JP3860974B2 - 建物の耐火構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の耐火構造に係り、例えばカーテンウォール部分における延焼を防止するための耐火構造等に利用できる。
【0002】
【背景技術】
ビルなどの建物では、火災時の延焼を防ぐために、床や壁等は耐火構造とされて防火区画を構成している。
そして、このような建物の外壁は、カーテンウォール(非耐力壁)で構成されることが多いが、このカーテンウォール部分も延焼を防止する構造を採用する必要がある。
【0003】
具体的には、火災時に上階への延焼を防止するため、図8に示すように、防火区画の床71に接する部分を含み、所定高さH(建築基準法では90cm)以上の部分を耐火構造材(耐火パネル)72で区画しなければならない。
なお、図8では、耐火構造材72と床71との隙間を、モルタルやロックウール等からなる層間ふさぎ材73で塞いで床と同じ耐火性能を確保している。
【0004】
また、他の方法としては、図9に示すように、外壁面から所定寸法L(建築基準法では50cm)以上突き出した耐火構造のひさし75や、床、そで壁等を防火区画の床71等に連続して形成することで延焼を防止できる構造を採用することもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の建物では、カーテンウォール部分をガラスパネルで構成したガラスカーテンウォールを採用することで、室内からの見通しを良くしたり、意匠性を向上させると共に、自然光が十分に室内に入射するように設計する場合がある。
【0006】
しかしながら、図8に示すように、床部分等を所定高さの耐火構造材72で区画した場合には、カーテンウォールの室内側に耐火構造材72が配置されるので、その耐火構造材72が外部から視認されないように、耐火構造材72の外側に配置されるカーテンウォールには、耐火パネル等のガラスパネル以外の他のパネル材を組み込んでいた。
【0007】
このため、他のカーテンウォールをガラスパネルで構成した場合には、意匠の統一感が損なわれるという問題があった。
また、各階毎に耐火構造材72が配置されたエリアが設けられるため、外壁全面に対してガラスパネルを配置できる面積が小さくなり、自然光を取り込む効率が低下し、室内からの眺望も低下するという問題もあった。
【0008】
一方で、図9に示すような庇75を設けた場合には、各階毎に庇75が設けられるために、外観意匠が制限されるとともに、庇75によって自然光を取り込む効率が低下したり、眺望が低下するという同様の問題もあった。
【0009】
このような問題は、上下階の床部分に防火区画を形成する場合に限らず、同一階における部屋間を仕切る壁部分を防火区画にする場合も、同じように壁の両側に耐火構造材を配置して防火区画を形成したり、外部に突出するそで壁により防火区画を形成した場合にも発生する。
【0010】
本発明の目的は、耐火性能を確保でき、かつ意匠性を向上できて自然光も十分に取り込むことができる建物の耐火構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の建物の耐火構造は、建物内での延焼を防ぐための耐火構造であって、前記建物は、躯体と、前記躯体上に載置固定された床パネルと、床パネルから吊り下げ支持された天井パネルと、カーテンウォールからなる外壁と、床パネルから天井パネルまで架け渡されかつ前記外壁内面から室内側に離れて配置された垂れ壁パネルとを備えるとともに、前記建物での火災発生を検知する火災検知手段と、前記火災検知手段で火災が検知された際に建物の外壁内面に当接するように可動(動か)されて耐火区画を形成する耐火部材とを備え、前記耐火部材は、前記垂れ壁パネルに回動自在に取り付けられ、垂れ壁パネルの室外面に密着された状態から先端が外壁内面に当接される状態まで回動可能に構成され、前記耐火部材が外壁内面に当接された際には、この耐火部材および前記垂れ壁パネルによって前記床パネルから耐火部材先端間に所定高さ寸法の耐火区画が形成されて建物の上下階の延焼を防ぐように構成されていることを特徴とするものである。
なお、耐火部材を可動する(動かす)手段としては、耐火部材を回動させる各種のアクチュエータが利用できる。
【0012】
