JP3867957B2 - 満水報知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場のフロアに設置されている廃液や汚水等を一時的に貯留する貯留槽の満水報知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の製造工場のフロアには、図7に示すように、各種製造装置から漏れ出る汚水や廃液を一時的に貯留するための貯留槽100,100・・・が各所に設置されている。この貯留槽100,100・・・は、フロア101を所定形状に掘削したものである。通常、安全のために、貯留槽100,100・・・には、それぞれ蓋102が設けられている。
この貯留槽100,100・・・は通常の場合、それぞれが独立しており、特別な排水設備は設けられておらず、個々の貯留槽100が満水状態となったところで、タンクローリ等により内部の汚水や廃液を汲み出し、別途処理している。
【0003】
ところで、この貯留槽100には金属板等の蓋102が設けられているために、貯留槽100内部における廃液の量を外部から確認することが難しく、結局、蓋102を開けて貯留槽100内部を直接目視することで確認していた。この作業は、貯留槽100内への落下の危険性を伴うとともに、貯留槽100内は暗いために、貯留槽100内の正確な液面の高さを把握することが難しく、しばしば、貯留槽100より廃液がオーバーフローしてしまう事態を招来した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、一端貯留槽100より廃液がオーバーフローすると、工場内のフロアが水浸しとなり、滑り易くなるため安全上好ましくないとともに、溢れ出た廃液の清掃作業に人員を割かなければならず、生産効率上好ましくない。
【0005】
このような問題点を解決するために、各貯留槽100,100・・・を排水管で連結してポンプ等により廃液を工場外に排出する排水設備を設けることも可能ではあるが、現在稼動している工場に新たに排水設備を設けるとなると、新たな設備投資のコストがかかるとともに、排水管設置やポンプ設置の工事のために最悪の場合製造ラインを停止しなければならない等の問題点が発生する。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、非常に単純な構成で、工場内のフロアに設置されている貯留槽の満水時期を報知する装置を提案することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。
請求項1記載の発明は、貯留槽の液面の上昇による満水を報知するための満水報知装置であって、前記貯留槽の入口を覆う蓋の裏面に、前記液面の上下動に従動する中空円筒状の第1のフロートと、この第1のフロートを案内する案内手段が設けられ、前記第1のフロートの頭部には、第1の指示手段が設けられ、前記第1のフロートの内部には、前記液面の上下動に従動する第2のフロートが設けられ、この第2のフロートの頭部には、第2の指示手段が設けられ、前記蓋には、前記第1の指示手段が突出可能な開口が設けられ、前記第1の指示手段には、前記第2の指示手段が突出可能な開口が設けられていることを特徴とする満水報知装置である。
【0008】
請求項1記載の満水報知装置によれば、貯留槽の貯留量を示すための第1のフロートが、貯留槽入口の蓋の裏面に設けられた案内手段に案内されながら、貯留槽の液面の上下動に従って上下動する。さらに、前記第1のフロートの頭部には、第1の指示手段が設けられており、この第1の指示手段は、前記蓋にもうけられた開口より突出可能であるので、使用者は、この開口より第1の指示手段が突出しているかどうかを目視し、それにより、貯留槽が満水状態かどうかを容易に知ることが可能となる。
また、第1のフロートの頭部に前記開口より突出可能な例えば球状又は突起状の第1の指示手段を設けたので、貯留槽が満水状態に近づくと、この第1の指示手段が貯留槽の開口部より飛び出た(突出した)状態となり、使用者に注意を喚起するので、第1の指示手段の見落としの危険性を減少し、より効果的に貯留槽の満水状態を報知することが可能となる。
【0009】
このように、貯留槽が満水状態に近くなり、廃液の液面が上昇すると、満水状態となる所定時間前に先ず、案内手段に案内されて第1のフロートが上昇して蓋の裏面に接触する。これにより第1のフロートの上底面に設けられた第1の指示手段が蓋に設けられた開口より突出し、第1回目の満水報知を行う。
【0010】
そして、第1回目の満水報知後、さらに、貯留槽の液面が上昇すると、中空筒形状の第1のフロートの中空筒内に設けられ、第1のフロートの筒内部を上下動する第2のフロートが、液面の上昇に従って第1のフロートの筒内部を上昇する。これにより、第2のフロートの頭部に設けられた第2の指示手段は、前記第1のフロートの第1の指示手段に設けられた開口から突出し、第2回目の満水報知が行なわれる。
