JP3862711B2 - 放射線撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コーンビームを放射線発生源として3次元画像を撮像する放射線撮影装置に関し、特に放射線発生源と2次元検出器の距離を好適に選択した放射線撮影装置に関する。
近年、大画面のデジタルデータを取得するために、放射線撮影用の2次元検出器(FPD(Flat Panel Detector)とも呼ぶ)の開発が進んでいる(例えば、特許文献1参照)。特に単純撮影用に、43cmX43cmの大受光面を有する2次元検出器を用いた撮影装置が実用化されている状況にある。
一方、被検体に対してX線を曝射し、該被検体を透過したX線をX線検出器で検出し、このX線検出出力(X線のフォトン数)に基づいて被検体の透視画像(スキャノグラムあるいはSCOUT画像と呼ばれている)、断層像或いは三次元画像を撮像するX線CT装置が知られている。
この三次元画像を撮像するX線CT装置において、2次元検出器の開発技術の向上もあり、三次元画像を撮像するX線CT装置として、コーンビームCT装置が開発されている。通常のX線CT装置では、X線ビームはZ方向に薄く切り出されており、ファンビームと呼ばれるが、コーンビームCT(以後「CBCT」と呼ぶ)では、Z方向にも広がったX線ビーム(以後「コーンビーム」と呼ぶ)を用い、このコーンビームを2次元検出器で受像するものである。ファンビームを用いたCTに比較してコーンビームCTでは一回転でのスキャンで被写体を撮影できる範囲が広いため、回転数が少なくてすみ撮影の効率化が図れる利点がある。つまり、コーンビームの広がりであるコーン角を広く取ることにより撮影の効率化が図れる。しかし、一方で、コーン角を広く取りすぎると再構成画像で再構成エラーが生じる問題がある。
ところで、コーンビームCTには、X線源と検出器のペアが被検体の周囲を回転しながらスキャン(投影データの収集)を行うタイプがある(例えば、特許文献2)。しかし、一定のコーン角以下で、広い受光面を有する2次元検出器の受光面の全てに放射線発生源からの放射線を照射するためには2次元検出器と放射線発生源の距離を一定以上とらなければならない問題がある。従って、X線源と検出器のペアが被検体の周囲を回転しながらスキャン(投影データの収集)を行うタイプのCBCTでは、2次元検出器と放射線発生源の距離を大受光面が有効に使用される様に配置することは、装置の大きさとの関係で困難である。
他方、X線源と検出器のペアを固定し、代わりに被写体が回転する(スパイラルを行わない)被写体回転型のCBCTが実用化に向けて開発が進められている(例えば、特許文献3)。
また、X線の単純撮影では、100年程度の伝統の中で、被写体と放射線発生源の距離が試行錯誤的に求められてきた背景があり、被写体と放射線発生源の距離を適切に決めることがX線技師の腕の良し悪しの1つとされている。この様に、2次元検出器と放射線発生源との距離を適切に定めることが放射線撮影装置にとって重要であり、X線技師が撮影経験を有しない、被写体が回転する被写体回転型のCBCTを実用化するためには、2次元検出器と放射線発生源との距離を適切に定めることが特に重要と考えられる。
また、例えば特許文献3に開示されるCBCTではX線発生装置の焦点位置からX線I.I.の入力面までの距離が1200(mm)、X線発生装置の焦点位置から回転装置の回転中心までの距離すなわちX線源の回転半径rが800(mm)に設定されており、X線I.I.が16インチ型(水平方向の画面サイズは400(mm))の場合の透過X線像の視野は、直径が約260(mm)の球形となる。この条件から計算するとコーン角は、片側9.5度で合計19度となっているが、視野周辺領域(主として2次元検出器の周辺領域)での再構成画像の再構成エラーが生じる問題があり、適切なコーン角が求められていない問題がある。
尚、スパイラル型(例えば特許文献2)のものはCBCTのコーン角を比較的小さく(1−2度)設定して、複数回の回転で目的とした部位全体のデータ収集を行うものであり、再構成エラーが生じるコーン角の検討はスパイラル型CBCTではなされていない。
しかし、X線源と検出器のペアを固定し、代わりに被写体が回転する被写体回転型のCBCTでは、2次元検出器と放射線発生源との距離を適切に定められていない問題がある。また、CBCTでは、再構成画像の再構成エラーが生じる問題があり、適切なコーン角が求められていない問題がある。
特開平09−288184号公報 特開平10−21372号公報 特開2000−217810号公報
