2T)が非常に短いことから、Tcl(2T)の期間の途中において光記録媒体1の記録層14が既に十分冷却されているためであると考えられる。すなわち、Tcl(2T)の期間の途中において光記録媒体1の記録層14が十分に冷却されると、その後記録用レーザビームのパワーがPeとなるまでの期間において、古い記録マークが消去されず、これにより消去率の低下が生じるものと考えられる。
このように、本実施態様においては、記録時におけるレーザビームの基底パワーPbを再生パワーPrよりも高く設定していることから、高データ転送レートを実現するために結晶化速度の速い相変化膜によって記録層14を構成し、これに応答してレーザビームの記録パワーPwと消去パワーPeとの比(Pe/Pw)を小さく設定した場合であっても、記録マークの上書きに際して、良好な消去特性を得ることが可能となる。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施態様においては、全ての記録マークの形成において、レーザビームの基底パワーPbを再生パワーPrよりも高く設定しているが、一部の記録マークの形成においてのみ、レーザビームの基底パワーPbを再生パワーPrよりも高く設定しても構わない。この場合、上記比較例から明らかなように、長さの短い記録マークほど消去率の低下が顕著となるため、長さの短い記録マークの形成において、レーザビームの基底パワーPbを再生パワーPrよりも高く設定することが好ましい。例えば、2Tに対応する長さの記録マークの形成においてはPb>Prに設定し、3T〜8Tに対応する長さの記録マークの形成においてはPb≦Prに設定しても構わない。
また、上記実施態様においては、2T、3T、4T、5T、6T、7T及び8Tに対応する長さの記録マークを形成する場合、記録用レーザビームのパルス数をそれぞれ1、1、2、2、3、3及び4に設定しているが、本発明における記録ストラテジがこれに限定されることはなく、これとは異なる記録ストラテジを採用しても構わない。
また、上記実施態様による光記録媒体への情報記録方法の適用が好適な光記録媒体として、図3に示される光記録媒体1を挙げたが、本発明による情報記録方法の適用がこのような光記録媒体に制限されることはなく、情報の記録が可能な光記録媒体であれば、どのような光記録媒体に対しても適用可能である。
本発明の好ましい実施態様にかかる情報記録/再生装置の主要部を概略的に示す図である。 本発明の好ましい実施態様にかかる情報記録/再生装置に光記録媒体1が挿入されてからスタンバイ状態となるまでに行われる一連の動作を概略的に示すフローチャートである。 本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体1の構造を概略的に示す断面図である。 2Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。 3Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。 4Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。 5Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。 6Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。 7Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。 8Tに対応する長さの記録マークを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
符号の説明
1 光記録媒体
2 スピンドルモータ
3 ヘッド
4 コントローラ
5 レーザ駆動回路
6 レンズ駆動回路
7 フォーカスサーボ追従回路
8 トラッキングサーボ追従回路
9 レーザコントロール回路
11 基板
12 反射層
13 第2の誘電体層
14 記録層
15 第1の誘電体層
16 光透過層
17 孔

Claims (12)

  1. 光記録媒体に、互いに長さの異なる複数種類の記録マークを形成することによって、情報を記録する光記録媒体への情報記録方法であって、第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記第1の記録マークよりも長さの長い第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーよりも高く設定し、かつ、前記光記録媒体に情報を記録するときのデータ転送レートが高くなるほど、前記第1の記録マークおよび前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの記録パワーを高くするとともに、消去パワーを低く設定して、前記光記録媒体に情報を記録することを特徴とする光記録媒体への情報記録方法。
  2. 前記第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記光記録媒体に記録された情報の再生に用いるレーザビームの再生パワーよりも高く設定して、前記光記録媒体に情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体への情報記録方法。
  3. 前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記再生パワー以下のレベルに設定して、前記光記録媒体に情報を記録することを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体への情報記録方法。
  4. 前記第1の記録マークが、前記複数種類の記録マークのうちの最短の長さを有する記録マークであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光記録媒体への情報記録方法。
  5. 光記録媒体に、互いに長さの異なる複数種類の記録マークを形成することによって、情報を記録する情報記録/再生装置であって、第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記第1の記録マークよりも長さの長い第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーよりも高く設定し、かつ、前記光記録媒体に情報を記録するときのデータ転送レートが高くなるほど、前記第1の記録マークおよび前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの記録パワーを高くするとともに、消去パワーを低く設定して、前記光記録媒体に情報を記録することを特徴とする情報記録/再生装置。
  6. 前記第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記光記録媒体に記録された情報の再生に用いるレーザビームの再生パワーよりも高く設定して、前記光記録媒体に情報を記録することを特徴とする請求項5に記載の情報記録/再生装置。
  7. 前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記再生パワー以下のレベルに設定して、前記光記録媒体に情報を記録することを特徴とする請求項6に記載の情報記録/再生装置。
  8. 前記第1の記録マークが、前記複数種類の記録マークのうちの最短の長さを有する記録マークであることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に情報記録/再生装置。
  9. 少なくとも記録層を有し、前記記録層に、互いに長さの異なる複数種類の記録マークを形成することによって、情報を記録可能な光記録媒体であって、第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記第1の記録マークよりも長さの長い第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーよりも高く設定し、かつ、前記光記録媒体に情報を記録するときのデータ転送レートが高くなるほど、前記第1の記録マークおよび前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの記録パワーを高くするとともに、消去パワーを低く設定して、前記記録層に情報を記録するために必要な記録条件設定情報を有することを特徴とする光記録媒体。
  10. 前記記録条件設定情報が、前記第1の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記記録層に記録された情報の再生に用いるレーザビームの再生パワーよりも高く設定して、前記記録層に情報を記録するために必要な情報を含んでいることを特徴とする請求項9に記載の光記録媒体。
  11. 前記記録条件設定情報が、前記第2の記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを、前記再生パワー以下のレベルに設定して、前記記録層に情報を記録するために必要な情報を含んでいることを特徴とする請求項10に記載の光記録媒体。
  12. 前記第1の記録マークが、前記複数種類の記録マークのうちの最短の長さを有する記録マークであることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に光記録媒体。
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