JP3862628B2 - 携帯型電子装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声情報を入力するマイクロホンを備えた音声入力手段と、画像情報を入力する撮像部を備えた撮像手段とが具備された携帯型電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音声入力手段を備える機器、例えば、携帯電話やPHS、ビデオカメラ、ICレコーダ等は、その用途に合わせて必要な音声を優先的に捉えるように、様々な種類・数のマイクロホンを備えて構成される。マイクロホンの「指向性(polar pattern、ポーラパターン)」には、マイクロホン本体(振動板)の向きや角度に関係なく、置かれた場所に集まった音のすべてが振動板に届いて電気出力となる無指向性や、特定の方向を捉えやすい性質を持っている単一指向性、前後2つの方向の音源を強く捉える双指向性等があり、マイクロホンの特性、置き方、音の進入経路等さまざまな要素から決定される。音声入力手段を備える機器では、適切な種類・数のマイクロホンを単体で若しくは組合わせて使用し、機器の用途に合った必要な音声を最適に捉えられるよう構成されている。
【0003】
尚、従来は、マイクロホンの指向性の切替えはノイズ対策のために行われてきた。例えば、「特開平6−37877、防騒音電話機」には、図7に示すように、一つないし複数の騒音入音孔を閉じたり開いたりすることができるようにし、一つ無いし複数のスライド若しくは開閉する扉を設けることが開示され、その目的は騒音の無いところで電話機を使用する場合は通常のマイクロホンと同等の性能を有し、騒音下では防騒音の機能を有せしめることが可能な電話機を提供することである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、携帯電話やPHS等に於いて撮像手段を具備する機器が製品化されており、これらの機器に於いて通常の音声入力手段(通話手段)を用いる場合、話者として想定される利用者の音声を優先的に捉えるよう構成されている。撮像手段を用いる場合には、利用者の音声だけでなく、被写体(撮像手段で撮影する人物や動物等)の音声を強く捉えるように構成されていることが望ましい。また、携帯電話やPHS等に限らず、ICレコーダ等に於いても、撮影手段を備えて音声入力手段の指向性を適切に切り替え、撮像手段の撮影モードに合わせ必要な音声を適切に捉えられるよう構成されている事が望ましく、機器の用途に合わせてマイクロホンの指向性を切替可能な音声入力手段を備える事により、携帯電子装置の高付加価値化を図る。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮像手段による撮影モードに対応して音声入力手段の指向性を、容易に且つ適切に切り替える手段を備える携帯型電子装置を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る携帯型電子装置の第一特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、音声情報を入力するマイクロホンを備えた音声入力手段と、画像情報を入力する撮像部を備えた撮像手段とを備え、前記マイクロホンに音声情報を入力して、前記音声情報により通話が可能な携帯型電子装置であって、前記撮像手段による撮影モードに対応して前記マイクロホンの指向性を切替可能な指向性切替手段を有し、当該指向性切替手段が、前記撮像手段による撮影を行わず前記通話が可能な通話モード時に、前記マイクロホンを単一指向性に切替え可能であるとともに、前記撮像手段による撮像を行う撮影作動モード時に前記マイクロホンを双指向性又は無指向性に切替え可能である点にある。
【0007】
即ち、本発明に係る携帯型電子装置の上記第一特徴構成によれば、撮像手段による撮影モードに対応して、前記撮像手段による撮影を行わず前記通信が可能な撮影停止モード時に、前記マイクロホンを単一指向性に切替え可能であるとともに、前記撮像手段による撮像を行う撮影作動モード時に前記マイクロホンを双指向性又は無指向性に切替え可能である。
