JP3868127B2 - 電子素子封入容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電子素子を気密に封止して電子素子の信頼性を向上するために電子素子封入容器及びこのような電子素子封入容器を用いた電子部品に関するものであり、特に薄型化を可能にし且つ高信頼の気密保持を可能とする電子素子封入容器の構造及びこれを用いた電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術について図13を参照しながら説明する。従来から非常に高精度の動作を必要とする電子素子例えば水晶振動子や圧電素子ないしはセンサー、半導体素子等は何らかの方法で外気との遮断を図って外気からのガス、水分ないしは埃等からの悪影響を排除するようにしている。例えば一般的にはLSIのような半導体素子は所謂モールド封止というかたちで外部の環境から半導体素子そのものを気密に封止してその半導体素子の高信頼性を確保していた。
【0003】
一方圧電素子や水晶振動子のようにその素子自体が原則的にはフリーな状態に置かれている必要がある場合には図13に示すような缶ケースに封入されて使用に供されていた。水晶振動子や圧電素子の類は、例えば局部発振器の基準発振器等非常に高精度の動作を要求されるものであるため、その素子自体に何らかのガスないしは微小な埃が触れるだけでその動作に狂いが生じ、本来期待される性能を発揮できないからである。
【0004】
図13に示すものはベース131にキャップ132をかぶせベース131上に電極133を突出させてその電極133に電子素子134を配置するようにしている。このベース131及びキャップ132は図に示すように一般的には円筒形の形をしておりベース131に対してキャップ132をはんだ付けしたり電気溶接したりすることにより電子素子134を気密に封止していた。しかしながらはんだ溶接や電気溶接の場合にははんだ材料やないしはキャップ132、ベース131の一部が熱により気化して電子素子134と同時に電子素子封入容器130中に封止されるのでその蒸気が電子素子134に触れることによって電子素子134の動作に狂いが生じるという問題があった。
【0005】
そこで近年においてはより高精度な電子素子の動作を確保すべくベースとキャップの封止方法として圧入嵌合が採用されている。圧入嵌合とはベースに対してキャップを押し込み、ベースないしはキャップの一部を変形させてベースとキャップの界面を密着させ、キャップ内部の空間を気密に封止するというものである。従ってこの場合には封止のために加熱を要しないので構成材料の一部が蒸気となって電子素子に悪影響を与えるというようなことがない。
【0006】
このような圧入嵌合型の電子素子封入容器の形状としては図13に示すような円筒形のものが最も適しているのであるがその理由は圧入部分の嵌合圧力が全周にわたって均一にすることができるということによる。例えばこのベース及びキャップの形状が矩形や楕円形の形であればキャップとベースとの接合部分即ち圧入嵌合部分の嵌合圧力がその形状によって広く分布し、全体にわたって強くなく且つ弱くもないという嵌合圧力を確保するのが難しいからである。以上のような理由から従来においては電子素子を気密に封入する電子素子封入容器として図13に示すような円筒形のものが用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来においては円筒形の電子素子封入容器が用いられているのであるが、この円筒形の電子素子封入容器は近年の電子機器の薄型化に対して徐々に不利な形状となりつつある。即ち図14(a)に示すようにこのような電子素子封入容器141は内部に電子素子を封入し、電子部品としてマザーボード142上に配置されて他の電子部品143と協働して一つの機能を有する回路を構成するのであるがこのようなマザーボード142上に電子素子封入容器141であって円筒形のものを配置するとその素子のみがマザーボード142全体の高さを必要以上に嵩高くしてしまうという問題がある。
【0008】
