JP3865261B2 - 追記型記録媒体、追記型記録媒体用の記録装置及び記録方法、追記型記録媒体用の再生装置及び再生方法、記録又は再生制御用のコンピュータプログラム、並びにデータ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、追記型記録媒体、追記型記録媒体に記録データを記録する記録装置及び記録方法、追記型記録媒体に記録された記録データを再生する再生装置及び再生方法、記録又は再生制御用のコンピュータプログラム、並びにデータ構造の技術分野に関する。
光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等の高密度記録媒体における記録データの記録及び読取の信頼性を向上させるための技術として、ディフェクト管理がある。即ち、記録媒体上に存在する傷もしくは塵埃、又は記録媒体の劣化等(これらを総じて「ディフェクト」と呼ぶ。)が存在するときには、そのディフェクトが存在する場所に記録すべきデータ又は記録されたデータを、記録媒体上の他の領域(これを「スペアエリア」と呼ぶ。)に記録する。このように、ディフェクトにより記録不全又は読取不全となるおそれがある記録データをスペアエリアに退避させることにより、記録データの記録及び読取の信頼性を向上させることができる(特開平11−185390号公報参照)。
一般に、ディフェクト管理を行うために、ディフェクトリストを作成する。ディフェクトリストには、記録媒体上に存在するディフェクトの位置を示すアドレス情報と、ディフェクトが存在する場所に記録すべきであったデータ又は記録されていたデータを退避させたスペアエリアの場所(例えばスペアエリア内の記録位置)を示すアドレス情報とが記録される。
一般に、ディフェクトリストの作成は、記録媒体をイニシャライズないしフォーマットするときに行われる。また、ディフェクトリストの作成は、記録データを当該記録媒体に記録するときにも行われる。記録データの記録・書換が数度行われるときには、記録データの記録・書換が行われ、且つその場所にディフェクト領域が発見されたり、スペアエリアへの記録データの退避が行われる度にディフェクトリストの作成又は更新が行われる。
記録データを記録媒体に記録するときには、ディフェクトリストを参照する。これにより、ディフェクトの存在する場所を避けながら記録データを記録媒体に記録することができる。一方、記録媒体に記録された記録データを再生するときにも、ディフェクトリストを参照する。これにより、通常の記録領域に記録された記録データと、ディフェクトの存在によりスペアエリアに記録されている記録データとをディフェクトリストに基づいて確実に読み取ることができる。
ディフェクトリストは、一般に、そのディフェクトリストの作成又は更新の対象となった記録媒体の特定の領域に記録される。そして、そのディフェクトリストは、次回、当該記録媒体に記録された記録データを再生するとき、又は当該記録媒体に記録データを書き換え又は追記するときに、当該記録媒体から読み取られ、読取装置による読取作業時又は再生装置による再生作業時に参照される。
ところで、ディフェクトリストは記録媒体の特定の領域に記録される。例えばブルーレーザーを用いた書換可能(リライタブル)な光ディスクでは、ディフェクトリストは、ディスク上のリードインエリア又はリードアウトエリアに確保された所定の領域(以下、これらをそれぞれ「ディフェクト管理エリア」と呼ぶ。)内に記録される。そして、本来ディフェクトの存在する場所に記録されるべき記録データも、記録媒体の特定の領域に記録される。
上述したように、ディフェクトリストは、記録データの記録・書換が行われ、且つその場所にディフェクト領域が発見されたり、スペアエリアへの記録データの退避が行われる度に更新される。そして、ディフェクトリストは、記録データの記録・書換により更新される度に、当該記録・書換の対象となっている記録媒体のディフェクト管理エリアに上書きされる。加えて、本来ディフェクトの存在する場所に記録されるべき記録データも、記録媒体の特定の領域に上書或いは追記される。
ところで、このようにディフェクトリストを書き換えることによってディフェクトリストの更新記録を実現することができるのは、記録媒体が書換可能な場合に限られる。記録媒体がいわゆる追記型記録媒体、例えばライトワンス型光ディスクである場合には、例えば、ディフェクトリストが更新される度に、その更新されたディフェクトリストを、追記型記録媒体の未記録の新たな領域に追記される。
しかし、このように追記していくことではディスクの規格上、以下のような技術的な問題点を生ずる。即ち、例えばディフェクト管理エリアの記録容量の制限により、これ以上のディフェクトリストの記録が困難となれば、仮にスペアエリアに空き領域が存在しても新たなディフェクトリストを作成することが困難或いは不可能となる。或いは、例えばスペアエリアの記録容量の制限により、これ以上ディフェクトが存在する場所に記録すべきデータ又は記録されたデータの記録が困難となれば、仮にディフェクト管理エリアに空き領域が存在しても新たなディフェクトリストの記録が困難となる。従って、当該記録媒体に空き領域が存在するにもかかわらず、ディフェクト管理を行うことができないため、当該ディスク上にこれ以上データを記録することができないという技術的な問題点を有している。
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、例えば記録媒体の記録容量を効率的に且つ最大限まで利用しつつ、適切にディフェクト管理を実行可能な追記型記録媒体、その追記型記録媒体に記録データを記録する記録装置及び記録方法、その追記型記録媒体に記録された記録データを再生する再生装置及び再生方法、該記録装置又は再生装置に用いられるコンピュータプログラム、並びに記録又は再生制御用の制御信号を含むデータ構造を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
(追記型記録媒体)
本発明の追記型記録媒体は、記録データを1度のみ記録可能な追記型記録媒体であって、前記記録データを記録するためのデータエリアと、前記データエリアにおけるディフェクトが存在する場所に記録すべき又は記録された記録データである退避データと、当該退避データの退避元アドレス及び退避先アドレスを含むディフェクト管理情報と、を一時的に記録するための共用エリアとを備えている。
本発明の追記型記録媒体によれば、主として再生又は実行の対象となるデータであり、例えば、画像データ、音声データ、文書データ、コンテンツデータ、コンピュータプログラム等の一連のコンテンツを含んでなる記録データを、データエリアに記録することが可能である。そして、例えば、本発明の追記型記録媒体の属性・種類などを示す情報、記録データのアドレス管理をするための情報、ドライブ装置の記録動作・読取動作を制御するための情報を、制御情報記録エリアに記録することで、データエリアに記録された記録データの記録及び再生を適切に実行することが可能である。尚、記録データと制御情報とはそれらの内容に応じて常に明確に区別できるものではない。しかしながら、制御情報は主としてドライブ装置の動作制御に直接的に用いられる情報であるのに対し、記録データはドライブ装置では主として単なる記録・読取の対象となるだけのデータであり、主としてバックエンドないしホストコンピュータのデータ再生処理ないしプログラム実行処理において用いられるデータである。
共用エリアには、係るデータエリアのディフェクト管理情報が一時的に記録され、且つ本来ディフェクトが存在する場所に記録すべきであった記録データ又はその場所に記録されていた記録データである退避データが記録される。ここに、本発明における「ディフェクト管理情報」とは、ディフェクト管理に用いられる情報であって、データエリアにおけるディフェクトが存在する場所のアドレスである退避元アドレス及び該ディフェクトが存在する場所に本来記録される又は記録されていた記録データである退避データの記録場所のアドレスである退避先アドレスを含んでなる。ディフェクト管理とは、本発明の追記型記録媒体内又は上に傷、塵埃又は劣化等のディフェクトが存在するときに、そのディフェクトが存在する場所を避けて記録データを記録すると共に、退避データを共用エリアに記録するといったものである。また、追記型記録媒体上に記録された記録データを再生するときに、ディフェクトの存在する位置を認識し、退避データを共用エリアから読み取るといった処理もディフェクト管理の一環として行われるものである。
そして例えば、共用エリアは、本発明の追記型記録媒体が例えばファイナライズされるまでの間、ディフェクト管理情報を記録するための領域である。従って、例えばファイナライズされるまでは、当該追記型記録媒体を再生する場合には、共用エリアよりディフェクト管理情報を読み取ることで、ディフェクト管理を行う。
本発明では特に、上述の如く共用エリアにはディフェクト管理情報に加えて、退避データが記録されている。そして、共用エリアの記録容量の限度を超えない限りは、ディフェクト管理情報及び退避データを適宜記録することが可能である。即ち、例えばディフェクト管理情報の記録用領域と退避データの記録用領域とを分離して有している追記型記録媒体と比較して、より効率的に共用エリアを利用することが可能となる。
具体的には、分離した2つの記録用領域(例えば、ディフェクト管理情報を記録するためのディフェクト管理エリアと退避データを記録するためのスペアエリア)を有する追記型記録媒体では、いずれか一方の記録用領域の記録容量に空き領域が無くなった時点で、それ以降ディフェクト管理を行うことができない。即ち、いずれか他方の記録用領域に空き領域があっても、いずれか一方の記録用領域に空き領域が無くなった時点で、当該追記型記録媒体に記録データを記録することができなくなるという不都合が生じる。しかるに、本発明の追記型記録媒体によれば、このような2つの記録用領域を設けていないため、上述の如き不都合は生じない。従って、共用エリアに空き領域があれば、適切にディフェクト管理を行うことができ、その結果記録データを更に記録することが可能となる。
尚、2つの記録用領域を有する追記型記録媒体であっても、夫々の記録用領域を大きくすることで、上述の如き不都合を回避することも可能と考えられる。しかしながら、この場合、追記型記録媒体単位の記録容量は変わらないという規格上の制限により、ユーザデータを記録する領域(即ち、ユーザデータエリア)の記録容量が減少するという弊害も有することとなる。更に、ディフェクト管理情報又は退避データのいずれか一方がいずれか他方に比してそのデータ量が大きくなった場合等に適切に対応することができないという技術的な問題点をも伴っている。
他方、本発明の如く、共用エリアを設けることで、例えばディフェクト管理情報が退避データに比して大きくなった場合や、逆に退避データがディフェクト管理情報に比して大きくなった場合であっても、共用エリアに空き領域があれば、ディフェクト管理を行うことができる。即ち、より効率的に且つ適切に2つの記録用領域(即ち、本発明における共用エリア)を使用するという観点から考察するに、本発明の追記型記録媒体は極めて優れており、且つ大きな利点を有しているといえる。
