JP3863949B2 - デジタル情報記録担体、デジタル情報解読方法およびデジタル情報解読装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録面にデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体、および、そのような記録担体に記録されたデジタル情報を解読するデジタル情報解読方法に関する。また、そのような解読方法を実施するためのデジタル情報解読装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、紙などの平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に0と1のデータを表す白または黒を付して、記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして表現する記録方法が盛んに開発されている。
【0003】
本出願人は先に、図22に示すように、記録面20内に設けられた情報記録領域23の内部に位置する桝目の読み取り誤差を少なくするために、情報記録領域23の内部に、桝目の位置を示すための特定パターン22を配置する方式を提案した(特願平06−325275号)。
【0004】
すなわち、記録面20内で、実際に情報が記録されている情報記録領域23内には、本来の記録情報を表す領域21の隙間に、特定の形状に連結した複数の桝目に特定のパターンで白黒を付してなる特定パターン22が複数配置されている。この例では、矩形の情報記録23内に、縦4×横3の合計12個の特定パターン22が縦横それぞれ一定間隔(縦方向の間隔と横方向の間隔は同じであっても異なっていてもよい)で行列状に配置されている。図23によってよく分かるように、特定パターン22の配列で最上段、最下段、左列、右列に属する10個の特定パターン22は情報記録領域23の外周に沿って配置され、残りの2個の特定パターン22は情報記録領域23の外周から離間した内部(中央部近傍)に配置されている。
【0005】
図24に示すように、この特定パターン22は、黒が付された1個の桝目からなる中心部51と、その周囲を環状に取り囲む白が付された8個の桝目からなる第1環状部52と、さらにその周囲を環状に取り囲む黒が付された16個の桝目からなる第2環状部53とで構成されている。全体として5行×5列の合計25個の桝目を含む正方形のブロックとなっている。
【0006】
この特定パターン22は、1)情報記録領域23の内部に埋没する形で配置されていても比較的見つけやすい、2)特定パターン22を構成する桝目の数が25桝目と比較的小さい、3)特定パターン22の近傍に同じパターンが現れる場合であっても比較的遠い位置(縦または横に4桝目ずれた位置)にしか現れない(図25参照)、4)白桝目と黒桝目がバランスよく配置されているため、汚れやにじみなどの影響を受けにくい、5)読み取りアルゴリズムとして、中心部(黒)51が第1環状部(白)52に囲まれた閉領域を構成しており、かつ第1環状部52もまた第2環状部(黒)43に囲まれた閉領域を構成しているという特徴を調べることによって簡単に見つけることができる、といった利点をもっている。
【0007】
特定パターン22を設けた情報記録領域23に記録情報をマッピングする仕方は図26に示すようなものである。図26は、図22に示した情報記録領域23の一部に相当する横35×縦20の桝目の部分23Aを示している。この情報記録領域23Aには、6個(横方向3個×縦方向2個)の特定パターン22が、横15桝目おき、かつ縦15桝目おきに配置されている。情報記録領域23Aの桝目700個のうち特定パターン22に用いられる桝目の数は150個であり、残り550個の桝目21が本来の記録情報を表すために用いられている。本来の記録情報を表すために用いられる桝目21にはアドレス番地1,2,…,550(簡単のため一部の番地のみ示す)が付されている。アドレス番地は、左上隅の特定パターン22に接する第1行の左端の桝目から右へ向かって1番地から10番地、さらに最上段中央の特定パターン22を越えて11番地から20番地となっている。第2行から第5行まで同様に番地付けがなされ、第5行の右端の特定パターンに接する桝目が100番地となっている。第6行から第15行までは各行左端の桝目から右へ向かって1ずつ番地が増加している。第16行から第20行までは、第1行から第5行までと同様に、中央の特定パターン22を越えて番地付けがなされている。このようにして、行の中央に特定パターン22が配置されているときはその特定パターン22を越えて番地付けがなされている。アドレス番地1の桝目には記録情報の1番目のビット情報が対応し、ビット情報の値が「1」の番地は黒、「0」の番地には白がその桝目に付される。以下同様に記録情報が記録され、この結果、情報記録領域23Aの550個の桝目21に550ビットのデジタル情報がマッピングされ得る。
【0008】
図22のように情報記録領域23内に特定パターン22を配置した形式のデジタル記録情報は、以下のようにして読み取ることができる。
【0009】
まず、情報記録領域23内で特定パターン22を探索して、特定パターン22が縦横それぞれ一定間隔で行列状に配置されているという配置情報をもとに、特定パターン22の位置情報を得る。
【0010】
次に図27に示すように、情報記録領域23のうち隣合う4個の特定パターン22を含む領域(M行N列の桝目を含む領域)毎に、本来の記録情報を表す桝目21の値を得る。
【0011】
詳しくは、左上(0行0列目)の特定パターン22の位置をP00、右上(0行N列目)の特定パターン22の位置をP0N、左下(M行0列目)の特定パターン22の位置PM0、右下(M行N列目)の特定パターン22の位置をPMNとし、これら4個の特定パターン22に囲まれた領域内のm行n列目(m,nは任意の整数)の桝目の位置をPmnとする。
【0012】
P00とP0Nとをn:(N−n)に内分した点をP0n、
PM0とPMNとをn:(N−n)に内分した点をPMn、
P00とPM0とをm:(M−m)に内分した点をPm0、
P0NとPMNとをm:(M−m)に内分した点をPmNとすると、求めるPmnの桝目の位置は、P0nとPMnとを結ぶ直線L1と、Pm0とPmNと結ぶ直線L2との交点として表わされる。直線L1と直線L2との交点Pmnは、直線L1をm:(M−m)に内分した点または直線L2をn:(N−n)に内分した点としても表わされる。上記4個の特定パターンの位置P00、P0N、PM0、PMNを用いて、これら4個の特定パターン22に囲まれた領域内の桝目の位置Pmnを表すと、
【数1】
となる。このようにして各桝目の位置Pmnを求め、この位置Pmnの値を調べることにより、各桝目の値を知ることができる。
【0013】
記録面20全体に対して不均一な歪みが生じた場合であっても、このように隣接する4個の特定パターンに囲まれた小さな領域に対して生じる歪みはほぼ比例的な歪みに近似される。したがって、この方式によれば、記録面20に多少歪みがあったとしても、デジタル情報を正確に読み取ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、記録面20に記録された情報を解読するときに、読取誤りを防止するために、情報記録領域23の天地左右の向きを正しく識別することが極めて重要である。
【0015】
しかしながら、上述の情報記録方法では、特定パターン22が記録面20内での90°、180°、270°の回転に対して対称(4回の回転対称)になっていることから、情報記録領域23内に特定パターン22が縦横同一間隔で配置されている場合は、読み取り時に、情報記録領域23が本来の向きから90°、180°または270°回転されているか否かを識別するのが難しいという問題がある。なお、特定パターン22の縦の間隔と横の間隔とが異なる場合(例えば行方向は20桝目おきに特定パターンが現れ、列方向は30桝目おきに特定パターンが現れるような場合)であっても、180°の回転を見分けることが困難となる。
【0016】
ここで、本出願人は、図28に示すように、情報記録領域23の四隅に配置された特定パターンを、残りの特定パターン22と形状や明暗が異なるパターン22J,22J#,22K,22K#とすることによって、四隅の特定パターンを記録面20内での90°、180°、270°の回転に対して全体として非対称として、読み取り時に情報記録領域23の天地左右の向きを容易に識別できるようにする技術を提案している(特願平06−325275号)。しかしながら、図28のような方法では、四隅の特定パターン22J,22J#,22K,22K#を構成する枡目の数が残りの特定パターン22を構成する枡目の数に比して大きくなり、その結果、特定パターンの設定や識別の手順が煩雑になるという問題がある。また、四隅の特定パターン22J,22J#,22K,22K#が潰れてしまった場合、情報記録領域23の天地左右の向きを示す情報が失われてしまうという問題がある。
【0017】
