JP2565886Y2 - 触媒燃焼装置 - Google Patents

触媒燃焼装置

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JP2565886Y2
JP2565886Y2 JP1989059256U JP5925689U JP2565886Y2 JP 2565886 Y2 JP2565886 Y2 JP 2565886Y2 JP 1989059256 U JP1989059256 U JP 1989059256U JP 5925689 U JP5925689 U JP 5925689U JP 2565886 Y2 JP2565886 Y2 JP 2565886Y2
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広 一柳
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は触媒燃焼装置に係り、特に窒素酸化物(N
Ox)を大幅に低減し、燃焼負荷を大幅に向上するのに好
適な触媒燃焼装置に関する。
〔従来の技術〕
近年、燃焼生成物による環境汚染が世界的な問題とし
てクローズアップされている。その中で窒素酸化物に対
しては、これまで脱硝装置の設置、炉内2段燃焼法又は
低NOxバーナ等の採用によって対策がなされている。
しかしながら、脱硝装置は高価であり、また還元剤の
供給設備が必要でその取り扱いは危険物として厳重に管
理されている。この脱硝装置は大規模設備には採用され
ているが、小型設備では装置構造上、適切な温度条件領
域に分割し、触媒反応器を挿入することが難しい。2段
燃焼法では多段にバーナを設置する必要があり、炉の形
状によって採用できない場合があり、特に小型設備では
不向きである。低NOxバーナは、簡便であるが各バーナ
によってそれぞれ構造、機構が異なり、燃料種、燃焼容
量、火炉形状、被加熱物の配置等により使い分けが必要
なため、必ずしも汎用バーナとはなっていない。
一方、燃焼方式として触媒による接触酸化方式、所謂
触媒燃焼方式が知られている。触媒燃焼は、触媒成分の
作用により燃料を酸素により直接酸化するため、窒素が
反応中に介在せず、したがって超低NOx燃焼が可能であ
る。また、触媒燃焼と気相燃焼とを組み合わせて低NOx
を図ることも提案されている。第7図〜第9図は、触媒
燃焼と気相燃焼とを組み合わせた燃焼バーナの従来例を
示している。第7図において、バーナの中央部に配置さ
れたノズル内に燃焼触媒17が充填され、燃焼触媒17の上
流側の1次燃料管11から一次燃料10を供給し、ノズルの
側面部から空気14を導入し、燃焼触媒17の下流側で2次
燃料管13から2次燃料12を導入するようになっている。
また、第8図において、触媒バーナ16内に内管42が設置
され、内管42の先端部に燃焼触媒17が配置されると共に
内管42に1次燃料管11が接続され、外管43に二次燃料管
13が接続されている。更に第9図においては、バーナの
中心部に一次燃料ノズル20及び一次燃料噴出ノズル22が
配置され、内管42には混合分散器24が設置されると共に
内管42の先端部に燃焼触媒17が配置され、内管42と外管
43との間に燃料空気混合ガス46が導入され、外管43には
保炎板32が設置されている。これらの触媒バーナでは、
触媒燃焼で発生した燃焼熱を利用して希薄気相燃焼を行
い、低NOx燃焼を図っている。
しかしながら、第7図に示すような触媒バーナでは、
側壁から2次燃料12を供給する場合は、局部的高温部を
さけるため供給口を多数設ける必要があり構造が複雑と
なる欠点があり、また、側壁を有するガスタービンの燃
焼器等の特殊な用途にしか適用できない。また、第8図
及び第9図に示す触媒バーナでは、円周部から2次燃料
を投入するため触媒燃焼17による発生熱の一部しか利用