そして、係る追記型記録媒体は、後述の再生装置の動作により、ディフェクト管理情報を読み取りながらユーザデータエリアに記録されている記録データを読み取る。そして、ディフェクト管理情報に基づいて、共用エリアより退避データを再生することで、一連のコンテンツを再生することが可能となる。加えて、再生中であっても、ディフェクトを発見することで逐次ディフェクト管理情報を更新しながら、適切に記録データを再生することが可能である。特に、後述の如く連続的に記録されていることで、例えば後述の如く記録装置における記録動作時や、後述の如く再生装置における再生動作時などにおいて、係るデータへのアクセスが容易になるという利点をも有する。
以上の結果、本発明の追記型記録媒体によれば、ディフェクト管理を可能とする追記型記録媒体が実現される。特に、共用エリアにディフェクト管理情報と退避データとを記録することで、共用エリア(或いは、当該追記型記録媒体)の記録容量を効率的に且つ最大限利用してディフェクト管理を行いながら記録データの記録及び再生が可能となる。従って、追記型記録媒体の記録容量を効率的に利用しつつ、適切なディフェクト管理を行うことが可能となる。
本発明の追記型記録媒体の一の態様では、前記共用エリアにおいては、前記退避データと前記ディフェクト管理情報とが連続的に記録される。
この態様によれば、例えば退避データと該退避データに関するアドレス位置等を示すディフェクト管理情報が連続的に並んで記録されることとなる。より好ましくは、退避データとディフェクト管理情報とが交互に連続的に記録されることが好ましい。ここに、本発明における「交互に」とは、文字通り退避データとディフェクト管理情報が交互に記録されている場合の他、一回の記録動作で記録される退避データの集合と一回の記録動作で記録されるディフェクト管理情報とが交互に記録されている場合等をも含んだ広い趣旨である。従って、例えば後述の如く記録装置における記録動作時や、後述の如く再生装置における再生動作時などにおいて、係るデータへのアクセスが容易になるという利点を有する。
本発明の追記型記録媒体の他の態様では、前記共用エリアは、前記退避データ及び前記ディフェクト管理情報の夫々を複数回反復して記録される。
この態様によれば、同じ内容のディフェクト管理情報を、1機会の記録動作で共用エリア内に複数回(例えば2回)反復して、例えば重複的に並べて記録することで、ディフェクト管理情報の記録の確実性を高めることができる。即ち、ディフェクト管理により改善された記録データの確実性を、より一層高めることが可能となる。
本発明の追記型記録媒体の他の態様では、前記共用エリアを複数備えている。
この態様によれば、複数の共用エリアを用いて、適切にディフェクト管理を行うことが可能となる。更に、本発明の追記型記録媒体が2層ディスクの場合には、各層に1個又は複数の共用エリアを設けてもよい。
加えて、例えばユーザデータエリアの所定の領域単位毎に夫々共用エリアを対応付ければ、比較的容易に且つ効率的に係る共用エリアより必要なディフェクト管理情報や退避データを読み取ることが可能となる。
尚、複数の共用エリアを備えている態様では、少なくとも一つの共用エリアにディフェクト管理情報と退避データとが例えば混在して記録されていれば、その他の共用エリアにはディフェクト管理情報及び退避データのいずれか一方が記録されるように構成してもよい。
本発明の追記型記録媒体の他の態様では、前記データエリアのディフェクト管理情報を記録するための確定的ディフェクト管理エリアを含み、前記データエリアへの記録及び読取の少なくとも一方を制御する情報を記録するための制御情報記録エリアを更に備えている。
この態様によれば、本発明の追記型記録媒体と、例えば書換可能型の記録媒体との互換性を保持することが可能となる。
例えば、確定的ディフェクト管理エリアは、記録媒体がファイナライズされ、これ以上ディフェクト管理情報が更新されず、ディフェクト管理情報の内容が確定されたときに、そのディフェクト管理情報を記録するための領域である。従って、例えばファイナライズされた後に、当該追記型記録媒体を再生する場合には、確定的ディフェクト管理エリアよりディフェクト管理情報を読み取ることで、ディフェクト管理を行う。
加えて、確定的ディフェクト管理エリアは、制御情報記録エリア内に配置されている。一般に普及している書換型記録媒体はディフェクト管理エリアを制御情報記録エリア内に配置しているものが多い。また、これから開発される書換型記録媒体もディフェクト管理エリアは制御情報エリア内に配置されるものが多いことが予想される。従って、本発明では、このような一般の書換型記録媒体と同様の構造を採用しているため、一般の書換型記録媒体との間で互換性をとることができる。その結果、再生専用や書換可能型の各種再生装置において、本発明の追記型記録媒体を適切に再生することが可能となる。従って、公衆への普及の容易性という点において極めて大きな利点を有することとなる。
尚、確定的ディフェクト管理エリアは、共用エリアと比較して狭い領域であってもよい。これは、内容が確定した少なくとも1個のディフェクト管理情報を記録することが可能であればよいからである。
それに伴い、共用エリアは、確定的ディフェクト管理エリアと比較して広い領域であることが好ましい。これは、ディフェクト管理情報が数度更新された場合に、その更新された回数に応じた複数のディフェクト管理情報を記録するためである。これは、本発明の追記型記録媒体が一度しか記録することができない追記型の記録媒体であるため、更新されたディフェクト管理情報を同じ場所に上書きすることができないことを考慮したものである。
更に、確定的ディフェクト管理エリアも上述した共用エリアと同様に、例えば本発明の追記型記録媒体の内周側に配置された制御情報記録エリア内だけでなく、当該追記型記録媒体の外周側に配置された制御情報記録エリア内に設けてもよい。また、2層ディスクの場合には、各層に1個又は複数の確定的ディフェクト管理エリアを設けてもよい。
上述の如く制御情報記録エリアを備えた追記型記録媒体の態様では、前記共用エリアは、前記制御情報記録エリアと前記データエリアとの間に配置されている。
この態様によれば、共用エリアを制御情報記録エリアの外に配置することで、制御情報記録エリアを拡張することなく、共用エリアを確保することができる。上述したように共用エリアは比較的広い範囲の領域なので、もし、これを制御情報記録エリア内に配置するとすれば、制御情報記録エリアを拡張せざるを得ないことになる。しかしながら、共用エリアを制御情報記録エリアとデータエリアとの間に配置することにより、制御情報記録エリアを拡張せず、また、データエリア内に当該共用エリアを配置することなく、共用エリアを本発明の追記型記録媒体上に設けることができる。このため、本発明の追記型記録媒体と一般の書換型記録媒体との間の互換性をとることができるという極めて大きな利点を有することとなる。
本発明の追記型記録媒体の他の態様では、前記ディフェクト管理情報は、前記データエリア、及び共用エリアの位置やサイズを示す定義情報と、前記データエリアのディフェクトの位置を示すディフェクト位置情報(即ち、例えば上述したディフェクトが存在する場所のアドレスである退避元アドレス)、及び前記ディフェクトの位置に記録すべき記録データを代替的に記録する代替記録領域の位置を示す代替記録領域位置情報(即ち、例えば退避データの記録場所のアドレスである退避先アドレス)を含むディフェクトリストとを含んでいる。
この態様によれば、係るディフェクトリストを用いて、より適切にディフェクト管理を行うことが可能となる。即ち、例えば後述の再生装置であれば、より適切に一連のコンテンツを再生することが可能となる。
(記録装置及び方法)
本発明の記録装置は、記録データを1度のみ記録可能であって、(i)前記記録データを記録するためのデータエリアと、(ii)前記データエリアにおけるディフェクトが存在する場所に記録すべき又は記録された記録データである退避データと、当該退避データの退避元アドレス及び退避先アドレスを含むディフェクト管理情報と、を一時的に記録するための共用エリアとを備えた追記型記録媒体に前記記録データを記録するための記録装置であって、前記記録データを前記データエリアに記録する第1記録手段と、前記退避データ及び前記ディフェクト管理情報を前記共用エリアに記録する第2記録手段とを備えている。
本発明の記録装置によれば、例えば光ピックアップとそれを制御するためのコントローラ等を含んでなる第1及び第2記録手段を用いて、上述した本発明の追記型記録媒体に適切に記録データを記録することが可能となる。
具体的には、先ず第1記録手段が、追記型記録媒体のデータエリア内に記録データを記録する。一方、本発明の記録装置において、追記型記録媒体上に存在するディフェクトの位置等を示す例えばディフェクトリストを含むディフェクト管理情報が作成され、又はそれが当該記録媒体もしくはその他の通信路を介して取得される。このとき、例えばRAM等のメモリを含んでなる記憶手段にこれを記憶するように構成してもよい。第2記録手段は、ディフェクト管理情報を追記型記録媒体の共用エリアに記録する。第2記録手段がディフェクト管理情報を共用エリアに記録する時期は、様々あり得るが、例えば、追記型記録媒体がイニシャライズないしフォーマットされた直後、追記型記録媒体に一連の記録データが記録された直後などが考えられる。加えて、第2記録手段は、退避データを共用エリアに記録する。
本発明では特に、第2記録手段は、ディフェクト管理情報及び退避データを共用エリアに記録する。従って、上述した本発明の追記型記録媒体(但し、その各種態様を含む)に対して、記録データを比較的効率よく記録できる。そして、上述したように共用エリアに空き領域があれば、適切にディフェクト管理を行いつつ、記録データを記録していくことが可能となる。
以上の結果、本発明の記録装置によれば、上述した本発明の追記型記録媒体に適切に記録データを記録できると共に、当該追記型記録媒体が有する各種利益を享受できる。更には、記録動作時の処理パフォーマンスの向上という利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の追記型記録媒体における各種態様に対応して、本発明の記録装置も各種態様を採ることが可能である。
又、追記型記録媒体が光学式の記録媒体である場合には、データないし情報を記録媒体に直接的に記録する手段として光ピックアップが好適であるが、追記型記録媒体が磁気式、光磁気式、誘電率の変化を利用したものなどの他の方式のものである場合には、その追記型記録媒体の方式に適したピックアップ、ヘッド又はプローブ等を用いればよい。
尚、第1及び第2の記録手段を構成するハードウェアは、それぞれ別個に複数セット設けてもよいが、通常は1セットあれば足りる。例えば、1個の光ピックアップとコントローラを設け、コントローラを制御するためのソフトウェアを各記録手段に対応して2通り設ければよい。
更に、第2記録手段は、ディフェクト管理情報を共用エリアに複数回反復して記録するように構成してもよい。これにより、ディフェクト管理情報を追記型記録媒体上に確実に保持することが可能となる。
