JP2001124332A - ハイブリッド触媒燃焼装置及びガスファンヒータ - Google Patents

ハイブリッド触媒燃焼装置及びガスファンヒータ

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JP2001124332A
JP2001124332A JP30663299A JP30663299A JP2001124332A JP 2001124332 A JP2001124332 A JP 2001124332A JP 30663299 A JP30663299 A JP 30663299A JP 30663299 A JP30663299 A JP 30663299A JP 2001124332 A JP2001124332 A JP 2001124332A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、燃焼触媒部11において燃料ガス
の一部を接触酸化燃焼させ、気相燃焼部12において燃
料ガスの残部を燃焼させるハイブリッド触媒燃焼装置5
0において、定常燃焼への移行をスムースに行い、NO
x、未燃炭化水素、COの発生を抑制し、触媒の高温化
を防止して耐久性の向上を図り、燃焼負荷に応じて燃料
量を可変とした状態でも、燃焼安定を図ることを目的と
する。 【解決手段】 燃焼開始にあたって、イグナイタ23を
働かせながら、気相着火可能な空気比の混合気が得られ
るように燃料ガス比例制御弁2と空気ファン1に初期動
力を与えて、気相燃焼部12にて混合気を着火させ、着
火後に、温度センサ21の目標出力値を2段階で与え、
各段階で異なる空気ファンの動力と温度センサの出力値
の関数関係により空気ファン1の動力を上昇していき、
定常燃焼に至らしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼用の空気ファ
ン、燃料ガス比例制御弁、燃料ガス・空気混合部、混合
気の予熱のための熱交換部、燃焼触媒部、気相燃焼部、
前記燃焼触媒部に設置された温度センサ、前記気相燃焼
部に設置されたイグナイタから構成され、前記燃焼触媒
部において燃料ガスの一部を接触酸化燃焼させ、前記気
相燃焼部において燃料ガスの残部を燃焼させるハイブリ
ッド触媒燃焼方式の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用室内開放型温風暖房機、コージェ
ネレーション、発電用ガスタービン燃焼機等、高空気比
で作動される機器にあたっては、高空気比における燃焼
安定性の向上によって、大幅な低NOx化が図られる可
能性がある。一方、これらの機器にあたって、一層の低
NOx化の要望があるものもある。中でも、家庭用室内
開放型温風暖房機は生活空間に直接排気を放出している
ので、NOx1ppm(酸素0%)以下の極限までの低
NOx化が望まれている。燃焼流路内に、燃焼触媒を充
填した燃焼触媒部と、それに続く気相燃焼部とを設け、
断熱理論燃焼温度1500℃以下(空気比約1.6以
上)の燃料と空気の混合気を、燃焼触媒層で部分的に接
触酸化燃焼し、その後流で気相酸化を誘発して完全燃焼
させる方式(ハイブリッド触媒燃焼方式と称される。)
が、超低NOx達成の手段として提案されている(特公
表平6−506290号)。
【0003】このようなハイブリッド触媒燃焼方式を家
庭用ファンヒータに応用するものとして、すでに下記の
ものが公知となっている。
【0004】(1)特開平10−169914号公報 灯油用ファンヒータへの応用に関する。燃焼熱から燃料
と空気との混合気へ熱再生する構成を含む燃焼機全体の
構造が開示されている。実施例において、燃焼開始制御
については、空気比1に近い混合気を燃焼触媒部を出た
気相燃焼部で着火させた後、触媒酸化の開始と共に燃料
