JP3866315B2 - シャワーヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャワーヘッド、特に、a)その内部に給水通路と接続可能な少なくとも1つの水室が形成されている略ベル形のハウジングと、b)ベル形ハウジングの下方を閉鎖すると共に、ba)多数の透孔を有する硬い材料からなる孔あきプレートと、bb)比較的柔軟な弾性的な材料からなり、それぞれ水流出開口部内で終るノズル通路を形成され、それぞれ孔あきプレートの透孔を通して案内されている多数のホース形状のノズルはめ込み部とを備えたシャワー底部と、c)シャワー底部をハウジングおよび/またはハウジング内に配置された1つまたは多数のはめ込み部に対して密封する1又は複数のシールとを有する主としてハンドシャワー用に適したシャワーヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
シャワー底部に形成された水流出開口部は、シャワーヘッドを長期使用しているうちに石灰化して機能が落ちる傾向があることが知られている。このことはまず、その幾何学配置が新しい状態からずれる水流の形と放出されるリットル出力の減少に現れる。石灰の堆積が進んで、ついには水流出開口部が完全に塞がってしまう場合もある。
【0003】
この理由から、例えば、独国実用新案DE−GM9017978号又はDE−GM9303986号からは、柔軟な弾性的な材料からなるホース状のノズルはめ込み部に水流出開口部を形成することが周知である。この開口部は手でこすって機械的に柔らかくして、ノズル通路の外側面の、特に水流出開口部の領域に堆積した石灰層を取り除くことができる。その場合にはシャワー底部の水流出開口部を通過する水の流れは再び自由になる。
【0004】
シャワー底部とベル形状のハウジングとの間の密封は、この場合にはOリングによって行われ、このOリングは別体の部品として形成されて取り付けられる。この別体のシールの形成によっても保管及び取り付けによってもコストが発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題(発明目的)は、シャワー底部を残りのシャワーヘッドに対してシールするために必要とされるシールと結び付いた低コスト化可能な既述の種類の主としてハンドシャワー用に適したシャワーヘッドを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的に鑑みて、本発明によれば、
既述のa)〜c)の構成を前提にして、
d)1つまたは複数のシールがノズルはめ込み部と共に、ノズルはめ込み部と同一の材料から形成されることによって解決される。
【0007】
従って本発明によれば、シャワー底部を残りのシャワーヘッドに対して密封するシールは、シャワー底部の形成と無関係に形成されて、保管され、その後シャワーヘッドの最終組み立ての際にシャワー底部とハウジング間に挟み込まれる、別体の(納入)部品ではない。むしろシールはシャワー底部の形成時にほとんどコストをかけずに設けられ、その場合にシールはすでに最終的な取り付けゾーンに配置され、従って別に保管したり取り付けたりする必要はない。このようにして、従来技術ではこのシールとの関連において必要であった多数の取扱けステップが取り除かれる。
【0008】
その場合に製造技術的には、シールがノズルはめ込み部と一体的につながっている本発明の実施形態が効果的である。
好ましい実施形態においては、一体的なまとまりは、少なくとも1つのシールが孔あきプレートの内面に沿って延びる少なくとも1つの材料舌片を介して少なくとも1つのノズルはめこみ部と結合されていることによって形成される。その場合に材料舌片は孔あきプレートの内面に形成された溝内に配置することができる。
【0009】
本発明の極めて好ましい実施形態においては、ノズルはめ込み部は当接保護プレートと一体的に形成されており、当接保護プレートは孔あきプレートの外側面全体をほぼ覆い、かつノズルはめ込み部と同一の材料から形成されている。この当接保護プレートは、すでにその名前から明らかなように、それ自体硬い材料からなり衝撃に強くない孔あきプレートの外側面を当接から保護する当接保護手段を形成する。また、この当接保護プレートはノズルはめ込み部と一緒に形成されるので、取り立てて言うほどの付加的なコストをもたらすことはない。
【0010】
この種の当接保護プレートが使用される場合には、本発明の実施形態でシールが孔あきプレートの孔を貫通して延びる少なくとも1つの材料舌片を介して当接保護プレートと結合されていると効果的である。それぞれ孔あきプレートのシールと反対の側に配置されているこの当接保護プレートへ、実際にはシールのそれぞれの位置とは関係なく孔あきプレートの接続孔を通して常に短い距離で到達することができる。
【0011】
一般にシャワー底部は円形の周面を有し、従ってまたシャワー底部と残りのシャワーヘッドとの間のシールも一般にリングシールとして形成されている。これらの場合には、多数の材料舌片をシールの周面にわたって分配して設けることが推奨される。これら多数の材料舌片は、ノズルはめ込み部、当接保護プレート並びにシールを射出形成する際に良好な材料の流れを保証する。材料舌片によって特に、柔らかい弾性材料が2成分技術で硬い孔あきプレートに射出で取り付けられておらず、従ってこの理由からすでに硬い孔あきプレートに固定されていない場合でも、シャワー底部の種々の要素を特に良好にまとめることができる。