加えて、共用エリアの広さを設定し、この設定された共用エリアの広さに応じてデータエリアの位置を設定するエリア設定手段を更に備えているように構成してもよい。例えば、共用エリアを広く設定すれば、共用エリア内により多くのディフェクト管理情報を記録することができる。即ち、この場合には、ディフェクト管理情報を並列的に何度も記録可能となるため、更新の回数が多数に及んでも、各ディフェクト管理情報を記録保持することが可能となる。これによりディフェクトの多発しやすい悪い環境で記録媒体を使用する場合でも、記録データの記録・再生の信頼性を維持し、又は高めることができる。更に、例えば同一内容のディフェクト管理情報を反復的に記録する個数を増やすことができ、ディフェクト管理情報の記録保持の確実性を高めることもできる。一方、共用エリアを狭く設定すれば、その分、データエリアを広く確保することができるので、追記型記録媒体の実質的な記録容量を増やすことができる。エリア設定手段による共用エリアの範囲設定をユーザに委ねることとすれば、ユーザによる記録媒体の利用態様に応じて共用エリアを適切に設定することが可能となる。
本発明の記録装置の一の態様では、前記第2記録手段は、前記共用エリアへ前記退避データと前記ディフェクト管理情報とを連続的に記録する。
この態様によれば、例えば退避データと該退避データに関するアドレス位置等を示すディフェクト管理情報とが、共用エリアにおいて連続的に並んで記録されることとなる。より好ましくは、退避データとディフェクト管理情報とが交互に連続的に記録されることが好ましい。ここに、本発明における「交互に」とは、文字通り退避データとディフェクト管理情報が交互に記録されている場合の他、一回の記録動作で記録される退避データの集合と一回の記録動作で記録されるディフェクト管理情報とが交互に記録されている場合等をも含んだ広い趣旨である。即ち、ディフェクト管理情報と退避データとが、夫々比較的近い位置に記録されることとなる。従って、例えば記録動作時におけるピックアップの動作を最小限に抑えることが可能となり、これらデータへのアクセス(即ち、これらのデータを記録するべき位置へのアクセス)が容易になるという利点を有する。加えて、記録動作時における例えばピックアップ等の動作を最小限に抑えることができ、処理パフォーマンスの向上や消費電力の低減等の各種利益を享受することが可能となる。
本発明の記録装置の他の態様では、前記第2記録手段は、前記共用エリアにおけるデータ記録済みの領域とデータ未記録の領域との境界点を始点として、前記未記録の領域へ前記退避データと前記ディフェクト管理情報とを記録する。
この態様によれば、ディフェクト管理情報又は退避データ等のデータが記録済みの領域とこれらのデータが記録されていない未記録の領域との境界点を探索(サーチ)することで、共用エリアにおける次に記録すべき位置を比較的容易に認識することが可能となる。即ち、比較的複雑なアドレス位置の計算等(例えばポインタ等を用いた演算や、論理アドレスから物理アドレスへの変換等)を行うことなく、記録すべき位置を比較的容易に特定することが可能となる。これにより、記録動作に係る処理パフォーマンスの更なる向上(例えば、高速化等)を図ることが可能となる。
本発明の記録方法は、記録データを1度のみ記録可能であって、(i)前記記録データを記録するためのデータエリアと、(ii)前記データエリアにおけるディフェクトが存在する場所に記録すべき又は記録された記録データである退避データと、当該退避データの退避元アドレス及び退避先アドレスを含むディフェクト管理情報と、を一時的に記録するための共用エリアとを備えた追記型記録媒体に前記記録データを記録するための記録装置における記録方法であって、前記記録データを前記データエリアに記録する第1記録工程と、前記退避データ及び前記ディフェクト管理情報を前記共用エリアに記録する第2記録工程とを備える。
本発明の記録方法によれば、上述した本発明の記録装置と同様に、本発明の追記型記録媒体(但し、その各種態様を含む)に対して、適切に記録データを記録することが可能となる。
尚、上述した本発明の記録装置(或いは、追記型記録媒体)の各種態様に対応して、本発明の記録方法も各種態様を採ることが可能である。
(再生装置及び方法)
本発明の再生装置は、上述した本発明の追記型記録媒体(但し、その各種態様を含む)に記録された前記記録データを再生するための再生装置であって、前記共用エリアに記録された前記ディフェクト管理情報を読み取る読取手段と、前記ディフェクト管理情報に基づいて、前記データエリアに記録された記録データ又は前記共用エリアに記録された退避データを再生する再生手段とを備えている。
本発明の再生装置によれば、例えば光ピックアップやそれを制御するためのコントローラ等を含んでなる第1読取手段と、画像データをディスプレイに表示することが可能な画像信号に変換するデコーダ等を含んでなる再生手段とを用いて、上述した本発明の追記型記録媒体に記録されている記録データを適切に再生することが可能となる。
具体的には、先ず読取手段は、共用エリアに記録されたディフェクト管理情報を読み取る。このとき、該ディフェクト管理情報を、例えばメモリ等の記憶手段に記憶させるように構成してもよい。記録時において、記録データは、記録媒体のデータエリアに存在するディフェクトを避けるようにして記録されている。このため、このようにして記録された記録データを再生するためには、記録時においてデータエリアに存在していたディフェクトの位置を把握する必要がある。そこで、再生手段は、読取手段により読み取られたディフェクト管理情報に基づいて、データエリアに存在するディフェクトの位置を把握し、かつ、ディフェクトを避けるようにして記録された記録データの記録場所を認識してデータエリアに記録された記録データ、或いは共用エリアに記録された退避データを再生する。
本発明では特に、ディフェクト管理情報と退避データとが記録されている追記型記録媒体よりこれらのデータを適宜読み取り、且つ再生する。このため、再生動作時における例えば読取手段が備えるピックアップ等の動作を最小限に抑えることができ、処理パフォーマンスの向上や消費電力の低減等の各種利益を享受することが可能となる。
以上の結果、本発明の再生装置によれば、共用エリアに記録されたディフェクト管理情報を用いてディフェクト管理を行いながら、上述した本発明の追記型記録媒体に記録された記録データを確実に且つ適切に再生することができる。
尚、上述した本発明の追記型記録媒体の各種態様に対応して、本発明の再生装置も各種態様を採ることが可能である。
本発明の再生装置の一の態様では、前記読取手段は、前記共用エリアにおけるデータ記録済みの領域とデータ未記録の領域との境界点を探索することで、前記ディフェクト管理情報を読み取る。
この態様によれば、ディフェクト管理情報又は退避データ等のデータが記録済みの領域とこれらのデータが記録されていない未記録の領域との境界点を探索(サーチ)することで、共用エリアに記録されている最新のディフェクト管理情報を比較的容易に読み取ることが可能となる。即ち、係る追記型情報記録媒体には、退避データと当該記録データを反映したディフェクト管理情報とが、例えば混在して(より好ましくは、交互に連続して)逐次追記された状態で記録されている。このため、係る境界点を特定すれば、同時に最新のディフェクト管理情報が記録されている位置を特定することが可能となる。即ち、比較的複雑なアドレス位置の計算等(例えばポインタ等を用いた演算や、論理アドレスから物理アドレスへの変換等)を行うことなく、最新のディフェクト管理情報が記録されている位置を特定することが可能となる。これにより、再生動作に係る処理パフォーマンスの更なる向上(例えば、高速化等)を図ることが可能となる。
尚、以上のような記録装置及び再生装置は、専用の装置としてハードウェアと一体的に構成する形態で実現してもよいし、コンピュータにプログラムを読み込ませることによって実現してもよい。
本発明の再生方法は、上述した本発明の追記型記録媒体(但し、その各種態様を含む)に記録された前記記録データを再生するための再生方法であって、前記共用エリアに記録された前記ディフェクト管理情報を読み取る読取工程と、前記読み取られたディフェクト管理情報に基づいて、前記データエリアに記録された記録データ又は前記共用エリアに記録された退避データを再生する再生工程とを備えている。
本発明の再生方法によれば、上述した本発明の再生装置と同様に、本発明の追記型記録媒体(但し、その各種態様を含む)を適切に再生することが可能となる。
尚、上述した本発明の再生装置の各種態様に対応して、本発明の再生方法も各種態様を採ることが可能である。
(コンピュータプログラム)
本発明の記録制御用のコンピュータプログラムは、上述した本発明の記録装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記第1記録手段及び第2記録手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明の記録制御用のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の記録装置を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の追記型記録媒体における各種態様に対応して、本発明の記録制御用のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
本発明の再生制御用のコンピュータプログラムは、上述した本発明の再生装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記読取手段及び前記再生手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明の再生制御用のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の再生装置を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の追記型記録媒体における各種態様に対応して、本発明の再生制御用のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
コンピュータ読取可能な媒体内の記録制御用のコンピュータプログラム製品は上記課題を解決するために、上述した本発明の記録装置(但し、その各種態様も含む)に備えられたコンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、前記第1記録手段及び第2記録手段のうち少なくとも一部として機能させる。