【0011】
また、第1の指示手段に設けられた開口の径は第1のフロートの水平方向における最大幅よりも小さく、前記第1の指示手段の水平方向における最大幅よりも大きく設定されているので、貯留槽が満水状態に近づき、第1のフロートが前記蓋の裏面に接触したとしても、床面には指示手段が突出するのみで、第1のフロートは前記開口により遮られて必要以上に突出することがないので、フロア内の歩行等に支障をきたすことがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明するが、本発明はこの実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の技術的思想を具現化する種々の変更が可能である。
【0013】
図1は本発明の満水報知装置に係る第1参考例の断面図であり、図3は第1参考例の満水報知装置の動作を示す模式図であり、図4は本発明の満水報知装置の第2参考例を示す模式図であり、図5は本発明の満水報知装置の実施形態を示す断面図であり、図6は実施形態の満水報知装置の動作を示す模式図である。
がない。
【0014】
図1は、本発明に係る参考例の満水報知装置が設置された貯留槽の断面図である。貯留槽1の入口には、入口を覆うように蓋2が設けられており、その蓋2の裏面(貯留槽内部側表面)には本発明の満水報知装置3が設けられている。本参考例においては、満水報知装置3は、蓋2の裏面に溶接により鉛直方向下向きに固定された案内手段である中空円筒状のパイプ4と、このパイプ4内部に収納され、貯留槽1中の廃液の液面の上下動に従動して、パイプ4内を上下する円柱状のフロート6と、円柱状のフロート6の上底面の中央に設けられた指示手段である球状のインジケータ7とからなる。
【0015】
また、フロート6及びインジケータ7の位置を確認するとともに、パイプ4内部と外界とで大気の流通を行い、フロート6の円滑な上下動を確保するために、蓋2には、円形の開口8が設けられており、パイプ4は、その周縁が、開口8を同心円状に囲繞するように設置されている。開口8は、その直径が前記インジケータ7の直径よりも大きく、パイプ4の内径よりも小さく形成されている。そのため、貯留槽1が満水状態近くとなると、開口8からは、インジケータ7のみが突出し、フロート6本体は開口8周辺の蓋2の裏面に制止され、開口8から突出することがないので、フロア内の歩行等の障害となることがない。
【0016】
また、貯留槽1中に廃液が余り蓄積しておらず、廃液の液面とパイプ4の底部との間にフロート6の高さ以上の間隔がある場合に、パイプ4の底部開口からフロート6が脱落することを防止するために、パイプ4の底部付近には、落下止め5が設けられている。
また、図2に、本満水報知装置3が設けられた状態の貯留槽1の蓋2を外部から見た場合の斜視図を示した。蓋2には、開口8が設けられており、開口8の周辺は、本満水報知装置3が存在することを示すために鮮やかな色で塗装されており、「満水警報」との文字が描かれている。
【0017】
以下、本発明に係る参考例の満水警報装置3の個々の構成要素について説明する。
パイプ4の長さには特に制限はないが、蓋2を開閉する際にパイプ4が障害とならないような長さであることが望ましい。また、本参考例においては、中空円筒をパイプ4として用いているが、パイプ4は、内部にフロート6を収納可能であり、そのフロート6を廃液の液面の上下動に伴って案内可能であればこれに限らず、例えば、3角柱状、4角柱状、細いパイプを組み立てて作製した円筒籠状等であっても構わない。
【0018】
また、中空円筒をパイプ4として用いる場合、パイプ4の内径については特に制限はないが、パイプ4内をフロート6が上下動することから、フロート6の直径よりも大きく設定するが、インジケータ7が開口8よりずれてしまわない程度の間隙をパイプ4の内壁とフロート側面との間に有することが望ましい。
また、パイプ4の材質についても特に制限はないが、廃液と直接接触するものであるので、例えば、ステンレス、ポリ塩化ビニル等の耐腐食性に優れた材料を用いることが望ましい。
【0019】
また、本参考例においては、蓋2に設けた開口8により、パイプ4内と外界との大気の流通を行っているが、例えば、蓋2との接合部付近のパイプ4の外周に適当な通気孔を設けるか、又は、パイプ4の側面に長手方向に沿って適当な幅のスリットを設けることによっても、パイプ4内外における大気の流通を行わせることが可能である。
【0020】