このため、携帯電話に於いて、撮影停止モード時、つまり通話モードの場合には、マイクロホンを単一指向性に切替えることにより、利用者(通話者)の音声を優先的に捉えることができ、ノイズを防止することができる。一方、撮影作動モード時には、マイクロホンを双指向性または無指向性に切替えることにより、被写体の音声も捉えることができる。
【0008】
従って、音声入力手段及び撮像機能を備えた携帯型電子装置に対し、撮影モードに対応して指向性を切替える指向性切替手段を設けることにより、利用者が必要とする音声を適切に捉えるように、音声入力手段の指向性を切替えることが可能になり、本発明にかかる携帯型電子装置の価値を高めることができる。
【0009】
同第二特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一特徴構成に加えて、前記指向性切替手段は、前記撮影作動モード時に、前記マイクロホンの指向性を単一指向性に切替可能な点にある。
【0010】
即ち、第二特徴構成によれば、撮影動作モード時に、マイクロホンを、双方向指向性・ 無指向性に加え、単一指向性に切り替えることも可能である。この結果、マイクロホンの指向性を、撮影対象に応じて、幅広く選択することができる。
【0011】
同第三特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第二特徴構成に加えて、前記指向性切替手段は、撮影作動モードのうち、人物撮影モード時に、前記マイクロホンを双指向性に切替え、背景撮影モード時に、前記マイクロホンを単一指向性又は無指向性に切替える点にある。
【0012】
即ち、同第三特徴構成によれば、人物撮影モード時に双指向性に、背景撮影モード時に単一指向性又は無指向性に切替える。携帯型電子装置には、撮影モードに撮影作動モード及び撮影停止モードだけでなく、人物撮影モード及び背景撮影モード等を指定可能に構成されている場合がある。人物撮影モード時には、被写体の音声を強く捉えるだけでなく、撮影者の音声をも強く捉えるために双指向性に切替え、背景撮影モード時には、被写体は人物でないことから被写体の音声を特に捉える必要はないため、ノイズに強く撮影者の音声を強く捉えることのできる単一指向性、または、無指向性に切替える構成にすることが望ましいと言える。
【0013】
同第四特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第三特徴構成に加えて、前記指向性切替手段は、前記撮像手段による撮影モード切替に連動して前記マイクロホンの指向性を切替える点にある。
【0014】
即ち、同第四特徴構成によれば、撮影モードに対応して自動的にマイクロホンの指向性を切り替える。指向性切替手段は、マニュアル操作で音声入力手段の指向性を切替える構成であっても良いが、特に、携帯電話やPHS等、撮像機能を付帯機能とする機器に於いては、撮影モード(撮影作動モード、撮影停止モード)の変更を利用者がマニュアル操作で実施することは手間がかかりわずらわしさを伴う上、利用者が意識して実施しなければならないため、撮影モードの切替えを忘れる等、適切に実施できないことも考えられる。
【0015】
従って、指向性切替手段を自動的にマイクロホンの指向性を切替える構成等にすることにより、利用者が特に意識することなくマイクロホンの指向性を適切に切替えることが可能になる。
【0016】
従って、人物撮影モード時に双指向性に、背景撮影モード時に単一指向性又は無指向性に切替える構成にすることにより、夫々の撮影作動モードに対応して適切に指向性を切替え、音声を捉える携帯型電子装置を実現することができる。
【0017】
同第五特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第四特徴構成に加えて、前記音声入力手段は装置本体に対して姿勢変更可能に取付けられた可動部材に具備され、前記指向性切替手段は前記可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて前記指向性を切替える点にある。
【0018】
