JP3867485B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、感光体上に形成されたトナー像を回転駆動される転写媒体に転写する転写処理を、互いに異なる複数のトナー色について繰り返して各トナー色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置では、基準信号が出力されるごとに感光体上にトナー像を形成した後、感光体と同期して一定の搬送速度で回転する転写媒体上に当該トナー像を一次転写しており、このようにレジスト制御することで複数色のトナー像を正確に重ね合わせている。したがって、基準信号が出力されてから一次転写が完了するまでの間、転写媒体を感光体に同期して一定速度で回転搬送する必要がある。
【0003】
しかしながら、転写媒体に対しては、二次転写のために二次転写ローラが一時的に当接したり、二次転写後に転写媒体上に残存する残留トナーをクリーニング除去するためにクリーニングブレードが転写媒体に一時的に当接する。そのため、その当接によって転写媒体に対する負荷変動が生じ、これによってトナー色間でトナー像が相互にずれてしまう、つまりレジストズレが生じてしまい、画像品質の低下を招いてしまう。
【0004】
そこで、このレジストズレに対応して転写媒体の回転速度を増減させることで各色ごとのトナー像のズレ量を抑える技術が従来より提案されている。例えば、特開平11−231599号公報では、実際にカラー画像を形成するのに先立ってダミーサイクルを実行し、トナー色間でのレジストズレ量を求め、さらにレジストズレを最小化するための補正値を求めている(本発明の「レジスト制御量制定処理」に相当する)。そして、実際のカラー画像形成においては、補正値だけ転写媒体の回転速度を増減させて転写媒体上でのトナー像の位置を調整し、レジストズレを抑制している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レジスト制御量制定処理を実行している最中に、画像形成装置のカバーが開かれたり、装置電源が落とされるなどの原因(中断事由)によって、レジスト制御量制定処理が中断されることがある。このような中断事由が発生した場合、従来においては、中断事由が解消された後に再度レジスト制御量制定処理を最初から実行していた。そのため、カラー画像形成を開始することができる状態に至るまでに比較的長い時間を必要とし、装置のパフォーマンス低下を招くという問題があった。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、レジスト制御量制定処理の中断にかかわらず、高いパフォーマンスで、しかもレジストズレを抑制して高品質な画像を形成することができる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる画像形成装置の一態様は、転写処理を繰り返している際に転写媒体に対して一時的に当接する当接手段と、転写媒体の回転動作に関連して基準信号を出力する基準信号検出手段と、カラー画像形成前にレジスト制御量制定処理を実行し、基準信号に基づき(1)転写媒体から離間していた当接手段が転写媒体に当接した場合の周期と、(2)当接手段が転写媒体に当接し続ける場合の周期と、(3)転写媒体に当接していた当接手段が前記転写媒体から離間した場合の周期と、(4)当接手段が前記転写媒体から離間し続ける場合の周期とを所定回数づつ測定して該複数の周期のそれぞれを周期データとして取得するとともに当接手段が前記転写媒体に離当接することによって生じる転写媒体上でのトナー像の相対的なレジストズレを補正するために必要なレジスト制御量を複数の周期データに基づき求めた後、レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正する制御手段とを備えた画像形成装置であって、上記目的を達成するため、制御手段に、複数の周期データを記憶する記憶部を設けるとともに、レジスト制御量制定処理の中断が解除されたとき、制御手段がレジスト制御量制定処理を再実行することなく、記憶部に記憶されている周期データに基づきレジスト制御量を算出し、当該レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正するように構成している。
【0008】
また、この発明にかかる画像形成方法の一態様は、上記目的を達成するため、転写媒体の回転動作に関連して基準信号を出力する基準信号検出工程と、基準信号に基づき(1)転写媒体から離間していた当接手段が転写媒体に当接した場合の周期と、(2)当接手段が転写媒体に当接し続ける場合の周期と、(3)転写媒体に当接していた当接手段が転写媒体から離間した場合の周期と、(4)当接手段が転写媒体から離間し続ける場合の周期とを所定回数づつ測定して該複数の周期のそれぞれを周期データとして取得するとともに、当接手段が転写媒体に離当接することによって生じる転写媒体上でのトナー像の相対的なレジストズレを補正するために必要なレジスト制御量を複数の周期データに基づき求めるレジスト制御量制定工程と、レジスト制御量制定工程の中断が解除されたとき、レジスト制御量制定工程を再実行することなく、レジスト制御量制定工程の開始から中断までの間に得られた周期データに基づきレジスト制御量を求めるリカバリ工程と、レジスト制御量制定工程またはリカバリ工程で求められたレジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正する補正工程とを備えている。
【0009】
このようなに構成された画像形成装置および画像形成方法では、レジスト制御量制定処理(工程)に装置カバーが開かれたり、装置電源が落とされるなどの中断事由が発生すると、レジスト制御量制定処理が中断されるが、その後、中断事由が解消されて中断が解除されると、直ちに通常の画像形成が実行され、中断解除後にレジスト制御量制定処理を再度実行していた従来装置に比べて装置パフォーマンスが向上する。また、中断解除後に再度のレジスト制御量制定処理(工程)を実行しないものの、すでに中断前に取得したデータに基づきレジスト制御量が算出され、当該レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置が補正される。したがって、レジストズレを抑制して高品質なカラー画像が得られる。
【0010】
ここで、中断時点でのデータ取得数が多いほど、これらのデータに基づくレジスト制御量の算出精度が高まる。そこで、記憶部にリカバリ用制御量を記憶させておき、データ取得数が所定数以下の場合には、データに基づくレジスト制御量の算出を行わず、リカバリ用制御量をレジスト制御量としてもよい。こうすることで中断時点でのデータ取得数が少ない場合であっても、中断解除後に再度のレジスト制御量制定処理(工程)を実行することなく、リカバリ用制御量を用いることで直ちにレジストズレを抑制しながら、通常の画像形成を実行することができる。もちろん、中断時点でのデータ取得数が多い場合(所定数を超える場合)には、データに基づくレジスト制御量の算出を行い、そのレジスト制御量に応じて通常の画像形成を行えばよい。
【0011】
また、この発明にかかる画像形成装置の別の態様は、転写処理を繰り返している際に転写媒体に対して一時的に当接する当接手段と、転写媒体の回転動作に関連して基準信号を出力する信号検出手段と、カラー画像形成前にレジスト制御量制定処理を実行し、基準信号に基づき(1)転写媒体から離間していた当接手段が転写媒体に当接した場合の周期と、(2)当接手段が転写媒体に当接し続ける場合の周期と、(3)転写媒体に当接していた当接手段が転写媒体から離間した場合の周期と、(4)当接手段が転写媒体から離間し続ける場合の周期とを所定回数づつ測定して該複数の周期のそれぞれを周期データとして取得するとともに当接手段が転写媒体に離当接することによって生じる転写媒体上でのトナー像の相対的なレジストズレを補正するために必要なレジスト制御量を複数の周期データに基づき求めた後、レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正する制御手段とを備えた画像形成装置であって、上記目的を達成するために、制御手段はリカバリ用制御量を記憶する記憶部を設けるとともに、レジスト制御量制定処理の中断が解除されたとき、制御手段がレジスト制御量制定処理を再実行することなく、前記記憶部からリカバリ用制御量をレジスト制御量として読み出し、当該レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正するように構成している。
【0012】
また、この発明にかかる画像形成方法の別の態様は、上記目的を達成するために、リカバリ用制御量を記憶部に記憶する記憶工程と、転写媒体の回転動作に関連して基準信号を出力する基準信号検出工程と、基準信号に基づき(1)転写媒体から離間していた当接手段が転写媒体に当接した場合の周期と、(2)当接手段が転写媒体に当接し続ける場合の周期と、(3)転写媒体に当接していた当接手段が前記転写媒体から離間した場合の周期と、(4)当接手段が転写媒体から離間し続ける場合の周期とを所定回数づつ測定して該複数の周期のそれぞれを周期データとして取得するとともに、当接手段が転写媒体に離当接することによって生じる転写媒体上でのトナー像の相対的なレジストズレを補正するために必要なレジスト制御量を複数の周期データに基づき求めるレジスト制御量制定工程と、レジスト制御量制定工程の中断が解除されたとき、レジスト制御量制定工程を再実行することなく、記憶部からリカバリ用制御量をレジスト制御量として読み出すリカバリ工程と、レジスト制御量制定工程またはリカバリ工程で求められたレジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正する補正工程とを備えている。
【0013】
このように構成された画像形成装置および画像形成方法では、上記した発明態様と同様に、中断事由が発生してすると、レジスト制御量制定処理が中断されるのに対し、その後、中断事由が解消されて中断が解除されると、直ちに通常の画像形成が実行され、中断解除後にレジスト制御量制定処理を再度実行していた従来装置に比べて装置パフォーマンスが向上する。また、中断解除後に再度のレジスト制御量制定処理(工程)を実行しないものの、リカバリ用制御量がレジスト制御量として読み出され、当該レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置が補正される。したがって、レジストズレを抑制して高品質なカラー画像が得られる。
【0014】
また、レジスト制御量に基づくカラー画像形成を少なくとも1回以上実行した後にレジスト制御量補正処理を実行してレジスト制御量を補正するようにしてもよい。通常、画像形成を実行していくと、動作環境、例えば装置内部の温度や湿度などが変化してレジスト制御量が最適値からずれてしまうことがある。しかしながら、ここでは、カラー画像形成を少なくとも1回以上実行した後にレジスト制御量を補正するように構成しているので、動作環境などの影響を極力抑えてレジスト制御量が最適化され、レジストズレをさらに抑制して高品質なカラー画像がさらに安定して得られる。
【0015】
ところで、リカバリ用制御量については、(1)レジスト制御量制定処理を実行してレジスト制御量を求めるたびに、更新してもよいし、(2)所定タイミングでレジスト制御量制定処理を実行することによって得られたレジスト制御量をリカバリ用制御量としてもよいし、(3)予めリカバリ用制御量を固定的に設定しておいてもよいし、(4)レジスト制御量に基づくカラー画像形成を少なくとも1回以上実行した後にレジスト制御量補正処理を実行してレジスト制御量を補正する場合に、リカバリ用制御量を新たに補正されたレジスト制御量に更新するようにしてもよい。
【0016】
なお、「所定タイミング」とは「任意のタイミングで」という意味であり、例えば装置組立後の製品出荷前、装置の定期点検時、装置稼動時間が所定時間だけ経過した時、所定印字枚数に達した時点などが含まれる。
【0017】
【発明の実施の形態】
A.装置構成について
図1は、この発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は、図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成する装置であり、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号(画像形成指令)が制御ユニット1のメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111によってエンジン部Eの動作指示に適した形式のジョブデータに変換される。そして、メインコントローラ11からのジョブデータに応じてエンジンコントローラ12がエンジン部Eの各部を制御して転写紙、複写紙やOHPシートなどのシートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0018】
このエンジン部Eでは、プロセスユニット2の感光体21にトナー像を形成可能となっている。すなわち、プロセスユニット2は、図1の矢印方向に回転可能な感光体21を備えており、さらに感光体21の周りにその回転方向に沿って、帯電手段としての帯電ローラ22、現像手段としての現像器23Y,23C,23M,23K、および感光体用クリーナブレード24がそれぞれ配置されている。