【0012】
しかしもちろん、このこととは関係なく本発明の枠内において公知の2成分技術ですべての柔らかい要素を硬い孔あきプレートに射出形成で取り付けることも可能であり、かつ効果的である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を用いて本発明の実施の形態を更に、詳細に説明する。添付の図1は、シャワーヘッドの(部分)側面を部分的に切断して示すものである。
この種のシャワーヘッドは、それ自体公知のようにベル形状のハウジング2を有し、ハウジングの開放した下端部は多部材のシャワー底部1によって閉鎖されている。シャワー底部1は中央のボルト3によってシャワーヘッドのハウジング内部に収容された組み込み部分にここでは詳しく説明しない方法で取り外し可能に固定されている。
【0014】
シャワー底部1自体は比較的硬いプラスチック材料からなる孔あきプレート1aを有し、孔あきプレートの外側、従って図面では下を向いている面は比較的柔らかい弾性的な材料からなる当接保護プレート1bによって覆われている。当接保護プレート1bは後述する同じ比較的柔らかい弾性的なプラスチック材料からなるすべての要素と同様に、2成分技術で孔あきプレート1aに射出形成で一体的に形成することができる。当接保護プレート1bは孔あきプレート1aの外側面のほぼ全体を覆っている。
【0015】
シャワー底部1の孔あきプレートは、公知のように多数組みの透孔4、5を有し、これら透孔4、5はシャワー底部1の中心軸の回りの同心円上に等しい角度間隔で配置されている。孔あきプレート1aの透孔4、5によって形成される正確な孔パターンは、本願発明に関しては重要ではない。
孔あきプレート1aの幾分直径の大きい方の透孔5はそれぞれホース形状のノズルはめ込み部6によって貫通されており、ノズルはめ込み部は比較的短い軸方向長さを有し、従って孔あきプレート1aの上側(シャワーヘッドのハウジング2の内部に向いた側)がわずかに突出している。ホース形状のノズルはめ込み部6にはそれぞれ比較的断面の大きいノズル通路7が軸方向に形成されており、ノズル通路は図示の実施例においては外側へ向かって円錐状に細くなっている。ホース状のノズルはめ込み部6はさらに当接保護プレート1bに一体的に形成されており、当接保護プレートと同一の材料から形成されている。 孔あきプレート1aの透孔4もそれぞれノズルはめ込み部8によって貫通されており、このノズルはめ込み部は当接保護プレート1bと一体であるが、ノズルはめ込み部6よりも大きい軸方向長さを有し、従って孔あきプレート1aの内側でさらに突出している。ホース形状のノズルはめ込み部8にも同様にそれぞれノズル通路9が形成されており、ノズル通路9はノズルはめ込み部6のノズル通路7に比較して小さい断面を有する。ノズル通路9もそれぞれ内側から外側へ向かって細くなっている。
【0016】
ノズルはめ込み部6の外側端部は、利用者の手で撫でることによって機械的に揉みほぐされて、ノズルはめ込み部9内部の、特に水流出開口部11の近傍における石灰堆積を除去するのを容易にする特殊な形状を付与されている。この形状の付与は本発明の関連においては重要性が低く、従ってここでは詳述を省く。
図面に示すように、シャワー底部1がシャワーヘッドのハウジングに取り付けられると、軸方向に短い方のホース形状のノズルはめ込み部6がハウジング2の内部に形成された第1の水室13内に突出する。それに対して軸方向に長い方のホース形状のノズルはめ込み部8の軸方向内側に位置する端部は内側の仕切り壁15の透孔14内に収容され、この仕切り壁ははめ込み部20の一部であって、ハウジング2内で第1の水室13を第2の水室16から分離しており、第2の水室はシャワー底部1からより大きな距離を有する。
【0017】
はめ込み部20にはさらに、中央の固定ボルト3に対して同軸にシャワー底部1の方向へ延びる中央孔21が形成されている。シャワー底部1の近傍において中央孔21は拡幅部22によって延長されており、拡幅部の円形の外周はリング状のカラー23によって区切られている。カラー23のリング状の端面が孔あきプレート1aの上側に接する。孔あきプレート1aの上側に形成された溝24内にリングシール25が収容されており、このリングシールはカラー23と孔あきプレート1a間の間隙を水および/または空気が通過するのを阻止する。孔あきプレート1aの溝24は、周面に分配された比較的小直径の軸平行の多数の孔を介して孔あきプレート1aの外側面と連通している。リングシール25は当接保護プレート1b並びにノズルはめ込み部6及び8と同じ材料から形成される。リングシールは孔あきプレート1aの孔26に進入する材料舌片33を介して当接保護プレート1bと一体的に結合されている。
【0018】
はめ込み部20に設けられたリングカラー23の半径よりも小さい半径を有する円上において、孔あきプレート1aには多数の透孔27が周面にわたって分配されて設けられており、これら透孔は当接保護プレート1bの対応する透孔28内に軸方向に延びている。図面ではこれら透孔の一方27ないし28のみが認められる。
