JP3868167B2 - ハイブリッド触媒燃焼装置及びガスファンヒータ - Google Patents

ハイブリッド触媒燃焼装置及びガスファンヒータ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼用の空気ファン、燃料ガス比例制御弁、燃料ガス・空気混合部、混合気の予熱のための熱交換部、燃焼触媒部、気相燃焼部、前記燃焼触媒部に設置された温度センサ、前記気相燃焼部に設置されたイグナイタから構成され、前記燃焼触媒部において燃料ガスの一部を接触酸化燃焼させ、前記気相燃焼部において燃料ガスの残部を燃焼させるハイブリッド触媒燃焼方式の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用室内開放型温風暖房機、コージェネレーション、発電用ガスタービン燃焼機等、高空気比で作動される機器にあたっては、高空気比における燃焼安定性の向上によって、大幅な低NOx化が図られる可能性がある。一方、これらの機器にあたって、一層の低NOx化の要望があるものもある。中でも、家庭用室内開放型温風暖房機は生活空間に直接排気を放出しているので、NOx1ppm(酸素0%)以下の極限までの低NOx化が望まれている。
燃焼流路内に、燃焼触媒を充填した燃焼触媒部と、それに続く気相燃焼部とを設け、断熱理論燃焼温度1500℃以下(空気比約1.6以上)の燃料と空気の混合気を、燃焼触媒層で部分的に接触酸化燃焼し、その後流で気相酸化を誘発して完全燃焼させる方式(ハイブリッド触媒燃焼方式と称される。)が、超低NOx達成の手段として提案されている(特公表平6−506290号)。
【0003】
このようなハイブリッド触媒燃焼方式を家庭用ファンヒータに応用するものとして、すでに下記のものが公知となっている。
【0004】
(1)特開平10−169914号公報
灯油用ファンヒータへの応用に関する。燃焼熱から燃料と空気との混合気へ熱再生する構成を含む燃焼機全体の構造が開示されている。実施例において、燃焼開始制御については、空気比1に近い混合気を燃焼触媒部を出た気相燃焼部で着火させた後、触媒酸化の開始と共に燃料流量を減少して、空気比約2のハイブリッド触媒燃焼に移行させるとしている。
【0005】
(2)特開平10−169927号公報
灯油用ファンヒータへの応用に関する。燃焼触媒内部の上方に設置された温度センサの検知温度に応じて空気比を制御し、燃焼触媒温度を一定値に制御する構成が開示されている。空気比制御は燃焼空気量に対する燃料の供給量を制御するとしており、暖房用としての燃焼量可変は燃焼空気量変化と連動させるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公知例(1)(2)の制御方法をガス燃料へ適用する場合、次のような問題点がある。
燃焼開始時に、空気量を一定にして、当初、空気比1程度で火炎燃焼し、燃焼触媒を予熱して触媒酸化が開始されると共に、燃料流量を減じていき、最終ハイブリッド触媒燃焼の定常状態に到達するまで燃料流量は約1/2まで減少される。この方法では、急速暖房が必要である燃焼開始時に燃料量が減少するので、ファンヒータ制御として好ましくない。
さらに、燃料量変化に対して、燃焼触媒を一低温度に制御しているが、酸化反応性の低いメタンを主成分とする都市ガスを利用する燃焼器において、燃焼量が小さい場合は、発熱量に対して放熱割合が大きくなるので完全酸化が達成し難く、また、燃焼量が大きい場合は、系全体が高温化されるのでNOxの発生が多くなり、燃焼量変化に対して安定な燃焼性能と低NOx化の両立が困難である。
【0007】