コンピュータ読取可能な媒体内の再生制御用のコンピュータプログラム製品は上記課題を解決するために、上述した本発明の再生装置(但し、その各種態様も含む)に備えられたコンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、前記読取手段及び前記再生手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明の記録制御用又は再生制御用のコンピュータプログラム製品によれば、当該コンピュータプログラム製品を格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラム製品をコンピュータに読み込めば、或いは、例えば伝送波である当該コンピュータプログラム製品を、通信手段を介してコンピュータにダウンロードすれば、上述した本発明の前記第1記録手段、前記第2記録手段、前記読取手段、及び前記再生手段のうち少なくとも一部を比較的容易に実施可能となる。更に具体的には、当該コンピュータプログラム製品は、前記第1記録手段、前記第2記録手段、前記読取手段、及び前記再生手段のうち少なくとも一部として機能させるコンピュータ読取可能なコード(或いはコンピュータ読取可能な命令)から構成されてよい。
(データ構造に係る実施例)
本発明のデータ構造は、前記記録データを記録するためのデータエリアと、前記データエリアにおけるディフェクトが存在する場所に記録すべき又は記録された記録データである退避データと、当該退避データの退避元アドレス及び退避先アドレスを含むディフェクト管理情報と、を一時的に記録するための共用エリアとを備えている。
本発明のデータ構造によれば、上述した本発明の追記型記録媒体の場合と同様に、共用エリアにディフェクト管理情報と退避データとを記録することで、共用エリアの記録容量を効率的に且つ最大限利用して適切にディフェクト管理を行いながら、記録データの記録及び再生が可能となる。
尚、上述した本発明の追記型記録媒体における各種態様に対応して、本発明のデータ構造も各種態様を採ることが可能である。
本発明におけるこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、本発明の追記型記録媒体によれば、データエリアと共用エリアとを備えており、共用エリアにおいてはディフェクト管理情報と退避データとが記録されている。従って、共用エリア(或いは、当該追記型記録媒体)の記録容量を効率的に且つ最大限利用してディフェクト管理を行いながら記録データの記録及び再生が可能となる。
又、本発明の記録装置及び方法によれば、第1記録手段及び第2記録手段、又は第1記録工程及び第2記録工程を備えている。従って、本発明に係る追記型記録媒体に適切に記録データを記録できる。又、本発明の再生装置及び方法によれば、読取手段及び再生手段、又は読取工程及び再生工程を備えている。従って、本発明に係る追記型記録媒体より適切に記録データを読取、且つ再生することが可能となる。
図1は、本発明の追記型記録媒体の実施例を示す説明図である。
図2は、実施例におけるディフェクト管理情報の内容を示す説明図である。
図3は、実施例におけるディフェクトリストの一例を示す説明図である。
図4は、実施例における共用エリアの記録内容の一例を示す説明図である。
図5は、実施例における確定的ディフェクト管理エリアの記録内容の一例を示す説明図である。
図6は、本発明の記録装置及び再生装置の実施例である記録再生装置を示すブロック図である。
図7は、実施例の記録再生装置のディスクドライブを示すブロック図である。
図8は、実施例の記録再生装置のバックエンドを示すブロック図である。
図9は、実施例の記録再生装置における初期設定動作を示すフローチャートである。
図10は、実施例の記録再生装置における記録動作等を示すフローチャートである。
図11は、実施例の記録再生装置における記録動作時の記録媒体上のデータの様子を概念的に示す模式図である。
図12は、実施例の記録再生装置におけるファイナライズ処理を示すフローチャートである。
図13は、実施例の記録再生装置における再生動作を示すフローチャートである。
図14は、本発明の追記型記録媒体の他の実施例を示す説明図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。以下の実施例は、本発明の追記型記録媒体を追記型光ディスクに適用し、本発明の記録装置及び再生装置をこの追記型光ディスク用の記録再生装置に適用した例である。
(記録媒体の実施例)
まず、本発明の実施例の追記型光ディスクの記録構造並びにその光ディスクに記録された情報及びデータについて説明する。図1は本発明の実施例である追記型光ディスクの記録構造を示している。尚、図1中の左側が追記型光ディスク100の内周側であり、図1中の右側が光ディスク100の外周側である。
図1に示すように、追記型光ディスク100の記録面上には、その内周側にリードインエリア101が存在し、リードインエリア101の外周側にユーザデータエリア108が存在し、ユーザデータエリア108の外周側にリードアウトエリア103が存在する。更に、リードインエリア101とユーザデータエリア108との間には、共用エリア104が配置されている。更に、ユーザデータエリア108とリードアウトエリア103との間には、共用エリア105が配置されている。
リードインエリア101及びリードアウトエリア103には、それぞれ、光ディスク100への情報ないしデータの記録・読取を制御及び管理するための制御情報及び管理情報等が記録される。リードインエリア101内には、確定的ディフェクト管理エリア106が設けられている。リードアウトエリア103内にも、確定的ディフェクト管理エリア107が設けられている。確定的ディフェクト管理エリア106及び107には、それぞれ、ディフェクト管理情報120(図2参照)が記録される。
ユーザデータエリア108には、画像データ、音声データ、コンテンツデータなどといった記録データが記録される。
共用エリア104及び105には、それぞれ、ディフェクト管理情報120が一時的に記録される。尚、確定的ディフェクト管理エリア106及び107にもディフェクト管理情報120が記録されるが、確定的ディフェクト管理エリア106及び107と共用エリア104及び105との相違については、後述する。
更に、共用エリア104及び105は、ユーザデータエリア108内のディフェクトから記録データを退避させるための代替記録領域でもある。即ち、ユーザデータエリア108にディフェクトが存在するときに、そのディフェクトが存在する場所に記録すべきであった記録データ又はその場所に記録されていた記録データ(以降、このような記録データを適宜“退避データ”と称する)は、共用エリア104又は105に代替的に記録される。
尚、これらの共用エリア104又は105は、2つの共用エリアに係る態様に限られず、例えば1つの共用エリアであっても良いし、或いは更に多くの共用エリアを有していてもよい。
次に、ディフェクト管理情報120について説明する。ディフェクト管理情報120は、記録再生装置200(図6参照)により行われるディフェクト管理に用いられる情報である。記録再生装置200は、光ディスク100に記録データを記録するとき、又は光ディスク100から記録データを再生するときにディフェクト管理を行う。本実施例においてディフェクト管理とは、主に、光ディスク100のユーザデータエリア108上に傷、塵埃又は劣化等のディフェクトが存在するときに、そのディフェクトが存在する場所を避けて記録データを記録すると共に、退避データを共用エリア104又は105に記録するといったものである。また、ユーザデータエリア108に記録された記録データを再生するときに、ディフェクトの存在する位置を認識し、ディフェクトの存在する位置に本来記録されるべきであった又は記録されていた記録データを、共用エリア104又は105から読み取るといった処理もディフェクト管理の一環として行われる。このようなディフェクト管理を行うためには、記録再生装置200がユーザデータエリア108内におけるディフェクトの存在位置等を認識する必要がある。ディフェクト管理情報120は、主として記録再生装置200がディフェクトの存在位置等を認識するために用いられる。
図2はディフェクト管理情報120の内容を示している。図2に示すように、ディフェクト管理情報120には、設定情報121及びディフェクトリスト122が含まれている。
設定情報121には、図2に示すように、ユーザデータエリア108の開始アドレス、ユーザデータエリア108の終了アドレス、内周側の共用エリア104のサイズ、外周側の共用エリア105のサイズ、その他の情報が含まれている。
図3はディフェクトリスト122の内容を示している。図3に示すように、ディフェクトリスト122には、ユーザデータエリア108内におけるディフェクトが存在する位置を示すアドレス(以下、これを「ディフェクトアドレス」と呼ぶ。)と、退避データの共用エリア104又は105内における記録位置を示すアドレス(以下、これを「代替記録アドレス」と呼ぶ。)と、その他の情報とが記録されている。即ち、ディフェクトアドレスは、本発明における「退避元アドレス」の一例を示すものであり、代替記録アドレスは、本発明における「退避先アドレス」の一例を示すものである。ユーザデータエリア108内に複数のディフェクトが存在するときには、それらのディフェクトに対応した複数のディフェクトアドレスと複数の代替記録アドレスがディフェクトリスト122内に記録される。
尚、ディフェクト管理は、光ディスク100のユーザデータエリア108についてだけでなく、光ディスク100の記録面全体について行うことも可能である。
次に、ディフェクト管理情報120及び退避データの記録の態様について説明する。光ディスク100の共用エリア104及び105と、確定的ディフェクト管理エリア106及び107は、いずれも、ディフェクト管理情報120を記録するための領域であるが、共用エリア104及び105と、確定的ディフェクト管理エリア106及び107は、配置されている位置が異なり、それぞれのサイズが異なり、利用目的も異なる。加えて、共用エリア104又は105には、退避データが記録される。以下、具体的に両者の違いを説明する。
図4は共用エリア104又は105にディフェクト管理情報120、並びに退避データが記録された状態の一例を示している。
共用エリア104及び105は、光ディスク100がファイナライズされるまでの間に、ディフェクト管理情報120を一時的に記録するための領域である。ディフェクト管理情報120は、ディフェクト管理に必要な情報であり、ディフェクトの存否・位置は個々の光ディスクごとに異なるため、ディフェクト管理情報は個々の光ディスク上に記録して保持しておく必要がある。本実施例では、ファイナライズ前の段階では、ディフェクト管理情報120は光ディスク100の共用エリア104又は105に記録され、保持される。
加えて、共用エリア104又は105には、退避データが記録される。そして、本実施例では、退避データと該記録データを管理するためのディフェクト管理情報120とが交互に連続的に記録されている。即ち、退避データ等が記録された後、該退避データの各種アドレス等(図3参照)を示すディフェクト管理情報120が記録される。
更に、本実施例では、図4に示すように、ディフェクト管理情報120は、共用エリア104又は105に2回反復的に記録されることが好ましい(尚、図4はディフェクト管理情報120の反復的記録が2度行われた状態を示しているため、合計4個のディフェクト管理情報120と、2個の退避データが描かれている)。これにより、ディフェクト管理情報120を確実に記録でき、確実に再生することができる。但し、2回記録されなくとも、例えば1回の記録或いは3回以上の記録であっても、ディフェクト管理情報120や退避データを適切に記録し、再生することが可能である。
