JP3863179B2 - ポリアクリル酸ポリマーによって橋かけ結合された個別化セルロース繊維を含有する吸収性構造体 - Google Patents

ポリアクリル酸ポリマーによって橋かけ結合された個別化セルロース繊維を含有する吸収性構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP3863179B2
JP3863179B2 JP50222396A JP50222396A JP3863179B2 JP 3863179 B2 JP3863179 B2 JP 3863179B2 JP 50222396 A JP50222396 A JP 50222396A JP 50222396 A JP50222396 A JP 50222396A JP 3863179 B2 JP3863179 B2 JP 3863179B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fibers
cross
fiber
linked
individualized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP50222396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10502136A (ja
Inventor
ミッチェル ヘロン,カーライル
リー ディーン,ウォルター
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Procter and Gamble Co
Original Assignee
Procter and Gamble Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Procter and Gamble Co filed Critical Procter and Gamble Co
Publication of JPH10502136A publication Critical patent/JPH10502136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3863179B2 publication Critical patent/JP3863179B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06MTREATMENT, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE IN CLASS D06, OF FIBRES, THREADS, YARNS, FABRICS, FEATHERS OR FIBROUS GOODS MADE FROM SUCH MATERIALS
    • D06M15/00Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment
    • D06M15/19Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment with synthetic macromolecular compounds
    • D06M15/21Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D06M15/263Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds of unsaturated carboxylic acids; Salts or esters thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L15/00Chemical aspects of, or use of materials for, bandages, dressings or absorbent pads
    • A61L15/16Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons
    • A61L15/22Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons containing macromolecular materials
    • A61L15/28Polysaccharides or their derivatives

