JP3863196B2 - CD2抗原に特異的なモノクローナル抗体及びFv - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はモノクローナル抗体及びFv特異的結合性CD2抗原、並びにHIV−1−感染化T細胞におけるヒト免疫不全ウィルス(HIV−1)の生産を阻害するうえでのかかるモノクローナル抗体の利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
後天性免疫不全症候群(AIDS)は20世紀後半の最も恐ろしい病気の一つとなっている。米国だけで、年間約40,000人の新たなケースが診断されており、そしておよそ1981年にてこの病気が認識されてから少なくとも200,000件起きている。米国人の100万人から150万人がHIV−1で感染されていると信じられており、これはそれらがAIDSを発症する危険性を有し、そしてこのウィルスで感染された患者における病気の完全発症を防ぐための手段が発見されない限りそうなるであろう。世界で、AIDSの件数は何百万となっており、アフリカ及びカリブの特定地域は最も高い感染率を有している。
【0003】
現在まで、AIDSに対する研究のためにかけられた大金は癌及び心臓病の如きの病気に対して費やされてきた金額に等しいか又はそれを超えているが、治癒はいまだ得られず、従ってその病気は間違いなく致死的であると考えられている。少なくとも一部の患者でこの病気の進行を遅くすることが認められたいくつかの処置が開発されているが(例えば薬剤アジドチミジン(AZT)及びジデオキシイノシン(DDI)、それらの処置は軽減にすぎないことが認められている)。それらは全ての患者において有効でなく、そしてその効果は病気の進行に伴って低下する傾向にある。従って、AIDSにとって更なる処置が緊急に必要とされている。
【0004】
ヒト免疫不全ウィルス(HIV−1)による感染はAIDSの発症にとって必要であると一般に信じられているが、その他の要因もこの病気の樹立及び進行に寄与しうるものであり、その理由はこの病気はしばしば薬剤の乱用及び免疫抑制効果を担う又はそれを高めうるその他の病原への暴露に関係しているからである。HIV−1はレンチウィルスサブファミリーのレトロウィルスである。他のレトロウィルスと同様に、そのライフサイクルは、逆転写及び感染T細胞のゲノムの中へのDNAの如きのウィルスRNAゲノムの一体化を包括する。ウィルスの活性化は転写及び翻訳をもたらし、ウィルスの生産及びCD4+ T細胞の枯渇を紹く。
【0005】
AIDSの特徴の一つは日和見感染症の存在である。これらの感染症には、いくつかの細菌種により起こる下痢、鳥類及び牛のミコバクテリアにより起こる結核、ウィルス感染症、例えばサイトメガロウィルス感染症及びヘルペスウィルスにより生ずる帯状疱疹、菌類感染症例えばカンジダ症、アスペルギルス症、及びヒストプラスマ症、並びに原虫感染症、例えばトキソプラスマ症及びニューモシスティス症が含まれる。これらの感染症はAIDSによる患者の実際の死因であることがよくあり、そして致死的ではないにしてもかなりの罹病率をもたらす。数多くのこのような日和見感染症にとって処置が存在するが(例えばニューモシスティスに対するエーロゾル化ペンタミジン)、これらの処置はしばしば不成功に終わり、その理由は患者の一般的な健康及びAIDS自身によりもたらされるその感染症に対する抵抗の低下にある。
【0006】
従って、かかる感染症の処置の改良法が必要とされている。
【0007】
他のレンチウィルスと同様に、HIV−1は感染化CD4+ Tリンパ球のDNAの中に通常長い間潜在し続けうる。この潜在はあまり理解されていないが、しかし宿主CD4+ T細胞の活性化状態に依存するようである(Z.F.Rosenberg とA.F.Fauci, “Minireview: Induction of Expression of HIV in Latently or Chronically Infected Cells," AIDS Res.Hum.Retro. 5: 1-4 (1989)) 。
【0008】
T細胞の活性化は、それらと、抗原表示細胞(APCs)として示すその他の細胞との複雑な相互作用の系に依存する。これらの相互作用はT細胞の細胞表層上の分子とAPCsの表層上の分子との特異的な結合によって媒介される。かかる相互作用の一つはT細胞の表層上のCD2とAPC上のそのリガンドLFA−3との間にある。CD2分子は、抗CD2抗体により架橋されたとき、T細胞を直接活性化可能である。LFA−3リガンドはカウンターレセプターとしても呼ばれている。その他のレセプター/カウンターレセプターペアーはICAM−1/CD18及びCD28/B7である。
【0009】
AIDSを理解しようとする研究及びそれに関連する日和見感染症を処置する研究の両者を複雑にしているパラドックスの一つは、日和見感染症の原因である生物に応答しようとするHIV−1−感染リンパ球による試みが、感染細胞によるHIV−1ウィルスの生産の上昇をもたらしてしまうことにある。これはスタフィロコッカス エンテロキシン(「超抗原」又は「SAg」)に対する応答性がインビトロで感染細胞からのHIV−1生産を高めることを示唆する結果により示されている。
【0010】
感染リンパ球におけるHIV−1生産の活性化について、たくさんの理解すべきことが残っている。感染T細胞系によるHIV−1生産を誘発することが示されている様々な刺激因子には下記のものが含まれる:(1)T細胞抗原;(2)ミトゲン;(3)様々なサイトカイン、例えばTNFα,IL−1及びIL−6;並びに(4)その他のウィルス(Rosenberg とFauci (1989)前掲;Z.F.Rosenberg とA.F.Fauci,「Activation of Latent HIV Infection」J.NIH Res. 2: 41-45 (1990)) 。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、組込HIV−1プロウィルスを含むCD4+ T細胞においてのHIV−1発現を活性化するメカニズムについては比較的あまり理解されていない。
【0012】
従って、免疫機能及びHIV−1以外の病原に対する免疫応答を変えることのないHIV−1生産の抑制もしくは阻止の方法、又はHIV−1生産を防ぐために一部の応答が抑えられているなら、患者の臨床的状態を低下させることなくそれを行う方法についての要望がある。かかる方法は日和見感染症を処置するうえで、及びHIV−1で感染された患者の寿命を伸ばすうえで有用であろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
我々は、CD2抗原に特異的に結合性で、HIV−1−感染T細胞中でのHIV−1ウィルス生産を抑えるのに利用できるキメラヒト化モノクローナル抗体、CD2 SFv−Ig、並びにCD2抗原に特異的に結合性なその他の抗体を開発した。我々はまた、Tリンパ球と単球との間での分子間相互作用に包括されるCD2 SFv−Ig又はその他の抗体を利用する、ウィルス生産を抑える及びHIV−1で感染した対象体を処置するための方法も開発した。
【0014】
本発明にかかわる抗体には:
(1)組換エッシェリヒア コリ培養物ATCC No. 69277の中にクローンされた構築体の発現により生産されるキメラモノクローナル抗体CD2 SFv−Ig;
(2)CD2 SFv−Igのそれと同一の相補性決定領域を有するモノクローナル抗体;及び
(3)モラーベースで、CD2 SFv−Igの少なくとも約80%の効率で、CD2抗原に対する結合に関してCD2 SFv−Igと競合するモノクローナル抗体;
より成る群から選ばれるモノクローナル抗体が含まれる。
【0015】
好ましくは、このモノクローナル抗体はモラーベースで、CD2 SFv−Igの少なくとも約90%の効率で、CD2抗原に対する結合についてCD2と競合するモノクローナル抗体である。
【0016】
H鎖起源又はL鎖起源のいづれかの相補性決定領域はCD2 SFv−Igのそれと配列において同一であってよい。
【0017】
好ましくは、この抗体はキメラモノクローナル抗体CD2 SFv−Igである。
【0018】
本発明の別の観点は、Ig由来アミノ酸配列の少なくとも一部の欠失により上記の抗体から改質された抗体である。全Ig由来アミノ酸配列が欠失していてよい。かかる抗体はCD2 SFv−Igに由来しうる。
【0019】
モノクローナル抗体は検出可能マーカーでラベルされていてよい。この検出可能マーカーは酵素、常磁性材料、アビジン−ビオチン特異的結合性ペアのメンバー、蛍光団、発色団、化学発光団、重金属及びラジオアイソトープより選ばれうる。
【0020】
他方、このモノクローナル抗体は治療剤にコンジュゲートしてよい。この治療剤は抗腫瘍薬、リンホカイン及び毒素より成る群から選ばれうる。適当なリンホカインにはインターロイキン、インターフェロン及び腫瘍壊死因子、特にインターロイキン−2が含まれる。適当な毒素にはリシン、シュードモナス エキソトキシン及びジフテリア毒素が含まれる。
【0021】
本発明の別の観点は、薬理組成物であって:
(1)HIV−1で感染した患者における感染T細胞中でのHIV−1ウィルスの生産を阻害するのに十分な量の本発明にかかわるキメラヒト化モノクローナル抗−CD2抗体;及び
(2)薬理学的に許容されている担体;
を含んで成る組成物にある。
【0022】
本発明の別の観点は、哺乳動物細胞の中でCD2 SFv−Igキメラヒト化モノクローナル抗体を発現することの可能な構築体によって安定的に形質転換されており、且つアメリカン タイプ カルチャー コミッションにATCC No. 69277として寄託されている組換エッシェリヒア コリ細胞にある。
【0023】
本発明の更なる別の観点は、哺乳動物細胞の中でCD2 SFv−Igキメラヒト化モノクローナル抗体を発現することが可能であり、且つネズミ相補性決定領域及びヒト定常領域を含むDNA構築体にある。
【0024】
本発明の別の観点は、HIV−1−感染T細胞の中でのHIV−1の生産を阻害するための方法である。この方法は:
(1)HIVで感染したT細胞を選別する;次いで
(2)この感染T細胞を、その中でのHIV−1の生産を阻害するために、CD4+ Tリンパ球と単球との間での細胞表層相互作用を崩壊することの可能なモノクローナル抗体と接触させること;
の段階を含んで成り、ここでこの細胞はその接触T細胞中でのHIV−1の生産を阻害するのに十分な量の抗体を接触させる。
【0025】
好ましくは、この抗体はCD2に対して特異的であり、そしてCD2抗原のそのカウンターレセプターLFA−3との結合を阻止する。より好ましくは、この抗体は上記の本発明にかかわるモノクローナル抗体である;最も好ましくは、この抗体はCD2 SFv−Igである。この抗体はCD18に対するモノクローナル抗体、カウンターレセプターLFA−3に対するモノクローナル抗体、又はカウンターレセプターICAM−1に対するモノクローナル抗体でもありうる。この抗体は治療剤にコンジュゲートされていてよい。
【0026】
本発明の別の観点はHIV−1で感染した対象体を処置するための方法である。この方法は:
(1)この対象体からHIV−1で感染したT細胞を単離する;
(2)この感染T細胞を、その中でのHIV−1の生産を阻害するためにCD4+ Tリンパ球と単球との間での細胞表層相互作用を崩壊可能なモノクローナル抗体と接触させる(ここでこの細胞は、接触T細胞中でのHIV−1の生産を阻害するのに十分な量の抗体と接触させる);次いで
(3)この対象体の中の機能性非HIV−1生産性T細胞の比率を高めるためにこの患者の中にこの接触T細胞を再導入し、これによりその対象体を処置すること;
の段階を含んで成る。
【0027】
あるケースにおいては、再導入前のT細胞の活性化の追加の工程が所望されうる。
【0028】
この手順のためには、HIV−1−感染細胞中でのHIV−1生産を阻害する上記の手順と同じ抗体が好ましい。この抗体は治療剤にコンジュゲートされていてもよい。この方法は更に、AIDSに関連する日和見感染症に対して特異的な少なくとも一種の薬剤でその対象体を処置する段階を含んで成りうる。この薬剤はペンタミジン、イソニアジド、リファンピン又はアンホテリシンBでありうる。
【0029】
患者への接触T細胞の再導入はHIV−1感染症に関連する合併症を抑えることができる。
【0030】