よって、本願の目的は、特に触媒酸化が最も困難であるメタンを主成分とする都市ガスを燃料とするファンヒータ用に適用できるハイブリッド触媒燃焼装置において、ガスファンヒータの急速暖房機能を保持しながら、ハイブリッド触媒燃焼への移行をできるだけスムースに行い、その間に発生するNOx、未燃炭化水素、COの発生を極力抑制することができ、さらに、触媒の高温化を防止し、触媒の耐久性の向上を図ることができる燃焼制御技術を確立し、また、暖房負荷に応じて、燃料量を可変とした状態でも、簡易な方法で燃焼安定を図ることができる燃焼制御技術を確立することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明による燃焼用の空気ファン、燃料ガス比例制御弁、燃料ガス・空気混合部、混合気の予熱のための熱交換部、燃焼触媒部、気相燃焼部、前記燃焼触媒部に設置された温度センサ、前記気相燃焼部に設置されたイグナイタから構成され、前記燃焼触媒部において燃料ガスの一部を接触酸化燃焼させ、前記気相燃焼部において燃料ガスの残部を燃焼させるハイブリッド触媒燃焼装置の特徴構成は、請求項1に記載されているように、燃焼開始にあたって、前記イグナイタを働かせながら、気相着火可能な空気比の混合気が得られるように前記燃料ガス比例制御弁と前記空気ファンに初期動力を与えて、前記気相燃焼部にて前記混合気を着火させ、
前記着火後に、前記温度センサの目標出力値を2段階で与え、各段階で異なる前記空気ファンの動力と前記温度センサの出力値の関数関係により前記空気ファンの動力を上昇していき、定常燃焼に至らしめる点にある。
【0009】
また、このようなハイブリッド触媒燃焼装置において、請求項2に記載されているように、前記温度センサの出力値が第2段目の目標出力値に到達した後は、前記温度センサの出力値が前記空気ファンの動力のフィードバック制御によって維持されることが好ましい。
【0010】
また、このようなハイブリッド触媒燃焼装置において、請求項3に記載されているように、前記温度センサの2段階の目標出力値のうち第1段目の目標出力値は触媒酸化が開始される温度の出力値に対応するものであり、第2段目の目標出力値は定常燃焼時にフィードバック制御される温度の出力値に対応するものであることが好ましい。
【0011】
また、このようなハイブリッド触媒燃焼装置において、請求項4に記載されているように、前記定常燃焼時において、フィードバック制御される温度の出力値は、燃焼量設定値に対応した所定の値であることが好ましい。
【0012】
また、このようなハイブリッド触媒燃焼装置において、請求項5に記載されているように、前記定常燃焼時にフィードバック制御される温度出力が所定の値以上に低下、若しくは上昇した場合、燃焼不良として燃焼を停止することが好ましい。
【0013】
また、このようなハイブリッド触媒燃焼装置において、請求項6に記載されているように、前記温度センサの2段階の前記空気ファンの動力と前記温度センサの出力値の関数関係は、線形式であることができる。
【0014】
通常のハイブリッド燃焼装置は、燃料ガスと燃焼用空気の混合気を熱交換器において気相燃焼部等の熱を利用して予熱し、予熱された混合気中の燃料ガスの一部を燃焼触媒部によって接触酸化燃焼させ、さらに燃焼触媒部の後流側の気相燃焼部における気相酸化を誘発して、残部を燃焼させるように構成されており、高空気比の燃焼が可能であるために、超低NOxを実現することができる。
しかし、燃焼触媒部において、燃料ガスを接触酸化(触媒燃焼)させる為には、燃焼触媒が所定の温度以上に加熱されている必要があり、運転開始時において早く燃焼触媒部を加熱し、この触媒燃焼を開始することが重要である。
【0015】
そこで、本発明のハイブリッド触媒燃焼装置は、上記のように、燃焼開始にあたって気相燃焼部において気相着火可能な空気比の混合気を着火させる。この気相着火可能な空気比の混合気は、空気ファンの動力及び燃料ガス比例制御弁を設定して、燃料ガス・空気混合部に供給される燃焼用空気及び燃料ガスのそれぞれの供給量の比を、上記の気相着火可能な混合比に設定することで得られ、天然ガス系都市ガスを燃料ガスとして利用する場合、上記の気相着火可能な空気比とは、1.2〜1.5程度である。