流量を減少して、空気比約2のハイブリッド触媒燃焼に
移行させるとしている。
【0005】(2)特開平10−169927号公報 灯油用ファンヒータへの応用に関する。燃焼触媒内部の
上方に設置された温度センサの検知温度に応じて空気比
を制御し、燃焼触媒温度を一定値に制御する構成が開示
されている。空気比制御は燃焼空気量に対する燃料の供
給量を制御するとしており、暖房用としての燃焼量可変
は燃焼空気量変化と連動させるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知例(1)
(2)の制御方法をガス燃料へ適用する場合、次のよう
な問題点がある。燃焼開始時に、空気量を一定にして、
当初、空気比1程度で火炎燃焼し、燃焼触媒を予熱して
触媒酸化が開始されると共に、燃料流量を減じていき、
最終ハイブリッド触媒燃焼の定常状態に到達するまで燃
料流量は約1/2まで減少される。この方法では、急速
暖房が必要である燃焼開始時に燃料量が減少するので、
ファンヒータ制御として好ましくない。さらに、燃料量
変化に対して、燃焼触媒を一低温度に制御しているが、
酸化反応性の低いメタンを主成分とする都市ガスを利用
する燃焼器において、燃焼量が小さい場合は、発熱量に
対して放熱割合が大きくなるので完全酸化が達成し難
く、また、燃焼量が大きい場合は、系全体が高温化され
るのでNOxの発生が多くなり、燃焼量変化に対して安
定な燃焼性能と低NOx化の両立が困難である。
【0007】よって、本願の目的は、特に触媒酸化が最
も困難であるメタンを主成分とする都市ガスを燃料とす
るファンヒータ用に適用できるハイブリッド触媒燃焼装
置において、ガスファンヒータの急速暖房機能を保持し
ながら、ハイブリッド触媒燃焼への移行をできるだけス
ムースに行い、その間に発生するNOx、未燃炭化水
素、COの発生を極力抑制することができ、さらに、触
媒の高温化を防止し、触媒の耐久性の向上を図ることが
できる燃焼制御技術を確立し、また、暖房負荷に応じ
て、燃料量を可変とした状態でも、簡易な方法で燃焼安
定を図ることができる燃焼制御技術を確立することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による燃焼用の空気ファン、燃料ガス比例制御
弁、燃料ガス・空気混合部、混合気の予熱のための熱交
換部、燃焼触媒部、気相燃焼部、前記燃焼触媒部に設置
された温度センサ、前記気相燃焼部に設置されたイグナ
イタから構成され、前記燃焼触媒部において燃料ガスの
一部を接触酸化燃焼させ、前記気相燃焼部において燃料
ガスの残部を燃焼させるハイブリッド触媒燃焼装置の特
徴構成は、請求項1に記載されているように、燃焼開始
にあたって、前記イグナイタを働かせながら、気相着火
可能な空気比の混合気が得られるように前記燃料ガス比
例制御弁と前記空気ファンに初期動力を与えて、前記気
相燃焼部にて前記混合気を着火させ、前記着火後に、前
記温度センサの目標出力値を2段階で与え、各段階で異
なる前記空気ファンの動力と前記温度センサの出力値の
関数関係により前記空気ファンの動力を上昇していき、
定常燃焼に至らしめる点にある。
【0009】また、このようなハイブリッド触媒燃焼装
置において、請求項2に記載されているように、前記温
度センサの出力値が第2段目の目標出力値に到達した後
は、前記温度センサの出力値が前記空気ファンの動力の
フィードバック制御によって維持されることが好まし
い。
【0010】また、このようなハイブリッド触媒燃焼装
置において、請求項3に記載されているように、前記温
度センサの2段階の目標出力値のうち第1段目の目標出
力値は触媒酸化が開始される温度の出力値に対応するも
のであり、第2段目の目標出力値は定常燃焼時にフィー
ドバック制御される温度の出力値に対応するものである
