JP3867112B2 - チタン材の着色方法、及び描画方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン材の表面に着色する方法及びチタン材の表面にカラー模様を描画する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
純チタン及びチタンを含有するチタン合金(以下「チタン材」という。)は、化学安定性、機械的強度、軽量性、耐久性及び耐熱性等に優れているため、この性質を利用して外壁などの建材や、眼鏡のフレーム、カメラのボディ等へ広く用いられている。また、最近ではこれらの用途に用いるチタン材の付加価値を高めるために、表面に色彩を付した着色チタン材が提供されている。
【0003】
チタン材へ色彩を付す方法としては、大気酸化法、陽極酸化法等が知られている。大気酸化法は、チタン材の表面を大気中で加熱酸化して酸化皮膜を形成し、発色させる方法である。また、陽極酸化法は、電解液中でチタン材を陽極として用いて電流を流してチタン材表面に酸化皮膜を形成し発色させる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
大気酸化法では、着色できる色彩の種類が少なく、また再現性、均一性に欠ける。一方、陽極酸化法では、着色の際の処理液として特殊な電解液を必要とし、着色したチタン材を洗浄する作業と処理液を廃棄する作業とが必要である。
また、従来の着色方法は、チタン材の形状加工処理と異なる着色処理行程を有するものであり、形状加工用とは別に着色加工用の設備が必要となる。
【0005】
本発明の課題は、特別な処理液を必要としないチタン材の着色方法を提供することにある。
また、本発明の別の課題は、複数の色彩を容易かつ鮮明に着色できるチタン材の着色方法を提供することにある。
さらに、本発明の別の課題は、チタン材の形状加工と同時に着色処理できるチタン材の着色方法を提供することにある。
【0006】
さらにまた、本発明の別の課題は、複数の色彩を容易かつ鮮明に描画できるチタン材の描画方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、チタン材の着色について鋭意研究を続けてきた。その結果、水中での放電加工処理により加工面に色彩が付される事実と、所定の条件を設定することより放電加工時の平均加工電圧を調整することができ、この平均加工電圧を所定の値に設定することにより加工面に所定の色彩が付される事実とを知見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、発明1に係るチタン材の着色方法は、加工液中でチタン材の表面から所定の間隔を開けて電極を配置し、電極とチタン材との間に電圧を印加しながら両者を相対的に移動させて放電加工しチタン材に着色する着色方法であって、チタン材への加工幅、加工深さ及び加工液の比抵抗の3要素のいずれか1以上の要素を設定した後、放電加工時の平均加工電圧を調整し加工表面に所定の色彩を付す表面加工工程を有する。
【0009】
この場合には、平均加工電圧に対応して所定の色彩をチタン材に付すことができるので、別途着色処理工程を必要とせず、形状加工と同じ行程で任意の色彩をチタンの表面に付すことが可能となる。さらに、放電加工によりチタン材の表面を表面加工しながら着色処理を行うので、加工前の加工面の影響を受けず、均一な着色面を得ることができる。さらにまた、同一の色彩を高い確率で再現することができる。
【0010】
発明2に係るチタン材の着色方法は、発明1に係る着色方法であって、チタン材の表面加工工程を行う前工程として、チタン材に荒加工を行う工程をさらに有している。
この場合には、まず電極としてワイヤを用いてチタン材を切断し荒加工した後に、表面加工し所定の色彩を付しているので、チタン材の表面の微妙な形状を加工すると同時に加工面に色彩を付すことができる。
【0011】
なお、荒加工工程はワイヤ放電加工によってチタン材の形状を切断等する加工工程でも、他の方法によりチタン材を加工する工程でもよい。
発明3に係るチタン材の着色方法は、発明1又は2に係る着色方法であって、電極はワイヤであり、表面加工工程は平均加工電圧を変化させながら加工表面に多色彩を付す工程である。
【0012】
この場合には、平均加工電圧を変化させながら表面加工を行う。この平均加工電圧の変化に伴って加工表面に付される色彩も変化するので、種々の色彩を有する着色チタン材を得ることができる。また、色彩は平均加工電圧に依存するので、平均加工電圧を同様に繰り返して変化させることにより色彩が変化した加工面を再現することができる。