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

発明の分野
本発明は高流体吸収性特性を有するセルロース繊維、このようなセルロース繊維から成る吸収性構造体、およびこのような繊維および構造体の製造法に関するものである。さらに詳しくは本発明は個別化された橋かけ結合セルロース繊維、このような繊維の製法、および個別化橋かけ結合形のセルロース繊維を含有する吸収性構造体に関するものである。
発明の背景
実質的に個別化された形状に橋かけ結合された繊維およびこのような繊維の種々の製法は業界公知である。用語「個別化、橋かけ結合繊維(individualized, crosslinked fibers)」とは主として繊維内(intrafiber)化学的橋かけ結合を有するセルロース繊維を言う。すなわち、橋かけ結合が別個の繊維のセルロース分子間でなく、単一繊維のセルロース分子間で生じる。個別化橋かけ結合繊維は一般に吸収性製品の製造において効果的であるとみなされている。個別化橋かけ結合繊維そのもの、および個別化橋かけ結合繊維を含有する吸収性構造体は一般に通常の非橋かけ結合繊維と比較して少なくとも1つ吸収性特性において改良を示す。しばしばこの吸収性の改良は吸収性能力として報告される。さらに個別化橋かけ結合繊維から成る吸収性構造体は一般に非橋かけ結合繊維から成る吸収性構造体と比較して湿潤弾性と乾燥弾性の増大を示す。用語「弾性」とは下記においてセルロース繊維から成るパッドが圧縮力の除去に際して膨張した当初の状態に戻る能力を言う。特に乾燥弾性とは繊維が実質的に乾燥状態にある時に加えられている圧縮力を解除した際に吸収性構造体が拡張する能力を意味する。湿潤弾性とは繊維が湿潤状態において加えられている圧縮力を除去された際に拡張する吸収性構造体の能力を言う。本発明の目的から、また開示の一貫性のため、飽和状態まで湿潤された吸収性構造体について湿潤弾性を観察し報告する。
一般に個別化橋かけ結合繊維の製造のための3つのカテゴリーの方法が報告されている。下記に説明するこれらの方法は乾式橋かけ結合法、水溶液橋かけ結合法、および実質的に非水溶液橋かけ結合法と呼ぶ。
乾式橋かけ結合法によって個別化橋かけ結合繊維を製造する方法は米国特許第3,224,926号に記載されている。橋かけ結合剤を含有する水溶液の中で繊維を含浸し膨潤させて、機械的作用によってこれらの繊維を脱水しまた離解し、またこれらの繊維を高温乾燥して、繊維が実質的に個別状態にある間に橋かけ結合を実施する事によって個別化橋かけ結合繊維が製造される。繊維は橋かけ結合の前に脱水される結果として本来非膨潤圧潰状態で橋かけ結合される。米国特許第3,224,926号に記載の方法においては繊維が非膨潤圧潰状態にある間に橋かけ結合を発生させ、この方法は「乾式橋かけ結合」繊維の製法と呼ばれる。乾式橋かけ結合繊維は一般に橋かけ結合によって高度に剛化され、これらの繊維から製造された吸収性構造体は比較的高い湿潤弾性と乾燥弾性とを示す。また乾式橋かけ結合繊維は低い流体保持値(FRV)を特徴とする。
水溶液橋かけ結合繊維の製法は例えば米国特許第3,241,553号に記載されている。橋かけ結合剤と触媒とを含有する水溶液の中で繊維を橋かけ結合する事によって個別化橋かけ結合繊維が製造される。このようにして製造された繊維を下記において「水溶液橋かけ結合」繊維と呼ぶ。セルロース繊維に対する水の膨潤作用により、水溶液橋かけ結合繊維は非圧潰膨潤状態にある間に橋かけ結合される。乾式橋かけ結合繊維と比較して、米国特許第3,241,553号に記載の水溶液橋かけ結合繊維は、より大きな可撓性とより低い剛性とを有し、高い流体保持値(FRV)を特徴とする。水溶液橋かけ結合された繊維から製造された吸収性構造体は、乾式橋かけ結合された繊維から製造された吸収性構造体よりも低い湿潤弾性と乾燥弾性とを示す。
米国特許第4,035,147号においては、繊維を膨潤させるには不十分な量の水を含有する実質的に非水溶液中で橋かけ結合剤および触媒と脱水非膨潤繊維とを接触させる事により個別化橋かけ結合繊維を製造する方法が開示されている。繊維がこの実質的に非水溶液の中にある間に橋かけ結合が生じる。この型の方法を下記において非水溶液橋かけ結合法と呼ぶ。またこのようにして製造された繊維を非水溶液橋かけ結合繊維と呼ぶ。米国特許第4,035,147号に記載の非水溶液橋かけ結合繊維は当業者に膨潤試薬として公知の溶液と長期間接触させた場合にも膨潤しない。乾式橋かけ結合繊維と同様に、これらの繊維は橋かけ結合によって高度に剛化され、これらの繊維から製造された吸収性構造体は比較的高い湿潤弾性と乾燥弾性とを示す。
前記の橋かけ結合繊維はオシメおよび月経製品などの吸収性製品用に有益であると考えられる。しかし、この種の繊維は、その破損しやすい事とコストの故に、大きな商業的成功を収めている市販の繊維以上に十分な吸収性利点を示していなかった。橋かけ結合剤繊維の販売アッピールはさらに安全上の問題があった。文献に最も広く記載されている橋かけ結合剤はフォルムアルデヒドおよびN−メチロール剤またはN−メチロールアミドとして公知のフォルムアルデヒド添加剤であるが、不幸にしてこれらの薬剤は人間の皮膚を刺激し、その他人間の安全上の問題があった。このような皮膚刺激およびその他の安全上の問題が避けられるように橋かけ結合剤中の遊離フォルムアルデヒドを低レベルに除去する事は、技術上および経済上の障壁によって妨げられていた。
前述のように、橋かけ結合セルロース繊維に対するフォルムアルデヒドおよび種々のフォルムアルデヒド添加生成物の使用は当業界において公知である。例えば米国特許第3,224,926号、第3,241,553号、第3,932,209号、第4,035,147号および第3,756,913号参照。不幸にしてフォルムアルデヒド蒸気の目および皮膚に対する刺激作用はこれらの文献に記載の製品の顕著な欠点である。従って、フォルムアルデヒドまたはその不安定な誘導体を必要としないセルロース繊維橋かけ結合剤が必要である事は明らかである。
他の文献はジアルデヒド橋かけ結合剤の使用を開示している。例えば米国特許第4,689,118号および米国特許第4,822,453号参照。後者の米国特許第4,822,453号に開示の個別化、橋かけ結合繊維を含む吸収性構造体においては、橋かけ結合剤はC2−C8ジアルデヒドから成るグループから選定され、グルタルアルデヒドが好ましい。これらの特許は、フォルムアルデヒドおよび/またはフォルムアルデヒド添加生成物に伴う多くの問題点を解決するように見えるが、グルタルアルデヒドなどのジアルデヒド橋かけ結合剤によって橋かけ結合された繊維の製造コストが高すぎて顕著な商業上の成功を見ていない。従って、人間の皮膚について安全に使用できると共に商業的に有利なセルロース繊維橋かけ結合剤を発見する必要がある。
綿ファブリックに対してシワ抵抗を与えるためにポリカルボン酸を使用する事は業界公知である。例えば米国特許第3,526,048号、第3,971,815号および第4,820,307号参照。これらの特許はすべて、処理されたファブリックのシワ抵抗と耐久性を改良するために綿テキスタイルファブリックをポリカルボン酸および特定硬化触媒によって処理する方法に関するものである。
橋かけ結合セルロース繊維に対して特定のモノマーポリカルボン酸の使用は業界公知である。例えば米国特許第5,137,537号は、C2−C9ポリカルボン酸によって橋かけ結合された個別化セルロース繊維を含む吸収性構造体を開示している。ポリカルボン酸橋かけ結合剤によって形成されたエステル橋かけ結合は、モノおよびジアルデヒド橋かけ結合剤から生じる橋かけ結合と相違し、これらはアセタール橋かけ結合を形成する。
重要な事であるが米国特許第5,137,537号に使用するように記載されているC2−C9ポリカルボン酸は一般に業界において使用されているフォルムアルデヒドおよびフォルムアルデヒド添加生成物と違って毒性でない。不幸な事に、このC2−C9橋かけ結合剤、クエン酸は白色セルロース繊維の変色(すなわち黄色化)を生じる。さらに、クエン酸などのアルファヒドロキシカルボン酸の使用に伴う不愉快な臭いがある。さらに、最も効率的な橋かけ結合促進するためには比較的広いpHが必要である。このような低いpHは、このpHにおける酸性腐食に耐える事のできる装置のコストを増大させるので処理投資額を増大する。またクエン酸は最も効率的な橋かけ結合を生じる温度で安定でない事が知られている。またクエン酸の分解による酸誘導体はポリマーポリアクリル橋かけ結合剤と同程度に効率的な繊維内橋かけ結合を形成する事ができないと思われる。
出願人は下記に説明するポリマーポリアクリル酸橋かけ結合剤が特にセルロース繊維エステル橋かけ結合を成すのに適当である事を発見した。重要な事はエステル橋かけ結合繊維は、クエン酸などのアルファヒドロキシ酸によって橋かけ結合された繊維よりも明るい事である。さらに、ポリマーポリアクリル橋かけ結合剤は高温において安定であり、従って橋かけ結合をさらに効率的に実施する事ができる。さらにポリマーポリアクリル酸によって橋かけ結合された個別化セルロース繊維から成る吸収性構造体は、非橋かけ結合繊維を含む吸収性構造体よりも高い湿潤弾性および乾燥弾性と湿潤に対する改良された応答性とを示す。
本発明の目的は、ポリアクリル酸橋かけ結合剤によって橋かけ結合された個別化繊維と、これらの繊維から製造された吸収性構造体において、非橋かけ結合繊維から成る吸収性構造体と比べて高い吸収容量レベルを有し、その非橋かけ結合繊維からつくられた構造体よりも高い湿潤弾性および乾燥弾性を示す吸収性構造体を提供するにある。
また本発明の目的は、ポリアクリル酸橋かけ結合剤によって橋かけ結合された個別化繊維と、これらの繊維から製造された吸収性構造体において、よりすぐれた吸収特性バランスを有する吸収性構造体を提供するにある。
さらに本発明の目的は前記のような商業的に存続できる個別化橋かけ結合繊維およびこれらの繊維から成る吸収性構造体において、人間の皮膚に隣接して安全に使用する事のできる吸収性構造体を提供するにある。
さらに本発明の目的は、先行技術の橋かけ結合と比べて明るさレベルの高い個別化橋かけ結合繊維を提供するにある。
本発明の他の目的は、実際に使用する時に着用者の皮膚の高い乾燥性を生じるような改良された吸収能力と滲透作用とを有する吸収性構造体を提供するにある。
発明の概要
前記の目的は本明細書に記載のような個別化橋かけ結合繊維によって、またこれらの繊維を吸収性構造体の中に合体する事によって達成される事が発見された。一般に、これらの目的およびその他の利点は、有効量のポリアクリル酸橋かけ結合剤、好ましくは約1.0重量%乃至約10.0重量%、さらに好ましくは約3.0重量%乃至約7.0重量%の橋かけ結合剤(乾燥繊維重量ベースで計算)を繊維内橋かけ結合の形で繊維と反応させる事によって得られた個別化橋かけ結合繊維によって達成される。ポリアクリル酸橋かけ結合剤は好ましくは、ポリアクリル酸ポリマー、アクリル酸の共重合体およびその混合物から成るグルーブから選定される。特に好ましくは橋かけ結合剤はアクリル酸とマレイン酸との共重合体を含む。他の好ましいポリアクリル酸橋かけ結合剤は米国特許第5,256,746号に記載の低分子量モノアルキル置換ホスフィネートおよびホスフォネート共重合体を含み、この米国特許をここに引例とする。また前記のポリアクリル酸ポリマーおよび共重合体はクエン酸などのモノマーカルボン酸と混合する事ができる。この橋かけ結合剤を繊維と繊維内橋かけ結合形に反応させる。約25乃至約60の水保持値(WRV)を有する繊維が個別化橋かけ結合繊維に関する前記の目的を達成し吸収性構造体の中において予想外に優れた吸収性能を生じる事が発見された。
本発明の趣旨の範囲内において、個別化橋かけ結合繊維は好ましくは湿潤に際して膨張する圧縮された吸収性構造体に形成される。
吸収性構造体は追加的にハイドロゲル形成材料を含有する事ができる。個別化橋かけ結合繊維についてハイドロゲル形成材料を使用する事により吸収性能力と着用者の皮膚乾燥が著しく改善される。ハイドロゲル形成材料を含む通常の非橋かけ結合セルロース繊維を使用する場合と比較して、ハイドロゲル形成材料を含む個別化橋かけ結合繊維を使用する事により、滲透作用(wicking)と吸収性能力の顕著な改良が見られる。驚くべき事に、通常のセルロース繊維パッドと比較して、個別化橋かけ結合繊維を含有するパッドについては重量ベースで低レベルのハイドロゲル形成材料を使用する事により、このような改良結果が得られる。
発明の詳細な説明
本発明に使用されるセルロース繊維は原則的に木材パルプソースから誘導される。使用可能の木材パルプは化学パルプ、例えばクラフトパルプ、亜硫酸パルプ、硫酸パルプなど、および機械的パルプ、例えば粉砕木材、熱機械的パルプおよび化学的変成熱機械的パルプ(CTMP)などを含む。好ましくは針葉樹から広葉樹から得られた蒸解繊維を使用する。他のセルロース繊維質パルプ繊維、例えばエスパルト草、バガス、粗毛、アマ、綿リンターおよびその他の木質およびセルロース繊維ソースから得られる繊維も本発明の原材料として使用する事ができる。これらの繊維はスラリ状、非シート状またはシート状で供給する事ができる。ウエットラップ、ドライラップまたはその他のシート状で供給された繊維は好ましくは、代表的にはこれらの繊維を橋かけ結合剤と接触させた後に、機械的に解砕する事によって無定形に成す事ができる。最も好ましくはこれらの繊維はドライラップとして供給される。ドライラップの場合、繊維に対する損傷を最小限にするため、機械的解砕前に適当量の橋かけ結合剤を加える事が望ましい。
本発明において使用される最適繊維ソースは考慮される特定の最終用途に依存する。一般に化学的パルプ処理によって得られる木材パルプ繊維(例えば、クラフトパルプ、亜硫酸パルプまたは硫酸パルプ)が好ましい。これらの繊維は完全漂白され、または部分的漂白され、または無漂白とする事ができる。すぐれた明るさと消費者に対するアッピールの故に、漂白パルプが望ましい。塩素ベース漂白法または無塩素(例えば酸素ベース)漂白法を使用する事ができる。紙タオル、オシメ用吸収性コア、生理用ナプキン、月経用品などの製品、およびその他類似の吸収性紙製品については、すぐれた吸収特性の故にサザン・ソフトウッドから得られる繊維の使用が特に好ましい。
本明細書において、用語「ポリアクリル酸」および「ポリマーポリアクリル酸」とは重合したアクリル酸(すなわち、ポリアクリル酸)、およびアクリル酸共重合体を言い、例えば非限定的に、ポリアクリル酸とマレイン酸との共重合体、下記に記載の低分子量モノアルキル置換ホスフィネートまたはホスフォネート共重合体およびその混合物を言う。
