JP3865494B2 - 圧縮自着火機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関に関するものであり、より詳細には、燃焼室内で自着火して瞬時に燃焼する圧縮自着火機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼室内で自着火して瞬時に燃焼する圧縮自着火機関について、図10−図12を参照して説明する。なお、当然のことではあるが、図10−図12から明らかな様に、この機関には点火手段は設けられていない。
全体を符号1で示す自着火機関の作動に際して、先ず図10で示す圧縮行程において、シリンダSに対してピストンPが矢印Uで示す様に上昇して、シリンダS及びピストンPにより画定される燃焼空間BSを圧縮する。
【0003】
圧縮の結果、燃焼空間BSが所定の高温・高圧下にさらされると、燃焼空間BS内の未燃ガスの自着火が発生する(図11)。図11では明確には表現されていないが、自着火条件に至った燃焼空間BS内の未燃混合気は瞬時に燃焼する。その結果、燃焼空間BSは膨張し、ピストンPは矢印Dで示される様に下方へ押し下げられるのである(図12)。
【0004】
この様に自着火による圧縮自着火機関は、点火手段が不必要であると共に、圧縮空気中に燃料を噴霧する必要も無い。そのため、構成を簡素化することが出来るので、非常に有用な技術であると考えられている。
【0005】
しかし、自着火の制御は非常に困難であり、そのため、実用化には至っていないのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した様な従来技術に鑑みて提案されたものであり、燃焼室内で自着火して瞬時に燃焼する圧縮自着火機関であって、自着火を好適に制御可能な圧縮自着火機関と、その制御方法の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者は、米国自動車技術会(SAE)が1993年10月18日から21日に開催した「燃料及び潤滑の会議と展示」(Fuels and Lubricants Meeting and Exposition)で発表された「エンジンにおいて窒素酸化物が燃料の自着火に及ぼす影響」(The Effect of Nitric Oxide on Autoignition ofa Primary Reference Fuel Blend in aMotored Engine)なる論文において、窒素酸化物(NOx)が自着火に影響を及ぼす旨、より具体的にはNOxが存在する雰囲気下では自着火が生じ易い旨が記載されていることに着目した。
【0008】
本発明の圧縮自着火機関は、燃焼室(BS)内で自着火して瞬時に燃焼する圧縮自着火機関(10)であって、自着火を促進する窒素酸化物、或いは空気と反応して窒素酸化物を生成するオゾンを吸気管(12)から燃焼室内に供給する様に構成されている圧縮自着火機関(10)において、前記機関(10)の自着火タイミングに関する情報を検出する検出手段(P1)と、前記機関(10)の燃焼室(BS)内へ供給される窒素酸化物或いはオゾンの供給量を調節する供給量調節手段(V1)と、検出手段(P1)からの情報に基づいて供給量調節手段(V1)を制御する制御手段(26)とを有しており、該制御手段(26)は、検出手段(P1)によって得られた情報から自着火のタイミングを求め、求められた自着火タイミングが適正なタイミングに対して早い場合は窒素酸化物或いはオゾンの供給量を減少し、タイミングが適正な場合は窒素酸化物或いはオゾンの供給量を維持し、自着火タイミングが適正なタイミングに対して遅い場合は窒素酸化物或いはオゾンの供給量を増加する制御を行う様に構成されていることを特徴としている。
【0009】
ここで、自着火タイミングが適正なタイミングに対して早いということは、前記機関の燃焼室が自着火し易い状態、或いは、NOxが必要以上に含有されている状態にあることを意味している。この様な場合には燃焼室の雰囲気を自着火し難い方向へ移行するべく、NOx或いはオゾンの供給量を減少する。
一方、自着火タイミングが適正なタイミングに対して遅いということは、前記機関の燃焼室が自着火し難い状態、或いは、NOxが十分に含有されていない状態にあることを意味している。そのため、この様な場合には燃焼室の雰囲気を自着火し易い方向へ移行するべく、NOx或いはオゾンの供給量を増加する。
【0010】
ここで、オゾンO3 を燃焼室に供給するのは、空気中の窒素N2 と
N2 +2O3 → 2NO+2O2
N2 +2O3 → 2NO2 +O2
