JP3864492B2 - 鋼材の球状化焼きなまし方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、塑性加工、切削加工を容易にし、また、機械的性質を改善するために行われる鋼材の球状化焼きなまし方法に関し、特にこの球状化焼きなまし処理時間の短縮を図ることのできる技術を提案しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車及び産業機械等に用いられる機械部品には、従来から炭素鋼又は合金鋼が素材として汎用されている。
これらの機械部品は、通常、熱間圧延により製造される棒鋼線材を球状化焼きなましした後に、切断し、所定の形状に冷間鍛造し、最後に切削等の仕上加工を行うことによって製造されている。かかる機械部品の製造工程のうち、冷間鍛造は、製品の加工精度、量産性及びコストの点で優れているので多用されているが、加工精度や型寿命などの観点から冷間鍛造性を向上させることが望まれるところであり、そのために、予め鋼中炭化物を球状化し、鋼材の変形抵抗を低下させる目的で球状化焼きなましが施される。
【0003】
球状化焼きなましの条件としては、図1にヒートパターンの一例を示すようにA1変態点直上に長時間の加熱保持し、その後徐冷する方法、又は図2に示すようにA1直上での加熱保持後にA1直下で保持後、冷却する方法が一般的である。しかし、かかる球状化焼きなましは長時間に及び、さらに高温でかつ長時間加熱のために熱処理費用が嵩むという問題を有しており、球状化焼きなまし時間が長いと生産性を著しく阻害することもあって、その時間短縮が望まれる。
【0004】
これらの解決策として、例えば特公平6−2898号公報には、高炭素クロム軸受鋼の短時間球状化熱処理方法を開示し、具体的には図3に示すヒートパターンで鋼材を 780〜820 ℃に加熱保持後Ar1変態点以下まで50〜200 ℃/hで冷却する第1次球状化処理と、Ac1変態点〜Ac1変態点+30℃に加熱後Ar1変態点以下まで50〜200 ℃/hで冷却する3回以上の第2次球状化処理の組み合わせからなる熱処理を行うことの提案がある。しかしながら、上記特公平6−2898号公報に開示の方法は、従来20時間かかっていたものを10時間にしたという熱処理時間の短縮効果はあっても依然として10時間という長時間を要し、かつ数回の繰り返し熱サイクルを加えるものであることから、エネルギーコスト及び温度制御の点では問題が残されていたままである。
【0005】
更に、特開平4−173921号公報、特開平4−236715号公報及び特開平4−365816号公報では、圧延条件や冷却条件を制御することによって熱間圧延とその後の球状化焼きなましの連続処理時間を短縮する発明がなされているが、その制御が煩雑なうえ、処理時間の短縮にも限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、かかる実情に鑑み、煩雑な制御を行うことなく、短時間で直接球状化焼きなまし組織を得ることができ、ひいてはエネルギーコストを低減することのできる鋼材の球状化焼きなまし方法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上掲の目的に鑑み、その実現のためになされたものである。すわなち、発明者らが熱間圧延後の直接球状化焼きなましについて検討を行った結果、
1)球状化焼きなましにおいて、変態温度範囲で磁場を印加させることにより、変態が促進され、短時間で球状化焼きなましを完了させることができる、
2)さらに、熱間圧延後の冷却において、変態温度範囲で磁場を印加することにより、パーライトあるいはフェライト+パーライト組織が微細化する。更に、過共析鋼では初析のセメンタイトの発生が抑制されることで、その後の球状化焼きなましが短時間で完了する、
ことを見いだし、この発明に至った。
【0008】
すなわち、かような知見のもとに開発したこの発明の要旨構成は、次のとおりである。
C:0.15〜2.0 mass%を含有する鋼に熱間圧延を行い、A1変態点以下又はAcm 変態点以下にまで冷却した後に球状化焼きなましをするに当たり、
この球状化焼きなまし処理時にキュリー点以下の温度において絶対値で0.1 T/cm以上 10T/cm 以下の勾配のある磁場を印加することを特徴とする鋼材の球状化焼きなまし方法(第1発明)。
C:0.15〜2.0 mass%を含有する鋼に熱間圧延を行い、A1変態点以下又はAcm 変態点以下にまで冷却した後に球状化焼きなましをするに当たり、
この球状化焼きなましの直前にAc3 変態点以上又はAcm 変態点以上に加熱し冷却する工程を行い、この工程の冷却中、少なくとも(A3変態点+30℃) 〜(A1変態点−30℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で絶対値で0.1T/cm以上 10T/cm以下の勾配のある磁場を印加することを特徴とする鋼材の球状化焼きなまし方法(第2発明)。
C:0.15〜2.0 mass%を含有する鋼に熱間圧延を行い、A1変態点以下又はAcm 変態点以下にまで冷却した後に球状化焼きなましをするに当たり、