【0019】
この装置では、帯電ローラ22が感光体21の外周面に当接して外周面を均一に帯電させた後、感光体21の外周面に向けて露光ユニット3からレーザ光Lが照射される。この露光ユニット3は、同図に示すように、画像信号に応じて変調駆動される半導体レーザなどの発光素子31を備えており、この発光素子31からのレーザ光Lが高速モータ32によって回転駆動される多面鏡33に入射されている。そして、多面鏡33によって反射されたレーザ光Lはレンズ34およびミラー35を介して感光体21上に主走査方向(同図の紙面に対して垂直な方向)に走査して画像信号に対応する静電潜像を形成する。なお、符号36は主走査方向における同期信号、つまり水平同期信号HSYNCを得るための水平同期用読取センサである。
【0020】
こうして形成された静電潜像は現像部23によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では現像部23として、イエロー用の現像器23Y、シアン用の現像器23C、マゼンタ用の現像器23M、およびブラック用の現像器23Kがこの順序で感光体21に沿って配置されている。これらの現像器23Y,23C,23M,23Kは、それぞれ感光体21に対して接離自在に構成されており、エンジンコントローラ12からの指令に応じて、上記4つの現像器23Y、23M、23C、23Bのうちの一の現像器が選択的に感光体21に当接するとともに、高電圧が印加されて選択された色のトナーを感光体21の表面に付与して感光体21上の静電潜像を顕在化する。
【0021】
現像部23で現像されたトナー像は、ブラック用現像器23Kと感光体用クリーナブレード24との間に位置する一次転写領域R1で転写ユニット4の中間転写ベルト41上に一次転写される。また、一次転写領域R1から周方向(図1の矢印方向)に進んだ位置には、感光体用クリーナブレード24が配置されており、一次転写後に感光体21の外周面に残留付着しているトナーを掻き落とす。
【0022】
次に、転写ユニット4の構成について説明する。この実施形態では、転写ユニット4は、ローラ42〜47と、これら各ローラ42〜47に掛け渡された中間転写ベルト41と、この中間転写ベルト41に転写された中間トナー像をシートSに二次転写する二次転写ローラ48と、感光体21および中間転写ベルト41を同期して回転駆動する感光体/ベルト駆動部41a(図2)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体21上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト41上に重ね合わせてカラー像を形成するとともに、給排紙ユニット6の給紙部63によってカセット61、手差しトレイ62あるいは増設カセット(図示省略)からシートSを取出して二次転写領域R2に搬送する。さらに、このシートSにカラー像を二次転写することでフルーカラー画像を得ている。
【0023】
なお、二次転写後、中間転写ベルト41の外周面に残留付着しているトナーについては、ベルトクリーナ49に設けられているクリーナブレード491によって除去される。すなわち、このベルトクリーナ49は、中間転写ベルト41を挟んでローラ46と対向して配置されており、後述するタイミングでクリーナブレード491が中間転写ベルト41に対して当接してその外周面に残留付着しているトナーを掻き落す。
【0024】
また、ローラ43の近傍には、中間転写ベルト41の基準位置を検出するためのセンサ40が配置されており、主走査方向とほぼ直交する副走査方向における同期信号、つまり垂直同期信号VSYNCを得るための垂直同期用読取センサとして機能する。
【0025】
上記のようにして転写ユニット4によってトナー像が転写されたシートSは、給排紙ユニット6の給紙部63によって所定の給紙経路(2点鎖線)に沿って二次転写領域R2の下流側に配設された定着ユニット5に搬送され、シートS上のトナー像をシートSに定着する。そして、当該シートSはさらに給紙経路に沿って排紙部64に搬送された後、標準排紙トレイに排紙される。
【0026】
次に、上記のように構成された画像形成装置の電気的構成について説明する。エンジンコントローラ12はCPU121を有しており、エンジン部Eからの入力信号として水平同期用読取センサ36から水平同期信号HSYNCを、また垂直同期用読取センサ40から垂直同期信号VSYNCを、さらに定着ユニット5に設けられた温度センサ51から定着温度を示す温度信号を、それぞれ受けている。また、これらの入力信号および各種情報などに基づき、CPU121は感光体21と中間転写ベルト41とを同期して回転駆動する感光体/ベルト駆動部41aと駆動制御するための駆動指令信号を感光体/ベルト駆動制御回路122に与え、この感光体/ベルト駆動制御回路122によって直流モータを駆動源とする感光体/ベルト駆動部41aを制御して感光体21の回転速度および中間転写ベルト41の搬送速度Vを加減速制御している。また、CPU121は後述するレジスト制御量の制定・記憶処理、レジスト制御量に基づく転写開始位置の補正処理、レジスト制御量補正処理(測定処理+中間演算処理+補正処理)、リカバリ処理(工程)などを実行する。
【0027】
また、エンジンコントローラ12には、転写ユニット4を制御する専用の制御回路として、感光体/ベルト駆動制御回路122以外にも転写ローラ離当接制御回路123およびベルトクリーナ離当接制御回路124をさらに備えている。この転写ローラ離当接制御回路123はCPU121からの指令信号に基づき二次転写ローラ用駆動部48aを制御して適当なタイミングで二次転写ローラ48を中間転写ベルト41に対して離当接させる。一方、ベルトクリーナ離当接制御回路124はCPU121からの指令信号に基づきCB信号をベルトクリーナ用駆動部49aに与えることでベルトクリーナ用駆動部49aを制御して適当なタイミングでクリーナブレード491を中間転写ベルト41に対して離当接させる。
【0028】
なお、図中の符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号125は後述するようにレジスト制御量制定処理中に取得される周期データ、それらのデータに基づきCPU121によって求められるレジスト制御量、リカバリ用制御量、エンジン部Eを制御するための制御データやCPU121における演算結果などを記憶するためのメモリである。
【0029】
B.基本動作について
図3は、上記のように構成された画像形成装置の基本動作を示すフローチャートである。このような画像形成装置では、一次転写処理を繰り返している際に、二次転写ローラ48やクリーナブレード491などの当接手段が中間転写ベルト41に当接すると、後の「B−1.レジストズレについて」の項で詳述するように種々のレジストズレが発生するが、レジスト制御量だけ転写開始位置を補正することでレジストズレを抑制して画像品質を向上させている。
【0030】
この画像形成装置では、装置電源が投入されると、実際の画像形成処理に先立って、レジスト制御量制定処理(ステップS1)を実行して3種類のレジスト制御量を自動的に制定し、これらを初期レジスト制御量として記憶部たるメモリ125に記憶する。この実施形態では、3種類の初期レジスト制御量として以下のレジスト制御量Ra,Rb,Rc、つまり、
Ra:一次転写処理中にクリーナブレード491が当接し、その当接状態のまま一次転写処理を完了することで発生するレジストズレを補正するためのレジスト制御量、
Rb:一次転写開始前にクリーナブレード491が当接し、その当接状態で一次転写処理が継続され、その処理途中でクリーナブレード491が離間することで発生するレジストズレを補正するためのレジスト制御量、
Rc:一次転写開始前に当接していたクリーナブレード491が離間し、その後、その離間状態のまま一次転写処理を行う際に生じるレジストズレを補正するためのレジスト制御量、
が制定される。なお、これら3種類のレジスト制御量の自動制定動作(ステップS1)の詳細については、後の「B−2.初期レジスト制御量の制定処理について」の項で詳述する。
【0031】
こうして3種類の初期レジスト制御量Ra,Rb,Rcの制定(ステップS1)が完了すると、ステップS2でカウント値mをクリアして「0」をセットする。このカウント値mはカラー画像形成回数を示すものであり、後の「B−4.レジスト制御量の補正処理について」の項で説明するレジスト制御量の補正処理において重み付け係数をして機能する値であり、それについては同項で詳述する。なお、ステップS1,S2を同時あるいは入れ替えてもよいことはいうまでもない。
【0032】
次に、ホストコンピュータなどの外部装置からの画像信号、つまり印字要求を待つ(ステップS3)。そして、印字要求があると、その印字モードがモノクロ印字か、カラー印字であるかを判断し(ステップS4)、モノクロ印字と判断した場合には、レジスト制御することなく、通常の画像形成処理を実行してステップS3に戻る。一方、ステップS4でカラー印字であると判断した場合には、3つのシーケンスフラグF0,F1,F2のうちから印字シーケンス状態に応じたシーケンスフラグを選択的に設定する(ステップS5)。
【0033】
そして、そのシーケンスフラグに応じたレジスト制御量を設定した(ステップS6)後、各トナー像を一次転写するにあたって、感光体21を所定の加減速可能期間の間に加減速制御して潜像形成位置を基準潜像形成位置に対して副走査方向にレジスト制御量だけシフト移動させる。これによって一次転写される中間転写ベルト41上でのトナー像の転写位置も副走査方向にレジスト制御量だけ移動する。こうして、転写開始位置を補正してレジストズレを抑制する。なお、この詳細については、後の「B−3.転写開始位置の補正について」の項で詳細に説明する。
【0034】
このようにしてレジスト制御量に基づきレジストズレを抑制しながら、1枚目のカラー画像の形成が完了すると、後の「B−4.レジスト制御量の補正処理について」の項で詳述するレジスト制御量補正処理(ステップS7)を実施するのに続いて、ステップS8で印字を終了したか否かを判断し、印字終了と判断した場合には、ステップS3に戻り、次の印字要求を待つ。一方、印字が終了していないと判断した場合には、ステップS4に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。
【0035】
B−1.レジストズレについて
ここでは、転写開始位置の補正を全く行わずに図1の画像形成装置を図4に示す動作シーケンスで動作させた場合のレジストズレの発生状況について、図4ないし図9を参照しつつ詳述する。
【0036】
図4は、図1の画像形成装置における動作シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。同図に示すように、装置電源を投入した後、あるいは画像形成装置のスリープモードが解除されると、中間転写ベルト41が回転搬送されて垂直同期用読取センサ40から垂直同期信号VSYNCが間欠的に出力される。そして、垂直同期信号VSYNCがタイミングVT1〜VT7,…で出力されるごとに、一定時間をおいてイエロー静電潜像、シアン静電潜像、マゼンタ静電潜像およびブラック静電潜像がこの順序で繰り返して感光体21上に形成される。静電潜像が形成された後、現像器23Y、23M、23C、23Kのうちの一の現像器が選択的に感光体21に当接して感光体21上の静電潜像を顕在化し、そのトナー像を中間転写ベルト41上に一次転写する。したがって、各色のトナー像はすべて感光体21上の所定位置、つまり基準潜像形成位置に形成されることとなり、感光体21と同期して回転する中間転写ベルト41に対しても同一位置で一次転写される(各トナー色についての一次転写処理)。
【0037】
そして、上記一次転写処理を4色分繰り返すと、4色のトナー像が中間転写ベルト41上で重ね合わせてカラー画像が形成される。こうしてカラー画像が得られると、二次転写ローラ48がシートSを挟んで中間転写ベルト41に当接してシートSにカラー画像を二次転写するとともに、CB信号に応じてクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接して当該ベルト表面に残存しているトナーが除去される。このような動作が繰り返されてカラー画像が形成されたシートSが順次標準排紙トレイに排紙される。
【0038】
これが図4の動作シーケンスに従った画像形成装置の動作概要であるが、このような動作と副走査方向におけるレジストズレ量との関係について調べると、1枚目と2枚目以降とで異なる結果が得られた。このような相違点は動作シーケンスの相違に起因するものであり、以下、1枚目の画像形成を行う動作シーケンス(以下、「第1印字シーケンス」という)と、2枚目以降の画像形成を行う動作シーケンス(以下、「第2印字シーケンス」という)とに分けて説明する。また、この種の装置では、空転処理に伴う第3印字シーケンスが存在するため、これについても併せて説明する。
【0039】
B−1−1.第1印字シーケンス