できず、2次燃料の速度が速いと火災が伸長し、更に流
速が上がると吹き消えを生ずる。また、第9図のように
保炎板32を取り付けると若干は改善されるが、2次燃料
の流速が上がると2次燃料により保炎板32が冷却され、
火炎が不安定となり、ついには失火することとなる。
本考案者らの試験結果では、2次燃料側の流速が4〜
5m/sを超えると保炎板32から火炎が離れ、ついには失火
状態となった。更に、1次燃料10と2次燃料12との比は
1:10程度までは充分可能であるが、2次燃料12の負荷が
上がるに従い、火炎が伸長する傾向にあり、長大な火炎
を形成するため、設置容積が大きくなる欠点がある。ま
た、バーナ中央部の触媒燃焼ガスの一部しか使用されな
いため、2段燃料燃焼用空気を別途供給する必要があ
り、このためNOxの発生量は、2段燃料の燃焼に支配さ
れ、ノズル低減の割合は従来の低NOxバーナ並あるい
は、その略80%程度に止まっている。
また、従来の触媒バーナの例として、第10図に示すも
のがある。第10図においては、10は一次燃料、12は二次
燃料、13は二次燃料管、14は空気、16は触媒バーナ、17
は燃焼触媒、40は空気予熱器、42は内管、43は外管、44
は燃焼火炎、46は触媒あるいはセラミックス多孔板、47
は混合室を示している。
この触媒バーナでは、燃焼触媒17で1段目の触媒燃焼
を行い、2段目に触媒あるいはセラミックス多孔板46を
設置しているが、触媒あるいはセラミックス多孔板46の
負荷が制限されるため、燃焼負荷が小さく、設置面積が
大きくなる欠点があり、更に触媒燃焼の2段では、温度
の上限(1000〜1200℃)も制限となる。
更に従来の触媒バーナとして第11図に示すものがあ
る。第11図において、第10図と同様な部材は同一符号で
示しており、また48は循環ガスライン、49は循環ブロワ
を示している。
第11図では、バーナ中央より2段目燃料を投入し、内
管42の周辺に燃焼触媒17を配置し、更に触媒あるいはセ
ラミックス多孔板46を設置しているが、第10図の触媒バ
ーナと同様な問題点を有する。
第10図及び第11図の触媒バーナの最大の欠点は、触媒
通過部の流速が層流域であり、このため2段目燃焼に対
して1段目燃焼ガスの大部分は2段目燃焼に寄与するこ
となく排出されることにある。したがって2段目の触媒
あるいはセラミックス多孔板部46側では環状火炎あるい
は中心部のみの火炎あるいは高温部が形成され、好まし
い燃焼とならない。
〔考案が解決しようとする課題〕
上記のように従来の触媒バーナでは、1)コンパクト
で単純な形状乃至構造であるので、小型設備にも適用で
き、2)汎用性に優れ、広範囲の用途に適用でき、3)
ノズルを一方向から着脱できるので、大きな設置面積を
要せず、組立性、メインテナンス性に優れ、4)ガス,
油に適用でき、更に5)燃焼負荷の高い低NOxバーナと
することができるという要件を全て満たすことができな
いものであった。
本考案の目的は、上記した要件を満足することができ
る触媒バーナを備えた触媒燃焼装置を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、二次燃料が供給される一本の二次燃料ノ
ズルを燃焼触媒を貫通した状態で配置し、該二次燃料ノ
ズルの外側に、一次燃料が供給されると共に前記二次燃
料の流れ方向における前記燃焼触媒よりも上流側に、前
記二次燃料の流れ方向と直交する方向に一次燃料を噴出
する一次燃料噴出ノズルを備える一次燃料ノズルを配置
して2重管とし、前記二次燃料の流れ方向における前記
燃料触媒よりも下流側で、前記二次燃料ノズルの先端部
に設けた噴出ノズルから、前記二次燃料の流れ方向に対
して25〜90°傾いた角度で前記二次燃料を噴出するよう
にしてなり、 前記二次燃料の流れ方向における前記燃料触媒よりも