本発明の抗体はHIV−1で感染した患者のインビボ処置のために利用することもできうる。インビボ処置手順は、T細胞がHIV−1で感染されている患者に、CD4+ Tリンパ球と単球との間での細胞表層相互作用を崩壊可能なモノクローナル抗体を投与して、感染T細胞中でのHIV−1の生産を阻害することを含んで成り、ここでこの抗体は患者の中での感染T細胞中でのHIV−1の生産を阻害するのに十分な量でこの患者に投与する。この抗体は治療剤にコンジュゲートされていてよい。この処置は、AIDSに関連する日和見感染症に対して特異的な少なくとも一種の薬剤で患者を処置する段階を更に含んで成りうる。この抗体はウィルス血症にかかっている患者に投与してよい。
【0031】
定義
「モノクローナル抗体」とは、抗体活性を有し、且つ構造、親和性及び特異性において一慣している分子を意味し、そしてキメラモノクローナル抗体、及びリンパ球以外の細胞の中で組換DNA技術によって製造されたモノクローナル抗体が含まれる。「モノクローナル抗体」はインタクト抗体と特定しない限り、二価又は一価の抗体フラグメントも含む。
【0032】
抗体分子及び抗体分子又は抗体分子の一部に由来するアミノ酸配列について用いている「同一」とは、一次アミノ酸配列において同一であることを意味している。同じ一次アミノ酸配列を有するが、しかし異なるグリコシル化のパターンを有する2種類の抗体分子はこの定義ではまだ同一である。
【0033】
「特異的な結合親和性」とは、結合性分子の表層に対する非共有相互作用、例えば疎水性結合、塩連結及び水素結合により決定される結合親和性を意味する。何らかの反論がない限り、「特異的な結合親和性」は、二分子反応について少なくとも約106 リッター/モルの会合定数を意味する。
【0034】
「ヒト起源」とは、ヒトゲノムの中で見い出せる配列と同一又は構造的もしくは機能的に明らかに由来するものを意味し、その配列がヒトの細胞、組織又は体液から物理的に獲得したものである必要はない。例えば、非ヒト哺乳動物細胞の中にクローンせしめたヒトゲノムより最初に獲得した遺伝子又は遺伝子セグメントの転写により生成され、そしてかかる非ヒト哺乳動物細胞の中での発現の後に単離されたタンパク質又はペプチドは、ヒト起源である。このことは、そのタンパク質又はペプチドが非ヒト哺乳動物細胞由来のタンパク質と会合した融合タンパク質であったとしても、ヒト配列の転写生成物がヒト細胞の中でのその本来の発生に比してほぼ完全に残っているなら、真実であり続ける。
【0035】
我々は、T細胞と、免疫応答に関与するその他の細胞、特に単球との間での接着に関与する細胞表層分子に対する一定のモノクローナル抗体が、T細胞の機能又は増殖性の阻害を伴うことなく、HIV−1−感染CD4+ T細胞によるHIV−1ウィルスの生産を阻害できることを発見した。HIV−1生産の阻害に適するモノクローナル抗体のうちで最も有用なのは、培地中で組換哺乳動物細胞の中で生産され、且つCD2 SFv−Igとして知られている新規のキメラヒト化抗CD2抗体である。上述した通り、この抗体はネズミ可変領域及びヒト定常領域を一本のアミノ酸鎖内で含む。
【0036】
1.HIV−1生産の抑制にとって有用なモノクローナル抗体
感染リンパ球によるHIV−1ウィルスの生産を阻害するのに有用なモノクローナル抗体は、T細胞と単球との間での相互作用を崩壊するいくつかのモノクローナル抗体である。
【0037】
これらの抗体は細胞接着にかかわる細胞表層分子に向けられている。本出願人はこの理論に拘束されるつもりはないが、細胞接着の過程は免疫応答の樹立にとって必要な細胞間連絡において、特に抗原の供されたT細胞による特異的な免疫活性の発生において必要である。
【0038】
これらの抗体には:(1)抗CD2モノクローナル抗体;(2)抗−CD18モノクローナル抗体;(3)抗LFA3モノクローナル抗体及び(4)抗ICAM−1モノクローナル抗体が含まれる。CD2及びCD18抗原はリンパ球上に位置している。LFA−3及びICAM−1抗原は単球上に位置しており、免疫応答の際にこれにTリンパ球が相互作用する。
【0039】
A.抗CD2モノクローナル抗体
感染T細胞によるHIV−1生産の抑制にとって最も有用なモノクローナル抗体は抗CD2モノクローナル抗体である。抗CD2モノクローナル抗体はHIV−1生産を約80%〜約99%阻害することを示す。HIV−1の生産の阻害は外因性インターロイキン−2(IL−2)の存在下又は非存在で認められた。重要には、CD4+ 細胞増殖は外因性IL−2の存在下で維持されるが、HIV−1生産はめざましく阻害される。抗CD2モノクローナル抗体はHIV−1生産を、0.1μg/mlほどの低い抗体濃度で90%阻害した。抗CD2モノクローナル抗体の添加はスタフィロコッカスエンテロトキシン(「超抗原」又は「SAG」)による処置により活性化されたT細胞についてさえもHIV−1生産を抑制するのに有効である。
【0040】
有用な抗−CD2抗体は、35.1,9.6及び9−1と命名されたモノクローナル抗体であるが、9−1はCD2上の別のエピトープに結合する。しかしながら、これらのモノクローナル抗体のうちで、35.1(Leukocyte Typing III (A.J.McMichael 編、Oxford University Press, Oxford, 1987); Leukocyte Typing IV (W.Knappら編、Oxford University Press, Oxford, 1989 )が最も有効であった。
【0041】
下記の実施例2の中で示す通り、抗CD2モノクローナル抗体の阻害効果はヒト単球Fcレセプターに対する活性化性α−CD3モノクローナル抗体との競合によらない。これは、F(ab′)2 とFabフラグメントの両者がHIV−1生産を阻害するのに有効であるとの結果に準ずる。これらのフラグメントは抗体のFc領域を有さず、従って単球Fcレセプターについて競合することができない。従って、かかるフラグメントの利用は本発明の範囲に属する。
【0042】
感染T細胞におけるHIV−1生産の抑制にとっての他の有用なCD2特異的モノクローナル抗体は、COS細胞の中での一過性発現により作られるキメラヒト化抗CD2モノクローナル抗体であり、そしてそれはCD2 SFv−Igと命名されている。この組換モノクローナル抗体は、ネズミモノクローナル抗体のH及びL鎖に由来する可変領域と、ヒトIgG1に由来する定常領域とを含む一本鎖ペプチドを含む。COS細胞の一過性発現に用いたベクターを、1993年4月9日にアメリカン タイプ カルチャー コレクションにATCC No. 69277として寄託したエッシェリヒア コリの中で増幅させた。
【0043】
このモノクローナル抗体のプロトマー形態は一価、即ち、各組換抗体分子は一つのみの抗原結合性部位を有する。しかしながら、このモノクローナル抗体の凝集体を作ることができる。このモノクローナル抗体の製造は下記に詳細する。
【0044】
CD2抗原に対する結合親和性を有し、且つヒト起源の配列の少なくとも一部を有するその他のモノクローナル抗体は本発明の範囲に属すると考えられる。これらの抗体には:(1)CD2 SFv−Igのそれと同一の相補性決定領域を有し、且つ少なくとも5個のヒト起源アミノ酸の少なくとも一配列セグメントを有するモノクローナル抗体;及び(2)モラーベースでCD2 SFv−Igの少なくとも約80%の効率でCD2抗原に対する結合についてCD2 SFv−Igと競合し、且つ少なくとも5個のヒト起源アミノ酸配列の少なくとも一配列セグメントを有するモノクローナル抗体;が含まれる。好ましくは、このモノクローナル抗体はもう一ベースでCD2 SFv−Igの少なくとも約90%で競合する。
【0045】
CD2 SFv−Igのそれと実質的に相同の相補性決定領域を有する抗体は、当業界に公知であり、且つ例えばJ.Sambrookらの「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」(第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989 )第2巻、第15章「Site-Directed Mutagenesis of Cloned DNA 」頁15.1-15.113 (引用することで本明細書に組入れる))に記載の手順を利用するインビトロ突然変異誘発によって作り上げることができる。CD2 SFv−Igのそれと同一の相補性決定領域を有する組換遺伝子操作モノクローナル抗体は、定常領域における、又は相補性決定領域(CDRs)の部分でない可変領域の領域における突然変異のみによる、キメラモノクローナル抗体に由来するものである。CD2 SFv−Igのそれと実質的に相同な相補性決定領域を有する組換操作モノクローナル抗体は、定常領域と、CDRを含む可変領域との両方における突然変異により、そのモノクローナル抗体に由来しうる。
【0046】
親和性及び特異性を実質的に保存せしめる定常及び可変領域の両方に導入することのできる突然変異は、保存的アミノ酸置換をもたらす突然変異である。「保存的アミノ酸置換」と呼ばれる一定のアミノ酸置換はタンパク質のコンホメーション又は機能のいづれをも変えることなくタンパク質の中でしばしば行えうるものであることが、タンパク質化学のよく確立されている原理である。かかる変更には、イソロイシン(I)、バリン(V)及びロイシン(L)のいづれかを、任意の別のこれらの疎水性アミノ酸に;アスパラギン酸(D)をグルタミン酸(E)に、及びその逆;グルタミン(Q)をアスパラギンに、及びその逆;そしてセリン(S)をスレオニンに、及びその逆;に置換することを含む。その他の置換も、特定のアミノ酸の環境及びタンパク質の三次構造におけるその役割に依存して保存的と考えることもできる。例えばグリシン(G)とアラニン(A)とはしばしば、アラニンとバリン(V)とのように交換し合える。比較的疎水性であるメチオニン(M)はしばしばロイシン及びイソロイシンと、そして時折りバリンと交換できうる。リジン(K)とアルギニン(R)は、アミノ酸残基の有意義なる特徴がその電荷であり、そしてそれら2つのアミノ酸残基のpkの差が有意義でない箇所においてしばしば交換される。更なる他の変更が特定の環境において「保存的」と考えられうる。タンパク質の三次元構造又は反応性に影響しない変更はコンピューターモデル化によって決定できる。
【0047】
本発明の範囲に属するキメラモノクローナル抗体は、H鎖起源の相補性決定領域がCD2 SFv−Igのそれと配列において同一であるもの、及びL鎖起源のCDRがCD2 SFv−Igのそれと配列において同一であるものである。
【0048】
本発明の範囲に属する本発明にかかわる抗体の追加の改質には、キメラ分子のIg領域の少なくとも一部が排除され、抗体の相補性決定領域が残っている変異体が含まれる。これらの変異体には、分子の全Ig領域が排除された変異体が含まれる。分子量の小さめのこれらの変異体はインビボ使用においてより所望され、なぜならこれらはリンパ組織の中により有効に侵入するからである。これらの変異体は適当な欠失を誘発することによりインビトロ突然変異誘発によって作られうる。好ましくは、これらの変異体はCD2 SFv−Igに由来し、そしてそのキメラ抗体の相補性決定領域を保持している。
【0049】
35.1に加えてHIV−1の複製を防ぐための本発明の範囲に属するのはCD2上のLFA−3結合性部位をブロックする抗CD2抗体でもあり、これはCD2とLFA−3との相互作用を防ぐ。
【0050】
B.抗CD18モノクローナル抗体
CD4+ T細胞の中でのHIV−1生産の抑制において有効なその他のモノクローナル抗体は抗CD18モノクローナル抗体である。抗原CD18はLFA−1として知られる細胞表層レセプターのβ−サブユニットであり、そしてこれは単球上のICAM−1,ICAM−2及びICAM−3と命名されている分子と相互作用する。CD2に対するモノクローナル抗体と同様に、CD18に対するモノクローナル抗体は外因性IL−2の存在下又は非存在下でHIV−1の生産を抑制する。適切な抗CD18モノクローナル抗体は60.3である。
【0051】
C.抗−LFA−3モノクローナル抗体
感染T細胞におけるHIV−1生産の抑制にとって有用な他の抗体は抗−LFA−3モノクローナル抗体である。LFA−3は単球の表層上に典型的に見い出せる分子であり、そしてT細胞リンパ球上のCD2と相互作用する。従って、抗LFA−3モノクローナル抗体は活性化リンパ球の中でのHIV−1合成に必要なCD2とLFA−3との間での相互作用を崩壊する。適当な抗−LFA−3モノクローナル抗体はTs 2/9である。
【0052】
D.抗ICAM−1モノクローナル抗体
感染T細胞の中でのHIV−1生産の抑制にとって有用なその他の抗体は抗ICAM−1モノクローナル抗体である。単球上に位置するICAM−1はリンパ球の表層上のCD18抗原に結合する。CD18はLFA−1のβ−サブユニットである。適切な抗−ICAM−1モノクローナル抗体は84H10である。
