JP3861232B2 - 電気掃除機の吸込具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機の吸込具に係り、より詳しくは、通常の吸込口では充分に吸引することができない箇所における塵やごみ等を吸込口を差し替えることなく吸引することができる電気掃除機の吸込具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、例えば特開平8ー52100号公報に開示された従来の電気掃除機の吸込具の一例を示す縦断面図である。床面30上の塵やごみ等は、吸込具本体31の底面に形成された横長の吸込口32から吸込口本体31内に吸引され、接続部33、ホース(図示せず)を経て、電気掃除機本体(図示せず)に移動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成した電気掃除機の吸込具は、床面30などを掃除する場合に使用するが、部屋や階段の壁際や狭い隙間などを掃除する場合は、別に設けた特殊形状の吸込具と差し替えて使用していた。しかしながら、差し替えが頻繁に行われると煩わしく、不使用時の収納場所を掃除機本体に設けると余分なスペースが必要となり、そのうえ差替え式では紛失しやすい等の問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、部屋や階段の壁際や狭い隙間などを掃除する場合に、吸込具を差し替えることなく吸込口を切り替えることができる電気掃除機の吸込具を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる電気掃除機の吸込具は、掃除機本体に連結する連通筒を備え第1の連通穴と本体吸込口を有する本体吸込部と、基端部に第2の連通穴を有し先端に補助吸込口を有する細筒部を形成し、基端部が本体吸込部に回動自在に取付けられ、回動位置によって第1の連通穴と第2の連通穴を連通又は遮断させる補助吸込部と、補助吸込部を回動自在に軸支するともに補助吸込部の回動と連動して連通筒を開閉させる切換え手段とを有し、
切換え手段を、ほぼ円形の基板及び基板の外周のほぼ2分の1の範囲に突設されて開口部が設けられた縦壁よりなり連通筒内に取り付けられた開閉盤と、一端が開口部の上部に開閉自在に取付けられて開口部を開閉する板状の開閉弁と、下部が基板に固定され上部が補助吸込部の基端部に固定されて補助吸込部及び開閉盤を回動自在に一体に軸支する回動軸とによって構成し、
本体吸込部の使用時には、本体吸込部の本体吸込口と補助吸込部の補助吸込口は反対方向に向くようにし、開閉盤は開口部が連通筒側に位置し、第1、第2の連通穴が連通せず、補助吸込部の使用時には、本体吸込部の本体吸込口と補助吸込部の補助吸込口が同方向に向くようにし、開閉盤は開口部が本体吸込部の本体吸込口側に位置し、第1、第2の連通穴が連通するようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1、図2は本発明の実施の形態1に係る吸込口の縦断面図及びその平面図、図3は図1の要部の斜視図、図4、図5は作用説明図である。1は電気掃除機の吸込具の吸込口本体で、底面1a、背面1b、上方斜面1c、前面1d、側壁1eによって囲まれた断面ほぼ三角形で横長の箱型形状をなし、背部にはホース (図示せず)と接続する筒状の連通筒2が一体に設けられている。なお、吸込具本体1の上方斜面1cから連通筒2の上面2aにかけての面は、同一平面をなすように形成してある。3は連通筒2の下面2bの延長平面上で吸込口本体1の内部方向に向けて取り付けた連通筒部材である。
4は吸込口本体1の底面1aに形成された横長の本体吸込口、5は吸込口本体1の上方斜面1cに曲線側を本体吸込口4側に向けて形成した半円状の第1の連通穴である。
【0010】
6は補助吸込口本体で、ほぼ円筒状の基端部6aと、基端部6aから先端部に向って徐々に縮幅されてテーパー状に形成された細筒部6bとからなり、基端部6aの先端部側下面には、曲線部を先端部側に向けた半円状の第2の連通穴7が設けられ、この第2の連通穴7から先端部側は中空に形成されて、先端部には上下方向に長い長方形状の補助吸込口8が開口している。なお、補助吸込口8は補助吸込口本体6の先端部を傾斜させて形成し、図4に示すように、補助吸込口8を床面側に向けたときに補助吸込口8が吸込口本体1の底面1aとほぼ平行になるようにすると共に、補助吸込口8が吸込口本体1の底面1a位置よりも床面側に突出するようになっている。