従来は、2次元検出器と放射線発生源との距離を適切に定めることが困難であったため、それに対する種々の対策が望まれていた。
そこで、本発明はCBCTにおいて2次元検出器と放射線発生源との距離が適切に定められ、再構成エラーの少ない再構成画像を得ることを目的とする。
放射線発生源が被検体に放射線を曝射し、回転手段が放射線発生源が放射した放射線中で人体を回転させ、2次元検出器が放射線を検出し、計算手段が放射線発生源と2次元検出器の間の距離を計算し、放射線発生源移動手段が計算手段で計算された距離に放射線発生源と2次元検出器を配置するものである。本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
以上説明したように本発明によれば、CBCTにおいて2次元検出器と放射線発生源との距離を適切に定められ、再構成エラーの少ない再構成画像を得ることが出来る。
図1は、被写体が回転する被写体回転型のCBCTの構成例を示し、(a)図が上面図であり、(b)図が側面図である。図において101が被写体に向けてコーンビームの放射線を放射する放射線発生源であり、同時に放射線の焦点でもある。ここで図に示す様に放射線の垂直方向の広がり角をコーン角と呼び、放射線の水平方向の広がりをファン角と呼ぶ。また、102が放射線発生源101で放射された放射線を照射される被写体106を載せて回転する回転テーブルである。また、104は被写体を固定する胸当てであり、回転テーブルに固定される支柱103で支持される。105は2次元検出器であり、放射線発生源101から放射された放射線は被写体を固定する胸当て104及び被写体106及び散乱線除去グリッド(図示しない)を透過し2次元検出器105で検出され電気信号に変更されるものである。
また、2次元検出器105は、例えば半導体センサから構成され、例えば1画素が250x250μm、センサ外形が43x43cmで構成されるものである。この場合、画素数は1720x1720画素となる。
さらに、図1において焦点101と回転テーブル103の回転中心間距離(Focus−Center−Distance)をFCDと略して以後呼び、焦点(放射線発生源の位置でもある)101と2次元検出器105の間の距離(Focus−Detector−Distance)をFDDと以後略して呼ぶ。また、CBCTで3次元画像が再構成される実空間の範囲を再構成領域と呼び、通常は円柱状の領域となる。この再構成領域の高さを再構成高さ(Height of View)と呼び、略してHOVと以後呼ぶ。また、再構成領域の半径を有効視野直径(Field of View)と呼び、以後FOVと略して呼ぶ。
図2は本発明のシステム構成図の例を示す図である、図2において、201はBUSであり、このBUSを介して制御信号やデータの送信受信が行われる。202はコンピュータであればCPUに該当し、システム全体を制御する制御手段であり、203は被写体の身長、体重、撮影部位(胸部、腹部、頭部など)の被写体情報を入力する情報入力手段であり、特に胸部撮影の場合には、肺野高(肺野の高さ)の高さを入力する等、撮影部位毎に特有の被写体情報をも情報入力手段から入力する。204は撮影開始の指示や、システムの緊急停止などシステムの動作に関する指示をするインターフェース手段である。205は、情報入力手段203で入力された被写体情報などに基づいて放射線発生源101と2次元検出器105の好適なFDD距離を計算する計算手段、206は計算手段205で計算された距離に放射線発生源101と2次元検出器105を、図示しないモータを含む移動機構を用いて配置する放射線発生源移動手段である。配置に際して、放射線発生源101と2次元検出器105のいずれを移動させてもよいのだが、一般に放射線発生源101を移動させるものであり、制御手段202の制御により放射線発生源移動手段206は駆動される。
207はインターフェース手段で入力された撮影開始の指示に従い、制御手段202の制御により回転テーブル102を回転する回転テーブルモータ制御手段である。208はインターフェース手段で入力された撮影開始の指示に従い、制御手段202の制御により放射線発生源101の放射線の放射の開始、終了等の放射状態の制御を行う、放射線発生源の出力制御手段である。210は2次元検出器105の出力画像から再構成画像(再構成画像から断面画像を得ることができる)を構成する再構成手段である。211は再構成手段210で再構成された画像を表示し、或いは計算手段205で計算された距離を表示する表示手段である。