熱間圧延に引き続く冷却の際、少なくとも(A3変態点+30℃) 〜(A1変態点−30℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で0.1T/cm以上 10T/cm以下の勾配のある磁場を印加するとともに、
この球状化焼きなまし処理時にキュリー点以下の温度において絶対値で0.1 T/cm以上 10T/cm 以下の勾配のある磁場を印加することを特徴とする鋼材の球状化焼きなまし方法(第3発明)。
第1発明又は第3発明において、球状化焼きなまし処理時に絶対値で0.1 T/cm 以上10T/cm 以下の勾配のある磁場を印加する温度範囲が(A3変態点+50℃) 〜(A1変態点−50℃)又は(Acm 変態点+100 ℃)〜(A1変態点−50℃)である鋼材の球状化焼きなまし方法(第4発明)。
第1発明〜第3発明において、磁場の強さが2〜30Tである鋼材の球状化焼きなまし方法(第5発明)。
【0009】
ここで、圧延後の球状化焼きなましは、図1あるいは図2等に示した一般的な条件で何ら問題はない。
【0010】
【発明の実施の形態】
球状化焼きなましにおける、変態温度範囲で磁場を印加させることにより、変態が促進され、短時間で球状化焼きなましを完了させることができる。そのため、第1発明では、球状化焼きなまし処理時にキュリー点以下の温度において絶対値で0.1 T/cm 以上10T/cm 以下の勾配のある磁場を印加する。
【0011】
また、球状化焼きなましによる球状化の程度は、球状化焼きなまし前の組織が大きな影響を及ぼしていることも見いだした。すなわち、亜共析鋼あるいは共析鋼では、球状化焼きなまし前の組織を微細なフェライト−パーライトにすることにより、また、過共析鋼では、前組織での初析セメンタイト発生を抑制することにより、球状化の程度が向上することが明らかとなった。その理由は、亜共析鋼あるいは共析鋼では前の組織を微細なフェライト−パーライトにするほど最高加熱温度において小さな炭化物の核が発生し易く、これらの核がその後の冷却中に成長し、球状化の程度が向上するためであり、過共析鋼の場合は前組織での初析セメンタイト発生を抑制すればするほど最高加熱温度において小さな炭化物の核が残留し易く、これらの核がその後の冷却中に成長し、球状化の程度が向上するためである。
【0012】
そこで、第2発明においては、球状化焼きなまし前の組織を亜共析鋼あるいは共析鋼では、微細なフェライト−パーライトに、また、過共析鋼では、初析セメンタイト発生を抑制した組織にするために、図4にヒートパターンの一例を示すように、球状化焼きなましの直前にAc3 変態点以上又はAcm 変態点以上に加熱し冷却する工程を行い、この工程の冷却中、少なくとも(A3変態点+30℃) 〜(A1変態点−30℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で絶対値で0.1T/cm以上 10T/cm以下の勾配のある磁場を印加する。
【0013】
第1発明及び第2発明のように、球状化焼きなまし時に磁場を印加した場合でも、球状化焼きなましの前に所定の勾配を有する磁場を印加した場合でも、いずれも球状化焼きなまし時間の短縮に有効に寄与することが、発明者らの研究で明らかとなった。そこで、第3発明では、熱間圧延に引き続く冷却の際、少なくとも(A3変態点+30℃) 〜(A1変態点−30℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で絶対値で0.1T/cm以上 10T/cm以下の勾配のある磁場を印加するとともに、この球状化焼きなまし処理時にキュリー点以下の温度で同様の勾配を有する磁場を印加する。
【0014】
第1発明又は第3発明においては、球状化焼きなまし処理時に所定の勾配を有する磁場を印加する温度範囲が(A3変態点+50℃) 〜(A1変態点−50℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−50℃)であることが好適であるため、第4発明にて規定し、また、第1発明〜第3発明においては、印加する磁場の強さが2〜30Tであることが好適であるため、第5発明にて規定する。
【0015】
この発明に係る球状化焼きなまし方法について、より具体的に説明する。
C:0.15〜2.0 mass%
この発明を適用する鋼は、C量が0.15〜2.0 mass%のものである。Cは、固溶して基地を強化し、機械部品としての十分な強度、耐摩耗性を確保する目的で、0.15mass%以上添加する。一方、2.0 mass%を超えると母材のじん性が著しく低下するばかりか、この発明にかかる製造方法においても初析のセメンタイトが生成することから、0.15〜2.0 mass%の範囲とした。より好ましくは、0.15〜1.5 mass%である。したがって、この発明は、低炭素鋼から中炭素鋼、高炭素鋼、さらには低合金鋼(例えば高炭素クロム軸受鋼、工具鋼)、高合金鋼(ステンレス鋼)まで、広い範囲にわたって適用することができる。