【0053】
II.キメラヒト化抗CD2抗体
HIV−1生産及びCD4+ リンパ球の抑制にとって有用な好ましい抗体はCD2 SFv−Igと呼ばれるキメラヒト化一本鎖抗体である。キメラモノクローナル抗体の利用は一般にヒト対象体の処置において好ましく、その理由はかかるモノクローナル抗体は:(1)抗ネズミ免疫応答をあまり誘発しないことがあり、そして(2)インビボで長い生存期間を有しうるからである(G.Haleら、「Remission Induction in Non-Hodgkin Lymphoma With Reshaped Human Monoclonal Antibody CAMPATH-1H」Lancet 2: 1394-1399 (1988); D.Yasmeen ら、「The Structure and Function of Immunoglobulin Domains. IV. The Distribution of Some Effector Functions among the Cγ2Cγ3 Homology Regions of Human Immunoglobulin G1 」J.Immunol. 116: 518-526 (1986)) 。
【0054】
A.キメラヒト化モノクローナル抗体CD2 SFv−Igの生産
キメラヒトモノクローナル抗体CD2 SFv−Igの生産はネズミハイブリドーマ中のモノクローナル抗体についてコードする遺伝子の単離及び定常領域のヒト定常領域の対応遺伝子配列による交換を必要とする。最終生成物はモノクローナル抗体の活性を有する一本鎖分子であり、そしてエッシェリヒア コリの中のキメラ抗体についてコードするDNAの増幅後にCOS細胞の中で発現させる。
【0055】
1.cDNA合成及び増幅
CD2 SFv−Igの生産における第一段階は、ハイブリドーマ細胞生産性抗CD2モノクローナル抗体から単離したメッセンジャーRNAからのcDNAの合成である。好ましくは、ネズミハイブリドーマ細胞を使用する。
【0056】
典型的には、全RNAを当業界によく知られる抽出法、例えば酸性pHでのフェノールによる抽出又はグアニジニウムチオシアネートによる抽出、それに続く塩化セシウム溶液の中での遠心により単離される。これらの手順及びその他のRNA抽出は、J.Sambrookら、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」(第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989 )、第7章、「Extraction, Purification, and Analysis of Messenger RNA From Eukaryotic Cells,」頁7.1-7.25に記載されている。任意的に、mRNAをオリゴ(dT)でのクロマトグラフィーにより全mRNAから単離してよいが、しかしこの工程は必須ではない。
【0057】
cDNAを合成するため、κ又はλ軽鎖定常領域に、且つγ2a重鎖の定常領域に相補性のプライマーを合成の開始のために好適に利用する。最も好ましくは、使用するプライマーはκ鎖定常領域中のヌクレオチド101−124及びγ2a定常領域中のヌクレオチド100−123に相補性である。あまり好ましくはないが、その他のプライマーも、それらが完全な可変領域を含むcDNAの生産を可能とする限り、利用できうる。
【0058】
増幅は、滑り(slippage)抜きの高率増幅を可能とする任意の手順によって実施できうる。好ましくは、増幅はポリメラーゼ連鎖反応による(K.B.Mullis F.A.Faloona, 「Specific Synthesis of DNA in Vitro Via a Polymerase-Catalyzed Chain Reaction」Meth. Enzymol. 155: 335-350 (1987); K.Mullisら、「Specific Enzymatic Amplification of DNA in Vitro: The Polymerase Chain Reaction 」Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol. 51: 263-273 (1986); R.K.Saikiら、「Primer-Directed Enzymatic Amplification of DNA with a Thermostable DNA Polymerase 」Science 238: 487-491 (1988)) 。
【0059】
ある非常に好ましい手順はシングルサイド型(single−sided)又はアンカー型PCRを利用する(E.Y.Loh ら、「Polymerase Chain Reaction with Single-Sided Specifity: Analysis of T-cell Receptor δ Chain」Science 243: 217-220 (1989)) 。この手順は逆転写物の3′末端のホモポリマーテーリングを利用する;次にPCR増幅を、特異的な3′−プライマー、及びアンカーを終結せしめる、常用の制限部位を有する配列に付加された転写物の3′末端に加えられているホモポリマーに相補性なホモポリマーテールより成る第二オリゴヌクレオチドで行う。あるバージョンにおいて、縮重オリゴヌクレオチド(Y.L.Chiangら、「Direct cDNA Cloning of the Rearranged Immunoglobulin Variable Region」Biotechniques 7: 360-366 (1989)) を標準PCRによりγ2a重鎖可変領域を増幅するために用い、そしてκ鎖可変領域についてのcDNAへのポリ(dG)テール3′末端の付加の後、アンカー型PCRをこのκ鎖の定常領域のヌクレオチド101−124に相補性なプライマーを用いて利用する。典型的には、約30周期の増幅を行うが、しかしこの回数は必要なだけ変えられうる。
【0060】
2.増幅DNAのクローニング
PCR生成物を適当な細菌宿主、最も好適には、DNAが組込まれることができ、且つ細菌宿主の中で安定的に複製されるプラスミドベクターを有するE.コリにクローンする。E.コリへのクローニングにとって適当な数多くのクローニングベクターが公知であり、そしてSambrookら前掲 第1章「Plasmid Vectors」頁1.1−1.110に記載されている。必要とされる正確なる操作は選んだ特定のクローニングベクター及びベクターの中へのクローニングのために利用する特定制限エンドヌクレアーゼ部位に依存する。
【0061】
ある非常に好ましいベクターはpUC19である。pUC19の中へのクローニングのため、PCR生成物をE.コリDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント及び4種のデオキシリボヌクレオシド三リン酸で処理して、DNA鎖の末端にある一本鎖領域をフィリングすることによってブラント末端を得る。次に、軽鎖起源のcDNAの増幅フラグメント(VLフラグメント)の5′末端及び3末端それぞれにEcoRI及びBamHI制限部位を付加するのにPCRを用いることができる。同様に、重鎖起源のcDNAの増幅フラグメント(VHフラグメント)にXbaI及びHindIII 制限部位を加える。これらのフラグメントを適当な制限エンドヌクレアーゼで消化し、次いで(1)VLのためにEcoRI及びBamH;そして(2)VHのためにXbaI及びHindIII で消化しておいたpUC19ベクターの中にクローンする。得られる構築体はコンピテントE.コリ株、例えばDH5αを形質転換せしめるために用いることができる。
【0062】
VL及びVHを含むクローンは好ましくはDNA配列決定により同定する。適切なDNA配列決定手順はSangerジデオキシヌクレオチド連鎖停止手順である。かかる手順は、ポリクローニング部位にフランクするpUC19配列にアニールする前進及び後退プライマーを伴うシーケナーゼ2.0キット(United States Biochemical, Cleveland, Ohio)を用いて実施できる。好ましくは、VL及びVHに関する共通配列を、多重クローンを比較し、そしてその配列を対応のネズミVL及びVH可変領域配列と並べることによって決定する(E.A.Kabat ら、「Sequences of Protein of Immunological Interest」(第4版、U.S.Department of Health and Human Services, Bethesda, Maryland, 1987)) 。
【0063】
3. 発現カセットの調製及び 1 本鎖抗体構築物の生産
次の段階は、リンカーにより分けられたVL及びVH配列を含む1 本鎖抗体構築物を取り込んだ発現カセットの調製である。高く好ましい手順においては、5'- リーダー配列を、VLから除去し、そして生来の蛋白の残基1 に先行するSal I 部位を含む配列により置換する。3'- 末端からの33の定常領域残基を、16- 残基リンカー配列ESGSVSSEELAFRSL(配列番号1)をコードしている配列に相補的な配列を添加してプライマーにより置き換える(J.K. Batra et al., "Anti-TAc (FV)-PE40, a Single Chain Antibody Pseudomonas Fusion Protein Directed at Interleukin-2 Receptor-Bearing Cells,"J. Biol. Chem.265:15198-15202 (1990)) 。VH配列のために、VHプライマーを、リンカーをエンコードしている" センス(sense)"配列、例えば、先に与えた16- 残基のリンカー配列( 配列番号1)を、成熟蛋白の残基1 に先行するVH 5'-末端に添加し、そしてBcl I 部位を3'- 末端において定常領域残基と置換する。
【0064】
ポリメラーゼ連鎖反応を、次に、鋳型として示したように修飾されたVL cDNA とVH cDNA との混合と共に、そして4 プライマー(2つのリンカー・プライマー及び2 つのプライマーであって制限部位を含むもの) の混合と共に、使用することができる。これは、Sal I 及びBcl I 部位に隣接したVL- リインカー-VH 配列を含む1 本鎖DNA 断片を作り出す。このDNA 構築物を、次に、好ましくは、dam - E.コリ細胞、例えば、NEB 208 株を通して継代培養する。この継代培養構築物を、次に、Sal I 及びBcl I により消化させる。
【0065】
4. 融合蛋白の調製及び発現
先の段階からの消化DNA を、次に、抗-6κ軽鎖リーダー配列、その後のSal I 部位及びBcl I 、その後のヒトIgG1尾をエンコードしているcDNAであってその中でヒンジ領域内のシステインがダイマー化を防ぐためにセリンに突然変異されているものを、含むpCDM8 ベクター中に、リゲートする(P.S. Linsley et al., "Binding of the B Cell Activation Antigen B7 to CD28 Costimulates T-Cell Proliferation and Interleukin-2 mRNA Accumulation," J. Exp. Med. 191:721-730 (1991)) 。
【0066】
得られた構築物は、哺乳類細胞内でCD2 SFv-Igキメラ・ヒト化モノクロナール抗体を発現することができる。この構築物は、ネズミの相補性- 決定領域及びヒト定常領域を含む。この構築物を、好ましくは、コンピテントE.コリ内で増幅する。構築物による形質転換のために高く好ましいE.コリの株は、MC1061/63 である。この構築物により形質転換されたE.コリは、ATCC寄託番号69277 としてAmerican Type Culture Collectionにより寄託されている。
【0067】
プラスミドDNA を、次に、例えば、塩化カルシウム密度勾配遠心分離により、単離し、そして精製する。精製したDNA を、次に、このようにトランスフェクトされたDNA を発現することができる真核生物細胞系にトランスフェクトする。高く好ましい細胞系は、サルCOS 細胞である。DNA を導入する好ましい方法は、DEAE- デキストランによるが、他の方法を、トタンスフェクションのために利用することができ、そして本分野において知られている。これらの方法は、リン酸カルシウムとDNA との共沈降によるトランスフェクション、ポリカチオン、ポリブレンを使用するトランスフェクション、及びエレクトロポレーションによるトランスフェクションを含む。これらの方法は、J. Sambrook et al., "Molecular Cloning: A Laboratory Manual," 前記, vol. 3, pp. 16.30-16.55 中に記載されている。