このような本発明によれば、火災を検知した際に耐火部材を外壁内面に当接させて耐火区画を形成しているので、火災時においては、必要な耐火性能を十分に確保できる。
その上、通常時(火災が発生していない状態)には、耐火区画が形成されておらず、防火区画である床間や壁間を連続した空間に形成できる。このため、従来のような耐火構造材で区画されたエリアがないために、その部分を別途パネル材で覆う必要が無く、例えば床間を1つのパネルを配置してカーテンウォールを構成することもでき、意匠性を向上できる。
さらに、外壁において、耐火構造材で隠される領域がないため、ガラスカーテンウォールで外壁を構成すれば、眺望を向上でき、自然光も十分に取り込むことができる。
【0013】
本発明の建物の耐火構造は、建物内での延焼を防ぐための耐火構造であって、前記建物は、躯体と、前記躯体上に載置固定された床パネルと、床パネルから吊り下げ支持された天井パネルと、カーテンウォールからなる外壁と、床パネルから天井パネルまで架け渡されかつ前記外壁内面から室内側に離れて配置された垂れ壁パネルとを備えるとともに、前記建物での火災発生を検知する火災検知手段と、前記火災検知手段で火災が検知された際に建物の外壁内面に当接するように可動されて耐火区画を形成する耐火部材とを備え、前記耐火部材は、前記垂れ壁パネル、床パネル、天井パネルで被覆されている躯体側の空間内に配置された状態から先端が外壁内面に当接される状態までスライド移動可能に構成され、前記耐火部材が外壁内面に当接された際には、この耐火部材および前記垂れ壁パネルによって前記床パネルから耐火部材先端間に所定高さ寸法の耐火区画が形成されて建物の上下階の延焼を防ぐように構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
このような本発明においても、火災を検知した際には耐火部材を外壁内面に当接させて耐火区画を形成しているので、火災時においては、必要な耐火性能を十分に確保できる。
その上、通常時には、耐火区画が形成されておらず、防火区画である床間や壁間を連続した空間に形成できる。このため、従来のような耐火構造材で区画されたエリアがないために、その部分を別途パネル材で覆う必要が無く、例えば床間を1つのパネルを配置してカーテンウォールを構成することもでき、意匠性を向上できる。
さらに、外壁において、耐火構造材で隠される領域がないため、ガラスカーテンウォールで外壁を構成すれば、眺望を向上でき、自然光も十分に取り込むことができる。
なお、耐火部材を可動する(動かす)手段としては、耐火部材をスライド移動させる各種のアクチュエータが利用できる。
【0016】
また、耐火区画を、壁材と耐火部材とで構成しているので、可動する耐火部材を最小限の大きさにすることができ、その駆動も迅速に行うことができる。
【0017】
また、前記耐火部材は、建物の床部分に配置され、建物の上下階の延焼を防ぐように構成されているので、特に眺望や自然光の取り込みを効果的に向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の耐火構造を適用した建物1の外壁部分が示されている。
建物1は、耐火被覆されたH型鋼からなる躯体2を備え、この躯体2には、コンクリート製の床パネル3が載置固定されて建物の床を形成している。この床パネル3は、スラブ厚が100mm以上であり、2時間耐火が可能な耐火構造の床とされ、この床で防火区画が構成されている。
【0019】
床パネル3の下方には、天井パネル4が躯体2に吊り下げ支持されて配置されており、建物の天井を形成している。
また、床パネル3上にはフロアパネル5が載置されている。
【0020】
この建物1の外壁は、複数のカーテンウォールユニット10を組み合わせたユニット式カーテンウォールで構成されている。
カーテンウォールユニット10は、図2にも示すように、上枠11、下枠12および左右の縦枠13を四角枠状に組み合わせて構成されたフレームと、このフレームの内周面で保持された面材15とを備えて構成されている。
ここで、面材15としては、透明ガラスパネル、熱線反射ガラスパネル、金属パネル等の各種パネルを利用することができるが、本実施形態では、透明熱線反射ガラスが用いられている。
【0021】