ことが好ましい。
【0011】また、このようなハイブリッド触媒燃焼装
置において、請求項4に記載されているように、前記定
常燃焼時において、フィードバック制御される温度の出
力値は、燃焼量設定値に対応した所定の値であることが
好ましい。
【0012】また、このようなハイブリッド触媒燃焼装
置において、請求項5に記載されているように、前記定
常燃焼時にフィードバック制御される温度出力が所定の
値以上に低下、若しくは上昇した場合、燃焼不良として
燃焼を停止することが好ましい。
【0013】また、このようなハイブリッド触媒燃焼装
置において、請求項6に記載されているように、前記温
度センサの2段階の前記空気ファンの動力と前記温度セ
ンサの出力値の関数関係は、線形式であることができ
る。
【0014】通常のハイブリッド燃焼装置は、燃料ガス
と燃焼用空気の混合気を熱交換器において気相燃焼部等
の熱を利用して予熱し、予熱された混合気中の燃料ガス
の一部を燃焼触媒部によって接触酸化燃焼させ、さらに
燃焼触媒部の後流側の気相燃焼部における気相酸化を誘
発して、残部を燃焼させるように構成されており、高空
気比の燃焼が可能であるために、超低NOxを実現する
ことができる。しかし、燃焼触媒部において、燃料ガス
を接触酸化(触媒燃焼)させる為には、燃焼触媒が所定
の温度以上に加熱されている必要があり、運転開始時に
おいて早く燃焼触媒部を加熱し、この触媒燃焼を開始す
ることが重要である。
【0015】そこで、本発明のハイブリッド触媒燃焼装
置は、上記のように、燃焼開始にあたって気相燃焼部に
おいて気相着火可能な空気比の混合気を着火させる。こ
の気相着火可能な空気比の混合気は、空気ファンの動力
及び燃料ガス比例制御弁を設定して、燃料ガス・空気混
合部に供給される燃焼用空気及び燃料ガスのそれぞれの
供給量の比を、上記の気相着火可能な混合比に設定する
ことで得られ、天然ガス系都市ガスを燃料ガスとして利
用する場合、上記の気相着火可能な空気比とは、1.2
〜1.5程度である。また、このような着火運転後、燃
焼触媒部において触媒燃焼が開始されるまでは、気相燃
焼部のみの燃焼となり、空気比を急激に大きく設定する
ことができない。また、触媒燃焼が開始されてからは、
空気比をある程度大きく上昇させることができる。よっ
て、本願においては、温度センサの目標出力値を2段階
に与え、燃料ガスの供給量は一定に保ったまま、燃焼触
媒部の内部若しくは出口部に設置された温度センサの出
力値に基づいて空気ファンの動力を上昇させるように構
成されている。
【0016】即ち、この温度センサの出力値が、燃焼触
媒部における接触酸化が開始される第1段の目標出力値
になるまでの運転において、熱交換器による混合気の予
熱は徐々に進行し、予熱された混合気が流通する燃焼触
媒部の温度を上昇させることができる。さらに、予め記
憶している空気ファンの動力と温度センサの出力値の第
1の関数関係に基づいて、空気ファンの動力を、例えば
温度センサの出力値に対して線形的に、徐々に上昇さ
せ、気相燃焼部において安定した燃焼状態が得られる状
態を保ちながら、混合気の空気比を上昇させることがで
き、NOxの発生を抑制しながら燃焼触媒部の加熱がで
きる。
【0017】また、温度センサの出力値が第1段目以上
となり、定常燃焼の設定値である第2段目の目標出力値
になるまでの運転において、燃焼触媒部は触媒燃焼が可
能な温度以上に加熱されて、燃焼触媒部における燃料ガ
スの一部の接触酸化(触媒燃焼)が開始される。よっ
て、温度センサの出力値は、上記の第1段目までの運転
よりも急激に上昇し、さらに燃焼触媒部の触媒燃焼が進
行するに連れて混合気の予熱が進行するので、混合気の
空気比を上記の第1段目までの運転よりも一層上昇させ
るべく、上記の空気ファンの動力と温度センサの出力値