また、本参考例においては、パイプ4と蓋2の裏面とを溶接により接合しているが、パイプ4と蓋2の裏面との接合は、パイプ4が蓋2より落下せず、パイプ4がフロート6を確実に案内できるものであれば、溶接には限定されない。具体的には、蓋2の裏面にパイプ4をボルトとナットを用いて接合する、蓋2の裏面に雌型の係合機構を設け、パイプ4の上部開口周縁に設けた雄型の係合機構を前記雌型の係合機構に嵌着することで、パイプ4を接合する等が考えられる。
【0021】
このように、パイプ4を蓋2より取り外し可能に接合することで、満水報知装置3内部が汚れてフロート6の動きに支障が出た場合等に、満水報知装置3を蓋2より取り外して清掃することが可能となる。
【0022】
フロート6の鉛直方向の高さは、前記開口8よりインジケータ7が突出して満水報知がなされてから、貯留槽1が完全に満水状態となるまでの猶予期間を決めるものであり、貯留槽1における廃液の液面の上昇速度を勘案して決定することが望ましい。
尚、以下、「満水報知」とは、貯留槽1が満水状態に近づき、開口8よりインジケータ7が突出することを示すこととする。
【0023】
フロート6の鉛直方向の高さを大きくすれば、貯留槽1の廃液の液面の上昇速度が大きい場合でも、満水報知があってから、貯留槽1が完全に満水状態となるまでに十分な猶予期間を確保することが可能である。逆に、貯留槽1の廃液の液面の上昇速度が小さい場合には、フロート6の鉛直方向の高さを小さくしても、満水報知があってから、貯留槽1が完全に満水状態となるまでに十分な猶予期間を確保することが可能である。
【0024】
本参考例においては、フロート6として、円柱状に成形された発泡スチロール樹脂を用いているが、フロート6は廃液上に浮遊可能であり、廃液との接触で腐食しないものであれば、これに限定されない。例えば、所定形状に成形した中空の樹脂製又は金属製であっても構わない。
また、フロート6の体積は、貯留槽1が満水状態となり、フロート6の浮力が最大となる状態においても蓋2を持ち上げてしまうことがない体積であることが望ましい。
【0025】
インジケータ7は、貯留槽1が満水状態に近くなった際に、満水報知を行うものであるため、使用者がその報知を認知し易いように、蓋2の表面からある程度の高さ突出することが望ましい。インジケータ7が蓋2の表面から突出することにより、インジケータ7は、フロア内のあらゆる方向から認知可能となり、より効果的に貯留槽1の満水報知を行うことが可能となる。
【0026】
また、インジケータ7は開口8より突出して満水報知を行うものであるため、使用者がその報知を認知し易いように、目立ち易い色彩を施されていることが望ましい。例えば、貯留槽1が設置されている環境(フロア、壁面等)の色に対する反対色等を彩色することが考えられる(図2)。
【0027】
また、インジケータ7は、蓋2の表面より突出するものであるから、突出部が歩行等の障害とならないような形状を有することが望ましい。具体的には、歩行時のつまづきの原因となるような角部を突出部に有さず、なだらかな形状であることが望ましい。例えば、本参考例で用いているような球状、半球状等が考えられる。
【0028】
また、インジケータ7は、蓋2から突出している状態で、歩行による靴等の衝突によってはフロート6の頭部から離脱しないようにフロート6に接合されていることが望ましい。具体的には、強力な接着剤でインジケータ7をフロート6に接合したり、インジケータ7を貫通してフロート6にまで至るピン等により機械的に接合することが考えられる。また、本参考例においては、インジケータ7はフロート6と別体に設けられているが、フロート6の頭部を凸状に成形し、その凸部をインジケータ7とすることも可能である。
【0029】
本参考例において、蓋2に設けられた開口8は円形の孔である。開口8の直径は、インジケータ7が突出することができるように、インジケータ7の直径より大きく、フロート6がフロア上に突出しないように、フロート6の直径よりも小さいことが望ましい。開口8の直径をこの範囲とすることで、貯留槽1が満水状態近傍となっても、インジケータ7のみが蓋2の表面から突出し、フロート6本体がフロア上に飛び出すことが無いので、歩行等の妨げとなることがない。
【0030】
開口8は、本参考例のように円形である必要は無く、開口8からインジケータ7がスムースに突出することが可能であり、フロート6の蓋2表面からの突出を防止できるものであれば、形状に特に制限はない。具体的には、楕円形、四角形状が考えられる。また、開口8の周辺の蓋2表面(フロア側表面)には、使用者の注意を喚起するために、特別の表示を設けても良い。例えば、開口8の周辺に「満水警告」等の文字を表示することが可能である。
【0031】
パイプ4の最下部付近に設けられる落下止め5は、貯留槽1中の廃液の液面が低く、パイプ4の底部と液面との間にフロート6の高さ以上の間隔が空いている場合に、フロート6のパイプ4からの脱落を防止するための部材である。