【0011】
10は本体吸込口4と補助吸込口8とを切換える切換え手段で、その一例を図3に示す。11は開閉盤であり、12は一方の側(例えば、図の右側)が切除されたほぼ円形の基板で、切除部を含む外周のほぼ2分の1の範囲には縦壁13が立設されており、縦壁13の反対側は開放されて開放部14が形成されている。16は縦壁13の平坦面15に設けた開口部である。17は一部が例えばゴムの如き柔軟材17aからなる板状の開閉弁で、その柔軟材17a部分が開口部16の上部において平坦部15に固定されており、常時は自重により垂下して開口部16の前面を覆っている。
【0012】
18は回動軸で、その下部は開閉盤11の基板12の中心部を貫通して固定されており、開閉盤11を吸込口本体1内に収容したときは、その下端部と上下方向のほぼ中央部が吸込口本体1に回動自在に支持され、吸込口本体1から突出した回動軸18の上部は、補助吸込口本体6の基端部6aを貫通して固定されている。したがって、補助吸込口本体6を回動すれば、開閉盤11もこれと連動して吸込口本体1内を同じ角度回動する。
【0013】
上記のように構成した実施の形態1の作用を説明する。まず、補助吸込口本体6を使用しない場合は、図1、図2に示すように、補助吸込口本体6は連通筒2上に位置して補助吸込口8が上方にあり、開閉盤11は開放部14が吸込口本体1の本体吸込口4側に位置し、開口部16が連通筒2側に位置する。また、吸込口本体1の本体吸込口4と補助吸込口本体6の補助吸込口8は反対方向に位置し、吸込口本体1の第1の連通穴5と補助吸込口本体6の第2の連通穴7は180度ずれた位置にある。このため、吸込口本体1の第1の連通穴5は、図1に示すように、補助吸込口本体6の基端部6aによって塞がれ、一方、補助吸込口本体6の第2の連通穴7は吸込口本体1の上面1cによって塞がれる。こうして、吸込口本体1の第1の連通穴5と補助吸込口本体6の第2の連通穴7は共に塞がれて相互に連通せず、補助吸込口本体6は掃除機本体(図示せず)と遮断される。なお、この状態においては、開閉弁17は自重により垂下し、破線で示すように開閉盤11の開口部16を閉塞している。
【0014】
この状態で、電気掃除機本体に通電して電動送風機を駆動すると、その吸引力により図1に実線で示すように開閉弁17が吸引されて開口部16を開放し、吸込口本体1の本体吸込口4と電気掃除機本体とが連通する。
よって、吸込口本体1の本体吸込口4を使用して床面等の掃除を行えば、床面等の塵埃等は本体吸込口4から吸込口本体1内に吸引され、開閉盤11の開放部14、開閉口16を通って連通筒2内を矢印で示す方向に進み、電気掃除機本体に流れる。
【0015】
次に、補助吸込口本体6を使用する場合について説明する。この場合は、補助吸込口本体6を、図1、図2に示す状態から、ほぼ180度回動させ、図4、図5に示すように、吸込口本体1の本体吸込口4と補助吸込口本体6の補助吸込口8が同方向に向くようにする。こうすると、吸込口本体1の第1の連通穴5と補助吸込口本体6の第2の連通穴7の位置が一致する。
一方、補助吸込口本体6の回動にともなって、開閉盤11も補助吸込口本体6と一体となって回動し、開放部14が連通管2側に位置し、開口部16が吸込口本体1の本体吸込口4側に位置する。このとき、開閉弁17は、破線で示すように垂下する。
【0016】
この状態で、電気掃除機本体に通電して電動送風機を駆動すると、その引力により開閉弁17が吸引され、実線で示すように開口部16を閉塞し、補助吸込口本体6の補助吸込口8が第1、第2の連通穴5,7を介して電気掃除機本体に連通する。そして、補助吸込口本体6の補助吸込口8を使用して、部屋や階段の壁際や狭い隙間などの掃除を行えば、壁際等の塵埃等は補助吸込口8から補助吸込口本体6内に吸引され、第1の連通穴5、第2の連通穴7を通過し、連通筒2を通って矢印で示す方向に進み、電気掃除機本体に流れる。
【0017】
実施の形態1によれば、床面などの掃除を行うときは、補助吸込口本体6を上方に回動して第1、第2の連通口5,7を閉塞し、同時にこれと連動する開閉盤11の開放部14を吸込口本体1の本体吸込口4側に位置させると共に、開口部16を連通筒2側に位置させて本体吸込口4と電気掃除機本体とを連通させる。
【0018】
また、壁際などの狭い場所の掃除を行うときは、補助吸込口本体6を180度回転させてその補助吸込口8を吸込口本体1の本体吸込口4側に位置させると共に、第1、第2の連通口5,7を連通させる。同時に開閉盤11の開口部16を本体吸込口4側に位置させて開閉弁17により閉塞しうるようにして、補助吸込口本体6の補助吸込口8から塵埃等を吸込むようにしたので、吸込口の差し替えを行うことなく、簡単に切換えることができる。