図3,4は放射線撮影装置の処理の流れを示すフローチャートであり、この処理の流れに従い、被写体が回転する被写体回転型のCBCTの動作を胸部撮影を一例として説明する。
まず、図3の流れに従い、焦点(放射線発生源の位置でもある)101と2次元検出器105の間の距離(Focus−Detector−Distance)であるFDDを好適に算出し、焦点(放射線発生源の位置でもある)101と2次元検出器105を算出したFDDに配置する処理の流れを説明する。
X線技師などの操作者は、撮影を開始する前に、情報入力手段202を介して被写体の身長、体重等の患者情報を入力する(S301)。次に計算手段205では、患者情報に含まれる身長、体重などから統計的に肺野高(肺野の身長方向の長さ)を算出する。計算手段205は、身長、体重から肺野高さを換算する換算表を内在しており、身長、体重から肺野高さが算出されるようになっている。一般に身長と肺野高は、相関が高く、既存の統計値から肺野高さを推測することが出来、さらに、患者の体重を情報として加えることで、さらに精度よく肺野高さを推測することが出来るためである。
胸部撮影では、肺野が主として医師の診断領域となるため、肺野高が、再構成領域の高さであるHOVと一致する撮影となる。そのため、肺野高さの推定値がHOVの値として決定される(S302)。特に、精度よく撮影したい場合には、技師が撮影前に患者の外観から肺野高さを計測して入力することも可能である。この場合には、計測値がそのまま、HOVとなる。
特に胸部の撮影の場合で胸部撮影では、肺野が主として医師の診断の目的領域となるため、肺野高が前述のHOVと一致する撮影となることが望ましいためである。
次に計算手段205は、決定したHOVから(1)式を用いて焦点(放射線発生源の位置でもある)101と2次元検出器105の間の距離(Focus−Detector−Distance)であるFDDを算出する(S303)。ここで、計算手段205は、情報入力手段での撮影部位情報からコーン角φを概略6°から10°の間に定める。胸部のように微細構造を有し、肺野周辺も重要な診断目的領域となる部位に対しては、再構成領域全体に高解像度な画像が要求されるためコーン角φを概略10°以下に選択する。一方、腹部のように、微細な構造の再現性が厳しく要求されない場合には10°以上を選択してもよい場合がある。この場合には、FDDが10°を選択したばあいよりも短くなるため、放射線発生源101の放射線量を抑えることが出来る効果がある。コーン角を小さくするほど高解像度な再構成画像が得られるがFDDが長くなり、大きな陽極熱容量の放射線発生源が必要となる。一方、コーン角を大きくする程FDDが短くなり、放射線発生源の陽極熱容量を小さくできる。しかし、上述のように必要とされる再構成画像の解像度でおのずとコーン角の大きさは制限される。
FDD=0.5*FOV+0.5*HOV/tan(φ/2)[mm] (1)
この(1)式は、実験と臨床試験から算出したものであり、FDDを好適に定めるものであり、コーン角φを10°以下として計算したFDD以上の距離に焦点(放射線発生源の位置でもある)101と2次元検出器105の間の距離を保つと適切な再構成画像の解像度が得れることをあきらかとした。詳細な説明は後述する。また、同時に画像表示手段211で算出したFDDが表示される(S303)。
一般に、焦点(放射線発生源の位置でもある)101と2次元検出器105の間の距離(Focus−Detector−Distance)であるFDDを定めるのは、X線技師にとって熟練を要するものであるが、計算手段205でFDDを算出するため、X線技師は容易に放射線発生源101と2次元検出器105の配置を好適に定めることが出来る効果がある。特に、これから実用化されようとしている、被写体が回転する被写体回転型のCBCTにおいては、X線技師は撮影経験を有しないものである。このため、適切にFDDを定めることが撮影の良悪を定める重要な要素となる。
次に、放射線発生源移動手段206は、計算手段で算出されたFDDの距離間隔に、焦点(放射線発生源の位置でもある)101と2次元検出器105を配置する(S304)。ここでは、制御手段202で制御される図示しないモータ駆動の移動機構を用いるが、一般的な移動機構であればよいものである。これにより、X線技師は、情報入力手段203の入力を行うことで、自動的に好適な距離である焦点101と2次元検出器105の配置を得ることが出来る効果がある。これにより、精度のよい撮影が迅速に行える効果がある。また、これにより患者及びX線技師の負担が軽減できる効果もある。