【0032】
本参考例においては、落下止め5としてパイプ4の中心を横切るように設けられた割ピンを用いている。落下止め5は、廃液のパイプ4内への流入を妨げず、フロート6の落下を防止できるものであれば形状に制限は無い。例えば、パイプ4の底部に目の粗い金網を設ける、パイプ4の底部付近の側壁からパイプ4の内部に向かって棒又は板状の部材を張り出す、パイプ4の底部に、フロート6の直径よりも小さく、廃液のパイプ4への流入を妨げない大きさの開口を有するキャップを被せる等の方法が考えられる。言うまでも無く、落下止め5は、廃液と直接接触するものであるから、耐腐食性を備えた材料により形成されることが望ましい。
【0033】
続いて図3により、第1参考例の満水報知装置3の動作について説明を行う。尚、図3において図1と同様の部分については同符号を付しその説明を省略する。
【0034】
図3(a)は、貯留槽1中の廃液の量が少なく、液面がパイプ4の底部開口に到達していない状態を示す模式図である。この時、パイプ4内のフロート6及びインジケータ7は、自重によりパイプ4の底部に位置し、落下止め5で支えられている。
【0035】
図3(b)は、貯留槽1中の廃液の量が増加し、液面がパイプ4の底部よりも高くなった状態を示す模式図である。廃液の液面がパイプ4の底部よりも高くなると、開口8よりパイプ4内の大気が外界に流出し、パイプ4内部の液面の高さが貯留槽1の液面の高さと等しくなる。フロート6及びインジケータ7はパイプ4内部の廃液上に浮かび、パイプ4内を廃液の液面の上昇に伴って上昇する。
【0036】
図3(c)は、貯留槽1中の廃液が満水状態付近まで蓄積している状態を示す模式図である。貯留槽1中の廃液の液面が上昇し続けると、廃液上に浮かんだフロート6及びインジケータ7は、それに伴い、パイプ4に案内され徐々に上昇していく。やがて、廃液の液面が所定の高さとなると、フロート6の上底面は蓋2の裏面と接触しフロート6のそれ以上の上昇が抑制され、インジケータ7が開口8より突出し、使用者に対して満水報知を行う。一端、満水報知がなされると、廃液の液面が上昇しても、フロート6及びインジケータ7がそれ以上上昇することはないので、使用者は満水報知がなされたならば、適宜に貯留槽1中の廃液をタンクローリ等で汲み出す必要がある。
【0037】
続いて、図4により、本発明の満水報知装置3の第2参考例について説明する。尚、図4において、図1と共通の部分については同符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
第2参考例の満水報知装置3においては、蓋2に設けられた開口8を挟んで対称に2本の案内棒9,9が所定の間隔で蓋2の裏面に鉛直に設けられている。案内棒9,9の最下部には、フロート6’の脱落を防ぐための板状の落下止め5’,5’が設けられている。フロート6’は、円柱状の本体部6’aとこの本体部6’aの上部側面より案内棒9,9の方向に張り出した支持板6’b,6’bと、本体部6’aの上面に、フロート6’と一体に形成された半球状のインジケータ7’とを有している。
【0039】
支持板6’b,6’bの案内棒9,9に対応する位置には、支持板6’b,6’bを貫通して案内棒9,9を挿通するための案内管6’c,6’cが設けられている。この案内管6’c,6’cは、案内棒6’b,6’bの直径よりも若干大きな径を有し、案内棒6’b,6’bに案内され、廃液の液面の移動に伴ってフロート6’はスムースに上下動可能となっている。
尚、第2参考例において、案内棒9,9が第1参考例に記載した案内手段に、インジケータ7が第1参考例に記載した指示手段にそれぞれ対応する。
【0040】
この満水報知装置3では、廃液の液面がフロート6’の底部以上の高さとなると、フロート6’は、案内管6’c,6’cに挿通された案内棒6’b,6’bに案内されながら、液面の上昇に対応して上昇する。そして、廃液の液面が満水状態近くの所定の高さ以上となると、開口8よりインジケータ7が突出して使用者に満水報知を行う。
第2参考例の満水報知装置3は、第1参考例(図1)の満水報知装置3に比べて、露出している部分が多いために、清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0041】
続いて、図5により本発明の満水報知装置の実施形態について説明する。
本発明の実施形態は、第1及び第2参考例と同様に、貯留槽1が満水状態となる所定時間前に、満水報知を行うことに加えて、貯留槽1が完全に満水状態となる直前に最終的な第2の満水報知を発することが可能な満水報知装置である。
【0042】