【0013】
発明4に係るチタン材の着色方法は、発明1から3のいずれかに係る着色方法であって、電極はワイヤであり、表面加工工程は平均加工電圧40ボルト以上開放電圧未満の範囲内の電圧で表面加工を行う。
発明5に係るチタン材の着色方法は、発明1から4のいずれかに係る着色方法であって、電極はワイヤであり、表面加工工程はチタン材への加工深さをワイヤの直径以下の範囲内で行う。
【0014】
発明6に係るチタン材の着色方法は、発明1から5のいずれかに係る着色方法であって、電極はワイヤであり、電極とチタン材との相対移動は平行移動である。
この場合には、電極とチタン材とを平行移動させ相対的に移動させるので、平らな加工面を有するチタン材を加工しながら容易に着色することができる。
【0015】
発明7に係るチタン材の着色方法は、発明1から5のいずれかに係る着色方法であって、電極はワイヤであり、電極とチタン材との相対移動は回転移動である。
この場合には、たとえば、ある角度範囲のみへの着色等を容易に行うことができる。
【0016】
発明8に係るチタン材の着色方法は、発明1から7のいずれかに係る着色方法であって、加工液はイオン交換水である。
この場合には、イオン交換水を加工液として用いているので、加工液の廃液処理が不要であり加工が容易かつ安全である。さらに環境にも好ましい。
発明9に係る着色チタン材製の自転車部品は、発明1から8のいずれかに記載のチタン材の着色方法によって着色したものである。
【0017】
発明10に係るチタン材の描画方法は、加工液中でチタン材の表面から所定の間隔を開けて単純電極を配置し、単純電極とチタン材との間に電圧を印加しながら両者を相対的に移動させて放電加工しチタン材に描画する。
この場合には、単純電極とチタン材との間に電圧を印加することにより単純電極と対向するチタン材の一部分に色彩を付すことができ、チタン材に描画することができる。
【0018】
発明11に係るチタン材の描画方法は、発明10に係る描画方法であって、放電加工は平均加工電圧を変化させながら加工面に多色彩を付し描画する。
この場合には、平均加工電圧を変化させながら放電加工するので、単純電極と対向するチタン材の一部分に任意の色彩を付すことができ、チタン材の表面に様々な色彩を用いて描画することができる。
【0019】
発明11に係るチタン材の描画方法は、発明10または11に係る描画方法であって、加工液はイオン交換水である。
この場合には、イオン交換水を加工液として用いているので、加工液の廃液処理が不要であり加工が容易かつ安全である。さらに環境にも好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
[発明の概要]
本発明に用いるチタン材は、純チタン(Ti)のみでなく他の物質を含有した合金材を用いることもできる。耐食性及び強度を考慮すると、用いるチタン合金としてはTiにAl、Sn、V、Mo、Nb、Ta等の金属を含有させた合金が好ましい。
【0021】
放電加工に用いる電極は、市販の棒状又はワイヤ状の電極を任意に選択し用いることができる。作業性を考慮すると着色加工にはワイヤ状電極を、描画には棒状の電極を用いることが好ましい。
放電加工時の平均加工電圧とは、放電加工時の電極と工作物との間における極間の平均された電圧である。
【0022】
この平均加工電圧は放電加工時の開放電圧(電源から供給される電圧)以下の任意の電圧で加工できる。好ましい平均加工電圧の範囲は40ボルト以上の範囲であり、50ボルト以上の範囲内がさらに好ましい。40ボルト以上の平均加工電圧で表面加工を施すと十分な着色が可能である。50ボルト以上の平均加工電圧で表面加工を施すと、さらに十分かつ鮮明な着色が期待できる。
【0023】
本発明においては、着色面の色彩は「チタン材への加工幅」「加工深さ」「加工液の比抵抗」の3要素に大きく依存することから、これらの値を所定の値に設定し平均加工電圧を調整しつつ放電加工を行い色彩を制御する。
以下、電極としてワイヤを用いたワイヤ放電加工時の上記3要素を説明する。「加工幅」とは、加工するチタン材の厚みに該当する。
【0024】
本発明で用い得る加工幅は放電加工に用いる機器に応じて任意に定めることができる。
「チタン材の加工深さ」とは、加工しようとする表面において、加工前の表面と電極によって切り込まれた加工後の表面との距離に該当する。