の第1の関数関係よりも空気ファン動力の上昇率が大き
い第2の関数関係に基づいて、温度センサの出力値に対
して例えば線形的に空気ファンの動力を上昇させて、定
常燃焼における所定の空気比のとなるまで、燃焼用空気
の供給量を急激に上昇させることができ、一層の低NO
x化を図りながら早期に定常燃焼に至らしめることがで
きる。このように構成することで、空気ファンの動力を
上昇させてスムースに定常燃焼に至らしめることができ
るので、燃焼触媒部の過剰加熱を防止しながらNOxの
発生を抑制することができ、さらに、混合気及び燃焼触
媒部をスムースに加熱することができるので、未燃炭化
水素、COの排出を極力抑制することができるハイブリ
ッド触媒燃焼装置を構成することができる。
【0018】また、温度センサの出力値が定常燃焼の設
定値である第2段目の目標出力値となると、空気ファン
の動力は、温度センサの出力値に基づくフィードバック
制御に切り換えられ、燃焼触媒部の温度が所定の温度と
なるように空気ファンが制御され、定常燃焼が行われる
が、この定常燃焼時において、燃焼触媒部の温度が高す
ぎると、燃焼触媒部の上流側にて火炎が発生する逆火
や、NOxの増加の可能性があり、さらに低すぎると不
完全燃焼の可能性がある。また、このような燃焼触媒部
の好ましい温度は、燃料ガスの供給量、所謂燃料ガス比
例弁の制御動力に対応した所定の値であり、本発明にお
いては、空気ファンを制御して、燃焼触媒部の温度を、
燃料ガス比例弁の制御動力に応じて好ましい値に維持し
ながら定常燃焼を行うことができる。
【0019】また、このような定常燃焼時において温度
センサの出力値が、上記の好ましい温度よりも例えば±
20℃以上と所定の値以上変化した場合は、上記のよう
に逆火、NOx増加、不完全燃焼の虞があるため、燃焼
不良として運転を停止するインターロックを構成するこ
とができ、より確実な安全燃焼制御を行うハイブリッド
触媒燃焼装置を構成することができる。
【0020】また、本発明に係るガスファンヒータの特
徴構成は、請求項7に記載されているように、前記請求
項1から6の何れか1項に記載のハイブリッド触媒燃焼
装置を備え、前記ハイブリッド燃焼装置から排出される
排ガスを、暖房用温風として排出する点にある。
【0021】これまで説明した本発明に係るハイブリッ
ド触媒燃焼装置は、NOx発生、不完全燃焼を最小限に
抑制しながらスムースに定常燃焼に至らしめ、さらに、
定常燃焼においても高空気比の燃焼を実現して超低NO
xであるために、室内空間へ直接排ガスを暖房用温風と
して排出するガスファンヒータに利用することが効果的
である。
【0022】
【発明の実施の形態】本願の実施の形態として、メタン
を主成分とし発熱量11000kcal/m 3(Normal)
の市中供給の天然ガス系都市ガスを燃料ガスとして用い
た温風暖房機への応用を意図した、本発明に係るハイブ
リッド触媒燃焼装置50を備えたガスファンヒータ10
0の概要を図1〜4に基づいて説明する。図1は本発明
に係るガスファンヒータの全体概略図、図2は図1に示
すガスファンヒータ100に備えられたハイブリッド触
媒燃焼装置50の斜視図、図3は図2のハイブリッド触
媒燃焼装置50の混合気を予熱する熱交換部18の平面
断面図、図4は図2のハイブリッド燃焼装置50の燃焼
部の平面断面図である。
【0023】図1、2、3を参照して、本発明に係るハ
イブリッド触媒燃焼装置50においては、燃焼用空気を
空気ファン1を介して混合部4に供給し、燃料ガスを燃
料遮断弁3及び比例制御弁2を介して混合部4に供給し
て空気と混合し、混合気を予熱するための熱交換部18
へ導入するように構成されている。燃料導入管17の先
端は混合部4において燃料と空気の混合が充分に行われ
るように分散ノズルが取り付けられている(図示せ
ず)。熱交換部18では燃焼ガスで加熱された天板から