さらに、放射線発生源移動手段206を自動的に作動する機構を設けることが出来ない場合は、表示手段211で表示される計算手段205の算出結果であるFDDから、人為的に焦点101と2次元検出器105の配置をおこなってもよい。尚、人為的に配置が行われる場合にはポテンショメータによりFDDの確認を行う。この場合にも、好適な距離である焦点101と2次元検出器105の配置を得ることが出来る効果がある。これにより、精度のよい撮影が迅速に行える効果がある。また、これにより患者及びX線技師の負担が軽減できる効果もある。
次に、焦点101と2次元検出器105の配置を終えた後の撮影中の動作について図4の流れに従い説明する。
インタフェース手段204から入力された撮影開始の信号に従い、制御手段202は回転テーブルモータ制御手段に回転テーブル102の回転信号を送信する(S401)。そして、回転が開始された回転テーブル102から発生されるエンコーダ信号(図示しない)を制御手段202は監視し、所定の一定速度、及び角度に到達したかを確認する(S402)。所定の一定速度、及び角度に到達した時点で制御手段202は放射線発生源の出力手段208に信号を送りX線曝射を開始する(S403)とともにデータの収集を開始する(S404)。該エンコーダ信号はデータの積分タイミング決定にも使用される。尚、被写体106の回転は、回転テーブル102の上に被写体106が立つことで行われる。
テーブル一回転あたり25000パルスを発生させるエンコーダを使用する場合に、一回転に対して1000ビューの投影データを収集するとすれば、エンコーダ信号25パルス毎に2次元検出器105からデータが収集されることになる。制御手段202では該エンコードパルスをカウントして25パルス毎に積分信号を発生させて、2次元検出器105に到達したX線量をカウントする。そして所定のカウント数に達するまで撮影を継続する(S404、S405)。
本実施例においては、X線は連続に発生されることを想定しているが、これに限定されるものでなく、該エンコーダ信号をもとに2次元検出器105の積分区間に合わせてパルス状のX線を発生させてもよい。2次元検出器105からのデータはBUSを介して逐次的に再構成手段210に転送される。データの転送は、回転テーブル102が所定の回転角度を回転し、所定のビュー数が収集されるまで続く(S406)。回転テーブル102が所定の回転角度を回転し、所定のビュー数に達すれば、制御手段202は放射線発生源の出力手段208に指令して、X線の曝射を停止する(S406)。その後回転テーブル102を減速させながら停止まで制御する(S408)。
X線曝射が完了した直後に最後の投影データが再構成手段210に転送される。制御手段202は、該収集された投影データをもとにした再構成を再構成手段210に指示する。尚、全体のデータ収集が完了してから再構成を開始してもよい。再構成は、前処理、フィルタ処理、逆投影処理から構成される。前処理は、オフセット処理、LOG変換、ゲイン補正、欠陥補正から構成される。フィルタ処理では、ラマチャンドラン関数あるいはシェップローガン関数が一般的であり、本実施例でもこれらを使用する。フィルタ処理されたデータは逆投影される。これらフィルタ処理から逆投影までのアルゴリズムは、フェルドカンプのアルゴリズムを使用している。逆投影が完了してCTの断面画像が再構成されると断面は画像表示手段211に表示される(S409)。断面画像を表示し撮影は完了する。
さて、再構成アルゴリズムは、フェルドカンプのアルゴリズムを使用するが、これに限定されるものではない。参考文献には、フェルドカンプ(Feldkamp)とデイビス(Davis)およびクレス(Kress)が記載した方法(「実用コーンビームアルゴリズム」(“Practical Cone−Beam Algorithm”),J.Opt.Soc.Am.A1,612〜619,1984がある。幾何学系を以下に示す。
2次元検出器の幅 430(mm)
2次元検出器のZ方向の高さ 430(mm)
焦点−回転中心間距離 FCD=2223(mm)(Focus−Center−Distance)
焦点−検出器間距離 FDD=2423(mm)(Focus−Detector−Distance)
再構成高さ HOV=350(mm)(Height of View)
有効視野直径 FOV=389(mm)(Field of View)
コーン角 φ=10度