なる式で示される化学反応を行って、NOxを形成するからである。
【0011】
ここで、NOx或いはオゾンを燃焼室内に供給する構造として、例えば、NOx或いはオゾンの貯蔵手段やオゾン発生装置を設け、その貯蔵手段やオゾン発生装置の出力管(NOx或いはオゾンの供給管)を本発明の圧縮自着火機関の吸気管に合流せしめることが好ましい。または、NOx或いはオゾンの貯蔵手段やオゾン発生装置の出力管(NOx或いはオゾンの供給管)を、本発明の圧縮自着火機関の燃焼室に直接連通しても良い。
【0018】
本発明の実施に際して、機関の吸気ポートと排気ポートとを、燃焼室の中心軸に対して対称に配置すれば、NOxのより一層均一な分布を図ることが出来るので、好ましい。
【0019】
本発明の圧縮自着火機関は、燃焼室(BS)内で自着火して瞬時に燃焼する圧縮自着火機関(50)であり、且つ、副室(SR)を有する圧縮自着火機関(50)であって、副室(RS)から前記機関の燃焼室(BS)に対して火炎ジェット(FJ)を噴射することにより、副室(RS)における燃焼によって発生した窒素酸化物を前記機関の燃焼室(BS)内に均一に分布せしめる様に構成されている圧縮自着火機関(50)において、前記機関(50)の自着火タイミングに関する情報を検出する検出手段(P−1)と、前記副室(RS)へ供給される燃料供給量を調節する調節手段(VF)と、検出手段(P−1)からの情報に基づいて調節手段(VF)を制御する制御手段(64)とを有しており、該制御手段(64)は、検出手段(P−1)によって得られた情報から自着火のタイミングを求め、求められた自着火タイミングが適正なタイミングに対して早い場合は、副室(RS)の混合気の空気過剰率を、燃焼によるNOx生成量が最大となる理論最適値から遠ざけ、自着火タイミングが適正な場合は副室(RS)の混合気の空気過剰率を維持し、自着火タイミングが適正なタイミングに対して遅い場合は、副室(RS)の混合気の空気過剰率を、燃焼によるNOx生成量が最大となる理論最適値に近くなるよう制御を行う様に構成されていることを特徴としている。
【0020】
副室における燃焼を、燃焼室(主室)に比較してNOx過剰にせしめ、副室燃焼により過剰に生成されたNOxを主室へ均一に分布すれば、主室を、圧縮による自着火を生じ易い雰囲気にすることが出来るのである。
【0021】
自着火タイミングが適正なタイミングに対して早いということは、前記機関の燃焼室が自着火し易い状態、或いは、NOxが必要以上に含有されている状態にあることを意味している。この様な場合には、副室の混合気の空気過剰率を、燃焼によるNOx生成量が最大となる理論最適値から遠ざけて、副室におけるNOx生成量を減少し、以て、主室の雰囲気を自着火し難い方向へ移行する。
ここで、空気過剰率の理論最適値(燃焼によるNOx生成量が最大となる理論最適値)は、1.1近傍である。
副室におけるNOx生成量は、副室の混合気の空気過剰率が1.1の時が最も多く、空気過剰率の数値が1.1から離隔するほどNOx生成量は減少するからである。そして、空気過剰率の数値が1.1よりも離隔する様にせしめれば、NOx生成量は減少し、主室の雰囲気は自着火し難い方向へ移行するのである。
【0022】
一方、自着火タイミングが適正なタイミングに対して遅いということは、前記機関の燃焼室が自着火し難い状態、或いは、NOxが十分に含有されていない状態にあることを意味している。そのため、副室の混合気の空気過剰率を、燃焼によるNOx生成量が最大となる理論最適値に近付けて、副室におけるNOx生成量を増加し、主室の雰囲気を自着火し易い方向へ移行するのである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図1−図9を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、添附図面において、同一の部材には同一の符号を付しておく。
【0026】
図1は本発明の第1実施形態を示している。全体を符号10で示す圧縮自着火機関は、吸気管12、排気管14、吸気弁16、排気弁18、及び、自着火のタイミングを知るための圧力センサP1(機関の自着火タイミングに関する情報を検出する検出手段)を有している。そして吸気管12には、NOx或いはオゾンの貯蔵手段20と、NOx或いはオゾンを吸気管12内に噴射するためのノズル22と、貯蔵手段20の出力管(NOx或いはオゾンの供給管)24と、該出力管24に介装された開閉弁V1(機関の燃焼室内へ供給されるNOx或いはオゾンの供給量を調節する供給量調節手段)とを有している。なお、開閉弁V1は開度調整自在に構成されている。また、貯蔵手段20に代えて、オゾン発生装置 (オゾナイザー)を設けても良い。