また、本出願人は、図29(a),(b)に示すように、情報記録領域23の外周に沿って配置された特定パターン22の間に余白部27を設け、この余白部27に情報記録領域23の天地左右の向きを表す矢印状のパターンを配置する方法や、情報記録領域23の左上隅のセグメントGに、それと同様の矢印状のパターンを配置する方法も提案している(特開平07−056077号)。しかしながら、これらの方法では、読み取り時に、一旦桝目単位の情報を読み取ってからしか天地左右の認識を行うことができない。このため、最初に情報記録領域23の天地左右の向きが間違っていた場合は、枡目単位の記録情報の解読をやり直さなければならないという問題がある。
【0018】
そこで、この発明の目的は、平面状の記録面に設けられた情報記録領域にビットに対応する桝目単位でデジタル情報を記録する場合に、1種類の特定パターンでもって情報記録領域の天地左右の向きを示すことができ、その天地左右の向きを表す情報が失われにくく、かつ、枡目単位の記録情報を読み取る前に情報記録領域の天地左右の向きを識別することができるデジタル情報記録担体を提供することにある。
【0019】
また、この発明の目的は、そのような記録担体に記録されたデジタル情報を読み取るのに適したデジタル情報解読方法を提供することにある。
【0020】
また、この発明の目的は、そのような解読方法を実施するのに適したデジタル情報解読装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のデジタル情報記録担体は、平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体であって、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであることを特徴とする。
【0022】
この請求項1のデジタル情報記録担体では、方向性特定パターンが記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称なパターンであるため、1種類の方向性特定パターンでもって情報記録領域の天地左右の向きが示される。したがって、方向性特定パターンの設定や識別の手順が煩雑になることがない。具体的には、上記方向性特定パターンの中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とに基づいて情報記録領域の天地左右の向きを求めることができ、簡単な処理でもって情報記録領域の天地左右の向きを識別することができる。しかも、この方向性特定パターンは、情報記録領域内での位置を示すとともに、情報記録領域の天地左右の向きを示す役割を果たすので、本来の記録情報を表す領域を比較的広くすることができ、情報記録領域が有効に利用される。
【0023】
また、上記1種類の方向性特定パターンを情報記録領域内に複数配置した場合、一部(例えば情報記録領域の四隅)の方向性特定パターンが潰れたとしても、残りの方向性特定パターンによって情報記録領域の天地左右の向きが示される。したがって、情報記録領域の四隅に形状や明暗が異なる別の特定パターンを設けて情報記録領域の天地左右の向きを表す場合に比して、情報記録領域の天地左右の向きを示す情報が失われにくくなる。
【0024】
また、読み取り時に、まず情報記録領域内の方向性特定パターンを探索してそのパターンを分析することによって情報記録領域の天地左右が分かるので、枡目単位の本来の記録情報を読み取る前に情報記録領域の天地左右の向きが識別される。したがって、最初に情報記録領域の天地左右の向きが間違っていたとしても、枡目単位の記録情報の解読をやり直す必要がなくなる。
【0025】
また、このデジタル情報記録担体では、上記方向性特定パターンの構成のお陰で、情報記録領域内で方向性特定パターンを見つけることが容易になる。また、方向性特定パターンを構成する枡目の数が比較的少なくなる。また、上記方向性特定パターンは、近傍に同一又は類似のパターンが本来の記録情報として現れた場合に、そのパターンと重なりにくい。また、上記方向性特定パターンは印刷時の汚れやインクのにじみなどの影響を受けにくい。また、方向性特定パターンを見つけるアルゴリズムが簡単になる。
【0026】
請求項2に記載のデジタル情報記録担体は、請求項1に記載のデジタル情報記録担体において、上記方向性特定パターンは、上記情報記録領域の四隅のうちの少なくとも一つに配置されていることを特徴とする。
【0027】
この請求項2に記載のデジタル情報記録担体では、上記方向性特定パターンは、上記情報記録領域の四隅のうちの少なくとも一つに配置されている。したがって、読み取り時に、ビットマップデータの左上隅、右上隅、左下隅、右下隅から斜め方向にスキャンすることによって、上記方向性特定パターンを見つけることができる。
【0028】
請求項3に記載のデジタル情報解読方法は、平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル情報を解読するデジタル情報解読方法であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記情報記録領域内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求め、
上記方向性特定パターンの上記中心部の重心位置、上記第1環状部の重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とに基づいて情報記録領域の天地左右の向きを求め、
求めた上記情報記録領域の天地左右の向きと上記方向性特定パターンの位置とに基づいて、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を読み取ることを特徴とする。
【0029】
この請求項3のデジタル情報解読方法では、上記方向性特定パターンの中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とに基づいて情報記録領域の天地左右の向きを求めるので、簡単な処理でもって情報記録領域の天地左右の向きを識別することができる。
【0030】
また、このデジタル情報解読方法では、上記情報記録領域の天地左右の向きを求めた上で、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報(本来の記録情報)を読み取るので、本来の記録情報が1回の解読処理で正しく読み取られる。
【0031】
なお、上記デジタル情報記録担体上で上記方向性特定パターンの中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とがずれているので、読み取り時に上記情報記録領域の天地左右の向きは必ず求められる。
請求項4に記載のデジタル情報解読方法は、平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル情報を解読するデジタル情報解読方法であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記記録面に記録された2次元パターンを読取手段によって読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを作成した後、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求め、
上記方向性特定パターンの上記中心部の重心位置、上記第1環状部の重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とに基づいて情報記録領域の天地左右の向きを求め、
求めた上記情報記録領域の天地左右の向きに基づいて、上記ビットマップデータに現れた上記情報記録領域が正しい向きになるように上記ビットマップデータに対して回転処理を施し、
上記回転処理後の上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を読み取ることを特徴とする。
【0032】
この請求項4に記載のデジタル情報解読方法では、上記回転処理を施すことによって情報記録領域の天地左右が正しい向きを向くので、それに続く本来の記録情報を解読する処理が簡単に行われる。また、記録面に記録された2次元パターンを読取手段によって読み取る処理が1回で済む。
【0033】
なお、情報記録領域が矩形である場合は、情報記録領域の天地左右の向きの誤りが通常は90°、180°または270°であることが多い。ビットマップデータに対して90°、180°または270°の回転処理(座標変換処理)を施すことは、公知の技術であり、比較的容易に行われる。
【0034】
請求項5に記載のデジタル情報解読方法は、平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル情報を解読するデジタル情報解読方法であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記記録面に記録された2次元パターンを読取手段によって読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを作成した後、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求め、
上記方向性特定パターンの上記中心部の重心位置、上記第1環状部の重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とに基づいて情報記録領域の天地左右の向きを求め、