下流側に設置された温度検出器の信号に基づき前記二次
燃料の流量を制御する手段と、前記温度検出器と前記燃
焼触媒との間であって該燃焼触媒よりも下流側に配置さ
れた温度検出器の信号によって前記一次燃料の流量を制
御する手段とを備えたことを特徴とする触媒燃焼装置に
よって達成される。
〔作用〕
本考案のバーナは、1段目の燃焼は、触媒を用いるの
で超低NOxで燃焼し、発生燃焼ガスを2段目燃焼の空気
源として用いるため2段目燃焼用空気のO2濃度を低下さ
せるので2段目燃焼においてもNOx生成を抑制できる。
また、触媒燃焼を貫通して設けられた二次燃料ノズルに
二次燃料を投入するので触媒燃焼の熱が全て2段目燃焼
に有効に作用し、2段目燃焼の火炎の安定性が保持でき
る。更に触媒燃焼温度の調製が可能であり、これにより
触媒燃焼温度を600℃以上に保持することにより二次燃
料ノズルに付設した保炎板の温度を過度に昇温すること
なく高温酸化焼損することなく、しかも火炎保持に有効
な温度に保つので火炎が更に安定する。
一次燃料の径方向に直角に一次燃料噴出ノズルを設け
ており、一次燃料の下流直後に渦流が発生し、燃料を巻
き込み滞留時間を確保されるため、燃料の濃度を均一に
でき、燃焼触媒内のホットスポット辺の低NOx燃焼を行
う。
また、二次燃料ノズルと燃焼触媒との間に断熱層を設
けると、2次燃料の過度の温度上昇が避けられるため、
コーキング等の発生がない。
更に2段目燃料は触媒層を通過しないので油状燃料で
も何んら問題なく燃焼できる。
上記の作用の結果、低O2空気でも安定して火炎が保持
できるため低NOxでしかも完全燃焼が可能となる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本考案の燃焼触媒装置の一実施例を示す概略
的構成図、第2図は第1図における触媒燃焼バーナの断
面図である。
この燃焼触媒装置における触媒燃焼バーナは、第2図
に示すように触媒バーナ16の中心部に円筒状の二次燃料
ノズル21が配置され、この二次燃料ノズルの外周面にこ
れと同心円上に円筒状の一次燃料ノズル20が配置されて
いる。一次燃料ノズル20にはノズル入口部20aが設けら
れ、このノズル入口部20a側のノズル軸方向端部が閉鎖
され、ノズル軸方向他端部も同様に閉鎖されると共に閉
鎖端部付近の一次燃料ノズル20の外周面には周方向に所
定の間隔でノズル径方向に突出する複数本の一次燃料噴
出ノズル22が設けられている。
触媒バーナ16には空気ノズル31を有する小径側管体端
部にグランドボックス26が設けられ、管体内壁面には軸
方向に所定の間隔をおいて、2つの円環状部材からなる
混合分散器24の間に二次燃料ノズル20の外周面に設けら
れた二次燃料噴出ノズル22を介在させる状態で設置され
ている。
混合分散器24の各々の円環状部材は二次燃料ノズル20
の外周面、一次燃料ノズル21の外周面、と離間されてガ
ス流路を形成している。
小径側管体は漸次内径が拡大して大径側管体に連接さ
れており、大径側管体はフランジ部で多孔板からなる整
流器25を狭持しており、これによって大径側管体内部の
ガス流路は整流器25によって区画された構造となってい
る。
二次燃料ノズル21の外周面と燃焼触媒17との間には断
熱材41が介在されている。そして、環状に巻回された断
熱材41の端部から二次燃料噴出ノズル23側に対し内径が
拡大した保炎板32が設けられている。また、二次燃料噴
出ノズル23からの二次燃料が燃焼触媒17の出口側に噴出
するように二次燃料噴出ノズル23のノズル形状が構成さ
れている。
次に第1図に示すように上記の構造からなる触媒バー
ナ16の一次燃料ノズル20には流量調節弁36を備えた一次
燃料管11が接続され、流量調節弁36は燃焼触媒17の出口
側に設置された温度検出器33と温度制御器(TC)を介し