これは側面から見た同図(b)に示すものを見れば明らかである。このようなマザーボード142上に配置される他の電子部品143は例えば半導体素子やチップ型のコンデンサー、チップ型の抵抗、チップ型のコイルのようなものであり、いずれも極めて背が低いものである。しかしながらこの電子素子封入容器141のものは円筒形の形をしているので、例えこれを寝かせた形でマザーボード142上に配置したとしても少なくとも円筒形の直径分の高さは必要とするのである。
【0009】
一方このような円筒形の電子素子封入容器の内部に封入されている電子素子を考えてみれば、前述のように半導体素子や圧電素子、SAW共振子のような薄型板状のものであってこの電子素子封入容器の大部分の体積はこの薄型板状のものを外部から気密に確保するのに不必要な空間である。従って従来においては単に圧入嵌合するという必要性からのみこのような電子素子封入容器の外形が決められており、そのために電子素子封入容器を使用した電子部品のみならずそのような電子部品を用いたマザーボードの全体ないしはそのマザーボード使用した電子機器の全体を嵩高くしてしまうという問題点を有しているのである。
【0010】
例えば近年実用化されつつあるカード型の電子機器のようなものについては薄さが高々2〜3ミリ程度というものが必要とされ、このような円筒型の電子素子封入容器は使用することができないため、かえって信頼性の低いはんだの封止ないしは電気溶接による封止を用いた薄型の容器を用いざるを得ないという問題点があったのである。本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、封止の信頼性を向上する圧入嵌合型の封止を採用しつつ電子素子封入容器の嵩高さを低く抑えることができる電子素子封入容器及びこのような電子部品を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、ベースにキャップを圧入嵌合して、ベース上に配置された電子素子を気密に封止する電子素子封入容器であって、前記キャップの開口は、略楕円の切口形状を有し、前記ベースはこのキャップの圧入方向に末広がりである電子素子封入容器を提供する。また、ベースにキャップを圧入嵌合して、ベース上に配置された電子素子を気密に封止する電子素子封入容器であって、前記キャップの開口は、略楕円の切口形状を有し、このキャップとベースとの圧入代は、前記切口の長軸側が短軸側より小さい電子素子封入容器を提供する。
【0012】
また、ベースにキャップを圧入嵌合して、ベース上に配置された電子素子を気密に封止する電子素子封入容器であって、前記キャップの開口は、略楕円の切口形状を有し、このキャップとベースとの圧入代は、前記切口の長軸側嵌合部が短軸側嵌合部より小さく、前記ベースは前記切口の短軸側嵌合部においてのみキャップ圧入方向に末広がりである電子素子封入容器を提供する。
【0013】
また、前記ベースはセラミック材料からなる請求項1に記載の電子素子封入容器を提供する。また、前記キャップは金属材料からなり、接地電極を介して接地することができる請求項1に記載の電子素子封入容器を提供する。また、前記キャップはガラス材料からなる請求項1に記載の電子素子封入容器を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以上説明したように本発明においては電子素子封入容器のうちキャップとベースとの嵌合部分の形状を特殊形状とし、電子素子封入容器の嵩高さを低く抑えるとともに嵌合部分の全周にわたって嵌合圧力を最適化且つ均一化して、低背であり且つ高信頼性の電子素子封入容器及びこれを用いた電子部品を提供する。以下に本発明について、図1〜図3を参照しながら発明を説明するものである。
【0016】
