JP3862951B2 - ハウジングの成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光走査装置のハウジングの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光を発光する光源をハウジング内に備えて、光源が発光した光により対象物を光走査するようにした光走査装置がある。近年、光源としては、レーザー光を出射するレーザー光源が広く普及している。
【0003】
光走査装置は、レーザー光源の他に、レーザー光源から出射されたレーザー光を補正する各種補正レンズ、レーザー光源から出射されたレーザー光を所定の経路に導く各種ミラー等をハウジング内に備えている。各種補正レンズとしては、例えば、レーザー光源から発光されたレーザー光をコリメートするコリメートレンズ、レーザー光の焦点形状を補正するシリンドリカルレンズ、レーザー光のfθ特性を補正するfθレンズ等が挙げられる。各種ミラーとしては、例えば、偏向反射面を有して回転駆動されるポリゴンミラー、レーザー光の経路を折り返す折り返しミラー等が挙げられる。
【0004】
また、一般的に、光走査装置は、光源ユニットから出射されたレーザー光を整形するアパーチャ部材を備えている。アパーチャ部材は、光源ユニットから出射されたレーザー光が通過するアパーチャを備えており、アパーチャを通過させることによってレーザー光を整形する。従来の光走査装置では、別部品として予め形成されたアパーチャ部材を、組み立てに際して、光源ユニットとともにハウジングに取り付けるようにしている。
【0005】
ところで、光走査装置では、組み立て作業の容易性から、レーザー光源やコリメートレンズを光源ユニットとして予め一体的に組み立てたものをハウジングに取り付けるようにしたものがある。
【0006】
例えば、特開平7−134259号公報、特開平7−318835号公報および実開平6−28814号公報等には、レーザー光源とコリメートレンズとアパーチャ部材とを一体的に組み込んだ光源ユニットをハウジングに取り付けるようにした光走査装置が開示されている。このような技術によれば、コリメートレンズおよびアパーチャ部材と光源との相対的な位置関係の精度を良好に維持することができる。
【0007】
また、複数のレーザー光源を備える光源ユニット(以降、マルチビーム方式の光源ユニットという)を回転させることにより副走査方向におけるビームピッチを調整して、一度に複数ラインを同時に走査するようにした光走査装置がある。これによって、走査速度の向上を図ることが可能になる。
【0008】
上述のような光走査装置は、例えば、デジタル複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置に適用され、感光体の表面を露光走査することにより潜像を形成するために使用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したように、組み立てに際して、光源ユニットとアパーチャ部材とをハウジングに取り付けるようにした光走査装置では、部品点数および組み立て工数が多くなるため、その分組み立て誤差の発生が多発することが懸念される。これにより、光学性能の低下を引き起こす。
【0010】
この対策として、上述の構成でこれらの不都合を低減する場合、生産性が低下し、装置のコストアップが懸念される。
【0011】
特開平7−134259号公報、特開平7−318835号公報および実開平6−28814号公報に開示された技術においても同様の不都合が懸念される。
【0012】
しかし、上述したようなレーザー光源とコリメートレンズとアパーチャ部材とを一体的に構成した光源ユニットをマルチビーム方式の光源ユニットに置き換えた光走査装置では、光源ユニットの回転に伴ってアパーチャ部材が回転してしまう。このような光走査装置を例えば画像形成装置に適用した場合、感光体等の被走査面に対するレーザー光の入射角が大きく変動して副走査方向における各所でのビームピッチ偏差が大きくなり、画像品質が低下する。
【0013】
本発明は、光学性能の低下を抑制することができる光走査装置、画像形成装置およびハウジングの成形方法を得ることを目的とする。
【0014】