の熱が伝導により混合気へ伝達されるように形成されて
いる。このための種々の構造が考えられるがここでは、
天板に溶接され下方側へ延びて千鳥状に取り付けられた
直径4mmのSUS性伝熱棒形熱交換器19が用いられ
ている。混合気は仕切板13の周囲を迂回しながら予熱
され、同入部の反対側の開放部から触媒ホルダー20の
内部へ導かれる。燃焼室入口では混合気の分散をよくす
るための分散板が用いられた(図示せず)。また、空気
ファン1は直流電源を駆動源とし、直流電圧変化により
空気ファン1の動力を変化させ、空気流量をほぼ比例的
に可変できるもので、制御装置30によって、空気ファ
ン1の駆動電圧を制御可能に構成されている。また、空
気ファン1の作動状態を検知するため、混合部4に圧力
口を設け燃焼器差圧を測定した(図示せず)。また、比
例制御弁2も同じく、直流電圧変化により、燃料ガス流
量を比例的に変化できるもので、既存のファンヒータの
ものを使用し、直流電源を制御装置30により制御し
て、燃料ガスの供給量を制御可能に構成されている。
【0024】触媒ホルダー20の出口部には幅85m
m、奥行き20mm、層高20mmの角型燃焼触媒部1
1を備え、触媒ホルダー20の外側は断熱材で被覆され
ている。燃焼触媒部11は、波形の金属シートからなる
支持体の片側に高比表面積を有する担体層を形成し、そ
の担体層に触媒活性を有する遷移金属のパラジウム系触
媒物質を塗布し活性化した後、支持体を螺旋状に巻き上
げハニカム状に成形したものである。このように形成さ
れた燃焼触媒部11では触媒を有する壁面と、触媒を有
さず混合気が触媒燃焼せずに流通する壁面への熱伝導に
よって発生熱が分散し触媒の最高温度を950℃以下に
抑制でき触媒の劣化を抑制でき、定常燃焼時に安定した
触媒燃焼を維持できる。また、燃焼触媒部11の出口部
の温度を検出する温度センサ21が備えられ、その出力
値をデータ収集手段31に送るように構成されている。
【0025】図4も参照して、気相燃焼部12は触媒燃
焼によって部分的に燃焼し昇温された未燃焼の燃料が気
相ラジカル反応によって完全燃焼されるに必要な滞留時
間を確保する空間である。気相燃焼部12の内側には断
熱部材22が設置されており、気相燃焼部12は折り返
し構造となっている。気相燃焼部12の折り返し部分
に、混合気に火花点火し燃焼を開始するためのイグナイ
タ23、更に、気相反応の状況を観測するための温度セ
ンサ24が備えられている。
【0026】気相燃焼部12では長手方向の一方向側に
出口が設けられており、その出口部分にセル数6ケ/2
5mm、見かけ比重0.43、厚み12mmのアルミナ
−コーデイエライト系のセラミックフォームからなる伝
熱変換体14が備えられている。このように構成するこ
とで、排ガスの顕熱により加熱される伝熱変換体14
は、上流側に優先的に放射伝熱するので、燃焼部からの
対流熱損失を抑制し、熱を好適に上流側へフィードバッ
クすることができ、より高い空気比で運転しても、燃焼
が安定し、燃焼反応のピーク温度を下げることにより、
一層の低NOxを達成できるように構成されている。こ
の伝熱変換体14には高比表面積を有する担体としてア
ルミナ系等の高比表面積物質をコートし、それに、CO
若しくは未然の炭化水素の燃焼中間生成物に触媒活性を
有するパラジウム、白金等の酸化活性物質を含浸担持
し、活性化する手段をとることもできる。
【0027】これまで、ハイブリッド触媒燃焼装置50
の基本的な構成について説明したが、このハイブリッド
触媒燃焼装置50を備えたガスファンヒータ100は、
このハイブリッド触媒燃焼装置50から排出される高温
の排ガスを、モータ28aによって駆動する対流ファン
28によって暖房用温風として外部へ排出するように構
成されている。
【0028】本発明においては、このようなハイブリッ