て接続されている。二次燃料ノズル21には流量調節弁37
を備えた二次燃料管13が接続され、流量調節弁37は温度
検出器33よりも炉内側に設置された温度検出器34と温度
制御器(TC)を介して接続されている。
さらに触媒バーナ16の空気ノズル31には、流量調節弁
39及び空気予熱器40を備えた空気管15が接続され、空気
予熱器40は燃焼触媒17の入口側に設置された温度検出器
35と温度制御器(TC)を介して接続されている。また、
空気管15には流量調整器38を備えた分岐空気管15aを有
し、流量調節弁38は、温度検出器34に接続された温度制
御器(TC)からの指令信号により作動するようになって
いる。
次に上記のように構成される燃焼触媒装置の作用効果
につき説明する。
空気14は、流量調節弁39,空気予熱器40を備えた空気
管15を通り空気ノズル31から触媒バーナ16内に供給され
る。燃料は、一次燃料10と二次燃料12とに分けられ、一
次燃料10は流量調節弁36を備えた一次燃料管11から触媒
バーナ16のノズル入口部20aを経て一次燃料ノズル20内
に供給される。二次燃料12は流量調節弁37を備えた二次
燃料管12を経て触媒バーナ16の二次燃料ノズル21内に供
給される。
空気ノズル31から触媒バーナ16内に供給された空気
は、一次燃料ノズル20を通って一次燃料噴出ノズル22か
ら噴出された一次燃料10と混合分散器24で均一に混合さ
れた後、多孔板からなる整流器25で整流され、燃焼触媒
17に入る。これによって、例えば燃焼触媒17に入るガス
は、空気の全量、又は一次燃焼に必要な空気全量と二次
燃焼空気の一部との合計に調整される。
ここで一次燃料10は、触媒反応により燃焼し、600℃
以上、好ましくは700〜900℃の燃焼ガスとなって燃焼触
媒17を通過し、二次燃料ノズル21を経て二次燃料噴出ノ
ズル23から放射状に供給された二次燃料12を混合し、高
温の燃焼をする。
この場合、温度検出器33により燃焼触媒17の出口側の
ガス温度を検出し、温度制御器からの信号に基づいて、
流量調節弁36の開度が調節され、一次燃料ノズル20に供
給される一次燃料10の流量が制御される。また、炉の負
荷に応じ炉内又は被加熱体の温度を検出する温度検出器
34によって流量調節弁37,38の開度が調節され、二次燃
料ノズル21に供給される二次燃料12の流量及び二次空気
の流量が制御される。
一方、触媒燃焼用空気は、流量調節弁39により流量が
制御されると共に空気予熱器40において燃焼触媒17の入
口側に配置された温度検出器35からの信号に基づいて触
媒着火温度に維持される。
空気予熱器40は、電気ヒータ,若しくは蒸気加熱器に
より間接加熱手段又は小型バーナによる直接加熱手段、
再循環ブロワによる排ガス再循環、燃料噴霧を利用した
ベンチュリによる自己燃焼排ガス再循環等を採用するこ
とができる。但し、例えば10cm/s程度の低速度で燃焼触
媒17に混合ガスを供給する場合、断熱材41による断熱作
用を生かし、触媒の保有熱を利用して燃焼触媒17内に導
入される混合ガスを触媒着火温度とすることが可能であ
り、この場合には、特に空気予熱器40を要しない。した
がって空気予熱器40を設けることなく、触媒バーナ16に
冷混合ガスを供給する方式では、特に数万kcal/h程度の
小型バーナでは有効となる。
触媒燃焼においては、その燃焼機構の詳細については
解明されていないが、触媒成分の作用により、空気中の
酸素及び燃料を選択的に触媒表面に吸着させ、量論的に
燃料と酸素を反応させ、反応生成物を放出するといわれ
ている。
これらの接触反応が起こるためには、ある一定以上の
反応開始のための温度(着火温度)が必要とされ、最も
触媒燃焼の容易な水素,アルコール等で常温〜100℃以
上、最も難しいメタン,プロパン等で350〜400℃以上の
着火温度が必要である。