本発明は、部品点数および組み立て工数の削減を図ることができるハウジングの成形方法を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のハウジングの成形方法は、複数個が合わせられて型締めされることによって内部にキャビティが形成されるハウジング成形用金型と、前記ハウジング成形用金型の型開き方向に略直交する方向に進退自在な入れ子とを用いて、樹脂成形品を射出成形するハウジングの成形方法において、前記ハウジングは、レーザー光を出射する光源ユニットの位置を決めるための位置決め孔および前記レーザー光が通過するアパーチャを有するアパーチャ部材を一つの前記入れ子を用いて射出成形することにより、一体に成形されることを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のハウジングの成形方法において、前記ハウジング成形用金型は、内部に型開き方向に突出する部材空間を有するキャビティを形成すること、を特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載のハウジングの成形方法において、前記入れ子は、進行方向先端に前記部材空間の寸法より長いアパーチャ突起を有し、前記キャビティに対して前記突起が前記部材空間を貫通するように前記入れ子を挿入した状態で前記キャビティ内部に溶融樹脂を射出充填し、この溶融樹脂が固化した後に前記入れ子を前記キャビティから後退させて前記ハウジング成形用金型を型開きすること、を特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図5を参照して説明する。本実施の形態は、画像形成装置としてタンデム方式のカラープリンタへの適用例を示す。
【0028】
本実施の形態のカラープリンタは、パーソナルコンピュータ等のホスト機に接続して使用され、ホスト機から伝送された印刷データに応じて画像形成動作を実行する。
【0029】
図1は、本発明の一実施の形態のカラープリンタを示す縦断側面図である。カラープリンタ1のプリンタハウジング2には、シート状の記録材を積層保持する給紙トレイ3が取り付けられている。プリンタハウジング2の上面には、印刷後の記録材が排出される排紙スタッカ部4が設けられている。特に図示しないが、プリンタハウジング2には、オペレーターによる操作を受け付ける操作部や、各種情報を表示する表示部が設けられている。
【0030】
プリンタハウジング2内には、シート状の記録材を積層保持する複数の給紙カセット5が設けられている。また、プリンタハウジング2内には、給紙カセット5または給紙トレイ3から、プリンタエンジン6、定着部7等を経由して排紙スタッカ部4へ至る記録材案内路8が形成されている。記録材案内路8の各所には、複数対の搬送ローラ9が設けられている。搬送ローラ9は、図示しない搬送モータによって回転駆動され、記録材案内路8中で記録材を所定方向へ搬送する。
【0031】
給紙カセット5および給紙トレイ3のプリンタエンジン6側には、給紙機構10が設けられている。給紙機構10は、図示しない制御部によっていずれか一方が駆動制御されて、給紙カセット5または給紙トレイ3に積層された記録材を記録材案内路8へ給送する。
【0032】
プリンタエンジン6は、それぞれY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)に対応するトナー像が形成される像坦持体としての複数の感光体11(11Y,11M,11C,11K)を備えている。本実施の形態の感光体11は、図1中右から順に、11Y,11M,11C,11Kの順に配列されている。感光体11の表面は、画像形成に際して光走査装置12によって露光走査される被走査面とされている。
【0033】
これらの感光体11には、複数の回転ローラ13に巻回されて一方向に回転自在な転写ベルト14が当接されている。転写ベルト14は、回転ローラ13によって回転されることにより記録材を搬送する機能と、搬送する記録材を感光体11へ押し付ける機能を果たす。
【0034】