【0068】
好ましくは、融合蛋白をコードしている配列を含む組換えDNA は、A. Aruffo, "Transient Expression of proteins Using COS Cells, " in Current Protoco ls in Molecular Biology (2d ed., F.M. Ausubel et al., eds., John Wiley & Sons, New York, 1991), pp. 16.13.1-16.13.7 中に記載されているように、過渡的発現により、発現される。
【0069】
B. キメラ・ヒト化抗体、 CD2 SFv-Ig の構造及び特徴
CD2抗原の対するキメラ・ヒト化抗体、CD2 SFv-Igは、ネズミ起源のH 及びL 鎖の両方の可変領域の部分を含む1 本鎖構造物である。この可変領域を、ヒト起源の定常領域、すなわち、IgG1に結合させる。得られた1 本鎖蛋白は、CD2 抗原と1 価で結合する; すなわち、IgG 分子毎に1 つの抗原結合部位が在る。この抗体は、蛍光活性化セル・ソーティング(fluorescent activated cell sorting(FACS))により測定されるように、Jurkat T細胞上のCD2 への結合について、ネズミ抗-CD2モノクロナール抗体35.1と、特異的に競合する。
III. 抗体の、検出マーカー及び治療剤への結合
CD2 SFv-IgG1を含む、本発明に記載の抗体を、インビボ及びインビトロの両方における診断における使用のための、そして治療における使用のための、検出マーカー及び治療剤に、結合させることができる。抗体が結合することができるところの検出マーカーの中には、酵素、常磁性イオン又は化合物、アビジン- ビオチン特異的結合対のメンバー、蛍光団(fluorophores)、発色団(chromophores)、化学発光団(chemiluminophores) 、重金属、及びラジオアイソトープがある。抗体がそれに結合することができる治療剤の中には、抗新形成剤、リンホカイン、及び毒素がある。
【0070】
検出マーカー及び治療剤、並びに結合方法は、本分野においてよく知られているが、以下の討議は、限定というよりもむしろ例示的なものを意図されている。以下の討議の中で特定の検出マーカー、治療剤、又は標識方法を省略することは、その検出マーカー、治療剤、又は標識方法が本発明のモノクロナール抗体のいずれかによる使用に好適でないということを含意するものと翻訳されるべきではない。
A. 結合方法
好適な結合方法は、共有結合、キレートによる結合、及びコロイド形成による結合を含む。
【0071】
1. 共有結合
共有結合は、2 官能価のカップリング剤による結合と酸化的結合による両方の結合を含む。前者は、そのモノクロナール抗体が有機分子に結合するとき、一般的に利用することができる。後者は、その抗体が放射性ヨウ素により標識されるとき、最も一般的に使用される。
【0072】
a. 2 官能価カップリング剤による結合
多くの2 官能価カップリング剤が、様々なタイプの官能基を有する有機分子を、抗体分子を含む蛋白にカップリングさせるために有用である。有機分子の、抗体特異性を有する蛋白を含む蛋白への結合体は、本分野においてよく知られており、そして例えば、P. Tijssen, "2 Practice and Theory of Enzyme Immunoassays" (Elsevier, Amsterdam, 1985), pp. 279-296 ( これを、引用により本明細書中に取り込む。) 中に記載されている。
【0073】
簡単に言えば、カルボキシル基を含む有機分子又はカルボキシル化されることができるものを、混合無水物反応により、水溶性カルボジイミドとの反応、又はN-ヒドロキシスクシンイミドとの反応により、カップリングすることができる。カルボキシル化を、反応、例えば、酸素又は窒素置換基のハロエステルによるアルキル化、その後のエステルの加水分解、又はステロイドのヒドロキシル基又はケトン基上のヘミスクシネート・エステル又はカルボキシメルオキシムの形成により、行うことができる。
【0074】
アミノ基又はアミノ基に還元されることができるニトロ基をもつ有機分子を、ジアゾニウム塩に変換し、そして芳香族アミンのための、わずかにアルカリ性のpHにおいて蛋白と反応させることができる。脂肪族アミンをもつ有機分子を、カルボジイミドとの反応、ホモ2 官能性試薬トリレン-2,4- ジイソシアネートとの反応、又はマレイミド(maleimide) 化合物との反応を含む様々な方法により、蛋白と結合させることができる。また、脂肪族アミンを、p-ニトロベンゾイルクロライドとの反応、そしてその後のp-アミノベンゾイルアミドへの還元により、芳香族アミンに変換することができ、これを、次に、ジアゾ化(diazotization) 後に蛋白にカップリングさせることができる。また、2 官能価イミデート・エステル、例えば、ジメチルピメリミデート(dimethylpimelimidate)、ジメチルアジピミデート(dimethyladipimidate) 、又はジメチルスバーミデート(dimethylsubermidate) を、アミノ基含有有機分子を蛋白に結合させるために使用することができる。
【0075】
チオール含有有機分子を、マレイミド、例えば、4-(N- マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1- カルボン酸N-ヒドロキシスクシミド・エステルにより蛋白に結合させることができる。
ヒドロキシ基もつ有機分子のために、アルコール官能基を、結合のために利用できるカルボキシル基を導入するヘミスクシネートに変換することができる。あるいは、2 官能価試薬セバコイルジクロライド(sebacoyldichloride)は、アルコールを酸クロライドであって次に蛋白と反応するものに変換させる。
【0076】
フェノールを、カルボキシル基を導入するジアゾ化p-アミノ安息香酸により活性化することができ、そして、次に、混合無水物反応により蛋白と反応させることができる。砂糖を、p-ニトロフェニル・グリコシドを形成させ、その後のそのニトロ基をアミノ基に還元し、そしてジアゾ化により結合することにより、活性化することができる。他の方法は、ペリオデート(periodate) との反応、その後の水素化ホウ素ナトリウムによる還元的アルキル化によるアミンとのカップリングによる、砂糖のアルデヒドへのビシナル・グリコールの解裂を含む。あるいは、ヒドロキシル含有有機分子は、ホスゲンとの反応によるクロロカーボネートへの変換後に結合される。
【0077】
アルデヒド又はケトン基をもつ有機分子のために、カルボキシル基を、O-カルボキシメチルオキシムの形成を通して導入することができる。また、ケトン基を、カルボキシル基を作るためにp-ヒドラジノ安息香酸と誘導体化することもできる。アルデヒドを含む有機分子を、還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウムによる還元により安定化されるSchiff塩基の形成を通して直接に結合することができる。
【0078】
b. 酸化的結合
酸化的結合は、放射性ヨウ素を抗体にカップリングさせるとき、特に有用である。好適な方法は:(1)クロラミン-Tによる化学的酸化;(2)ヨードゲン(1,3,4,6- テトラクロロ-3α,6α- ジフェニルグリコールリル) による化学的酸化;(3)酵素ラクトペルオキシダーゼによる酸化、を含む。酸化的な手順ではないが、ヨウ素による標識付けのための他の有用な方法は、Bolton-Hunter 試薬として一般的に知られている、[ 125 I] N- スクシンイミジル-3-(4-ヒドロフェニルプロピオネート) によるものである。これらの技術は、例えば、E. Harlow and D. Lane, "Antibodies: A Laboratory Manual" (Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1988), pp. 324-339 中に記載されている。
【0079】
2. キレート結合による結合
キレート結合(chelation) による結合は、特に、放射性であることができる、陽電荷金属イオンに有用である。キレート結合による抗体に結合することができる好適な金属イオンの例は、111 In(III) である。好適なキレート剤は、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)の誘導体、例えば、キレーター・ジエチレントリアミンペエンタ酢酸(DTPA)及びその誘導体を、含む。キレート結合によるモノクロナール抗体の標識付けの手順は、例えば、T.G. Wensel & C.F. Mear, " 'Bifunctional' Chelating Agents for Binding Metal Ions to Proteins," in Radioimmunoimaging and Radioimmunotherapy (S.W. Burchiel & B.A. Rhodes, eds., Elsevier, Amsterdam, 1983), pp. 185-196及びA.R. Bradwell et al., "Developments in Antibody Imaging," in Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy (Baldwin et al., eds., Academic Press, London, 1985), pp. 65-85 中に記載されている。
【0080】
3. コロイド形成による結合
コロイドを作るための、抗体の金属ゾルへの結合は、特に、免疫組織化学的又は免疫細胞化学的な技術における使用のための標識抗体に、有用である。この金属ゲルは、金、プラチナ、銀、又は他の金属であることができる。この技術は、J. DeMey et al., "Gold Probes in Light Microscopy," in Immunocytochemistry: Modern Methods and Applications (J. M. Polak & S. Van Noorden, eds., Wright, Bristol, 1986), pp. 71-88及びJ. DeMey, "The Preparation and Use of Gold Probes, " in Immunnocytochemistry: Modern Methods and Applications, pp. 115-145中に、詳細に記載されている。
B. 検出マーカー
1. 酵素
有用な検出マーカーの中には、検出可能な生成物を作る酵素がある。ある場合には、これらの生成物は、不溶性であり、そして容易に検出される着色沈殿物を形成する。好適な酵素の中には、β- ガラクトシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、及びホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、並びに本分野においてよく知られている他の酵素がある。
2. 常磁性材料
常磁性材料は、Mn2+、Cr3+、及び多くの希土類、例えば、セシウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム及びそれらの化合物を含む。
【0081】
3. アビジン - ビオチン特異的結合対のメンバー
抗体を、アビジン- 特異的結合対のメンバーにより標識することができ、そして特異的結合対の他のメンバーを、他の検出マーカーにより標識することができる。これは、抗体の間接的標識付けの非常に特異的な手段を提供し、そしてその標識の増幅を可能にする。好ましくは、抗体を、ビオチンにより標識し、そして間接標識を、アビジンに結合させる。ある場合には、このパターン、すなわち、抗体をビオチンにより標識し、そしてアビジンにその標識を付着させることを、逆にすることが必要であるかもしれない。ストレプトアビジン、ストレプトミセス・アビジニ(Streptomyces avidinii) からの蛋白は、ビオチンへの同様なアフィニティーをもち、そしてアビジンの代わりとして使用されることができる。様々なリンカーを、様々な長さのスペーサーを提供しながら、ビオチンを抗体に結合させるために、使用することができる。