本発明は前述のように、ベースにキャップを圧入嵌合して、ベース上に配置された電子素子を気密に封止する電子素子封入容器であって、前記キャップの開口は、略楕円の切口形状を有し、前記ベースはこのキャップの圧入方向に末広がりである電子素子封入容器である。この発明は先ず第一点として、低背化するためにキャップの開口を略楕円の切口形状とした点に特徴がある。また、前記ベースはセラミック材料からなる請求項1に記載の電子素子封入容器を提供する。また、前記キャップは金属材料からなり、接地電極を介して接地することができる請求項1に記載の電子素子封入容器を提供する。また、前記キャップはガラス材料からなる請求項1に記載の電子素子封入容器を提供する。
【0017】
このように略楕円の切口形状とすればこれをマザーボード上に寝かせた状態で配置すれば従来の円筒型のものと比べて相当の低背化が可能となり、マザーボードないしはこれを組み込んだ電子機器の薄型化に資するのである。ここで略楕円とは実際の楕円及び楕円に近い形状を含むものであり、楕円に近い形状とは複合円のようなものや円と直線とで形作られたようなものをも含む趣旨である。
【0018】
このような略楕円の形状とするのは例えば低背化のためにこのキャップの開口の切口形状を矩形状とすればベースに対してこのような切口形状を有するキャップを圧入嵌合した際の嵌合圧力の分布が極めてばらつき、短辺側では極大、長辺側では極小の極めて大きな嵌合圧力の差を有するため妥当でないからである。即ちこのような略楕円な形状をとることにより短軸側及び長軸側にわたって嵌合圧力をある一定の範囲で分布させることが可能となり、極めて強すぎる嵌合圧力ないしは極めて弱すぎる嵌合圧力を排除し、ベースないしはキャップの破損又は気密漏れを防止することができるためである。
【0019】
またこの発明のもう一点の特徴はベースの形状にある。前述のようにこのベースはこのキャップの圧入方向に末広がりの形状を有している。このように末広がりの形状とは断面時で台形型にその嵌合部分が見えるような形状をいう。本来この圧入嵌合の方法においてはキャップとベースとの圧入代をコントロールすることによって所定の嵌合圧力を確保し、ベース上の電子素子を外部に対して気密に封止するようにしているのであるが、前述のように真円ではなく略楕円とすることによって楕円全周にわたる嵌合圧力は一定のばらつきを有するようになる。
【0020】
このように一定のばらつきを有した場合には強い部分はともかく弱い部分において気密封止漏れの可能性が高まり、これを改善する必要性が生じてくる。そこで本発明においては第二に特徴点としてベースがこのキャップの圧入方向に末広がりの形としたのである。末広がりの形とすることによって本来圧入代によって嵌合圧力を強化すべきところ、その圧入代を十分にとっても嵌合圧力を十分にとれない場合にはこのキャップ圧入方向に末広がりに形成されたベースによって更に圧入中にキャップが外側に拡開され、この拡開はこのキャップの弾性変形によって行われるのであるからキャップとベースとの間の嵌合圧力は益々強まるというような作用が生じる。
【0021】
以上述べたようにベースが略楕円の切口形状を有している場合にはその一部に必ず嵌合圧力の不十分な部分が生じてくるのでこのような嵌合圧力の不十分なものを特に高めるためにキャップの圧入方向に末広がりの形状のベースとしたのである。尚請求項1記載の発明においては略楕円の切口形状とはこのベースとキャップとの嵌合部分の形状のみであって、例えば図2(a)に示す電子素子封入容器20のようにベース21が略矩形であってキャップ22との嵌合部分21aのみが略楕円形のものであってもよい。
【0022】
この発明を一般的に図示したのが図1である。図1に示すようにベース上にキャップが圧入嵌合されておりベース上にはベース上面から突出した電極上に電子素子が支持されており、この電子素子はベース上に圧入嵌合されたキャップによってこの全体が覆われて外部に対して気密に封止され、高信頼性の動作が確保されるようになっている。
【0023】
図1(a)の斜視図を側面から見て、この発明を明らかにしたのが同図(b)である。図に示すようにその特徴点の第一点はベース11がキャップ12の圧入方向に対して末広がり即ち断面視で台形状に形成されているということと、このベース11とキャップ12との圧入嵌合部分即ちキャップの開口15が略楕円の切口形状を有しているという点である。
【0024】