各感光体11の周囲には、対応する感光体11の表面を一様に帯電させる帯電装置15、対応する感光体11を露光走査して各感光体11表面に所定の静電潜像を形成する光走査装置12、各静電潜像毎にトナーを付着させることで所定色のトナー像を形成する現像装置16、転写ベルト14を介して転写バイアスを印加することによって感光体11表面のトナー像を記録材に転写させる転写装置17、感光体11表面の電荷を一掃し感光体11表面に残存するトナーを除去するクリーナー18等が設けられている。
【0035】
定着部7は、復数の定着ローラ19によって構成されており、定着部7を通過する記録材に対して加圧および加熱することにより記録材にトナー像を定着させる。
【0036】
図2は光走査装置12を示す平面図であり、図3はその縦断側面図である。光走査装置12のハウジングとしての本体ハウジング20は、上下方向に一体的に重ね合わされた上側ハウジング21と下側ハウジング22とによって構成されている。上側ハウジング21は上方側が開口されており、下側ハウジング22は下方側が開口されている。上側ハウジング21の開口部分は、上側閉塞部材23によって閉塞されている。下側ハウジング22の開口部分は、各感光体11に向けて照射されるレーザー光が通過する出射孔24を備える下側閉塞部材25によって閉塞されている。上側ハウジング21の一壁部には、後述する光源ユニット26の位置決めをするための位置決め孔27(27Y,27M,27C,27K)が形成されている。位置決め孔27Y,27M,27C,27Kは、上下方向にそれぞれ互い違いに形成されている。
【0037】
上側ハウジング21には、Y,M,C,Kの各色の画像に対応したレーザー光を出射する光源ユニット26(26Y,26M,26C,26K)が取り付けられている。各光源ユニット26は、上側ハウジング21の壁部を貫通する4つの位置決め孔27Y,27M,27C,27K(図5参照)に挿入された状態で保持されている。光源ユニット26Y,26M,26C,26Kは、位置決め孔27Y,27M,27C,27Kそれぞれ上下方向に互い違いに形成されているため、上下方向に互い違いになるように保持されている。本実施の形態の光源ユニット26は、図2中右から順に、26Y,26M,26K,26Cの順に配列されている。
【0038】
公知の技術であるため、図示および詳細な説明を省略するが、Y,M,Cの各光源ユニット26Y,26M,26Cは、レーザー光を出射するレーザー光源と、レーザー光源から出射されたレーザー光をコリメートする補正レンズとしてのコリメートレンズと、コリメートレンズでコリメートされたレーザー光を整形するアパーチャ部材とを、ホルダによってユニット化して保持することにより構成されている。Y,M,Cの各光源ユニット26Y,26M,26Cのホルダには、位置決め孔27の径より略同一径の内円筒と、内円筒の外周側に設けられて位置決め孔27の径よりも大きい径を有する外円筒によって形成される段差部分によって位置決め部(図4参照)が形成されている。これにより、Y,M,Cの光源ユニット26Y,26M,26Cの上側ハウジング21への取り付けに際しては、対応する位置決め孔27Y,27M,27Cに各光源ユニット26Y,26M,26Cを挿入するだけで、各光源ユニット26Y,26M,26Cの位置決めを行うことができる。
【0039】
ここで、図4は、Kの光源ユニット26Kを示す分解斜視図である。Kの光源ユニット26Kは、Y,M,Cの光源ユニット26Y,26M,26Cと異なり、2つのレーザー光源(図示せず)を備えるマルチビーム方式の光源ユニット26である。光源ユニット26Kは、2つのレーザー光源から出射されたレーザー光を、それぞれコリメートする補正レンズとしての2つのコリメートレンズ28を備えている。レーザー光源、コリメートレンズ28は、レンズホルダ29によって互いの位置関係が規定された状態で保持されている。
【0040】
レンズホルダ29は、ピッチ調整用の調整押圧部30を有するピッチ調整用ホルダ31に、レンズホルダ29を貫通するねじ31aの螺合によって取り付けられている。ピッチ調整用ホルダ31は、取付用ブラケット32に回動自在に保持されている。取付用ブラケット32には、図示しない制御部によって駆動制御されるステッピングモータ33aと、ステッピングモータ33aの回転駆動に伴って上下動する調整突起33bとにより構成されるピッチ調整用モータ33が取り付けられている。ピッチ調整用ホルダ31は、図示しないコイルばねによって、調整突起33bの先端に調整押圧部30の下面を当接させる方向へ付勢されている。調整突起33bの移動方向はステッピングモータ33aの駆動方向に応じて決められ、調整突起33bの移動量はステッピングモータ33aの駆動ピッチ数に応じて決められる。これにより、ステッピングモータ33aの駆動方向およびステッピングモータ33aの駆動ピッチ数の制御により、ピッチ調整用ホルダ31を回動させることができる。