また、このような着火運転後、燃焼触媒部において触媒燃焼が開始されるまでは、気相燃焼部のみの燃焼となり、空気比を急激に大きく設定することができない。また、触媒燃焼が開始されてからは、空気比をある程度大きく上昇させることができる。よって、本願においては、温度センサの目標出力値を2段階に与え、燃料ガスの供給量は一定に保ったまま、燃焼触媒部の内部若しくは出口部に設置された温度センサの出力値に基づいて空気ファンの動力を上昇させるように構成されている。
【0016】
即ち、この温度センサの出力値が、燃焼触媒部における接触酸化が開始される第1段の目標出力値になるまでの運転において、熱交換器による混合気の予熱は徐々に進行し、予熱された混合気が流通する燃焼触媒部の温度を上昇させることができる。さらに、予め記憶している空気ファンの動力と温度センサの出力値の第1の関数関係に基づいて、空気ファンの動力を、例えば温度センサの出力値に対して線形的に、徐々に上昇させ、気相燃焼部において安定した燃焼状態が得られる状態を保ちながら、混合気の空気比を上昇させることができ、NOxの発生を抑制しながら燃焼触媒部の加熱ができる。
【0017】
また、温度センサの出力値が第1段目以上となり、定常燃焼の設定値である第2段目の目標出力値になるまでの運転において、燃焼触媒部は触媒燃焼が可能な温度以上に加熱されて、燃焼触媒部における燃料ガスの一部の接触酸化(触媒燃焼)が開始される。よって、温度センサの出力値は、上記の第1段目までの運転よりも急激に上昇し、さらに燃焼触媒部の触媒燃焼が進行するに連れて混合気の予熱が進行するので、混合気の空気比を上記の第1段目までの運転よりも一層上昇させるべく、上記の空気ファンの動力と温度センサの出力値の第1の関数関係よりも空気ファン動力の上昇率が大きい第2の関数関係に基づいて、温度センサの出力値に対して例えば線形的に空気ファンの動力を上昇させて、定常燃焼における所定の空気比のとなるまで、燃焼用空気の供給量を急激に上昇させることができ、一層の低NOx化を図りながら早期に定常燃焼に至らしめることができる。
このように構成することで、空気ファンの動力を上昇させてスムースに定常燃焼に至らしめることができるので、燃焼触媒部の過剰加熱を防止しながらNOxの発生を抑制することができ、さらに、混合気及び燃焼触媒部をスムースに加熱することができるので、未燃炭化水素、COの排出を極力抑制することができるハイブリッド触媒燃焼装置を構成することができる。
【0018】
また、温度センサの出力値が定常燃焼の設定値である第2段目の目標出力値となると、空気ファンの動力は、温度センサの出力値に基づくフィードバック制御に切り換えられ、燃焼触媒部の温度が所定の温度となるように空気ファンが制御され、定常燃焼が行われるが、この定常燃焼時において、燃焼触媒部の温度が高すぎると、燃焼触媒部の上流側にて火炎が発生する逆火や、NOxの増加の可能性があり、さらに低すぎると不完全燃焼の可能性がある。また、このような燃焼触媒部の好ましい温度は、燃料ガスの供給量、所謂燃料ガス比例弁の制御動力に対応した所定の値であり、本発明においては、空気ファンを制御して、燃焼触媒部の温度を、燃料ガス比例弁の制御動力に応じて好ましい値に維持しながら定常燃焼を行うことができる。
【0019】
また、このような定常燃焼時において温度センサの出力値が、上記の好ましい温度よりも例えば±20℃以上と所定の値以上変化した場合は、上記のように逆火、NOx増加、不完全燃焼の虞があるため、燃焼不良として運転を停止するインターロックを構成することができ、より確実な安全燃焼制御を行うハイブリッド触媒燃焼装置を構成することができる。
【0020】