このカーテンウォールユニット10の上枠11には、ブラケット16がボルト止めされており、このブラケット16を躯体2側に固定されたファスナー17に係合固定することで、カーテンウォールユニット10は躯体2に吊り下げ支持されている。
また、上下の各カーテンウォールユニット10同士は、上枠11および下枠12間に配置される図示しないジョイント部材によって係合されている。これにより、ブラケット16およびファスナー17によって、躯体2に固定された上枠11に対し、その上側に配置された各カーテンウォールユニット10の下枠12は、室内外方向に移動しないように係止されている。
【0022】
床パネル3の下面から天井パネル4まで、垂れ壁を構成する垂れ壁パネル6が架け渡されている。この垂れ壁パネル6により、躯体2が室内空間に露出しないように被覆されている。
この垂れ壁パネル6は、カーテンウォールユニット10から室内側に所定寸法離れた位置に配置されてかつ外壁面に平行に設けられた上部パネル6Aと、この上部パネル6Aから天井パネル4まで、下方に向かうに従って室内側に位置するように斜め下方に傾斜された下部パネル6Bとで構成されている。
【0023】
この垂れ壁パネル6の下部パネル6Bには、一端が垂れ壁パネル6に回動自在に取り付けられた耐火部材としての耐火パネル20が設けられている。
この耐火パネル20は、垂れ壁パネル6に密着(内蔵)された状態から、他端がカーテンウォールユニット10に当接される状態(図2の二点鎖線の状態)まで回動可能に構成されている。
【0024】
耐火パネル20を回動させる機構としては種々のものが利用できるが、本実施形態では、図3に示すように、耐火パネル20の回動軸20Aに歯車等を介してモータ25を連結し、このモータ25をコントローラ26で制御することで耐火パネル20を回動させている。
具体的には、建物1内に設置された火災検知器30によって火災発生が検知された際には、コントローラ26によってモータ25を駆動し、耐火パネル20をその下端がカーテンウォールユニット10に当接するまで回動するように構成されている。
【0025】
なお、耐火パネル20の下端(回動軸20Aが設けられた一端とは反対側の他端)には、耐火パネル20がカーテンウォールユニット10の面材(ガラス)15に当接した際に面材15を傷つけないように、ゴム製の緩衝材21が取り付けられている。
また、耐火パネル20は、ケイ酸カルシウム板等の所定の耐火性能を有する材料で構成されている。
【0026】
図2に示すように、垂れ壁パネル6において、耐火パネル20の上側の部分には、ロックウール、ケイ酸カルシウム板等からなる耐火被覆材7が吹き付けや貼り付けなどで取り付けられて垂れ壁パネル6を被覆している。この耐火被覆材7は、床パネル3の下面にも取り付けられ、防火区画である床パネル3に接して設けられている。
なお、耐火被覆材7で被覆された床パネル3下面には、電動ブラインド31も配置されている。
【0027】
このような本発明においては、通常時には、耐火パネル20は垂れ壁パネル6に密着されて収納されている。このため、カーテンウォールユニット10の室内側には、床パネル3から上階の床パネル3まで連続する空間が形成される。従って、カーテンウォールユニット10もこの空間に応じた高さ寸法のもの、つまり上下階の床パネル3から床パネル3の高さ寸法を有するものを利用することができる。
この際、カーテンウォールユニット10部分の耐火区画は、床パネル3および床パネル3下面の耐火被覆材7分の高さ寸法H2しかないため、建築基準法で定められた所定の寸法(90cm)は確保されていない。
【0028】
そして、建物1に火災が発生し、火災検知器30で検知されると、コントローラ26によってモータ25が駆動され、耐火パネル20がカーテンウォールユニット10に当接する位置まで、つまり図2の二点鎖線の状態まで回動される。
【0029】
すると、カーテンウォールユニット10部分には、耐火被覆材7および耐火パネル20によって、床パネル3に接する防火区画(耐火区画)が形成される。この防火区画の高さ寸法H1は、耐火パネル20の先端から床パネル3の上面までになり、所定の寸法(90cm)を十分越える寸法にでき、防火区画として十分に機能する。
【0030】
そして、火災が鎮火し、火災検知器30がリセットされた場合には、コントローラ26はモータ25を駆動し、耐火パネル20は垂れ壁パネル6に密着する位置まで戻される。