着火温度以上の温度で供給された燃料と空気の混合物
は、燃焼触媒17層内で燃焼を開始し、徐々にガス温度を
上昇させ燃焼を加速度的に増やし、急速に燃焼を完結す
る。この際、燃焼のガス種により単位触媒当たりの反応
量が異なるため、各々の燃料を完全燃焼させるために必
要な触媒量も異なり、これを空間速度(SV)m3触媒/m3
/hがス量(h-1)で表すと、易燃性の水素では略20〜30
×104h-1程度であり、難燃性のメタンでは、略5〜6×
104h-1程度である。
更に接触燃焼を継続完結させるためには触媒の温度を
一定温度以上に維持する必要があり、この温度以下で
は、一部燃料が未燃状態で放出される、所謂吹き抜け現
象が発生する。このため通過流速を一定流速以下にする
必要があり、易燃性の水素で最大10〜15m/s程度。メタ
ンでは3〜5m/s程度が限界である。更に流速を下げ数十
cm/s程度となると、触媒からの輻射熱により、混合ガス
を加熱し着火温度以上にすることが可能となり、触媒保
有熱による自己予熱が行われるため予熱器等が不要な冷
ガス供給方式が採用される。
本考案のバーナにおいては、予熱方式、冷ガス供給方
式いずれも採用できる。燃焼触媒17に供給された燃料,
空気の混合ガスは触媒作用により燃焼し、燃焼ガスを排
出する。この際燃焼ガス温度は二次燃料の自然発火温度
程度(略600℃)以上〜触媒の耐熱温度以下(略1,000〜
1200℃)であれば充分である。
この際、燃焼温度が上がりすぎると二次燃焼の噴霧ノ
ズル23及び保炎板32の材料高温酸化を生じ好ましくな
く、従って1,000℃以下、好ましくは900℃以下である。
燃焼温度が下がりすぎると二次燃焼への着火が不安定と
なる。燃焼温度が600℃程度では確実に着火はするが、
安定火炎の形成までに時間がかかり、700℃程度以上で
は、30秒程度で安定火炎を形成する。
一次燃焼排ガス中のO2濃度は上記燃焼条件では、略12
〜19%であり、残O2濃度は二次燃料の燃焼に適切な条件
となる。
上記のO2濃度下の一次燃焼排ガス中に二次燃料を少な
くとも30m/s程度以上の高速で、燃焼触媒17の出口面を
横断する形で流れ、軸に対し25〜90°傾いた角度で噴霧
させると、二次燃料はその高速噴霧の結果発生する渦流
の効果により周辺の低O2燃焼ガスを巻き込み、低O2での
燃焼を行う。この際25°以下では一次燃焼ガスの有効利
用が損なわれ、90°以上では触媒が異常加熱される。
この高速噴霧の結果、有効に一次燃焼ガスを利用する
と共に残O2ガスと燃料の混合を良好にし、火炎は短炎を
形成することができ、低NOx燃焼が達成される。
また、二次燃料噴霧ノズル23の基部に取り付けた保炎
板32は一次燃焼排ガスの流路を妨げるように設置されて
いるため、二次燃料噴霧ノズル23の基部、火炎の火元に
渦流を発生させ、更に一次燃焼排ガスにより加熱され火
炎の保持安定化をはかると共に短炎化を更に高める。
上記の一次燃焼排ガスの残O2濃度では、一次燃料量と
二次燃料量の比で略最大1:2〜3程度で燃焼用空気が不
足することとなるので、更に高負荷で燃焼するために
は、二次燃料12に予め必要空気を予混合することが必要
となるが、低NOx燃焼しうる二次空気は、二次燃料の必
要空気の略40〜80%程度が好ましい。
上記の条件で、燃焼した結果発生するNOx量の実測値
(B)を第3図に示す。本結果でも明らかなように従来
の低NOxバーナ(A)に比べ略1/3,1/2の発生量であり、
特段の効果があることが明らかとなった。更に上記の燃
焼における流れ方向の温度分布の一例を第4図に示す。
本図によって判るように二次燃料噴霧ノズル23部、保炎
板32部の温度は、触媒燃焼排ガスと同じかそれより30〜
50℃低い温度が検出された。これは、二次燃料12により
発生する火炎が低O2で燃焼するため、それほど高温にな
らないことと、更に二次燃料噴霧ノズル23、保炎板32は