出願人は、本発明に使用可能の橋かけ結合剤はポリアクリル酸ポリマー、アクリル酸の共重合体、およびその混合物である事を発見した。特に好ましいポリアクリル酸橋かけ結合剤は、ポリアクリル酸とマレイン酸との共重合体、および米国特許第5,256,746号に記載の低分子量モノアルキル置換ホスフィネートまたはホスフォネート共重合体であって、この米国特許を引例とする。これらのポリマーは、本発明に記載の個別化セルロース繊維を橋かけ結合する能力と、下記の橋かけ結合法において使用する際のセルロースの明るさに対する有害作用のない事の故に好ましい。
さらに詳しくは本発明に使用するに適したポリアクリル酸ポリマーは約500乃至40,000、好ましくは約1,000乃至20,000の分子量を有する。ポリアクリル酸ポリマーは、下記のアクリル酸
Figure 0003863179
を重合して下記の反復分子鎖を形成する事によって製造される。
Figure 0003863179
ここに、Mはアルカリ金属アンモニウムまたは水素イオンとする。本発明に使用されるこの型のポリマーはローム・アンド・ハース社から市販されている。
本発明に使用される他の型のポリマーはポリアクリル酸とマレイン酸との共重合体である。好ましくはこれらの共重合体の分子量は約500乃至40,000、好ましくは約1,000乃至20,000とする。アクリル酸とマレイン酸との重量比は約10:1乃至1:1、さらに好ましくは約5:1乃至1.5:1とする。特に好ましい共重合体は約65重量%のアクリル酸と35重量%のマレイン酸とを含む。
本発明に応用される他のグループのアクリル酸共重合体は米国特許第5,256,746号に記載の低分子量モノアルキル置換ホスフィネートまたはホスフォネート共重合体であって、この米国特許を引例とする。この米国特許の共重合体は、高い吸収性レベルと、弾性および明るさを有する繊維を生じ、また人間の皮膚に対して非刺激性であるので特に好ましい。これらの共重合体は、次亜リン酸およびその塩(一般に次亜リン酸ナトリウム)および/またはリン酸を連鎖移動剤として使用する事によって製造される。これらの型の共重合体の分子量は好ましくは20,000以下、さらに好ましくは3,000以下、最も好ましくは約1000乃至2,000の範囲内にある。
前記のポリアクリル酸および共重合体は単独で使用する事ができ、またはクエン酸などの他のポリカルボン酸と結合して使用する事ができる。
ポリアクリル酸ポリマーの分野の当業者には公知のように、前記のポリアクリル酸橋かけ結合剤は種々の形状で、例えば遊離酸の形で、またその塩の形で存在する事ができる。遊離酸の形が好ましいが、これらすべての形が本発明の主旨の範囲内にあるものとする。
本発明の個別化橋かけ結合繊維はこの繊維と繊維内橋かけ結合の形で反応する有効量のポリマーポリアクリル酸橋かけ結合剤を含む。本明細書において、「有効量の橋かけ結合剤」とは、繊維そのものまたはこの繊維を含む吸収性構造体の少なくとも1つの吸収性特性を通常の非橋かけ結合繊維と比較して改良させるに十分な量の橋かけ結合剤を言う。顕著な吸収性特性の一例は滴容量であって、これは吸収性構造体の流体吸収容量と流体吸収率との組合わせ測定値である。この滴容量の測定手順は下記に詳細に説明する。
さらに詳しくは、乾燥繊維ベースで計算して、約1.0重量%乃至約10.0重量%、さらに好ましくは約3.0重量%乃至約7.0重量%、最も好ましくは4.0重量%乃至6.0重量%の橋かけ結合剤が繊維と反応させられた個別化橋かけ結合繊維から成る吸収性パッドにおいて予想外にすぐれた結果が得られる。
好ましくは橋かけ結合剤は、個々の繊維構造体の中に滲透できるような条件で液状媒体中の繊維と接触させられる。しかし本発明の主旨の範囲内において、個別化された毛羽状またはシート状繊維に対する噴霧、噴霧とプレス、浸漬とプレスなど、橋かけ結合剤の他の処理法も実施できる。
出願人は、pHが特定範囲内(下記に詳細に説明)に保持される限り、橋かけ結合反応が触媒なしで有効速度で実施されうる事を発見した。これは、ポリカルボン酸橋かけ結合剤によって繊維質セルロースを商業的に妥当な程度に急速にエステル化および橋かけ結合するには特定の触媒を必要とする先行技術と相違する。例えば米国特許第4,820,307号参照。
しかし所望ならば、橋かけ結合前に繊維を適当な触媒と接触させる事もできる。出願人は、触媒の型、量および繊維に対する接触法は実施される特定の橋かけ結合法に依存する事を発見した。これらの変数については下記にさらに詳細に説明する。当業者には明かなように、米国特許第5,256,746号に記載のような重合工程から残留触媒が存在する可能性がある。
繊維が橋かけ結合剤(および使用されれば触媒)によって処理されると、橋かけ結合剤は実質的に繊維間結合なしで、すなわち非毛羽状パルプ繊維と比較して繊維間接触が低水準に保持される条件で繊維と反応させられる。または繊維は繊維間結合、特に水素結合を促進しない溶液中に浸漬される。その結果、本質的に繊維内橋かけ結合が形成される。このような条件において、橋かけ結合剤は、単一セルロース分子鎖のヒドロキシ基の間において、または単一セルロース繊維の近接セルロース分子鎖のヒドロキシ基の間において橋かけ結合を形成するように反応する。
本発明の主旨を限定するつもりではないが、ポリマーポリアクリル酸橋かけ結合剤のカルボキシ基がセルロースのヒドロキシ基と反応してエステル結合を成すと考えられる。このエステル結合は安定な橋かけ結合を成す望ましい結合型と考えられるが、このエステル結合は酸性反応条件において促進される。従って、本発明の目的から、酸性橋かけ結合条件、すなわち約1.5乃至5のpH範囲が望ましい。
好ましくは繊維は、橋かけ結合剤との反応に先だって、「毛羽」として公知の低密度、個別化繊維形状に機械的に離解(defibrate)される。この機械的離解は下記に説明する現在公知の種々の方法によって実施される。機械的離解は、節形成と繊維の損傷を最小限にする方法によって実施される事が好ましい。セルロース繊維の離解に使用するに適した事の発見された1つの型の装置は米国特許第3,987,968号に記載の3段階毛羽立て装置であって、この特許を引例とする。この米国特許に記載の毛羽立て装置は、湿ったセルロースパルプ繊維に対して、機械的衝撃、機械的撹拌、空気撹拌および限定量の空気乾燥の組合わせを実施して、実質的に無節毛羽を生じる。個別化された繊維は、これらの繊維に自然に存在するよりも高度のカールとねじれ(撚り)とが与えられる。このような追加的なカールとねじれが仕上がり橋かけ繊維から作られた吸収性構造体の弾性特性を増進するものと考えられる。
セルロース繊維を離解する他の実施可能の方法は、非限定的に、ウエアリング・ブレンダーを使用して繊維を回転ディスク・リファイナー、ハンマーミルおよびワイヤブラシを接線方向に接触させる処理法を含む。好ましくは、ファイバを実質的に個別形状に分離するため、このような離解工程中にファイバに対して空気流を向ける。
毛羽を形成するために使用される機械的装置がなんであれ、これらの繊維は最初に少なくとも約20%、さらに好ましくは約20%乃至約60%の水分を含有する間に機械的に処理される事が好ましい。
機械的離解によってカールまたはねじれを与える方法のほか、繊維にカールまたはねじれを与えるために高コンシステンシーの繊維または部分的に乾燥された繊維の機械的リファイニングを使用する事ができる。
本発明によって製造された繊維はこわさと弾性の独特の組合わせを有し、従って本発明の繊維から製造された吸収性構造体は高い吸収レベルを保持し、また高い弾性レベルと乾燥圧縮吸収性構造体の湿潤に対する膨張応答性とを示す。本発明によって橋かけ結合された繊維は前記の範囲内の橋かけ結合レベルを有するほか、通常の化学パルプ処理された製紙繊維に対して、約60以下、好ましくは約25乃至約50、最も好ましくは約30乃至約45の範囲内の水保持値(WRV)を有する事を特徴とする。この特定繊維のWRVは特定の橋かけ結合化学処理法の橋かけ結合レベルを示す。多くの先行技術の橋かけ結合法によって製造された高度に橋かけ結合された繊維は約25以下、一般約20以下のWRVを有する事が発見された。もちろん特定の使用された橋かけ結合法が繊維のWRVに影響する。しかし前記の範囲内の橋かけ結合レベルおよびWRVを生じるいずれの方法も本発明の趣旨の範囲内にあるものと見なされる。実施可能の橋かけ結合法は、本明細書の発明の背景において述べたように乾式橋かけ結合法および非水溶液橋かけ結合法を含む。本発明の個別化橋かけ結合繊維を製造するための二、三の好ましい乾燥橋かけ法および非水溶液橋かけ結合法について下記にさらに詳細に説明する。水溶液橋かけ結合法は、繊維を高度に膨潤させ、約60以上のWRVを有する繊維を生じる。これらの繊維は本発明の目的にとっては不十分なこわさと弾性とを与える。
特に乾式橋かけ結合法について述べれば、一定量のセルロース繊維を準備し、これらの繊維を前記の型の一定量の橋かけ結合剤と接触させ、これらの繊維を実質的に個別形状となるように分離し、例えば離解し、またこれらの繊維を乾燥させ次に橋かけ結合剤を所望ならば触媒の存在において繊維と反応させて、繊維が実質的に個別形状に保持されている間に橋かけ結合を形成する事によって橋かけ結合繊維が製造される。離解段階は乾燥段階とは別個に、追加的カールを与えられるものと考えられる。つぎの乾燥段階は繊維のねじれを伴い、ねじれ度は繊維のカール形状によって増進される。本明細書において繊維の「カール」とは繊維の長手方軸線周りの繊維の湾曲を言う。「ねじれ」とは、繊維の縦方向軸線の垂直横断面の回転を言う。本発明の好ましい実施態様の繊維は繊維内結合形に橋かけ結合された個別繊維であって、高度にねじられまたカールされている。
本明細書において用語「ねじれカウント」はファイバの一定長の中に存在するねじれ節の数を言う。このねじれカウントは、繊維がその縦方向軸線周りに回転される程度を測定される手段として用いられる。用語「ねじれ節(twist node)」は実質的に180°の回転を意味し、この場合繊維の一部すなわち「節」が繊維を透過光によって顕微鏡で観察した時に繊維の他の部分より暗く見える。これらの節の間隔が180°の軸線回転に対応する。当業者には明らかなように、このようなねじれ節の発生は物理的現象よりは主に視覚的現象である。しかし繊維の一定長におけるねじれ節の数は直接に繊維の物理パラメータとしての繊維ねじれ度を示す。ねじれ節の外観と数量は、その繊維が夏材繊維であるかまたは春材繊維であるかによって変化する。ねじれ節および全ねじれカウントは、本明細書の「実験法部分」に記載の「ねじれカウント画像分析法」によって求められる。本発明の繊維についての平均ねじれカウントは前記のねじれカウント法によって適正に求められる。ねじれ節の計数に際して、繊維の損傷または圧縮によって暗くなった繊維部分を繊維のねじれによって暗く見える部分と区別しなければならない。
繊維の繊維サンプルの実際ねじれカウントは、春材繊維と夏材繊維との比率に応じて変動する。特定の春材繊維または夏材繊維のねじれカウントも繊維ごとに変動する。それにも係わらず、本発明の説明において平均ねじれカウント限度が有効であり、このようなねじれカウント限度が特定の春材と夏材繊維の組合わせに係わらず適用される。特定のねじれカウント限度によって包括されるねじれカウントを有する繊維は、他の請求限度に見合う限り本発明の主旨の範囲内にあるもと見なされる。
繊維サンプルのねじれカウントを測定する際に、個々の繊維の可変的なねじれレベルの平均を正確に求めるために、相当量の繊維を検査する事が重要である。繊維塊の代表的なサンプルは少なくとも5インチの累積繊維長をテストして代表的繊維ねじれカウントを求める方法が提案される。
湿潤繊維ねじれカウントは前記の乾燥繊維ねじれカウントに準じて測定され、この方法は処理する前に水で湿潤され、次に湿っている間に「ねじれカウント画分析法」によって計数する点のみが相違している。
本発明の繊維は、ねじれを有するほかにカールを有する。繊維のカールはよじれ(kink)、ねじれおよび/または繊維の曲げによるその繊維の部分的短縮と説明される。本明細書の目的から繊維のカールは二次元で測定される。繊維カールのレベルは繊維カールファクタと呼ばれる。カールの二次元測定としての繊維カールファクタは、繊維を二次元平面において見て、繊維を囲む長方形の最大寸法としての繊維の投影長、LRと実際繊維長LAとを測定し、次に下記の方程式によって計算する事によって求められる。
(1)カールファクタ=(LA/LR)−1
LAとLRとを測定するために繊維カール指数画像分析法が使用される。この方法はこの明細書の「実験法」に記載されている。この方法の背景情報は、1979年、9月17−19日、ブリティッシュ・コロンビア、ハリソン・ホット・スプリング、ハリソン・ホテルで開催された「1979 International Paper Physics Conference Symposium」においてB.D.ジョルダンおよびD.H.ページによって発表された論文「Applicatin Of Image Analysis to Pulp Fibre Characterization: Part 1」pp.104-104、カナダ紙パルプ協会(カナダ、ケベック、モントリオール)に記載されている。この文献を引例とする。
乾燥および橋かけ結合に際して繊維をその実質的に個別の形状に保持する事により、繊維は乾燥中にねじれてこのようなねじれたカール状態で橋かけ結合される。このように繊維がねじれまたカールするような条件で繊維を乾燥する事を実質的に非拘束状態で繊維を乾燥すると言う。他方、繊維のシート状での乾燥は、実質的に個別形で乾燥された繊維ほどに高度にねじれまたカールしていない。繊維間の水素結合が繊維のねじれとカールの相対的発生を「拘束」すると思われる。
繊維を橋かけ結合剤および触媒(使用される場合)と接触させる種々の方法がある。1つの実施態様において、繊維を最初から橋かけ結合剤と触媒とを含有する溶液と接触させる。他の方法において、繊維を橋かけ結合剤含有水溶液と接触させ、触媒添加前に浸漬させる。次に触媒を添加する。第3実施態様において、橋かけ結合剤と触媒をセルロース繊維の水性スラリに添加する。これらの方法以外の方法は当業者には明かであろうし、また他の方法も本発明の主旨の範囲内にある。繊維を橋かけ結合剤および触媒(使用する場合)と接触させる特定の方法がどのようであれ、セルロース繊維と橋かけ結合剤と触媒とは個々の繊維との完全な接触と含浸とを保証する程度に十分に繊維と混合させまた/あるいは浸漬するのが好ましい。