【0082】
4. 蛍光団
しばしば、蛍光標識( 蛍光団) が検出のための抗体を標識するために使用される。このような蛍光団は、フルオロセイン、ローダミン、フィコエリトリン、及びTexas Red 、塩化スルホニル誘導体を含む。また、これらの誘導体を含む他の蛍光団を、抗体を標識するために使用することができる。
【0083】
5. 発色団
多数の染料又は発色団を、標識として使用し、抗体濃度の可視性指標を与えることができる。但し、他の方法が、一般的に、より感度が高く、そしてより低い抗体濃度を検出することができる。実際に、いずれかの染料を、先に開示したカップリング手順の中の1 つを使用して、抗体に結合させることができる。
【0084】
6. 化学発光団
他の蛍光団は、化学発光団( 化学発光標識) である。これらの標識は、数ある中で、ルミノール及びイソルミノール誘導体、アリール・アギザレート、10- メチル- アクリジニウム-9- カルボン酸アリール・エステル、及び5-メチル- フェナンスリジニウム-6- カルボン酸アリール・エステルを、含む。
【0085】
7. 重金属
これらは、電子濃密金属、例えば、金、銀、又は白金を含む。これらは、典型的には、コロイド形成により抗体に結合され、そして、電子顕微鏡におけるそれらの高い電子密度により検出される。コロイド性重金属標識も、そのコロイドの他の性質より検出されることができる。
【0086】
8. ラジオアイソトープ
ラジオアイソトープは、しばしば使用される標識であって、β- 照射アイソトープのためのシンチレーション計数又はγ- 照射アイソトープのためのタリウム- 活性化ヨウ化ナトリウム結晶検出装置を使用したより良好な計数により、非常に高い感度で検出されることができるものである。モノクロナール抗体を標識するのに好適なラジオアイソトープは、3 H 、14C 、35S 、32P 、125 I 、及び131 I を含む。これらの中で、たぶん最も一般的に使用される放射性標識は、γ- 照射の125 I であり、これは、安価であり、そして高い効率で容易に検出可能である。
C. 治療剤
本発明に記載のモノクロナール抗体を、治療剤と結合させ、そしてその治療剤をCD2-発現リンパ球に向けるために使用することができる。これは、それらの高い全身的投与量を必要とせずに、より高い濃度のこのような剤の投与を可能にする。これは、このような剤の使用により他の点でしばしば見られる副作用の発生を減少させることができる。治療剤と結合した本発明のモノクロナール抗体の使用は、AIDSの治療又は軽減に限定される必要はないが、自己免疫疾患を含むリンパ球機能に影響を与える他の症状において有益であることを証明することができる。
【0087】
本発明に記載のモノクロナール抗体に結合されることができる治療剤の中には、抗新形成剤、リンホカイン、及び毒素がある。先に記載したようなラジオアイソトープに結合された本発明に記載のモノクロナール抗体も、治療のために使用することができる。
1. 抗腫瘍剤
多くの抗腫瘍剤が当業者に知られており、そして、例えば、W.O. Foye, ed., "Principles of Medicinal Chemistry" (3d ed., Lea & Febiger, Philadelphia, 1989), pp. 757-783, 中に記載されており、そして、引用により本明細書中に取り込まれている。例示的な抗腫瘍剤は:(1)代謝阻害剤、例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン(cytarabine)、5-フルオロウラシル、及びダカルバジン(dacarbazine);(2) アルキル化剤、例えば、トリエチレンチオホスホラミド( " チオテパ(thiotepa)")、クロラムブシル(chlorambucil)、メファラン(mephalan)、シクロホスファミド、カルムスチン(carmustine)、ロムスチン(lomustine) 、ブスルファン(busulfan)、マイトマイシンC 、及びcis-ジクロロジアミン白金;(3)DNA-挿入剤(DNA-intercalating agents)、例えば、ドクソルビシン(doxorubicin) 、ダウノルビシン(daunorubicin)、ミトキサントロン(mitoxantrone)、及びビサントレン(bisantrene);(4)抗生物質活性をもつ医薬; 及び(5) 他の化合物、例えば、プロカルバジン(procarbazine)、ヒドロキシウレア、及びアスパラギナーゼ、を含む。
【0088】
2. リンホカイン
モノクロナール抗体への付着に好適なリンホカインは、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び形質転換成長因子を含む。インターロイキンは、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10 を含む。腫瘍壊死因子は、TNF α及びTNF βを含む。インターフェロンは、少なくとも20のサブタイプをもつα- INF 、β-INF及びγ-INFを含む。形質転換成長因子は、TGF βを含む。これらのリンホカインの性質は、E.S. Golub and D.R. Green, "Immunology: a Synthesis" (2d ed., Sinauer Associates, Inc. Sunderland, Mass., 1991), pp. 444-461( これを、引用により本明細書中に取り込む。) 中に簡単に要約されている。
【0089】
3. 毒素
免疫療法のために有用な毒素は、ヒマシ油からのリシン、シュードモナス外毒素、及びジフテリア毒素を含む。他のこのような毒素も、本分野において知られている。
IV. 医薬組成物
本発明の他の態様は、感染患者におけるHIV-1 の増殖を減少させることにおける使用に好適な医薬組成物である。
【0090】
一般的に、本発明の医薬組成物は:
(1)HIV-1により感染された患者における感染T 細胞におけるHIV-1 ウイルスの生産を阻害するのに十分な量における本発明に記載のキメラ・ヒト化モノクロナール抗-CD2抗体; 及び
(2) 医薬として許容される担体、
を含んで成る。
【0091】
キメラ・ヒト化モノクロナール抗-CD2抗体は、好ましくは、CD2 SFv-Igである。但し、本発明の他の抗体が、医薬組成物において使用されることもできる。
本分野において知られた慣用の医薬として許容される担体は、アルコール、例えば、エチル・アルコール、血清蛋白、ヒト血清アルブミン、リポソーム、バッファー、例えば、リン酸塩、水、無菌生理食塩水又は他の塩、電解質、グリセロール、ヒドロキシメチルセルロース、プロピレン・グリコール、ポリエチレン・グリコール、ポリオキシエチレンソルビタン、他の界面活性剤、植物油、及び慣用の抗- バクテリア又は抗- 菌剤、例えば、パラベンズ(parabens)、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸(sorbic acid) 、チメロザール(thimerosal)、等を含む。本発明の範囲内の医薬として許容される担体は、無菌性、等張性、安定性、及び非- 発熱性のための工業標準に適合する。使用される特定の担体は、免疫防御抑制をブロックすることができる剤の濃度及び投与の所定の経路に、依存する。典型的には、本発明に記載の医薬組成物は、多数の慣用の経路、例えば、静脈内、皮膚内、腹膜内、又は筋肉内の中の1 つにより、注射される。
V. HIV-1 感染 T- 細胞における HIV-1 の生産の阻害方法
本発明の他の態様は、HIV-1-感染細胞におけるHIV-1 の生産の阻害のための方法である。一般的に、この方法は:
(1)HIV-1により感染されたT-細胞を選択し; そして、
(2) その感染されたT 細胞内のHIV-1 の生産を阻害するために、その感染されたT 細胞と、CD4 + T リンパ球と単球(monocytes) との間の細胞表面の相互作用を破壊することができるモノクロナール抗体とを、その細胞をその接触T 細胞内のHIV-1 の生産を阻害するのに十分な量の抗体により接触させながら、接触させること、
を含んで成る。
【0092】
先に記載したモノクロナール抗体は、HIV-1-感染T 細胞内のHIV-1 の生産を阻害するために使用されることができる。一般的には、本発明に記載のキメラ・ヒト化モノクロナール1 本鎖抗体、特にCD2 SFv-Igを使用することが好ましい。しかしながら、他のモノクロナール抗体、例えば、CD2 に対する2 価のモノクロナール抗体、CD18に対するモノクロナール抗体、カウンター- レセプタLFA-3 に対するモノクロナール抗体、及びカウンター- レセプタICAM-1に対するモノクロナール抗体を、使用することもできる。ある者は、この目的のために、可溶性形態における天然のCD2 リガンドLFA-3 、例えば、細胞外ドメイン融合蛋白を使用することもできる。
【0093】
0.1 μg/mlと同程度に低い濃度のCD2 SFv-Igは、50% を超えるウイルスの生産を阻害する。ダイマー・ネズミ・モノクロナール抗体35.1については、0.01μg/mlと同程度に低い濃度が50% を超えるまで阻害し;0.10 μg/mlと同程度に低い濃度が90% を超えるまで阻害する。
使用される抗体は、所望により治療剤に結合されることができる。
【0094】
必要とされるより高い濃度の抗体にもかかわらず、キメラ・ヒト化抗CD2 SFv-Igの使用は、一般的に、ネズミ抗体から不所望の免疫反応の可能性を避けるために好ましい。このような相互作用は、不所望の副作用を引き起こすだけではなく、投与された抗体それ自体の活性をも妨害することができる。より高い濃度の抗体は、幾つかの情況において、例えば、2 価のSFv が作られる場合において、又は結合領域の周りのアミノ酸配列が結合の効率を増加させるために修飾される場合において、必ずしも必要なものではない。この修飾は、インビトロにおける突然変異誘発の標準的な技術により行うことができる。
VI. HIV-1 により感染された患者の治療方法
前述の方法は、HIV-1 により感染された患者の治療方法のための基礎を作る。HIV-1 により感染された患者を、エクスビボ(ex vivo) 又はインビボ(in vivo) のいずれかにおいて本発明の抗体及び組成物により、治療することができる。
【0095】
一般的に、エクスビボにおける治療方法は:(1)HIV-1 により感染されたT 細胞を選択し;(2)先に記載したように、そのT 細胞を抗体と接触させ; そして(3) その接触されたT 細胞を患者の中に再注入し、患者内の機能的な非-HIV-1- 生産T 細胞の割合を増加させ、それにより患者を治療すること、を含んで成る。幾つかの場合には、それらを再注入する前に、インビトロにおいてT 細胞を活性化する追加の段階を含むことが好まれることができる。これは、ウイルスの重荷を増加させることなく有効なT 細胞の割合を増加させることができる。
【0096】
使用される投与量レンジは、特定の抗体のために先に特定した最小投与量に従って選ばれることができる。この投与量は、患者の臨床的状態及び応答に従って治療内科医により、調整されることができる。これは、患者のT 細胞の計数値及び特定の日和見感染の存在の有無を含む。この方法は、中枢神経系組織におけるAIDSの増殖により引き起こされる日和見感染及び痴呆(dementia)の発生を含むHIV-1 の合併症を減少させることができる。
【0097】
本方法は、AIDSに関連した日和見感染の治療のための抗生物質又は他の治療剤の投与と共に、使用されることができる。このような治療剤の例は、カリニ(Pneumocystis carinii)肺炎のためのエアロゾル化ペンタミジン(pentamidine) 、マイコバクテリア感染のためのイソニアジド(isoniazid) 及び/ 又はリファンピン(rifampin)、及びカンジダ症(candidiasis) のためのアンフォテリシンB(amphotericin B) を含む。
【0098】