二次火炎の影響より触媒の熱輻射、一次燃焼排ガスの影
響を受けているためである。すなわち、触媒燃焼の温度
を通常のオーステナイトステンレス鋼等の耐熱鋼が使用
できる範囲に保持することが望ましく、特に900℃以下
が好ましいことが判った。
更に、二次燃料12は燃焼触媒17層を通さないので、油
状燃料でもススの発生、詰まりを生じることなく燃焼で
きる。これは触媒燃焼を利用した燃焼装置として非常に
有用である。但し、油状燃料においては、高温部に長時
間滞留するとコーキング現象が発生し好ましくない。従
って、予熱空気中あるいは触媒層通過部分において温度
の温度上昇がないように触媒層の二次燃料12の通過部分
(貫通部)には断熱材41を取り付け、場合によっては図
示していないが、触媒上流の予熱空気中の移送管表面に
は断熱材を取り付けることが望ましい。更に滞留時間を
短くするため過度に二次燃料管径を大きくしないこと、
併せて二次燃焼用空気と予混合と流速を早め、滞留時間
を短くすることが望ましい。これはガス状燃料において
も同様である。
第5図は本考案の触媒燃焼装置の他の実施例を示し、
触媒バーナを改質器に適用したときの断面図、第6図は
第5図のA−A線の概略的断面図である。
この改質器は、改質器本体1の内部に反応管外管5と
その内部に同心上に配置された反応管内管6からなり、
反応管内管6の上端は反応管外管5の内面と間隔をおい
た状態で配置されている。反応管外管5の外周側には伝
熱粒子30が充填されており、反応管内管6の下部側は反
応管外管5から下方に突出して改質仕切室7に連通して
いる。また、反応管内管6と反応管外管5との間に形成
される空間部には水蒸気改質触媒が充填されている。伝
熱粒子30が充填された領域の上部には多孔体1aが設置さ
れ、この多孔板1aを介して触媒バーナ16による燃焼部に
連通し、伝熱粒子30が充填された領域の下部には伝熱粒
子30を支持可能で反応管内管6が貫通した支持板1bが設
けられている。そして、伝熱粒子30が充填された領域は
改質器本体1の側面に設けられた燃焼ガスノズル18に連
通している。また、仕切室4は原料ノズル3に連通し、
改質ガス仕切室7は改質ガスノズル8に連通している。
改質器本体1の上部に設置される触媒バーナ16の構造
は、第1図及び第2図の示すものと実質的に同一であ
る。なお、第5図中、一次燃料管11及び二次燃料管13に
はそれぞれ燃料遮断弁28が設置され、空気管15には空気
遮断弁29が設置されている。
次に上記のように触媒バーナを備えた改質器の作用に
ついて説明する。
原料と水蒸気との混合ガスは、原料ノズル3から仕切
室4内に供給され、反応管外管5と反応管内管6の間に
形成された円環状の水蒸気改質触媒充填層内に導入され
る。一方、反応管外管5の外部側は触媒バーナ16による
燃焼ガスにより加熱されており、原料2は水蒸気改質触
媒充填層を通過する間に外部より反応熱を受け、かつ水
蒸気改質触媒作用により改質反応が生じる。水蒸気改質
触媒充填層を通過して改質されたガス(改質ガス9)
は、反応管外管5の上部で反転して反応管内管6の内部
を下降し、改質ガス仕切室7に集められ、改質ガスノズ
ル8から改質器外部に取り出される。
触媒バーナ16による燃焼ガス19は、伝熱粒子30の充填
層を通過する間に伝熱粒子30を加熱することによって反
応管外管5を介して原料2に間接的に反応熱を与えた
後、そのガス自身の温度は低下し、燃焼ガスノズル18か
ら改質器外部に排出される。
改質器1の起動用燃料は、炭化水素系燃料であり、そ
の適正燃焼条件は着火温度350〜400℃以上、空間速度は
略5〜6×104h-1以下である。また、定常時の燃料であ
る水素系燃料は、着火温度、常温〜100℃以下、空間速
度は20×104h-1程度である。このことから、水素系燃料