肺野の高さは、35cm程度が統計的に高い値域であり、この値をもとにコーン角を片側5°(φ=10°)とすると、FCD=2223mmとなる。同時に、FOV=389mmとし、FOVの外縁とセンサのギャップを約5mm確保すれば、FDD=2423mmとなる。2次元検出器105を正方形とすると実態HOV=389mmであるが、35cmを超える領域はコーン角度が片側5°を越えるので診断に適さない再構成画像と考えられる。
コーン角が片側5°以下であることが好ましいと前述したが、片側5°の数値限定をするにあたっての実験データを以下に示す。実験の撮影系を図5に示すが、管球から900mmの場所に回転テーブル102に載せられた実験ファントムを配置する。実験ファントム中心から約100mmの距離に実験用FPDを固定的に配置する。実験に使用したFPDの分解能は0.64x0.64mmであり、画素数は384画素(横)X224画素(縦)である。
使用した実験ファントムの断面図を図6に示す。実験ファントムはアクリルの板を6方向に組合わせたもので、板の断面の直径方向のサイズは100mmである。図7は現実の再構成画像の一例を示しているが、再構成画素数は、384x384画素、再構成領域は140mmφであるので、画素サイズは0.365x0.365mmである。再構成のアルゴリズムは、フェルドカンプのアルゴリズムを使用している。図6中に矩形で白く示される部分はROI(Region Of Interest)を示している。
コーン角の限界数値を検証するために、図6に示したROIの平均画素値、および標準偏差を指標にする。図7に再構成した各断面でのROIの平均画素値、および標準偏差を示す。横軸は再構成断面の番号である。1から350までの断面が再構成され、各再構成断面の再構成ピッチは、断面の分解能と同様に0.365mmである。つまり、3次元状に等分解能で再構成されたことになる。図中の系列1は平均画素値(下側の波形)、系列2は標準偏差(上側の波形)である。
図7からわかるように、断面位置A1から標準偏差が悪化しているのが読取れる。ただし、図中で断面90−120で標準偏差が悪いのはセンサアーチファクトによるものであり、コーン角によるものではない。断面位置A2以降で平均画素値、および標準偏差が悪くなっているが、これはX線管球と実験用FPDを結ぶ直線が再構成領域と交わる断面を概ね示している。つまり、データ欠損による平均画素値、および標準偏差の悪化を実証している。
断面位置A1のコーン角を求めると、片側5.07°である。すなわちコーン角は10.14°となる。次に、再構成画像中の空気領域のCT値の平均値および標準偏差を示す。空気領域のROIを図8に示し、断面ごとでの平均値および標準偏差を図9に示す。アクリル部分と同様の傾向を示していることがわかる。ただし、図9で断面90−120で標準偏差が悪いのはセンサアーチファクトによるものであり、コーン角によるものではないことも同様である。
複数のコーン角で実際に撮影した画像を、複数の医師などが評価した結果も、上記実験結果を支持する結果となっている。この様に、多数の実験的結果と多数の臨床的な評価から式(1)が導き出されたものであり、好適なFDDを算出する式となっているものである。
コーン角を小さくすればより再構成エラーの少ない画像が得られるが、コーン角を小さくするに従い2次元検出器105と放射線発生源101との距離を大きくしなければならず、コーン角を小さくとる場合には、放射線発生源101から出力するX線量を増加させる必要がある。しかし、できるだけ放射線発生源101の放射線量を抑え、かつ良質な再構成画像を得るためには、(1)式で算出された距離に放射線発生源101を設置するのが望ましい。
ただし、より良質な再構成画像を得たいという要求がある場合には、高出力の放射線発生源101が開発されているので、FCDおよびFDDを上記の数値よりも大きくすることも可能である。これにより再構成エラーが小で好適な再構成画像をえることもできる。
さて、従来から単純撮影においては、縦43cmX横35cmのフィルムが使用されてきたが、これは肺野の高さが最も高い人であっても43cmが限度あったことが原因である。そこで、上記の式にHOV=430mmを入力すると、FCD≒2730mmとなる。ただし、上述の式(1)では再構成領域FOV=389mmφとしているが、一般の臥位方式のCTのFOV=500mmφを採用し、再構成領域からセンサまでの距離を100mmとすると
FDD=250mm+100mm+0.5*HOV/tan5 (2)
となり、これにHOV=430mmを入力すると、FDD≒3080mmとなる。よって、本放射線装置の実用的な範囲としては、概ね2400−3000mmが好適な範囲となる。
