JP3866941B2 - 改質剤供給方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル、ポリアミドなどの溶融状態にある熱可塑性樹脂に対して改質剤を添加混合して調製された改質熱可塑性樹脂を溶融紡糸装置へ供給する改質剤の供給方法とそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂(以下、単に“ポリマー”と称することもある)に各種の改質剤を溶融混合して紡糸する際の改質剤の添加技術として、(1)ポリマーの重合時又はチップ化前に添加する技術、(2) 改質剤を高濃度に含むマスターバッチを予め作製し、溶融紡糸時にベースポリマーとブレンドする技術、(3) 溶融紡糸時にチップ状の改質剤をチップ状のベースポリマーと予め混合し,押出機にてともに溶融する技術、(4) 溶融紡糸時の押出機シリンダー中の溶融状態にあるポリマー中に添加する技術、そして、(5) 溶融紡糸時に押出機を出た後のポリマー流中に改質剤成分流を注入する技術などが行われている。
【0003】
これらのうち,多品種生産体制に適した効率の良い技術としては、(1) 溶融紡糸時にチップ状の改質剤をチップ状のベースポリマーと一緒に予め混合し,押出機によって溶融押出しする技術、(2) 溶融紡糸時の押出機シリンダー中の溶融状態にあるポリマー中に添加する技術、そして、(3) 溶融紡糸時に押出機を出た後のポリマー流中に改質剤成分流を注入する技術などが行われている。
【0004】
しかしながら、従来のチップの状態で混合する技術の場合、改質剤とベースポリマーを均一に混合しながら、押出機内での混合比率を一定に制御することは困難であるという問題がある。更には、ベースポリマーと改質剤との間の溶融粘度差が大きくなると、両者を均一に混合し混合斑のない改質されたポリマーを得ることが困難であるという問題もある。
【0005】
このような問題を解決するために、例えば、特開平9−1624号公報において、下記のような技術が提案されている。すなわち、溶融紡糸時に押出機のシリンダー中で溶融状態にあるポリマー中に改質剤を添加するために、改質剤を添加するための注入ノズルを押出機のシリンダーに貫通して設ける技術である。
【0006】
なお、この技術では、注入ノズルの先端とスクリュー表面との距離を常に一定に保つようにするために、注入ノズルの先端がスクリューの回転に同調して鉛直方向に連動するようにしている。
【0007】
更に、特開平9−1625公報には、押出機シリンダーの周方向に等間隔に複数の注入口を設け、この注入口より添加剤をシリンダー内に供給することを特徴とする添加剤の供給技術も提案されている。
【0008】
しかしながら、上記の技術は何れも、押出機の内部に改質剤を添加するものである。このため、ベースポリマーに対する改質剤の混合比率が10重量%以下になると,押出機内で改質剤の混合比率を一定に制御して、維持することは困難となる。特に、ベースポリマーに対する改質剤の添加比率が10重量%以下といった小さい場合にはこの傾向は顕著となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べた従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、次の通りである。
【0010】
すなわち、ベースポリマーに対する改質剤の添加比率が10重量%以下といった小さい場合でも、ベースポリマーと均一に混合し、しかも、混合比率を一定値に維持でき、更に混合斑のない繊維を安定して紡糸するための改質剤の添加方法とそのための装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ここに、前記の課題を解決するための本発明の改質剤供給方法として、「熱可塑性樹脂からなるベースポリマーに改質剤を添加して改質された改質ポリマーを溶融紡糸装置へ供給する方法において、一方ではベースポリマーを溶融状態でベースポリマー導管へ供給し、他方では改質剤を含有する改質剤含有熱可塑性樹脂を計量しながら溶融状態で前記ベースポリマー導管中へ供給するに際し、前記ベースポリマー導管に対して改質剤添加ノズルを直交するように挿入してベースポリマーの向流方向及び/又は順流方向へ前記改質剤含有熱可塑性樹脂を前記改質剤添加ノズルから薄膜状に添加して合流させ、合流させた前記ベースポリマーと改質剤含有熱可塑性樹脂とを静的及び/又は動的に混合し、溶融紡糸装置へ供給することを特徴とする改質剤供給方法」が提供される。