【0027】
圧力センサP1で検出された筒内圧力は伝達ラインSL1を介してコントロールユニット(制御手段)26に伝達され、コントロールユニット26は、センサP1よって計測された圧力から自着火のタイミングを求め、求められた圧力タイミングに対応する弁開度制御信号を、伝達ラインSL2を介して開閉弁V1に伝達する。そして、開閉弁V1は制御信号に応答した弁開度となり、その弁開度に対応する量のNOx或いはオゾンが、出力管24及びノズル22を介して吸気管12内に供給される。
【0028】
係る構成を有する第1実施形態によれば、センサP1の計測結果から燃焼室BS内が自着火が生じ難い雰囲気であることが判明した際には、NOx或いはオゾンの供給量を増加することにより、自着火を生じ易い雰囲気とすることが出来る。そのため、自着火により燃焼行程を実行する圧縮自着火機関であっても、安定した運転が実現出来る。
【0029】
次に、図2を参照して、図1の実施形態の制御を説明する。
先ず、自着火のタイミングに関する情報である機関10内の筒内圧力を圧力センサP1によって検出する(ステップS1)。そして、検出された圧力に基づいてコントロールユニット26では自着火のタイミングが求められ、求められた自着火タイミングが適正か否かが判断される(ステップS2)
ここで、自着火タイミングが適正であれば(ステップS2が「適正」)、機関10の燃焼室BSは自着火に好適な雰囲気下にあり、或いは、燃焼室BSはNOxの含有量は適正である。従って、開閉弁V1の開度はそのままの状態に保持され、NOx或いはオゾンの発生量(図示しないオゾナイザを用いた場合)もそのままに維持される(ステップS3)。
【0030】
しかし、自着火タイミングが適正なタイミングに対して早ければ(ステップS2が「早い」)、機関10の燃焼室BSは自着火し易い雰囲気下、或いは、NOxが必要以上に含有されている雰囲気下にあることを意味している。従って、燃焼室BSの雰囲気を自着火し難い方向へ移行するべく、NOx或いはオゾンの供給量を減少するため、開閉弁V1の開度を絞り(開度が小)、NOx或いはオゾンの供給量(図示しないオゾナイザを用いた場合)を減少するのである(ステップS4)。
【0031】
一方、自着火タイミングが適正なタイミングに対して遅ければ(ステップS2が「遅い」)、機関10の燃焼室BSが自着火し難い雰囲気下、或いは、NOxが十分に含有されていない雰囲気下にあることを意味している。従って、燃焼室BSの雰囲気を自着火し易い方向へ移行するべく、NOx或いはオゾンの供給量を増加するため、開閉弁V1の開度を拡げ(開度が大)、NOx或いはオゾンの発生量(図示しないオゾナイザを用いた場合)を増加するのである(ステップS5)。
【0032】
ステップS3−S5のいずれかの処理が完了したならば、再びステップS1に戻り、以下、機関10の運転が完了するまでこの処理を繰り返す。
【0033】
図3は本発明の第2実施形態に係る圧縮自着火機関を示している。図3において全体を符号30で示す圧縮自着火機関は、図1で示す機関10と概略同様な構成を有している。但し、図3の機関30は、NOx或いはオゾンの貯蔵手段20−2の出力管(NOx或いはオゾンの供給管)24−2(或いはその先端のノズル22−2)が、圧縮自着火機関30の燃焼室BSに直接連通している点が、第1実施形態とは相違している。
【0034】
その他の構成及び作用効果は、第1実施形態と同様であるので、重複説明は省略する。また、図3における図示は省略されているが、圧縮自着火機関30における自着火のタイミングを求めるための圧力センサ(図1の部材P1)と、出力管24−2に介装される開閉弁(図1の部材V1)と、コントロールユニット (図1の部材26)と、伝達ライン(図1の部材SL1、SL2)とを設けて、第1実施形態と同様の制御(図2参照)を行う事も出来る。
【0035】
図4−図6は本発明の第3実施形態を示している。
図4において、全体を符号40で示す圧縮自着火機関では、吸気ポートIP、IPを介して流入する未燃混合気は、それぞれ符号RT−1、RT−2で示す様な流れを形成する。そして、この2本の未燃混合気の流れRT−1、RT−2は、所謂「逆タンブル流」を構成している。
【0036】
図5において、未燃混合気の流れRS−1、RS−2は所謂「スワール流」を構成する。また図6において、未燃混合気の流れRSR−1、RSR−2は所謂「逆スワール流」を構成している。
【0037】
図4−図6の実施形態によれば、燃焼室BS内に未燃混合気による逆タンブル流(図4)や、スワール流(図5)や、逆スワール流(図6)が発生するので、燃焼室BS内に新たに流入する未燃混合気(未燃ガス)は、燃焼室BSに残留し且つNOxを大量に含有する残留ガスと良好に且つ均一に混合する。そのため、燃焼室BS内ではNOxの分布が均一となる。