求めた情報記録領域の天地左右の向きに基づいて、上記読取手段に対して上記情報記録領域が正しい向きになるように上記読取手段と記録面とを相対的に回転させ、
再び上記記録面に記録された2次元パターンを上記読取手段によって読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを作成し、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求め、
上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を読み取ることを特徴とする。
【0035】
この請求項5に記載のデジタル情報解読方法では、読取手段に対して情報記録領域が正しい向きになるように上記読取手段と記録面とを相対的に回転させた後、再び読み取りを行うので、請求項4と異なり、ビットマップデータに対して回転処理(座標変換処理)を施す必要がない。したがって、本来の記録情報を解読する処理が簡単に行われる。また、ビットマップデータの座標変換処理に必要なメモリも不要となる。さらに、上記読取手段と記録面との相対的な回転は連続的に行われることから、回転角度は任意に設定できる。
【0036】
請求項6に記載のデジタル情報解読装置は、平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル情報を解読するデジタル情報解読装置であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記記録面に記録された2次元パターンを読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを出力する読取手段と、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求める探索手段と、
上記方向性特定パターンの上記中心部を構成するドットの重心位置、上記第1環状部を構成するドットの重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とを比較して、上記ビットマップデータ内での上記情報記録領域の傾きを検出する傾き検出手段と、
上記傾き検出手段が検出した上記情報記録領域の傾きに基づいて、上記ビットマップデータに対する0°、90°、180°または270°の回転処理のうち、その回転処理後のビットマップデータ内での上記情報記録領域の傾きが±45°以内になる回転処理を選択して、この選択した回転処理を上記ビットマップデータに対して施すビットマップデータ回転手段と、
上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記回転処理後の上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を再現する情報解読手段と、
上記情報解読手段が再現したデジタル情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0037】
この請求項6のデジタル情報解読装置は次のように動作する。
【0038】
まず、読取手段が、上記記録面に記録された2次元パターンを読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを出力する。
【0039】
次に、探索手段が、上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求める。
【0040】
次に、傾き検出手段が、上記方向性特定パターンの上記中心部を構成するドットの重心位置、上記第1環状部を構成するドットの重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とを比較して、上記ビットマップデータ内での上記情報記録領域の傾きを検出する。この処理は比較的簡単に行われる。
【0041】
次に、ビットマップデータ回転手段が、上記傾き検出手段が検出した上記情報記録領域の傾きに基づいて、上記ビットマップデータに対する0°、90°、180°または270°の回転処理のうち、その回転処理後のビットマップデータ内での上記情報記録領域の傾きが±45°以内になる回転処理を選択する。そして、この選択した回転処理を上記ビットマップデータに対して施す。
【0042】
次に、情報解読手段が、回転処理後の上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記回転処理後の上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を再現する。
【0043】
そして、出力手段が上記情報解読手段が再現したデジタル情報を出力する。
【0044】
このようにして、この請求項6のデジタル情報記録装置によれば、上記デジタル情報記録担体に記録されたデジタル情報を解読することができる。
【0045】
請求項7に記載のデジタル情報解読装置は、平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル情報を解読するデジタル情報解読装置であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記記録面に記録された2次元パターンを読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを出力する読取手段と、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求める探索手段と、
上記方向性特定パターンの上記中心部を構成するドットの重心位置、上記第1環状部を構成するドットの重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とを比較して、上記読取手段と上記情報記録領域との間の回転方向の相対的な傾きを検出する傾き検出手段と、
上記傾き検出手段が検出した傾きに基づいて、上記傾きが解消するように上記読取手段と記録面とを相対的に回転させる機械的回転手段と、
上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を再現する情報解読手段と、
上記情報解読手段が再現したデジタル情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0046】
この請求項7のデジタル情報解読装置は次のように動作する。
【0047】
まず、読取手段が、上記記録面に記録された2次元パターンを読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを出力する。
【0048】
次に、探索手段が、上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求める。
【0049】
次に、傾き検出手段が、上記方向性特定パターンの上記中心部を構成するドットの重心位置、上記第1環状部を構成するドットの重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とを比較して、上記読取手段と上記情報記録領域との間の回転方向の相対的な傾きを検出する。この処理は比較的簡単に行われる。
【0050】
次に、機械的回転手段が、上記傾き検出手段が検出した傾きに基づいて、上記傾きが解消するように上記読取手段と記録面とを相対的に回転させる。
【0051】
次に、上記読取手段が、再び上記記録面に記録された2次元パターンを読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを出力する。
【0052】
次に、探索手段が、再び上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求める。
【0053】
次に、情報解読手段が、上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を再現する。
【0054】
そして、出力手段が上記情報解読手段が再現したデジタル情報を出力する。
【0055】
このようにして、この請求項7のデジタル情報記録装置によれば、上記デジタル情報記録担体に記録されたデジタル情報を解読することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0057】
図1は一実施形態のデジタル情報記録担体に記録された記録情報の例を示している。この記録担体では、記録面20に対してデジタル情報のビットに対応する行列状の正方形の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に、光学的に認識可能なマークとして“0”を表す白(明)または“1”を表す黒(暗)を付している。これにより、記録面20にデジタル情報を2次元パターンとして記録している。
【0058】