まず、装置電源が投入される(あるいは画像形成装置のスリープモードが解除される)と、中間転写ベルト41が回転搬送されて垂直同期用読取センサ40から垂直同期信号VSYNCがタイミングVT1〜VT3で順次出力されるが、最初のタイミングVT1に対応して上記のようにしてイエロートナー像Y1が中間転写ベルト41上に一次転写され、またタイミングVT2に対応してシアントナー像C1がイエロートナー像Y1に重ねて中間転写ベルト41上に一次転写され、さらにタイミングVT3に対応してマゼンタトナー像M1がイエロートナー像Y1およびシアントナー像C1に重ねて中間転写ベルト41上に一次転写される。この間、中間転写ベルト41のクリーニング処理および二次転写処理は行われず、当接手段(二次転写ローラ48およびクリーナブレード491)は中間転写ベルト41から離間している。このため、これら3つのトナー像Y1,C1,M1は、いずれも中間転写ベルト41上の同一位置に重ね合わされ、副走査方向において正確にレジストされる。つまり、図5に示すように、これら3つのトナー像Y1,C1,M1の転写開始位置はすべて基準転写開始位置に一致し、しかもそれらの転写後端位置も基準転写後端位置にすべて一致している。なお、同図中の1点鎖線は各トナー像が転写される一次転写位置を示しており、実際の一次転写処理ではこの1点鎖線部分で各トナー像が順番に重ね合わされるが、ここでは説明の便宜から、各トナー像を上下方向に離間して図示している(後の図12も同様)。
【0040】
次に、タイミングVT4で垂直同期信号VSYNCが出力されると、図6に示すように、所定時間T10後に露光ユニット3にVIDEO信号が与えられてブラックトナー像K1に相当する静電潜像を他のトナー色と同様に所定の基準潜像形成位置に形成しながら、ブラック用現像器23Kによってトナー現像する。そして、垂直同期信号VSYNCの出力(タイミングVT4)から一定時間T20経過した時点より一次転写処理を開始する。この時点では、イエロートナー像Y1、シアントナー像C1およびマゼンタトナー像M1の場合と同様に、クリーナブレード491は中間転写ベルト41から離間しており、その結果、図5に示すように、ブラックトナー像K1の転写開始位置も他のトナー像Y1,C1,M1と同様に基準転写開始位置に一致している。そして、離間継続中においては中間転写ベルト41の搬送速度Vは一定であり、ブラックトナー像K1は既に一次転写されている他のトナー像Y1,C1,M1と正確にレジストされながら、重ね合わされていく。
【0041】
しかしながら、ブラックトナー像K1の一次転写後半に差し掛ったある時点、つまりタイミングt1で、クリーナブレード491の動作を制御するCB信号がLレベルからHレベルに立ち上がり、クリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接してブラックトナー像K1がその他のトナー像Y1,C1,M1に対して副走査方向にずれてしまう。すなわち、タイミングt1でクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接し、中間転写ベルト41の搬送負荷として作用し、中間転写ベルト41について瞬間的に副走査方向に伸びA27が生じる。その結果、(−)方向にレジストズレ量A27だけレジストズレが生じる。
【0042】
また、タイミングt1以降、次にCB信号が再度LレベルからHレベルに立ち上がるまでクリーナブレード491は中間転写ベルト41に当接した状態に維持されて中間転写ベルト41のクリーニング処理を実行するのであるが、ブラックトナー像K1の一次転写処理はタイミングt2までその当接状態のまま継続される。その結果、レジストズレはさらに大きくなり、最終的なブラックトナー像K1の副走査方向におけるレジストズレ量は、
A32=A27+A6
となり、図5に示すように、ブラックトナー像K1の転写後端位置は基準転写後端位置から(−)方向にズレ量A32だけずれる。ただし、符号A6はタイミングt1からタイミングt2までの間(つまり時間A7)、クリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接し続けていることによって生じたベルト伸びに相当する。また、図6(および後で説明するレジストズレ状況を示す図)において、太実線は対応トナー色のトナー像についてのレジストズレを示す一方、太破線はレジストズレ発生状況の理解を助けるための補助線である。
【0043】
このように、1枚目のカラー画像については、図5に示すように、後半部分でブラックトナー像K1のみが他のトナー像Y1,C1,M1からずれ、特にカラー画像の最後尾部分ではレジストズレ量A32だけずれてしまう。より詳しくは、図6に示すように、1枚目のブラックトナー像については、一次転写中での副走査方向におけるレジストズレは、振れ幅中心AC1を中心として副走査方向の(+)および(−)方向にそれぞれズレ量(A32/2)の範囲内で発生し、画像品質の低下を招いている。なお、クリーナブレード491の当接前に二次転写ローラ48も中間転写ベルト41に当接して同様のレジストズレが発生するのであるが、それに対応するレジストズレ量はクリーナブレード491のそれに比べて小さく、発明の基本原理の理解を容易にするため、ここでは中間転写ベルト41に対する二次転写ローラ48の離当接によるレジストズレを無視して説明する。
【0044】
B−1−2.第2印字シーケンス
このようなレジストズレは1枚目のみに生じるものではなく、2枚目のカラー画像においても現れる。すなわち、2枚目のイエロートナー像Y2を形成するために、図7に示すように、タイミングVT5で垂直同期信号VSYNCが出力されてから所定時間T10経過した後にそのイエロートナー像Y2を形成するためのVIDEO信号が露光ユニット3に与えられる。そして、イエロートナー像Y2に相当する静電潜像を感光体21上に形成しながら、イエロー用現像器23Yによってトナー現像する。また、垂直同期信号VSYNCの出力(タイミングVT5)から一定時間T20経過した時点、つまりタイミングt3より一次転写処理を開始する。
【0045】
ところが、垂直同期信号VSYNCの出力タイミングVT5からしばらくすると、上記したようにクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接して中間転写ベルト41について副走査方向に瞬間伸びA27が生じる。しかも、その当接状態が後述するように次にCB信号がHレベルに立ち上がるまで継続されるため、副走査方向への伸びが時間経過ととも増大する。そして、一次転写開始タイミングt3では、副走査方向におけるレジストズレ量A30は、
A30=A27+A9
となる。ただし、符号A9はタイミングt1からタイミングt3までの間(つまり時間A10)、クリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接し続けていることによって生じたベルト伸びに相当する。
【0046】
また、中間転写ベルト41が約1周分だけベルトクリーナ49を通過すると、ベルト全体がクリーニングされてクリーニング処理が完了するので、タイミングt4でCB信号が再度LレベルからHレベルに立ち上がり、クリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間する。一次転写開始(タイミングt3)からクリーナブレード491の離間(タイミングt4)までの間、クリーナブレード491は中間転写ベルト41に当接し続けており、その間A12(=t4−t3)に中間転写ベルト41は副走査方向に伸び量A11だけ伸びてレジストズレがさらに増大し、タイミングt4直前でのレジストズレ量は(−)方向にズレ量A35になる。
【0047】
一方、このタイミングt4では、クリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間する。したがって、当接時とは逆に、中間転写ベルト41に与えられていた負荷が解放されるため、中間転写ベルト41は縮み量A26だけ縮み、副走査方向におけるレジストズレ量はA26だけ減少する。
【0048】
このように、2枚目のカラー画像については、イエロートナー像Y2の転写開始位置が基準転写開始位置から大きくずれてしまう。しかも、一次転写の進行とともに、ズレ量が増大し、一次転写中にタイミングt4でクリーナブレード491が離間すると、今度は逆にレジストズレ量は減少する。すなわち、図7に示すように、2枚目のイエロートナー像Y2については、一次転写中での副走査方向におけるレジストズレは、振れ幅中心AC2を中心として副走査方向の(+)および(−)方向のそれぞれにズレ量(A26/2)の範囲内で発生し、画像品質の低下を招いている。
【0049】
また、イエロートナー像Y2に続いて一次転写されるシアントナー像C2についても、クリーナブレード491の離当接による影響を受けて転写開始位置が基準転写開始位置からずれてしまう。この現象について、図8を参照しつつ説明する。
【0050】
2枚目のシアントナー像C2を形成するために、タイミングVT6で垂直同期信号VSYNCが出力されてから所定時間T10経過した後にそのシアントナー像C2を形成するためのVIDEO信号が露光ユニット3に与えられる。そして、シアントナー像C2に相当する静電潜像を感光体21上に形成しながら、シアン用現像器23Cによってトナー現像する。また、垂直同期信号VSYNCの出力(タイミングVT6)から一定時間T20経過した時点、つまりタイミングt5より一次転写処理を開始する。
【0051】
ここでは、垂直同期信号VSYNCの出力タイミングVT6時点では、上記したようにクリーナブレード491は中間転写ベルト41に当接しており、タイミングt4(CB信号が再度LレベルからHレベルに立ち上がる)まで、つまり時間A14だけ、この当接状態が維持される。そのため、タイミングVT6からタイミングt4までの間に中間転写ベルト41はA13だけ伸びる。一方、タイミングt4でクリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間すると、上記したように、今度は当接時とは逆に、中間転写ベルト41に与えられていた負荷が解放されて中間転写ベルト41はA26だけ縮む。そして、それ以降は、次にCB信号が再度LレベルからHレベルに立ち上がるまで離間状態に保たれる。その結果、シアントナー像C2の一次転写開始時点(タイミングt5)では、副走査方向におけるレジストズレ量A34は、
A34=A26−A13
となる。
【0052】
このように、2枚目のシアントナー像C2については、一次転写中での副走査方向におけるレジストズレは、振れ幅中心AC3を中心として振幅量0となっており、一次転写処理中においてレジストズレ量は変化しないものの、振れ幅中心AC3自体が副走査方向(+)にズレ量A34だけ平行シフトしており、これによって画像品質の低下を招いている。
【0053】
上記のようにしてシアントナー像C2の一次転写が完了すると、次にマゼンタトナー像M2のトナー像形成および一次転写処理を行うのであるが、その処理の間、クリーナブレード491は中間転写ベルト41から離間した状態のままであるため、1枚目と同様に副走査方向におけるレジストズレは発生せず、ズレ量はゼロとなる。したがって、マゼンタトナー像M2については、一次転写中での副走査方向におけるレジストズレは、レジストズレ量がゼロの軸(図6、図7などにおける1点鎖線AC0)を振れ幅中心とし、その振幅量もゼロとなっている。このことから、図4に示す動作シーケンスで画像形成を行う画像形成装置では、マゼンタトナー像を基準トナー像とし、その転写開始位置および転写後端位置を、それぞれ「基準転写開始位置」および「基準転写後端位置」とすることができる。
【0054】
また、マゼンタトナー像M2の一次転写が完了すると、2枚目のブラックトナー像の像形成および一次転写処理を行うのであるが、この場合、1枚目と同様に一次転写途中でクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接して中間転写ベルト41を伸びA32だけ伸ばし、副走査方向において(−)方向にレジストズレが発生する。なお、動作シーケンスに対するレジストズレ量の変化を示すプロファイル(以下においては、単に「プロファイル」と称する)は図6と同一であり、一次転写中での副走査方向におけるレジストズレは、振れ幅中心AC1を中心として副走査方向の(+)および(−)方向にそれぞれズレ量(A32/2)の範囲内で発生し、画像品質の低下を招いている。
【0055】
さらに、3枚目のカラー画像に続いて、4枚目以降のカラー画像を連続的に形成する場合、上記した2枚目と同様のレジストズレが発生する。
【0056】
B−1−3.第3印字シーケンス
さらに、この種の画像形成装置では、中間転写ベルト41を空転させることがある。例えばホストコンピュータなどの外部装置からの画像信号の間隔が一定以上あくと、中間転写ベルト41を空転させるが、2回以上空転させる必要がある場合には、一旦装置を止めてしまう。このとき、クリーナブレード491は中間転写ベルト41に当接状態となっている。そして、新たに画像形成を開始する場合には、中間転写ベルト41が回転駆動されて画像形成が開始されるが、最初のイエロートナー像を一次転写する際、図8に示す2枚目以降のシアントナー像の場合と同様のレジストズレが発生する。
【0057】
すなわち、図9に示すように、画像形成が再開されて中間転写ベルト41が回転駆動されると、垂直同期用読取センサ40から垂直同期信号VSYNCがタイミングVT01で出力され、そのタイミングVT01から一定時間A14後にクリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間した後、イエロートナー像の一次転写が開始される。そのため、上記「B−1−2.第2印字シーケンス」のシアントナー像C2の場合と同様の理由により、転写開始位置が(+)方向にズレ量A34だけずれる。つまり、一次転写中での副走査方向におけるレジストズレは、振れ幅中心AC4を中心として振幅量0となっており、一次転写処理中においてレジストズレ量は変化しないものの、振れ幅中心AC4自体が副走査方向(+)にズレ量A34だけ平行シフトしており、これによって画像品質の低下を招いている。