このチタン材への加工深さは任意の量で加工することができる。しかし、電極として用いるワイヤの直径以下の範囲内で値を選択して平均加工電圧を調整し表面加工を施すことが好ましい。これは、ワイヤの直径より大きい加工深さで加工すると、実質的にチタン材を切断加工することになり、加工に長時間を費やすことになるからである。
【0025】
「加工液の比抵抗」とは、加工に用いる加工液の抵抗率であり、電気伝導率の逆数である。
加工液としては一般の水道水を使用することができる。チタン材の着色の鮮明さを考慮すると不純物の少ないイオン交換水を用いることが好ましい。
なお、電極として金属棒を用いた放電加工時では、「チタン材の加工幅」は該金属棒の外径に該当し、「加工深さ」は該金属により切り込まれる深さに該当する。
【0026】
[着色]
図1は、本発明に係る着色方法の着色加工加工工程の概略図である。
着色加工されるチタン材1と放電加工用電極であるワイヤ2とは未着色加工面1aを介して所定の間隔をもって、イオン交換水中に配置されている。チタン材1はプラス電源(図示せず)、ワイヤ2はマイナス電源(図示せず)に接続され、それぞれプラス極とマイナス極として放電する。
【0027】
着色加工を行う前に、予め必要とされる形状にチタン材1を荒加工しておく。ここで、平均加工電圧を所定の値に設定してチタン材1とワイヤ2とを相対的に移動させ、ワイヤ2をチタン材1に対し任意の加工深さを持って加工方向(図1の左側)に移動させる。
図2に示すように、ワイヤ2によってチタン材1の未着色加工面1aが切り込まれると、この切り込みを受けた面(着色仕上げ面)1bに所定の色彩が付される。この加工時に平均加工電圧を変化させつつワイヤ2をチタン材1に対して移動させると、平均加工電圧に応じて着色仕上げ面1bに色彩が現れる。
【0028】
本発明において、放電加工がチタン合金材表面へどのような作用をし色彩を付すのか、その作用機構自体は明らかではないが、以下のような作用機構が考えられる。
加工面の着色状態を分類すると、図2に示すように、ワイヤ位置より加工方向前方の金属光沢を示す領域A、ワイヤよりやや加工方向後方における色調が徐々に変化する領域B、そしてその後方に続く均一な色調領域Cに分類できる。放電が頻繁に発生している領域Aではチタンの金属面が露出した状態にあり、これが領域Bを通過することにより着色作用を受け、最終的な色調の加工面Cが形成される。領域Bでは加工間隙(チタン材とワイヤとの間隙)に応じた電解電流がチタン材1からワイヤ2に流れることにより着色がなされており、この領域Bにおける色調変化は、加工の進行に伴い段階作用が徐々に移動したためと考えられる。また、本着色加工は水中で行われるので着色領域Bの範囲はわずかである。このため、加工の途中で平均加工電圧を変化させた場合には、色調変化の明瞭な境界が得られ、鮮明な色模様を得ることができると考えられる。
【0029】
なお、チタン材と放電加工用電極との相対移動は、加工するチタン材の加工面の形状に合わせて、平行移動させても回転移動させてもよい。
[描画]
図3は、本発明に係る描画方法の描画工程の概略図である。
描画されるチタン材11と放電加工用電極である金属棒12とは、所定の間隔を開けて配置される。チタン材11はプラス電極(図示せず)、金属棒12はマイナス電極(図示せず)に接続され、それぞれプラス極、マイナス極として放電する。放電すると、金属棒12に対向するチタン材上の箇所が着色され、金属棒12を移動させることにより描画することが可能である。
【0030】
[第1実施形態]
図4は、本発明の一実施形態により着色したチタン材を有するMTBの側面図である。
図4において、MTBは車体の骨格をなすダイヤモンド形のフレーム101を備えている。フレーム101は、たとえばアルミニウムパイプのフレーム体102と、フレーム体102の前部に斜め縦軸回りに回転自在に支持されたフロントフォーク103とを有している。また、MTBは、フロントフォーク103に連結されたハンドル部104と、フレーム体102の下部に取り付けられ、踏み力を駆動力に変換する駆動部105と、フロントフォーク103の下端に回転自在に支持された前輪106と、フレーム体102の後部に回転自在に支持された後輪107と、前後の制動装置108,109とを備えている。
【0031】
駆動部105は、ギヤクランク部111と、後輪107のフリーハブに回転不能に取り付けられた小ギヤ部112と、ギヤクランク部111と小ギヤ部112との間に架け渡されたチェーン113と、変速用のフロントディレーラ114およびリアディレーラ115とを有している。