【0012】
その際、本発明の改質剤供給方法として、前記改質剤と熱可塑性樹脂とを溶融混練して改質剤含有熱可塑性樹脂を調製し、計量ポンプを介して該改質剤含有熱可塑性樹脂を前記ベースポリマー導管中へ添加して合流させることが好ましい。何故ならば、このようにすることによって、ベースポリマーと改質剤含有熱可塑性樹脂との粘度差を同一レベル程度にまで縮小でき、混練性を上げることができ、均質な改質ポリマーが得られるからである。
【0013】
また、本発明の改質剤供給方法によれば、最終的に得られる改質ポリマーに対して、前記改質剤の含有比率が0.01〜10重量%とすることができる。
【0014】
次に、本発明の改質剤供給装置として、「ベースポリマーが溶融状態で供給されるベースポリマー導管と、改質剤が含有された溶融熱可塑性樹脂を計量供給するための計量ポンプと、前記ベースポリマー導管に対して直交する方向から差し込まれ且つ前記計量ポンプから定量供給された改質剤含有熱可塑性樹脂を前記ベースポリマー導管中へ添加する改質剤添加ノズルと、添加された改質剤含有熱可塑性樹脂とベースポリマーとを混合して改質ポリマーとする混合装置と、該改質ポリマーを紡糸装置へ供給する計量ポンプとを含む改質剤供給装置」が提供される。
【0015】
その際、本発明の改質剤供給装置として、スリット状吐出口を有し、該吐出口のスリット長(L)のベースポリマー導管の内径(D)に対する比(L/D)が0.3≦L/D≦1.0であり、そのスリット幅(W)の前記Lに対する比率(W/L)が0.05≦W/L≦0.2である前記改質剤添加ノズルを使用することが、ベースポリマーに対して、改質剤含有熱可塑性樹脂をより均一に添加できるために肝要である。
【0016】
更には、本発明の改質剤供給装置として、前記混合装置がスタティックミキサーであることが、装置構成を簡単にでき、しかも、導管内に容易に設置することができ、設置スペースを節約でき、更には設置コストも低く抑えることができるため好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明で単に「ポリマー」と称することもある「熱可塑性樹脂」は、熱可塑性を示す結晶性または無定形樹脂である。例えば、ポリエステル、ポリアミドのような重縮合系高分子、ポリウレタンのような付加縮合系高分子、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどのメタクリル樹脂のようなビニル系高分子のような高分子を包含したものである。
【0018】
その際、前記ポリマーは、その特性を失わない範囲で、予め粒子や添加剤を含有させたり、共重合させたりしておいても良い。なお、本発明において、このようなポリマーをも「ベースポリマー」と称することとする。
【0019】
また、本発明の「改質剤」の例としては、無機粒子として、コロイダルシリカ、湿式シリカ、乾式シリカなどの酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリナイト、チャイナクレー、タルク、アルミナ、ゼオライト、グラファイト、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の粒子を例示することができる。
【0020】
さらに、有機粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂、架橋シリコーン樹脂等の粒子を例示することができる。
【0021】
その際、これらの粒子は、例えば特開平7−247119号公報、特開平4−7336号公報などで提案されている様に、粒子の表面を粒子内部の組成とは異なる化合物で被覆していても、シランカップリング剤および/またはチタンカップリング剤などで処理されていてもかまわない。なかでも、酸化珪素、酸化チタン、アルミナ、ポリスチレン、架橋シリコーン樹脂の粒子、或いはこれらの粒子の表面を他の化合物で被覆した粒子が好ましい。
【0022】
また、無機粒子又は有機粒子以外の「改質剤」としては、「機能性改質剤」を挙げることができる。このような「機能性改質剤」としては、例えば、公知の難燃剤、制電剤、易染剤、耐熱剤、酸化防止剤、深色化剤、結晶性改質剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤などを挙げることができる。
【0023】
さらに、このような「改質剤」としては、第三成分を共重合した「改質剤含有熱可塑性樹脂」を使用することもできる。この例としては、ビニル系ポリマーであればビニル系の他の高分子をランダム共重合させればよいし、ポリプロピレンであれば、ポリエチレンや1−ブテンなどが挙げられる。