次に、本発明にかかるCBCTを実際に運用する場面では、例えば胸部検診のように大量の被写体を短時間に撮影する必要が生じる。この場合には、大多数の被写体に対してFDDを固定して撮影する事も要求される。上述のように一般に肺野高が35cm以下の人が大多数であること、放射線発生源の放射線量を極力抑えることを考慮すると概ね2400mmにFDDを設定することが望ましい。これにより、胸部撮影の場合に、放射線発生源101の移動時間をなくすことが出来、撮影効率を上げる効果がある。また、さらに、放射線発生源の放射線量を減じることが出来る。
また、まれに肺野高が43cm程度ある人を考慮すると、FDDを概ね3000mmまでの範囲で設定することも望ましい。この場合にも放射線発生源101の移動時間をなくすことが出来、撮影効率を上げる効果がある。また、さらに、放射線発生源の放射線量を減じることが出来る。さらに、まれに撮影される肺野高35cm以上の被写体撮影にも対応できる効果がある。
また、大病院での運用を考えた場合には、胸部のみならず、腹部、腹部、頚椎などの撮影を大量に行う必要が生じる、この場合にも、全ての部位に対応できかつ再構成エラーのない画像を撮影できる距離にFDDを設定する必要が生じる。
この場合には、上述のように胸部撮影にも対応できる2400mm以上にFDDを設定することが望ましいものである。医師がより再構成エラーの少ない画像を好む場合には放射線発生源の出力が許容する範囲でFDDの距離を2400mm以上に設定することが望ましいものである。この様にFDDの距離を2400mm以上に設定した場合には、再構成エラーの画像が得られるとともに、多くの撮影部位に対応できる効果がある。
次に、コーン角を小さくする程高解像度の再構成画像が得られるのは上述の通りであるが、実際に本CBCTを実施する場合の実用性からコーン角の範囲を以下に検討する。本CBCTは回転を停止した場合には、一般撮影(再構成しない撮影であり単純撮影とも言われる)も行なえることを想定している。従って、本発明に係る装置は一般撮影用X線装置を使用した撮影にも耐えうる必要がある。尚、一般撮影用X線装置は、X線CT用の管球に較べて安価に作成することができ、クリニックから大学病院まで市場に多数普及しているものである。
X線CTに使用されるX線管球の陽極熱容量が、7000KHU程度であるのに対して、一般撮影用X線装置の管球陽極熱容量は、200−300KHUである。そして、一般撮影用X線管球の毎分あたりの冷却能力は、陽極熱容量の15−20%である。これは、陽極からの輻射、及び軸受けからの熱伝導を周囲のオイルで受けて、当該オイルをファンで空冷する構造に起因するものである。ここで、胸部臨床におけるCBCTの撮影線量を、120[KV]、N[mA]、5[秒]とすると、当該撮影による陽極熱容量HUは、インバータ方式の場合は経験的に、
120[KV] X N[mA] X 5[秒] X 1.41=846XN [HU] (3)
で表される。
下記は、当該発明の実施であるCBCT装置を使用した胸部臨床評価の条件である。
2次元検出器の幅 430(mm)
2次元検出器のZ方向の高さ 430(mm)
焦点−回転中心間距離 FCD=3067(mm)(Focus−Center−Distance)
焦点−検出器間距離 FDD=3417(mm)(Focus−Detector− Distance)
有効視野領域(FOV) FOV=385mmφ
コーン角 φ=7.2度
X線条件 120[KV]、100[mA]
X線フィルタ 銅1.5mm
散乱線除去のグリッドの一次線透過率 30%
一回転のスキャン時間 5秒
当該条件で、人体2例の胸部臨床実験を行う、医師による画像評価を行った。病気は発見されなかったが、観察できる血管の認識度から、充実性結節10mmを確実に検出できることが予想された。充実性結節10mmを確実に検出できる検出能であれば検診などの場で有効な装置となる。
上記条件で撮影した場合のX線熱量を式(3)から求めると、84.6KHUになる。本発明に係る装置の画質は、X線線量を増加させれば改善することは経験的に自明であるが、前述のように管球の熱容量を考慮すれば、X線量を増加させることは患者被曝の増大と伴に撮影インターバールの延長を招来する。そこで、前記撮影条件で提供される画像を基準とすれば、X線熱量と管球冷却能力C[KHU/分]と撮影インタバールT[分]の関係が式(4)を満足する場合には、基準画質が得られることになる。