【0031】
なお、耐火パネル20がカーテンウォールユニット10の幅方向(見付方向に)において、複数のカーテンウォールユニット10に跨って配置される場合には、カーテンウォールユニット10の縦枠13に当接する部分は、その奥行き寸法に応じて耐火パネル20に凹状の切り欠き部を設け、耐火パネル20がカーテンウォールユニット10の面材15および縦枠13に沿って配置されるように形成すればよい。
【0032】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 通常使用時には、耐火パネル20が垂れ壁パネル6部分に収納されているので、上下の床パネル3間を連続した空間に形成できる。このため、従来のような耐火構造材で区画されたエリアがないために、上下の床パネル3間に2つのカーテンウォールユニットを配置する必要が無く、1つのカーテンウォールユニット10を床パネル3間に跨って配置することができる。
従って、カーテンウォールユニット10の設置個数が少なくなって設置時の作業性を向上できる。
【0033】
(2) また、床パネル3から床パネル3までの外壁を、1つのカーテンウォールユニット10で構成できるため、従来のように、耐火構造材が配置されたエリア(腰部)に耐火パネルを設け、開口部に別のカーテンウォールユニットを設けた場合に比べて、意匠の自由度を高めることができる。
特に、前記実施形態では、面材15を透明熱線反射ガラスで構成しているので、上下の床間が全面ガラスつまりfloor to floorのガラスファサードを実現でき、大開口を強調した外観にできて意匠性を向上できる。
【0034】
(3) さらに、カーテンウォールユニット10に沿った室内空間の高さ寸法を大きくできるため、眺望性が高く、自然光もふんだんに取り込むことができる室内空間を構成でき、室内空間の快適性を向上することができる。
【0035】
(4) 火災時には、耐火パネル20が回動して所定の高さ寸法の防火区画を自動的に形成するために、十分な耐火性能を得ることができる。
その上、耐火パネル20の回動は、モータ25等で行っているので、簡単な構成で実現でき、コスト増加も抑えることができ、本実施形態の耐火構造を比較的安価に実現できる。
【0036】
(5) 耐火パネル20は、火災検知器30での検知に応じて自動的に回動されるため、火災発生時には確実に防火区画を形成することができ、延焼、特に上階への延焼の発生を防止できる。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、前記実施形態と同一または相当構成部品には同じ符号等を付し、説明を省略もしくは簡略する。
本実施形態では、耐火パネル20を、第1実施形態のように回動によってカーテンウォールユニット10に当接させるのではなく、スライド移動によって当接させている。
【0038】
すなわち、耐火パネル20は、通常時は、垂れ壁パネル6で被覆されている躯体2側の空間内に配置されており、火災発生時には、所定のアクチュエータによって室外側に押し出されてカーテンウォールユニット10に当接し、防火区画を形成するように構成されている。
従って、耐火被覆材7は、垂れ壁パネル6において床パネル3の下面部分から耐火パネル20が突出される突出口まで貼り付けられている。
【0039】
なお、耐火パネル20をカーテンウォールユニット10に向かって移動(可動)するアクチュエータとしては、例えば、モータおよびラックを使ったもの、コイルばね等の各種ばねとストッパを使ったもの、ピストンおよびシリンダと流体とを使ったもの、電磁石等を利用したものなどの各種のアクチュエータが利用できる。
【0040】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果(1)〜(5)を奏することができる。
(6) その上、耐火パネル20の移動が直線的であるため、アクチュエータを工夫することで、回動する場合に比べて迅速に移動させることもできる。
【0041】
次に、本発明の第3実施形態について、図5を参照して説明する。
本実施形態は、前記各実施形態がカーテンウォールユニット10の室内側に防火区画を形成していたのに対し、外壁の室外側に庇状の防火区画を形成するものである。