上記記録面20内で、実際に情報が記録されている情報記録領域23内には、情報記録領域23内での位置および情報記録領域23の天地左右の向きを示すように、特定の形状に連結した複数の桝目に一定のパターンで白黒を付してなる方向性特定パターン29が複数配置されている。この例では、方向性特定パターン29は、矩形の情報記録領域23内に、縦横それぞれ一定間隔で、詳しくは、縦方向に関して15桝目ごと、横方向に関して15桝目ごとに方向性特定パターン29が現れるような縦横同一の空間的周期で、4行3列の行列状に配置されている。また、情報記録領域23の四隅は方向性特定パターン29で占められている。なお、図2は、情報記録領域23内の方向性特定パターン29の配置を単純化して示している。本来の記録情報は、情報記録領域23内で、これらの方向性特定パターン29が占める領域以外の領域21に記録されている。
【0059】
この方向性特定パターン29は、図3に示すように、全体として5行×6列の合計30個の桝目を含む長方形のブロックであり、黒が付された1個の桝目からなる中心部41と、その周囲を環状に取り囲む白が付された11個の桝目からなる第1環状部42と、さらにその周囲を環状に取り囲む黒が付された18個の桝目からなる第2環状部43とで構成されている。第1環状部42は、中心部41を直接取り囲む8個の白桝目と、そのうちの左側の列をなす3個の白枡目の左側に接する3個の白桝目とからなっている。この結果として、この方向性特定パターン29は、記録面20内での90°、180°および270°の回転に対して非対称になっている。すなわち、この方向性特定パターン29は、全体として5行×6列の長方形のブロックであるため、90°および270°の回転に対して非対称である。さらに、中心部41の重心に対して第1環状部42の重心が左側にずれているために、この方向性特定パターン29は、180°の回転に対しても非対称である。
【0060】
なお、図4は方向性特定パターンとして採用可能な他のパターン例を示している。図4(a)に示すパターン29Aは、全体として5行×6列の合計30個の桝目を含む長方形のブロックであり、黒が付された1個の桝目からなる中心部41Aと、その周囲を環状に取り囲む白が付された9個の桝目からなる第1環状部42Aと、さらにその周囲を環状に取り囲む黒が付された20個の桝目からなる第2環状部43Aとで構成されている。第1環状部42Aは、中心部41Aを直接取り囲む8個の白桝目と、そのうちの左列中央の白枡目の左側に接する1個の白桝目とからなっている。この結果として、このパターン29Aは、上記方向性特定パターン29と同様に、記録面20内での90°、180°および270°の回転に対して非対称になっている。図4(b)に示すパターン29Bは、全体として5行×6列の合計30個の桝目を含む長方形のブロックであり、黒が付された2個の桝目からなる中心部41Bと、その周囲を環状に取り囲む白が付された10個の桝目からなる第1環状部42Bと、さらにその周囲を環状に取り囲む黒が付された18個の桝目からなる第2環状部43Bとで構成されている。また、図4(c)に示すパターン29Cは、2行×3列の長方形に連結された白が付された6個の枡目からなる中央閉領域41Cと、その周囲を環状に取り囲む黒が付された14個の枡目からなる環状部42Cとで構成されている。これらのパターン29B,29Cは、記録面20内での90°および270°の回転に対して非対称だが、180°の回転に対しては対称になっている。したがって、これらのパターン29B,29Cは、180°の回転が問題にならないような用途のときに限り採用することができる。
【0061】
図5は、図1に示したような記録担体の記録面20に情報を記録するのに適したデジタル情報記録装置の概略構成を示している。この装置は、記録すべきデジタル情報を入力するための入力手段としての入力装置82と、記録面に印刷すべき2次元パターンを生成するためのパターン生成手段としての情報記録装置81と、2次元パターンを記録面に印刷するための印刷手段としての印刷装置83とを備えている。入力装置82は、例えばキーボード、データベースなどによって構成され、各種データを読み込むことができる。情報記録装置81は、入力部84と、データ変換部85と、出力部86と、データ変換(コード化)アルゴリズム87とを備えている。入力部84は、入力装置82からのデータを入力情報として受け取り、データ変換部85へ渡す。データ変換部85は、入力部84から受け取った入力情報を、データ変換(コード化)アルゴリズム87に基づいて、2次元パターンの表現形式(フォーマット)に変換し、出力情報として出力部86へ渡す。出力部86は、データ変換部85から受け取った出力情報を印刷装置83へ出力する。なお、一般的には、印刷装置83に渡される出力情報はビットイメージである。印刷装置83は、必要な印刷精度に応じて例えばドットプリンタ、レーザプリンタなどによって構成されている。
【0062】
この情報記録装置を用いて、図6に示すフローにしたがって、記録すべき各種データを図1に示したような記録担体の記録面20に記録することができる。
【0063】
(A)まず、入力装置82が各種データを読み込み(S01)、読み込んだデータを情報記録装置81の入力部84へ渡す。
【0064】
(B)情報記録装置81では入力部84を介してデータを受けたデータ変換部85が、データ変換(コード化)アルゴリズムに基づいて次の処理を行う。
【0065】
(i)まず、データの大きさに合わせて情報記録領域23の大きさを決定する(S02)。情報記録領域23の大きさは、記録情報と、付加される方向性特定パターン29の数によって決まる。情報記録領域23の横幅を一定の大きさにするとか、情報記録領域23の形状を正方形にするなどの制約が加わる場合もある。なお、予め記録情報の大きさが決まっている場合には、この工程は必要ない。
(ii)次に、情報記録領域23内の予め定められた位置に方向性特定パターン29を配置する(S03)。この配置としては、例えば縦15桝目ごと、横15桝目ごとに方向性特定パターン29が現れるような、縦横同一の空間的周期の行列状配置を採用する。
【0066】
(iii)次に、情報記録領域23内で本来の記録情報を表す桝目21に対して、予め定められたマッピングにしたがってデータのビット情報を配する(S04)。
【0067】
(C)そして、情報記録装置81の出力部86から渡された記録情報を、印刷装置83が記録面20に印刷する(S05)。
【0068】
このようにして、記録担体の記録面20にデジタル情報を記録する。この記録担体では、方向性特定パターン29が記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称なパターンであるため、1種類の方向性特定パターン29でもって情報記録領域23の天地左右の向きを示すことができる。したがって、方向性特定パターン29の設定や識別の手順が煩雑になることがない。しかも、方向性特定パターン29が、情報記録領域23内での位置を示すとともに、情報記録領域23の天地左右の向きを示す役割を果たすので、本来の記録情報を表す領域21を比較的広くすることができ、情報記録領域23を有効に利用することができる。
【0069】
また、上述のように1種類の方向性特定パターン29を情報記録領域23内に複数配置した場合、一部(例えば情報記録領域23の四隅)の方向性特定パターン29が潰れたとしても、残りの方向性特定パターン29によって情報記録領域23の天地左右の向きを示すことができる。したがって、情報記録領域23の四隅に形状や明暗が異なる別の特定パターンを設けて情報記録領域23の天地左右の向きを表す場合に比して、情報記録領域23の天地左右の向きを示す情報が失われにくくなる。
【0070】
また、読み取り時に、まず情報記録領域23内の方向性特定パターン29を探索してそのパターンを分析することによって情報記録領域23の天地左右が分かるので、枡目単位の本来の記録情報を読み取る前に情報記録領域23の天地左右の向きを識別することができる。したがって、最初に情報記録領域23の天地左右の向きが間違っていたとしても、枡目単位の本来の記録情報の解読をやり直す必要がなくなる(詳しくは後述する)。
【0071】
図7はこの発明の一実施形態のデジタル情報解読装置の概略構成を示している。この装置は、読取手段としての読取装置92と、情報解読装置91と、出力手段としての出力装置93を備えている。
【0072】
読取装置92は、必要な読み取り精度に応じて、例えばイメージスキャナ、CCD(チャード・カップルド・デバイス)カメラなどによって構成され、紙などの記録面20に印刷された記録情報(2次元パターン)を読み取ることができる。
【0073】
情報解読装置91は、入力部94と、探索手段および傾き検出手段として働くデータ変換部95と、出力部96と、データ変換(解読)アルゴリズム97と、ビットマップデータ回転手段としての回転処理部98とを備えている。入力部94は、読取装置92からのデータを入力情報として受け取り、データ変換部95へ渡す。なお、一般的には、読取装置92から入力部94に渡される入力情報はビットイメージである。データ変換部95は、入力部94から受け取った入力情報を、データ変換(解読)アルゴリズムに基づいて解読し、出力情報として出力部96へ渡す。出力部96は、データ変換部95から受け取った出力情報を出力装置93へ出力する。回転処理部98は、データ変換部85からの指示に従って、入力情報としてのビットマップデータに対して、90°、180°または270°の回転処理を施す。出力装置93は、例えばディスプレイ、データベースなどによって構成され、出力部96から受け取った情報を表示または格納する。
【0074】