また、本発明に係るガスファンヒータの特徴構成は、請求項7に記載されているように、前記請求項1から6の何れか1項に記載のハイブリッド触媒燃焼装置を備え、前記ハイブリッド燃焼装置から排出される排ガスを、暖房用温風として排出する点にある。
【0021】
これまで説明した本発明に係るハイブリッド触媒燃焼装置は、NOx発生、不完全燃焼を最小限に抑制しながらスムースに定常燃焼に至らしめ、さらに、定常燃焼においても高空気比の燃焼を実現して超低NOxであるために、室内空間へ直接排ガスを暖房用温風として排出するガスファンヒータに利用することが効果的である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本願の実施の形態として、メタンを主成分とし発熱量11000kcal/m3(Normal) の市中供給の天然ガス系都市ガスを燃料ガスとして用いた温風暖房機への応用を意図した、本発明に係るハイブリッド触媒燃焼装置50を備えたガスファンヒータ100の概要を図1〜4に基づいて説明する。図1は本発明に係るガスファンヒータの全体概略図、図2は図1に示すガスファンヒータ100に備えられたハイブリッド触媒燃焼装置50の斜視図、図3は図2のハイブリッド触媒燃焼装置50の混合気を予熱する熱交換部18の平面断面図、図4は図2のハイブリッド燃焼装置50の燃焼部の平面断面図である。
【0023】
図1、2、3を参照して、本発明に係るハイブリッド触媒燃焼装置50においては、燃焼用空気を空気ファン1を介して混合部4に供給し、燃料ガスを燃料遮断弁3及び比例制御弁2を介して混合部4に供給して空気と混合し、混合気を予熱するための熱交換部18へ導入するように構成されている。燃料導入管17の先端は混合部4において燃料と空気の混合が充分に行われるように分散ノズルが取り付けられている(図示せず)。熱交換部18では燃焼ガスで加熱された天板からの熱が伝導により混合気へ伝達されるように形成されている。このための種々の構造が考えられるがここでは、天板に溶接され下方側へ延びて千鳥状に取り付けられた直径4mmのSUS性伝熱棒形熱交換器19が用いられている。混合気は仕切板13の周囲を迂回しながら予熱され、同入部の反対側の開放部から触媒ホルダー20の内部へ導かれる。燃焼室入口では混合気の分散をよくするための分散板が用いられた(図示せず)。
また、空気ファン1は直流電源を駆動源とし、直流電圧変化により空気ファン1の動力を変化させ、空気流量をほぼ比例的に可変できるもので、制御装置30によって、空気ファン1の駆動電圧を制御可能に構成されている。
また、空気ファン1の作動状態を検知するため、混合部4に圧力口を設け燃焼器差圧を測定した(図示せず)。
また、比例制御弁2も同じく、直流電圧変化により、燃料ガス流量を比例的に変化できるもので、既存のファンヒータのものを使用し、直流電源を制御装置30により制御して、燃料ガスの供給量を制御可能に構成されている。
【0024】
触媒ホルダー20の出口部には幅85mm、奥行き20mm、層高20mmの角型燃焼触媒部11を備え、触媒ホルダー20の外側は断熱材で被覆されている。
燃焼触媒部11は、波形の金属シートからなる支持体の片側に高比表面積を有する担体層を形成し、その担体層に触媒活性を有する遷移金属のパラジウム系触媒物質を塗布し活性化した後、支持体を螺旋状に巻き上げハニカム状に成形したものである。このように形成された燃焼触媒部11では触媒を有する壁面と、触媒を有さず混合気が触媒燃焼せずに流通する壁面への熱伝導によって発生熱が分散し触媒の最高温度を950℃以下に抑制でき触媒の劣化を抑制でき、定常燃焼時に安定した触媒燃焼を維持できる。
また、燃焼触媒部11の出口部の温度を検出する温度センサ21が備えられ、その出力値をデータ収集手段31に送るように構成されている。
【0025】