出願人は、橋かけ結合剤を含有する溶液のpHが前記の範囲内に保たれれば、触媒を使用しなくても橋かけ結合反応を実施できる事を発見した。さらに詳しくは、セルロース繊維スラリまたは橋かけ結合剤溶液の水性部分のpHを、橋かけ結合剤と繊維との接触期間中に約pH1.5乃至約pH5、さらに好ましくは約pH2.0乃至約pH4.5の目標pHに調整しなければならない。橋かけ結合剤溶液のpHは、酸、例えば塩酸または塩基、例えば水酸化ナトリウムを適当量添加する事により調整する事ができる。
前述にも関わらず、一般に橋かけ結合メカニズムを触媒する事のできる任意物質を使用する事ができる。使用可能の触媒は、アルカリ金属次亜リン酸塩、アルカリ金属亜リン酸塩、アルカリ金属ポリリン酸塩、アルカリ金属リン酸塩、およびアルカリ金属硫酸塩を含む。特に好ましい触媒はアルカリ金属次亜リン酸塩、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属硫酸塩である。本発明において使用可能の触媒のさらに完全なリストは米国特許第4,820,307号に記載され、この米国特許を引例とする。選定された触媒は単独触媒として、または1つまたは複数の他の触媒と組合わせて、または米国特許第5,256,746号に記載のようにポリマーそのものと組合わせて使用する事ができる。この米国特許を引例とする。
もちろん使用するのに好ましい触媒量は橋かけ結合剤の特定の型と量、および反応条件、特に温度とpHに依存する。一般に技術的および経済的考慮に基づいて、セルロース繊維に対して加えられる橋かけ結合剤重量の約5重量%乃至約80重量%の触媒水準が好ましい。さらに橋かけ結合剤と繊維との接触期間中、セルロース繊維スラリまたは橋かけ結合剤溶液の水性部分を約pH1.5乃至約pH5、さらに好ましくは約pH2.0乃至約pH4.5の目標pHに調整する事が望ましい。
セルロース繊維は一般に脱水されまた任意に乾燥されなければならない。使用可能の最適コンシステンシーは使用される毛羽立て装置の型に依存する。好ましい実施態様において、セルロース繊維は約20%乃至約80%のコンシステンシーまで脱水されまた任意に乾燥される。さらに好ましくは、繊維は約40%乃至約80%の範囲内まで脱水乾燥される。一般にこの好ましい範囲内の繊維乾燥は、より高い水分水準に伴なう節の過剰な形成もなく、またより低い水分水準に伴なう高水準の繊維破損もなく、繊維を容易に個別化形状に離解する事ができる。
例えば、脱水はパルプの機械的圧縮、遠心分離、または空気乾燥などの方法によって実施する事ができる。前記の40%乃至80%コンシステンシーの範囲内での追加的繊維乾燥は任意であるが、好ましくは高温の長時間利用を必要としない条件で、空気乾燥など公知の方法によって実施される。この段階での過度の高温と長時間は60%コンシステンシー以上に繊維を乾燥させて、次の離解段階において過度の繊維破損を生じる可能性がある。脱水後に、繊維は前述のように機械的に離解される。
次に離解された繊維をフラッシュ乾燥法などの業界公知の方法によって約60%乃至100%コンシステンシーの範囲内まで乾燥させる。この段階は水が繊維から除去されるに従って、繊維に対して追加的ねじれとカールとを与える。この追加的乾燥段階によって除去される水の量は可変的であるが、60%乃至100%のコンシステンシー範囲内の高いコンシステンシーへのフラッシュ乾燥はその低いコンシステンシーへのフラッシュ乾燥よりも高水準のねじれとカールを与えると考えられる。好ましい実施態様において、繊維は約90%乃至95%のコンシステンシーまで乾燥される。この水準のフラッシュ乾燥は、100%コンシステンシーに達するためのこれより高い乾燥温度と保持時間を使用しなくても、所望水準のねじれとカールを繊維に与える事ができると考えられる。このようなコンシステンシー範囲の高い部分までの繊維の乾燥は、フラッシュ乾燥後の硬化段階において実施されなければならない乾燥量を低減させる。
次に橋かけ結合剤を硬化(cure)させるため、すなわちセルロース繊維と反応させるため、フラッシュ乾燥された繊維を有効時間、適当温度まで加熱する。橋かけ結合の速度と程度は、繊維の乾燥度、触媒および橋かけ結合剤の温度、pH、時間、量および型、並びに橋かけ結合の実施中に繊維を加熱および/または乾燥するために使用される方法に依存する。特定の初期水分の繊維について、特定温度での橋かけ結合は、静的加熱炉の中で乾燥/加熱される場合よりも連続的通気乾燥炉によって実施される場合の方が急速に生じる。当業者には明かなように、橋かけ結合剤の乾燥硬化については多数の温度−時間相互関係が存在する。静的、大気圧条件での約30分乃至60分間の約145℃乃至165℃の範囲内の乾燥温度は約10%以下の水分を有する繊維について許容可能の硬化を生じる。また当業者には明かなように、より高い温度と強制空気対流は硬化に必要な時間を低減させる。従って、強制通気加熱炉の中での約2分間乃至20分間の約170℃乃至約190℃の乾燥温度は一般に約10%以下の水分を有する繊維について満足な硬化効率を生じる。硬化温度は約225℃以下、好ましくは約200℃以下に保持されなければならない。このような高温に対する繊維の露出は繊維を黒変させまたその他の損傷を与えるからである。
橋かけ結合段階に続いて、所望ならば繊維を洗浄する。洗浄後に、繊維を脱流動化処理し乾燥させる。脱流動化段階と乾燥段階との間において、繊維がなお湿潤状態にある間に第2機械的離解段階を加える事ができる。この第2離解段階は橋かけ結合された繊維をねじりまたカールさせる。前記と同一の繊維離解装置をこの第2離解段階に使用する事ができる。従ってこのパラグラフで用いられる用語「離解」とは、すでに実質的に個別形状にあってもこの繊維を機械的に分離して実質的に個別形状にするために使用される任意の手順を言う。すなわち、個別形状または密集した形状にある繊維を機械的に処理し、この場合、処理(a)は実質的に個別形状にない繊維をこの形状に分離するにあり、処理(b)は乾燥状態の繊維にカールおよびねじれを与えるにある。
繊維の橋かけ結合後に実施されるこの第2離解処理はパルプのねじれらたカール特性を増進すると思われる。このようなカール状態の増進は吸収性構造体の弾性と湿潤応答性とを増進させる。
繊維が本質的に乾燥状態にある時に(約5%以下の水分を含有する時に)、最大限レベルの橋かけ結合が達成される。このような無水分状態の故に、繊維は実質的に非膨潤の圧潰状態にある間に橋かけ結合される。従って、これらの繊維は、本発明に適用可能の範囲において特性的に低い流体保持率(FRV)を有する。FRVは、浸漬され次に繊維間流体を除去するために遠心分離されたサンプルによって吸収されたままの、乾燥繊維ベースで計算された流体量を言う。(FRVについては下記に定義し、またFRV測定手順は下記に説明する。)橋かけ結合された繊維が吸収する事のできる流体量は、これらの繊維の飽和に際しての膨潤能力に依存し、言い替えれば、最大限まで膨潤した際の内径または容積に依存する。またこれは橋かけ結合レベルに依存する。与えられた繊維および工程について繊維内橋かけ結合レベルが増大するに従って、繊維のFRVが低減する。従って繊維のFRV値は、飽和状態の繊維の物理的状態を構造体的に説明する。特記なき限り、本明細書に記載のFRVデータは繊維の水保持値(WRV)として報告される。塩水および合成尿などの他の流体も分析用流体媒質として有効に使用する事ができる。一般に、本発明の工程のように、硬化が大幅に乾燥に依存する手順によって橋かけ結合された特定繊維のFRVは主として橋かけ結合剤と橋かけ結合レベルとに依存している。本発明に応用可能の橋かけ結合剤レベルでこの乾燥橋かけ結合工程によって橋かけ結合された繊維のWRVは、一般に約60以下、約25以上、好ましくは約50以下、さらに好ましくは約30と約45との範囲内にある。乾燥繊維重量ベースで約4.0重量%乃至約6.0重量%のポリアクリル酸を反応させられた漂白SSK繊維はそれぞれ約25乃至約50の範囲内のWRVを有する事が観察された。橋かけ結合後に実施された漂白段階および漂白度などの橋かけ結合後処理がWRVに影響する事が発見された。先行技術の公知の多くの橋かけ結合法によって製造されたサザン・ソフトウッドクラフト(SSK)繊維は本明細書に記載のレベルより高い橋かけ結合レベルを有し、また約25以下のWRVを有する。このような繊維は前述のように過度に剛性であって、本発明の繊維より低い吸収能力を示す事が発見された。
乾燥橋かけ結合法によって個別化橋かけ結合繊維を製造する他の工程においては、セルロース繊維が前記のような橋かけ結合剤を含有する溶液と接触させられる。繊維は橋かけ結合剤との接触の前または後にシート状に成される。これらの繊維はシート状にある間に乾燥され、好ましくは約120℃乃至約160℃の温度に加熱する事によって橋かけ結合させられる。橋かけ結合後に、これらの繊維は実質的に個別形状に機械的に分離される。これは、好ましくは米国特許第3,987,968号に記載のような繊維毛羽立て装置または業界公知のその他の離解法によって実施される。このシート橋かけ結合法によって製造される個別化橋かけ結合繊維は、離解後に乾燥繊維重量ベースで計算して約4.0重量%乃至約6.0重量%の橋かけ結合の有効量が繊維内橋かけ結合の形で繊維と反応するのに十分な量の橋かけ結合剤によって処理される。このシート状での繊維の乾燥橋かけ結合法の他の利点は、乾燥の増大に際して繊維−繊維結合が繊維をねじれとカールから保持するにある。繊維が実質的に非拘束状態で乾燥され次にねじられたカール形状で橋かけ結合される工程によって製造された個別化橋かけ結合繊維と比較して、前記のシート硬化法によって製造された比較的ねじられていない繊維を含む吸収性構造体は低い湿潤弾性と低い湿潤応答性を示すと予想される。
また乾燥段階と橋かけ結合段階との間において繊維を実質的に個別形状に機械的に分離する方法も考えられる。この場合、繊維は橋かけ結合剤と接触させられた後にシート状で乾燥される。橋かけ結合前に繊維が個別化されていて、繊維内橋かけ結合を容易にする。このような代案橋かけ結合法および当業者には明白なその他の変更法も本発明の主旨の範囲内にあるものとする。
本発明の橋かけ結合繊維は好ましくは前述の乾燥橋かけ結合法によって製造される。本発明の橋かけ結合繊維はエアレイド吸収性コアの製造に直接使用する事ができる。さらにその剛性と弾性との故に、本発明の橋かけ結合繊維は非圧縮型低密度シート状にウエットレイイングし、次にこれを乾燥し、さらに機械的処理を実施する事なく直接に吸収性コアとして使用する事ができる。また前記橋かけ結合繊維は販売または遠隔地への輸送のため、圧縮パルプシートとしてウエットレイイングする事ができる。
通常の非橋かけ結合セルロース繊維から成るパルプシートと比較して、本発明の橋かけ結合繊維から成るパルプシートは通常のパルプシート密度まで圧縮する事が困難である。従って、本発明の橋かけ結合繊維を通常吸収性コアの製造に使用されるような非橋かけ結合繊維と結合する事が望ましい場合がある。剛性橋かけ結合繊維を含むパルプシートは好ましくは、本発明の個別化橋かけ結合繊維と混合されたシート全乾燥重量の約5乃至約90重量%の非橋かけ結合セルロース繊維を含む事が好ましい。特にシートの全乾燥重量に対して約5%乃至約30%の高度にリファイニングされた非橋かけ結合セルロース繊維または合成繊維を含む事が好ましい。このような高度にリファイニングされた繊維は約300ml CSF以下、好ましくは100ml CSF以下のフリーネスレベルまでリファイニングされまたは叩解されている。非橋かけ結合繊維は好ましくは個別化橋かけ結合繊維の水性スラリと混合される。次にこの混合物を次の離解処理および吸収性パッドへの形成処理のために濃密パルプシート状に形成する。非橋かけ結合繊維の合体は、パルプシートの濃密形への圧縮を容易にすると共に、次に形成される吸収性パッドの吸収性ロスを驚くほど低くする。また非橋かけ結合繊維はパルプシートの引張強度を増大し、パルプシートから製造された吸収性パッドまたは橋かけ結合繊維と非橋かけ結合繊維との混合物から直接に製造された吸収性パッドの引張強度を増大する。橋かけ結合繊維と非橋かけ結合繊維の混合物をまずパルプシート状に形成し次に吸収性パッド状に形成するか、あるいはこの混合物を直接に吸収性パッド状に形成するかに関わらず、この吸収性パッドをエアレイイングしまたはウエットレイイングする事ができる。
個別化橋かけ結合繊維または非橋かけ結合繊維を含む混合物から製造されたシートまたはウエブは好ましくは800g/cm2以下の坪量と約0.60g/cm3以下の密度とを有する。本発明の主旨の範囲内において、特に300g/m2乃至約600g/m2の範囲内の坪量と、0.07g/cm3乃至約0.30g/cm3の範囲内の密度とを有するウエットレイドシートはオシメ、タンポンおよびその他の月経製品などの使い捨て製品中の吸収性コアとして直接に使用される。これらのレベルより高い坪量と密度とを有する構造体はさらに粉砕しエアレイイングまたはウエットレイイングして、吸収性製品としてさらに有効な低密度および低坪量構造体を形成する事ができると思われる。またこのような高い坪量と密度を有する構造体は、驚くべきほどに高い吸収性と湿潤応答性とを示す。本発明の繊維について考えられる他の用途は、約0.03g/cc以下の密度を有する低密度ティシュシートを含む。
所望ならば、余分の未反応橋かけ結合剤を除去するために、橋かけ結合繊維をさらに処理する事ができる。余剰橋かけ結合剤をうまく除去する一連の処理は、順次に橋かけ結合繊維の洗浄段階、水溶液中に相当時間繊維を浸漬する段階、繊維のスクリーニング段階、例えば遠心分離により約40%乃至約80%のコンシステンシーまで繊維を脱水する段階、脱水繊維を前述のようにして機械的に離解する段階および繊維の空気乾燥段階を含む。洗浄溶液を約7以下のpHに保持するため、必要なら洗浄液に十分量の酸性物質を添加する事ができる。理論に拘束されるつもりはないが、エステル橋かけ結合はアルカリ性条件では不安定であり、また洗浄液pHを酸性範囲内に保持する事は形成されたエステル橋かけ結合の逆転を抑止すると思われる。酸性は硫酸などの無機酸、または二酸化塩素などの酸性漂白化合物によって導入する事ができる。
本発明の橋かけ結合繊維は、ティシュシート、使い捨てオシメ、月経製品、生理用ナプキン、タンポンおよび包帯など、本発明の個別化橋かけ結合繊維を含有する種々の吸収性製品に使用される。例えば、透液性トップシート、トップシートに接合された不透液性バックシート、およびトップシートとバックシートとの間に配置され、本発明の個別化橋かけ結合繊維を含む吸収性構造体から成る使い捨てオシメまたは類似製品が特に考えられる。このような製品は一般的に米国特許第3,860,003号に記載され、この米国特許を引例とする。また本発明の橋かけ結合繊維はフィルタ媒体などの製品の製造にも有効である。