即ち、同第五特徴構成によれば、音声入力手段を備える可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて指向性を切替える。ここで、携帯電話やPHS等の機器は、撮影モードを可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて切替える構成や、撮影モードの切替え(各撮影モードのスイッチ操作)に対応して可動部材の装置本体に対する姿勢を変更する構成等を備える。具体的には、各撮影モードに対応して設けられたスイッチに対する利用者の操作行動により、操作モードの切替え及び可動部材の装置本体に対する姿勢の変更が実施される構成、フリップ式や折りたたみ式の携帯電話やPHSに於いて、装置本体の開閉動作により撮影モードが撮影作動モードまたは撮影停止モードに切替えられる構成等である。操作モードと可動部材の装置本体に対する姿勢とが互いに連動して切替わる構成になっている機器が多数存在し、音声入力手段の指向性は撮影モードに対応して切替えられることから、音声入力手段に於いて、指向性を可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて切替わる構成にすることが望ましいと言える。
【0019】
従って、音声入力手段に於いて、可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて指向性を切替えることにより、一つの切替え動作で撮影モード及び指向性を適切に対応させて切替えることが可能になり、利用者の手間を省力化し、装置の操作を容易にすることが可能になる。
【0020】
尚、3種類以上の撮影モード(撮影作動モード及び撮影停止モード、人物撮影モードや背景撮影モード等)を有する機器に於いては、開閉姿勢に段階を設けて、撮影モード夫々に対応した開閉姿勢毎に複数種類の指向性を切替える構成等が考えられる。このような構成にすることにより、複数の撮影モードを備える機器に於いても、利用者の手間を省力化し、装置の操作を容易にすることが可能になる。
【0021】
同第六特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第五特徴構成に加えて、前記撮像手段は前記可動部材に具備され、前記可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて前記撮影モードを切替える点にある。
【0022】
即ち、同第六特徴構成によれば、音声入力手段及び撮像手段の具備された可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて撮影モードを切替える。音声入力手段の指向性は、撮影モードに対応して切替可能な指向性切替手段によって切替えられることから、装置本体の姿勢に基づいて撮影モードを切替える構成にすることにより、一つの切替え動作で撮影モード及び指向性を適切に対応させて切替えることが可能になり、利用者の手間を省力化し、装置の操作を容易にすることが可能になる。
【0023】
同第七特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第五特徴構成又は上記第六特徴構成に加えて、前記音声入力手段は双指向性マイクロホンを備え、前記指向性切替手段は前記可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて一方の音孔への入力音声を減衰又は遮蔽する音響抵抗材を設けて構成してある点にある。
【0024】
即ち、同第七特徴構成によれば、音声入力手段の指向性を切替えるために、音響抵抗材を用いる。例えば、双指向性のマイクロホンに於いて、一方の音孔への入力音声を音響抵抗材で減衰させると、音響抵抗材の抵抗の度合いにより単一指向性へと切替えることが可能になり、完全に遮蔽すると無指向性へと切替わる。
【0025】