本発明の実施形態の満水報知装置20は、貯留槽1の入口を覆う蓋21の裏面に、液面の上下動に従動する上底面を有する中空円筒状の第1のフロート22及び前記中空円筒内に設けられた液面の上下動に従動する円筒状の第2のフロート23と、前記第1のフロート22を案内する案内手段24とが設けられ、前記蓋21には第1の開口25が設けられており、前記第1のフロート22の上底面の中央部に前記第1の開口25から突出可能な第1の指示手段である第1の凸部26が存在し、この第1の凸部26の中央部を貫通して前記中空円筒内に至る鉛直な第2の開口27が設けられ、前記第2のフロート23の上底面に前記第2の開口27より突出可能な第2の指示手段である第2の凸部28が存在することを特徴とする満水報知装置20である。
【0043】
ここで、前記案内手段24は鉛直に設けられており、前記第1のフロート22の鉛直方向の高さより第2のフロート23の鉛直方向の高さが低く、第1のフロート22の水平方向における最大幅が前記第1の開口25の最大幅よりも大きく、第2のフロート23の水平方向における最大幅が前記第2の開口27の最大幅よりも大きい。
【0044】
本実施の形態においては、案内手段24として、第1参考例と同様に中空円筒状のパイプを用いている。このパイプの底部付近には、第1及び第2のフロート22,23がパイプから脱落することを防ぐために、パイプの中央部を通過するように張り渡された細い針金からなる落下止め29が存在している。
【0045】
また、第1のフロート22の上底面付近の側壁には、第1のフロート22の円筒内部と外界との間で大気を流通する通気孔30,30・・・が設けられている。
これらの通気孔30,30・・・は、第1のフロート22が上昇して蓋21の裏面に接触した後に、前記第2の開口27と共同して、第1のフロート22内筒内部へのスムースな廃液の流入を保証し、第1のフロート22内外の液面の高さを等しくする。
【0046】
さらに、第1のフロート22が上昇して蓋21の裏面に接触した後に、さらなる液面の上昇に従って第1のフロート22中を第2のフロート23が上昇して、第2の開口27が第2の凸部28に挿通して第2の開口27を介して行われていた大気の流通が阻害されたとしても、通気孔30,30・・・により第1のフロート22の内外で大気の流通が確保されるので、第2のフロート23はスムースに上昇を続けることが可能となる。
【0047】
本発明の実施形態の満水報知装置20を前記のように構成することにより、貯留槽1が満水状態に近くなり、廃液の液面が上昇すると、満水状態となる所定時間前に先ず、案内手段24に案内されて第1のフロート22が上昇して蓋21の裏面に接触する。これにより第1のフロート22の上底面に設けられた第1の凸部26(第1の指示手段)が蓋21に設けられた第1の開口25より突出し、第1回目の満水報知を行う。第1回目の満水報知が行われた直後には、第1のフロート22よりも鉛直方向の高さが低い第2のフロート23は、第1のフロート22の中空円筒内部に浮かんだ状態となる。
【0048】
第1回目の満水報知後、さらに、貯留槽1の液面が上昇すると、中空円筒状の第1のフロート22内部に同軸に設けられ、第1のフロート22の円筒内部を上下動する第2のフロート23が、液面の上昇に従って第1のフロートの円筒内部を上昇し、やがて第2のフロート23は第1のフロート22の上底面に接触する。これにより、第2のフロート23の上底面に設けられた第2の凸部28(第2の指示手段)は、前記第1のフロート22の第1の凸部26に設けられた第2の開口27から突出し、第2回目の満水報知が行なわれる。
【0049】
このように、本発明の実施形態の満水報知装置20は、貯留槽1が満水状態となる所定時間前に第1回目の満水報知を行い、貯留槽1が満水となる直前に第2回目の満水報知を行うので、使用者は、貯留槽1中の廃液の貯留量をより詳細に認識し、廃液のオーバーフローを未然に防ぎ、貯留槽1から廃液を抜き取る作業を行う時期をより正確に把握することが可能となる。
【0050】
続いて、図6を用いて、本発明の実施形態の満水報知装置20の動作について説明する。尚、図6において、図5と同様の部分については同符号を付しその説明を省略する。
図6(a)は、貯留槽1中の廃液の量が少なく、液面が案内手段24の底部開口に到達していない状態を示す模式図である。この時、案内手段24内部の第1及び第2のフロート22,23は自重により案内手段24の底部に位置し、落下止め29により支えられている。
【0051】
図6(b)は、貯留槽1中の廃液の量が増加し、液面が案内手段24の底部よりも高くなった状態を示す模式図である。廃液の液面が案内手段24の底部よりも高くなると、第1及び第2のフロート22,23は案内手段24に流入した廃液上に浮かび、案内手段内を廃液の液面の上昇に伴って上昇する。
【0052】