【0058】
そして、続くシアンおよびマゼンタトナー像の一次転写はクリーナブレード491が常時中間転写ベルト41から離間した状態で実行されるため、レジストズレは発生しないが、最後のブラックトナー像については、第1および第2印字シーケンスの場合と同様に一次転写している最中にクリーナブレード491および二次転写ローラ48が中間転写ベルト41に当接して(−)方向にズレ量A32のレジストズレが発生する。
【0059】
以上のように、一次転写処理を繰り返している間に、クリーナブレード491などの当接手段が中間転写ベルト41に離当接すると、離当接タイミングに応じて所定のレジストズレ量が発生する。このプロファイル自体は装置構成や動作条件などによって決まる固有のものであり、装置構成や動作シーケンスを変更しない限り当該プロファイル自体は変化しないが、レジストズレ量に応じて転写開始位置を副走査方向に移動させることで基準トナー像に対するレジストズレをゼロまたは抑制することができる。例えばシアントナー像C2については、図8に示すように、シアントナー像C2の転写開始位置が基準転写開始位置に対して(+)方向にズレ量A34となっており、それ以降ではレジストズレ量の増減が見られないため、シアントナー像C2の転写開始位置がレジストズレ量A34だけ(−)方向にずれるように制御することによって、レジストズレ量をゼロにすることができる。
【0060】
したがって、この実施形態では、上記したように実際の画像形成処理に先立って、装置構成および動作シーケンス等から上記したと同様の解析を予め行ってレジストズレ量を導出し、そのレジストズレ量をゼロあるいは抑制するために必要なレジスト制御量(例えば、上記シアンの場合におけるA34に相当)を求めておき、実際の画像形成処理においてはレジスト制御量に基づき転写開始位置を副走査方向に補正することによって、基準トナー色(マゼンタ)以外のトナー色(Y,C,K)の振れ幅中心AC1〜AC4を基準トナー色の振れ幅中心AC0と一致させることで、レジストズレを抑制し、高品質な画像を形成している。
【0061】
B−2.初期レジスト制御量の制定処理について
図10は、初期レジスト制御量を自動的に制定する処理(レジスト制御量制定処理)を示すフローチャートである。まず、実施形態にかかる画像形成装置の装置構成および動作シーケンスに基づき以下の初期設定条件を予め設定し、メモリ125に記憶させておく。そして、図11に示すように、VSYNC信号を基準として、(1)クリーナブレード491および二次転写ローラ48が中間転写ベルト41に当接する周期T1、(2)クリーナブレード491および二次転写ローラ48が中間転写ベルト41に当接し続ける周期T2、(3)クリーナブレード491および二次転写ローラ48が中間転写ベルト41から離間する周期T3、および、(4)クリーナブレード491および二次転写ローラ48が中間転写ベルト41から離間し続ける周期T4を1ジョブとするレジスト制御量制定ジョブ(ステップS11)を、所定回数、例えば20回繰り返す(ステップS12)。
【0062】
なお、初期条件は、
A2:プロセス速度(中間転写ベルト41の周速)、
A7:クリーナブレード491の当接からブラックトナー像の一次転写終了までの時間(図6参照)、
A8:中間転写ベルト41が一周するのに要する時間
A10:クリーナブレード当接からイエロートナー像の一次転写開始までの時間(図7参照)、
A12:イエロートナー像の転写開始位置からクリーナブレード離間までの時間(図7参照)、
A14:VSYNC信号からクリーナブレード離間までの時間(図8参照)、
A17:周期T1におけるVSYNC信号からクリーナブレード当接までの時間間隔(図11参照)、
A18:周期T3におけるVSYNC信号からクリーナブレード離間までの時間間隔(図11参照)、
となっている。
【0063】
また、この実施形態では、レジスト制御量制定ジョブ(ステップS11)を繰り返して実行している間、刻々と得られる周期データ(周期T1〜T4)をメモリ125に記憶していく。また、その間、帯電バイアスおよび一次転写バイアスについては常時ON状態に設定されている。また、図1への図示を省略しているが、一次転写領域R1と感光体用クリーナブレード24との間に除電ランプが設けられているが、この除電ランプも常時ON状態に設定されている。さらに、二次転写ローラ48が中間転写ベルト41に当接している間、二次転写バイアスを与えて実印字に近い状態で初期レジスト制御量を求めている。
【0064】
こうして、各周期T1〜T4について、それぞれ20個の実測値が得られると、その周期データをメモリ125から読み出し、これらの平均値T1(av)〜T4(av)をそれぞれ演算する(ステップS13)。さらに、初期レジスト制御量Ra,Rb,Rcをそれぞれ以下の数式に基づき演算によって求める(ステップS14)。なお、その理由について、それぞれ分けて説明する。
【0065】
<初期レジスト制御量Raについて>
図6に示すように、ブラックトナー像K1を中間転写ベルト41に一次転写している最中に、クリーナブレード491の当接が開始され、例えばA3サイズのブラックトナー像K1の一次転写が完了する時点においてもクリーナブレード491の当接が継続されているため、副走査方向におけるレジストズレ量A32が発生する。そのレジストズレ量A32は2つの伸びA6,A27の総和となる。つまり、
A32=A6+A27
となる。
【0066】
ここで、当接伸びA6は、クリーナブレード491が当接した状態で中間転写ベルト41が回転搬送されることで発生する当接伸びであり、伸びA27は、クリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接した時の瞬間伸び(弾性分+滑り分)である。
【0067】
まず、伸びA6について検討する。クリーナブレード491が当接していることで、周期差A1が発生するが、この周期差A1については次式、
A1=(T2(av)−T4(av))×A2×1000
で求めることができる。そして、ブラックトナー像K1の一次転写中においてクリーナブレード491は所定時間A7だけしか当接していないので、当接伸びA6は、
A6=A1×A7/A8
となる。
【0068】
一方、瞬間伸びA27は、周期T1,T4を比較することで求めることができる。すなわち、瞬間伸びA27は、次式
A27=(T1(av)−T4(av))×A2×1000−A15
で求めることができる。ただし、伸びA15は、図11に示すように、周期T1中においてクリーナブレード491が所定時間A17だけ当接していることによる伸びであり、この伸びA15は、
A15=A1×(A8−A17)/A8
で求めることができる。
【0069】
したがって、レジストズレ量A32を、
A32=A6+A27
によって求めることができ、この半分の値だけ予め転写開始位置を副走査方向にずらしておくことでブラックトナー像K1のレジストズレを最小限に抑えることができる。そこで、この実施形態では、初期レジスト制御量Raを、
Ra=A32/2
に設定している。
【0070】
<初期レジスト制御量Rbについて>
図7に示すように、ブラックトナー像K1の一次転写に続いてイエロートナー像Y2を中間転写ベルト41に一次転写する場合、クリーナブレード当接からイエロートナー像の一次転写開始までの時間A10の間に副走査方向に伸びA30(=A27+A9)が発生している。また、一次転写が開始された後もクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接しているために伸びA11が生じる反面、一次転写が完了する直前にクリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間し、縮みA26が発生する。したがって、同図に示すように、縮みA26が伸びA11よりも大きな場合には、初期レジスト制御量Rbを、
Rb=A35−A26/2
ただし、A35=A30+A11
に設定する一方、逆の場合(A26<A11)には、初期レジスト制御量Rbを、
Rb=A35−A11/2
に設定することで、イエロートナー像のレジストズレを最小限に抑えることができる。
【0071】
ここで、一次転写開始時点での伸びA30は、上記したように、
A30=A27+A9
となるが、伸びA9はクリーナブレード491が当接した状態で中間転写ベルト41が時間A10の間だけ回転搬送されることにより生じた伸びであり、次式
A9=A1×A10/A8
で求めることができる。
【0072】
また、伸びA11は一次転写が開始された後もクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接しているために生じた伸びであり、次式
A11=A1×A12/A8
で求めることができる。
【0073】
さらに、縮みA26は、クリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間したことによるものであり、周期T3,T4を比較することで求めることができる。すなわち、次式
A26=A25−(T3(av)−T4(av))×A2×1000
に基づき求めることができる。なお、同式中のA25は、図11に示すように、周期T3における伸びであり、次式
A25=A1×A18/A8
で求めることができる。
【0074】
<初期レジスト制御量Rcについて>
図8に示すように、イエロートナー像の一次転写に続いてシアントナー像を中間転写ベルト41に一次転写する場合、当該一次転写の基準となるVSYNC信号VT6が出力された時点でクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接されており、その後、シアントナー像の一次転写が開始されるまでに、時間A14の間だけ当接状態のまま中間転写ベルト41が回転搬送されるため、伸びA13が発生する。つまり、その伸びA13は、
A13=A1×A14/A8
となる。
【0075】
また、クリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間すると、上記<初期レジスト制御量Rbについて>の項で説明したように、縮みA26が発生する。したがって、シアントナー像の一次転写開始時点では、レジストズレ量A34(=A13−A26)が生じているが、一次転写をしている間では、副走査方向におけるズレは発生しない。そこで、この実施形態では、この値(レジストズレ量A34)だけ予め副走査方向にずらしておくことでシアントナー像のレジストズレをゼロに抑えることができるため、初期レジスト制御量Rcを、
Rc=A34
に設定している。
【0076】
以上のように、この初期レジスト制御量の制定処理(レジスト制御量制定処理)においては、二次転写ローラ48を中間転写ベルト41に当接している間、二次転写バイアスを与えているが、これは初期レジスト制御量を制定する上で必須の要件ではなく、二次転写バイアスを与えない、あるいは二次転写バイアスと逆極性のバイアスを与えるようにしてもよく、それぞれの場合で以下のような効果が得られる。すなわち、二次転写バイアスを与えない場合には、初期レジスト制御量の制定処理を簡素化することができる。また、二次転写バイアスを与えた場合には、二次転写ローラ48によって中間転写ベルト41や感光体/ベルト駆動部41aに対して与える負荷が実印字状態に近づき、初期レジスト制御量を正確に求めることができる。さらに、逆極性のバイアスを与える場合には、二次転写ローラ48に付着したトナーを中間転写ベルト41側に戻して二次転写ローラ48をクリーニングして二次転写ローラ48によるシートの裏汚れを防いで、良好な印字結果を得ることができる。
【0077】
また、上記した初期レジスト制御量の制定処理では、一次転写バイアスを中間転写ベルト41に与えて実印字に近い状態で初期レジスト制御量を求めているため、初期レジスト制御量を正確に求めることができる。
【0078】
さらに、上記した初期レジスト制御量の制定処理では、駆動開始からレジスト制御量制定ジョブ(ステップS11)を20回繰り返し(ステップS12)、周期T1〜T4の実測値をそれぞれ20個ずつ測定し、これらの実測値に基づき初期レジスト制御量を求めている。しかしながら、駆動開始直後において、中間転写ベルト41の回転搬送が安定していないことがあり、このような状態で実測した周期T1〜T4に基づき初期レジスト制御量を求めたのでは、初期レジスト制御量の精度が低下してしまうおそれがある。そこで、このような問題を解消するためには、駆動開始から所定回数だけ中間転写ベルト41が回転搬送され、その動作が安定した後で、各周期T1〜T4を実測し、それらの実測値に基づき初期レジスト制御量を求めるようにすればよく、こうすることで、初期レジスト制御量を精度良く求めることができる。
【0079】
B−3.転写開始位置の補正について