【0016】
第1発明で、磁場勾配の大きさを絶対値で0.1 T/cm以上 10T/cm 以下とした理由は、0.1 T/cm 未満では磁場印加の効果は得られず、一方10T/cm を超えるとその効果は飽和する。そこで磁場勾配の大きさは0.1 T/cm以上 10T/cm 以下とした。なお、磁場勾配の大きさはその絶対値で決まるので、プラス、マイナスのいずれでも構わない。
また、球状化焼きなまし処理時に磁場を印加する温度範囲がキュリー点(770 ℃)以下とした理由は、キュリー点超えでは磁気エネルギーの効果が生じないからである。さらに、生産性を考慮すると、(A3変態点+50℃) 〜(A1変態点−50℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−50℃)であることが好適であり、この温度範囲外で磁場を印加しても効果が小さい。
また、上記した磁場勾配さえ付加しておけば磁場の強さは特に限定されることはないが、印加する磁場の強さは2〜30Tが好適で、2T未満では球状化焼きなましの短時間化が図れず、短時間の球状化焼きなましでは初析のセメンタイトを完全に分断できずに残留する場合があり、一方、30Tを超える場合は、磁場印加の設備が高価でかつ大型になるため、2〜30Tが望ましい。更に、かかる球状化焼きなましは、熱間圧延後にA1変態点以下又はAcm 変態点以下にまで冷却してから、それに引き続いて行う必要がある。
【0017】
第2発明においては、球状化焼きなましの直前にAc3 変態点以上又はAcm 変態点以上に加熱し冷却する工程を行う。加熱温度は、単一オーステナイト組織になる範囲であれば良いが、Ac3変態点+30℃又はAcm +100 ℃もあれば十分である。
【0018】
この加熱に引き続く冷却中に、亜共析鋼または共析鋼では少なくとも(A3変態点+30℃) 〜(A1変態点−30℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で所定の勾配を有する磁場を印加し、過共析鋼では少なくとも(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で同様に磁場を印加する。
亜共析鋼または共析鋼では球状化焼なまし前の組織をできるだけ微細なフェライト−パーライトにするほうが球状化組織は改善される。発明者らによる磁場印加温度と球状化組織との関係を調べたところ、(A3変態点+30℃) 〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で磁場を印加した場合が最も前組織が微細なフェライト−パーライトになり、球状化組織は改善されることが判明したのであり、逆にこの冷却温度範囲に所定の勾配を有する磁場を印加しないとフェライト−パーライトの微細化が不十分である。
過共析鋼では前組織での初析セメンタイト発生をできるだけ抑制するほうが球状化組織は改善される。発明者らによる磁場印加温度と球状化組織との関係を調べたところ、(Acm変態点+100 ℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で所定の勾配を有する磁場を印加した場合が最も初析セメンタイト発生が抑制でき、球状化組織は改善されることが判明したのであり、逆にこの冷却温度範囲で磁場を印加しないと初析セメンタイトの抑制は不十分である。磁場の勾配は0.1 T/cm〜10T/cm、および印加する磁場の強さは2〜30Tが好適であり、2T未満では鋼中炭素量と他の合金元素との組み合わせにより、亜共析鋼あるいは共析鋼では前の組織を微細なフェライト−パーライトにすることが不十分であり、過共析鋼では前組織での初析セメンタイトの発生抑制が不十分となるからである。
【0019】
第3発明においては、第1発明のように球状化焼きなまし処理時に所定の勾配を有する磁場を印加するのみならず、熱間圧延に引き続く冷却の際に、少なくとも(A3変態点+30℃) 〜(A1変態点−30℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で同様の磁場を印加する。この温度範囲に限定した理由は、第2発明の説明で述べたところと同様である。また、印加する磁場の強さも2〜30Tが好ましいが、その理由は第1発明及び第2発明の説明で述べたところと同様である。
なお、第2発明、第3発明において、冷却中に磁場を印加する際の冷却速度は初析のフェライトとパーライト、あるいは初析のセメンタイトとパーライトとなる冷却速度であれば、特に限定されることはない。
【0020】
【実施例】
(実施例1)
JIS 規格におけるS53C及びSUJ2の化学組成を有する鋼を転炉で溶製後、連続鋳造により400 mm×560 mmのブルームとした。次いで、熱間圧延により25mmφの棒鋼とし、
条件1:(A1−50℃)まで放冷、
条件2:(A3+50℃) 又は(Acm+100℃)から(A1−50℃)まで5Tの磁場中で放冷、
条件3:室温まで放冷、