図4も参照して、気相燃焼部12は触媒燃焼によって部分的に燃焼し昇温された未燃焼の燃料が気相ラジカル反応によって完全燃焼されるに必要な滞留時間を確保する空間である。気相燃焼部12の内側には断熱部材22が設置されており、気相燃焼部12は折り返し構造となっている。気相燃焼部12の折り返し部分に、混合気に火花点火し燃焼を開始するためのイグナイタ23、更に、気相反応の状況を観測するための温度センサ24が備えられている。
【0026】
気相燃焼部12では長手方向の一方向側に出口が設けられており、その出口部分にセル数6ケ/25mm、見かけ比重0.43、厚み12mmのアルミナ−コーデイエライト系のセラミックフォームからなる伝熱変換体14が備えられている。このように構成することで、排ガスの顕熱により加熱される伝熱変換体14は、上流側に優先的に放射伝熱するので、燃焼部からの対流熱損失を抑制し、熱を好適に上流側へフィードバックすることができ、より高い空気比で運転しても、燃焼が安定し、燃焼反応のピーク温度を下げることにより、一層の低NOxを達成できるように構成されている。
この伝熱変換体14には高比表面積を有する担体としてアルミナ系等の高比表面積物質をコートし、それに、CO若しくは未然の炭化水素の燃焼中間生成物に触媒活性を有するパラジウム、白金等の酸化活性物質を含浸担持し、活性化する手段をとることもできる。
【0027】
これまで、ハイブリッド触媒燃焼装置50の基本的な構成について説明したが、このハイブリッド触媒燃焼装置50を備えたガスファンヒータ100は、このハイブリッド触媒燃焼装置50から排出される高温の排ガスを、モータ28aによって駆動する対流ファン28によって暖房用温風として外部へ排出するように構成されている。
【0028】
本発明においては、このようなハイブリッド触媒燃焼装置50において、ガスファンヒータ100の急速暖房機能を保持しながら、ハイブリッド触媒燃焼への移行をできるだけスムースに行い、その間に発生するNOx、未燃焼の燃料ガス、COの発生を極力抑制すること、さらに、触媒の高温化を防止し、触媒の耐久性の向上を図ることができ、その特徴構成について以下に説明する。また、この効果を確認する為に、対流ファン28出口部に、CO,CO2 ,未燃炭化水素,NOxを計測するガス分析器40および温度センサ(図示せず)と、燃焼触媒部11の10mm上流側の温度を検出する温度センサ(図示せず)とを設け、それぞれの出力結果をデータ収集手段31に出力した。
【0029】
ガスファンヒータ100の運転を開始するにあたり、ハイブリッド触媒燃焼装置50の燃焼を開始させるのであるが、この燃焼開始時において、まず制御装置30に運転開始指令が入力され、制御装置30は、対流ファン28、空気ファン1を駆動させ、イグナイタ23をON状態にて、ガス遮断弁3を開にし、比例制御弁2に燃焼量2600kcal/hに相当する流量の燃料を供給して初期動力を与え、気相燃焼部12において、空気比1.4程度と気相燃焼可能な空気比の混合気を着火し、気相燃焼を開始させる。
【0030】
次に、気相燃焼部12における着火を温度センサ24にて検知した後、イグナイタ23をOFF状態にし、燃焼触媒部11の出口側温度T11を検出する温度センサ21の検出結果に基づいて空気ファン1の駆動電圧Vaを次式に従って上昇させる。
【数1】
Va[V]=0.0053×T11[℃]+8.47
【0031】
次に、温度センサ21の出力値である燃焼触媒部11の出口側温度T11が第1段目の目標出力値である400℃に到達した時点で、燃焼用空気ファン1の駆動電圧の関数を次式に変更してさらに上昇した。尚、温度センサ21の出力値が400℃に到達した時点での混合気の空気比は1.5程度である。
【数2】
Va[V]=0.0105×T11[℃]+6.4
【0032】
次に、温度センサ21の出力値である燃焼触媒部11の出口側温度T11が第2段目の目標出力値である800℃に到達した時点で、温度T11を800℃に保持するように空気ファン1の駆動電圧の制御をフィードバック制御に切り換えた定常のハイブリッド燃焼に至らしめた。尚、温度センサ21の出力値が800℃に到達した時点での混合気の空気比は1.8程度である。