【0024】
また、前記共重合ポリマーが重縮合系のポリマー、例えばポリエステルであれば、鮮明染色剤として5−ナトリウムスルホンイソフタル酸又はそのエステル形成性誘導体、ないしそれらの4級ホスホニウム置換体塩が挙げられ、成形性改良剤としてイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸もしくはそれらのエステル成形性誘導体が挙げられる。さらに、ジオール成分の物性改質剤としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0025】
なお、本発明においては、「改質剤」が熱可塑性樹脂そのものである場合も、「改質剤含有熱可塑性樹脂」と称することにする。このように改質剤を熱可塑性樹脂で分散させた状態の「改質剤含有熱可塑性樹脂」を使用する理由としては、一般に、粉粒状、液状、あるいはペースト状の改質剤を直接溶融状態にあるベースポリマーに添加しようとしても、ベースポリマーは高粘度状態にあるため、ベースポリマー中への分散性が悪くなるからである。
【0026】
したがって、改質剤は、熱可塑性樹脂によって均質に分散された状態でベースポリマーへ添加されることが好ましい。その際、改質剤を分散した熱可塑性樹脂は、より好ましくはそのベースポリマーとの相溶性を考慮すると、ベースポリマーと同種のポリマーまたは、同一のポリマーであることが好ましい。しかしながら、非相溶性ポリマーであっても、ベースポリマーとの粘度差を縮小できるものであれば、特に相溶性である必要はない。
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、溶融紡糸装置へ改質剤を添加したベースポリマーを供給するための装置を模式的に例示した説明図である。また、図2は、改質剤を添加する部分を取り出した説明図であり、図(a)は正断面図、図(b)は側断面図をそれぞれ模式的に例示したものである。更に、図3は改質剤添加ノズルの各種の実施態様例を説明するために例示した側断面図である。
【0028】
前記の図1において、参照符号1は押出機であって、該押出機1によってベースポリマーが溶融押出しされ、ベースポリマー導管4へ供給される。ここで、前記ベースポリマーは、一般に重合された後、造粒化工程を経てチップなどのペレットとされ前記のような押出機1によって再溶融される。
【0029】
しかしながら、本例のように造粒化工程を経たチップを押出機1に供給する方法を用いずに、重合装置において重合が完了したポリマーをそのままベースポリマーとして使用することもできる。このような場合には、前記押出機1による再溶融は必要が無いことは言うまでもない。
【0030】
他方では、前記ベースポリマーと同種及び/又は異種の熱可塑性ポリマーと改質剤とが参照符号2で示した混練押出機に供給され、この混練押出機2よって、改質剤含有熱可塑性樹脂が混練されて溶融押出される。
【0031】
なお、その際、改質剤が有機及び/又は無機粒子のようなものではなく、それ自身が熱可塑樹脂そのものであれば、混練押出機2は混練機能を持たない押出機であっても良い。また、前記の無機及び/又は有機粒子が熱可塑性樹脂に均質に含まれるよう調製されたものであっても良い。
【0032】
何故ならば、このような改質剤であれば、改質剤含有熱可塑性樹脂を調製しなくても、改質剤それ自体が熱可塑樹脂であるから、そのままの状態で単に押出機へ供給し、再溶融させるだけでよいからである。
【0033】
前記のようにして混練押出機2から押出された改質剤含有熱可塑性樹脂は、計量ポンプ3を介して、改質剤供給導管5へ計量送給される。そして、該改質剤供給導管5の終端部に設けられた改質剤添加ノズル7を介してベースポリマー導管4中へ添加される。
【0034】
本発明においては、計量ポンプ3を介して、溶融状態にある改質剤含有熱可塑性樹脂をベースポリマー導管4中へ添加することが肝要である。何故ならば、このような計量ポンプ3などの計量供給手段を介する改質剤含有熱可塑性樹脂の計量供給によって、例え少量の改質剤をベーポリマーへ添加する場合であっても、その混合割合が常に一定になることを第一義的に保証しているからである。
【0035】