図2(b)に示すものは前述の略楕円の定義を図をもって簡単に現したものである。略楕円とは繰り返して言えば同図(b)のように楕円であっても又その下に描かれた複合円であっても又円と直線から形成されているようなものであってもよい。
【0025】
次に、この発明は前述のように、ベースにキャップを圧入嵌合して、ベース上に配置された電子素子を気密に封止する電子素子封入容器であって、前記キャップの開口は、略楕円の切口形状を有し、このキャップとベースとの圧入代は、前記切口の長軸側が短軸側より小さい電子素子封入容器である。この発明もこのような圧入嵌合型であって且つ薄型の電子素子封入容器に特徴的な欠点を回避することができる構成をもっている。その特徴点は既に述べたようにキャップとベースとの圧入代のコントロールにある。
【0026】
この発明の問題点を簡単に示したのが図4である。図4(a)は一般的な円筒状の電子素子封入容器のベースとキャップとの嵌合部分の圧力の分布を示している。図中丸印で示したのは嵌合圧力が最適な嵌合圧力であることを示し、ベース及びキャップの嵌合部分の形状が真円である場合には全周にわたって均一な最適な嵌合圧力を実現することが可能となる。
【0027】
しかしながら同図(b)に示すように薄型化のためにその切り口の形状を略楕円の形状とした場合には楕円の長軸上側は過剰な嵌合圧力に、又短軸側は不足した嵌合圧力に、両者の中間部分が最適な嵌合圧力にと分布し、過剰な嵌合圧力の部分は機械的な破壊即ちキャップないしはベースの機械的な破壊を導き、又嵌合圧力が不足する部分においては気密封止漏れ即ちベースとキャップとの隙間が生じてこの部分から気密封止が破れるという問題が生じる。
【0028】
このような問題点を回避するために成されたのがこの発明であって、その特徴点はキャップとベースとの圧入代を前記切口の長軸側が短軸側より小さい電子素子封入容器とすることである。圧入代とは図3(a)に示すようなものであって一般的にはキャップ32の内径がベース31の外形よりも小さいように設計し、キャップ32をベース31に対して押し込むことによってキャップ32の弾性変形を誘起し、この弾性力によってキャップ32が強く締めつけて内部を気密に封止するようにしている。
【0029】
この圧入嵌合前を示すのが同図(a)であり、圧入嵌合後の電子素子封入容器30を示すのが同図(b)である。圧入嵌合後においては同図(b)に示すようにキャップ32とベース31との圧入嵌合部分35はキャップ32が大きく弾性変形し、この部分が気密に封止されるようになっている。しかしながら前述のようにこの圧入代寸法dをキャップの切口形状である略楕円の全周にわたって一定の値とすれば図4に示すように長軸側嵌合部41では最適な嵌合圧力であっても短軸側嵌合部42では不足するという問題点が生じるので本発明においてはこの圧入代寸法を長軸側が小さく短軸側は大きくすることで本来嵌合圧力が弱い短軸側の嵌合圧力を向上させる方向に、又嵌合圧力が強い長軸側の嵌合圧力を弱める方向に構成したのである。
【0030】
図5(a)に示すのはこの圧入代を一定とした場合の嵌合圧力の分布を示し短軸側が小さく長軸側が大きいことを示している。同図(b)に示すものはこのような圧入代でもって電子素子封入容器を形成した場合の嵌合圧力の分布を示している。しかしながら圧入代に関して長軸側を短軸側より小さくすればこれらのプラスマイナスを相殺して同図(b)で示すように略楕円形状の全体にわたって嵌合圧力を最適化することができるのである。
【0031】
請求項1に記載の発明は前述のように、ベースにキャップを圧入嵌合して、ベース上に配置された電子素子を気密に封止する電子素子封入容器であって、前記キャップの開口は、略楕円の切口形状を有し、このキャップとベースとの圧入代は、前記切口の長軸側嵌合部が短軸側嵌合部より小さく、前記ベースは前記切口の短軸側嵌合部においてのみキャップ圧入方向に末広がりである電子素子封入容器である。
【0032】
前述のようにこの種のキャップの開口が略楕円の切口形状を有する電子素子封入容器の特徴点は薄型化を図れることにあるが、それにより生じる欠点として圧入部分の嵌合圧力が全周にわたって均一でないことを既に述べた。