実際に、1枚目からカラー画像を順次印字する場合、以下のようにして転写開始位置が補正されてレジストズレが抑制される。1枚目のカラー画像を印字する場合には、図3のステップS5で第1印字シーケンスに対応するシーケンスフラグF0が設定されるため、図3のステップS6でイエロートナー像Y1、シアントナー像C1、マゼンタトナー像M1のレジスト制御量として「0」が設定される一方、ブラックトナー像K1のレジスト制御量として初期レジスト制御量Raが設定される。したがって、イエロートナー像Y1、シアントナー像C1、マゼンタトナー像M1は、従来例と同様に、すべて感光体21上の所定位置、つまり基準潜像形成位置に形成されることとなり、感光体21と同期して回転する中間転写ベルト41に対しても同一位置で一次転写される。その結果、図12に示すように、これら3つのトナー像Y1,C1,M1の転写開始位置はすべて基準転写開始位置に一致し、しかもそれらの転写後端位置も基準転写後端位置にすべて一致している。
【0080】
一方、ブラックトナー像K1については、レジスト制御量として初期レジスト制御量Raが設定されていることから、図13に示すように、タイミングVT4で出力された垂直同期信号VSYNCを基準として加減速可能期間T11のタイミングt11で、感光体21を加減速制御してブラックトナー像の潜像形成位置を基準潜像形成位置に対し副走査方向の(+)側に制御量Ra(=A32/2)だけシフト移動させる。ここで、「加減速可能期間」とは、VIDEO信号がHレベルにあり、露光処理が停止している間の期間をいう。また、この加減速可能期間T11においては、1つ前のトナー像(マゼンタトナー像M1)の一次転写処理を継続中であるが、この実施形態では中間転写ベルト41は感光体21と同期して駆動制御されるため、感光体21および中間転写ベルト41の加減速制御と並行して一次転写されるトナー像に乱れは生じない。
【0081】
上記のようにして感光体21の上に形成された潜像を現像器23Kで顕在化し、そのブラックトナー像K1を中間転写ベルト41上に一次転写する。その結果、図12に示すように、ブラックトナー像K1の転写開始位置は基準転写開始位置に対して(+)方向にレジスト制御量Raだけずれる。
【0082】
そして、図13に示すように、この一次転写処理が進行し、その後半部分に差し掛ったタイミングt1で、クリーナブレード491の動作を制御するCB信号がLレベルからHレベルに立ち上がり、クリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接してブラックトナー像K1がその他のトナー像Y1,C1,M1に対して副走査方向にずれる。さらに当該当接状態がタイミングt2まで継続され、その結果、レジストズレはさらに大きくなるが、最終的なブラックトナー像K1の副走査方向におけるレジストズレ量は、(−)方向にズレ量(A32/2)となる。つまり、ブラックトナー像K1の転写開始位置を基準転写開始位置に対して(+)方向にレジスト制御量Raだけ移動させることで、ブラック色についての振れ幅中心AC1を基準トナー色であるマゼンタ色についての振れ幅中心AC0と一致させており、こうすることで、すべてのトナー色について一次転写処理中における各トナー色ごとの副走査方向におけるレジストズレの振れ幅中心が相互に一致している。
【0083】
この結果、この実施形態では、図12に示すように、ブラックトナー像K1は他のトナー像Y1,C1,M1に対して転写開始側で(+)方向に(A32/2)だけずれるとともに、転写後端側で(−)方向に(A32/2)だけずれており、最大ズレ量はレジスト制御を行わない場合(図5および図6)の半分になる。
【0084】
次に、1枚目のカラー画像形成に続いて2枚目のカラー画像を形成する場合(第2印字シーケンス)では、図3のステップS5でシーケンスフラグとしてフラグF1が設定された後、以下のようにして、レジストズレを抑えて高品質な画像形成が可能となる。
【0085】
すなわち、ステップS6でそのシーケンスフラグF1に対応するレジスト制御量が設定される。つまり、イエロートナー像Y2のレジスト制御量として初期レジスト制御量Rbが設定され、シアントナー像C2のレジスト制御量として初期レジスト制御量Rcが設定され、マゼンタトナー像M2のレジスト制御量として「0」が設定されるとともに、ブラックトナー像K2のレジスト制御量として初期レジスト制御量Raが設定される。そして、各トナー像についてレジスト制御が実行される。
【0086】
まず、イエロートナー像Y2については、レジスト制御量として初期レジスト制御量Rbが設定されていることから、図14に示すように、タイミングVT5で出力された垂直同期信号VSYNCを基準として加減速可能期間T11のタイミングt11で、感光体21を加減速制御してイエロートナー像の潜像形成位置を基準潜像形成位置に対して副走査方向の(+)側に制御量Rbだけシフト移動させる。そして、この潜像を現像器23Yで顕在化する。
【0087】
そして、タイミングt1でCB信号がLレベルからHレベルに立ち上がり、離間していたクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接する。その後、同図の太実線で示すプロファイルでレジストズレ量が変化しながら、イエロートナー像Y2の転写処理が行われて転写後端側で(+)方向に(A26/2)だけずれるが、基準トナー像(マゼンタトナー像M2)に対する最大ズレ量はレジスト制御を行わない場合(図7)に比べて大幅に縮小される。
【0088】
このように、この実施形態では、感光体21上での潜像形成位置をレジスト制御量Rbだけ基準潜像形成位置に対して副走査方向にシフト移動させることで2枚目のイエロートナー像Y2の転写開始位置を調整している。これにより、イエロー色についての振れ幅中心AC2を基準トナー色であるマゼンタ色についての振れ幅中心AC0と一致させている。このため、基準トナー像(マゼンタトナー像M2)に対するズレ量を振れ幅(A26/2)の範囲内に抑制することができる。
【0089】
イエロートナー像Y2に続いて、シアントナー像C2の一次転写処理が行われるが、このシアントナー像C2のレジスト制御量として初期レジスト制御量Rcが設定されている。そのため、図15に示すように、タイミングVT6で出力された垂直同期信号VSYNCを基準として加減速可能期間T11のタイミングt11で、感光体21の回転速度および中間転写ベルト41の搬送速度Vを一時的に遅くすることで、一定速度で回転搬送する場合(基準トナー像、つまりマゼンタトナー像の場合)に比べて感光体21の回転量および中間転写ベルト41の搬送量をレジスト制御量Rcだけ少なくする。その結果、感光体21上での潜像形成位置が基準潜像形成位置に対して副走査方向にレジスト制御量Rcだけシフト移動する。
【0090】
そして、上記のようにして感光体21の上に形成された潜像を現像器23Cで顕在化し、そのシアントナー像C2を中間転写ベルト41上に一次転写する。したがって、クリーナブレード491の離当接によるレジストズレ量(A26)と、感光体21上でのトナー像C2のシフト量Rcとが一致してシアントナー像C2の転写開始位置は基準転写開始位置と一致する。
【0091】
また、シアントナー像C2の中間転写ベルト41への一次転写処理が開始される前のタイミングt4でCB信号がLレベルからHレベルに立ち上がり、当接していたクリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間しているため、一次転写処理中でのレジストズレは生じない。このため、シアントナー像C2の転写後端位置は転写後端位置と一致する。
【0092】
このように、この実施形態では、レジスト制御量Rcに基づき感光体21および中間転写ベルト41を加減速制御することで、シアン色についての振れ幅中心AC3を基準トナー色であるマゼンタ色についての振れ幅中心AC0と一致させている。このため、基準トナー像(マゼンタトナー像M2)に対するズレ量をゼロに抑制することができる。
【0093】
シアントナー像C2に続いてマゼンタトナー像M2の一次転写処理が実行されるが、この転写処理においては、クリーナブレード491および二次転写ローラ48の離当接は一切なく、マゼンタトナー像M2の転写開始位置および転写後端位置はそれぞれ基準転写開始位置および転写後端位置と一致する。
【0094】
こうして、3色のトナー像Y2,C2,M2が完了すると、次に最終トナー色、つまりブラックトナー像K2の一次転写処理が実行される。この一次転写処理では、1枚目のブラックトナー像K1の場合と同様に、感光体21上での潜像形成位置をレジスト制御量Rbだけ副走査方向にシフト移動させることで、ブラック色についての振れ幅中心AC1を基準トナー色であるマゼンタ色についての振れ幅中心AC0と一致させている。
【0095】
したがって、基準トナー像に対して転写開始側で(+)方向に(A32/2)だけずれるとともに、転写後端側で(−)方向に(A32/2)だけずれており、最大ズレ量はレジスト制御を行わない場合(図5および図6)の半分になる。
【0096】
このように、2枚目についても、すべてのトナー色について、転写処理中における各トナー色ごとの副走査方向におけるレジストズレの振れ幅中心が相互に一致するように、各トナー色ごとに対応するレジスト制御量に基づき感光体21の回転速度および中間転写ベルト41の搬送速度を同期して加減速制御することでトナー像の転写開始位置を補正している。その結果、シアントナー像C2を基準トナー像であるマゼンタトナー像M2に完全にレジストさせることができるとともに、イエロートナー像Y2およびブラックトナー像K2については基準トナー像に完全にレジストすることができないまでも、レジストズレ量を最小限に抑えることができ、高品質な画像形成が可能となる。
【0097】
また、シーケンスフラグF2が設定されている場合には、イエロートナー像Ynのレジスト制御量として初期レジスト制御量Rcが設定され、シアントナー像Cnおよびマゼンタトナー像Mnのレジスト制御量として「0」が設定されるとともに、ブラックトナー像Knのレジスト制御量として初期レジスト制御量Raが設定される。そして、各トナー像についてレジスト制御が実行される。
【0098】
まず、イエロートナー像Ynについては、レジスト制御量として初期レジスト制御量Rcが設定されていることから、図16に示すように、タイミングVT01で出力された垂直同期信号VSYNCを基準として加減速可能期間T11のタイミングt11で、感光体21の回転速度および中間転写ベルト41の搬送速度Vを一時的に遅くすることで、一定速度で回転搬送する場合(基準トナー像、つまりマゼンタトナー像の場合)に比べて感光体21の回転量および中間転写ベルト41の搬送量をレジスト制御量Rcだけ少なくする。その結果、感光体21上での潜像形成位置が基準潜像形成位置に対して副走査方向にレジスト制御量Rcだけシフト移動する。
【0099】
そして、上記のようにして感光体21の上に形成された潜像を現像器23Yで顕在化し、そのイエロートナー像Ynを中間転写ベルト41上に一次転写する。
したがって、クリーナブレード491の離当接によるレジストズレ量(A26)と、感光体21上でのトナー像Ynのシフト量Rcとが一致してイエロートナー像Ynの転写開始位置は基準転写開始位置と一致する。
【0100】
また、イエロートナー像Ynの中間転写ベルト41への一次転写処理が開始される前のタイミングt4でCB信号がLレベルからHレベルに立ち上がり、当接していたクリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間しているため、一次転写処理中でのレジストズレは生じない。このため、イエロートナー像Ynの転写後端位置は転写後端位置と一致する。
【0101】
このように、この実施形態では、レジスト制御量Rcに基づき感光体21および中間転写ベルト41を加減速制御することで、イエロー色についての振れ幅中心AC4を基準トナー色であるマゼンタ色についての振れ幅中心AC0と一致させている。このため、基準トナー像(マゼンタトナー像Mn)に対するズレ量をゼロに抑制することができる。
【0102】
イエロートナー像Ynに続いて、シアントナー像Cnおよびマゼンタトナー像Mnの一次転写処理が順次行われるが、これらの転写処理においては、クリーナブレード491および二次転写ローラ48の離当接は一切なく、両トナー色についての振れ幅中心は相互に一致しており、両トナー像CnおよびMnの転写開始位置および転写後端位置はそれぞれ基準転写開始位置および転写後端位置と一致する。
【0103】
こうして、3色のトナー像Yn,Cn,Mnが完了すると、次に最終トナー色、つまりブラックトナー像Knの一次転写処理が実行される。この一次転写処理では、第1および第2印字シーケンスの場合と同様に、レジスト制御量Rcに基づき感光体21および中間転写ベルト41を加減速制御することで、ブラック色についての振れ幅中心AC1を基準トナー色であるマゼンタ色についての振れ幅中心AC0と一致させている。したがって、基準トナー像に対して転写開始側で(+)方向に(A32/2)だけずれるとともに、転写後端側で(−)方向に(A32/2)だけずれており、最大ズレ量はレジスト制御を行わない場合(図5および図6)の半分になる。
【0104】
このように、空転処理後のカラー印字についても、すべてのトナー色について、転写処理中における各トナー色ごとの副走査方向におけるレジストズレの振れ幅中心が相互に一致するように、各トナー色ごとにレジスト制御量Rcに基づき感光体21および中間転写ベルト41を加減速制御することで、トナー像の転写開始位置を補正している。その結果、イエロートナー像Yn、シアントナー像Cnおよびマゼンタトナー像(基準トナー像)Mnを完全にレジストさせることができるとともに、ブラックトナー像Knについては基準トナー像に完全にレジストすることができないまでも、レジストズレ量を最小限に抑えることができ、高品質な画像形成が可能となる。