ギヤクランク部111は、図5に示すように、先端にペダル110(図4)がそれぞれ取り付けられた右ギヤクランク116および左クランク(図示せず)を有している。右ギヤクランク116と左クランクとはクランク軸(図示せず)により連結されている。右ギアクランク116は、先端にペダルが装着された棒状の着色チタン合金製クランク117と、クランク50の基端に回転不能に結合されたギア板118とを有している。クランク軸に着色チタン合金製取付ボルト119により締結することでクランク117及びギヤ板118がクランク軸に固定される。
【0032】
このように構成されたMTBでは、図5に示すように、クランク117には、永手方向に段階的に複数の色彩が前述の着色方法によって付されている。また、クランクボルト119の頭部には複数の角度範囲において、それぞれ異なる色彩が付されている。クランク117への着色は、クランクとワイヤ電極とを相対的に移動させて行う。また、クランクボルト119の頭部への着色は、たとえば、クランクボルトを回転移動させながら行う。
【0033】
[他の実施形態]
着色チタン材製自転車部品は上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば、フロントディレーラ114、リアディレーラ115及びその他のボルトやナットに用いることができる。
【0034】
【実施例】
次に、実施例及び参考例を挙げて、本発明のチタン材の着色方法及び描画方法を説明する。
[参考例]
まず、平均加工電圧と着色加工面に着色される色彩の関係を明らかにする。
着色加工面の色彩をカラーアナライザで計測し、L* a* b* 表色系(JIS Z 8729)で求めたものからa* b* 部を表示した着色結果を座標系に表したグラフを図6に示す。このa* b* 座標系では角度方向が色彩を表し、原点からの距離が彩度を表している。かっこ書きの数値は放電加工時の平均加工電圧を示している。
【0035】
着色加工面の色彩は、平均加工電圧の上昇とともに原点に近づく渦巻き状の円を描き、60から110Vの平均加工電圧の範囲で黄色から赤、青、緑、黄色とほぼ一周する。すなわち、平均加工電圧を制御することにより加工面に全ての色彩を表現できることがわかる。
また、平均加工電圧を上昇させると同じ色彩に戻るが、平均加工電圧が上昇するほど原点に近づいており、彩度が低下していくことがわかる。
【0036】
[実施例1〜9]
平均加工電圧と切り込み(加工深さに該当する。)との関係を調べるために以下の実験を行った。
加工するチタン材は板厚17mmのチタン合金(Ti−6Al−4V)であり、加工液は比抵抗4×104 Ωcmのイオン交換水を用いている。放電加工は(株)ソディク製ワイヤ放電加工機BF275、開放電圧150V、放電ピーク電流15A、オンタイム0.5μs、電極として用いたワイヤは黄銅(φ0.25mm)である。表1に示す切り込みと平均加工電圧をもってチタン材を着色した。着色された色彩はカラーアナライザで計測し、L* a* b* 表色系(JIS Z 8729)で色彩を認定した。図7は、着色結果を平均加工電圧と切り込みとでプロットしたグラフである。
【0037】
【表1】
【0038】
図7より明らかなように、同じ平均加工電圧で加工した場合であっても、チタン材への切り込みが異なると着色加工面の色彩は変化している。具体的には、同一の色彩は平均加工電圧の上昇とともに切り込みに対して負の傾きを持つ直線上に現れている。つまり、同一の平均加工電圧の場合切り込みが大きくなると、色彩は上記図6の円の時計回り方向にシフトする傾向にあるといえる。
【0039】
[実施例10〜19]
次に、平均加工電圧とチタン材の板厚(加工幅に該当する。)との関係を調べるために以下の実験を行った。
加工するチタン材はチタン合金(Ti−6Al−4V)であり、切り込みは40μm、加工液は比抵抗4×104 Ωcmのイオン交換水を用いている。なお、その他の加工機の条件は実施例1〜9と同様である。これらの条件下で、表2に示す板厚のチタン材を平均加工電圧を変化させつつ着色した。着色された色彩はカラーアナライザで計測し、L* a* b* 表色系(JIS Z 8729)で色彩を認定した。図8は、着色結果を平均加工電圧と板厚とでプロットしたものである。
【0040】
【表2】
【0041】
図8より明らかなように、同じ平均加工電圧で加工した場合であってもチタン材の板厚が異なると着色加工面の色彩は変化することがわかる。具体的には、同一の色彩は平均加工電圧の上昇とともに板厚に対して負の傾きを持つ直線上に現れている。つまり、同一の平均加工電圧の場合板厚が大きくなると、色彩は上記図6の円の時計回り方向にシフトする傾向にあるといえる。
【0042】
[実施例20〜30]