【0033】
そしてその解決方法として圧入代をこの略楕円の切口形状の全体にわたってコントロールしてやることにより、即ち切口の長軸側が短軸側より圧入代を小さくすることによりこの嵌合圧力を全周にわたって均一化しようとしたのである。しかしながら、この場合においても十分にその嵌合圧力を均一化することができない場合がある。
【0034】
それはキャップとベースとの圧入代の大きさは最大限でキャップの厚みまでしかとることができないということに起因する。もし、全周にわたって嵌合圧力を均一化ないしは所定の範囲内に入れるために必要な圧入代がキャップの材料の厚みより大きくなる場合、この問題点を解決することはできず結果として薄型化した電子素子封入容器を実現できない。
【0035】
しかしながら請求項1に記載の発明はベースのキャップ圧入方向への末広がりの形状が短軸側嵌合部においてのみ形成するようにした電子素子封入容器であってこのようにすることによって圧入代寸法のコントロールのみでは不十分な嵌合圧力の調整をこの末広がり形状のベースによって最適化することができるようにしたものである。
【0036】
このベースの形がキャップ厚方向に末広がりとなるのは前述のようにキャップがベースに習って押圧されていく段階でキャップがその径を徐々に広げていき、ベースに沿って弾性変形していき圧入代寸法によって得られる弾性変形よりも更に大きな弾性変形がこの嵌合部分において形成される。
【0037】
結局のところベースとキャップとの嵌合圧力の大きさはどの程度キャップが嵌合部分で弾性変形するかによっているものであるため、圧入代のコントロールのみによっては充分に弾性変形することができない場合にはこの末広がり形状のベースでもって更に外側にキャップを広げてやることで十分な弾性変形を得、逆に言えば十分な弾性力でもってキャップがベースを締め付けるようにすることができるのである。
【0038】
請求項1に記載の発明を図示したのが図6及び図7である。図6(a)に示すように略楕円形の形状を有するベースは短軸側で最大圧入代をもたせることによりこの部分の嵌合圧力を最大に高めることができる。しかし、図6(a)のように最大圧入代でもってしても同図(b)に示すように短軸側の嵌合圧力が不足することがある。
【0039】
この場合には請求項1に記載の発明即ち図7(a)、(b)に示すような解決策が得られるのである。図7(a)に示すように最大圧入代でもって十分な嵌合力が得られない部分にのみベースの形状を圧入方向に末広がりに形成してやれば同図(b)に示すように短軸側も長軸側も最適な嵌合圧力ないしは最適幅の嵌合圧力内に嵌合圧力を設計することが可能となるのである。
【0040】
次に、請求項2に記載の発明について説明する。この発明は前述のように、前記ベースはセラミック材料からなる請求項1に記載の電子素子封入容器である。既に請求項1に記載の発明の説明において薄型化し且つ気密封止を高信頼性で保つためには楕円型のキャップの開口形状を有するものを圧入嵌合すること及び圧入代を最適化し更にはベースの形状をキャップ圧入方向に所定の設計により末広がり形状にすることによって可能であることを示した。
【0041】
この請求項1に記載の発明においては特にこのベースの形状の設計精度が問題となる。ベースとキャップとの嵌合圧力は結局のところベースとキャップとの精密な設計寸法に依存するのである。設計寸法が少しでも狂えばその部分から気密封止漏れないしは過大な締め付け圧力による機械的破壊が生じるからである。このような精密な設計をするために、例えばキャップ側が金属材料でできている場合にはこれを一定の押し出しによってある程度の設計精度を確保することができる。
【0042】
しかしながら従来一般的に用いられていたベース側の設計即ち金属外環の内部をガラスで封止してベースを形成するというものについては金属外環自体の設計精度があったとしてもこの内部にガラスを充填して端子を封入する際にいくつもの加熱工程ないしは冷却工程を経なければならないため、その寸法精度を十分に確保するのは困難であった。そこでこのような寸法精度を容易に確保する手段としてこのベースの材料をセラミック材料からなるベースとすることが考えられる。これを示したのが請求項2に記載の発明である。