一般に、オシメおよび月経製品の吸収性コアは非剛化、非橋かけ結合セルロース繊維から形成され、この場合、これらの吸収性コアは約0.06g/cc乃至約0.12g/ccの乾燥密度を有する。この吸収性コアは湿潤した時、原則として体積の減少を示す。
本発明の橋かけ結合繊維は通常の非橋かけ結合繊維から成る同等密度の吸収性コアと比較して、吸収能力および滲透速度を含めて実質的に高い流体吸収特性を有する吸収性コアの製造に使用できる事が発見された。さらにこのような改良された吸収特性は高レベルの湿潤弾性と共に得られる。湿潤時に実質的に一定体積を保持し約0.05g/cc乃至約0.15g/ccの範囲内の密度を有する吸収性コアを製造する場合、乾燥セルロース繊維重量ベースで約4.0重量%乃至約6.0重量%橋かけ結合剤の範囲内の橋かけ結合レベルを有する橋かけ結合繊維を使用する事が特に好ましい。このような繊維から製造された吸収性コアは構造体一体性、すなわち圧縮抵抗と湿潤弾性との望ましい組合わせを有する。本明細書のコンテキストにおいて、用語「湿潤弾性」とは、湿潤パッドが圧縮力を受けてこの圧縮力から解除された時にその当初の形状および体積に跳ね返る能力を言う。未処理繊維から成るコアと比較して、本発明の繊維から成る吸収性コアは湿潤圧縮力を解除された時にその当初の体積のはるかに大きな部分を回復する。
他の好ましい実施態様において、本発明の個別化橋かけ結合繊維はエアレイドまたはウエットレイド吸収性コア状に形成され、この吸収性コアが(次に乾燥され)、パッドの平衡湿潤密度以下の乾燥密度まで圧縮される。平衡湿潤密度は、パッドが流体によって完全飽和された時に乾燥繊維ベースで計算されたパッド密度である。繊維が平衡湿潤密度以下の乾燥密度を有する吸収性コアに形成された時、この吸収性コアは飽和状態まで湿潤されると、平衡湿潤密度まで圧潰する。あるいは繊維が平衡湿潤密度より大きな乾燥密度の吸収性コアに形成されると、飽和状態まで湿潤されると平衡湿潤密度まで膨張する。本発明の繊維から形成されたパッドは、通常の毛羽立て処理された繊維から成るパッドより実質的に低い平衡湿潤密度を有する。本発明の繊維は、平衡湿潤密度より高い密度まで圧縮されて、薄いパッドを成し、このパッドが湿潤された際に膨張して、非橋かけ結合繊維によって得られるよりもはるかに大きく吸収性容量を増大させる事ができる。
他の好ましい実施態様において、乾燥繊維重量ベースで計算して約3.0重量%乃至約6.0重量%の橋かけ結合レベルによって、高い吸収特性と、湿潤弾性と、湿潤応答性とが得られる。好ましくはこのような繊維は平衡湿潤密度より高い乾燥密度を有する吸収性コアに形成される。好ましくはこの吸収性コアは約0.12g/ccと0.60g/ccの範囲内の密度まで圧縮され、この場合、対応の平衡湿潤密度は乾燥圧縮パッドの密度より小である。また好ましくは、これらの吸収性コアが約0.12g/cc乃至約0.40g/ccの密度まで圧縮され、この場合対応の平衡湿潤密度は約0.08g/cc乃至約0.12g/ccの範囲内にあり、乾燥圧縮吸収性コアの密度より低い。しかし、高い密度範囲内の吸収性構造体は高い橋かけ結合レベルを有する橋かけ結合繊維から製造され、同様に低い密度の吸収性構造体は低い橋かけ結合レベルを有する橋かけ結合繊維から製造される事を認識しなければならない。
前記の論述は高密度および低密度の吸収性構造体に関するものであるが、前記の範囲内の吸収性構造体密度と橋かけ結合剤レベルとの種々の組合わせが通常のセルロース繊維および先行技術の橋かけ結合繊維と比較してすぐれた吸収特性および吸収性構造体一体性を生じる事を認識しなければならない。これらの実施態様も本発明の主旨の範囲内に含まれる。
本発明の個別化橋かけ結合繊維から成る吸収性構造体はさらに実質的に不水溶性のハイドロゲル形成材料を含む事ができる。ハイドロゲル形成材料は流体を吸収し中庸圧のもとにこれらの流体を保持する事のできる化合物である。
適当なハイドロゲル形成材料はシリカゲルなどの無機材料または橋かけ結合されたポリマーなどの有機化合物である。ハイドロゲル形成材料に関して述べる橋かけ結合とは個別化橋かけ結合繊維を形成する橋かけ結合剤とセルロース繊維との反応に関連して用いられるよりも広い意味を持つことを理解すべきである。橋かけ結合されたハイドロゲル形成ポリマーは共有結合、イオン結合、ファンデルワールス結合または水素結合によって橋かけ結合される事ができる。ハイドロゲル形成材料の例は、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エチレン無水マレイン酸共重合体、ポリビニル エーテル、ヒドロキシプロピル セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニル モルフォリノン、ビニルスルフォン酸のポリマーまたは共重合体、ポリアクリラート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジンなどである。他の適当なハイドロゲル形成材料は米国特許第3,901,236号に記載のものである。吸収性コアに使用される特に好ましいハイドロゲル形成ポリマーは加水分解されたアクリルニトリル グラフト重合デンプン、アクリル酸グラフト重合デンプン、ポリアクリラート、およびイソブチレン無水マレイン酸共重合体またはその混合物である。本発明において使用可能のハイドロゲル形成材料の例はAqualic L−73、日本触媒株式会社、日本によって製造される部分的中和されたポリアクリル酸、およびSanwet IM 1000、サンヨー株式会社、日本によって製造された部分的中和されたアクリル酸グラフト重合デンプンである。米国特許第746,152号に記載のような比較的高いゲル強度を有するハイドロゲル形成材料は個別化橋かけ結合繊維に使用するのに適当である。この米国特願を引例とする。
ハイドロゲル形成材料の製法は米国特許第4,076,663号、米国特許第4,286,082号、さらに米国特許第3,734,876号、第3,661,815号、第3,670,731号、第3,664,343号、第3,783,871号およびベルギー特許第785,850号に記載され、これらの特許の開示をすべて引例とする。
ハイドロゲル形成材料は、個別化橋かけ結合繊維を含有する吸収性構造体全体に分布させる事ができ、またはこの吸収性構造体の特定の層または部分に限定する事ができる。他の実施態様において、ハイドロゲル形成材料は、個別化橋かけ結合繊維を含有する繊維質吸収性構造体に対向配置されるシートまたはフィルム上に接着あるいは積層されるこのようなシートまたはフィルムは、ハイドロゲル形成材料が層間に保持されるように多層構造体とする事ができる。他の実施態様において、ハイドロゲル形成材料は吸収性構造体の表面繊維上に直接に接着する事ができる。
湿潤吸収性構造体を人間の皮膚に接触させた後に蒸発計によって測定された皮膚湿潤度水準により、本発明の個別化橋かけ結合繊維とハイドロゲル形成材料とを組合わせた吸収性構造体について驚くほど大きな皮膚乾燥性能の増大が見られた。これは通常繊維と比較して高い個別化橋かけ結合繊維の滲透作用とこの吸収性構造体の高い吸収能力とによると思われる。個別化橋かけ結合繊維から成る吸収性構造体の特有の滲透作用は、繊維の剛性とこれから生じる比較的大きなボイド容量との結果である。しかし、二、三の公知の個別化橋かけ結合繊維の場合に見られるように過度に高い橋かけ結合剤レベルは、橋かけ結合剤の疎水性の故に滲透作用を低減させる可能性がある。
対応の平衡湿潤密度(乾燥繊維ベースで計算)より高い乾燥密度を有する個別化橋かけ結合繊維から製造された吸収性構造体について、他の重要な利点が見られた。さらに詳しくは、この型の吸収性構造体は湿潤した時に体積が膨張する。この膨張の結果、繊維の繊維間毛管網状組織も拡大する。ハイドロゲル形成材料を配合された通常の吸収性構造体においては、流体吸収の故にハイドロゲル形成材料の体積が膨張し、吸収性構造体の全流体吸収ポテンシャルを利用する前に、流体吸収用の毛管ルートを閉塞しまたはそのサイズを収縮させる。この現象はゲルブロッキングとして公知である。吸収性構造体の繊維網状組織の拡張による毛管拡大はゲルブロッキングの発生を低減させる。このようにして、吸収性構造体の流体吸収ポテンシャルのより大きな部分を利用する事ができ、また(所望ならば)高レベルのハイドロゲル形成材料を吸収性構造体中に合体させても高レベルのゲルブロッキングを生じない。
個別化橋かけ結合繊維とハイドロゲル形成材料とを含有するオシメコア用の吸収性構造体は、約0.15g/cc乃至約0.40g/ccの範囲内の乾燥密度と、繊維重量ベースで約20重量%乃至50重量%のハイドロゲル形成材料とを含有する。最も好ましくは、個別化橋かけ結合繊維は乾燥繊維重量ベースで計算して3.0重量%乃至7.0重量%の橋かけ結合剤と繊維内橋かけ結合の形で反応させられ、この場合、繊維は、湿潤に際して膨張できる程度に圧縮された乾燥状態の比較的薄い吸収性構造体に形成される。
ハイドロゲル形成材料は吸収性構造体全体またはその一部に一様に分布する事ができる。好ましい個別化橋かけ結合繊維を含有する米国特許第3,860,003号に記載のオシメ構造体は約0.20g/ccの乾燥密度を有し、またコア全体に分散されたハイドロゲル形成材料を含む。乾燥吸収性コア全重量に対して約20乃至約50重量%のAqualic L−73などのハイドロゲル形成材料を含有すれば、オシメの滲透作用と、全吸収容量と、皮膚湿潤度と、経済性との最適バランスが得られると思われる。このハイドロゲル形成材料は好ましくは米国特許第3,860,003号に記載の製品の個別化橋かけ結合繊維含有吸収性コアと均一に配合される。
また前記の吸収性構造体は通常の毛羽立て処理された繊維または高度にリファイニングされた繊維を含有する事ができ、この場合、ハイドロゲル形成材料の量は前記のように繊維の全重量に基づく。前記の実施態様は説明のためのものであって、個別化橋かけ結合繊維に対してハイドロゲル形成材料を応用する範囲を限定するものではない。
流体保持値の測定法
セルロース繊維の水保持値の測定のために下記手順を使用する事ができる。
約0.3g乃至約0.4gの繊維サンプル(すなわち、水保持値を求める約0.3g乃至約0.4gの繊維部分)を、室温の約100mlの蒸留水または脱イオン水を含むカバー付き容器の中に、約15時間乃至約20時間、浸漬する。浸漬された繊維をフィルタ上に捕集し、次に遠心分離管の60メッシュスクリーン底部の上方約1 1/2インチに支持された80メッシュワイヤバスケットに転送する。この遠心分離管をプラスチックカバーで覆い、サンプルを1500乃至1700gの相対遠心分離力で19乃至21分間遠心分離する。次に遠心分離された繊維をバスケットから取り出し計量する。計量された繊維を105℃の一定重量まで乾燥し、再び計量する。水保持率(WRV)は下記の式によって計算される。
Figure 0003863179
ここに、
W=遠心分離された繊維の湿潤重量、
D=この繊維の乾燥重量、
W−D=吸収された水の重量。
滴容量測定手順
吸収性コアの滴容量を測定するために下記の手順が使用される。滴容量(dripcapacity)は吸収性コアの吸収性容量と吸収率との組合わせ測定値として使用される。
約7.5gの質量を有する4インチ×4インチの吸収性パッドをスクリーンメッシュ上に配置する。パッドの中心に合成尿を8ml/sの速度で加える。パッドの底部または側面から合成尿の最初の滴が脱出する時に、合成尿の流を停止する。滴容量は、合成尿の導入の前後のパッド質量の差をボーンドライベースの繊維パッドの質量で割ったものである。
湿潤圧縮度の測定手順
吸収性構造体の湿潤圧縮度を測定するために下記の手順を使用する事ができる。湿潤圧縮度は吸収性コアの湿潤圧縮抵抗、湿潤構造体一体性、および湿潤弾性の測定値として使用される。
重量約7.5gの4インチ×4インチ正方形パッドを準備し、その厚さを測定しまた密度を計算する。このパッドの中にその乾燥重量の10倍またはその飽和点のいずれか少ない方まで、合成尿を装入する。0.1PSIの圧縮荷重をパッドに加える。パッドが平衡する約60秒の期間後に、パッドの厚さを測定する。次に圧縮荷重を1.1PSIまで増大し、パッドを平衡させ、厚さを測定する。次に圧縮荷重を0.1PSIまで低下させ、パッドを平衡させ、再び厚さを測定する。当初0.1PSI荷重、1.1PSI荷重および第2の0.1PSI荷重(0.1PSIR(PSI跳ね返り)荷重と呼ぶ)におけるパッド密度を計算する。次にそれぞれの圧力荷重に対してボイド容量、cc/gを求める。ボイド容量は、湿潤パッド密度の逆数から繊維体積(0.95cc/g)を引いたものである。0.1PSIボイド容量と1.1PSIボイド容量は湿潤圧縮度と湿潤構造体一体性の有効な指標である。共通初期のパッド密度のボイド容量が高いほど、大きな湿潤圧縮度および湿潤構造体一体性を示す。0.1PSIと0.1PSIRのボイド容量の差は吸収性パッドの湿潤弾性の比較のために使用される。この差が小さいほど、大きな湿潤弾性を示す。
また乾燥パッドと圧縮前の飽和パッドのキャリパーの差はパッドの湿潤に対する応答性の有効な指標である。
乾燥圧縮度の測定手順
吸収性コアの乾燥圧縮度の測定のために下記の手順を使用する事ができる。乾燥圧縮度は吸収性コアの乾燥弾性の測定値として使用される。
重量約7.5gの4インチ×4インチ正方形パッドを準備し、このパッドを乾燥状態で水圧機によって5500lbs/16in2の圧力まで圧縮する。このパッドを逆転させ、圧縮を繰り返す。圧縮の前後に無荷重キャリパーでパッドの厚さを測定する。次に圧縮前後の密度を質量/(表面積×厚さ)として計算する。圧縮前後の密度の差が大きいほど、低い乾燥弾性を示す。
セルロース繊維と反応したポリアクリル酸のレベルを求める手順
セルロース繊維と橋かけ結合反応したポリアクリル酸のレベルを求めるに適した種々の分析法が存在する。任意の適当な方法を使用する事ができる。本発明の実施例の個別化橋かけ結合繊維のセルロース成分と反応して繊維内橋かけ結合を生じる好ましいポリマー・ポリアクリル酸(ポリマー・モノアルキルホスフィネートまたはポリマー・モノアルキルホスホネート。すなわち、ポリマーと化学的に結合された公知重量%の特定無機元素を含有するポリマー)のレベルを求めるために、下記の手順を使用する。まず橋かけ結合された繊維のサンプルの未反応橋かけ結合化合物または触媒の除去に十分量の熱水をもってこのサンプルを洗浄する。次にこれらの繊維を平衡水分まで乾燥する。水分バランス装置またはその他適当な装置によってサンプルのボーンドライ重量を測定する。次に燃焼炉の中でサンプル中の全有機物質を除去するに適した温度でサンプルを燃焼指せ、または「灰化(ashed)]させる。サンプルから得られた残存無機物質を過塩素酸などの強酸の中に溶解する。次にこの酸溶液を分析して、セルロース繊維に加えられたオリジナルポリマー中に存在した無機元素の質量を((全ポリマー)/(無機元素)の重量比で)求める。誘導結合プラズマ原子放出分光法(ICP AES)がこの溶液の分析に使用する事のできる1つの方法である。次にセルロース繊維上に橋かけ結合されたポリマー量を下記の式によって計算する事ができる。