【0105】
B−4.レジスト制御量の補正処理について
図17は、レジスト制御量補正処理を示すフローチャートである。まず、実施形態にかかる画像形成装置の装置構成および動作シーケンスに基づき以下の初期設定条件を予め設定し、メモリ125に記憶させておく。なお、初期条件は、
B2:クリーナブレードの当接時間、
B7:クリーナブレードの当接から次のVSYNC信号までの時間間隔、
となっている。
【0106】
そして、レジスト制御量補正処理が開始されると、カウント値mを「1」だけインクリメントする(ステップS21)。それに続いて、図18に示すように、初期レジスト制御量に基づくカラー画像形成を少なくとも1回以上行った後、ここでは最初のVSYNC信号から5回目のVSYNC信号VT5が出力されてから、カラー画像形成中における4つの周期、つまり
(1)2枚目以降のイエロートナー像の一次転写に対応する周期T11、
(2)2枚目以降のシアントナー像の一次転写に対応する周期T12、
(3)2枚目以降のマゼンタトナー像の一次転写に対応する周期T13、および、
(4)2枚目以降のブラックトナー像の一次転写に対応する周期T14
を1ジョブとし、各周期T11〜T14を測定する(測定処理:ステップS22)。
【0107】
このように印字中に測定されるVSYNC信号の周期は、初期レジスト制御量に基づく補正成分が含まれているため、これを除いてレジスト制御量を算出する必要がある。そこで、この実施形態では、この補正成分をキャンセルすべく、測定された周期T11〜T14を次式にしたがって補正する。
【0108】
T11′=T11+0.001×SS1/A2
T12′=T12+0.001×SS2/A2
T13′=T13+0.001×SS3/A2
T14′=T14+0.001×SS4/A2
ただし、符号SS1〜SS4は測定しているジョブでのレジスト制御量である。
より具体的には、レジスト制御量SS1〜SS4は、それぞれ2枚目以降のイエロートナー像、2枚目以降のシアントナー像を、2枚目以降のマゼンタトナー像を、さらに2枚目以降のブラックトナー像を、一次転写する際のレジスト制御量である。
【0109】
こうして、動作環境の影響のみが反映された周期T11′〜T14′が求まると、当該ジョブでのレジスト制御量Ra′,Rb′,Rc′をそれぞれ以下の数式に基づき演算によって求める(中間演算処理:ステップS24)。
【0110】
<レジスト制御量Ra′について>
ブラックトナー像を中間転写ベルト41に一次転写している最中に、クリーナブレード491の当接が開始され、例えばA3サイズのブラックトナー像K1の一次転写が完了する時点においてもクリーナブレード491の当接が継続されているため、副走査方向におけるレジストズレ量B16が発生する。そのレジストズレ量B16は2つの伸びB8,B14の総和となる。つまり、
B16=B8+B14
となる。
【0111】
ここで、当接伸びB8は、クリーナブレード491が当接した状態で中間転写ベルト41が回転搬送されることで発生する当接伸びであり、伸びB14は、クリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接した時の瞬間伸び(弾性分+滑り分)である。
【0112】
まず、伸びB8について検討する。クリーナブレード491が当接していることで、周期差B1が発生するが、この周期差B1については次式、
B1=((T11′+T12′)−(T13′+T14′))×A8/B2×A2×1000
で求めることができる。そして、ブラックトナー像の一次転写中においてクリーナブレード491は所定時間A7だけしか当接していないので、当接伸びB8は、
B8=B1×A7/A8
となる。
【0113】
一方、瞬間伸びB14は、クリーナブレード491が当接していることによる伸びB3と、駆動系の剛性およびギアの変形の総和B4との合計である。この伸びB3は、
B3=B1×A4/A5
で求めることができ、また、伸びB4は、
B4=(T11′−(T13′+T14′)/2)×A2×1000−B5
で求めることができる。ここで符号B5は、周期T11′中での中間転写ベルト41の伸びによる周期ずれであり、次式
B5=B1×B7/A8
で求めることができる。
【0114】
したがって、これらの式に基づきレジストズレ量B16を求めることができ、この半分の値だけ予め転写開始位置を基準転写開始位置に対して副走査方向にずらしておくことでブラックトナー像のレジストズレを最小限に抑えることができる。そこで、この実施形態では、ジョブ中のレジスト制御量Ra′を中間レジスト制御量として次式、つまり
Ra=B16/2
にしたがって演算している。
【0115】
<レジスト制御量Rb′について>
ブラックトナー像の一次転写に続いてイエロートナー像を中間転写ベルト41に一次転写する場合、クリーナブレード当接から2枚目以降のイエロートナー像の一次転写開始までの間に副走査方向にズレ量B11が発生している。そのズレ量B11は、
B11=B3+B4+B9
となる。ここで、符号B9は、クリーナブレード491の当接から2枚目以降のイエロートナー像の一次転写開始までに生じる伸びを示しており、次式
B9=B1×A10/A8
で求めることができる。
【0116】
また、一次転写が開始された後もクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接しているために伸びB10が生じる。したがって、イエロートナー像での伸び量B19は、
B19=B11+B10となる。
【0117】
その反面、一次転写が完了する直前にクリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間し、縮みB15が発生する。したがって、縮みB15が一次転写中のベルト伸びB10よりも大きな場合には、中間レジスト制御量としてレジスト制御量Rb′を、
Rb′=B19−B15/2
に設定する一方、逆の場合(B15<B10)には、中間レジスト制御量としてレジスト制御量Rb′を、
Rb′=B19−B10/2
に設定することで、イエロートナー像のレジストズレを最小限に抑えることができる。
【0118】
<レジスト制御量Rc′について>
イエロートナー像の一次転写に続いてシアントナー像を中間転写ベルト41に一次転写する場合、当該一次転写の基準となるVSYNC信号が出力された時点でクリーナブレード491が中間転写ベルト41に当接されており、その後、シアントナー像の一次転写が開始されるまでに、時間A14の間だけ当接状態のまま中間転写ベルト41が回転搬送されるため、伸びB13が発生する。つまり、その伸びB13は、
B13=B1×A14/A8
となる。
【0119】
また、クリーナブレード491が中間転写ベルト41から離間すると、上記<レジスト制御量Rb′について>の項で説明したように、縮みB12(=B15)が発生する。したがって、シアントナー像の一次転写開始時点では、レジストズレ量B18(=B13−B12)が生じているが、一次転写をしている間では、副走査方向におけるズレは発生しない。そこで、この実施形態では、この値(レジストズレ量B18)だけ予め転写開始位置を副走査方向にずらしておくことでシアントナー像のレジストズレをゼロに抑えることができるため、中間レジスト制御量としてレジスト制御量Rc′を、
Rc=B19
に設定している。
【0120】
図17に戻って説明を続ける。上記のようにして中間レジスト制御量Ra′,Rb′,Rc′の演算が完了すると、カウント値mに基づきレジスト制御量を重み付け補正する(補正処理:ステップS25)。すなわち、次式に基づきレジスト制御量Ra″,Rb″,Rc″を求め、それぞれを表1中のレジスト制御量Ra,Rb,Rcの代わりに設定してレジスト制御量の最適化を図っている。
【0121】
Ra″=((M−m)×Ra+m×Ra′)/M
Rb″=((M−m)×Rb+m×Rb′)/M
Rc″=((M−m)×Rc+m×Rc′)/M
ただし、Mは予め設定されているデータ取得目標値であり、その値Mを任意に設定することができ、例えば「100」に設定してもよい。
【0122】
以上のように、この実施形態では、カラー画像形成を少なくとも1回以上実行した後にレジスト制御量を補正するように構成しているので、動作環境に応じてレジスト制御量を最適化することができ、カラー画像を安定して形成することができる。
【0123】
また、動作環境に応じてレジスト制御量を最適化するのであれば、レジスト制御量制定工程(ステップS1)を電源投入直後以外に適当なタイミングで適宜繰り返せばよいのであるが、レジスト制御量制定工程は比較的時間がかかり、その間、印字処理が中断されることから、スループット低下を招いてしまう。これに対して、この実施形態では、印字処理を行いながらレジスト制御量を補正して最適化することができるために、高いスループットを維持したままでレジスト制御量を補正して高品質の画像を形成することができる。
【0124】
また、カラー画像形成回数を示すカウント値mに基づく重み付け補正を行っているので、レジスト制御量補正処理(ステップS7)のカウント値mが比較的小さい場合、つまり電源投入からのカラー画像形成回数が少ない場合には、初期レジスト制御量の比重が大きく、カウント値mが増加するにしたがって徐々に中間レジスト制御量の比重が増え、最後には中間レジスト制御量そのものがレジスト制御量として設定される。このように重み付け補正を採用することで、カウント値m、つまりカラー画像形成回数の増大にしたがってレジスト制御量が徐々に補正されることとなる。その結果、レジスト制御量を良好に補正することができる。なんとなれば、通常、動作環境の一つである内部温度は電源投入からカラー画像形成回数の増大にしたがって徐々に上昇してレジスト制御量の最適値は初期レジスト制御量からシフトするのに対し、この実施形態では温度上昇と密接に関連するカラー画像形成回数に応じてレジスト制御量を重み付け補正することで温度上昇を反映した補正を行うことができるためである。
【0125】
もちろん、初期レジスト制御量Ra,Rb,Rcを全く考慮せずに、各ジョブに対応する中間レジスト制御量Ra′,Rb′,Rc′をそのまま補正後のレジスト制御量として決定し、レジスト制御量Ra,Rb,Rcの代わりに設定してレジスト制御量を最適化するようにしてもよい。このように構成することでレジスト制御量補正処理を簡素化することができ、上記演算を実行するCPU121の演算負担を低減させてスムーズな制御処理が可能となる。
【0126】
また、CPU121の演算負担を低減させるために、印字ジョブと印字ジョブとの切れ間を利用するのが望ましい。なんとなれば、この切れ間においては、CPU121のデータ処理は比較的少ないからである。したがって、印字中のVSYNC信号の周期を測定する一方、測定された周期T11〜T14に基づく補正処理を印字ジョブの間で行うことで、CPU121を効率的に、しかも過剰に負荷を与えることなく、レジスト制御量補正処理を行うことができる。
【0127】
また、CPU121の演算負担を低減させる方法として、レジスト制御量補正処理のうち演算を伴う処理(ステップS23〜S25)を、濃度調整処理と同期して行うことも有効である。その理由は以下のとおりである。
【0128】
通常、多数枚連続印字処理を実行している際には、印字ジョブの切れ間が存在しないために、上記方法を採用することができない。しかしながら、この種の画像形成装置では、感光体および現像器の疲労・経時変化や、装置周辺における温湿度の変化などに起因する画像濃度の変化を抑制するために、トナー像の画像濃度に影響を与える濃度制御因子、例えば帯電バイアス、現像バイアス、露光量などを適当なタイミングで調整して画像濃度を安定化させる濃度調整処理を実行する。そこで、この濃度調整処理ではCPU121の負担は比較的小さい時期が存在するため、この濃度調整処理に同期して補正処理を実行することでCPU121を効率的に、しかも過剰に負荷を与えることなく、レジスト制御量補正処理を行うことができる。
【0129】
また、上記実施形態では、カラー画像形成を1回行うたびに、レジスト制御量補正処理(ステップS7)を実行してレジスト制御量を補正しているが、カラー画像形成回数が予め設定しておいたしきい値以上となるたびにレジスト制御量補正処理(ステップS7)を実行するようにしてもよい。なお、このように初期レジスト制御量の設定(ステップS1)からレジスト制御量補正処理を実行するまでのカラー画像形成回数(カウント値m)を求めることで装置の稼動状況を求めているが、装置の稼動状況を示す指標値としてカラー画像形成回数以外に、印字枚数、感光体21の回転量、中間転写ベルト41の回転量などを用いることができる。
【0130】
また、上記指標値が予め設定しておいたしきい値以上となった時点で、レジスト制御量制定工程(ステップS1)を新たに行うようにしてもよいし、あるいはその時点でのレジスト制御量を初期レジスト制御量として再設定してもよい。こうすることで、装置を長時間稼動させた場合にも、初期レジスト制御量を定期的に最適値に更新することができ、安定して高品質な画像を形成することができる。
【0131】