ド触媒燃焼装置50において、ガスファンヒータ100
の急速暖房機能を保持しながら、ハイブリッド触媒燃焼
への移行をできるだけスムースに行い、その間に発生す
るNOx、未燃焼の燃料ガス、COの発生を極力抑制す
ること、さらに、触媒の高温化を防止し、触媒の耐久性
の向上を図ることができ、その特徴構成について以下に
説明する。また、この効果を確認する為に、対流ファン
28出口部に、CO,CO2 ,未燃炭化水素,NOxを
計測するガス分析器40および温度センサ(図示せず)
と、燃焼触媒部11の10mm上流側の温度を検出する
温度センサ(図示せず)とを設け、それぞれの出力結果
をデータ収集手段31に出力した。
【0029】ガスファンヒータ100の運転を開始する
にあたり、ハイブリッド触媒燃焼装置50の燃焼を開始
させるのであるが、この燃焼開始時において、まず制御
装置30に運転開始指令が入力され、制御装置30は、
対流ファン28、空気ファン1を駆動させ、イグナイタ
23をON状態にて、ガス遮断弁3を開にし、比例制御
弁2に燃焼量2600kcal/hに相当する流量の燃
料を供給して初期動力を与え、気相燃焼部12におい
て、空気比1.4程度と気相燃焼可能な空気比の混合気
を着火し、気相燃焼を開始させる。
【0030】次に、気相燃焼部12における着火を温度
センサ24にて検知した後、イグナイタ23をOFF状
態にし、燃焼触媒部11の出口側温度T11を検出する温
度センサ21の検出結果に基づいて空気ファン1の駆動
電圧Vaを次式に従って上昇させる。
【数1】 Va[V]=0.0053×T11[℃]+8.47
【0031】次に、温度センサ21の出力値である燃焼
触媒部11の出口側温度T11が第1段目の目標出力値で
ある400℃に到達した時点で、燃焼用空気ファン1の
駆動電圧の関数を次式に変更してさらに上昇した。尚、
温度センサ21の出力値が400℃に到達した時点での
混合気の空気比は1.5程度である。
【数2】 Va[V]=0.0105×T11[℃]+6.4
【0032】次に、温度センサ21の出力値である燃焼
触媒部11の出口側温度T11が第2段目の目標出力値で
ある800℃に到達した時点で、温度T11を800℃に
保持するように空気ファン1の駆動電圧の制御をフィー
ドバック制御に切り換えた定常のハイブリッド燃焼に至
らしめた。尚、温度センサ21の出力値が800℃に到
達した時点での混合気の空気比は1.8程度である。
【0033】気相燃焼部12における気相燃焼による燃
焼開始から、定常のハイブリッド燃焼に至るまでの燃焼
触媒部11の出口側温度T11とガス分析器40による排
ガスの組成変化を図5に示す。燃焼触媒部11の温度T
11は約400℃まで予熱期間を経て、約4分後に急上昇
し、触媒酸化が開始され、ハイブリッド触媒燃焼へ移行
していることがわかる。その後、800℃までスムース
に昇温され、800℃到達後、約40℃のオーバーシュ
ートがあったが、最終800℃で安定している。尚、最
終的に安定した定常燃焼になった時点での混合気の空気
比は2程度である。
【0034】COは火炎燃焼による触媒予熱期間に最大
値約5ppm、未燃炭化水素は最大値約30ppmが観
測されたが、以後、減少し、定常状態では、両者とも1
ppm以下となり、ほぼ完全な燃焼状態に至っているこ
とを示している。NOxは火炎着火時に多く発生し、燃
焼空気量増加と共に減少するが、時間経過と共に、燃焼
器が昇温されてくると、再び増加する。しかし、触媒燃
焼が開始され、空気量が一層増加されることにより、急
激に減少し、定常燃焼状態では2ppm(理論乾き排気
濃度換算)以下に低減された。この結果、本発明のハイ
ブリッド触媒燃焼装置50は、燃焼開始当初からほぼ一
定の温風出力(対流ファン出口温度)を得ながら、不完
全燃焼の発生とNOxの発生を最小限に抑制し、スムー