【0038】
ここで、上述した様にNOxは自着火を生じ易くする性質を有しているので、燃焼室BSの一部のみにNOxが偏在していると、NOx全体の量が同一であっても均一に分布している場合に比較すると、当該偏在箇所におけるNOx濃度が高くなり、自着火のタイミングの発生に偏りが生じてしまう。すなわち、NOx濃度が同一であっても自着火のタイミングは同一とならないので、均一且つ安定な自着火の維持が困難である。
これに対して、図4−図6の実施形態の様に燃焼室BS内のNOx分布が均一になっていると、NOx濃度が同一であれば自着火の発生も均一となり、安定した運転が可能となる。
【0039】
図6において明確に示されている様に、吸気ポートIPと排気ポートOPとは、燃焼室BSの中心軸C−BSに対して対称に配置されている。NOxが、より一層均一な分布となる様にするためである。
【0040】
図7−図9は本発明の第4実施形態を示している。図7及び図8において全体を符号50で示す圧縮自着火機関は、燃焼室(主室)BSと副室SRとを有している。図8で示す様に、副室SRには、点火手段52と、燃料噴射ノズル54とが設けられている。
【0041】
(図8で示す様に)燃料噴射ノズル54は、燃料供給管58を介して図示しない燃料供給源に連通している。そして、燃料供給管58には開閉弁VF(副室へ供給される混合気の空気過剰率を調節する調節手段)が介装されている。
【0042】
また、機関50には、自着火タイミングに関する情報を検出する検出手段である圧力センサP−1が取り付けられている。センサP−1で計測された機関50の筒内圧力は、伝達ラインSL3を介してコントロールユニット64(制御手段)に伝達される。そして、ユニット64において自着火タイミングが求められ、それに対応して、伝達ラインSL4を介し、開閉弁VFに対して弁開度制御信号が送出される。
【0043】
図8で示す機関50においては、副室SRにおいて点火手段52で点火すると、NOxを過剰に含有した火炎ジェット(図7の符号FJ:図8では図示せず)が発生する。この火炎ジェットが主室(燃焼室)BS内に噴射されることにより、火炎ジェットに含有される過剰のNOxが主室BS内に均一に分布する。その結果、主室BSは圧縮による自着火を生じ易い雰囲気となるのである。
【0044】
次に、図9をも参照して、コントロールユニット64による制御について説明する。
【0045】
先ず、圧力センサP1により機関50の筒内圧力を計測し、それに基づいて、コントロールユニット64において、機関50の自着火タイミングを求める(ステップS11)。そして、求められた自着火タイミングが適正であるか否かを判断する(ステップS12)。
【0046】
ここで、自着火タイミングが適正であれば(ステップS12が「適正」)、機関50の主室BSは自着火するにあたって適正な雰囲気下にあり、或いは、主室BSのNOx含有量は適正である。副室SRから火炎ジェットにより主室BSに供給されるNOx量も適正であると考えられるので、副室SRへの燃料供給量或いは開閉弁VFの開度も、そのままの状態に保持される(ステップS13)。
【0047】
これに対して、自着火タイミングが適正なタイミングに対して早い場合には (ステップS12が「早い」)、機関50の主室BSが自着火し易い状態、或いは、NOxが必要以上に含有されている状態にあるので、NOx量を減少しなければならない。
ここで、副室SRにおけるNOx生成量は、副室SRの混合気の空気過剰率が1.1の時が最も多く、空気過剰率の数値が1.1から離隔するほどNOx生成量は減少する。従って、開閉弁VFの開度を調節して、空気過剰率の数値が1.1よりも離隔する様にせしめればNOx生成量は減少し(ステップS14)、主室BSの雰囲気は自着火し難い方向へ移行する。
【0048】
一方、自着火タイミングが適正なタイミングに対して遅い場合には(ステップS12が「遅い」)、機関50の主室BSが自着火し難い状態、或いは、NOxが十分に含有されていない状態にある。そして上述した通り、副室SRにおけるNOx生成量は、副室SRの混合気の空気過剰率が1.1の時が最も多くなる。従って、開閉弁VFの開度を制御して副室SRへの燃料供給量を調節して、副室SRの混合気の空気過剰率を1.1に近接せしめて、副室SRにおけるNOx発生量を増大させる(ステップS15)。これにより、主室BSに含有されるNOx量を増加し、主室BSの雰囲気を自着火し易い方向へ移行する。
【0049】