すなわち、本実施形態においては、耐火パネル20は、床パネル3部分(床パネル3の上面)に配置され、第2実施形態と同様な所定のアクチュエータによって室外側にスライド移動可能に構成されている。
【0042】
そして、火災発生時には、耐火パネル20はアクチュエータによって外壁から突出するように移動され、図5の二点鎖線で示すように、庇状に配置される。この際の外壁面からの突出寸法L1を所定の寸法(50cm)以上にすれば、耐火構造の庇(床)が構成されて防火区画が形成される。
【0043】
このような本実施形態においても、室内空間に所定高さの防火区画を形成する必要がないため、前記第1実施形態の(1)〜(3)と同様の作用効果を奏することができる。また、火災発生時に耐火パネル20をアクチュエータで移動するようにしているので、前記各実施形態の(5),(6)と同様の作用効果も奏することができる。
【0044】
(7) その上、図9に示す従来の庇状の防火区画では、外壁から庇75が常時突出しているので、外観意匠が制限されるが、本実施形態では、火災発生時のみ耐火パネル20が突出し、通常時は外壁よりも室内側に収納されて突出していないので、建物1の外壁の外観意匠の自由度が高まり、意匠性を向上できる。
【0045】
次に、本発明の第4実施形態について、図6を参照して説明する。
本実施形態は、外壁の室外側に庇状の防火区画を形成する際に、耐火パネル20を回動させて庇状に形成するように構成したものである。
【0046】
すなわち、本実施形態においては、耐火パネル20は、外壁に沿って配置されている。
そして、火災発生時には、耐火パネル20は、第1実施形態と同様なモータ等の所定のアクチュエータによって回動され、図6の二点鎖線で示すように、庇状に配置される。この際の外壁面からの突出寸法L1を所定の寸法(50cm)以上にすれば、耐火構造の庇(床)が構成されて防火区画が形成される。
【0047】
このような本実施形態においても、前記第3実施形態と同様に、前記各実施形態の(1)〜(5),(7)と同様の作用効果を奏することができる。
(8) その上、第3実施形態のように、耐火パネル20は室内側に配置されないため、室内空間をより一層有効に利用することができ、防水性能なども向上することができる。
【0048】
なお、本発明は、前述の各実施の形態に限定されない。
例えば、前記第1実施形態において、耐火パネル20を回動させる機構としては、図7に示すような、駆動アーム50を用いて耐火パネル20の下端側を室内外方向に移動させて回動する機構を用いてもよい。
同様に、前記各実施形態においても、耐火パネル20を回動あるいはスライド移動させる機構は、実施にあたって適宜設定すればよい。
【0049】
また、カーテンウォールユニット10の面材としては、熱線反射ガラスパネルに限らず、一般的なガラスパネルや強化ガラスパネル、さらには金属パネル等でもよい。
また、カーテンウォールとしては、前記実施形態のようなユニット式のカーテンウォールに限らず、建設現場で方立、無目等を建物躯体に取り付け、ガラスやパネル等の面材を取り付けて構成される方立式のカーテンウォールでもよい。
【0050】
さらに、耐火パネル20を回動させて可動する場合には、前記実施形態のように上端側を支点にする場合に限らず、下端側を支点にして回動させてもよい。このような構成では、前記実施形態のように斜めに配置された下部パネル6B部分に耐火パネル20を配置し、その上端をストッパ等で下部パネル6Bに係止しておき、火災発生時にストッパを外すようにすれば、耐火パネル20は自重により回動してカーテンウォールユニット10に当接するため、非常に簡単な機構でかつ迅速に防火区画を形成できる。
【0051】
また、前記第1,2実施形態では、垂れ壁パネル6から耐火パネル20を回動あるいはスライド移動させて防火区画を形成していたが、例えば、床パネル3の下面部分に耐火パネル20をスライド移動可能に支持しておき、この耐火パネル20を床パネル3から斜め下方に移動させてカーテンウォールユニット10に当接させることで防火区画を形成するようにしてもよい。要するに、耐火パネル20を移動させることで、所定の高さ寸法の防火区画を形成できればよい。
但し、前記実施形態のように、垂れ壁パネル6の耐火被覆材7と耐火パネル20とで防火区画を形成すれば、耐火パネル20を最小限の大きさにすることができ、その駆動も迅速に行うことができる利点がある。