そして、このような本発明によって、ベースポリマーに改質剤含有熱可塑性樹脂を添加混合して最終的に得られる改質ポリマーに対する改質剤の含有比率が、0.01〜10重量%といった少ない含有比率で一定割合を常に維持して均質に含有することを可能とする。また、改質剤と熱可塑性樹脂とを混練押出機2を使用して溶融混練する際に、改質剤を熱可塑性樹脂で希釈することができ、このため、改質ポリマーに対する改質剤の含有比率を0.01重量%にまで低下させることが可能となる。
【0036】
ここで、前記改質剤添加ノズル7は後に詳細に説明するスタティックミキサーなどの静的及び/又は動的混合装置8と共に混合手段6を構成している。この混合手段6によって添加された改質剤含有熱可塑性樹脂とベースポリマーとが均一に混合された後、計量ポンプ9によって溶融紡糸装置10へ送られ、最終的に紡糸口金パック11から繊維として紡出される。
【0037】
ここで、前記混合手段6について図2を参照しながら、更に詳細に説明すると、図2に示すように該混合手段6は、ベースポリマー導管4の内部に改質剤添加ノズル7が挿設されている。なお、ベースポリマーは、図2においては、図の上方から下方へ流れるものとする。
【0038】
このとき、該改質剤添加ノズル7には、ベースポリマー流と並行して、添加する改質剤含有熱可塑性樹脂の添加方向が該ポリマー流に対して流れ方向及び/又は向流方向となるように、スリット状の吐出口Hが設けられている。
【0039】
その際、前記スリット状吐出口Hの寸法は、スリット長をLとし、ベースポリマー導管4の内径をDとした場合に、これらの比(L/D)が0.3≦L/D≦1.0であることが好ましい。さらに、この条件に加えて、スリット幅をWとしたときに、このスリット幅Wのスリット長Lに対する比(W/L)が0.05≦W/L≦0.2であることが好ましい。なお、これらの条件として、更に好ましくは、0.4≦L/D≦0.8であり、かつ0.07≦W/L≦0.15である。なお、前記ベースポリマー導管4の改質剤添加ノズル7が挿入される部分の配管断面は、本例では円形としているが、円形に限定されず扁平形としても良い。
【0040】
このような条件が必要とされるのは、ベースポリマー流は、極めて安定した層流状態を呈しており、乱流状態時のようにその流線が互いに入れ違うようなことが起こらないからである。例えば、図4(a)に示すように、単にベースポリマー導管41の側部に改質剤添加ノズル71を開口させても、この開口から添加された改質剤含有熱可塑性樹脂はベースポリマー中に偏在したままで流れるのみである。このような状況は図4(b)のようにベースポリマー導管42中に改質剤添加ノズル72を単に挿入しただけでは改善されない。
【0041】
このため、前述のように改質剤含有熱可塑性樹脂を添加する吐出口Hをスリット状にして、フィルム状に改質剤含有熱可塑性樹脂を添加する必要がある。また、ベースポリマー導管4に対して直交する方向から改質剤添加ノズル7を差込み,本例のように改質剤含有熱可塑性樹脂をベースポリマーの流れ方向に対して、順方向及び/又は向流方向に添加することも極めて好ましいことは言うまでもない。
【0042】
以上のようにして、改質剤添加ノズル7におけるスリット状吐出口Hからフィルム状に添加され、しかも、ベースポリマー導管4内へ向流方向及び/又は順流方向に添加された改質剤含有熱可塑性樹脂は、ベースポリマー流によりその流れの向きを変えられながら合流する。このため、改質剤のベースポリマー中での偏流状態が大幅に改善される。
【0043】
その際、改質剤添加ノズル7の外表面は、図3(c)に示した断面形状だけでなく、図3(a)及び(b)に示すような凹凸や突起、あるいは場合によっては偏流板を設けておくことが好ましい。このようにすることにより、層流状態にあるベースポリマーの流線を乱すことができる。このようにして流線が乱れたベースポリマーに対して、改質剤含有熱可塑性樹脂を添加すると、改質剤含有熱可塑性樹脂をベースポリマー中により均一に分散させることができる。
【0044】
このようにして、改質剤のベースポリマー中における存在比率を常に一定に保ったままで、改質剤はある程度均一に混合されると、更に一段の均質化を図るためにスタティックミキサー(静的混合装置)を通過させられる。そして、スタティックミキサーを通過させることによって、改質剤は一段と均質に混合され、ベースポリマー中に均一に分散した形で存在できることとなる。
【0045】
かくして、最終的にこの混合物はギアポンプなどの吐出圧力及び/又は吐出量に関して脈動の少ない計量ポンプ9によって、一定量に計量されながらから、溶融紡糸装置10に付設された紡糸口金パック11へ供給され、繊維が形成される。
【0046】