一般的に、インビボにおける治療方法は、感染T 細胞内におけるHIV-1 の生産を阻害するために、CD4 + T リンパ球と単球との間の細胞表面相互作用を破壊することができるモノクロナール抗体を、そのT 細胞がHIV-1 により感染されたている患者に、投与することを含んで成る。このモノクロナール抗体は、先に記載したものである。投与される抗体の量は、先に与えた投与量のガイダンスに従って、患者において機能的な非-HIV- 生産T 細胞を増加させるのに、又は、HIV-1 感染T 細胞の生産を阻害するために、十分なものである。インビボにおける抗体の投与は、HIV-1 感染に関連した合併症を減少させることができ、そしてウイルス血症(viremia) の間に行われることができる。
【0099】
インビボにおいて投与されるモノクロナール抗体は、先に記載したように、所望により治療剤と結合されるとができる。
本治療方法は、先に記載したように、AIDSと関連した日和見感染を治療するための抗生物質又は他の特異的な治療剤の投与と組み合わされることができる。
【0100】
【実施例】
本発明を以下の実施例で説明する。これらの実施例は例示目的にすぎず、本発明を限定するものではない。
【0101】
実施例1
CD2 SFv-Ig キメラヒト化抗 CD2 組換えモノクローナル抗体の調製
ヒト定常領域を含むキメラ一本鎖モノクローナル抗体(CD2 SFv-Ig)を、以下のように組換えDNA 技法によって産生させた。
【0102】
cDNA の合成及び増幅
マウス抗ヒトCD2 抗体35.1を発現するハイブリドーマ細胞(P.J. Martinら、"Functionally Distinct Epitopes of Human Tp50"、J. Immunol. 、131: 190-195(1983)) を、10% 子ウシ血清(FCS) を補足したIMDMにおいて成長させ、5 ×107 個の細胞を標準的プロトコール(M. Gilman、"Current Protocols in Molecular Biology"、John Wiley & Sons 、New York、1990) によって溶解させてすべての細胞RNA を単離した。35.1免疫グロブリンカッパー軽鎖可変領域(VL)及び35.1 IgG2a重鎖可変領域(VH)の第一のcDNA鎖を、鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV) 逆転写酵素(Life Sciences、St. Petersburg、Florida)並びにネズミカッパー鎖不変領域(mck-1) 内のヌクレオチド 101〜124 及びネズミIgG2a 定常領域(mIgG2a)内のヌクレオチド 100〜123 に相補的な特異的プライマーを用いて合成した。
【0103】
ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(Stratagene 、La Jolla、California) とmck-1 とを用いて、35.1 VL cDNAの 3'-鎖にポリ(dG)尾部を付加した。第二の鎖を、アンカーポリメラーゼ連鎖反応法(E.Y. Joh ら、"Polymerase Chain Reaction with Single-Sided Specificity; Analysis of T Cell Receptor δ Chain" 、Science 243: 217-220 (1989))によって、mck-1 を特異的3'- プライマーとして用いて調製した。
【0104】
縮重オリゴヌクレオチド(Y.L. Chiangら、"Direct cDNA Cloning of the Rearranged Immunoglobulin Variable Region"、Biotechniques 7: 360-366 (1989))を使用して、熱安定性のよいThermus aquaticus (Taq) DNA ポリメラーゼ(R.K. Saiki ら、"Primer-Directed Enzymatic Amplification of DNA with a Thermostable DNA Polymerase" 、Science 239: 487-491 (1988))を用いた標準的ポリメラーゼ連鎖反応手順によって35.1 VH 配列を増幅した。アンカーPCR 及び標準PCR では、全体積 100μl において、cDNA(0.1-1.0μg)と、1.25mMの各dNTP、10mMトリス-HCl(pH 8.3)、50mM KCl、1.5mM MgCl2 、それぞれ10〜25 pmol の 5'-及び3'- プライマー、並びに2UのTaq DNA ポリメラーゼ(Stratagene 、La Jolla、California) を混合した。Perkin-Elmer Cetusサーマルサイクラー(Norwalk、Connecticut)によって試料に30回の温度サイクルを施した。得られた増幅DNA をGeneclean(Bio101、La Jolla、California) によって精製した。
【0105】
増幅 cDNA のクローニング
PCR 生成物を、大腸菌DNA ポリメラーゼI のKlenowフラグメント(H. Klenow & I. Henningsen、"Selective Elimination of the Exonuclease Activity of the Deoxyribonucleic Acid Polymerase from Escherichia coli by Limited Proteolysis"、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 65: 168 (1970))とdNTPとで処理して平滑末端をもったフラグメントを得た。PCR を利用して、VL cDNA フラグメントの5'及び3'末端にEco RI及びBam HIの制限部位を付加した。同様に、VH cDNA にXba I 及びHind IIIの制限部位を付加した。得られたフラグメントを適当な酵素で消化し、Eco RI- 及びBam HI- 消化またはXba I-及びHind III- 消化pUC19 ベクター中へクローニングした。その構築物を用いてコンピテントE.コリ(DH5α株) を形質転換した。
【0106】
Sequenase 2.0 キット( 米国Biochemical 、Cleveland 、Ohio) 並びにポリクローニングサイトにフランクするpUC19 配列にアニールする前進及び後退プライマーを用いて、VL及びVHを含有するクローンを同定した。多重クローンを比較することによって、また別のネズミVL及びVH可変領域配列との整合によって 35.1 VL及びVHのコンセンサス配列を決定した(E.A. Kabat ら、"Sequences of Proteins of Immunological Interest"(第4版、U.S. Department of Health and Human Services、NIH 、Bethesda、Md. 、1987))。
【0107】
発現カセットの調製
VLから5'リーダー配列を除去する新規プライマーを設計し、成熟タンパクの残基1に先立つ Sal I部位を付加した。3'末端から33個の定常領域残基を、16残基のリンカー配列 ESGSVSSEELAFRSLD(配列ID No: 1) をコードする配列に相補的な配列を付加するプライマーを用いたPCR 法で置換した(J.K. Batra ら、"Anti-Tac(FV)-PE40、a Single Chain Antibody Pseudomonas Fusion Protein Directed at Interleukin 2 Receptor-Bearing Cells"、J. Biol. Chem. 265: 15198-15202 (1990)) 。
【0108】
また、成熟タンパクの残基1に先立つVH 5'-末端へ該リンカーをコードする「有意な」配列を付加し且つ3'末端における定常領域残基をBcl I 部位に置換するVHプライマーを設計した。ポリメラーゼ連鎖反応を利用し、VL及びVH cDNA の鋳型混合物と4種のプライマー混合物 (それぞれ100 pmole のリンカープライマーと、制限部位を含むそれぞれ25 pmoleのプライマーと、前記のその他の試薬) によって、Sal I 及びBcl I 部位によってフランクされている VL-リンカー-VH 配列を含む単一 DNAフラグメントを作製した。そのDNA を大腸菌細胞(NEB208 株) で継代し、Geneclean(Bio101、La Jolla、California) によって精製し、そしてSal I 及びBcl I で消化した。
【0109】
CD2 SFv-Ig 融合タンパクの発現及びタンパク分析
二量体化を防止するためにヒンジ領域内のシステインをセリンへ変異させたヒトIgG1尾部をコードするcDNAに先立つSal I 部位及びBcl I 部位が後に続く抗L6免疫グロブリン軽鎖リーダー配列を含むpCDM8 ベクターへ、結合されたCD2 VL及びVHをコードするDNA を結合させた(P.S. Linsley ら、"Binding of the B Cell Activation Antigen B7 to CD28 Costimulates T Cell Proliferation and Interleukin 2 mRNA Accumulation" 、J. Exp. Med. 173: 721-730 (1991)("Linsley et al. 1991a")) 。
【0110】
その構築物をE.コリ MC1061/P3株の中で増幅させ、そしてプラスミドDNA をCsClグラジエントで精製した。そのDNA を、 DEAE-デキストランで COS細胞へトランスフェクトする前に配列決定して確認した後、トランジエントトランスフェクションによって COS細胞内で発現させた(A. Aruffo、"Transient Expression of Proteins Using COS Cells"、in Current Protocols in Molecular Biology (2nd ed., F.M. Ausubel et al., eds., John Wiley & Sons, New York, 1991), pp. 16.13.1-16.13.7) 。COS 細胞を、10%FCSを補足したDMEM中で一晩培養し、そして血清を含まないDMEM中でさらに6日間培養した。血清を含まない上澄液を集め、プロテインA−セファロースを含有するカラムで精製した(Repligen, Cambridge, Massachusetts)。結合タンパクをクエン酸緩衝液中に溶離させ、PBS 中へ透析した。タンパク濃度はタンパク検定キット(Biorad, Richmond, California)によって定量した。
【0111】
実施例2
モノクローナル抗体で処理することによって抑制される HIV-1 感染 CD4 + T 細 胞内の HIV-1 産生
実施例1のキメラヒト化抗CD2 抗体をはじめとするいくつかのモノクローナル抗体が HIV-1感染 CD4+ T 細胞内の HIV-1産生に及ぼす効果を測定するため、各種モノクローナル抗体で処理した細胞において HIV-1の p24抗原の産生を測定した。
【0112】
モノクローナル抗体 (mAb)
ATCC(Rockville, Maryland) からハイブリドーマ OKT3(抗CD3)を入手した。その抗体を含む培養上澄液をプロテインAセファロースクロマトグラフィーで精製した。LFA-3(Ts 2/9) 及びICAM-1(84H10) に対する精製済抗体を、Bristol-Myers Squibb Pharmaceutical Research Institute (Seattle, Washington)のNitin K. Damle博士から入手した。精製済の mAb 9.3( 抗CD28) 、35.1 (抗CD2)、G10-1(抗CD8)、60.3 (抗CD18) 、10.2 (抗CD5)、G3-7 (抗CD7)、FC-1 (抗CD16) 、1F5(抗CD20) 、60.1 (抗CD11b)及びBB1(抗B7) は先に記載したとおりとした(A.J. McMichael 編、"Leucocyte Typing III"(Oxford University Press, Oxford, England, 1987); W. Knappら編、"Leucocyte Typing IV"(Oxford University Press, Oxford, England, 1989))。先に記載したように、CTLA-4 Ig cDNA発現遺伝子でトランスフェクトした CHO細胞によってアフィニティー精製したCTLA-4免疫グロブリン(Ig)を産生させた(P.S. Linsley ら、"CTLA-4 Is a Second Receptor for the B Cell Activation Antigen B7", J. Exp. Med. 174: 561-569 (1991)(Linsley et al. 1991b)) 。精製済ヒトマウスキメラmAb(cL6)は、Bristol-Myers Squibb (Seattle, Washington)の Hellstrom博士によって提供された。CD2(mAb 35.1 (精製済))に対するブロッキング抗体及び CD2カウンターレセプターLFA-3(mAb Ts 2/9 (腹水))に対するブロッキング抗体は、精製抗体について10μg/mlで使用したか、或いは完全培地中の最終腹水希釈率1:250 で使用した。ICAM-1(mAb 84H10) に対する精製抗体、ICAM-1カウンターレセプターLFA-1(CD18としても知られている)(mAb 60.3) に対する精製抗体、CD28カウンターレセプターB7(mAb BB1) に対する精製抗体、並びに対照用mAb CD7 、G3-7及びヒトCD6 もまた10μg/mlで使用した。対応するmAb(Ts 2/9及びKB61) を含有する腹水液は、プリスタンプライミングしたBalb/cマウスで産生させ、そして硫酸アンモニウム沈殿で部分精製した。