光ディスク100がファイナライズされるまでの間、ディフェクト管理情報120が数度更新される場合がある。例えば、1度目の記録と2度目の記録(追記)との間に、光ディスク100に汚れが付着したような場合には、2度目の記録時にそのディフェクト(汚れ)が検出され、これに基づいてディフェクトリスト122が更新される。ディフェクトリスト122が更新されると、その更新されたディフェクトリスト122を含むディフェクト管理情報120が共用エリア104又は105に追記される。この場合、係るディフェクトにより生ずる退避データが、前回まで有効であった旧ディフェクト管理情報120に続いて連続的に、共用エリア104又は105に追記される。そして、該退避データに続いて連続的に新たなディフェクト管理情報120が追記される。光ディスク100は追記型の記録媒体であるため、更新されたディフェクト管理情報120を既存のディフェクト管理情報120の上に重ねて記録することはできない。そのため、図4に示すように、更新されたディフェクト管理情報120及び退避データは、既存のディフェクト管理情報120及び退避データの後に連続的に記録されることとなる。
このようなディフェクト管理情報120の反復的かつ並列的な記録を実現するために、共用エリア104及び105は、確定的ディフェクト管理エリア106及び107よりも広い。
一方、図5は確定的ディフェクト管理エリア106又は107内にディフェクト管理情報120が記録された状態の一例を示している。確定的ディフェクト管理エリア106及び107は、光ディスク100がファイナライズされるときに、ディフェクト管理情報120を確定的に記録するための領域である。即ち、ファイナライズ前の段階では、確定的ディフェクト管理エリア106及び107は未記録状態である。ファイナライズされると、確定的ディフェクト管理エリア106及び107にディフェクト管理情報120が記録され、それ以降、その記録状態が継続する。
本実施例では、図5に示すように、ディフェクト管理情報120は、確定的ディフェクト管理エリア106又は107に2回反復的に記録されることが好ましい。これにより、ディフェクト管理情報120を確実に記録でき、確実に再生することができる。但し、2回記録されなくとも、例えば1回の記録或いは3回以上の記録であっても、ディフェクト管理情報120を適切に記録し、再生することは可能である。
本実施例の光ディスク100によれば、共用エリア104をリードインエリア101とユーザデータエリア108との間に配置し、共用エリア105をユーザデータエリア108とリードアウトエリア103との間に配置したから、追記型光ディスク100と一般の書換型光ディスクとの間で互換性をとることができる。なぜなら、一般の書換型光ディスクとの互換性を実現するためには、リードインエリア、ユーザデータエリア及びリードアウトエリアが存在すること、これらの領域の順序、配置、サイズ(広さ)等の基本的記録構造を維持する必要がある。そして、光ディスク100では共用エリア104及び105を設けたにもかかわらず、かかる基本的記録構造を維持しているからである。即ち、仮に共用エリア104をリードインエリア101内に配置するとすれば、上述したように共用エリア104は比較的広いので、リードインエリア101のサイズを拡張せざるを得なくなるという不都合が生じる。しかし、本実施例では、共用エリア104をリードインエリア101の外に配置したので、かかる不都合は生じない。また、仮に共用エリア104をユーザデータエリア108内に設けるとすれば、制御情報の性質を有するディフェクト管理情報120が、記録データを記録すべき領域であるユーザデータエリア108に入り込み、制御情報と記録データという性質の異なる情報がユーザデータエリア108内に混在するといった不都合が生じる。本実施例では、共用エリア104をユーザデータエリア108の外に配置したので、かかる不都合は生じない。尚、共用エリア105についても同様である。
尚、ユーザデータエリア108の開始アドレス及び終了アドレス、共用エリア104のサイズ並びに105のサイズは、ディフェクト管理情報120の設定情報121に含まれている(図2参照)。そして、この設定情報121は、記録再生装置200により設定することができる。即ち、ユーザデータエリア108の開始アドレス及び終了アドレス、共用エリア104のサイズ並びに105のサイズは、これを設定情報121として明示しておけば、変更することが許容されており、変更しても、一般の書換型記録媒体との互換性を維持することができる。従って、ユーザデータエリア108の開始アドレスを後ろ(外周側)にずらせば、リードインエリア101とユーザデータエリア108との間にスペースを確保することができ、そのスペースに共用エリア104を配置することができる。更に、ユーザデータエリア108の開始アドレスの設定の仕方によっては、比較的広い(大きなサイズの)共用エリア104を確保することができる。共用エリア105についても同様である。
また、本実施例の光ディスク100によれば、リードインエリア101内及びリードアウトエリア103内にそれぞれ確定的ディフェクト管理エリア106及び107を配置したから、追記型光ディスク100と一般の書換型光ディスクとの間で互換性をとることができる。即ち、一般の書換型光ディスクは、そのリードインエリア内及びリードアウトエリア内にそれぞれディフェクト管理情報を記録すべき領域が配置されている。そして、光ディスク100も、そのリードインエリア101内及びリードアウトエリア103内に確定的ディフェクト管理エリア106及び107が配置されている。かかる点において、両者の記録構造は一致している。従って、追記型光ディスク100と一般の書換型光ディスクとの間で互換性をとることができる。
更に、本実施例では特に、ディフェクト管理情報120を一時的に記録する領域として、共用エリア104又は105を設けていることに加えて、該共用エリア104又は105には、退避データをも記録することが可能な領域となっている。従って、例えばディフェクト管理情報120の記録用領域と退避データの記録用領域とを分離した光ディスクと比較して、次のような点から極めて効率的な利用が可能であるといえる。
即ち、比較に係る光ディスクでは、例えば2つの記録用領域のうちいずれか一方が記録容量の限度まで記録完了した場合には、ディフェクト管理情報120又は退避データのいずれかをこれ以上記録することができなくなる。従って、他の一方の記録用領域に空きが存在していても、ディフェクト管理が困難或いは不可能であるため、係る光ディスクにこれ以上の記録データを記録することができなくなる。
しかしながら、本実施例に係る光ディスク100によれば、比較に係る光ディスクの如く、記録領域の分離を行うことなく、ディフェクト管理情報120及び退避データを同じ記録領域に記録できる。このため、上述のようにディフェクト管理情報120の記録用領域及び退避データの記録用領域のいずれかが先に記録容量の限度まで記録されるがゆえに生ずる、空き領域が依然存在するにも係わらず記録データを記録することができないという不都合は生じない。即ち、上述の2つの記録用領域に相当する共用エリアを用いることで、記録容量(特に、共用エリアの記録容量)を最大限まで利用することが可能となる。加えて、ディフェクト管理情報120のデータ容量が退避データのデータ容量と比較して大きくなった場合や、逆に退避データのデータ容量がディフェクト管理情報120のデータ容量と比較して大きくなった場合等においても、共用エリアに空き領域が存在すれば、これらのデータを適切に記録でき、その結果、適切にディフェクト管理をおこなうことができる。
更に、ディフェクト管理情報120と退避データとを共用エリア104又は105に記録することで、後述するように記録再生装置における記録データの記録動作及び再生動作に係る処理負担を抑えることが可能となる。従って、本実施例に係る光ディスク100のような構造は、データ容量の面から見ても大きな利点を有していると共に、記録・再生動作という面から見ても大きな利点を有していることとなる。
加えて、共用エリアの記録容量は、設定情報121により所望のサイズに設定することができる。このため、ディフェクトの発生が頻発すると推測される場合には、予め共用エリア104又は105の記録容量を大きくとることも可能である。或いは、例えば光ディスク100の製造技術の高性能化等の要因により、ディフェクトの発生が少ないと推測される場合には、予め共用エリア104又は105の記録容量を小さくとることも可能である。これにより、必要なユーザデータエリア108を確保すると共に、状況に応じて最適なディフェクト管理を行うことが可能となる。
尚、3つ以上の複数の共用エリアを有する光ディスクであっても、少なくとも一つの共用エリアにおいて、上述の如くディフェクト管理情報120と退避データとを混在して記録すれば、上述した光ディスク100が有する各種利益を享受することができる。
(記録再生装置の実施例)
次に、本発明の実施例である記録再生装置の構成について図6から図8を参照して説明する。ここに、図6は本発明の実施例である記録再生装置200の基本構成を概念的に示すブロック図であり、図7は、記録再生装置のディスクドライブを示すブロック図であり、図8は、記録再生装置のバックエンドを示すブロック図である。尚、記録再生装置200は、光ディスク100に記録データを記録する機能と、光ディスク100に記録された記録データを再生する機能とを備えている。
図6に示すように、記録再生装置200は、ディスクドライブ300と、バックエンド400とを備えている。
図7はディスクドライブ300の内部構成を示している。ディスクドライブ300は、光ディスク100に情報を記録すると共に、光ディスク100に記録された情報を読み取る装置である。
ディスクドライブ300は、図7に示すように、スピンドルモータ351、光ピックアップ352、RFアンプ353及びサーボ回路354を備えている。
スピンドルモータ351は光ディスク100を回転させるモータである。
光ピックアップ352は、光ディスク100の記録面に対して光ビームを照射することによって記録データ等を記録面上に記録すると共に、光ビームの反射光を受け取ることによって記録面上に記録された記録データ等を読み取る装置である。光ピックアップ352は、光ビームの反射光に対応するRF信号を出力する。
RFアンプ353は、光ピックアップ352から出力されたRF信号を増幅して、そのRF信号を変調復調部355に出力する。更に、RFアンプ353は、RF信号から、ウォブル周波数信号WF、トラックエラー信号TE及びフォーカスエラー信号FEを作り出し、これらを出力する。
サーボ回路354は、トラックエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEその他のサーボ制御信号に基づいて光ピックアップ352及びスピンドルモータ351の駆動を制御するサーボ制御回路である。