燃焼時は炭化水素燃料燃焼時に比べ触媒必要量は1/2〜1
/4程度で良い。起動が完了し定常運転に入り、燃料切換
の段階で燃料元弁に連動して自動的に空気14及び燃料1
0,12の供給管分岐部の遮断弁28,29が閉り、バーナ運用
本数を1/2〜1/4に減少させる。(本実施例の場合5〜3
本程度である)これにより、常に燃料種に応じた適正条
件での運転ができる。また、負荷調整についても、各バ
ーナ毎にターンダウン調整ができるため、巾広い調整が
可能となり、安全かつ、安定した燃焼が運転条件に応じ
て提供できる。
また、供給された空気14は、全量触媒層に供給し、一
次燃料10により燃焼触媒層において燃焼し、1000℃以下
の燃焼ガスとなって触媒層を通過する。1000℃以下の燃
焼であり、燃焼ガス中には残酸素を充分に保有する。そ
こへ2次燃料12を供給すれば、新たに酸素源を供給する
ことなく燃料の発火温度以上に達し、2次燃料は自然発
火し、気相にて希薄な燃焼を完了する。触媒バーナを分
割したことにより、一体型の大型燃焼触媒は、小型燃焼
触媒となり、2次燃料12を各々のバーナの燃焼触媒下流
にその中心から放射状に噴出することで2次燃料12と燃
焼ガスは均一に混合され、ホットスポットの発生等がな
く均一な高温燃焼ガスを供給できる。
本実施例によれば、触媒燃焼の適正燃焼条件の大きく
異なる異種燃料を同一の触媒バーナ装置で燃焼させる場
合において、各々の燃料種に応じた適正燃焼条件で触媒
バーナが運用できるため、逆火現象等の発生を防止で
き、安全かつ安定した燃焼を得ることができる。また、
ホットスポットや未燃分の発生がなく、燃焼温度の高温
化を図ることができ、改質反応を促進すると共に改質器
をコンパクト化でき、バーナを分割運用できるので燃焼
のターンダウン巾を広くする効果がある。
本実施例による触媒バーナは、特にガスタービン用燃
焼器に適用しても上記した効果を有する。
〔考案の効果〕
以上のように本考案によれば、触媒燃焼と二次燃焼と
を組み合わせると共に燃焼触媒の出口面側に二次燃料の
噴出ノズルを設けて二次燃料を噴出することによって1
次燃焼排ガス保有熱を有効に、かつ効果的に利用するの
で低NOxが図られ、しかも火炎が短く、かつ触媒面積を
従来と同一面積としたとき従来よりも2〜10倍以上の燃
焼負荷が可能となりバーナの設置面積が小さくなる。更
に二次燃料は燃焼触媒層を通過しないので、例えば、A
重油等の劣悪な油状燃料でも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の触媒燃焼装置の一実施例を示す概略的
構成図、第2図は第1図における触媒バーナを示す断面
図、第3図は本考案の触媒燃焼装置によるNOx発生量の
一例を示す図、第4図は本考案の一実施例によるガス流
れ方向温度分布を示す図、第5図は本考案の触媒燃焼装
置の他の実施例を示す断面図、第6図は第5図のA−A
線断面図、第7図、第8図、第9図、第10図及び第11図
は従来の触媒燃焼式バーナを示す概略的構成図である。 1……改質器本体、3……原料ノズル、4……仕切室、
5……反応管外管、6……反応管内管、7……改質ガス
仕切室、8……改質ガスノズル、9……改質ガス、10…
…一次燃料、11……一次燃料管、12……二次燃料、13…
…二次燃料管、14……空気、15……空気管、16……触媒
バーナ、17……燃焼触媒、20……一次燃料ノズル、21…
…二次燃料ノズル、22……一次燃料噴出ノズル、23……
二次燃料噴出ノズル、24……混合分散器、25……整流
器、31……空気ノズル、32……保炎板、33,34,35……温
度検出器、36,37,38,39……流量調節弁、40……空気予