【0113】
血液ドナー
HIV-1 感染無症候個体及び非感染個体から同意を得てヘパリン処理した血液を得た。
【0114】
細胞分離
Ficoll-Hypaque濃度勾配遠心分離によって末梢血液単核細胞(PBMC)を単離した。特に断らない限り、すべての実験のPBMCを、抗CD8 mAb G10.1 、B 細胞特異的抗CD20 mAb IF5、及びNK細胞特異的抗CD16 mAb FC1を用いて4℃で30分間処理した後、37℃で45分間補体(C' 、低毒性ベビーラビットC'、Pel-Freez 、Brown Deer、Wisconsin)で処理することによって、 CD8+ 、B 細胞及びNK細胞から除去した。これらの細胞を洗浄し、そして血清陰性ドナーからの 10%熱不活化保存正常ヒト血清と、10mM HEPESと、2 mM L- グルタミンと、100 U/mlペニシリンと、100 μg/mlストレプトマイシンとを補足した完全培地(RPMI 1640培地、Gibco 、Grand Island、New York) に1×106 細胞/ml で再懸濁させた。
【0115】
HIV-1 感染患者からの CD4 + 細胞の PBMC 誘導
ほとんどの実験で、特に断らない限り、丸底96ウェル細胞培養プレート(Falcon, Lincoln Park, New Jersey)において、 0.1 ml 中の1×105 個の細胞を可溶性(1μg/ml) の抗CD3 mAb 、OKT3(ATCC)またはG19-4 のいずれかによって誘導した(H. Kaneoka ら、"Human T Lymphocyte Proliferation Induced by a Pan-T Monoclonal Antibody (Anti-Leu 4): Heterogeneity of Response in a Function of Monocytes", J. Immunol. 131:158-164 (1983); W.J.M. Taxら、"Polymorphism in Mitogenic Effect of IgG1 Monoclonal Antibodies Against T3 Antigen on Human T Cells" Nature 304:445-447 (1983)) 。最終体積0.25mlに対して活性化時に因子(10 μg/mlのブロッキングまたはコントロール mAb、10μg/mlのCTLA-4、30U/mlの +/-精製IL-2(Pharmacia))を添加し、次いで37℃、5%CO2 において7日間以上インキュベートし、その上澄液を集めてELISA(Genetic Systems, Seattle, Washington) でp24 HIV-1 特異的タンパクをアッセイした。
【0116】
超抗原(SAg) 実験では、スタフィロコッカスエンテロトキシン(Toxin Technology, Sarasota, Florida) を、最終濃度 1.8μg/mlの全抗原を含むカクテルとして添加した。抗CD3 誘導と同様にPBMCをインキュベートし、そして7日間の培養後その上澄液を集めて p24抗原捕捉アッセイに供した。
【0117】
増殖アッセイ
活性化4日後、各ウェルの4倍化 100μl 細胞アリコートを96ウェル丸底プレートに移し、そして 1.0μCi/ ウェルの三重水素化チミジン([3H]TdR, New England Nuclear, Boston, Massachusetts)でラベルした後、37℃、5%CO2 においてインキュベートした。 6〜16時間後にセルハーベスターで細胞を集め、そして液体シンチレーションで計数した。誘導指数S.I.は、誘導(未処理)細胞の平均[3H]TdR 取込量を、未誘導細胞の平均[3H]TdR 取込量で割り算して算出した。増殖アッセイ用に細胞を抜き取ったウェルに完全培地を再供給し、そして37℃、5%CO2 で再度インキュベートし、以下のように p24抗原の最終測定を行った。
【0118】
p24 抗原捕捉及び ELISA アッセイ
7日目に、特に断らない限り、4倍化したウェルからの上澄液をPBMC培養液から抜き取り、そしてELISA(Genetic Systems, Seattle, Washington) によって p24抗原を測定した。各アッセイについて標準曲線を作り、それから未知の上澄液の p24値を計算した。p24 阻害率は、抗CD3 またはSAg のみで誘導した後に誘発された4〜8個の複製ウェルの平均全p24 に基づいた。
【0119】
結果
可溶性抗CD3 による患者のPBMCの誘導によって高濃度の HIV-1産生(10 μg/ml p24以上) が誘発された。対照的に、固定化抗CD3 による誘導では、非常に低濃度(10 ng/ml p24 未満) が誘発された。活性化PBMCの上澄液中のp24 濃度は、PHA ブラストにおける感染力によって測定された存在する HIV-1濃度に比例するので、HIV-1 増殖の有用な指標となる。
【0120】
可溶性抗CD3 活性化後の HIV-1産生に関与する細胞−細胞相互作用分子の役割を調べるため、付着にとって重要であると知られているいくつかの細胞表面付着分子に対する mAbの効果を試験した( 単球に見られる細胞表面分子のT細胞に見られる細胞表面分子への結合) 。
【0121】
図1及び図2は、LFA-3 もしくはそのカウンターレセプターCD2 へのmAb 、またはCD18(LFA-3のβサブユニット) もしくはそのカウンターレセプターICAM-1へのmAb がPBMCによる HIV-1の産生を顕著に阻害したことを示し、HIV-1 産生をもたらすモノサイト/T細胞相互作用にはこれらのレセプター/カウンターレセプター対の各々の協同的結合が必要であることを示唆している。
【0122】
CD2 、LFA-3 またはICAM-1へのmAb は、 HIV-1の産生を80% から99% 以上阻害した。CD2 、LFA-3 、CD18またはICAM-1へのmAb による HIV-1産生の阻害は、外因性IL-2が存在してもしなくても起こった。しかしながら、外因性IL-2が無いと、CD2 、CD18、またはLFA-3 へのmAb で処理した抗CD3 活性化培養において CD4+ T 細胞の増殖が著しく減少した(ICAM-1 へのmAb はいくつかのドナーPBMCにおいてより少ない程度で増殖を阻害した) 。重要なことは、 CD4+ T 細胞の増殖が外因性IL-2の存在下で維持されても (図1) 、HIV-1 産生は顕著に減少したことである。このことが重要である理由は、AIDSの特徴である条件的感染に対する抵抗性を高めるためには CD4+ T 細胞の増殖が重要だからである。
【0123】
抗CD2(mAb 35.1) は、0.1 μg/ml程度の低い抗体濃度で HIV-1産生を90% 以上阻害した (図3) 。mAb 35.1で観測された p24産生の顕著な阻害は、1実験につき二つのドナーからのPBMCを用いた別々の6回の実験においても矛盾無く観測された。抗CD3 で誘導した後24時間以内(24 時間を過ぎない) に抗CD2 を添加することが、HIV-1 産生の阻害には有効であった。
【0124】
これらの結果は、活性化後の早い時点で CD2/LFA-3相互作用を妨害することの方が、遅い時点 (すなわち、活性化後24時間以降) でT細胞/単球相互作用をブロックすることよりも、HIV-1 の産生を阻害するには重要であることを示唆している。
【0125】
CD2 へのmAb 35.1によりCD2/LFA-3 の相互作用をブロックすることは、別のCD2 mAb 9.6 及び9-1 によっても可能であったが、CD2 mAb のエピトープまたはアフィニティーの差を反映し、35.1が HIV-1産生の阻害には最も有効であった。いくつかの血清陽性ドナーからのPBMCを抗CD3 で活性化した実験では、抗LFA-3 による HIV-1産生の阻害もまた再現性があった。
【0126】
CTLA-4 Ig (CD28 ホモログ) もまた抗CD3 誘導 HIV-1産生を阻害する。CTLA-4とT細胞上のCD28とは、どちらの分子もモノサイト上のB7に結合する点で類似している (前記Linsley et al., 1991b)。CD28及びTCR の同時誘導 (すなわち、CD28、CD2 、LFA-1 、等のような細胞表面分子によるT細胞レセプター(TCR) 発信の増強) は、高濃度のIL-2産生(R.A.W. Van Lier et al., "Signals Involved in T Cell Activation: T Cell Proliferation Induced Through the Synergistic Action of Anti-CD28 and Anti-CD2 Monoclonal Antibodies", Eur. J. Immunol., 18:167-172 (1988)) 及びIL-2 mRNA の蓄積 (前記Linsley et al., 1991a)を誘発することが示されている。CD28/B7 経路をブロックすることが HIV-1産生に対して何の効果を及ぼすかを測定するため、組換えCTLA-4 Ig 融合タンパク (前記Linsley et al., 1991b)またはCD28(9.3) もしくはB7(BB1) へのmAb を、外因性IL-2の存在下または非存在下で抗CD3 活性化PBMCへ添加した。
【0127】
表1の結果は、CTLA-4 Ig が HIV-1産生を 70%以上阻害したことを示している。mAb BB1 及び9.3 、抗B7並びに抗CD28は、それぞれ HIV-1産生を阻害しなかった。CTLA-4 Ig は、mAb BB1 よりも高いアフィニティーでB7に結合し( 前記Linsley et al., 1991b)、またB7/CD28 結合のインヒビターとしてのポテンシャルが高い。
【0128】
抗CD28は HIV-1産生に対して余分な効果をも及ぼすが、この理由は、このmAb がB7/CD28 相互作用の代わりとなり、またT細胞上のCD28レセプターを部分的に誘導することができるからである。このことは、外因性IL-2を添加しない抗CD28存在下で抗CD3 を用いた場合に見られるT細胞増殖レベルがはるかに高いことによって示唆されている (表1) 。しかしながら、IL-2を抗CD3 活性化PBMCへ添加した場合には、CTLA-4 Ig による HIV-1阻害は40% 未満であった。CTLA-4 Ig は、外因性IL-2の産生を阻害することが示された。それゆえ、HIV-1 産生のCTLA-4阻害は、外因性IL-2の産生量が減少したことに部分的に関係し、 CD4+ T 細胞の増殖の低下と、多分に HIV-1の産生及び/又は拡散の減少とをもたらす。
【0129】
【表1】
【0130】
可溶性抗−CD3(OKT3)により刺激され、そして次に30U/mlの外因性IL−2添加の存在又は不在下で培養されたPBMC.L6(cL6)又はB7(BB1)又はCD28(9.3)に対するMAb又は融合タンパク質CTLA−4 Igを、抗−CD3活性化の時点で10μg/mlの最終濃度で添加した。p24阻害率は、7個の反復試験ウェルからのOKT3誘発性HIV−1の平均に基づかれた。S.I.=〔 3H〕Tdrの導入からの刺激指数(刺激されたcpmの平均/刺激されていないcpmの平均)。
【0131】