ここで、図5中のデータ変換(コード化)アルゴリズム87と、図7中のデータ変換(解読)アルゴリズム97とは、互いに逆の変換を行う。したがって、図5の記録装置によって記録面20に記録された情報を図7の解読装置によって解読することができ、元のデータを再現することができる。
【0075】
この情報解読装置を用いて、図8に示すフローチャートにしたがって、図1に示したような記録担体の記録面20に記録された情報を解読することができる。なお、解読する2次元パターンは、図1に示したように、情報記録領域23内に方向性特定パターン29が縦横同一の空間的周期で行列状に配置され、かつ情報記録領域23の四隅に方向性特定パターン29が配置されているものとする。
【0076】
(A)まず、読取装置92が記録担体の記録面20に記録された情報(2次元パターン)を読み取って(S11)、それを表すビットマップデータを情報解読装置91の入力部94へ渡す。
【0077】
(B)情報解読装置91では、データ変換部95が入力部94を介してデータを受けて、データ変換(解読)アルゴリズム96に基づいて概略次のような処理を行う。
【0078】
(i)まず、ビットマップデータ内で方向性特定パターン29を探索して(この方向性特定パターン29を探索する方法については、後で詳しく説明する。)、情報記録領域23内の四隅に配置された方向性特定パターン29を抽出する(S12)。このとき、方向性特定パターン29の位置(位置情報)を求める。
【0079】
なお、方向性特定パターン29の位置は中心部41の重心位置によって代表させるものとする。ビットマップデータにおける中心部41の重心位置は、中心部41を構成する全ての黒ビット(図15参照)の位置を調べてそれらを平均すれば求めることができる。
【0080】
(ii)次に、四隅に配置された方向性特定パターン29を構成する枡目の明暗を調べて、1つの桝目の大きさを決定する(S13)。
【0081】
(iii)次に、四隅に配置された方向性特定パターン29の位置情報と、予め定められた配置情報をもとに、残りの方向性特定パターン29を抽出する(S14)。
【0082】
ここで、予め定められた配置情報とは、例えば縦15桝目ごと、横15桝目ごとに方向性特定パターン29が現れるというような、方向性特定パターン29の配置についての情報である。なお、方向性特定パターン29が縦横同一の空間的周期で行列状に配置されている場合を考えているので、配置情報は後述する90°、270°の回転処理に対して変化することはない。
【0083】
(iv)次に、方向性特定パターン29を分析することにより、情報記録領域23の天地左右の向きを求める(この情報記録領域23の天地左右の向きを求める方法については、後で詳しく説明する。)。
【0084】
(v)そして、求めた情報記録領域23の天地左右の向きが正しい向きでなければ、回転処理部98によって情報記録領域23の天地左右が正しい向きになるように、ビットマップデータに対して回転処理を施す(S15)。なお、この工程(S15)は、四隅の方向性特定パターン29を探索する工程(S13)と、残りの方向性特定パターン29を探索する工程(S14)との間に行っても良い。
【0085】
(vi)次に、抽出された各方向性特定パターン29の位置情報をもとに、本来の記録情報を表す桝目21の位置を決める(S16)。ここでは、図27を用いて既に説明したような方法によって本来の記録情報を表す桝目21の位置を決めるものとする。
【0086】
(vii)次に、予め定められたマッピングにしたがって、そのような桝目21に記録された情報を読み出す(S17)。
【0087】
(C)そして、情報解読装置91の出力部96から渡された出力情報を、出力装置93が出力する(S18)。
【0088】
このようにして、図1に示したような記録担体の記録面20に記録されたデジタル情報を解読することができる。このデジタル情報解読方法によれば、情報記録領域23の天地左右の向きを求めた上で、本来の記録情報を解読するので、本来の記録情報を1回の解読処理で正しく解読することができる。
【0089】
また、ビットマップデータに対して回転処理を施すことによって情報記録領域23の天地左右が正しい向きを向くので、それに続く本来の記録情報を解読する処理を簡単に行うことができる。記録面20に記録された2次元パターンを読取装置92によって読み取る処理を1回で済ませることができる。
【0090】
(1)次に、上に述べた方向性特定パターン29を探索する方法について詳しく説明する。
【0091】
図9は、ビットマップデータ内で記録情報領域23の左上隅に配置された方向性特定パターン29を探索する方法を模式的に示している。左上隅の方向性特定パターン29を探す場合、ビットマップデータの左上隅から、斜め方向(図中に矢印で示す向き)にスキャンを行う。情報記録領域23の外側は白ビットであるとすれば、斜め方向のスキャンで最初に現れる黒ビットは、左上隅の方向性特定パターン29を構成する黒ビットである。これにより、左上隅の方向性特定パターン29を見つけることができる。なお、図10(a),(b),(c)に示すように、情報記録領域23がそれぞれ90°、180°、270°の方向に回転していたとしても、斜め方向のスキャンで最初に現れる黒ビットは、四隅のいずれかに配置された方向性特定パターン29を構成する黒ビットである。もちろん、情報記録領域23の右上隅、左下隅、右下隅に本来配置された方向性特定パターン29も、それぞれビットマップデータの右上隅、左下隅、右下隅から斜め方向にスキャンすることによって、同様に見つけることができる。
【0092】
情報記録領域23内に配置された方向性特定パターン29のうち四隅以外に配置された残りの方向性特定パターン29は、四隅に配置された方向性特定パターン29の位置情報と、予め定められた配置情報とをもとに、次のようにして探索する。
【0093】
例えば、情報記録領域23の四辺に沿って配置された方向性特定パターン29(四隅を除く)を探索する場合は、まず、四隅の方向性特定パターン29を分析することにより、情報記録領域23を構成する仮想的な桝目のだいたいの大きさを得る。すなわち、仮想的な桝目の形状が正方形であるならば、方向性特定パターン29の中心部41の面積を求めてその平方根を計算すれば、桝目の一辺の長さを知ることができる。予め定められた配置情報によって、方向性特定パターン29が縦15桝目ごと、横15桝目ごとに現れるように行列状に配置されていることが分かっている場合には、左上隅の方向性特定パターン29から右上隅の方向性特定パターン29の方向に向かって15桝目分進んだ位置に次の方向性特定パターン29が現れることが予想される。この予想位置近傍を調べることによって、左上隅の方向性特定パターン29の右隣に配置された方向性特定パターン29を見つけることができる。以下同様の動作を繰り返すことによって、四辺に沿ったすべての方向性特定パターン29を見つけることができる。
【0094】
また、中央部近傍の方向性特定パターン29を探索する場合は、予め定められた配置情報にしたがって方向性特定パターン29が行列状に配置されているという前提の下で、例えば、左右の対応する方向性特定パターン29同士を結ぶ直線と上下の対応する方向性特定パターン29同士を結ぶ直線との交点を求め、この交点の位置の近傍を調べることによって、中央部近傍の方向性特定パターン29を見つけることができる。
【0095】
ここで、予想位置近傍に存在するパターンが方向性特定パターン29であるか否かを、次のようにして認識する。すなわち、方向性特定パターン29は中心部(黒桝目)41が白桝目に囲まれた閉領域を構成しており、かつ第1環状部(白桝目)42が黒桝目に取り囲まれた閉領域を構成しているという特徴を持つことから、予想位置近傍に存在するパターンがそのような特徴を持つかどうかを調べることによって認識する。但し、この認識方法は、方向性特定パターン29の構成上の必要条件を満たすか否かを調べるにすぎないものであり、各桝目の値を調べるわけではないから、別のパターン(例えば図24に示した特定パターン22)であっても方向性特定パターン29であると誤認識する可能性がある。しかしながら、方向性特定パターン29が出現すべき予想位置近傍を調べているため、正常な記録が行われていたならば、その予想位置近傍には同一の特徴(必要条件)を備えたパターンは現れないはずである。例えば図11に示すように、同じ特徴を備えたパターンは本来の方向性特定パターン29に対して4桝目ずれた位置にしか出現しない。したがって、別のパターンを方向性特定パターン29と誤認識する可能性は低い。また、仮に別のパターンを方向性特定パターン29と誤認識したとしても、例えば方向性特定パターン29を全て抽出した後に各方向性特定パターン29が行列状に並んでいるかなどのチェックを行うことによって、誤認識したパターンを無視することができる。また、その際に誤認識の可能性が高いと思われる方向性特定パターン29に対してのみ、より高精度なチェックを行うこともできる。このように、方向性特定パターン29の認識方法としては、実用上は上記特徴を持つか否かを調べる方法で十分であり、簡単なアルゴリズムによって方向性特定パターン29を認識することができる。
【0096】
図12は、予想位置近傍に存在するパターンが方向性特定パターン29であるか否かを認識するための処理フローに一例を示している。なお、この認識処理は、読取装置から読み込んだビットマップデータ(図15に示すように、2次元パターンを構成する桝目よりも小さいサイズを持つビットからなる)に対して行うものとする。