Figure 0003863179
ここに、
Wi=前記のようにして測定された、セルロース繊維に橋かけ結合したポリマーに結合されたサンプルの無機元素の質量、
R =(全ポリマーの質量/ポリマーに結合された無機元素の質量)比、
Wc=分析されるセルロース繊維サンプルのボーンドライ質量(グラム)。
本発明の実施例の個別化橋かけ結合繊維のセルロース成分と繊維内橋かけ結合を成すように反応する好ましいポリマー・ポリアクリル酸(例えば、約1000の分子量を有するポリアクリル酸、または65重量%のアクリル酸と35重量%のマレイン酸とを含み約9000の分子量を有するアクリル/マレイン酸共重合体)のレベルを求めるため、下記の手順が使用される。無機元素を含む類似ポリマーの反応効率(セルロース繊維に加えられてこのセルロースと反応して繊維内橋かけ結合を形成するポリマーの百分比)を前記のICP AES法によって求める。次に加えられた問題のポリマーの量に前記反応効率を乗じて、セルロース繊維と反応して繊維内橋かけ結合を形成する問題のポリマーの量を特定する。代表的には反応効率は約0.75である。
ねじれカウントを求める手順
この開示において分析された繊維のねじれカウントを求めるために下記の方法を使用する事ができる。
浸漬油の薄膜を塗布されたスライドの上に乾燥繊維を配置し、次にカバースリップで覆う。浸漬油の効果は繊維の膨潤を誘導する事なく繊維を透明にして、ねじれ節(下記に説明)を識別しやすくするにあった。低コンシステンシーのスラリをスライド上に注出する事によって湿潤繊維を配置し、次にこれをカバースリップで覆う。水が繊維を透明にしたので、ねじれ節の識別が容易である。
コンピュータ制御顕微鏡と、ビデオカメラと、ビデオスクリーンと、ケンブリッジ・インスツルーメント・リミテッド(英国、ケンブリッジ;ニューヨーク、バッファロウ)から市販されるQUIPSソフトウェアを装着されたコンピュータとを含む画像分析装置を使用してねじれ節を測定する。
200×の倍率で顕微鏡スライドの特定区域中の繊維の全長を前記画像分析装置によって測定する。オペレータがねじれ節を識別しマークする。1270mmインチの繊維全長が分析されるまで、この手順を継続し、繊維長を測定しまたねじれ節をマークする。このデータから、繊維全長でねじれ節の全数を割る事によってミリメートルあたりのねじれ節の数が計算される。
カールファクタを求める手順
繊維のカール指数を測定するために下記の方法を使用する事ができる。
乾燥繊維を顕微鏡スライド上に置く。カバースリップを繊維上に配置して縁を接着する。ソフトウェア制御顕微鏡と、ビデオカメラと、ビデオモニタと、コンピュータとを含む画像分析装置を使用して、繊維の実際長LAと最大投影長LR(繊維を包囲する長方形の最長辺の長さ)を測定する。使用されたソフトウェアは前章「ねじれカウント画像分析法」に記載のソフトウェアと同一である。
LAとLRが得られた時、前記の式(1)によってカールファクタを計算する。少なくとも250の個別繊維についてカールファクタを計算し、次に平均してサンプルの平均カールファクタを求める.0.25mm以下のLAを有する繊維を計算から除外する。
以下、本発明を実施例について詳細に説明するが本発明はこれに限定されない。
実施例I
橋かけ結合剤として(65重量%のアクリル酸と35重量%のマレイン酸とを含み約9000の分子量を有する)アクリル/マレイン酸共重合体を使用して乾式橋かけ結合法により本発明の個別化橋かけ結合繊維を製造する。アクリル/マレイン酸共重合体酸性橋かけ結合繊維を製造する手順は下記である。
1.各サンプルについて、1735gの一度乾燥されたサザン・ソフトウッド(SSK)を準備する。これらの繊維は約7%の水分を含有する(93%コンシステンシーに相当)。
2.59.323gのH2Oの中に約2.942gのアクリル/マレイン酸共重合体と410mlの50%水酸化ナトリウム溶液とを含む水溶液に対して、繊維を添加してスラリを形成する。これらの繊維をスラリ中に約60分間、浸漬する。またこの段階は「スティーピング(steeping)」段階とも呼ばれる。スティーピングpHは約3.0である。
3.次に繊維を約40%乃至約50%の範囲内のコンシステンシーまで遠心分離する事によって脱水する。この段階で遠心分離されたスラリのコンシステンシーは段階2のスラリろ液中のカルボン酸濃度と組合わされて遠心分離後に繊維上に存在する橋かけ結合剤の量を決定する。この例において、最初の遠心分離後に、繊維上に、乾燥繊維セルロース無水グルコースベースで約6重量%のアクリル/マレイン酸共重合体が存在する。実際に、スラリろ液中の橋かけ結合剤の濃度は、目標脱水コンシステンシーと繊維上の化合物の所望レベルとを特定する事によって計算される。
4.次に脱水された繊維はスプラウト・ワルドロン12”ディスク・リファイナー(モデル#105−A)を使用して離解される。この装置のプレートは、実質的に個別化されてはいるが最小限の繊維損失を生じるようなギャップに設定される。個別化された繊維がリファイナーから出るに従って、繊維にねじれとカールを与えるため、これらの繊維が2つの垂直管の中で熱空気によってフラッシュ乾燥される。これらの繊維は垂直管を出る時に約10%の水分を含み、そのまま硬化できる。フラッシュ乾燥管を出るとき繊維の水分が約10%以上であれば、水分が約10%となるまで、これらの繊維を常温空気の中で乾燥させる。
5.ほとんど乾燥した繊維を次にトレー上に配置し、実際上加えられたコポリマーの量、繊維の乾燥度に依存する時間と温度で、通気乾燥炉の中で硬化させる。この実施例において、サンプルは約188℃の温度で、約8分間硬化される。炉中でこの期間中に橋かけ結合が完了する。
6.橋かけ結合された個別化繊維をメッシュスクリーン上に配置し、約20℃の水で洗浄し、約60℃の水の中に約1時間、1%のコンシステンシーで浸漬し、スクリーンを通し、再び約20℃の水で洗浄し、約60%繊維のコンシステンシーまで遠心分離し、常温空気をもって約8%の平衡水分まで乾燥する。
得られた個別化橋かけ結合繊維は43のWRVを有し、乾燥繊維重量ベースで約4.6重量%の繊維内橋かけ結合の形で繊維と反応したアクリル/マレイン酸共重合体を含有する。
重要な事は、得られた個別化橋かけ結合繊維が通常の非橋かけ結合繊維または先行技術の橋かけ結合繊維と比較して改良された湿潤応答性を有し、人体の皮膚に近接して安全に使用できる事である。
実施例II
橋かけ結合剤として約1000の分子量を有するポリアクリル酸を使用して乾式橋かけ結合法によって本発明の個別化橋かけ結合繊維を製造する。この個別化橋かけ結合繊維は前記の実施例Iの方法によって但し下記の変更を施して製造される。実施例Iの段階2のスラリは150gの乾燥パルプと、1186gのH2Oと、63.6gのポリアクリル酸と、4gの水酸化ナトリウムとを含む。段階5において、繊維を約190℃の温度で約30分間硬化させる。
得られた個別化橋かけ結合繊維は38のWRVを有し、乾燥繊維重量ベースで約4.2重量%の繊維内橋かけ結合の形で繊維と反応したポリアクリル酸を含有する。
重要な事は、得られた個別化橋かけ結合繊維が通常の非橋かけ結合繊維または先行技術の橋かけ結合繊維と比較して改良された湿潤応答性を有し、人体の皮膚に近接して安全に使用できる事である。
実施例III
本発明の個別化橋かけ結合繊維はアクリル/マレイン酸共重合体とクエン酸とを使用して乾式橋かけ結合法によって製造される。共重合体とクエン酸の合計%は4.53%である。クエン酸濃度は合計重量の33%である。クエン酸とマレイン酸との比率は65:35である。共重合体分子量は9,000である。
この個別化橋かけ結合繊維は前記の実施例Iの方法によって但し下記の変更を施して製造される。実施例Iの段階2のスラリは150gの乾燥パルプと、1113gのH2Oと、28gの共重合体/クエン酸混合物とを含む。段階5において、繊維を約190℃の温度で約30分間硬化させる。
得られた個別化橋かけ結合繊維は38のWRVを有し、乾燥繊維重量ベースで約3.4重量%の繊維内橋かけ結合の形で繊維と反応したアクリル酸/マレイン酸/クエン酸橋かけ結合剤を含有する。
重要な事は、得られた個別化橋かけ結合繊維が通常の非橋かけ結合繊維または先行技術の橋かけ結合繊維と比較して改良された湿潤応答性を有し、人体の皮膚に近接して安全に使用できる事である。
実施例IV
橋かけ結合剤として約1600の分子量を有するアクリル酸/次亜リン酸ナトリウム共重合体を使用して乾式橋かけ結合法によって本発明の個別化橋かけ結合繊維を製造する。加えられた共重合体の合計%は5.92%である。アクリル酸/マレイン酸/次亜リン酸ナトリウムの重量比は51/26/23である。この個別化橋かけ結合繊維は前記の実施例Iの方法によって但し下記の変更を施して製造される。実施例Iの段階2のスラリは333gの乾燥パルプと、230gのH2Oと、15gのポリマーとを含む。ポリマー溶液のpHは塩酸を使用してpH3に調整される。段階5において、繊維を約178℃の温度で約6分間で硬化させる。
得られた個別化橋かけ結合繊維は42のWRVを有し、乾燥繊維重量ベースで約4.4重量%の繊維内橋かけ結合の形で繊維と反応した共重合体を含有する。
重要な事は、得られた個別化橋かけ結合繊維が通常の非橋かけ結合繊維または先行技術の橋かけ結合繊維と比較して改良された湿潤応答性を有し、人体の皮膚に近接して安全に使用できる事である。
実施例V
個別化橋かけ結合繊維を実施例Iに記載の前記方法によって、但し下記の変更を伴なって製造する。実施例Iの段階2において、橋かけ結合剤を含有する溶液を直接に繊維シート上に噴霧する。噴霧されたシートの繊維コンシステンシーは約50重量%乃至約80重量%の範囲内である。シートのコンシステンシーと橋かけ結合溶液の濃度とが繊維上に存在する橋かけ結合剤(および必要なら塩基)の量を決定する。橋かけ結合剤(および塩基)の濃度はターゲットコンシステンシーと繊維上の所望の化合物レベルを特定する事によって計算される。
得られた個別化橋かけ結合繊維は43のWRVを有し、乾燥繊維重量ベースで約4.2重量%の繊維内橋かけ結合の形で繊維と反応したアクリル酸/マレイン酸共重合体を含有する。
重要な事は、得られた個別化橋かけ結合繊維が通常の非橋かけ結合繊維または先行技術の橋かけ結合繊維と比較して改良された湿潤応答性を有し、人体の皮膚に近接して安全に使用できる事である。
実施例VI
実施例Iの個別化橋かけ結合繊維をエアレイイングして吸収性パッドを形成し、水圧機によって0.10乃至0.20g/ccの密度まで圧縮する。次にこれらのパッドを前記の手順によって吸収性、弾性および構造体一体性についてテストする。得られた結果を下表1に示し、通常の非橋かけ結合セルロース繊維から製造された吸収性パッドと比較する。
Figure 0003863179
表1から明かなように、個別化されたアクリル/マレイン酸橋かけ結合繊維を含有する吸収性パッド(サンプル2)は、通常の非橋かけ結合繊維を含むパッド(サンプル1)と比較して、著しく高い滴容量と、0.10g/ccおよび0.20g/ccテストパッド密度のいずれにおいても著しく高い圧縮度とを有する。通常の非橋かけ結合繊維に対して改良された応答性を有する事のほかに、アクリル/マレイン酸共重合体橋かけ結合繊維を含有する吸収性パッドは人体の皮膚の近くで安全に使用される。
実施例VII
実施例IIの個別化橋かけ結合繊維をエアレイイングして吸収性パッドを形成し、水圧機によって0.10乃至0.20g/ccの密度まで圧縮する。次にこれらのパッドを前記の手順によって吸収性、弾性および構造体一体性についてテストする。得られた結果を下表2に示し、通常の非橋かけ結合セルロース繊維から製造された吸収性パッドと比較する。
Figure 0003863179
表2から明かなように、個別化されたポリアクリル酸橋かけ結合繊維を含有する吸収性パッド(サンプル3)は、通常の非橋かけ結合繊維を含むパッド(サンプル1)と比較して、著しく高い滴容量と、0.10g/ccおよび0.20g/ccテストパッド密度のいずれにおいても著しく高い圧縮度とを有する。通常の非橋かけ結合繊維に対して改良された応答性を有する事のほかに、ポリアクリル酸共重合体橋かけ結合繊維を含有する吸収性パッドは人体の皮膚の近くで安全に使用される。
実施例VIII
実施例IIIの個別化橋かけ結合繊維をエアレイイングして吸収性パッドを形成し、水圧機によって0.10乃至0.20g/ccの密度まで圧縮する。次にこれらのパッドを前記の手順によって吸収性、弾性および構造体一体性についてテストする。得られた結果を下表3に示し、通常の非橋かけ結合セルロース繊維から製造された吸収性パッドと比較する。
Figure 0003863179
表3から明かなように、個別化されたアクリル酸/マレイン酸/クエン酸橋かけ結合繊維を含有する吸収性パッド(サンプル4)は、通常の非橋かけ結合繊維を含むパッド(サンプル1)と比較して著しく高い滴容量と、0.10g/ccおよび0.20g/ccテストパッド密度のいずれにおいても著しく高い圧縮度とを有する。通常の非橋かけ結合繊維に対して改良された応答性を有する事のほかに、アクリル酸/マレイン酸/クエン酸共重合体橋かけ結合繊維を含有する吸収性パッドは人体の皮膚の近くで安全に使用される。
実施例IX
実施例IVの個別化橋かけ結合繊維をエアレイイングして吸収性パッドを形成し、水圧機によって0.10乃至0.20g/ccの密度まで圧縮する。次にこれらのパッドを前記の手順によって吸収性、弾性および構造体一体性についてテストする。得られた結果を下表4に示し、通常の非橋かけ結合セルロース繊維から製造された吸収性パツドと比較する。
Figure 0003863179
表4から明かなように、個別化されたアクリル/マレイン酸/次亜リン酸ナトリウム橋かけ結合繊維を含有する吸収性パッド(サンプル5)は、通常の非橋かけ結合繊維を含むパッド(サンプル1)と比較して著しく高い滴容量と、0.10g/ccおよび0.20g/ccテストパッド密度のいずれにおいても著しく高い圧縮度とを有する。通常の非橋かけ結合繊維に対して改良された湿潤応答性を有する事のほかに、アクリル酸/マレイン酸/次亜リン酸ナトリウム共重合体橋かけ結合繊維を含有する吸収性パッドは人体の皮膚の近くで安全に使用される。