図6(c)は、貯留槽1中の廃液の量がさらに増加して満水状態に近づき、第1のフロート22による第1回目の満水報知がなされた状態を示す模式図である。この状態では、廃液の液面の上昇により、第1のフロート22は、蓋21の裏面に接触し、第1の開口25より第1の凸部が蓋21表面から突出し、第1回目の満水報知がなされる。その後、さらに廃液の液面が上昇しても第1のフロート22は、蓋21の裏面により制止されて上昇することはなく、代わりに、第1のフロート22の円筒内部の液面が上昇する。第1のフロート22の円筒内部には、第2のフロート23が設けられているので、第2のフロート23は、第1のフロート22の円筒内部における液面の上昇に従って、第1のフロート22の円筒内部を上昇していく。
【0053】
図6(d)は、貯留槽1内部の廃液量が更に増して、満水状態直前となり、第2のフロート23による第2の満水報知がなされた状態を示す模式図である。この状態では、第2のフロート23の上底面に設けられた第2の凸部28は、第1のフロート22の第1の凸部26中央に設けられた第2の開口27に遊挿し、第1の凸部26の頂上付近から突出し、貯留槽1中の廃液量がいよいよ満水状態に近づいたことを報知する。
【0054】
尚、本発明の満水報知装置は、水性の廃液下で使用することとして説明を進めてきたが、もちろんオイル等の有機系廃液においても満水報知装置の材質等を変更することで応用することが可能である。
また、本発明の満水警報装置は、廃液用の貯留槽を例にして説明を進めたが、もちろん、廃液以外の液体を貯留する貯留槽に応用することが可能である。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、前記のように構成したので次に示す顕著な効果を奏する。
本発明の満水報知装置は、貯留槽が満水状態となる所定時間前に第1回目の満水報知を行い、貯留槽が満水となる直前に第2回目の満水報知を行うので、使用者は、貯留槽中の廃液の貯留量をより詳細に認識し、廃液のオーバーフローを未然に防ぎ、貯留槽から廃液を抜き取る作業を行う時期をより正確に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の満水報知装置に係る第1参考例の断面図である。
【図2】 貯留槽の蓋の斜視図である。
【図3】 第1参考例の満水報知装置の動作を示す模式図である。
【図4】 本発明の満水報知装置に係る第2参考例を示す模式図である。
【図5】 本発明の満水報知装置の実施形態を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施形態に係る満水報知装置の動作を示す模式図である。
【図7】 従来の貯留槽の模式図である。
【符号の説明】
1 貯留槽
2,21 蓋
3,20 満水報知装置
4 パイプ
5,29 落下止め
6,6’ フロート
6’a 本体部
6’b 案内棒
6’c 案内管
7 インジケータ
8 開口
9 案内棒
22 第1のフロート
23 第2のフロート
24 案内手段
25 第1の開口
26 第1の凸部
27 第2の開口
28 第2の凸部
30 通気孔
Claims (1)
- 貯留槽の液面の上昇による満水を報知するための満水報知装置であって、
前記貯留槽の入口を覆う蓋の裏面に、前記液面の上下動に従動する中空円筒状の第1のフロートと、この第1のフロートを案内する案内手段が設けられ、
前記第1のフロートの頭部には、第1の指示手段が設けられ、
前記第1のフロートの内部には、前記液面の上下動に従動する第2のフロートが設けられ、
この第2のフロートの頭部には、第2の指示手段が設けられ、
前記蓋には、前記第1の指示手段が突出可能な開口が設けられ、
前記第1の指示手段には、前記第2の指示手段が突出可能な開口が設けられていることを特徴とする満水報知装置。
Priority Applications (1)
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JP2001376574A JP3867957B2 (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | 満水報知装置 |
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JP2001376574A JP3867957B2 (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | 満水報知装置 |
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-
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