【0097】
まず、情報記録領域23内で方向性特定パターン29が予め定められた配置情報に従って配置されている場合に、ビットマップデータの中で方向性特定パターン29が現れるべき位置を予測して(S61)、ビットマップデータの中で探索の基準となる位置Pを定める(S62)。基準位置Pのドットが黒であるかどうかを調べる(S63)。そのドットが黒である場合には、そのドットが中心部41を構成すると想定してステップS66へ進む。
【0098】
一方、ステップS63で基準位置Pのドットが黒でない場合は、基準位置Pから一定の範囲内で次の探索位置を決定し(S64)、再びその探索位置のドットが黒であるかどうかを調べる。但し、基準位置Pから一定の範囲内を全て探索したが、方向性特定パターン29の中心部41に相当する黒ドットを見つけることができなかった場合(S65)には、探索が失敗した(S76)ものとして処理を終了する。
【0099】
ステップS66では、基準位置Pのドットに対して上下左右及び斜め方向に連結している黒ドットを再帰的に探す。そして、連結された黒ドットの数が一定範囲内の数であるか否かを判断する(S67)。連結された黒ドットの数が一定個数を上回っている場合には、黒ドットが連結された領域が閉じていないか、あるいは閉じていても中心部41としては大きすぎると判断する。また、連結された黒ドットの数が一定個数に満たない場合は、中心部41ではなく単なるノイズであると判断する。これらの、連結された黒ドットの数が一定範囲内にない場合は、ステップS64に戻って処理をやり直す。
【0100】
一方、連結された黒ドットの数が一定範囲内の数である場合(S67)は、ステップS68に進んで、黒ドットの連結された領域の幅及び高さが一定の範囲内にあるかを調べて、その形状に関するチェックを行う。連結された領域の幅とは連結された領域のX座標の最大値から最小値を引いたもの、連結された領域の高さとは連結された領域のY座標の最大値から最小値を引いたものとして表される。黒ドットの連結された領域の幅及び高さが一定の範囲内にない場合は、ステップS64に戻って処理をやり直す。
【0101】
一方、黒ドットの連結された領域の幅及び高さが一定の範囲内にある場合(S68)は、その黒ドットの連結された領域が中心部41であると判断してステップS69へ進む。
【0102】
次に、ステップS69では第1環状部42に関するチェックを開始する。中心部41であると判断した黒ドットの連結された領域の最底面にある黒ドット(Y座標の一番小さいもの)を1個選択する(S69)。そして、図13中に矢印で示すように、その領域(中心部41)から下へ向かって探索を行い、白ドット(第1環状部42を構成する白ドットと考えられる)の次に現れる黒ドット(第2環状部43を構成する黒ドットと考えられる)を探す(S70)。白ドットの領域に入って一定距離以内に次の黒ドットが見つからなかった場合は、その白ドットの領域が方向性特定パターン29の第1環状部42ではないと判断して(S71)、ステップS64に戻って処理をやり直す。一方、白ドットの領域に入って一定距離以内に次の黒ドットが見つかった場合(S71)は、その黒ドットが方向性特定パターン29の第2環状部43を構成していると考える。そして、図13中に矢印で示すように、第2環状部43と思われる領域の内周、すなわち黒ドットと白ドットとの境界に沿って左手法(左手を壁につけながら迷路の壁をたどる方法)により一周する(S72)。一定のステップ以内で一周できなかった場合は、白ドットの領域が閉じていないか、あるいは閉じていても大きすぎると判断する(S73)。また、左手法による一周が反時計廻りに行われた場合は、白ドットの領域が閉じているのではなく、図14に示すように、何らかの黒ドットの閉領域を探索していると考えられる(S74)。これらの場合はステップS64に戻って処理をやり直す。そして、上記ステップS61〜S74をすべてクリアすることによって、方向性特定パターン29を認識することができる(S75)。
【0103】
(2)次に、方向性特定パターン29を分析することにより、情報記録領域23の天地左右の向きを求める方法について説明する。
【0104】
方向性特定パターン29は90°、180°および270°の回転に対して非対称であるため、方向性特定パターン29を調べることによって、情報記録領域23の天地左右の向き、言い換えれば正しい向きから90°、180°または270°の回転が加えられてるかどうかを知ることができる。
【0105】
すなわち、図16に示すように、中心部41の重心位置G1を仮に(0,0)とし、桝目1つ分の幅および高さを1とすれば、第1環状部42を構成する11個の白桝目の位置は、(−2,−1),(−1,−1),(0,−1),(1,−1),(−2,0),(−1,0),(1,0),(−2,1),(−1,1),(0,1),(1,1)と表される。設計上は、第1環状部42の重心位置G2は、それら11個の白桝目の位置を平均した点(−0.545,0)である。これから分かるように、中心部41の重心位置G1に対して、第1環状部42の重心位置G2は左にずれている。したがって、図15に示すようなビットマップデータ上で中心部41の重心位置と第1環状部42の重心位置とを求め、両者を比較することによって、情報記録領域23の天地左右の向きを求めることができる。なお、ビットマップデータ上で中心部41の重心位置を求めるためには、それを構成する全ての黒ビットの位置を平均する。同様に、ビットマップデータ上で第1環状部42の重心位置を求めるためには、それを構成する全ての白ビットの位置を平均する。
【0106】
情報記録領域23内に複数の方向性特定パターン29が存在する場合には、複数の比較情報を総合して判断すれば、より正確に情報記録領域23の天地左右の向きを知ることができる。具体的には、複数の方向性特定パターン29に対して、各中心部41を構成する全ての黒ビットの平均位置に対して、各第1環状部42を構成する全ての白ビットの平均位置とを比較することによって、天地左右の向き(傾き)を求める。
【0107】
なお、図4(a)に示した方向性特定パターン29Aが採用された場合であっても、中心部41Aの重心位置と第1環状部42Aの重心位置とを比較することによって、情報記録領域23の天地左右の向きを求めることができる。ただし、中心部41Aの重心位置と第1環状部42Aの重心位置との間の距離が、設計上、上記方向性特定パターン29の場合よりも小さいため、識別精度が若干低くなる。
【0108】
このようにして情報記録領域23の天地左右の向きを求めた場合、その後の解読処理を円滑に進めるために、情報記録領域23の天地左右が正しい向きになるようにビットマップデータに対して回転処理を施すことができる。つまり、方向性特定パターン29の中心部41の重心位置に対して第1環状部42の重心位置が左方向真横になるようにビットマップデータを回転させれば良い。
【0109】
ビットマップデータに対して0°、90°、180°または270°の回転処理(0°の回転処理とは、実際には回転を行わないことを意味する。)を施すことは、公知の技術を用いて容易に行うことができる。したがって、図17に示すように、情報記録領域23の傾きの許容範囲として±45°の範囲を設定し、情報記録領域23の傾きをこの許容範囲内に収めることは比較的容易に実行することができる。もちろん、ビットマップデータに対して任意の角度で設定可能な回転処理(処理としては複雑になる)を施すことによって、方向性特定パターン29の中心部41の重心位置に対して第1環状部42の重心位置が左方向真横になるように傾き補正を行うこともできる。ただし、方向性特定パターン29の中心部41の重心位置と第1環状部42の重心位置との比較によって得られた傾きの精度を考慮すると、その傾きの情報は情報記録領域23が正しい向きからの傾きが90°、180°または270°のいずれに近いかの識別にのみ使用し、情報記録領域23の傾きの補正は別の処理によって行うことが現実的であるかも知れない。
【0110】
図18はこの発明の別の実施形態のデジタル情報解読装置の概略構成を示している。なお、図7に示したデジタル情報解読装置と同一の構成要素には同一符号を付している。この装置は、読取手段としての読取装置92と、情報解読装置91#と、回転装置99と、出力手段としての出力装置93を備えている。
【0111】
情報解読装置91#は、図7中の情報解読装置91の回転処理部98に代えて回転処理部98#を有している。この回転処理部98#は、データ変換部95が求めたビットマップデータ上での情報記録領域23の天地左右の向き(傾き)に応じて、その傾きが解消するように、読取装置92と記録面20とを相対的に回転させる指示を出力する。回転装置99は、回転処理部98#が出力した指示にしたがって、読取装置92と記録面20とを相対的に回転させる。例えば図19に示すように、記録面20が固定されている場合は、読取装置であるカメラ92をその光軸の周りに連続的に回転させる。あるいは図20に示すように、読取装置であるカメラ92が固定されている場合は、ステージ99aを回転させて記録面20を連続的に回転させる。これにより、ビットマップデータ上で情報記録領域23の天地左右の向きが正しい状態となる。
【0112】