スなハイブリッド触媒燃焼への移行が完了していること
がわかる。
【0035】上記のハイブリッド触媒燃焼装置50にお
ける定常燃焼状態においては、空気ファンの動力1は、
温度センサ21の出力値に基づくフィードバック制御に
切り換えられ、燃焼触媒部11の出口側温度T11が第2
段目の目標出力値に維持されるように空気ファン1が制
御され、定常燃焼が行われる。このフィードバック制御
される温度センサ21の第2段目の目標出力値は、燃焼
量設定値に対応した好ましい範囲が決まっており、比例
制御弁2を制御して燃焼量を変化させ、NOxが2pp
m以下(理論乾き排気濃度換算)且つ燃焼触媒部11の
10mm上流側の温度が550℃以下(逆火防止限界)
の操作上限界と、COが300ppm以下(理論乾き排
気濃度換算)(不完全燃焼防止限界)の操作下限界との
間の操作範囲内となる良好燃焼を達成する燃焼触媒部1
1の出口温度の範囲を求めた結果を示す。
【0036】図6に示すように、燃焼量の増加と共に、
操作範囲は低下する傾向を示している。このため幅広い
燃焼量の可変範囲でハイブリッド触媒燃焼装置50を低
NOxで安定な燃焼を維持するためには、燃焼量に応じ
て燃焼触媒11の出口温度T 11を変化させる必要がある
ことがわかる。例えば図6に表示されているような最適
操作線は不完全燃焼限界線(操作下限界)より全燃焼量
範囲で20℃以上高くなっているので、各燃焼量に相当
する最適操作線上の燃焼触媒11の出口温度T 11から2
0℃程度低下すると、燃焼不良としてガスを遮断するイ
ンターロック機構を付ければ、融通性がよく、確実な安
全装置となる。また、最適操作線に対して、燃焼触媒1
1の出口温度T11が20℃程度高くなったときにおいて
も燃焼不良としてガスを遮断するように上記インターロ
ックを構成することができる。
【0037】〔別実施の形態〕上記の実施の形態におい
て、燃焼用空気ファンと対流ファンとを別個のものを用
いたが、両者を合体して空気ファンとしてもよい。
【0038】また、上記の実施の形態において、図6に
示す最適操作線を不完全燃焼限界線(操作下限界)より
も20℃程度高く設定する構成を示したが、この値は良
好燃焼範囲内でいかようにも取ることができる。
【0039】また、上記の実施の形態において、温度セ
ンサ21の第1段目の目標出力値を、燃焼触媒部11に
おいて触媒燃焼が開始される温度である400℃に設定
しているが、別に、本願はこの値に限定するものではな
く、触媒の種類や温度センサ21の設置状態に対して、
好ましい温度センサ21の第1段目の目標出力値を設定
することができる。さらに、上記の実施の形態におい
て、温度センサ21の第2段目の目標出力値を800℃
としているが、別に、本願はこの値に限定するものでは
なく、定常燃焼を行うに、好ましい温度センサ21の出
力値を第2段目の目標出力値とすることができる。
【0040】
【発明の効果】ハイブリッド触媒燃焼器を触媒酸化活性
が低いメタンを主成分とした都市ガスに応用して、燃焼
開始時の不完全燃焼、NOxの排出を最小限に抑制で
き、また、定常時には広範囲な燃焼量範囲において、超
低NOxを可能とする簡易で確実な安全制御を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスファンヒータの概略図
【図2】図1に示すガスファンヒータに備えられたハイ
ブリッド触媒燃焼装置の斜視図
【図3】図2のハイブリッド触媒燃焼装置の混合気を予
熱する熱交換部の平面断面図
【図4】図2のハイブリッド燃焼装置の燃焼部の平面断
面図
【図5】図3のハイブリッド燃焼装置の混合気を予熱す
る熱交換部の平面断面図
【図6】図3のハイブリッド燃焼装置の燃焼部の平面断
面図
【符号の説明】