【0019】
[実施の形態2]
図6、図7は本発明の実施の形態2における吸込口の縦断面図及びその平面図、図8、図9はその作用説明図である。1は電気掃除機の吸込具の吸込口本体で、底面1a、背面1b、上方傾斜面1c、前面1d、側壁1eによって囲まれた横長の箱型形状をなす。4は吸込口本体1の底面1aに形成された横長の本体吸込口、19は吸込口本体4の上方傾斜面1cの背部にほぼ円形状に開口した嵌合穴である。
【0020】
6は補助吸込口本体で、円筒状の基端部6aと、基端部6aから徐々に縮幅されてテーパー状に形成された細筒部6bとからなり、細筒部6bの先端部は開口して補助吸込口8が形成されている。そして、補助吸込口本体6は吸込口本体1内においてその先端部が吸込口本体1の一方の側壁1eに設けた開口部19aに挿入されて一部が外部に露出し、基端部6aが嵌合部19に嵌入されて一体に保持される。8aは補助吸込口8に出し入れ可能に装着された出し入れ口である。21は補助吸込口本体6の基端部6aの補助吸込口8側の側壁に設けた第3の連通穴、22は第3の連通穴21と90度隔てた吸込口4側に開口する第4の連通穴である。
【0021】
23は連結筒で、補助吸込口本体6の円筒状の基端部6aに回動自在に嵌合された内接円筒部24と、この内接円筒部24から斜め上方に折り曲げられてホース(図示せず)に接続される接続筒部25からなっている。22は内接円筒部24の先端部側壁に設けた第4の連通穴で、図6、図7の状態では吸込具本体1の本体吸込具4側に開口している。
【0022】
そして、第3、第4、第5の連通穴21,22,26の関係位置は、連通筒23が吸込口本体1とほぼ直角に位置するときは、連結筒23の第5の連通穴26と補助吸込口本体6の第4の連通穴22が吸込口本体1の本体吸込口4側に位置して連通し、補助吸込口本体6の第3の連通穴21は連通筒23の内接円筒部24の側壁によって塞がれるようになっている。一方、図8、図9に示すように、連通筒23が90度回動して補助吸込口本体6とほぼ平行に位置するときは、連通筒23の第5の連通穴26と補助吸込口本体6の第3の連通穴21が連通すると共に、補助吸込口本体6の第4の連結穴22が連通筒23の内接円筒部24の側壁によって塞がれるようになっている。
【0023】
上記のように構成した実施の形態2の作用を説明する。まず、補助吸込口本体6の補助吸込口8を使用しない場合について説明する。この場合は、図6、図7に示すように、連通筒23を吸込口本体1とほぼ直交して位置させる。これにより、連結筒23の第5の連通穴26は吸込口本体1の本体吸込口4側に位置し、補助吸込口本体6の第3の連通穴21とはぼ90度ずれた位置にある。このため、補助吸込口本体6の第3の連通穴21は連結筒23の内接円筒部24の側壁によって塞がれ、補助吸込口8は遮断される。一方、連結筒23の第5の連通穴26と補助吸込口本体6の第4の連通穴22は連通しているので連通筒23の通路は開放状態にある。
この状態で、吸込口本体1の本体吸込口4を使用して床面等の掃除を行えば、塵埃等は本体吸込口4から吸込口本体1内に吸引され、第3、第4の連通穴222,26を通って矢印で示す方向に進み、連通筒23を通って電気掃除機本体 (図示せず)方向に流れる。
【0024】
次に、補助吸込口本体6を使用する場合について説明する。この場合は、連通筒23を、図6、図7に示す状態から、補助吸込口本体6の基端部6a内をほぼ90度回動させて、図8、図9に示すように、連通筒23の電気掃除機本体側と補助吸込口本体6の補助吸込口8側とが反対方向に向くように位置させる。こうすると、連通筒23の第5の連通穴26が補助吸込口本体6の吸込口8側に位置し、補助吸込口本体6の第3の連通穴21と同方向に位置する。このため、補助吸込口本体1の第4の連通穴22は連通筒2の内接円筒部24の側壁によって塞がれ、吸込口本体1の本体吸込口4は遮断される。一方、連結筒23の第5の連通穴26と補助吸込口本体6の第3の連通穴21は連通しているので、補助吸込口本体6の通路は開放状態になる。
【0025】
この状態で、補助吸込口本体6の補助吸込口8から出し入れ口8aを引き出して、部屋や階段の壁際や狭い隙間などを掃除する。こうすると、塵埃等は補助吸込口8の出し入れ口8aから補助吸込口本体6内に吸引され、第3、第5の連通穴21,26を通って矢印で示す方向に進み、連通筒23を通って電気掃除機本体方向に流れる。