Claims (10)

  1. 個別化された橋かけ結合セルロース線維を含んでなる吸収性構造体であって、前記繊維がポリマー状ポリアクリル酸橋かけ結合剤と繊維内橋かけ結合の形で反応されてなり、前記ポリマー状ポリアクリル酸橋かけ結合剤がポリアクリル酸ポリマー、アクリル酸の共重合体およびその混合物からなる群から選択され、前記個別化された橋かけ結合セルロース繊維が、セルロース繊維を前記橋かけ結合剤と接触させ、該繊維を実質的に個別形状となるように分離し、該繊維を乾燥させ、そして前記橋かけ結合剤を前記繊維と反応させて、前記繊維が実質的に個別形状に保持されている間に橋かけ結合を形成する工程を含んでなる方法により製造されたものである、吸収性構造体。
  2. 前記繊維が乾燥繊維重量ベースで計算して1.0重量%〜10.0重量%の橋かけ結合剤と繊維内橋かけ結合の形で反応させられ、また前記繊維が25〜60の水保持値を有する、請求項1に記載の吸収性構造体。
  3. 前記橋かけ結合剤が500〜40,000の分子量を有するポリアクリル酸ポリマーである、請求項1または2に記載の吸収性構造体。
  4. 前記ポリマー状ポリアクリル酸橋かけ結合剤がアクリル酸とマレイン酸との共重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性構造体。
  5. アクリル酸とマレイン酸との重量比が10:1〜1:1である、請求項4に記載の吸収性構造体。
  6. 個別化された橋かけ結合セルロース繊維を含んでなり、前記繊維がポリマー混合物橋かけ結合剤と繊維内橋かけ結合の形で反応されてなり、また前記ポリマー混合物橋かけ結合剤がポリマーモノアルキルホスフィネートとポリマーモノアルキルホスホネートを含んでなる、吸収性構造体。
  7. 前記繊維が乾燥繊維重量ベースで計算して1.0重量%〜10.0重量%の橋かけ結合剤と繊維内橋かけ結合の形で反応させられ、また前記繊維が25〜60の水保持値を有する、請求項6に記載の吸収性構造体。
  8. 前記ポリマー混合物橋かけ結合剤が5,000以下の分子量を有する、請求項6または7に記載の吸収性構造体。
  9. エン酸が前記ポリマーポリアクリル酸橋かけ結合剤またはポリマー混合物橋かけ結合剤と混合されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性構造体。
  10. トップシートと、前記トップシートに接合されたバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性構造体とを含んでなる、使い捨て吸収性製品。
JP50222396A 1994-06-15 1995-05-30 ポリアクリル酸ポリマーによって橋かけ結合された個別化セルロース繊維を含有する吸収性構造体 Expired - Lifetime JP3863179B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US26014594A 1994-06-15 1994-06-15
US08/260,145 1994-06-15
PCT/US1995/006863 WO1995034329A1 (en) 1994-06-15 1995-05-30 Absorbent structure containing individualized cellulosic fibers crosslinked with polyacrylic acid polymers