また、レジスト制御量が必要となる理由として装置の動作環境、例えば温度がある。そこで、装置内部に温度センサ(検出手段)を設け、装置内部の温度をモニターし、その温度が予め設定されたしきい値を超えた場合のみ、レジスト制御量補正処理(ステップS7)を実行するようにしてもよい。もちろん、湿度センサ(検出手段)を設け、温度の代わりに湿度、あるいは温度に加えて湿度をレジスト制御量補正処理の開始条件としてもよい。
【0132】
また、消耗品の交換や装置メンテナンスなどのために装置カバーを開いて作業を行う場合があるが、このカバー開動作に伴って装置内部の温度・湿度は大きく変化する場合がある。ここで、上記のように温・湿度センサなどで直接装置内部の温度・湿度を計測し、レジスト制御量を補正するようにしてもよいが、カバーが開いているという情報に基づきレジスト制御量の補正が必要であると判断してレジスト制御量補正処理を実行するようにしてもよい。
【0133】
さらに、装置内部の温度・湿度に影響を与える因子として、エナジーセーブモード(スリープモード)の設定がある。というのも、このモードでは印字処理以外では定着ユニットを停止もしくは低温制御している。したがって、エナジーセーブモードからの復帰時には温度低下が認められる可能性が高いため、エナジーセーブモードから復帰したという情報に基づき、復帰直後あるいは所定時間経過後にレジスト制御量制定工程を実行してもよい。このような情報については、一般的に「装置のステータス」として称されるものであり、ステータスに基づきレジスト制御量補正処理の実行タイミングを決定することで装置内部の環境に適合したレジスト制御量を適宜求めることができ、高品質なカラー画像が得られる。
【0134】
C.レジスト制御量制定処理の中断に対するリカバリ処理について
ところで、レジスト制御量制定処理中に装置カバーが開かれたり、装置電源が落とされるなどの中断事由が発生すると、レジスト制御量制定処理が中断されるが、その後、中断事由が解消されて中断が解除されると、この実施形態では図19に示すリカバリ処理が実行されてレジスト制御量Ra,Rb,Rcが制定される。それに続いて、通常の画像形成が実行される。以下、図19を参照しつつリカバリ動作について説明する。
【0135】
図19は、この発明にかかる画像形成装置におけるリカバリ動作を示すフローチャートである。この画像形成装置では、予めリカバリ用制御量が工場出荷段階でデフォルト値としてデータ入力され、それをメモリ125に固定設定されている。
【0136】
まずステップS31では、中断事由が解消されるのを待つ。そして、中断事由が解消されると、中断時点までにレジスト制御量制定処理中に取得され、メモリ125に記憶されたデータ数が所定数以下か否かを判断する(ステップS32)。この実施形態では、レジスト制御量制定処理の開始から中断までの間にレジスト制御量制定ジョブによって得られる周期T1〜T4がメモリ125に記憶されており、例えば中断時点でレジスト制御量制定ジョブが15回繰り返し実行されていた場合には、合計60個(=4個×15回)の周期データがメモリ125に記憶されている。
【0137】
そこで、このデータ取得数をメモリ125に記憶されている所定数と比較して所定数を超える場合には、ステップS33に進み、中断時点までに取得した周期データの平均値T1(av)〜T4(av)をそれぞれ演算するとともに、「B−2.初期レジスト制御量の制定処理について」の項で説明したと同様にしてレジスト制御量Ra,Rb,Rcを算出する(ステップS33)。このように、データ取得数が比較的多い場合には、ジョブの繰返し数が規定値(この実施形態では20回)に達しておらず、規定のデータ数が得られていない場合であっても高い精度でレジスト制御量を求めることができる。一方、データ取得数が所定数以下である場合には、ステップS34に進んでメモリ125からリカバリ用制御量を読み出し、レジスト制御量をリカバリ用制御量と一致させる。
【0138】
以上のように、本実施形態ではレジスト制御量制定処理の中断事由が解消されて中断が解除されると、レジスト制御量制定処理を再度実行することなく、直ちに通常の画像形成処理に戻ってカラー画像形成を実行している。そのため、中断解除後にレジスト制御量制定処理を再度実行していた従来装置に比べて装置パフォーマンスを向上させることができる。
【0139】
また、中断解除後に再度のレジスト制御量制定処理(工程)を実行しないものの、すでに中断前に取得したデータに基づきレジスト制御量を算出したり(ステップS33)、レジスト制御量をリカバリ用制御量に設定しており(ステップS34)、このように設定されたレジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正しているので、たとえレジスト制御量制定処理を再度実行せずとも、レジストズレを抑制して高品質なカラー画像を得ることができる。
【0140】
また、上記実施形態では、中断時点でのデータ取得数に応じてレジスト制御量の設定方法が異なっている。つまり、中断時点でのデータ取得数が多く、レジスト制御量の高い算出精度が望める場合には、データに基づくレジスト制御量の算出を行う(ステップS33)一方、中断時点でのデータ取得数が少なくレジスト制御量の算出精度の面で若干劣っている場合には、リカバリ用制御量をレジスト制御量として設定している(ステップS34)。このように、レジスト制御量制定処理の如何なる段階で中断事由が発生したとしても、中断解消直後にレジスト制御量制定処理を実行することなく、レジスト制御量を適切に設定することができる。
【0141】
また、上記実施形態では、リカバリ処理において設定されたレジスト制御量に応じてレジストズレを補正しながらカラー画像の形成を少なくとも1回以上行った後で、レジスト制御量補正処理を実行しているので、カラー画像をさらに安定して得ることができる。というのも、リカバリ処理によってレジスト制御量を設定しているが、そのレジスト制御量の算出精度の面では、レジスト制御量制定処理を再度実行することによって得られるレジスト制御量に比べて若干劣る可能性があるが、レジスト制御量補正処理(ステップS7)を実行してレジスト制御量を補正しているので、レジスト制御量を最適化することができるからである。また、カラー画像形成を実行していくと、動作環境、例えば装置内部の温度や湿度などが変化してレジスト制御量が最適値からずれてしまうことがあるのに対し、この実施形態ではレジスト制御量補正処理(ステップS7)を実行してレジスト制御量を補正しているので、動作環境などに応じてレジスト制御量が最適化されるからである。
【0142】
さらに、この実施形態では、カラー画像形成回数を示すカウント値mに基づく重み付け補正を行っているが、レジスト制御量の算出精度の面では、リカバリ処理によって得られるレジスト制御量がレジスト制御量制定処理を再度実行することによって得られるレジスト制御量に比べて若干劣る可能性があるため、レジスト制御量制定処理が中断された場合と、中断されなかった場合とで重み付け量を変更設定してもよい。例えば、上記実施形態では中断の有無とは無関係にデータ取得目標値Mを一律「100」に設定しているが、中断された場合にはデータ取得目標値Mを「50」に設定し、中断された場合の中間レジスト制御量の重み付けを高くしてもよい。
【0143】
D.その他
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、データ取得数に応じてレジスト制御量の設定方法を相違させているが、データ取得数にかかわらず、常に取得データに基づきレジスト制御量を求める(ステップS33)ようにしたり、常にレジスト制御量をリカバリ用制御量に設定する(ステップS34)ようにしてもよい。
【0144】
また、上記実施形態では、リカバリ用制御量を予め固定設定しているが、次のようにリカバリ用制御量を設定してもよい。
【0145】
リカバリ用制御量の設定(1):
レジスト制御量制定処理を実行してレジスト制御量を求めるたびに更新してもよい。この場合、リカバリ用制御量は中断したレジスト制御量制定処理の1つ前のレジスト制御量制定処理によって得られた最新のレジスト制御量となる。そのため、画像形成装置の動作状況に対応したリカバリ用制御量をメモリ125に記憶させておくことができ、長期間に亘って安定した高品質のカラー画像が得られる。
【0146】
リカバリ用制御量の設定(2):
所定タイミングでレジスト制御量制定処理を実行することによって得られたレジスト制御量をリカバリ用制御量としてもよく、こうすることで、リカバリ用制御量を高精度に求め、メモリ125に更新記憶させることができ、長期間に亘って安定した高品質のカラー画像が得られる。
【0147】
例えば、レジスト制御量は中間転写ベルト41の個体差や装置組立状況などに応じて相互に異なっており、個々の装置ごとに相違する可能性がある。そのため、装置組立後の製品出荷前にレジスト制御量制定処理を実行し、その際に得られたレジスト制御量をリカバリ用制御量としてメモリ125に記憶させるようにしてもよい。例えば、転写ユニット4の組立段階で当該転写ユニット4のみを単独で駆動させてレジスト制御量を求め、これをリカバリ用制御量としてメモリ125に記憶させるようにしてもよい。この場合、転写ユニット4の製造組立時点でレジスト制御量を求めることができ、他のユニット、例えばプロセスユニット2や露光ユニット3などの完成を待つことなく、レジスト制御量を求めることができるため、装置全体の組立作業効率を向上させることができる。また、画像形成装置全体が組み上がった段階でレジスト制御量を求め、これをリカバリ用制御量としてメモリ125に記憶するようにしてもよい。こうすることで、転写ユニット4以外のユニットがレジスト制御量に与える影響を反映した結果が得られ、転写ユニット4単独でレジスト制御量を求める場合に比べて精度の高いレジスト制御量が得られる。
【0148】
また、装置組立後の製品出荷前以外に、例えばサービスエンジニアが装置の定期点検時にレジスト制御量制定処理を実行し、その際に得られたレジスト制御量をリカバリ用制御量として記憶させるようにしたり、装置の動作状況(総印字枚数、稼動時間など)に応じてレジスト制御量制定処理を実行し、その際に得られたレジスト制御量をリカバリ用制御量として記憶させるようにしてもよい。
【0149】
リカバリ用制御量の設定(3):
上記実施形態では、レジスト制御量に基づくカラー画像形成を少なくとも1回以上実行した後にレジスト制御量補正処理を実行してレジスト制御量を補正しているので、リカバリ用制御量を新たに補正されたレジスト制御量に更新するようにしてもよい。
【0150】
また、上記実施形態では、レジスト制御量補正処理を実行しているが、レジスト制御量補正処理を実行しない画像形成装置に対して本発明を適用することができることはいうまでもない。
【0151】
また、上記実施形態では、レジスト制御量に応じて転写開始位置を調整するために、感光体21と中間転写ベルト41とを同期して可変速制御することで、感光体21上での潜像形成位置をレジスト制御量に応じて副走査方向にシフト移動させているが、感光体21上での潜像形成位置をシフト移動させる方法としては、上記感光体/ベルト駆動制御以外に、露光タイミングを制御することでも可能である。また、感光体/ベルト駆動制御と露光タイミング制御とを組み合わせてもよい。
【0152】
また、感光体駆動部とベルト駆動部とを別個に設けた場合には、感光体21を一定速度で回転駆動する一方、中間転写ベルト41のうちトナー像の形成されない領域が一次転写領域R1に位置している期間(一次転写を行わない期間)において、レジスト制御量に基づき中間転写ベルト41のみを可変速制御して転写開始位置を調整するようにしてもよい。
【0153】
また、上記実施形態では、中間転写ベルト41を回転駆動する駆動源として直流モータを採用し、レジスト制御量に基づき直流モータを加減速制御することでレジスト制御しているが、直流モータの代わりにステッピングモータなどのパルスモータを用い、レジスト制御量に基づきパルス駆動制御することでレジスト制御するようにしてもよい。
【0154】
また、上記実施形態にかかる画像形成装置は、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに印字するプリンタであるが、本発明は複写機やファクシミリ装置などの電子写真方式のカラー画像形成装置、つまり複数色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置全般に適用することができる。
【0155】
さらに、上記実施形態では、感光体21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト41上に転写する転写工程を、各トナー色について実行して中間転写ベルト41上にカラー画像を形成しているが、中間転写ベルト以外の転写媒体(転写ベルトなど)にトナー像を転写してカラー画像を形成する画像形成装置にも本発明を適用することができる。
【0156】
【発明の効果】
以上のように、この発明の一態様によれば、中断までに取得されたデータに基づきレジスト制御量を算出し、当該レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正するように構成しているので、中断の解除後、直ちに通常の画像形成を実行することができ、中断解除後にレジスト制御量制定処理を再度実行していた従来装置に比べて装置パフォーマンスを向上させることができる。また、上記のようにして得られたレジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正しており、レジストズレを抑制して高品質でカラー画像を形成することができる。