1 空気ファン 2 比例制御弁 4 混合部 11 燃焼触媒部 12 気相燃焼部 18 熱交換部 21 温度センサ 23 イグナイタ 50 ハイブリッド触媒燃焼装置 100 ガスファンヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K005 AA06 AB01 AC01 AC06 BA05 BA06 CA06 DA05 EA02 3K065 TA01 TA04 TB04 TB06 TB11 TC05 TD05 TE01 TF01 TH01 TK02 TK04 TK06 TN01 TN16 3K091 AA01 AA03 BB13 BB26 CC06 CC22 FB03 FB24 FB32 FB42 FB62

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼用の空気ファン、燃料ガス比例制御
    弁、燃料ガス・空気混合部、混合気の予熱のための熱交
    換部、燃焼触媒部、気相燃焼部、前記燃焼触媒部に設置
    された温度センサ、前記気相燃焼部に設置されたイグナ
    イタから構成され、前記燃焼触媒部において燃料ガスの
    一部を接触酸化燃焼させ、前記気相燃焼部において燃料
    ガスの残部を燃焼させるハイブリッド触媒燃焼装置であ
    って、 燃焼開始にあたって、前記イグナイタを働かせながら、
    気相着火可能な空気比の混合気が得られるように前記燃
    料ガス比例制御弁と前記空気ファンに初期動力を与え
    て、前記気相燃焼部にて前記混合気を着火させ、 前記着火後に、前記温度センサの目標出力値を2段階で
    与え、各段階で異なる前記空気ファンの動力と前記温度
    センサの出力値の関数関係により前記空気ファンの動力
    を上昇していき、定常燃焼に至らしめるハイブリッド触
    媒燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記温度センサの出力値が第2段目の目
    標出力値に到達した後は、前記温度センサの出力値が前
    記空気ファンの動力のフィードバック制御によって維持
    される請求項1に記載のハイブリッド触媒燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記温度センサの2段階の目標出力値の
    うち第1段目の目標出力値は触媒酸化が開始される温度
    の出力値に対応するものであり、第2段目の目標出力値
    は定常燃焼時にフィードバック制御される温度の出力値
    に対応するものである請求項1又は2に記載のハイブリ
    ッド触媒燃焼装置。
  4. 【請求項4】 前記定常燃焼時において、フィードバッ
    ク制御される温度の出力値は、燃焼量設定値に対応した
    所定の値である請求項2又は3に記載のハイブリッド触
    媒燃焼装置。
  5. 【請求項5】 前記定常燃焼時にフィードバック制御さ
    れる温度出力が所定の値以上に低下、若しくは上昇した
    場合、燃焼不良として燃焼を停止する請求項2から4の
    何れか1項に記載のハイブリッド触媒燃焼装置。
  6. 【請求項6】 前記温度センサの2段階の前記空気ファ
    ンの動力と前記温度センサの出力値の関数関係は、線形
    式である請求項1から5の何れか1項に記載のハイブリ
    ッド触媒燃焼装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項1から6の何れか1項に記載
    のハイブリッド触媒燃焼装置を備え、前記ハイブリッド
    燃焼装置から排出される排ガスを、暖房用温風として排
    出するガスファンヒータ。
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