【0041】
光源ユニット26Kは、ねじ32aの螺合によって取付用ブラケット32をハウジング20に固定することにより上側ハウジング21に取り付けられている。
【0042】
ピッチ調整用ホルダ31のレンズホルダ29が取り付けられる側と反対側には、位置決め部34が形成されている。具体的に、位置決め部34は、位置決め孔27Kの径より小さい径の内円筒34aと、内円筒34aの外周側に設けられた内円筒34aよりも大きい径を有する外円筒34bによって形成される段差部分である。
【0043】
これにより、光源ユニット26Kの上側ハウジング21の取り付けに際しては、外円筒34bによって光源ユニット26Kの進行が抑止される位置まで、位置決め孔27にピッチ調整用ホルダ31を挿入するだけで、光源ユニット26Kの位置決めを容易に行うことができる。
【0044】
光源ユニット26Kが取り付けられる位置決め孔27に対向する位置には、上側ハウジング21の底面から突出するアパーチャ部材35が、ハウジングと一体に形成されている。本実施の形態のアパーチャ部材35は、各光源に対応する位置に、アパーチャ部材35を貫通する2つのアパーチャ35aが形成された板状部材である(図5参照)。光源ユニット26から出射されたレーザー光は、アパーチャ部材35のアパーチャ35aを通過することにより、レーザー光の形状が整形される。
【0045】
従来の光走査装置12では、光走査装置12の組み立てに際して、本体ハウジングとは別体の独立した部材として形成されたアパーチャ部材を本体ハウジングに取り付けていたため、部品点数および組み立て工数の増加を招いていた。これにより、光走査装置12は、部品毎の寸法精度の影響や、組み立て誤差の影響を顕著に受けることとなって、光学性能の低下が懸念されていた。
【0046】
これに対し本実施の形態では、アパーチャ部材35が上側ハウジング21と一体に設けられているため、部品点数を減らし、これに伴って組み立て工数を減らすことができる。
【0047】
ところで、マルチビーム方式の光源ユニットを採用した光走査装置では、光源ユニットの回転に伴ってアパーチャ部材を回転させて走査した場合、感光体11の被走査面に対するレーザー光の入射角が大きく変動して副走査方向におけるビームピッチ偏差が大きくなり、主走査方向の各所で画像の倍率にばらつきを生じることとなる。このような光走査装置を備える画像形成装置では形成される画像品質の低下が懸念される。
【0048】
これに対し本実施の形態では、アパーチャ部材35が本体ハウジング20と一体に形成されているため、本体ハウジング20の壁部に形成された位置決め孔27との位置関係が常に一定に維持され、光源ユニット26Kを回動させた場合にも、感光体11の被走査面に対するレーザー光の入射角の変動を抑制し、光学系によって導かれるレーザー光の光軸の本来経由すべき光軸からの副走査方向におけるずれ量を低減することができる。これにより、ビームピッチ偏差の増大を抑制して、走査線位置がずれる等の不都合を抑制することができる。
【0049】
上側ハウジング21内の中央には、各光源ユニット26からコリメートされて出射されたレーザー光を偏向走査する複数の偏向面を備えるミラーとしてのポリゴンミラー36が設けられている。ポリゴンミラー36は、ポリゴンモータ37によって等速回転され、これにより光源ユニット26から出射されたレーザー光を偏向走査する。偏向走査されたレーザー光は、2色ずつ(YとM、KとC)相反する方向へ偏向走査される。
【0050】
本実施の形態のポリゴンミラー36は、2つのポリゴンミラー36が上下に重なるようにして配置されている。これによって、単一のポリゴンモータ37の駆動によって2色のレーザー光を同一方向に偏向走査することができる。
【0051】