なお、前記スタティックミキサーは、改質剤添加ノズル7の吐出口Hから所定の距離をおいて設けられおり、このようなスタティックミキサーとしては、公知のものを使用することができる。
【0047】
例えば、公知のスタティックミキサーとしては、ケニックス社によって最初に製造されたケニックス型スタティックミキサー、スルザー社によって最初に製造されたスルザー型スタティックミキサー、東レ株式会社によって販売されているハイミキサー(商品名)などを挙げることができる。その際、静的混練素子の分割エレメント数はベースポリマー中で改質剤が十分均一に分散混合されるような数が選定されるべきことは言うまでもない。
【0048】
本発明においては、この添加された改質剤をベースポリマー中に更に均質に分散させるための混合装置8としてスタティックミキサーを使用することが好ましいが、スタティックミキサーに限定することなく、攪拌翼やスクリューなどを有する動的混練装置、あるいは混練押出機などを用いても良い。
【0049】
なお、スタティックミキサーは、装置構成を簡単にでき、しかも、導管内に容易に収納して設置することができ、設置スペースを節約でき、更には設置コストも低く抑えることができるなどの利点を有している。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、少量の改質剤をベースポリマー中に一定の比率で均質に混合させることができ、これによって、改質剤の混合斑がない繊維を安定して製造することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の改質剤の供給方法とその装置を説明するために、その一例を模式的に示した説明図である。
【図2】改質剤を添加する図1の部分を拡大して取り出した説明図であり、(a)は正断面図、(b)は側断面図をそれぞれ模式的に例示したものである。
【図3】改質剤添加ノズルの各種の実施態様例を説明するために例示した側断面図である。
【図4】従来の改質剤の添加方法を示した説明図(正断面図)である。
【符号の説明】
1 押出機
2 改質剤用混練押出機
3 改質剤用計量ポンプ
4 ベースポリマー導管
5 改質剤供給導管
6 混合手段
7 改質剤添加ノズル
8 混合装置
9 計量ポンプ
10 溶融紡糸装置
11 紡糸口金パック

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂からなるベースポリマーに改質剤を添加して改質された改質ポリマーを溶融紡糸装置へ供給する方法において、一方ではベースポリマーを溶融状態でベースポリマー導管へ供給し、他方では改質剤を含有する改質剤含有熱可塑性樹脂を計量しながら溶融状態で前記ベースポリマー導管中へ供給するに際し、前記ベースポリマー導管に対して改質剤添加ノズルを直交するように挿入してベースポリマーの向流方向及び/又は順流方向へ前記改質剤含有熱可塑性樹脂を前記改質剤添加ノズルから薄膜状に添加して合流させ、合流させた前記ベースポリマーと改質剤含有熱可塑性樹脂とを静的及び/又は動的に混合し、溶融紡糸装置へ供給することを特徴とする改質剤供給方法。
  2. 前記改質剤と熱可塑性樹脂とを溶融混練して改質剤含有熱可塑性樹脂を調製し、計量ポンプを介して該改質剤含有熱可塑性樹脂を前記ベースポリマー導管中へ添加して合流させる請求項1記載の改質剤供給方法。
  3. 最終的に得られる改質ポリマーに対して、前記改質剤の含有比率が0.01〜10重量%である請求項1又は請求項2記載の改質剤供給方法。
  4. ベースポリマーが溶融状態で供給されるベースポリマー導管と、改質剤が含有された溶融熱可塑性樹脂を計量供給するための計量ポンプと、前記ベースポリマー導管に対して直交する方向から差し込まれ且つ前記計量ポンプから定量供給された改質剤含有熱可塑性樹脂を前記ベースポリマー導管中へ添加する改質剤添加ノズルと、添加された改質剤含有熱可塑性樹脂とベースポリマーとを混合して改質ポリマーとする混合装置と、該改質ポリマーを紡糸装置へ供給する計量ポンプとを含み、前記改質剤添加ノズルがスリット状吐出口を有し、該吐出口のスリット長(L)のベースポリマー導管の内径 ( ) に対する比 ( L/D ) が0 . 3≦L/D≦1.0であり、そのスリット幅(W)の前記Lに対する比率 ( W/L ) が0 . 05≦W/L≦0 . 2である改質剤供給装置。
  5. 前記混合装置がスタティックミキサーである請求項4に記載の改質剤供給装置。
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