熱器、41……断熱材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 松田 正行 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (56)参考文献 特開 昭60−122807(JP,A) 特開 昭62−196519(JP,A) 特開 昭63−306303(JP,A) 実開 昭57−154748(JP,U) 実開 昭62−29521(JP,U) 実開 昭58−148409(JP,U)

Claims (8)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】二次燃料が供給される一本の二次燃料ノズ
    ルを燃焼触媒を貫通した状態で配置し、該二次燃料ノズ
    ルの外側に、一次燃料が供給されると共に前記二次燃料
    の流れ方向における前記燃焼触媒よりも上流側に、前記
    二次燃料の流れ方向と直交する方向に一次燃料を噴出す
    る一次燃料噴出ノズルを備えた一次燃料ノズルを配置し
    て2重管とし、 前記二次燃料の流れ方向における前記燃焼触媒よりも下
    流側で、前記二次燃料ノズルの先端部に設けた噴出ノズ
    ルから、前記二次燃料の流れ方向に対して25〜90°傾い
    た角度で前記二次燃料を噴出するようにしてなり、 前記二次燃料の流れ方向における前記燃焼触媒よりも下
    流側に設置された温度検出器の信号に基づき前記二次燃
    料の流量を制御する手段と、前記温度検出器と前記燃焼
    触媒との間であって該燃焼触媒よりも下流側に配置され
    た温度検出器の信号によって前記一次燃料の流量を制御
    する手段とを備えたことを特徴とする触媒燃焼装置。
  2. 【請求項2】前記噴出ノズル近傍に保炎板を設置したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の触媒燃焼装置。
  3. 【請求項3】前記二次燃料ノズルの外周面と前記燃焼触
    媒との間に断熱材層を介在させたことを特徴とする請求
    項1に記載の触媒燃焼装置。
  4. 【請求項4】前記二次燃料の流れ方向における燃焼触媒
    よりも上流側のガス温度を検出する第1の温度検出器を
    設置し、該第1の温度検出器からの信号に基づいて前記
    燃焼触媒が設置された領域に導入される空気を予熱する
    空気予熱器の加熱量を制御するようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載の触媒燃焼装置。
  5. 【請求項5】前記二次燃料の流れ方向における燃焼触媒
    よりも下流側のガス温度を検出する第2の温度検出器を
    設置し、該第2の温度検出器からの信号に基づいて前記
    一次燃料ノズルに導入される前記一次燃料の流量を制御
    するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の触媒
    燃焼装置。
  6. 【請求項6】触媒バーナが設置された炉内の温度又は前
    記触媒バーナにより加熱される被加熱体の温度を検出す
    る第3の温度検出器を設置し、該第3の温度検出器から
    の信号に基づいて前記二次燃料ノズルに導入される二次
    燃料及び二次空気の流量を制御することを特徴とする請
    求項1に記載の触媒燃焼装置。
  7. 【請求項7】前記一次燃料ノズルにガス状燃料を供給す
    る配管を接続し、前記二次燃料ノズルに油状燃料を供給
    する配管を接続したことを特徴とする請求項1に記載の
    触媒燃焼装置。
  8. 【請求項8】前記保炎板は、その傾斜角が前記二次燃料
    ノズルの径方向に対して25〜90°であることを特徴とす
    る請求項2に記載の触媒燃焼装置。
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