【0043】
セラミック材料は機械的強度が充分であり且つ高い寸法精度で加工が可能であるため、このような高寸法精度を有するベースの材料としては極めて適している。又セラミック材料は全体が絶縁材料で形成することができるので金属外環を用いた場合のように金属外環と端子との絶縁に気を遣う必要もない。
【0044】
以上のような理由からこのような高精度の加工を有する請求項1に記載した電子素子封入容器のベースの材料としてはセラミック材料からなるものが最適であるということが言える。尚ここで言うセラミック材料とは必ずしも従来の金属酸化物を混合したセラミック材料のみならずこれにガラス材料を混ぜた所謂ガラスセラミックと呼ばれるものも含む趣旨である。
【0045】
請求項2に記載の発明を図示したのが図8である。図8(a)はベース81上にキャップ82が被せられた電子素子封入容器80であるがこのベース81がセラミック材料から成っている。このベース81とキャップ82との圧入嵌合の際にはこのベース81の嵌合部分85においてキャップ82が滑りながら変形していく必要があるが、この変形を容易にするためにセラミック材料の嵌合部分85に一部金属材料等の展延性に富む材料を配置してやることが適している。
【0046】
又セラミック材料は加工性に富むため同図(b)に示すように一枚のセラミック材料板87中に多数のキャップ82を被せることにより複合化した電子素子封入容器80bを実現することも容易である。又図9に示すようにセラミック材料自体を一つのケース90aとし、この内部にキャップ92をいくつも被せ気密封止し、更にこのセラミックケース90aの上部から蓋90bをすることによって二重の気密構造を有する電子素子封入容器90を実現するというようなこともできる。
【0047】
次に請求項3に記載の発明について説明する。請求項3に記載の発明は前述のように、前記キャップは金属材料からなり、接地電極を介して接地することができる請求項1に記載の電子素子封入容器である。この種の電子素子封入容器中に封止される電子素子の特性としては外部からの環境に影響の受け易い高信頼性の電子素子例えばSAW共振子や圧電素子、半導体素子、センサーの素子のようなものが最適であることは既に述べたがこの種の素子は埃や水分、ガス等のみではなく電磁界の影響も敏感に受ける場合がある。
【0048】
このような場合にはこの種の電子素子が電磁的にシールドされている必要性が生じる。このような電磁的にシールドする必要がある素子に対して最適な素子封入容器を提供するのが請求項3に記載の発明である。請求項3に記載の発明は要するにキャップが金属材料からなりこの金属材料が例えばマザーボード上の接地回路に繋がるような接地電極に繋がっている電子素子封入容器である。
【0049】
図10に示すのがこの種の電子素子封入容器のベース101であり従来の電子素子用の電極103が2本の他に接地電極104が更に1本余計に配置されており、この部分がマザーボード上の接地回路に通ずるとともにこの部分が金属キャップにも接触していて金属キャップの全体が接地電位に導かれることと、この金属キャップの全体で被われる電子素子を電磁シールドできるようになっている。
【0050】
特にこのような形状としたのはこのような薄型の素子が薄型の金属キャップに取り囲まれている場合に、薄型の正面及び裏面にわたって電磁界が金属キャップを介して発生し易いという特性に鑑みたものでもある。所謂この金属キャップは両者で一種の電極的な役割を果たし、中間に挟んだ電子素子特に板状の電子素子に対して金属キャップが重畳的に電磁界による悪影響を与えるのを防止せんとするような構造である。
【0051】
次に請求項4に記載の発明について説明する。請求項4に記載の発明は前述のように、前記キャップはガラス材料からなる請求項1に記載の電子素子封入容器である。このような薄型の電子素子封入容器の場合には特徴点として内部に封入される板状の電子素子の表面又は裏面とこれに対して被せられるキャップの表面及び裏面が略平行関係にあるという点がある。