更に、ディスクドライブ300は、図7に示すように、変調復調部355、バッファ356、インターフェース357及び光ビーム駆動部358を備えている。
変調復調部355は、読取時において記録データに対してエラー訂正を行う機能と、記録時において記録データにエラー訂正符号を付加してこれを変調する機能とを備えた回路である。具体的には、変調復調部355は、読取時においては、RFアンプ353から出力されるRF信号を復調し、これに対してエラー訂正を行った後、これをバッファ356に出力する。更に、変調復調部355は、復調されたRF信号に対してエラー訂正を行った結果、エラー訂正が不能であるか、又はエラー訂正された符合の数がある一定の基準値を超えたときには、その旨を示すエラー信号を生成し、これをディフェクト検出部359に出力する。また、変調復調部355は、記録時においては、バッファ356から出力される記録データにエラー訂正符号を付加した後、これを、光ディスク100の光学的特性等に適合する符号となるように変調し、変調された記録データを光ビーム駆動部358に出力する。
バッファ356は、記録データを一時的に蓄える記憶回路である。
インターフェース357は、ディスクドライブ300とバックエンド400との間の記録データ等の入出力制御ないし通信制御を行う回路である。具体的には、インターフェース357は、再生時においては、バックエンド400からの要求命令に応じて、バッファ356から出力される記録データ(即ち光ディスク100から読み取られた記録データ)をバックエンド400へ出力する。また、インターフェース357は、記録時においては、バックエンド400からディスクドライブ300に入力される記録データを受け取り、これをバッファ356に出力する。更に、インターフェース357は、バックエンド400からの要求命令に応じて、ディフェクト管理情報作成部360に保持されているディフェクトリストの全部又は一部をバックエンド400に出力する。
光ビーム駆動部358は、記録時において、変調復調部355から出力された記録データに対応する光ビーム駆動信号を生成し、これを光ピックアップ352に出力する。光ピックアップ352は、光ビーム駆動信号に基づいて光ビームを変調し、光ディスク100の記録面に照射する。これにより、記録データ等が記録面上に記録される。
更に、ディスクドライブ300は、図7に示すように、ディフェクト検出部359及びディフェクト管理情報作成部360を備えている。
ディフェクト検出部359は、光ディスク100のディフェクトを検出する回路である。そして、ディフェクト検出部359は、ディフェクトの存否を示すディフェクト検出信号を生成し、これを出力する。ディフェクト検出部359は、情報の読取時(ベリファイ時又は再生時)における記録データのエラー訂正の結果に基づいて、ディフェクト検出を行う。上述したように、変調復調部355は、復調されたRF信号に対してエラー訂正を行った結果、エラー訂正が不能であるか、またはエラー訂正された符合の数がある一定の基準値を超えたときには、その旨を実質的に示すエラー信号を生成し、これをディフェクト検出部359に出力する。ディフェクト検出部359は、このエラー信号を受け取ったときに、ディフェクトが存在していることを示すディフェクト検出信号を出力する。
ディフェクト管理情報作成部360は、ディフェクト検出部359から出力されたディフェクト検出信号に基づいて、ディフェクト管理情報120を作成し、又は更新する回路である。ディフェクト管理情報120は、ディフェクト管理情報作成部360内に設けられた記憶回路に書換可能な状態で記憶される。更に、ディフェクト管理情報作成部360は、バックエンド400からの要求命令に応じて、ディフェクト管理情報120をインターフェース357を介してバックエンド400に出力する。
更に、図7に示すように、ディスクドライブ300はCPU361を有している。CPU361は、ディスクドライブ300の全体的な制御及び上述したディスクドライブ300内の各要素間の情報のやり取りを制御する。更に、CPU361は、記録データ及びディフェクト管理情報120の記録動作及び読取動作を制御する。更に、CPU361は、バックエンド400から送られる制御命令ないし要求命令に応じて、ディスクドライブ300とバックエンド400との間のデータのやり取りを制御する。
次に、図8はバックエンド400の内部構成の例を示している。バックエンド400は、ディスクドライブ300によって光ディスク100から読み取られた記録データに対して再生処理を行うと共に、光ディスク100に記録する目的で外部から供給された記録データを受け取り、これをエンコードしてディスクドライブ300に送り出す装置である。
バックエンド400は、ドライブ制御部471、ビデオデコーダ472、オーディオデコーダ473、ビデオエンコーダ474、オーディオエンコーダ475、システム制御部476及びディフェクト管理部477を備えている。
ドライブ制御部471は、ディスクドライブ300の読取処理及び記録処理を制御する回路である。記録データを光ディスク100から読み取ってそれを再生する作業、及び記録データを外部から受け取ってそれを光ディスク100に記録する作業は、バックエンド400とディスクドライブ300とが協働して行う。ドライブ制御部471は、ディスクドライブ300の読取処理及び記録処理を制御することにより、バックエンド400とディスクドライブ300との協働を実現する。具体的には、ドライブ制御部471は、ディスクドライブ300に対して、読取、記録、バッファ356から記録データの出力、ディフェクト管理情報作成部360からのディフェクト管理情報120の出力などに関する要求命令を出力する。更に、ドライブ制御部371は、記録データ及びディフェクト管理情報120その他各種情報の入力・出力を制御する入出力制御を行う。
ビデオデコーダ472及びオーディオデコーダ473は、それぞれ、ディスクドライブ300により光ディスク100から読み取られ、ドライブ制御部471を介して供給された記録データを復調し、記録データをディスプレイ、スピーカなどにより再生可能な状態に変換する回路である。
ビデオエンコーダ474及びオーディオエンコーダ475は、それぞれ、光ディスク100に記録する目的で外部から入力された映像信号、音声信号等を受け取り、これを例えばMPEG圧縮方式等によりエンコードし、これを、ドライブ制御部471を介してディスクドライブ300に供給する回路である。
システム制御部476は、再生時には、ドライブ制御部471、ビデオデコーダ472、オーディオデコーダ473、ディフェクト管理部477を制御し、これらと協働して記録データの再生処理を行う回路である。また、記録時には、システム制御部476は、ドライブ制御部471、ビデオエンコーダ474、オーディオエンコーダ475、ディフェクト管理部477を制御し、これらと協働して記録データの記録処理を行う。また、システム制御部476は、再生時及び記録時において、ディスクドライブ300とバックエンド400との協働を実現するために、ドライブ制御471と共に、ディスクドライブ300に対する制御(例えば各種要求命令の生成・送信、応答信号の受信など)を行う。
ディフェクト管理部477は、その内部に記憶回路を有しており、ディスクドライブ300のディフェクト管理情報作成部360により作成・更新されたディフェクト管理情報120の全部又は一部を受け取り、これを保持する機能を備えている。そして、ディフェクト管理部477はシステム制御部476と共に、ディフェクト管理を行う。
次に、記録再生装置200における初期設定動作について説明する。図9は記録再生装置200の初期設定動作を示している。記録再生装置200は、光ディスク100がドライブユニット300に装着されてから、記録データの記録又は再生を行うまでの間に、初期設定を行う。初期設定は、記録データの記録又は再生の準備をするための処理であり、様々な処理を含んでいるが、以下、これらの処理のうち、光ディスク100のイニシャライズ、ディフェクト管理情報120の作成、及びディフェクト管理情報120のバックエンドへの送出等について説明する。これらの処理は、主としてドライブユニット300のCPU361の制御のもとに行われる。
図9に示すように、光ディスク100がドライブユニット300に装着されると、ドライブユニット300のCPU361は、光ディスク100が未記録ディスク(ブランクディスク)であるか否かを判定する(ステップS11)。
光ディスク100が未記録ディスクであるときには(ステップS11:YES)、CPU361は、光ディスク100に対してイニシャライズ処理を行う(ステップS12)。このイニシャライズ処理において、ディフェクト管理情報作成部360は、ディフェクト管理情報120を作成する(ステップS13)。具体的には、イニシャライズ処理の中で設定されたユーザデータエリア108の開始アドレス及び終了アドレス並びに共用エリア104及び105のサイズを取得し、設定情報121を作成する。更に、ディフェクトリスト122を作成する。尚、ここで作成されるディフェクトリスト122は、外枠のみであり、内実はない。即ち、ディフェクトアドレスは記録されておらず、具体的な代替記録アドレスも記録されていない。ただ、ヘッダ、識別情報などが記録されるのみである。作成されたディフェクト管理情報120はディフェクト管理情報作成部360内に記憶保持される。
続いて、CPU361は、ディフェクト管理情報作成部360内に記憶されたディフェクト管理情報120をバックエンド400に送る(ステップS14)。ディフェクト管理情報120はバックエンド400のディフェクト管理部477に記憶される。
続いて、CPU361は、ディフェクト管理情報作成部360内に記憶されたディフェクト管理情報120を光ディスク100の共用エリア104又は105に反復的に2回記録する(ステップS15)。
一方、光ディスク100が未記録ディスクでない場合には(ステップS11:NO)、続いて、CPU361は、光ディスク100がファイナライズ済みか否かを判定する(ステップS16)。ファイナライズとは、主に、光ディスク100を一般の書換型光ディスク用の再生装置や、一般の再生専用型光ディスク用の再生装置によって再生できるように、記録フォーマットを整えるための処理である。光ディスク100がファイナライズ済みか否かは、光ディスク100のリードインエリア101等に記録された制御情報を参照することにより、知ることができる。
光ディスク100がファイナライズ済みでない場合には(ステップS16:NO)、CPU361は、ディフェクト管理情報120を光ディスク100の共用エリア104又は105から読み取る(ステップS17)。即ち、光ディスク100が未記録ディスクでない場合には、すでに過去に作成されたディフェクト管理情報120が共用エリア104又は105に記録されているので、本ステップでは、これを読み取る。