付着分子に対するmAbによるHIV−1生成の阻害は、Fcレセプターと抗−CD3との競争にはよらなかった。付着分子に対するmAbのウィルス阻害効果が活性化α−CD3 mAbとの単球Fcレセプターのための競争にはならなかったことを確かめるために、それぞれCD18/LFA−1(60.3)及びCD2(9.6)に対するF(ab′)2 又はFab抗体が抗−CD3活性化PBMCに添加された。
【0132】
表2は、HIV−1生成の80%以上の阻害率がそれらの班−Fc−結合mAbによりもたらされたことを示す。それらの結果は、付着分子に対するmAbにより介在されたHIV−1生成の阻害は、HIV−1の効果的生成のために必要な細胞−細胞相互作用の中断によることを示す。従って、HIV−1生成の阻害は、活性剤、α−CD3とのFcレセプターの競争によらなかった。
【0133】
【表2】
【0134】
Fab α−CD2(9.6)又はFab′2 α−CD18(60.3)mAb(10μg/ml)及びIL−2(30U/ml)が、刺激の時点でPBMCに添加された。PBMCは、活性化後、11日目でのp24測定のためにCD2又はCD18に対するmAbの存在又は不在下で可溶性抗−CD3(G19−4、1μg/ml)により刺激された。Z31及びZ35は非徴候性HIV−1血清陽性患者からのCD8+ 、B細胞及びNK細胞を消耗されたPBMCを示す。S.I.=〔 3H〕Tdrの導入からの刺激指数(刺激されたcpmの平均/刺激されていないcpmの平均)。
【0135】
付着分子に対するmAbはまた、スタフィロコーカス腸毒素(SAg)により誘発されたHIV−1生成を阻害した。可溶性α−CD3とは異なって、SAgは単球主要組織適合性クラスII(MHC II)抗原提供を必要とするが、しかしほとんどのSAgは抗原プロセッシングを必要としない。
表3は、抗−CD3活性化によるHIV−1生成のために重要である、B7/CD28を除く付着分子のすべてはまた、SAgによる活性化に続いて、HIV−1生成のためにも重要であることを示す。しかしながら、可溶性CTLA−4Igは、外因性IL−2の不在下でさえ、SAgにより誘発されたHIV−1生成を阻害しなかった。SAg刺激されたPBMCにおけるCTLA−4 Igによる阻害の欠乏はたぶん、内因性IL−2の生成によるものであった。ピコモル濃度のSAgは、種々のT細胞増殖を誘発し、そして多量のIL−2,γ−IFN及びTNFの開放を報告し(C.D.Tsoukas など., “Activation of Resting T Lymphocytes by Anti-CD3 (T3) Antibodies in the Absence of Monocytes", J.Immunol. 135: 1719〜1723 (1985); H.Fischerなど., “Production of TNF-α and TNF- β by Staphylococcal Enterotcxin A Activated Human T Cell", J.Immunol. 144: 4663〜4669 (1990))、そして従って、CTLA−4 Igの可能な阻害効果は、SAg刺激に続いて生成される内因性IL−2により克服された。
【0136】
例1のキメラ性ヒト一本鎖モノクローナル抗体CD2 SFv−Igは、CD4+ HIV−1感染化T細胞におけるHIV−1増殖のブロッキングにおいて効果的であった。0.1μg/mlほどの低い濃度のCD2 SFv−Igは、抗−CD3により誘発されたHIV−1生成を50%以上阻害した(図3)。CD2SFv−Igは、mAb 35.1ほど、CD4+ T細胞増殖を阻害しなかった。SAg−誘発性HIV−1生成に対するCD2 SFv−Igの効果を試験する実験においては、CD2 SFv−Igは、内因性IL−2が添加されても又はされなくても、T−細胞増殖の阻害を伴わないで、0.1〜10μg/mlで、PBMCからのSAg−誘発性HIV−1生成を50〜96%阻害した。
【0137】
CD6,CD5,CD14,CD11C(p180,95)及びCD44に対するMAbは、HIV−1生成を阻害しなかった。また、CD28,B7,CD11b(MAC−1)又はCD7に対するmAbは、HIV−1生成に対して一定した阻害効果を有さなかった(図1、及び表1及び3)。
【0138】
【表3】
【0139】
パートa)CD8+ 消耗されたPBMC、B細胞及びNK細胞が、SAgのカクテルにより活性化された(SEE,SEC2、及び剥脱性毒素、それぞれ0.6μg/ml)。LFA−3(Ts 2/9)又はCD2(35.1)又はICAM−1(84H10)、又はCD18(60.3)又はCD18/CD11b(60.1)に対するMAbは、PBMC SAg活性化に基づいて10μg/mlの最終濃度で30U/mlのIL−2と共に添加された。
【0140】
パートb)別々の実験において、PBMCが外因性IL−2の添加を伴わないで、パートa)におけるのと同じSAgカクテルにより活性化された。CTLA−4 Igタンパク質又はヒトcL6 mAb、対照が、活性化の時点でPBMCに添加され(10μg/ml)、そして上清液が7日後にアッセイされた。S.I.=〔 3H〕Tdrの導入からの刺激指数(刺激されたcpmの平均/刺激されなかったcpmの平均)。
【0141】
それらの結果は、HIV−1感染された患者の治療が、HIV−1生成のために重要であることが示されたT細胞−単球相互作用に目標を決定され得ることを示唆する。キメラ性ヒト抗−CD2抗体、CD2 SFv−Igは、この治療のために有用である。
実施例3
CD2抗原に結合するためのキメラ性ネズミ抗−CD2モノクローナル抗体とのCD2 SFv−Igの競争
CD2 SFv−Igキメラ性ヒト抗体がそれが由来するネズミモノクローナル抗体35.1と同じエピトープに結合することを確かめるために、mAb 35.1及びCD2 SFv−Igの両者がFACSにより測定されるように、Jurkat T細胞上のCD2に結合するためにラベルされたmAb 35.1と競争する競争試験を行なった。
【0142】
Jurkat T細胞(106 )を、合計体積0.2mlで染色培地(RPMI1640培地+5%ウシ胎児血清+0.1%アジ化ナトリウム)において氷上で90%間、ラベルされていない抗−CD2(35.1)、CD2 SFv−Ig又はCD5−Ig対照の10倍希釈溶液と共にインキュベトし、その後、染色培地において1:3000の希釈度でフルオレセインイソチオシアネート(FITC)ラベルされた35.1mAb(抗−CD2)を添加した。細胞を洗浄し、そしてFACSにより分析した。
【0143】
結果は図4に示される。CD2 SFv−Igは、CD2抗原への結合のためにMAb 35.1と効果的に競争し、それが同じエピトープに結合したことを示す。
本発明の利点
本発明は、感染されたT細胞においてのHIV−1ウィルスの増殖を阻害できる、CD抗原、CD2 SFv−Igに対するキメラ性ヒトモノクローナル抗体を提供する。そのモノクローナル抗体は、最少の免疫応答を誘発し、そして天然のネズミモノクローナル抗体よりも耐性がある。本発明はまた、インビボ又はエキソビボのいづれかで、AIDSを処理し又は緩和する方法としてHIV−1の増殖を阻害するために、本発明のキメラ性ヒトモノクローナル抗体を包含するモノクローナル抗体の使用方法も提供する。この方法は、HIV−1複製を抑制しながら、T−細胞機能を保持する。それは、頻繁にAIDSに伴う感染の処置に特に有用であり、そしてそのような感染のための治療と一緒に使用され得る。
【0144】
本発明は一定の好ましい態様に関して相当に詳細に記載されて来たが、他の態様も可能である。従って、本発明の特許請求の範囲は、本明細書に包含される好ましい態様の記載に制限されるべきではない。
【0145】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】外因性インターロイキン−2の存在下での、HIV−1感染リンパ球中のHIV−1抗原24の生産に及ぼす、LFA−3,CD18,CD11b,CD7,CD2及びICAM−1に対するモノクローナル抗体による処置の効果を示すグラフ。
【図2】インターロイキン−2の非存在下での、図1に用いたのと同じモノクローナル抗体による処置の効果を示すグラフ。
【図3】HIV−1 p24抗原の生産の阻害に対してプロットした、キメラヒト化モノクローナル抗体CD2 SFv−Ig、ネズミ抗CD2モノクローナル抗体、及びコントロールとしてのCD5−Ig融合タンパク質抗体による感染細胞の処置についての用量−応答曲線を示すグラフ。
【図4】蛍光活性化細胞選別による、キメラモノクローナル抗体CD2 SFv−Igがネズミ抗−CD2モノクローナル抗体35.1と、ジャーカットT細胞上のCD2抗原への結合に関して有効に競合することを示すグラフ。
Claims (15)
- CD2抗原に対して特異的な結合親和性を有するモノクローナル抗体であって:
組換エッシェリヒア コリ(Escherichia coli)培養物ATCC No. 69277の中でクローンされた構築体の発現により生産されたキメラモノクローナル抗体CD2 SFv-Ig;
を含んで成る群から選ばれるモノクローナル抗体。 - 検出可能マーカーでラベルされた請求項1に記載のモノクローナル抗体。
- 前記検出可能マーカーが酵素、常磁性材料、アジビン−ビオチン特異的結合ペアーのメンバー、蛍光団、発色団、化学発光団、重金属及びラジオアイソトープより成る群から選ばれる、請求項2に記載のモノクローナル抗体。
- 治療剤にコンジュゲートされている請求項1に記載のモノクローナル抗体。
- 前記治療剤が抗腫瘍薬、リンホカイン及び毒素より成る群から選ばれる、請求項4に記載のモノクローナル抗体。
- 前記治療剤がリンホカインであり、そしてこのリンホカインがインターロイキン、インターフェロン及び腫瘍壊死因子より成る群から選ばれる、請求項5に記載のモノクローナル抗体。
- 前記治療剤がインターロイキン−2である、請求項5に記載のモノクローナル抗体。
- 前記治療剤がリシン、シュードモナス エキソトキシン及びジフテリア毒素より選ばれる毒素である、請求項5に記載のモノクローナル抗体。
- (i)HIV-1で感染した患者における感染T細胞中でのHIVウィルスの生産を阻害するのに十分な量の
(a)組換エッシェリヒア コリ(Escherichia coli)培養物ATCC No. 69277の中でクローンされた構築体の発現により生産されたキメラモノクローナル抗体CD2 SFv-Ig;及び
(b)前記CD2 SFv-Igと同一の相補性決定領域を有するモノクローナル抗体;
から成る群から選ばれるモノクローナル抗体;及び
(i)薬理学的に許容されている担体;
を含んで成るHIV感染症を処置するための薬理組成物。 - 前記モノクローナル抗体がCD2 SFv-Igである、請求項9に記載の薬理組成物。
- 哺乳動物細胞の中でCD2 SFv-Igキメラヒト化モノクローナル抗体を発現せしめることの可能な構築体により安定的に形質転換され、且つアメリカン タイプ カルチャー コミッションにATCC No. 69277で寄託されている組換エッシェリヒア コリ細胞。
- 哺乳動物細胞の中で請求項1に記載のモノクローナル抗体を発現せしめることが可能であり、且つネズミ相補性決定領域及びヒト定常領域を含む、DNA構築体。
- HIV−1−感染化T細胞の中でのHIV−1の生産を阻害する方法であって:
(a)HIV−1で感染したT細胞を選別し;そして
(b)この感染T細胞を、ex vivo又はin vitroでCD4+ Tリンパ球と単球との間での細胞表層相互作用を妨害することの可能な請求項1〜8のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体と混合して感染T細胞の中でのHIVの生産を阻害すること、
の段階を含んで成り、ここでこの細胞は、混合したT細胞中でのHIV−1の生産を阻害するのに十分な量の前記抗体と混合させることを特徴とする方法。 - HIV感染T細胞の中でのHIV−1の生産を阻害する方法であって:
(a)HIV−1で感染したT細胞を選別し;そして
(b)この感染T細胞を、ex vivo又はin vitroでT細胞の中でのHIV−1の生産を阻害せしめるのに十分な量の請求項1〜8のいずれか1項記載のモノクローナル抗体と混合せしめること、
の段階を含んで成る方法。 - 前記抗体がCD2に特異的であり、そしてCD2抗原のそのカウンターレセプターLFA−3との結合を阻止する、請求項14に記載の方法。
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