具体的例として、音声入力手段を可動部材に、音響抵抗材を装置本体に備えるスライド式の機器の場合には、可動部材が装置本体に折りたたまれた状態で、可動部材に備えられた音声入力手段、ここでは双指向性マイクロホンの前後(装置本体に接する面とその対面)の音孔の一つが音響抵抗材で密閉されるように構成する。可動部材に備えられたマイクロホンは、音孔の一つへの入力音声が完全に遮蔽されると無指向性に、そうでなければ単一指向性に切替えられ、可動部材がスライドされると音孔が開放され、双指向性に切替わる。フリップ式の機器についても、可動部材が装置本体に折りたたまれた状態に於いて音孔の一つへの入力音声が減衰または遮蔽される構成にすることにより、スライド式と同様、指向性を双指向性と単一指向性及び無指向性とに切替えることが可能になる。従って、音響抵抗材を用いることにより、指向性を撮影モードに合わせて切替可能な携帯型電子装置を、簡易に且つ容易に実現する事が出来る。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明に係る携帯型電子装置(以下、適宜「本発明装置」と略称する)の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0027】
本発明にかかる携帯型電子装置は、例えば、携帯電話やPHS、トランシーバ等に適用されるものであって、音声情報を入力するマイクロホンを備えた音声入力手段と、画像情報を入力する撮像部を備えた撮像手段とが具備され、更に、撮像手段による撮影モードに対応してマイクロホンの指向性を切替可能な指向性切替手段が設けられている。
【0028】
本発明に係る携帯型電子装置の第一実施形態について、図1に示す携帯型通信装置10を基に説明する。携帯型通信装置10は、携帯電話(若しくはPHS)に適用される。
携帯型通信装置10は、装置本体5及び可動部材4から成るスライド式の構造を有し、可動部材4は装置本体5の長手軸方向に沿ってスライド可能に構成されている。ここで、図1(a)に示すように、可動部材4が装置本体5に収納された状態を第一姿勢とし、図1(b)に示すように、可動部材4を装置本体5の長手軸方向に沿って下方に所定の位置までスライドさせた状態を第二姿勢とする。本実施形態では、第一姿勢及び第二姿勢の切替えは話者として想定される利用者の姿勢切替え操作によって実施される。第一姿勢及び第二姿勢の切替によって撮影モードの切替えが実施され、第一姿勢に於いて撮影停止モードに、第二姿勢に於いて撮影作動モードに切替えられる。更に、本発明装置の撮影モードは、撮影作動モード及び撮影停止モードに加えて、撮影作動モード時に更に人物撮影モード若しくは背景撮影モードを選択可能に構成されている。
【0029】
本実施形態に於ける携帯型通信装置10の装置本体5は、可動部材4と接する面(正面)に携帯電話(若しくはPHS)の通話機能に係るスイッチ郡が設けられており、更に、内部に指向性切替手段を具備している。可動部材4は、撮像手段及び音声入力手段を具備し、撮像手段の撮像部1が可動部材4の第二姿勢に於いて露出される面に設けられ、音声入力手段のマイクロホン2の音孔が可動部材4の第二姿勢に於いて露出される面及びその対面に設けられている。
【0030】
撮像手段は、一般的に携帯電話(若しくはPHS)に備えられているCCD(Charge Coupled device)型のモバイルカメラであり、CCDモジュール(レンズを含む)及び信号処理部から成る。撮像手段の撮像部1はCCDモジュールである。尚、本実施例ではCCD型のモバイルカメラを使用しているが、CMOS型のモバイルカメラやビデオカメラ等、携帯電話(若しくはPHS)に備えられる被写体(静止画若しくは動画の少なくともいずれか一方)を撮影可能な機器であればよい。撮像部1は、図1に示すように、第二姿勢に於いてのみ外部に露出するよう構成され、利用者の姿勢切替え操作により携帯型通信装置10が第二姿勢に切替えられると、撮影作動モードになり、撮影可能な状態になる。
【0031】
音声入力手段は、双指向性のマイクロホン2及びマイクロホン2からの信号を処理する信号処理部(例えば、音声CODEC、AIU等)から成る。図1に示すように、マイクロホン2は可動部材4の内部に設けられ、可動部材4の装置本体5に接する面及びその対面の、マイクロホン2の最近傍に夫々設けられた2つの音孔より音声を捉えるよう構成されている。
【0032】