【0157】
また、この発明の他の態様によれば、上記と同様に、中断が解除されると、直ちに通常の画像形成を実行するように構成しているので、中断解除後にレジスト制御量制定処理を再度実行していた従来装置に比べて装置パフォーマンスを向上させることができる。また、リカバリ用制御量をレジスト制御量として読み出し、当該レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正しており、レジストズレを抑制して高品質でカラー画像を形成することができる。
【0158】
さらに別の態様によれば、上記のようにしてレジスト制御量に基づくカラー画像形成を少なくとも1回以上実行した後にレジスト制御量補正処理を実行してレジスト制御量を補正しているので、動作環境などの影響を極力抑えてレジスト制御量が最適化され、レジストズレをさらに抑制して高品質でカラー画像をさらに安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1の画像形成装置の基本動作を示すフローチャートである。
【図4】図1の画像形成装置における動作シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。
【図5】レジスト制御を行うことなしに図4の動作タイミングで一次転写処理を行った場合の各トナー像のレジスト状況を模式的に示す図である。
【図6】レジスト制御を行うことなしにブラックトナー像を転写した際のレジストズレ状況を示す図である。
【図7】レジスト制御を行うことなしにイエロートナー像を転写した際のレジストズレ状況を示す図である。
【図8】レジスト制御を行うことなしにシアントナー像を転写した際のレジストズレ状況を示す図である。
【図9】レジスト制御を行うことなしにイエロートナー像を転写した際のレジストズレ状況を示す図である。
【図10】初期レジスト制御量を自動的に制定する処理内容を示すフローチャートである。
【図11】レジスト制御量制定ジョブの内容を示すタイミングチャートである。
【図12】レジスト制御しながら、図4の動作タイミングで一次転写処理を行った場合の各トナー像のレジスト状況を模式的に示す図である。
【図13】図1に示す画像形成装置においてブラックトナー像を転写する際のレジスト制御内容を示す図である。
【図14】図1に示す画像形成装置においてイエロートナー像を転写する際のレジスト制御内容を示す図である。
【図15】図1に示す画像形成装置においてシアントナー像を転写する際のレジスト制御内容を示す図である。
【図16】図1に示す画像形成装置においてイエロートナー像を転写する際のレジスト制御内容を示す図である。
【図17】レジスト制御量補正処理を示すフローチャートである。
【図18】レジスト制御量補正ジョブの内容を示すタイミングチャートである。
【図19】この発明にかかる画像形成装置におけるリカバリ動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…制御ユニット(制御手段)
11…メインコントローラ
12…エンジンコントローラ(制御手段)
21…感光体
41…中間転写ベルト(転写媒体)
48…二次転写ローラ(当接手段)
121…CPU(制御手段)
125…メモリ(記憶部)
491…クリーナブレード(当接手段)
C1,C2…シアントナー像
K1,K2…ブラックトナー像
M1,M2…マゼンタトナー像
Ra,Rb,Rc…(初期)レジスト制御量
Ra′,Rb′,Rc′…中間レジスト制御量
Ra″,Rb″,Rc″…(補正された)レジスト制御量
T1〜T4,T11〜T14…周期

Claims (10)

  1. 感光体上に形成されたトナー像を回転駆動されるベルト状転写媒体に転写する転写処理を、互いに異なる複数のトナー色について繰り返して各トナー色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置において、
    前記転写処理を繰り返している際に前記ベルト状転写媒体に対して一時的に当接する当接手段と、
    前記ベルト状転写媒体の回転動作に関連して基準信号を出力する基準信号検出手段と、
    カラー画像形成前にレジスト制御量制定処理を実行し、前記基準信号に基づき
    (1)前記ベルト状転写媒体から離間していた前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に当接した場合の周期と、
    (2)前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に当接し続ける場合の周期と、
    (3)前記ベルト状転写媒体に当接していた前記当接手段が前記ベルト状転写媒体から離間した場合の周期と、
    (4)前記当接手段が前記ベルト状転写媒体から離間し続ける場合の周期と
    を所定回数づつ測定して該複数の周期のそれぞれを周期データとして取得するとともに前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に離当接することによって生じる前記ベルト状転写媒体上でのトナー像の相対的なレジストズレを補正するために必要なレジスト制御量を前記複数の周期データに基づき求めた後、前記レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記複数の周期データを記憶する記憶部を有し、しかも、前記レジスト制御量制定処理の中断が解除されたとき、前記レジスト制御量制定処理を再実行することなく、前記記憶部に記憶されている周期データに基づきレジスト制御量を算出し、当該レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記記憶部はリカバリ用制御量をさらに記憶し、しかも、
    前記制御手段は、前記レジスト制御量制定処理の中断が解除されたとき、その中断時点での周期データ取得数が所定数以下であるときには、前記レジスト制御量制定処理を再実行することなく、前記記憶部からリカバリ用制御量をレジスト制御量として読み出し、当該レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 感光体上に形成されたトナー像を回転駆動されるベルト状転写媒体に転写する転写処理を、互いに異なる複数のトナー色について繰り返して各トナー色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置において、
    前記転写処理を繰り返している際に前記ベルト状転写媒体に対して一時的に当接する当接手段と、
    前記ベルト状転写媒体の回転動作に関連して基準信号を出力する基準信号検出手段と、
    カラー画像形成前にレジスト制御量制定処理を実行し、前記基準信号に基づき
    (1)前記ベルト状転写媒体から離間していた前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に当接した場合の周期と、
    (2)前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に当接し続ける場合の周期と、
    (3)前記ベルト状転写媒体に当接していた前記当接手段が前記ベルト状転写媒体から離間した場合の周期と、
    (4)前記当接手段が前記ベルト状転写媒体から離間し続ける場合の周期と
    を所定回数づつ測定して該複数の周期のそれぞれを周期データとして取得するとともに前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に離当接することによって生じる前記ベルト状転写媒体上でのトナー像の相対的なレジストズレを補正するために必要なレジスト制御量を前記複数の周期データに基づき求めた後、前記レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正する制御手段とを備え、
    前記制御手段はリカバリ用制御量を記憶する記憶部を有し、しかも、前記レジスト制御量制定処理の中断が解除されたとき、前記レジスト制御量制定処理を再実行することなく、前記記憶部からリカバリ用制御量をレジスト制御量として読み出し、当該レジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記レジスト制御量制定処理を実行してレジスト制御量を求めるたびに、前記記憶部に記憶されているリカバリ用制御量を新たに求められたレジスト制御量に更新する請求項2または3記載の画像形成装置。
  5. 前記記憶部には、所定タイミングでレジスト制御量制定処理を実行することによって得られたレジスト制御量が前記リカバリ用制御量として記憶されている請求項2または3記載の画像形成装置。
  6. 前記記憶部には、予めリカバリ用制御量が固定的に設定記憶されている請求項2または3記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、レジスト制御量に基づくカラー画像形成を少なくとも1回以上実行した後にレジスト制御量補正処理を実行して前記レジスト制御量を補正する請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、レジスト制御量に基づくカラー画像形成を少なくとも1回以上実行した後にレジスト制御量補正処理を実行して前記レジスト制御量を補正するとともに、前記記憶部に記憶されているリカバリ用制御量を、新たに補正されたレジスト制御量に更新する請求項2ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 感光体上に形成されたトナー像を回転駆動されるベルト状転写媒体に転写する転写処理を、互いに異なる複数のトナー色について繰り返して各トナー色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成方法において、
    前記ベルト状転写媒体の回転動作に関連して基準信号を出力する基準信号検出工程と、
    前記基準信号に基づき
    (1)前記ベルト状転写媒体から離間していた当接手段が前記ベルト状転写媒体に当接した場合の周期と、
    (2)前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に当接し続ける場合の周期と、
    (3)前記ベルト状転写媒体に当接していた前記当接手段が前記ベルト状転写媒体から離間した場合の周期と、
    (4)前記当接手段が前記ベルト状転写媒体から離間し続ける場合の周期と
    を所定回数づつ測定して該複数の周期のそれぞれを周期データとして取得するとともに、前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に離当接することによって生じる前記ベルト状転写媒体上でのトナー像の相対的なレジストズレを補正するために必要なレジスト制御量を前記複数の周期データに基づき求めるレジスト制御量制定工程と、
    前記レジスト制御量制定工程の中断が解除されたとき、前記レジスト制御量制定工程を再実行することなく、前記レジスト制御量制定工程の開始から中断までの間に得られた周期データに基づきレジスト制御量を求めるリカバリ工程と、
    前記レジスト制御量制定工程または前記リカバリ工程で求められたレジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正する補正工程とを備えたことを特徴とする画像形成方法。
  10. 感光体上に形成されたトナー像を回転駆動されるベルト状転写媒体に転写する転写処理を、互いに異なる複数のトナー色について繰り返して各トナー色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成方法において、
    リカバリ用制御量を記憶部に記憶する記憶工程と、
    前記ベルト状転写媒体の回転動作に関連して基準信号を出力する基準信号検出工程と、
    前記基準信号に基づき
    (1)前記ベルト状転写媒体から離間していた当接手段が前記ベルト状転写媒体に当接した場合の周期と、
    (2)前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に当接し続ける場合の周期と、
    (3)前記ベルト状転写媒体に当接していた前記当接手段が前記ベルト状転写媒体から離間した場合の周期と、
    (4)前記当接手段が前記ベルト状転写媒体から離間し続ける場合の周期と
    を所定回数づつ測定して該複数の周期のそれぞれを周期データとして取得するとともに、前記当接手段が前記ベルト状転写媒体に離当接することによって生じる前記ベルト状転写媒体上でのトナー像の相対的なレジストズレを補正するために必要なレジスト制御量を前記複数の周期データに基づき求めるレジスト制御量制定工程と、
    前記レジスト制御量制定工程の中断が解除されたとき、前記レジスト制御量制定工程を再実行することなく、前記記憶部からリカバリ用制御量をレジスト制御量として読み出すリカバリ工程と、
    前記レジスト制御量制定工程または前記リカバリ工程で求められたレジスト制御量に応じて各トナー色ごとにトナー像の転写開始位置を補正する補正工程とを備えたことを特徴とする画像形成方法。
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