【0019】
同様に当接保護プレート1b並びにノズルはめ込み部6と8と同一の材料から形成された第2のリング状のシール29は、孔あきプレート1aの内側の半径方向最も外側の領域に形成された段部30内に配置されている。リングシール29はシャワー底部の周面を越えて分配された多数の材料舌片31を介して隣接のノズルはめ込み部6ないし8と一体的に結合されている。リングシール29は3つの部材、すなわち孔あきプレート1a、はめ込み部20並びにシャワーヘッドのハウジング2を互いに対して密封する。
【0020】
同一の柔軟かつ弾性的な材料からなる全ての部分が一体的に結合されているので、特に、リングシール25、29とノズルはめ込み部6、8ないしは当接保護プレート1bの間が結合されているので、シャワー底部を残りのシャワーヘッドに密封するために必要なシールをシャワー底部1自体を形成するときに、別の作業工程なしで形成して、正しい箇所に位置決めすることが可能になる。
【0021】
上述のシャワーヘッドの機能を以下に説明する。
周知のようにシャワーヘッドのハンドグリップ2aを通して供給される水は、シーソー形状の操作機構を介して操作される調節装置を用いて選択的に第1の水室13または第2の水室16へ導かれる。
調節装置が、水が第1の水室13へ達するようになっている場合には、水はそこからホース形状のノズルはめ込み部6のノズル通路7とその流出開口部10を通して流出する。流出開口部10の直径が比較的大きいので、「弱水流」として知られる直径の大きい比較的低速の水流が得られる。この水流はさらにここでは詳しく説明しない方法で、シャワー底部1の透孔27、28とはめ込み部20の中央孔21を介して吸引される空気と混合される。
【0022】
シーソー状の操作機構17によって調節装置が、ハンドグリップ2aを介して供給される水が第2の水室16へ達するように操作されると、この水は仕切り壁15の透孔14を介してシャワー底部1のホース状のノズルはめ込み部8内へオーバーフローする。ホース状のノズルはめ込み部8の比較的細いノズル通路9内で、そして特にその流出開口部11へ向かって円錐状に細くなる端部領域において水は激しく加速される。水は比較的細い水流の形状で大きな速度で開口部11から流出する。従ってこの水流は「強水流」とも称される。
【図面の簡単な説明】
【図1】シャワーヘッドの(部分)側面を部分的に切断して示す断面図である。
【符号の説明】
1…シャワー底部
1a…孔あきプレート
1b…当接保護プレート
3…固定ボルト
4、5…透孔
6、8…ノズルはめ込み部
9…ノズル通路
25…リングシール
26…孔
29…リングシール
31…材料舌片
32…溝
Claims (5)
- ハンドシャワー用に最適のシャワーヘッドであって、
a)給水通路に接続可能な少なくとも1つの水室が内部に形成されている、略ベル形状のハウジング(2)と、
b)該ベル形状のハウジング(2)の下方を閉鎖し、かつ
ba)多数の透孔を有する硬い材料からなる孔あきプレート(1a)と、
bb)比較的柔らかい弾性材料からなり、それぞれ水流出開口部内で終るノズル通路(7,9)を形成され、それぞれ孔あきプレート(1a)の透孔を通して案内される多数のホース状のノズルはめ込み部(6,8)と
を有するシャワー底部(1)と、
c)シャワー底部(1)をハウジング(2)に対しておよび/またはハウジング内に配置された1つまたは多数のはめ込み部(20)に対して密封する1つまたは多数のシール(25,29)と
を有するシャワーヘッドにおいて、
d)シール(25、29)がノズルはめ込み部(6、8)と結合されて、かつノズルはめ込み部(6,8)と同一の材料で形成されており、
シール(25、29)がノズルはめ込み部(6、8)と一体的につながっており、
少なくとも1つのシール(29)が、孔あきプレート(1a)の内面に沿って延びる少なくとも1つの材料舌片(31)を介して少なくともノズルはめ込み部(6)と結合されている、
ことを特徴とするシャワーヘッド。 - 材料舌片(31)が、孔あきプレート(1a)の内面に形成された溝(32)内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシャワーヘッド。
- ノズルはめ込み部(6、8)が当接保護プレート(1b)と一体的に形成されており、その当接保護プレートが孔あきプレート(1a)の外側面全体をほぼ覆い、かつノズルはめ込み部(6、8)と同一の材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載のシャワーヘッド。
- シール(25)が、孔あきプレート(1a)の孔(26)を貫通して延びる少なくとも1つの材料舌片(33)を介して当接保護プレート(1b)と結合されていることを特徴とする請求項3に記載のシャワーヘッド。
- シールがリングシールとして形成されている請求項1、2または4に記載のシャワーヘッドにおいて、
多数の材料舌片(31、33)がシール(25、29)の周面にわたって分配して設けられていることを特徴とするシャワーヘッド。
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