次に、平均加工電圧と加工液の比抵抗との関係を調べるために以下の実験を行った。
加工するチタン材はチタン合金(Ti−6Al−4V)であり、チタン材への切り込みは40μm、チタン材の板厚は17mmである。なお、その他の加工機の条件は実施例1〜9と同様である。これらの条件下で、表3に示す比抵抗のイオン交換水中で平均加工電圧を変化させつつチタン材を着色した。着色された色彩はカラーアナライザで計測し、L* a* b* 表色系(JIS Z 8729)で色彩を認定した。図9は、着色結果を平均加工電圧と加工液の比抵抗とで対数プロットしたものである。
【0043】
【表3】
【0044】
図9より明らかなように、同じ平均加工電圧で加工した場合であっても、加工液の比抵抗が異なると着色加工面の色彩は変化することがわかる。具体的には、同一の色彩は平均加工電圧の上昇とともに加工液の比抵抗に対して正の傾きを持つ直線上に現れている。つまり、同一の平均加工電圧の場合加工液の比抵抗が大きくなると、色彩は上記図6の円の反時計回り方向にシフトする傾向にあるといえる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、チタン材へ加工幅、加工深さ及び加工液の比抵抗を設定し平均加工電圧を調整しチタン材へ放電加工を行うようにしたので、表面の形状加工を行いつつ加工表面に任意の色彩を付すことができる。
また、特殊な加工液を用いることなく通常の水を用いてチタン材に着色することができる。
【0046】
さらに、チタン材に任意の色彩を表し描画することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】着色加工工程の概略図。
【図2】着色機構の模式図。
【図3】描画加工工程の概略図。
【図4】本発明の一実施形態により着色したチタン材を有するMTBの側面図。
【図5】図4に記載のMTBの右ギヤクランクの側面図。
【図6】着色結果を座標系に表したグラフ。
【図7】平均加工電圧と切り込み(加工深さ)との関係をプロットしたグラフ。
【図8】平均加工電圧と板厚(加工幅)との関係をプロットしたグラフ。
【図9】平均加工電圧と加工液の比抵抗との関係をプロットしたグラフ。
【符号の説明】
1,11 チタン材
2 ワイヤ電極
12 単純電極
Claims (12)
- 加工液中でチタン材の表面から所定の間隔を開けて電極を配置し、前記電極と前記チタン材との間に電圧を印加しながら両者を相対的に移動させて放電加工しチタン材に着色する着色方法であって、
前記チタン材への加工幅、加工深さ及び加工液の比抵抗の3要素のいずれか1以上の要素を設定した後、前記放電加工時の平均加工電圧を調整することにより加工表面に所定の色彩を付す表面加工工程を有する、チタン材の着色方法。 - 前記チタン材の表面加工工程を行う前工程として、チタン材に荒加工を行う工程をさらに有する、請求項1に記載のチタン材の着色方法。
- 前記電極はワイヤであり、
前記表面加工工程は前記平均加工電圧を変化させながら加工表面に多色彩を付す、請求項1又は2に記載のチタン材の着色方法。 - 前記電極はワイヤであり、
前記表面加工工程は前記平均加工電圧を40ボルト以上開放電圧未満の範囲内で行う、請求項1から3のいずれかに記載のチタン材の着色方法。 - 前記電極はワイヤであり、
前記表面加工工程は前記チタン材への加工深さを前記ワイヤの直径以下の範囲内で行う、請求項1から4のいずれかに記載のチタン材の着色方法。 - 前記電極はワイヤであり、
前記電極とチタン材との相対移動は平行移動である、請求項1から5のいずれかに記載のチタン材の着色方法。 - 前記電極はワイヤであり、
前記電極とチタン材との相対移動は回転移動である、請求項1から5のいずれかに記載のチタン材の着色方法。 - 前記加工液はイオン交換水である、請求項1から7のいずれかに記載のチタン材の着色方法。
- 請求項1から8のいずれかに記載のチタン材の着色方法によって着色した着色チタン材製の自転車部品。
- 加工液中でチタン材の表面から所定の間隔を開けて単純電極を配置し、
前記単純電極と前記チタン材との間に電圧を印加しながら両者を相対的に移動させて放電加工しチタン材に描画する、チタン材の描画方法。 - 前記放電加工は平均加工電圧を変化させながら加工面に多色彩を付し描画する、請求項10に記載のチタン材の描画方法。
- 前記加工液はイオン交換水である、請求項10または11に記載のチタン材の着色方法。
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