更に、共用エリア104又は105内に複数のディフェクト管理情報120が記録されている場合には、CPU361はその中から最新のディフェクト管理情報120を選択して、これを読み取る(ステップS18)。即ち、ファイナライズ前の段階では、ディフェクト管理情報120は、それが更新される度に、共用エリア104又は105に記録される。そして、それら複数のディフェクト管理情報120は、更新された順序で、連続的に配列されている。従って、共用エリア104又は105の中で、一番最後に配置されているディフェクト管理情報が最新のディフェクト管理情報である。そこで、CPU361は一番最後に配置されているディフェクト管理情報を選択し、これを読み取る。
本実施例では、一番最後に配置されているディフェクト管理情報120を特定するために、次のような方法を採用している。即ち、本実施例においては、共用エリア104又は105に複数のディフェクト管理情報120及び退避データが記録されている。加えて、退避データを記録した後、該退避データを示すディフェクト管理情報(即ち、最新のディフェクト管理情報)120が、退避データに続いて記録されている。そしれこれらのデータ構造が連続的に続いている。従って、この場合、共用エリア104又は105の開始アドレスから、最後のディフェクト管理情報120が記録された領域の終端アドレスまでは情報が記録され、それ以降は未記録である。そこで、CPU361は、光ピックアップ352を制御して、共用エリア104又は105内をその開始アドレスからスキャンし、未記録状態となった位置を検出し、その位置から共用エリア104又は105内を逆方向にスキャンする。このようにして、最後のディフェクト管理情報120を特定する。このような方法によれば、最後のディフェクト管理情報120を、ポインタ等を用いずに簡単に特定することができる。
続いて、CPU361は、読み取った最後のディフェクト管理情報120をディフェクト管理情報作成部360に記憶し、かつ、これをバックエンド400に送る(ステップS19)。最後のディフェクト管理情報120は、バックエンド400のディフェクト管理部477に記憶される。
一方、光ディスク100が未記録ディスクでなく、かつファイナライズ済みである場合には(ステップS16:YES)、CPU361は、ディフェクト管理情報120を確定的ディフェクト管理エリア106又は107から読み取り(ステップS20)、これをバックエンド400に送る(ステップS21)。ディフェクト管理情報120は、バックエンド400のディフェクト管理部477に記憶される。
以上より、ディフェクト管理情報120が作成され、あるいはディフェクト管理情報120が共用エリア104又は105から選択的に読み取られ、あるいはディフェクト管理情報120が確定的ディフェクト管理エリア106又は107から読み取られ、ディフェクト管理情報作成部360内に記憶されると共に、バックエンド400のディフェクト管理部477に記憶される。これにより、ディフェクト管理の準備が整い、初期設定が終了する。
次に、記録再生装置200の記録動作について説明する。図10は主に記録再生装置200の記録動作を示している。記録再生装置200は、記録データを光ディスク100のユーザデータエリア108に記録する記録動作を行う。記録再生装置200は、ディフェクト管理を行いながら記録動作を行う。更に、記録再生装置200は、記録動作の中でベリファイ処理を行い、このベリファイ処理の結果に基づいてディフェクトリスト122を更新する。記録動作は、ドライブユニット300のCPU361とバックエンド400のシステム制御部476の協働によって実現する。
図10に示すように、ユーザが記録開始の指示を入力すると(ステップS33:YES)、これに応じて、記録再生装置200は記録データを記録する(ステップS34)。記録データの記録は所定のブロックごとに行われる。記録再生装置200は、バックエンド400のディフェクト管理部477に記憶されたディフェクト管理情報120を参照し、これに基づいてディフェクト管理を行いながら、記録データを記録する。
記録再生装置200は、1ブロックの記録を行う度に、ベリファイを行い(ステップS35)、ベリファイの結果に基づいて、ディフェクト管理情報120を更新する。ここで、更新されるディフェクト管理情報120は、ドライブユニット300のディフェクト管理情報作成部360内に記憶されたディフェクト管理情報である。具体的には、ベリファイの結果、記録データの記録に失敗したことを認識したときには(ステップS36:YES)、ドライブユニット300のCPU361は、当該記録に失敗した記録データ(即ち、退避データ)を共用エリア104又は105に記録する(ステップS37)。続いて、CPU361は、当該記録データの記録すべきであった場所にディフェクトが存在すると推測し、その場所を示すディフェクトアドレスとそれに対応する代替記録アドレスをディフェクトリスト122に記録する(ステップS38)。
今回記録すべき記録データの一連のブロックについて上記ステップS34ないしS38の処理が終了したとき、CPU361は、更新したディフェクト管理情報120を、ステップS37にて記録した記録データ(即ち、退避データ)に続いて連続的に光ディスク100の共用エリア104又は105に反復的に2回記録する(ステップS40)。従って、共用エリア104又は105内には、図4に示すように退避データとディフェクト管理情報120とが連続的に記録されることとなる。加えて、本実施例では特に、退避データに連続してディフェクト管理情報120を記録する。即ち、退避データを共用エリア104又は105に記録した後、該記録データと隣り合う領域にディフェクト管理情報120を記録する。このため、光ピックアップ352の動作量を極力抑えることが可能となる。これにより、記録動作の高速化や記録動作に伴う消費電力の低減が可能となるという大きな利点を有する。
尚、ここで共用エリア104又は105に記録されるディフェクト管理情報120は、ディフェクト管理情報作成部360内に記憶されたディフェクト管理情報である。以上で、記録動作は完了する。
ここで、図11を参照して、記録動作時の光ディスク100上の態様について説明する。ここに、図11は、記録再生装置200の記録動作時におけるデータの様子を概念的に示す模式図である。
図11(a)に示すように、記録前の時点においては、何も記録データは存在しないユーザデータエリア108に対して、所定の記録データをユーザデータエリア108に記録していく。
ここで、ユーザデータエリア108にディフェクトが存在していたとする。即ち、図11(b)に示すように、ユーザデータエリア108にディフェクトエリア108dが存在していたとする。
この場合、図11(c)に示すように、ディフェクトエリア108dに記録されるべき記録データ(即ち、退避データ)は、共用エリア104又は105の所定のエリアに記録されることとなる。
尚、このような動作は記録動作中に限らず、上述の如くユーザデータエリア108に記録されている記録データの再生中にディフェクトが存在していることを認識した場合にも行われる。
そして、図11(d)に示すように、ディフェクトエリア108dのアドレス等を示すディフェクト管理情報120iが共用エリア104に記録される。係るディフェクト管理情報120iは、先に共用エリア104又は105に記録された退避データに続けて記録される。
そして、このような動作が続けられることで、図11(e)に示すように、ユーザデータエリア108に所望の記録データが記録されることとなる。
このように、共用エリア104又は105にディフェクト管理情報120及び退避データを記録することで、仮にディフェクト管理情報120のデータ容量が大きくなりすぎた場合や、或いは退避データの記録容量が大きくなりすぎた場合であっても、共用エリア104又は105に空き領域が存在する限り、ディフェクト管理情報120及び退避データを記録することが可能である。従って、共用エリア104又は105(或いは、光ディスク100)の記録容量を効率的に且つ最大限に利用して、記録データの記録を行うことが可能となる。
尚、このようにディフェクト管理情報120と退避データとを連続的に続けて記録しなくとも、共用エリア104又は105内に記録する構成であれば、本発明の範囲に含まれるものである。
更に、複数の共用エリアを備える光ディスクであれば、少なくとも一つの共用エリアにおいて、上述の如くディフェクト管理情報120と退避データとを混在して(より好ましくは、夫々交互に連続的に)記録する構成であってもよい。これによっても、上述の如く共用エリアの記録容量を効率的に且つ最大限に利用して、記録データの記録を行うことが可能である。
具体的には、少なくとも一つの共用エリアを含む一の共用エリア群を、ディフェクト管理情報120を記録するために割り当て、少なくとも一つの共用エリアを含む他の共用エリア群を、退避データを記録するために割り当ててもよい。そして、これらの共用エリア群に含まれない一の共用エリアを、ディフェクト管理情報120及び退避データを混在して記録するように構成すれば、上述の如き記録再生装置200が有する各種利益を享受できる。このように、ディフェクト管理情報と退避データとが混在してデータが記録される共用エリアは一つの共用エリアであってもよいし、複数の共用エリアより選択した他の複数の共用エリアであってもよい。
又、このように複数の共用エリアを備える光ディスクであれば、一の共用エリアにディフェクト管理情報120及び退避データを記録していき、該一の共用エリアに係る記録容量の限度まで記録完了した場合に、他の共用エリアを新たに選択し、引き続きディフェクト管理情報120及び退避データを記録するように構成してもよい。即ち、複数の共用エリアを一つずつ順に記録していくことで、ディフェクト管理情報120及び退避データの記録動作に係る例えばピックアップ等の動作量を抑えることができる。即ち、記録動作の高速化や消費電力の低減等を実現することができる。但し、複数の共用エリアの夫々に任意にこれらのデータを記録していく構成であっても、共用エリアの記録容量を効率的に且つ最大限に利用してディフェクト管理を行いつつ、記録データを記録することは可能である。
次に、記録再生装置200におけるファイナライズ処理について説明する。図12はファイナライズ処理を示している。例えばユーザがファイナライズ処理を行う旨の指示を入力すると(図10中のステップS31:YES)、記録再生装置200は、光ディスク100がファイナライズ済みでないことを確認した上で(ステップS51:YES)、その光ディスク100に対してファイナライズ処理を行う(ステップS52)。ファイナライズ処理の際に、記録再生装置200は、ディフェクト管理情報120を光ディスク100の確定的ディフェクト管理エリア106又は107に反復的に2回記録する(ステップS53)。尚、ここで確定的ディフェクト管理エリア106又は107に記録されるディフェクト管理情報120は、ディフェクト管理情報作成部360内に記憶されたディフェクト管理情報120である。なお、この例では、確定的ディフェクト管理エリア106又は107に記録するディフェクト管理情報120の数を2つとしたが、3つ以上でもよいし、1つでもよい。以上で、ファイナライズ処理は完了する。
次に、記録再生装置200の再生動作について説明する。図13は記録再生装置200の再生動作を示している。