の3種の方法で冷却した。次いで、条件1及び条件2は図5に示す方法で、条件3は図6に示す条件でそれぞれ球状化焼きなましを行った。この球状化焼きなましのときの磁場の強さは表1に示したとおりである。その後、ミクロ組織を観察するとともに、硬さを測定した。その結果を表1に併記する。
【0021】
【表1】
【0022】
S53C及びSUJ2のいずれも、この発明に従う適合例は熱間圧延と短時間の球状化焼きなまし条件の組み合わせにより良好な球状化組織が得られ、室温まで冷却後にS53Cであれば19時間、SUJ2であれば23時間の熱処理条件で行った従来材と同等以下の硬さが得られている。
【0023】
(実施例2)
表2に示す種々の化学成分になる鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法で鋳片としたのち、55mmφの棒鋼に圧延した。更に、この棒鋼をAc3変態点以上又はAcm変態点以上である1000℃に加熱後、冷却中に種々の条件で磁場を印加してかから、球状化焼きなましを施した。そして、各素材からミクロサンプルを切り出し、5000倍で10視野ずつ炭化物の形状を調べ、炭化物の球状化の程度を調べた。その結果を表3に示す。なお、球状化の程度を定量化するために球状化率(炭化物の長径/短径の比が2以下の炭化物が総炭化物個数に閉める割合)を用いて評価した。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
表3において、この発明に従い、磁場を印加した場合は、従来に比較して良好な球状化組織、あるいは少ないエネルギーで同様な良好な球状化組織が得られてる。これに対して、比較例No. 11〜20は、磁場の印加条件がこの発明の範囲を外れているため、従来と比較してやや改善されてはいるものの、依然として不十分な球状化組織となっている。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は、球状化焼きなまし時、また必要に応じて球状化焼きなましの前の冷却時に磁場を印加することにより、球状化焼きなまし処理時間を著しく短縮することが可能になり、球状化組織を有する鋼材の生産性を著しく向上させることが可能で、工業的価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な球状化焼きなましのヒートパターンを示す図である。
【図2】一般的な球状化焼きなましのヒートパターンを示す図である。
【図3】従来の球状化焼きなましのヒートパターンの一例を示す図である。
【図4】第2発明における球状化焼きなましのヒートパターンの一例を示す図である。
【図5】実施例1における球状化焼きなましのヒートパターンを示す図である。
【図6】実施例1における球状化焼きなましのヒートパターンを示す図である。
Claims (5)
- C:0.15〜2.0 mass%を含有する鋼に熱間圧延を行い、A1変態点以下又はAcm 変態点以下にまで冷却した後に球状化焼きなましをするに当たり、
この球状化焼きなまし処理時にキュリー点以下の温度において絶対値で0.1T/cm以上10T/cm以下の勾配のある磁場を印加することを特徴とする鋼材の球状化焼きなまし方法。 - C:0.15〜2.0 mass%を含有する鋼に熱間圧延を行い、A1変態点以下又はAcm 変態点以下にまで冷却した後に球状化焼きなましをするに当たり、
この球状化焼きなましの直前にAc3 変態点以上又はAcm 変態点以上に加熱し冷却する工程を行い、この工程の冷却中、少なくとも(A3変態点+30℃) 〜(A1変態点−30℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で、絶対値で0.1 T/cm以上 10T/cm 以下の勾配のある磁場を印加することを特徴とする鋼材の鋼材の球状化焼きなまし方法。 - C:0.15〜2.0 mass%を含有する鋼に熱間圧延を行い、A1変態点以下又はAcm 変態点以下にまで冷却した後に球状化焼きなましをするに当たり、
熱間圧延に引き続く冷却の際、少なくとも(A3変態点+30℃) 〜(A1変態点−30℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−30℃)の温度範囲で、絶対値で0.1 T/cm以上 10T/cm 以下の勾配のある磁場を印加するとともに、
この球状化焼きなまし処理時にキュリー点以下の温度において絶対値で0.1T/cm以上10T/cm以下の勾配のある磁場を印加することを特徴とする鋼材の球状化焼きなまし方法。 - 球状化焼きなまし処理時に、絶対値で0.1 T/cm以上 10T/cm以下の勾配のある磁場を印加する温度範囲が(A3変態点+50℃) 〜(A1変態点−50℃)又は(Acm変態点+100℃)〜(A1変態点−50℃)である請求項1又は3記載の鋼材の球状化焼きなまし方法。
- 磁場の強さが2〜30Tである請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋼材の球状化焼きなまし方法。
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