【0033】
気相燃焼部12における気相燃焼による燃焼開始から、定常のハイブリッド燃焼に至るまでの燃焼触媒部11の出口側温度T11とガス分析器40による排ガスの組成変化を図5に示す。
燃焼触媒部11の温度T11は約400℃まで予熱期間を経て、約4分後に急上昇し、触媒酸化が開始され、ハイブリッド触媒燃焼へ移行していることがわかる。その後、800℃までスムースに昇温され、800℃到達後、約40℃のオーバーシュートがあったが、最終800℃で安定している。尚、最終的に安定した定常燃焼になった時点での混合気の空気比は2程度である。
【0034】
COは火炎燃焼による触媒予熱期間に最大値約5ppm、未燃炭化水素は最大値約30ppmが観測されたが、以後、減少し、定常状態では、両者とも1ppm以下となり、ほぼ完全な燃焼状態に至っていることを示している。
NOxは火炎着火時に多く発生し、燃焼空気量増加と共に減少するが、時間経過と共に、燃焼器が昇温されてくると、再び増加する。しかし、触媒燃焼が開始され、空気量が一層増加されることにより、急激に減少し、定常燃焼状態では2ppm(理論乾き排気濃度換算)以下に低減された。
この結果、本発明のハイブリッド触媒燃焼装置50は、燃焼開始当初からほぼ一定の温風出力(対流ファン出口温度)を得ながら、不完全燃焼の発生とNOxの発生を最小限に抑制し、スムースなハイブリッド触媒燃焼への移行が完了していることがわかる。
【0035】
上記のハイブリッド触媒燃焼装置50における定常燃焼状態においては、空気ファンの動力1は、温度センサ21の出力値に基づくフィードバック制御に切り換えられ、燃焼触媒部11の出口側温度T11が第2段目の目標出力値に維持されるように空気ファン1が制御され、定常燃焼が行われる。
このフィードバック制御される温度センサ21の第2段目の目標出力値は、燃焼量設定値に対応した好ましい範囲が決まっており、比例制御弁2を制御して燃焼量を変化させ、NOxが2ppm以下(理論乾き排気濃度換算)且つ燃焼触媒部11の10mm上流側の温度が550℃以下(逆火防止限界)の操作上限界と、COが300ppm以下(理論乾き排気濃度換算)(不完全燃焼防止限界)の操作下限界との間の操作範囲内となる良好燃焼を達成する燃焼触媒部11の出口温度の範囲を求めた結果を示す。
【0036】
図6に示すように、燃焼量の増加と共に、操作範囲は低下する傾向を示している。このため幅広い燃焼量の可変範囲でハイブリッド触媒燃焼装置50を低NOxで安定な燃焼を維持するためには、燃焼量に応じて燃焼触媒11の出口温度T11を変化させる必要があることがわかる。例えば図6に表示されているような最適操作線は不完全燃焼限界線(操作下限界)より全燃焼量範囲で20℃以上高くなっているので、各燃焼量に相当する最適操作線上の燃焼触媒11の出口温度T11から20℃程度低下すると、燃焼不良としてガスを遮断するインターロック機構を付ければ、融通性がよく、確実な安全装置となる。
また、最適操作線に対して、燃焼触媒11の出口温度T11が20℃程度高くなったときにおいても燃焼不良としてガスを遮断するように上記インターロックを構成することができる。
【0037】
〔別実施の形態〕
上記の実施の形態において、燃焼用空気ファンと対流ファンとを別個のものを用いたが、両者を合体して空気ファンとしてもよい。
【0038】
また、上記の実施の形態において、図6に示す最適操作線を不完全燃焼限界線(操作下限界)よりも20℃程度高く設定する構成を示したが、この値は良好燃焼範囲内でいかようにも取ることができる。
【0039】