指向性切替手段は、音響抵抗材3より構成される。音響抵抗材3は、携帯型通信装置10の第一姿勢に於いて可動部材4の装置本体5に接する面に設けられている音孔を密閉する位置に構成され、音孔への入力音声を減衰又は遮蔽することによって、双指向性マイクロホン2の指向性を単一指向性又は無指向性に切替える。尚、音響抵抗材3は、圧縮ウレタン、メッシュ、不織布、フッ素膜等の材料で構成されており、後述するように、その音響抵抗の強さによって指向性が設定される。
【0033】
ここで、図3は本実施形態の一実施構成に於けるマイクロホン2の指向特性6について示している。本実施構成では、撮影モードに対応して指向性を単一指向性と双指向性とに切替える。第一姿勢(撮影停止モード)では、図3(a)に示すように、マイクロホン2の片側の音孔への音声入力が音響抵抗材3により減衰され、マイクロホン2は単一指向性になる。第二姿勢(撮影作動モード)では、図3(b)に示すように、マイクロホン2の音孔が開放され、マイクロホン2は双指向性になり、被写体7の音声を捉えることが可能になる。
【0034】
図4は本実施形態の別実施構成に於ける指向特性6について示している。本実施構成では、上記実施構成に加えて、更に、マイクロホン2の指向性を無指向性に切替える。具体的には、可動部材4のスライド量を3段階に分けて調節可能に構成し、スライド量に応じて指向性を切替える。ここで、可動部材4を装置本体5の長手軸に沿って下方に、第二姿勢とは別の所定の位置までスライドさせた状態を第三姿勢とする。第三姿勢に於いて撮影モードは撮影作動モードになり、マイクロホン2の被写体7側の音孔への音声入力が可動部材4によって減衰され、無指向性に切替わる構成になっている。尚、図4(b)に示すように、音孔への音声入力を完全に遮蔽するのではなく、可動部材4にマイクロホン2の音孔より小さな音孔をマイクロホン2の音孔と接する部位に設け、わずかに音声入力されるように構成することにより、マイクロホン2はローカットマイク(低域周波数をカットすることで、雑音を低減する)となり、雑音に強い音声入力手段を実現することができる。
【0035】
尚、本実施形態では、指向性切替手段は、撮影作動モード時に双指向性または無指向性に切替え、撮影停止モード時に単一指向性に切替える構成になっているが、これに限るものではない。例えば、撮影作動モード時に双指向性に切替え、撮影停止モード時に単一指向性または無指向性に切替える構成等、各撮影モードに対し、適切な指向特性を持つよう構成されていれば良い。尚、携帯電話(若しくはPHS)に於いては、撮影手段は恒常的に使用される機能ではないことから、第一姿勢を撮影停止モードに、第二姿勢を撮影作動モード状態にすることが望ましい。
【0036】
尚、撮影作動モードに於いて、例えば、人物撮影モードや背景撮影モード等がさらに設定可能に構成されている場合には、可動部材4のスライド量をさらに何段階かに分けて調節可能に構成し、スライド量に応じて、撮影作動モード及び撮影停止モード、人物撮影モード及び背景撮影モード等に、複数切替える構成であってもよい。このような場合には、マイクロホン2の音孔への入力音声を、スライド量毎に音響抵抗の強さを異ならせて調節し、撮影作動モードの各撮影モード毎に適切な指向性に切替えることが考えられる。具体的には、人物撮影モード時に双指向性に切替え、背景撮影モード時に単一指向性又は無指向性に切替える構成等が考えられるが、これに限定するものではなく、各撮影モードに対し、適切な指向特性を持つよう構成されていれば良い。
【0037】
マイクロホン2は、音響抵抗材3を変更し、音響抵抗の強さを替えることにより、双指向性を単一指向性または無指向性に切替えることができる。片側の音孔に音響抵抗材3の設けられた双指向性のマイクロホン2について、音響抵抗材3を変更し音響抵抗の強さを替えると、図5に示すように、音響抵抗を強くするに従って、つまり、より音響抵抗の強い材質を有する音響抵抗材3を用いる程、双指向性(指向特性51、音孔が開放された状態)から単一指向性(指向特性52)、無指向性(指向特性53、片側の音孔への音声入力を完全に遮蔽した状態)へと切替わる。従って、音響抵抗の強さの適切な音響抵抗材3を選択して構成することにより、単一指向性・無指向性を適切に設定することができる。ここで、音響抵抗材3としては、圧縮ウレタン、メッシュ、不織布、フッ素膜等が考えられるが、音孔への音声入力を適切に減衰または遮蔽することのできる他の任意の音響抵抗材3を用いても良い。