ユーザが再生開始の指示を入力すると(ステップS32:YES)、記録再生装置200は、光ディスク100が未記録ディスクでないことを確認した上で(ステップS71:NO)、光ディスク100のユーザデータエリア108に記録された記録データを再生する(ステップS72)。記録再生装置200は、バックエンド400のディフェクト管理477に記憶されたディフェクト管理情報120に基づいてディフェクト管理を行いながら、記録データの再生を行う。
本実施例では特に、ディフェクト管理情報120と退避データとが比較的近いアドレス位置に記録されているため、ディフェクト管理情報120を読み込んだ後に、該ディフェクト管理情報120により示される共用エリア104又は105内の記録データにアクセスしやすいという利点を有する。即ち、記録動作時と同様に、光ピックアップ352の動作量を抑えることが可能という利点を有するため、再生動作の高速化や再生動作に係る消費電力の低減等が可能となる。
以上より、本実施例の記録再生装置200によれば、光ディスク100をファイナライズする前においては、ディフェクト管理情報120を光ディスク100の共用エリア104又は105に記録し、光ディスク100をファイナライズするときには、ディフェクト管理情報120を光ディスク100の確定的ディフェクト管理エリア106又は107に記録する。又ファイナライズされていない光ディスク100に対しては、ディフェクト管理情報120を光ディスク100の共用エリア104又は105から読み取る。他方、ファイナライズ済みの光ディスク100に対しては、ディフェクト管理情報120を光ディスク100の確定的ディフェクト管理エリア106又は107から読み取る。これにより、ファイナライズ前の光ディスク100に対しても、ファイナライズ済みの光ディスク100に対しても、適切なディフェクト管理を行いながら、記録データの記録又は再生を実現することができる。
特に、共用エリア104又は105にディフェクト管理情報120及び退避データを記録することで、共用エリア104又は105の記録容量を最大限に利用して記録データを記録することが可能となる。更に、ディフェクト管理情報120と退避データとを連続的に記録することで、記録及び再生動作時の記録再生装置200の処理負担を低減させることも可能となる。
また、本実施例の記録再生装置200によれば、ファイナライズ処理の際に、ディフェクト管理情報120を光ディスク100の確定的ディフェクト管理エリア106又は107に記録する構成としたから、追記型光ディスク100と一般の書換型光ディスクとの間の互換性を確立することができる。
尚、上述した実施例では、本発明の追記型記録媒体を一層の光ディスクに適用した場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、2層以上の光ディスクにも適用することができる。図14は本発明の追記型記録媒体を2層光ディスクに適用した場合の例を示している。なお、本実施例は、第1層と第2層の記録方向が同一のパラレルトラックパスの例を示すが、第1層と第2層の記録方向が逆方向となるオポジットトラックパスの形態を採っても良い。
図14中の2層光ディスク150の第1層(図14中の上段)には、光ディスク100と同様に、リードインエリア151、ユーザデータエリア158、リードアウトエリア153が設けられ、リードインエリア151とユーザデータエリア158との間には共用エリア154が設けられ、ユーザデータエリア158とリードアウトエリア153との間には共用エリア155が設けられている。更に、リードインエリア151内及びリードアウトエリア153内にはそれぞれ確定的ディフェクト管理エリア154及び157が設けられている。第2層にも、光ディスク100と同様に、リードインエリア171、ユーザデータエリア178、リードアウトエリア173が設けられ、リードインエリア171とユーザデータエリア178との間には共用エリア174が設けられ、ユーザデータエリア178とリードアウトエリア173との間には共用エリア175が設けられている。更に、リードインエリア171内及びリードアウトエリア173内にはそれぞれ確定的ディフェクト管理エリア174及び177が設けられている。
尚、本発明の実施例の説明に用いた図面は、本発明の記録媒体、記録装置又は再生装置の構成要素等を、その技術思想を説明する限りにおいて具体化したものであり、各構成要素等の形状、大きさ、位置、接続関係などは、これに限定されるものではない。
加えて、上述の実施例では、記録媒体の一例として光ディスク100並びに再生記録装置の一例として光ディスク100に係るレコーダ又はプレーヤについて説明したが、本発明は、光ディスク並びにそのレコーダ又はプレーヤに限られるものではなく、他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種追記型記録媒体並びにそのレコーダ又はプレーヤにも適用可能である。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う追記型記録媒体、記録装置、再生装置、記録方法、再生方法並びにこれらの機能を実現するコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
本発明に係る追記型記録媒体、追記型記録媒体に記録データを記録する記録装置及び記録方法、追記型記録媒体に記録された記録データを再生する再生装置及び再生方法、記録又は再生制御用のコンピュータプログラム、並びにデータ構造は、例えば、民生用或いは業務用の、各種情報を高密度に記録可能な高密度光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等に利用可能であり、更に光ディスク等に係るレコーダ又はプレーヤ等にも利用可能である。また、例えば民生用或いは業務用の各種コンピュータ機器に搭載される又は各種コンピュータ機器に接続可能な、情報記録媒体、記録又は再生装置等にも利用可能である。

Claims (12)

  1. 記録データを記録するためのデータエリアと、
    前記データエリアのディフェクト管理情報を記録するための確定的ディフェクト管理エリアを含み、前記データエリアへの記録及び読取の少なくとも一方を制御する情報を記録するための制御情報記録エリアと、
    前記制御情報記録エリアと前記データエリアとの間に配置され、前記データエリアのディフェクト管理情報を一時的に記録するための且つ前記データエリアにおけるディフェクトが存在する場所に記録すべき記録データである退避データを記録するための共用エリアと
    を備えることを特徴とする追記型記録媒体。
  2. 前記共用エリアにおいては、前記退避データと前記ディフェクト管理情報とが連続的に記録されることを特徴とする請求項1に記載の追記型記録媒体。
  3. 前記共用エリアは、前記退避データ及び前記ディフェクト管理情報の夫々を複数回反復して記録されることを特徴とする請求項1又は2に記載の追記型記録媒体。
  4. (i)記録データを記録するためのデータエリアと、(ii)前記データエリアのディフェクト管理情報を記録するための確定的ディフェクト管理エリアを含み、前記データエリアへの記録及び読取の少なくとも一方を制御する情報を記録するための制御情報記録エリアと、(iii)前記制御情報記録エリアと前記データエリアとの間に配置され、前記データエリアのディフェクト管理情報を一時的に記録するための且つ前記データエリアにおけるディフェクトが存在する場所に記録すべき記録データである退避データを記録するための共用エリアとを備える追記型記録媒体に前記記録データを記録するための記録装置であって、
    前記記録データを前記データエリアに記録する第1記録手段と、
    前記退避データ又は前記ディフェクト管理情報を前記共用エリアに記録する第2記録手段と
    を備えることを特徴とする記録装置。
  5. 前記第2記録手段は、前記共用エリアへ前記退避データと前記ディフェクト管理情報とを連続的に記録することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  6. 前記第2記録手段は、前記共用エリアにおけるデータ記録済みの領域とデータ未記録の領域との境界点を始点として、前記未記録の領域へ前記退避データと前記ディフェクト管理情報とを記録することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  7. (i)記録データを記録するためのデータエリアと、(ii)前記データエリアのディフェクト管理情報を記録するための確定的ディフェクト管理エリアを含み、前記データエリアへの記録及び読取の少なくとも一方を制御する情報を記録するための制御情報記録エリアと、(iii)前記制御情報記録エリアと前記データエリアとの間に配置され、前記データエリアのディフェクト管理情報を一時的に記録するための且つ前記データエリアにおけるディフェクトが存在する場所に記録すべき記録データである退避データを記録するための共用エリアとを備える追記型記録媒体に前記記録データを記録するための記録方法であって、
    前記記録データを前記データエリアに記録する第1記録工程と、
    前記退避データ又は前記ディフェクト管理情報を前記共用エリアに記録する第2記録工程と
    を備えることを特徴とする記録方法。
  8. 請求項1に記載の追記型記録媒体に記録された前記記録データを再生するための再生装置であって、
    前記共用エリアに記録された前記ディフェクト管理情報を読み取る読取手段と、
    前記ディフェクト管理情報に基づいて、前記データエリアに記録された記録データ又は前記共用エリアに記録された退避データを再生する再生手段と
    を備えていることを特徴とする再生装置。
  9. 前記読取手段は、前記共用エリアにおけるデータ記録済みの領域とデータ未記録の領域との境界点を探索することで、前記ディフェクト管理情報を読み取ることを特徴とする請求項に記載の再生装置。
  10. 請求項1に記載の追記型記録媒体に記録された前記記録データを再生するための再生方法であって、
    前記共用エリアに記録された前記ディフェクト管理情報を読み取る読取工程と、
    前記読み取られたディフェクト管理情報に基づいて、前記データエリアに記録された記録データ又は前記共用エリアに記録された退避データを再生する再生工程と
    を備えていることを特徴とする再生方法。
  11. 請求項に記載の記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記第1記録手段及び前記第2記録手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  12. 請求項に記載の再生装置に備えられたコンピュータを制御する再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記読取手段及び前記再生手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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