また、上記の実施の形態において、温度センサ21の第1段目の目標出力値を、燃焼触媒部11において触媒燃焼が開始される温度である400℃に設定しているが、別に、本願はこの値に限定するものではなく、触媒の種類や温度センサ21の設置状態に対して、好ましい温度センサ21の第1段目の目標出力値を設定することができる。さらに、上記の実施の形態において、温度センサ21の第2段目の目標出力値を800℃としているが、別に、本願はこの値に限定するものではなく、定常燃焼を行うに、好ましい温度センサ21の出力値を第2段目の目標出力値とすることができる。
【0040】
【発明の効果】
ハイブリッド触媒燃焼器を触媒酸化活性が低いメタンを主成分とした都市ガスに応用して、燃焼開始時の不完全燃焼、NOxの排出を最小限に抑制でき、また、定常時には広範囲な燃焼量範囲において、超低NOxを可能とする簡易で確実な安全制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスファンヒータの概略図
【図2】図1に示すガスファンヒータに備えられたハイブリッド触媒燃焼装置の斜視図
【図3】図2のハイブリッド触媒燃焼装置の混合気を予熱する熱交換部の平面断面図
【図4】図2のハイブリッド燃焼装置の燃焼部の平面断面図
【図5】図3のハイブリッド燃焼装置の混合気を予熱する熱交換部の平面断面図
【図6】図3のハイブリッド燃焼装置の燃焼部の平面断面図
【符号の説明】
1 空気ファン
2 比例制御弁
4 混合部
11 燃焼触媒部
12 気相燃焼部
18 熱交換部
21 温度センサ
23 イグナイタ
50 ハイブリッド触媒燃焼装置
100 ガスファンヒータ

Claims (7)

  1. 燃焼用の空気ファン、燃料ガス比例制御弁、燃料ガス・空気混合部、混合気の予熱のための熱交換部、燃焼触媒部、気相燃焼部、前記燃焼触媒部に設置された温度センサ、前記気相燃焼部に設置されたイグナイタから構成され、前記燃焼触媒部において燃料ガスの一部を接触酸化燃焼させ、前記気相燃焼部において燃料ガスの残部を燃焼させるハイブリッド触媒燃焼装置であって、
    燃焼開始にあたって、前記イグナイタを働かせながら、気相着火可能な空気比の混合気が得られるように前記燃料ガス比例制御弁と前記空気ファンに初期動力を与えて、前記気相燃焼部にて前記混合気を着火させ、
    前記着火後に、前記温度センサの目標出力値を2段階で与え、各段階で異なる前記空気ファンの動力と前記温度センサの出力値の関数関係により前記空気ファンの動力を上昇していき、定常燃焼に至らしめるハイブリッド触媒燃焼装置。
  2. 前記温度センサの出力値が第2段目の目標出力値に到達した後は、前記温度センサの出力値が前記空気ファンの動力のフィードバック制御によって維持される請求項1に記載のハイブリッド触媒燃焼装置。
  3. 前記温度センサの2段階の目標出力値のうち第1段目の目標出力値は触媒酸化が開始される温度の出力値に対応するものであり、第2段目の目標出力値は定常燃焼時にフィードバック制御される温度の出力値に対応するものである請求項1又は2に記載のハイブリッド触媒燃焼装置。
  4. 前記定常燃焼時において、フィードバック制御される温度の出力値は、燃焼量設定値に対応した所定の値である請求項2又は3に記載のハイブリッド触媒燃焼装置。
  5. 前記定常燃焼時にフィードバック制御される温度出力が所定の値以上に低下、若しくは上昇した場合、燃焼不良として燃焼を停止する請求項2から4の何れか1項に記載のハイブリッド触媒燃焼装置。
  6. 前記温度センサの2段階の前記空気ファンの動力と前記温度センサの出力値の関数関係は、線形式である請求項1から5の何れか1項に記載のハイブリッド触媒燃焼装置。
  7. 前記請求項1から6の何れか1項に記載のハイブリッド触媒燃焼装置を備え、前記ハイブリッド燃焼装置から排出される排ガスを、暖房用温風として排出するガスファンヒータ。
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