【0038】
本発明に係る携帯型電子装置の第二実施形態について、図2に示す携帯型通信装置20を基に説明する。携帯型通信装置20は、携帯型通信装置10と同様に、携帯電話(若しくはPHS)に適用される。
携帯型通信装置20は、装置本体5及び可動部材4から成るフリップ式の構造を有し、可動部材4は、装置本体5の底面の一辺(長辺)で接し、これを軸に開閉可能に構成されている。ここで、図2(a)に示すように、可動部材4が装置本体5に収納された状態を第一姿勢とし、図2(b)に示すように、可動部材4を開いた状態を第二姿勢とする。本実施形態では、第一実施形態と同様に、第一姿勢及び第二姿勢の切替えは利用者の操作行動によって実施される。第一姿勢及び第二姿勢の切替によって撮影モードの切替えが実施され、第一姿勢に於いて撮影停止モードに、第二姿勢に於いて撮影作動モードに切替えられる。
【0039】
本実施形態に於ける携帯型通信装置20の装置本体5は、第一姿勢に於いて可動部材4によって遮蔽される面に携帯電話(若しくはPHS)の通話機能に係るスイッチ郡が設けられており、内部に指向性切替手段を具備している。可動部材4は、撮像手段及び音声入力手段を具備し、撮像手段の撮像部1が装置本体5と接する面の対面に設けられ、音声入力手段のマイクロホン2の音孔が装置本体5と接する面及びその対面に設けられている。尚、本実施形態の指向特性は、第一実施構成と同様、第一姿勢に於いて、図3(a)及び図4(a)に示すような単一指向性の指向特性6を、第二姿勢に於いて、図3(b)に示す双指向性の指向特性6、または、図4(b)に示すような無指向性の指向特性6を持つ。
【0040】
尚、第一実施形態及び第二実施形態では、可動部材4は撮影手段とマイクロホン2とを具備し、装置本体5は音響抵抗材3を具備する構成になっているが、これに限定されるものではない。撮影手段及びマイクロホン2を装置本体5に、音響抵抗材3を可動部材4に設置する構成であっても良いし、撮影手段及び音声入力手段、指向性切替手段は任意に設けられていて良い。さらに、一つの手段を機能別に分割して、可動部材4及び装置本体5の両方に分散して設けられていても良い。また、2以上の独立した部材により構成される装置の場合には、撮影手段及び音声入力手段、指向性切替手段は任意の部材に配されていて良いし、一つの手段を機能別に分割して別々の部材に設けても良い。
【0041】
また、第一実施形態及び第二実施形態では、双指向性のマイクロホン2に対し音響抵抗材3を用いて指向性を設定する構成であるが、これに限定するものではない。MSマイクロホンや超指向性マイクロホン等を用いても良いし、異なる指向性をもつ複数のマイクロホン2を本発明装置に設け、使用するマイクロホン2を撮影モードに対応して切替える構成であっても良い。また、複数種類の音響抵抗材3を設け、音孔を密閉する音響抵抗材3を、撮影モードの切替えに連動して自動的に、若しくは利用者のマニュアル操作により切替える構成等であってもよい。
【0042】
本発明装置の第三実施形態として、第一実施形態及び第二実施形態に於ける撮影モードの切替えを、撮影モード夫々に対応して設けられたスイッチ類、若しくは既存のスイッチ類を用いて、利用者のスイッチ操作により実施する構成が考えられる。本実施形態に於ける携帯型通信装置(携帯電話若しくはPHS)は、図6に示すように、信号処理手段(MODEM及びDSP、AIU(PCM−CODEC及びAudioIF))、制御手段(TDMA及びCPU)、RF/IF部、MEMORY、LCD表示部、電源制御部、マイクロホン(音声入力手段)、CCDモジュール(撮像手段)から成るシステム部60に加え、指向性切替え手段61、撮影モード切替手段62を備える。
【0043】
ここで、本実施形態では、利用者のスイッチ操作に連動して撮影モードを切替えるため、可動部材4を具備しない構成であってもよい。指向性切替え手段61は、1または複数種類の音響抵抗材3を設けて、撮影モードの切替えに連動して、若しくはマニュアル操作により、音孔を密閉する音響抵抗材3を切替える構成、異なる指向性をもつ複数のマイクロホン2を本発明装置に設け、使用するマイクロホン2を撮影モードに対応して切替える構成等が考えられる。