【0052】
さらに、本発明の建物の耐火構造は、前記各実施形態のような上下階の床部分に防火区画を形成する場合に限らず、同一階における部屋間を仕切る界壁部分等を防火区画にする場合にも同様に用いることができる。
また、火災検知器30としては、温度や煙を感知するものなど、一般的なものが利用できる。なお、通常のビルなどでは、火災検知器30は防災上設定されているため、その情報を利用して耐火パネル20を可動させればよい。
【0053】
【発明の効果】
このような本発明の建物の耐火構造によれば、耐火性能を確保でき、かつ意匠性を向上できて自然光も十分に取り込むことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における耐火構造を適用したカーテンウォール部分を示す縦断面図である。
【図2】前記実施形態の床部分を示す拡大縦断面図である。
【図3】前記実施形態の制御システムを示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態の要部を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態の要部を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態の要部を示す縦断面図である。
【図7】本発明の変形例の要部を示す縦断面図である。
【図8】本発明の従来例の要部を示す縦断面図である。
【図9】本発明の従来例の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…建物、2…躯体、3…床パネル、4…天井パネル、5…フロアパネル、6…壁パネル、6A…上部パネル、6B…下部パネル、7…耐火被覆材、10…カーテンウォールユニット、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、15…面材、16…ブラケット、17…ファスナー、20…耐火パネル、20A…回動軸、21…緩衝材、25…モータ、26…コントローラ、30…火災検知器、31…電動ブラインド、50…駆動アーム、71…床、72…耐火構造材、73…層間ふさぎ材、75…庇

Claims (2)

  1. 建物内での延焼を防ぐための耐火構造であって、
    前記建物は、躯体と、前記躯体上に載置固定された床パネルと、床パネルから吊り下げ支持された天井パネルと、カーテンウォールからなる外壁と、床パネルから天井パネルまで架け渡されかつ前記外壁内面から室内側に離れて配置された垂れ壁パネルとを備えるとともに、前記建物での火災発生を検知する火災検知手段と、前記火災検知手段で火災が検知された際に建物の外壁内面に当接するように可動されて耐火区画を形成する耐火部材とを備え
    前記耐火部材は、前記垂れ壁パネルに回動自在に取り付けられ、垂れ壁パネルの室外面に密着された状態から先端が外壁内面に当接される状態まで回動可能に構成され、前記耐火部材が外壁内面に当接された際には、この耐火部材および前記垂れ壁パネルによって前記床パネルから耐火部材先端間に所定高さ寸法の耐火区画が形成されて建物の上下階の延焼を防ぐように構成されている建物の耐火構造。
  2. 建物内での延焼を防ぐための耐火構造であって、
    前記建物は、躯体と、前記躯体上に載置固定された床パネルと、床パネルから吊り下げ支持された天井パネルと、カーテンウォールからなる外壁と、床パネルから天井パネルまで架け渡されかつ前記外壁内面から室内側に離れて配置された垂れ壁パネルとを備えるとともに、前記建物での火災発生を検知する火災検知手段と、前記火災検知手段で火災が検知された際に建物の外壁内面に当接するように可動されて耐火区画を形成する耐火部材とを備え
    前記耐火部材は、前記垂れ壁パネル、床パネル、天井パネルで被覆されている躯体側の空間内に配置された状態から先端が外壁内面に当接される状態までスライド移動可能に構成され、前記耐火部材が外壁内面に当接された際には、この耐火部材および前記垂れ壁パネルによって前記床パネルから耐火部材先端間に所定高さ寸法の耐火区画が形成されて建物の上下階の延焼を防ぐように構成されている建物の耐火構造。
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