C[KHU/分]*T[分]≧84.6[KHU] (4)
式(4)を、一般X線装置を使用したシステムに適用する。管球冷却能力C[KHU/分]は、陽極容量300KHU、冷却能力20%とすると、C=60[KHU/分]となる。撮影インターバルを2分とすると、式(4)は満足されることがわかる。ここで、撮影インターバルは、検診サイトで実施される平均インターバル2−3分の短い方を採用した。この条件において、最大FDD(FDDm)を計算すると、式(5)より、FDDm≦4069mmとなる。
120KHU≧84.6KHU*(FDDm/3417) (5)
以上のまとめると、陽極容量D[KHU]以下、冷却能力E[1/分]以下、撮影インターバルT[分]以下、再構成高さ(HOV)、有効視野領域(FOV)とした場合において、FDD下限(FDDmin)とFDD上限(FDDmax)は以下の式で得ることが出来る。
FDDmin=0.5*FOV+0.5*HOV/tan(φ/2) 式(6)
FDDmax=3417*SQRT(D*E*T/84.6) 式(7)
ここで、φはコーン角を表し、実験により最大は10度である。式(6)に対して、HOV=350mm、FOV=389mmを代入するとFDD=2418mmとなる。一般撮影装置を使用したCBCTにおいて、撮影インターバル2分を実現するためには、FDDを概ね4m以下に設定しなければならないことがわかる。そして、FDDを4mにした場合、コーン角φ=6度となる。
被写体が回転する被写体回転型のCBCTの構成例を示す図である。 被写体が回転する被写体回転型のCBCTのシステム構成例を示す図である。 FDDを決定する処理の流れを示すフローチャートである。 CBCTの撮影の流れを示すフローチャートである。 実験に用いた撮影形態を示す図である。 実験ファントムの断面図である。 ROIの平均画素値、および標準偏差を示す図である。 実験ファントムの断面図である。 ROIの平均画素値、および標準偏差を示す図である。
符号の説明
101 放射線発生源
102 回転テーブル
105 2次元検出器
106 被写体
203 情報入力手段
205 計算手段
206 放射線発生源移動手段
210 再構成手段
211 画像表示手段

Claims (5)

  1. 被検体に放射線を曝射する放射線発生源と、該放射線発生源が放射した放射線中で被写体を回転させる回転手段と、前記放射線を検出する2次元検出器と、放射線発生源と2次元検出器の間の距離を計算する計算手段と、被写体の肺野高さ、身長、体重等の被写体情報を入力する入力手段とを備え、前記計算手段は該被写体情報に基づいて前記放射線発生源と前記2次元検出器の間の距離を計算することを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 被検体に放射線を曝射する放射線発生源と、該放射線発生源が放射した放射線中で人体を回転させる回転手段と、前記放射線を検出する2次元検出器と、放射線発生源と2次元検出器の間の距離を計算する計算手段と、該計算手段で計算された距離に前記放射線発生源と前記2次元検出器を配置する放射線発生源移動手段と、被写体の肺野高さ、身長、体重等の被写体情報を入力する入力手段とを備え、前記計算手段は該被写体情報に基づいて前記放射線発生源と前記2次元検出器の間の距離を計算することを特徴とする放射線撮影装置。
  3. 被写体情報、撮影条件に関する情報のいずれかに基づいて、前記放射線発生源の放射線のコーン角を6°から10°の範囲で選択し、選択したコーン角に基づいて前記放射線発生源と前記2次元検出器の間の距離を前記計算手段は計算することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮影装置。
  4. 前記計算手段では、有効視野直径をFOV[mm]、再構成高さをHOV[mm]コーン角をφ[度]とした場合に、以下の式に基づいて前記放射線発生源と前記2次元検出器の間の距離FDD[mm]を計算することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
    FDD=0.5 X FOV+0.5 X HOV/tan(φ/2)[mm]
  5. 前記計算手段において被写体の肺野高さ、身長、体重等の被写体情報を入力する入力手段を備え、前記計算手段は該被写体情報に基づいてHOVを計算することを特徴とする請求項に記載の放射線撮影装置。
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