【0052】
このように平行関係にあればこの外部を透明のもので被ってもその内部に封止される即ち立設されている素子の表面ないしは裏面を光りの屈折による視認性の悪化を防止して容易に視認することができるので内部を視認することが必要な素子例えば図11に示すようなヒューズ素子114のようなものをベース111とキャップ112との内部に封入しておけば外部からそのヒューズの断線を確認することができるので高信頼性のヒューズ素子用の電子素子封入容器110として優れているということができる。本発明はこのような観点から提案されるものである。
【0055】
図12に示したものはベース121上に透明なキャップ122が被せられており、その内部には発光素子124を用いた電光管による数字の表示装置125が配置されている。この発光素子124は外部からの影響を受け易いので気密に封止した状態で作動させるのがよく、このような気密封止の電子素子封入容器120としては請求項6に記載の電子素子封入容器が最適であり、このような電子素子封入容器120を用いれば発光素子124を封入した信頼性の高い電子部品を提供することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば略楕円形状の切口形状を有するキャップとベースとの圧入嵌合部分を有し、且つベースの圧入代を所定にコントロールしたり、ベースの形状を所定の末広がり形状にすることによって、薄型で且つ高信頼性の電子素子封入容器ないしは高信頼性のこれらを用いた電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子素子封入容器の一例の斜視図及び側断面図
【図2】 本発明の電子素子封入容器の他の例の斜視図及び略楕円の切口形状
【図3】 本発明の電子素子封入容器の圧入代を表わす側断面図
【図4】 ベースとキャップの切口形状による嵌合圧力の分布を示す図
【図5】 キャップの圧入代を一定とした場合の嵌合圧力の分布を示す図
【図6】 キャップの圧入代が最大の場合でも嵌合圧力が不足する場合を示す図
【図7】 キャップの最大圧入代とベースの末広がり形状の組み合わせによる良好な嵌合圧力を得た図
【図8】 電子素子封入容器のベースがセラミック材料から成っている例を示す図
【図9】 セラミックケースの底面をベースとしこの上に個々の電子素子封入容器を配置し蓋をして二重の気密構造とした例を示す斜視図
【図10】 電磁シールド機能を有する電子素子封入容器のベースを示す図
【図11】 キャップがガラス材料から成る電子素子封入容器の斜視図
【図12】 内部に電光管による表示装置が配置されている電子素子封入容器の斜視図
【図13】 従来の電子素子封入容器の斜視図
【図14】 従来の電子素子封入容器を載置したマザーボードの斜視図及び断面図
【符号の説明】
10、20、30、80、90、110、120 電子素子封入容器
11、21、31、81、101、111、121 ベース
12、22、32、82、92、112、122 キャップ
124 電子素子
15 開口
d 圧入代
41 長軸側嵌合部
42 短軸側嵌合部
104 接地電極

Claims (4)

  1. 電子素子を配置したベースにキャップを圧入嵌合して気密封止した封入容器において、前記キャップは切り口形状が略楕円形の開口を有し、前記ベースに対する前記キャップの圧入代寸法は、前記開口の長軸側が小さく短軸側を大きくし、かつ、前記ベースは前記キャップの圧入方向の末広がり部分を前記開口の短軸側嵌合部に設けた電子素子封入容器。
  2. 前記ベースはセラミック材料からなる請求項1に記載の電子素子封入容器。
  3. 前記キャップは金属材料からなり、接地電極を介して接地することができる請求項1に記載の電子素子封入容器。
  4. 前記キャップはガラス材料からなる請求項1に記載の電子素子封入容器。
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