【0026】
実施の形態2によれば、連結筒23を回動させて、補助吸込口本体6の補助吸込口8が遮断されたときは吸込口本体1の本体吸込口4を開口し(図6、図7)、補助吸込口本体6の補助吸込口8が開口したときは吸込口本体1の本体吸込口4を遮断する(図8、図9)ようにしたので、吸込口の差し替えをしないで切換えることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる電気掃除機の吸込具は、掃除機本体に連結する連通筒を備え第1の連通穴と本体吸込口を有する本体吸込部と、基端部に第2の連通穴を有し先端に補助吸込口を有する細筒部を形成し、基端部が本体吸込部に回動自在に取付けられ、回動位置によって第1の連通穴と第2の連通穴を連通又は遮断させる補助吸込部と、補助吸込部を回動自在に軸支するともに補助吸込部の回動と連動して連通筒を開閉させる切換え手段とを有し、切換え手段を、ほぼ円形の基板及び基板の外周のほぼ2分の1の範囲に突設されて開口部が設けられた縦壁よりなり連通筒内に取り付けられた開閉盤と、一端が開口部の上部に開閉自在に取付けられて開口部を開閉する板状の開閉弁と、下部が基板に固定され上部が補助吸込部の基端部に固定されて補助吸込部及び開閉盤を回動自在に一体に軸支する回動軸とによって構成し、本体吸込部の使用時には、本体吸込部の本体吸込口と補助吸込部の補助吸込口は反対方向に向くようにし、開閉盤は開口部が連通筒側に位置し、第1、第2の連通穴が連通せず、補助吸込部の使用時には、本体吸込部の本体吸込口と補助吸込部の補助吸込口が同方向に向くようにし、開閉盤は開口部が本体吸込部の本体吸込口側に位置し、第1、第2の連通穴が連通するようにした。このため、吸込具を使用して掃除をする際に、用途に適した吸込口の切替えを吸込具の差し替えなしで簡易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の縦断面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 図1の要部の斜視図である。
【図4】 図1の作用を示す縦断面図である。
【図5】 図2の作用を示す平面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2の縦断面図である。
【図7】 図6の平面図である。
【図8】 図6の作用を示す側断面図である。
【図9】 図7の作用を示す平面図である。
【図10】 従来の電気掃除機の吸込具の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 吸込口本体、2 連通筒、4 本体吸込口、5 第1の連通穴、6 補助吸込口本体、6a 基端部、6b 細筒部、7 第2の連通穴、8 補助吸込口、10 切換え手段、12 基板、13 縦壁、16 開口部、17 開閉弁、18 回動軸、21 第3の連通穴、22 第4の連通穴、23 連結筒、26
第5の連通穴。

Claims (1)

  1. 掃除機本体に連結する連通筒を備え第1の連通穴と本体吸込口を有する本体吸込部と、基端部に第2の連通穴を有し先端に補助吸込口を有する細筒部を形成し、前記基端部が前記本体吸込部に回動自在に取付けられ、回動位置によって前記第1の連通穴と第2の連通穴を連通又は遮断させる補助吸込部と、該補助吸込部を回動自在に軸支するともに該補助吸込部の回動と連動して前記連通筒を開閉させる切換え手段とを有し、
    前記切換え手段を、ほぼ円形の基板及び該基板の外周のほぼ2分の1の範囲に突設されて開口部が設けられた縦壁よりなり前記連通筒内に取り付けられた開閉盤と、一端が前記開口部の上部に開閉自在に取付けられて該開口部を開閉する板状の開閉弁と、下部が前記基板に固定され上部が補助吸込部の基端部に固定されて前記補助吸込部及び開閉盤を回動自在に一体に軸支する回動軸とによって構成し、
    前記本体吸込部の使用時には、該本体吸込部の本体吸込口と前記補助吸込部の補助吸込口は反対方向に向くようにし、前記開閉盤は開口部が連通筒側に位置し、前記第1、第2の連通穴が連通せず、前記補助吸込部の使用時には、前記本体吸込部の本体吸込口と前記補助吸込部の補助吸込口が同方向に向くようにし、前記開閉盤は開口部が本体吸込部の本体吸込口側に位置し、前記第1、第2の連通穴が連通することを特徴とする電気掃除機の吸込具。
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