この情報解読装置は、図21に示すフローにしたがって、図1に示したような記録担体の記録面20に記録された情報を読み出すことができる。なお、解読する2次元パターンは、図1に示したように、情報記録領域23内に方向性特定パターン29が縦横同一の空間的周期で行列状に配置され、かつ情報記録領域23の四隅に方向性特定パターン29が配置されているものとする。
【0113】
(A)まず、読取装置92が記録担体の記録面20に記録された情報(2次元パターン)を読み取って(S21)、それを表すビットマップデータを情報解読装置91#の入力部94へ渡す。
【0114】
(B)情報解読装置91#では、データ変換部95が入力部94を介してデータを受けて、データ変換(解読)アルゴリズム96に基づいて概略次のような処理を行う。
【0115】
(i)まず、ビットマップデータ内で方向性特定パターン29を探索して(既に説明した方向性特定パターン29を探索する方法による。)、情報記録領域23内の四隅に配置された方向性特定パターン29を抽出する(S22)。このとき、方向性特定パターン29の位置(位置情報)を求める。
【0116】
なお、方向性特定パターン29の位置は中心部41の重心位置によって代表させるものとする。ビットマップデータにおける中心部41の重心位置は、中心部41を構成する全ての黒ビット(図15参照)の位置を調べてそれらを平均すれば求めることができる。
【0117】
(ii)次に、四隅に配置された方向性特定パターン29を分析することにより、情報記録領域23の天地左右の向き(傾き)を求める(既に説明した情報記録領域23の天地左右の向きを求める方法による。)(S23)。
【0118】
(iii)そして、求めた情報記録領域23の天地左右の向きが所定の角度(例えば±45°)以上傾いているかどうかを判断する(S24)。情報記録領域23の天地左右の向きが所定の角度以上傾いていれば、回転処理部98#によって情報記録領域23の傾きが解消するように指示を出力し、回転装置99によって読取装置92と記録面20とを相対的に回転させる(S25)。これにより、ビットマップデータ上で情報記録領域23の天地左右の向きが正しい状態となる。
なお、回転装置99による読取装置92と記録面20とを相対的に回転は連続的に行われることから、90°、180°または270°という回転角度にこだわることはなく、必要な任意の角度だけ回転させればよい。
【0119】
(iv)この後、ステップS21に戻って、ステップS21〜S24の処理を繰り返す。そして、情報記録領域23の天地左右の向きが所定の角度以上傾いていないと判断された場合(S24)には、次のステップ26へ進む。
【0120】
すなわち、四隅に配置された方向性特定パターン29を構成する枡目の明暗を調べて、1つの桝目の大きさを決定する(S26)。
【0121】
(v)次に、四隅に配置された方向性特定パターン29の位置情報と、予め定められた配置情報をもとに、残りの方向性特定パターン29を抽出する(S27)。
【0122】
ここで、予め定められた配置情報とは、例えば縦15桝目ごと、横15桝目ごとに方向性特定パターン29が現れるというような、方向性特定パターン29の配置についての情報である。
【0123】
(vi)次に、抽出された各方向性特定パターン29の位置情報をもとに、本来の記録情報を表す桝目21の位置を決める(S28)。ここでは、図27を用いて既に説明したような方法によって本来の記録情報を表す桝目21の位置を決めるものとする。
【0124】
(vii)次に、予め定められたマッピングにしたがって、そのような桝目21に記録された情報を読み出す(S29)。
【0125】
(C)そして、情報解読装置91#の出力部96から渡された出力情報を、出力装置93が出力する(S30)。
【0126】
このようにして、図1に示したような記録担体の記録面20に記録されたデジタル情報を解読することができる。このデジタル情報解読方法によれば、情報記録領域23の天地左右の向きを求めた上で、本来の記録情報を解読するので、本来の記録情報を1回の解読処理で正しく解読することができる。
【0127】
また、ビットマップデータに対して回転処理(座標変換処理)を施す必要がないので、本来の記録情報を解読する処理を簡単に行うことができる。それに伴って、ビットマップデータの座標変換処理に必要なメモリも不要となる。
【0128】
なお、図8のフローでは、情報記録領域23内の全ての方向性特定パターン29を抽出した(S14)後に回転処理(S15)を行うものとしたが、図21のフローでは、四隅の方向性特定パターン29を探索した(S22)後、残りの方向性特定パターン29を探索する前に、情報記録領域23の天地左右の向きを求めて(S23)回転を行うかどうかの判断(S24)を行っている。この理由は、図21のフローでは、回転を行った場合、読取装置92が読み取って再び入力されたビットマップデータが全く別のものになってしまうため、先に四隅以外の方向性特定パターン29の探索を行ったとしても、その探索が全く無駄になってしまうからである。これに対して図8のフローの場合は、情報記録領域23内の全ての方向性特定パターン29の位置情報を求めた後に90°または180°または270°の回転処理を行ったとしても、ごく簡単な座標変換によって回転処理後の方向性特定パターン29の位置情報を計算することができる。むしろ、全ての方向性特定パターン29から得られる情報を総合して計算を行った方が、情報記録領域23の天地左右の向きをより精度良く求めることができる。
【0129】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明のデジタル情報記録担体によれば、平面状の記録面に設けられた情報記録領域にビットに対応する桝目単位でデジタル情報を記録する場合に、1種類の特定パターンでもって情報記録領域の天地左右の向きを示すことができ、その天地左右の向きを表す情報が失われにくく、かつ、枡目単位の記録情報を読み取る前に情報記録領域の天地左右の向きを識別することができる。
【0130】
また、この発明のデジタル情報解読方法によれば、そのような記録担体に記録されたデジタル情報を好適に読み取ることができる。
【0131】
また、この発明のデジタル情報解読装置によれば、そのような解読方法を好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のデジタル情報記録担体において記録面に記録された2次元パターンを例示する図である。
【図2】 図1中の方向性特定パターンの配置を模式的に示す図である。
【図3】 図1中の方向性特定パターンの構成を示す図である。
【図4】 方向性特定パターンとして採用可能なパターン例を示す図である。
【図5】 本発明の一実施形態のデジタル情報記録装置のブロック構成を示す図である。
【図6】 本発明の一実施形態のデジタル情報記録担体に情報を記録するための処理フローを示す図である。
【図7】 本発明の一実施形態のデジタル情報解読装置のブロック構成を示す図である。
【図8】 本発明の一実施形態のデジタル情報解読方法を実施するための処理フローを示す図である。
【図9】 情報記録領域の左上隅に配置された方向性特定パターンを探索する方法を説明する図である。
【図10】 情報記録領域が90°、180°、270°の回転を受けていた場合に、情報記録領域の隅に配置された方向性特定パターンを探索する方法を説明する図である。
【図11】 図3の方向性特定パターンが、その近傍に現れた類似の特徴をもつパターンと重なった状態を示す図である。
【図12】 図3の方向性特定パターンを認識するための処理フローを例示する図である。
【図13】 図3の特定パターンを認識するとき、第1環状部と第2環状部との境界を左手法によって一周して、第2環状部を確認する仕方を模式的に示す図である。
【図14】 図13の左手法により、閉じた黒ドットの領域を一周したときの様子を模式的に示す図である。
【図15】 図3の方向性特定パターンを読取装置によって読み取って得られたビットマップデータの例を示す図である。
【図16】 図3の方向性特定パターンの中心部と第1環状部の重心位置を模式的に表す図である。
【図17】 ビットマップデータ上で図3の方向性特定パターンの傾きが±45°の許容範囲内にある状態を模式的に示す図である。
【図18】 本発明の別の実施形態のデジタル情報解読装置のブロック構成を示す図である。
【図19】 回転装置によってカメラを回転させる状態を示す図である。
【図20】 回転装置によって記録担体を回転させる状態を示す図である。
【図21】 本発明の一実施形態のデジタル情報解読方法を実施するための処理フローを示す図である。
【図22】 本出願人が先に提案したデジタル情報記録方法によって記録面に記録された2次元パターンを例示する図である。
【図23】 図22中の特定パターンの配置を模式的に示す図である。
【図24】 図22中の特定パターンの構成を示す図である。
【図25】 図24の特定パターンが、その近傍に現れた同一のパターンと重なった状態を示す図である。
【図26】 情報記録領域内で特定パターンを配置すべき領域以外の領域の桝目に、本来記録すべきビット情報を対応させるマッピングの仕方を説明する図である。
【図27】 4つの特定パターンの位置に基づいて、情報記録領域内の任意の桝目の位置を算出する方法を説明する図である。
【図28】 情報記録領域の四隅に配置された特定パターンを、残りの特定パターンと異なるものとした例を示す図である。