ステップS3−S5のいずれかの処理が完了したならば、再びステップS1に戻り、以下、機関10の運転が完了するまでこの処理を繰り返す。
【0050】
図示はされていないが、図1−図9の半発明の実施形態において、制御は自動制御にのみ限定されるのではなく、作業員によるマニュアル制御も可能である旨を付記する。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、圧縮自着火機関の燃焼室を適正なNOx濃度に維持することが可能であり、自着火が均一なタイミングで行われる様な雰囲気下に保持される。そのため、従来技術においては運転制御が困難だった燃焼室内で自着火して瞬時に燃焼するタイプの圧縮自着火機関でも、安定した運転が実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態における制御フローチャートを示す図。
【図3】本発明の第2実施形態を示すブロック図。
【図4】本発明の第3実施形態の一例を模式的に示す図。
【図5】図4とも別の例を模式的に示す図。
【図6】図4、図5とは別の例を模式的に示す図。
【図7】本発明の第4実施形態を示す部分断面図。
【図8】本発明の第4実施形態を示すブロック図。
【図9】本発明の第4実施形態における制御フローチャートを示す図。
【図10】燃焼室内で自着火する機関の圧縮行程を模式的に示す図。
【図11】燃焼室内で自着火する機関の燃焼行程を模式的に示す図。
【図12】燃焼室内で自着火する機関の膨張行程を模式的に示す図。
【符号の説明】
1、10、30、50・・・圧縮自着火機関
S・・・シリンダ
P・・・ピストン
P1・・・圧力センサ
BS・・・燃焼室(主室)
SR・・・副室
V1、VF・・・開閉弁
IP・・・吸気ポート
OP・・・排気ポート
C−BS・・・燃焼室の中心軸
12・・・吸気管
14・・・排気管
20、20−2・・・NOx或いはオゾンの発生或いは貯蔵手段
22、22−2、54、56・・・ノズル
24、24−2・・・出力管(NOx或いはオゾンの供給管)
26、64・・・コントロールユニット
58・・・燃料供給管
60・・・空気配管
Claims (2)
- 燃焼室(BS)内で自着火して瞬時に燃焼する圧縮自着火機関(10)であって、自着火を促進する窒素酸化物、或いは空気と反応して窒素酸化物を生成するオゾンを吸気管(12)から燃焼室内に供給する様に構成されている圧縮自着火機関(10)において、前記機関(10)の自着火タイミングに関する情報を検出する検出手段(P1)と、前記機関(10)の燃焼室(BS)内へ供給される窒素酸化物或いはオゾンの供給量を調節する供給量調節手段(V1)と、検出手段(P1)からの情報に基づいて供給量調節手段(V1)を制御する制御手段(26)とを有しており、該制御手段(26)は、検出手段(P1)によって得られた情報から自着火のタイミングを求め、求められた自着火タイミングが適正なタイミングに対して早い場合は窒素酸化物或いはオゾンの供給量を減少し、タイミングが適正な場合は窒素酸化物或いはオゾンの供給量を維持し、自着火タイミングが適正なタイミングに対して遅い場合は窒素酸化物或いはオゾンの供給量を増加する制御を行う様に構成されていることを特徴とする圧縮自着火機関。
- 燃焼室(BS)内で自着火して瞬時に燃焼する圧縮自着火機関(50)であり、且つ、副室(SR)を有する圧縮自着火機関(50)であって、副室(RS)から前記機関の燃焼室(BS)に対して火炎ジェット(FJ)を噴射することにより、副室(RS)における燃焼によって発生した窒素酸化物を前記機関の燃焼室(BS)内に均一に分布せしめる様に構成されている圧縮自着火機関(50)において、前記機関(50)の自着火タイミングに関する情報を検出する検出手段(P−1)と、前記副室(RS)へ供給される燃料供給量を調節する調節手段(VF)と、検出手段(P−1)からの情報に基づいて調節手段(VF)を制御する制御手段(64)とを有しており、該制御手段(64)は、検出手段(P−1)によって得られた情報から自着火のタイミングを求め、求められた自着火タイミングが適正なタイミングに対して早い場合は、副室(RS)の混合気の空気過剰率を、燃焼によるNOx生成量が最大となる理論最適値から遠ざけ、自着火タイミングが適正な場合は副室(RS)の混合気の空気過剰率を維持し、自着火タイミングが適正なタイミングに対して遅い場合は、副室(RS)の混合気の空気過剰率を、燃焼によるNOx生成量が最大となる理論最適値に近くなるよう制御を行う様に構成されていることを特徴とする圧縮自着火機関。
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