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10502136A JPH10502136A (ja) 1998-02-24
JP3863179B2 true JP3863179B2 (ja) 2006-12-27

Family

ID=22987951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50222396A Expired - Lifetime JP3863179B2 (ja) 1994-06-15 1995-05-30 ポリアクリル酸ポリマーによって橋かけ結合された個別化セルロース繊維を含有する吸収性構造体

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP0765174B1 (ja)
JP (1) JP3863179B2 (ja)
AT (1) ATE210999T1 (ja)
AU (1) AU2658495A (ja)
CA (1) CA2191566A1 (ja)
DE (1) DE69524754T2 (ja)
ES (1) ES2165421T3 (ja)
HK (1) HK1013034A1 (ja)
MX (1) MX9606406A (ja)
WO (1) WO1995034329A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180119191A (ko) * 2017-04-24 2018-11-02 주식회사 제일화성 생분해성 아크릴계 가교제를 포함하는 고흡수성수지의 제조방법 및 이로 제조된 생분해성 고흡수성 수지

Families Citing this family (94)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1808152B1 (en) 2003-02-12 2012-08-29 The Procter and Gamble Company Absorbent Core for an Absorbent Article
ATE455528T1 (de) 2003-02-12 2010-02-15 Procter & Gamble Saugfähiger kern für einen saugfähigen artikel
US7195695B2 (en) * 2003-10-02 2007-03-27 Rayonier Products & Financial Services Company Cross-linked cellulose fibers and method of making same
US20060264861A1 (en) 2005-05-20 2006-11-23 Lavon Gary D Disposable absorbent article having breathable side flaps
CA2692241C (en) 2007-06-18 2012-08-14 Harald Hermann Hundorf Disposable absorbent article with sealed absorbent core with substantially continuously distributed absorbent particulate polymer material
CN101677889A (zh) 2007-06-18 2010-03-24 宝洁公司 具有大体上连续地分配的吸收性颗粒状聚合物材料的一次性吸收制品及方法
JP5054709B2 (ja) 2008-02-12 2012-10-24 ローム アンド ハース カンパニー 処理されたセルロース系繊維およびそれから製造された吸収性物品
JP2011518648A (ja) 2008-04-29 2011-06-30 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 耐歪み性のコアカバーを備える吸収性コアの作製プロセス
PL2206523T3 (pl) * 2009-01-13 2012-11-30 Rohm & Haas Poddane obróbce włókna celulozowe i wytworzone z nich wyroby absorpcyjne
EP2329803B1 (en) 2009-12-02 2019-06-19 The Procter & Gamble Company Apparatus and method for transferring particulate material
CN105816277A (zh) 2011-06-10 2016-08-03 宝洁公司 一次性尿布
RU2657973C1 (ru) 2011-06-10 2018-06-18 Дзе Проктер Энд Гэмбл Компани Абсорбирующий конструктивный элемент для абсорбирующих изделий
PL2532332T5 (pl) 2011-06-10 2018-07-31 The Procter And Gamble Company Pieluszka jednorazowego użytku o zredukowanym połączeniu pomiędzy wkładem chłonnym a warstwą spodnią
CN103596535B (zh) 2011-06-10 2015-11-25 宝洁公司 用于一次性吸收制品的吸收芯
JP6339010B2 (ja) 2011-06-10 2018-06-06 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 吸収性物品の吸収性構造体
EP2532329B1 (en) 2011-06-10 2018-09-19 The Procter and Gamble Company Method and apparatus for making absorbent structures with absorbent material
PL2532328T3 (pl) 2011-06-10 2014-07-31 Procter & Gamble Sposób i urządzenie do wytworzenia struktur chłonnych z materiałem chłonnym
EP2749260A1 (en) 2012-03-29 2014-07-02 The Procter and Gamble Company Method and apparatus for making personal hygiene absorbent articles
EP2671554B1 (en) 2012-06-08 2016-04-27 The Procter & Gamble Company Absorbent core for use in absorbent articles
EP2679209B1 (en) 2012-06-28 2015-03-04 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with improved core
EP2679210B1 (en) 2012-06-28 2015-01-28 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with improved core
US9532910B2 (en) 2012-11-13 2017-01-03 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels and signals
US9216118B2 (en) 2012-12-10 2015-12-22 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels and/or pockets
DE202012013571U1 (de) 2012-12-10 2017-12-06 The Procter & Gamble Company Absorptionspartikel mit hohem Absorptionsmaterialgehalt
PL2740452T3 (pl) 2012-12-10 2022-01-31 The Procter & Gamble Company Wyrób chłonny o wysokiej zawartości materiału chłonnego
EP2740450A1 (en) 2012-12-10 2014-06-11 The Procter & Gamble Company Absorbent core with high superabsorbent material content
DE202012013572U1 (de) 2012-12-10 2017-12-05 The Procter & Gamble Company Absorptionsartikel mit hohem Absorptionsmaterialgehalt
US10639215B2 (en) 2012-12-10 2020-05-05 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels and/or pockets
US9216116B2 (en) 2012-12-10 2015-12-22 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels
US8979815B2 (en) 2012-12-10 2015-03-17 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels
PL2740449T3 (pl) 2012-12-10 2019-07-31 The Procter & Gamble Company Artykuł chłonny o wysokiej zawartości materiału chłonnego
HUE044699T2 (hu) 2012-12-10 2019-11-28 Procter & Gamble Folyadékgyûjtõ-eloszlató rendszerrel kiegészített nedvszívó termék
RU2626229C2 (ru) 2013-04-08 2017-07-24 Дзе Проктер Энд Гэмбл Компани Абсорбирующие изделия с барьерными ножными манжетами
EP3284450B1 (en) 2013-06-14 2020-11-25 The Procter & Gamble Company Absorbent article and absorbent core forming channels when wet
US9987176B2 (en) 2013-08-27 2018-06-05 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels
EP3038581B1 (en) 2013-08-27 2023-04-19 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels
JP6334705B2 (ja) 2013-08-27 2018-05-30 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー チャネルを有する吸収性物品
RU2636366C2 (ru) 2013-09-16 2017-11-22 Дзе Проктер Энд Гэмбл Компани Абсорбирующие изделия с каналами и индицирующими элементами
US11207220B2 (en) 2013-09-16 2021-12-28 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with channels and signals
EP3351225B1 (en) 2013-09-19 2021-12-29 The Procter & Gamble Company Absorbent cores having material free areas
ES2606614T3 (es) 2013-12-19 2017-03-24 The Procter & Gamble Company Estructuras absorbentes y núcleos con inmovilización eficiente de material absorbente
US9789009B2 (en) 2013-12-19 2017-10-17 The Procter & Gamble Company Absorbent articles having channel-forming areas and wetness indicator
PL2886092T3 (pl) 2013-12-19 2017-03-31 The Procter And Gamble Company Wkłady chłonne z obszarami tworzącymi kanały i zgrzewami osłony c
EP2905001B1 (en) 2014-02-11 2017-01-04 The Procter and Gamble Company Method and apparatus for making an absorbent structure comprising channels
EP2949300B1 (en) 2014-05-27 2017-08-02 The Procter and Gamble Company Absorbent core with absorbent material pattern
EP2949302B1 (en) 2014-05-27 2018-04-18 The Procter and Gamble Company Absorbent core with curved channel-forming areas
ES2643577T3 (es) 2014-05-27 2017-11-23 The Procter & Gamble Company Núcleo absorbente con diseño de material absorbente
EP2949301B1 (en) 2014-05-27 2018-04-18 The Procter and Gamble Company Absorbent core with curved and straight absorbent material areas
JP2017527387A (ja) 2014-09-12 2017-09-21 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー トップシート/捕捉層積層体を備える吸収性物品
WO2016040092A1 (en) 2014-09-12 2016-03-17 The Procter & Gamble Company Absorbent article comprising a topsheet/acquisition layer laminate
EP3191059A1 (en) 2014-09-12 2017-07-19 The Procter and Gamble Company Absorbent article comprising a topsheet/acquisition layer laminate
WO2016040094A1 (en) 2014-09-12 2016-03-17 The Procter & Gamble Company Absorbent article comprising a topsheet/acquisition layer laminate
US10507144B2 (en) 2015-03-16 2019-12-17 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with improved strength
WO2016149251A1 (en) 2015-03-16 2016-09-22 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with improved cores
BR112017019869A2 (pt) 2015-03-18 2018-05-29 Procter & Gamble artigo absorvente com punhos para as pernas
RU2017129091A (ru) 2015-03-18 2019-04-18 Дзе Проктер Энд Гэмбл Компани Абсорбирующее изделие с ножными манжетами
BR112017024325A2 (pt) 2015-05-12 2018-07-24 Procter & Gamble artigo absorvente com um adesivo aprimorado entre o núcleo e a camada inferior
US10543129B2 (en) 2015-05-29 2020-01-28 The Procter & Gamble Company Absorbent articles having channels and wetness indicator
US20170022314A1 (en) 2015-07-24 2017-01-26 Weyerhaeuser Nr Company Grafted crosslinked cellulose
US10337150B2 (en) * 2015-07-24 2019-07-02 The Procter & Gamble Company Grafted crosslinked cellulose used in absorbent articles
US20170065460A1 (en) 2015-09-03 2017-03-09 The Procter & Gamble Company Absorbent article comprising a three-dimensional substrate
EP3167859B1 (en) 2015-11-16 2020-05-06 The Procter and Gamble Company Absorbent cores having material free areas
WO2017095578A1 (en) 2015-11-30 2017-06-08 The Procter & Gamble Company Absorbent article with colored topsheet
ES2838027T3 (es) 2015-12-02 2021-07-01 Hartmann Paul Ag Artículo absorbente con núcleo mejorado
EP3205318A1 (en) 2016-02-11 2017-08-16 The Procter and Gamble Company Absorbent article with high absorbent capacity
EP3216434A1 (en) 2016-03-08 2017-09-13 The Procter and Gamble Company Absorbent article comprising a topsheet/acquisition web laminate
EP3238677B1 (en) 2016-04-29 2019-12-04 The Procter and Gamble Company Absorbent core with profiled distribution of absorbent material
EP3238679B1 (en) 2016-04-29 2019-08-07 The Procter and Gamble Company Absorbent article with a distribution layer comprising channels
EP3238678B1 (en) 2016-04-29 2019-02-27 The Procter and Gamble Company Absorbent core with transversal folding lines
EP3238676B1 (en) 2016-04-29 2019-01-02 The Procter and Gamble Company Absorbent core with profiled distribution of absorbent material
EP3251648A1 (en) 2016-05-31 2017-12-06 The Procter and Gamble Company Absorbent article with improved fluid distribution
EP3481353B1 (en) 2016-07-05 2020-07-22 The Procter and Gamble Company Absorbent core having tube-shaped swelling chamber
US20180008485A1 (en) 2016-07-05 2018-01-11 The Procter & Gamble Company Absorbent core exhibiting material movement
US10966884B2 (en) 2016-07-05 2021-04-06 The Procter & Gamble Company Absorbent core having funnel-shaped swelling chamber
EP3278782A1 (en) 2016-08-02 2018-02-07 The Procter and Gamble Company Absorbent article with improved fluid storage
EP3315106B1 (en) 2016-10-31 2019-08-07 The Procter and Gamble Company Absorbent article with an intermediate layer comprising channels and back pocket
US11399986B2 (en) 2016-12-16 2022-08-02 The Procter & Gamble Company Article comprising energy curable ink
US11020287B2 (en) 2017-03-17 2021-06-01 The Procter & Gamble Company Article comprising embedded code
WO2018217591A1 (en) 2017-05-24 2018-11-29 The Procter & Gamble Company Absorbent article with raisable topsheet
EP3406235B1 (en) 2017-05-24 2020-11-11 The Procter and Gamble Company Absorbent article with raisable topsheet
EP3406233B1 (en) 2017-05-24 2020-02-05 The Procter and Gamble Company Absorbent article with raisable topsheet
EP3406234B1 (en) 2017-05-24 2021-01-06 The Procter and Gamble Company Absorbent article with raisable topsheet
EP3644929B1 (en) 2017-06-30 2022-10-12 The Procter & Gamble Company Absorbent article with a lotioned topsheet
EP3473222B1 (en) 2017-10-23 2021-08-04 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with different types of channels
EP3473224B1 (en) 2017-10-23 2020-12-30 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with different types of channels
EP3473223B1 (en) 2017-10-23 2021-08-11 The Procter & Gamble Company Absorbent articles with different types of channels
DE202017006016U1 (de) 2017-11-21 2017-12-01 The Procter & Gamble Company Absorptionsartikel mit Kanälen
DE202017006014U1 (de) 2017-11-21 2018-01-14 The Procter & Gamble Company Absorptionsartikel mit Taschen
EP3613395A1 (en) 2018-08-21 2020-02-26 The Procter & Gamble Company Absorbent articles having a contrasting layer and a masking layer
US20200197240A1 (en) 2018-12-19 2020-06-25 The Procter & Gamble Company Absorbent article comprising printed region
US11771603B2 (en) 2019-09-02 2023-10-03 The Procter & Gamble Company Absorbent article
EP3944844B1 (en) 2020-07-30 2023-08-23 The Procter & Gamble Company Taped absorbent articles with front and crotch channels
CN117222719A (zh) 2021-04-20 2023-12-12 宝洁公司 增粘的热熔粘合剂
WO2023115513A1 (en) 2021-12-24 2023-06-29 The Procter & Gamble Company Taped absorbent article with front and back elastic waistbands

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS471900U (ja) * 1971-01-22 1972-08-21
JPS5768111A (en) * 1980-10-15 1982-04-26 Toshiba Corp Operating method of magnetic filter
JPH0631518B2 (ja) * 1985-06-10 1994-04-27 財団法人電力中央研究所 高温岩体発電用の岩盤における透水層作成工法
CA1340434C (en) * 1986-06-27 1999-03-16 Carlisle Mitchell Herron Process for making individualized crosslinked fibers having reduced residuals and fibers thereof
US4822453A (en) * 1986-06-27 1989-04-18 The Procter & Gamble Cellulose Company Absorbent structure containing individualized, crosslinked fibers
ATE134511T1 (de) * 1989-11-07 1996-03-15 Procter & Gamble Absorbierender gegenstand aus individuell durch polycarbonsäuren vernetzten fasern
US5137537A (en) * 1989-11-07 1992-08-11 The Procter & Gamble Cellulose Company Absorbent structure containing individualized, polycarboxylic acid crosslinked wood pulp cellulose fibers
US5183707A (en) * 1989-11-07 1993-02-02 The Procter & Gamble Cellulose Company Individualized, polycarboxylic acid crosslinked fibers
JP3106926B2 (ja) * 1995-10-03 2000-11-06 三菱自動車工業株式会社 電気自動車

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180119191A (ko) * 2017-04-24 2018-11-02 주식회사 제일화성 생분해성 아크릴계 가교제를 포함하는 고흡수성수지의 제조방법 및 이로 제조된 생분해성 고흡수성 수지
KR101940117B1 (ko) 2017-04-24 2019-01-21 주식회사 제일화성 생분해성 아크릴계 가교제를 포함하는 고흡수성수지의 제조방법 및 이로 제조된 생분해성 고흡수성 수지

Also Published As

Publication number Publication date
EP0765174A1 (en) 1997-04-02
ATE210999T1 (de) 2002-01-15
ES2165421T3 (es) 2002-03-16
EP0765174B1 (en) 2001-12-19
JPH10502136A (ja) 1998-02-24
DE69524754T2 (de) 2002-08-14
CA2191566A1 (en) 1995-12-21
DE69524754D1 (de) 2002-01-31
AU2658495A (en) 1996-01-05
MX9606406A (es) 1998-10-31
WO1995034329A1 (en) 1995-12-21
HK1013034A1 (en) 1999-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3863179B2 (ja) ポリアクリル酸ポリマーによって橋かけ結合された個別化セルロース繊維を含有する吸収性構造体
JP3876286B2 (ja) ポリアクリル酸ポリマーによって橋かけ結合された個別化セルロース繊維
JP2834312B2 (ja) 個体化ポリカルボン酸架橋繊維を含有する吸収性構造物
JP2834310B2 (ja) 個体化ポリカルボン酸架橋繊維
JP2834311B2 (ja) 個体化ポリカルボン酸架橋繊維の製法
JP5054709B2 (ja) 処理されたセルロース系繊維およびそれから製造された吸収性物品
US5137537A (en) Absorbent structure containing individualized, polycarboxylic acid crosslinked wood pulp cellulose fibers
JP3247386B2 (ja) 臭気が減少し、白色度が向上し、個別化されたポリカルボン酸架橋繊維を製造する方法
JP3741722B2 (ja) エステル化高リグニン含有量セルロース繊維
EP0252650A2 (en) Twisted, stiffened cellulosic fibres, and absorbent structures made therefrom
EP2206523B1 (en) Treated cellulosic fibers and absorbent articles made from them
CN107075807B (zh) 用于制备交联的纤维素纤维的粘结剂组合物
MXPA96006405A (en) Individualized cellulose fibers, reticulated with polyacryl acid polymers

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050426

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050722

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091006

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term