【図29】 情報記録領域内の特定パターンの間の余白部に、天地左右を表す矢印状のパターンを記録した例を示す図である。
【図30】 情報記録領域を構成する左上隅のセグメントに、天地左右を表す矢印状のパターンを記録した例を示す図である。
【符号の説明】
20 記録面
21 本来の情報を記録すべき領域
29 方向性特定パターン
41 中心部
42 第1環状部
43 第2環状部
Claims (7)
- 平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体であって、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであることを特徴とするデジタル情報記録担体。 - 請求項1に記載のデジタル情報記録担体において、
上記方向性特定パターンは、上記情報記録領域の四隅のうちの少なくとも一つに配置されていることを特徴とするデジタル情報記録担体。 - 平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル情報を解読するデジタル情報解読方法であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記情報記録領域内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求め、
上記方向性特定パターンの上記中心部の重心位置、上記第1環状部の重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とに基づいて情報記録領域の天地左右の向きを求め、
求めた上記情報記録領域の天地左右の向きと上記方向性特定パターンの位置とに基づいて、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を読み取ることを特徴とするデジタル情報解読方法。 - 平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル 情報を解読するデジタル情報解読方法であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記記録面に記録された2次元パターンを読取手段によって読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを作成した後、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求め、
上記方向性特定パターンの上記中心部の重心位置、上記第1環状部の重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とに基づいて情報記録領域の天地左右の向きを求め、
求めた上記情報記録領域の天地左右の向きに基づいて、上記ビットマップデータに現れた上記情報記録領域が正しい向きになるように上記ビットマップデータに対して回転処理を施し、
上記回転処理後の上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を読み取ることを特徴とするデジタル情報解読方法。 - 平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル情報を解読するデジタル情報解読方法であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記記録面に記録された2次元パターンを読取手段によって読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを作成した後、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求め、
上記方向性特定パターンの上記中心部の重心位置、上記第1環状部の重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とに基づいて情報記録領域の天地左右の向きを求め、
求めた情報記録領域の天地左右の向きに基づいて、上記読取手段に対して上記情報記録領域が正しい向きになるように上記読取手段と記録面とを相対的に回転させ、
再び上記記録面に記録された2次元パターンを上記読取手段によって読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを作成し、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求め、
上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を読み取ることを特徴とするデジタル情報解読方法。 - 平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル情報を解読するデジタル情報解読装置であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パターンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記記録面に記録された2次元パターンを読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを出力する読取手段と、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求める探索手段と、
上記方向性特定パターンの上記中心部を構成するドットの重心位置、上記第1環状部を構成するドットの重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とを比較して、上記ビットマップデータ内での上記情報記録領域の傾きを検出する傾き検出手段と、
上記傾き検出手段が検出した上記情報記録領域の傾きに基づいて、上記ビットマップデータに対する0°、90°、180°または270°の回転処理のうち、その回転処理後のビットマップデータ内での上記情報記録領域の傾きが±45°以内になる回転処理を選択して、この選択した回転処理を上記ビットマップデータに対して施すビットマップデータ回転手段と、
上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記回転処理後の上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を再現する情報解読手段と、
上記情報解読手段が再現したデジタル情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするデジタル情報解読装置。 - 平面状の記録面内に設けられた情報記録領域に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークを付与して、上記記録すべきデジタル情報を2次元パターンとして記録したデジタル情報記録担体を光学的に読み取り、得られた2次元パターンから上記デジタル情報を解読するデジタル情報解読装置であって、
上記デジタル情報記録担体は、
上記情報記録領域内での位置および上記情報記録領域の天地左右の向きを示すように、上記情報記録領域内に、特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを上記記録面内での90°、180°および270°の回転に対して非対称に付してなる方向性特定パター ンが配置され、
上記方向性特定パターンは、上記マークとして暗が付された1個の桝目からなる中心部と、この中心部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして明が付された複数の桝目からなる第1環状部と、この第1環状部の周囲を連なって取り囲み、上記マークとして暗が付された複数の桝目からなる第2環状部とを有し、かつ、上記第1環状部を構成する枡目は、上記中心部を中心とした90°、180°および270°の回転に対して非対称な形状に連結されて、上記中心部の重心位置と上記第1還状部の重心位置とがずれているものであり、
上記記録面に記録された2次元パターンを読み取って、その2次元パターンを表すビットマップデータを出力する読取手段と、
上記ビットマップデータ内で上記方向性特定パターンを探索してその位置を求める探索手段と、
上記方向性特定パターンの上記中心部を構成するドットの重心位置、上記第1環状部を構成するドットの重心位置をそれぞれ計算し、その中心部の重心位置と第1環状部の重心位置とを比較して、上記読取手段と上記情報記録領域との間の回転方向の相対的な傾きを検出する傾き検出手段と、
上記傾き検出手段が検出した傾きに基づいて、上記傾きが解消するように上記読取手段と記録面とを相対的に回転させる機械的回転手段と、
上記方向性特定パターンの位置に基づいて、上記情報記録領域のうち上記方向性特定パターンが占める領域以外の領域に記録されたデジタル情報を再現する情報解読手段と、
上記情報解読手段が再現したデジタル情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするデジタル情報解読装置。
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