光源ユニット26とポリゴンミラー36との間には、ポリゴンミラー36によるレーザー光の面倒れを補正する補正レンズとしてのシリンドリカルレンズ38が、各光源ユニット26に対応させて配置されている。
【0052】
また、光源ユニット26M,26Kとポリゴンミラー36との間には、所定の光源ユニット26の光路を折り返すミラーとしての光路案内用ミラー39がそれぞれ配置されている。この光路案内用ミラー39により、光路を長くすることなく、互いに異なる位置から出射されたレーザー光を、同一のポリゴンモータによって回転駆動されるポリゴンミラー36によって偏向走査することができる。
【0053】
光源ユニット26Y,26Cから出射されたレーザー光は、光路案内用ミラー39の上方を通過して、上側のポリゴンミラー36によって偏向走査される。
【0054】
上側ハウジング21内には、ポリゴンミラー36で相反する方向へ偏向走査された2色のレーザー光のfθ補正を行う補正レンズとしての一対のfθレンズ40が、ポリゴンミラー36を介して配置されている。本実施の形態のfθレンズ40は、上下方向に2つのfθレンズ40が重ね合わされて形成されている。これにより、2色のレーザー光のそれぞれのfθ特性を良好に補正することができる。
【0055】
公知の技術であるため、図示および詳細な説明を省略するが、一対のfθレンズの間には、一方のfθレンズで反射されたレーザー光(フレア光)が、本来他方のfθレンズを通過するレーザー光に影響を与えることを防止するために、一対のfθレンズ間での反射光を遮る遮光板が設けられている。
【0056】
また、上側ハウジング21内には、fθレンズ40を通過したレーザー光を下側ハウジング22内に導くミラーとしての折り返しミラー41が設けられている。
【0057】
下側ハウジング22内の中央には、ポリゴンミラー36を回転駆動するポリゴンモータ37が設けられている。
【0058】
また、下側ハウジング22内には、折り返しミラー41により上側ハウジング21から導かれたレーザー光を、それぞれ対応する出射孔24へ向けて案内するミラーとしての複数の折り返しミラー42や補正レンズとしてのトロイダルレンズ43等が設けられている。ここに、コリメートレンズ28、ポリゴンミラー36、シリンドリカルレンズ38、光路案内用ミラー39、fθレンズ40、折り返しミラー41,42、トロイダルレンズ43によって光学系が構成されている。
【0059】
出射孔24から外方へ出射されたレーザー光は、感光体11の表面を露光走査する。出射孔24には、本体ハウジング20内の防塵のための防塵ガラス44が設けられている。
【0060】
加えて、特に図示しないが、カラープリンタ1は、カラープリンタ1内の各部を駆動制御する制御系を有している。制御系は、例えばピッチ調整用モータ33等を駆動する。また、制御系は、図示しないホスト機との間でデータの通信を行う通信機能を有している。この通信機能によって、ホスト機から伝送された印刷データを受信する。
【0061】
このような構成において、ホスト機から印刷データが伝送された場合には、制御部で伝送された印刷データを展開し、展開したデータに基づいて各部を駆動制御する。
【0062】
Kの画像(モノクロ画像)を形成する場合には、調整用モータを駆動してKの光源ユニット26Kを回動させることによって、例えば、600dpiまたは1200dpiのように、副走査方向のビームピッチを調整することができる。これによって、一度に複数箇所を走査することができ、走査速度の向上を図ることができる。このとき、アパーチャ部材35は、位置決め孔27との間の位置関係を維持したままで固定されているので、Kの光源ユニット26Kを回動させた場合にも感光体11上に結像される画像の主走査方向におけるビームピッチ偏差の増加を防止することができる。
【0063】
次に、本体ハウジング20の製造方法を説明する。特に図示しないが、本実施の形態の本体ハウジング20は、本体ハウジング20を形成するハウジング成形用金型内に、溶融した樹脂を流し込むことによって成形されている。ハウジング成形用金型は、接離自在に設けられた一対の金型と、入れ子Xとを有している。
【0064】