【0044】
尚、本実施形態に於いて、可動部材4を具備し且つ姿勢切替えが必要な場合(例えば、第一実施形態及び第二実施形態に示すように音響抵抗材3を用い、可動部材4の姿勢切替えによって音声入力手段の指向性を切替える構成である場合や、一般的に市販されているビデオカメラ等に見られるように、撮影モードに対応して撮像部1の姿勢切替えが必要な構成である場合等)には、可動部材の姿勢切替えを実施する姿勢制御手段63を付加的に設け、撮影作動モードに於いて撮像手段が撮影可能になるように、撮影モードの切替えに連動して自動的に実施する構成にしても良い。
【0045】
尚、上記第一から第三実施形態では、携帯電話への適用を例に説明したが、本発明を適用する機器はこれに限るものではない。他の、音声情報を入力するマイクロホン2を備えた音声入力手段と画像情報を入力する撮像部1を備えた撮像手段とが具備された携帯型通信装置に適用されてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる携帯型電子装置の一実施形態を示す斜視図
【図2】 本発明にかかる携帯型電子装置の一実施形態を示す斜視図
【図3】 本発明にかかる携帯型電子装置の指向特性を示す図
【図4】 本発明にかかる携帯型電子装置の指向特性を示す図
【図5】 本発明にかかる携帯型電子装置のマイクロホンの指向特性を示す図
【図6】 本発明にかかる携帯電話のシステム構成を示す図
【図7】 マイクロホンの指向性を切替える従来技術の例を示す図
【符号の説明】
1 撮像部
2 マイクロホン
3 音響抵抗材
4 可動部材
5 装置本体
6、51、52、53 指向特性
7 被写体
10、20 携帯型通信装置
60 システム部
61 指向性切替え手段
62 撮影モード切替手段
63 姿勢制御手段
Claims (7)
- 音声情報を入力するマイクロホンを備えた音声入力手段と、画像情報を入力する撮像部を備えた撮像手段とを備え、前記マイクロホンに音声情報を入力して、前記音声情報により通話が可能な携帯型電子装置であって、
前記撮像手段による撮影モードに対応して前記マイクロホンの指向性を切替可能な指向性切替手段を有し、当該指向性切替手段が、前記撮像手段による撮影を行わず前記通話が可能な通話モード時に、前記マイクロホンを単一指向性に切替え可能であるとともに、前記撮像手段による撮像を行う撮影作動モード時に前記マイクロホンを双指向性又は無指向性に切替え可能である携帯型電子装置。 - 前記指向性切替手段は、前記撮影作動モード時に、前記マイクロホンの指向性を単一指向性に切替可能な請求項1に記載の携帯型電子装置。
- 前記指向性切替手段は、撮影作動モードのうち、人物撮影モード時に、前記マイクロホンを双指向性に切替え、背景撮影モード時に、前記マイクロホンを単一指向性又は無指向性に切替える請求項2に記載の携帯型電子装置。
- 前記指向性切替手段は、前記撮像手段による撮影モード切替に連動して前記マイクロホンの指向性を切替えるものである請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯型電子装置。
- 前記音声入力手段は装置本体に対して姿勢変更可能に取付けられた可動部材に具備され、前記指向性切替手段は前記可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて前記指向性を切替えるものである請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯型電子装置。
- 前記撮像手段は前記可動部材に具備され、前記可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて前記撮影モードを切替えるものである請求項5に記載の携帯型電子装置。
- 前記音声入力手段は双指向性マイクロホンを備え、前記指向性切替手段は前記可動部材の装置本体に対する姿勢に基づいて一方の音孔への入力音声を減衰又は遮蔽する音響抵抗材を設けて構成してある請求項5又は6に記載の携帯型電子装置。
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