ハウジング成形用金型は、複数個のパーツからなるハウジング成形用金型を保持する成形機によって、本体ハウジング20の開口方向(図3中矢印A方向)に沿って型締め/型開きされる。ハウジング成形用金型が型締めされることにより、ハウジング成形用金型にはキャビティが形成される。
【0065】
入れ子Xは、円筒形状を有しており、キャビティに対して、軸方向において、ハウジング成形用金型の型締め/型開き方向に直交する方向にスライド自在に設けられている。入れ子Xの径は、ホルダの位置決め部34の径と略同一径に設定されている。
【0066】
ここで、入れ子Xは、先端面にアパーチャを形成するための2つのアパーチャ形成突起Yを備えている(図5参照)。これにより、ハウジングの成形に際して、位置決め孔27とともにアパーチャ部材35を上側ハウジング21と一体に形成することができる。
【0067】
ハウジング成形用金型を型締めし、キャビティ内に入れ子Xを挿入した状態で、溶融された樹脂をキャビティ内に射出する。この樹脂が十分に冷却された時点で、入れ子Xをキャビティから後退させ、ハウジング成形用金型を型開き方向へスライドさせる。
【0068】
これにより、型開きしたハウジング成形用金型から取り出される樹脂成形品は、側壁に位置決め孔27を備え、位置決め孔27に対向する位置にアパーチャ部材35が一体に形成された本体ハウジング20を形成することができる。
【0069】
特に、先端に一体的に形成されたアパーチャ形成突起Yを有する入れ子Xを使用することにより、位置決め孔27とアパーチャ部材35との位置関係を常に一定に維持することができる。
【0070】
これによって、アパーチャ部材35と位置決め孔27とが単一の型によって形成されるため、アパーチャ部材35と位置決め孔27との位置関係が良好に維持される。
【0071】
【発明の効果】
本発明のハウジングの成形方法によれば、部材空間にアパーチャ突起が挿入された状態で充填された溶融樹脂によりアパーチャを有するアパーチャ部材が形成され、キャビティに挿入された入れ子の外径によって位置決め孔が形成されるため、アパーチャ部材と位置決め孔とを一度に成形することが可能になる。このようにして成形された成形品を光走査装置のハウジングとして使用することにより、光走査装置の発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のカラープリンタを示す縦断側面図である。
【図2】光走査装置を示す平面図である。
【図3】その縦断側面図である。
【図4】Kの光源ユニットを示す分解斜視図である。
【図5】位置決め孔とアパーチャ部材との位置関係を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
11 像坦持体
12 光走査装置
16 現像装置
17 転写装置
20 ハウジング
24 出射孔
26 光源ユニット
27 位置決め孔
28,38,40,43 補正レンズ
35 アパーチャ部材
35a アパーチャ
36,39,41,42 ミラー

Claims (3)

  1. 複数個が合わせられて型締めされることによって内部にキャビティが形成されるハウジング成形用金型と、前記ハウジング成形用金型の型開き方向に略直交する方向に進退自在な入れ子とを用いて、樹脂成形品を射出成形するハウジングの成形方法において、
    前記ハウジングは、レーザー光を出射する光源ユニットの位置を決めるための位置決め孔および前記レーザー光が通過するアパーチャを有するアパーチャ部材を一つの前記入れ子を用いて射出成形することにより、一体に成形されることを特徴とするハウジングの成形方法。
  2. 前記ハウジング成形用金型は、内部に型開き方向に突出する部材空間を有するキャビティを形成すること、を特徴とする請求項1に記載のハウジングの成形方法。
  3. 前記入れ子は、進行方向先端に前記部材空間の寸法より長いアパーチャ突起を有し、
    前記キャビティに対して前記突起が前記部材空間を貫通するように前記入れ子を挿入した状態で前記キャビティ内部に溶融樹脂を射出充填し、この溶融樹脂が固化した後に前記入れ子を前記キャビティから後退させて前記ハウジング成形用金型を型開きすること、を特徴とする請求項2に記載のハウジングの成形方法。
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