JP3860769B2 - O/w/o型多相エマルジョン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、O/W/O型多相エマルジョンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
O/W/O型多相エマルジョンは、有効成分の徐放化、油溶性物質の安定配合、エモリエント効果の向上、さらには内油相と外油相の組成変化による使用感の改善などの目的で研究されている。O/W/O型多相エマルジョンの調製方法としては、一段階乳化法、二段階乳化法がある。一段階乳化法は、界面活性剤を含む油相と界面活性剤を含む水相を混合することによりO/W/O型多相エマルジョンを得る方法である。一方、二段階乳化法は、O/W型エマルジョンを調製し、そのO/W型エマルジョンを界面活性剤を用いて油相に分散させる方法であり、O/W型エマルジョンの水相にアルキル変性カルボキシビニルポリマーのような高分子を添加する方法などが知られている。
【0003】
しかしながら、このような従来のO/W/O型多相エマルジョンにあっては、一段階乳化法においては、内油相と外油相の組成が同じであるため、有効成分あるいは不安定成分の内包といったO/W/O型多相エマルジョンの特性を活かすことができない、水滴の中に油滴が存在しないW/O型エマルジョンが共存してO/W/O型多相エマルジョンの調製率が低い、W/O/W型多相エマルジョンの調製においては、内相となるW/O型エマルジョンの安定化および微細化が二段階乳化法に比べて一段階乳化法の方が容易であるというメリットがあるが、O/W/O型多相エマルジョンの調製においては、二段階乳化法においても内相となるO/W型エマルジョンの安定化および微細化が容易であるため、一段階乳化法を用いるメリットがない、などの問題点があった。
【0004】
また、二段階乳化法においては、外相となるW/O型エマルジョンの安定化が難しい、経時的安定性の確保が難しい、界面活性剤を使用するため、べたつきなどが生じる、界面活性剤が経皮吸収されるおそれがあるため、配合量を少なくする必要がある、アルキル変性カルボキシビニルポリマーのような高分子を用いたO/W型エマルジョンでは、微細な粒径のものが得られない、などの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、経時安定性に優れたO/W/O型多相エマルジョンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩からなる群から選択された一種以上の化合物を水相に含むO/W型エマルジョンを、(b)脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分ならびにポリビニルピロリドンを含み、かつ界面活性剤を含まない油相に分散させることにより得られるO/W/O型多相エマルジョン、
(c)前記油分およびポリビニルピロリドンを含み、かつ界面活性剤を含まないO/W型エマルジョンを、(d)油相に分散させることにより得られるO/W/O型多相エマルジョン、
(e)無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩からなる群から選択された一種以上の化合物、ポリビニルピロリドンを含むO/W型エマルジョンを、(f)前記油分およびポリビニルピロリドンを含む油相に分散させることにより得られ、かつ界面活性剤を含まないことを特徴とするO/W/O型多相エマルジョン、および
ポリビニルピロリドンを0.1〜10重量%含有する前記のO/W/O型多相エマルジョンに関する。
【0007】
本発明のO/W/O型多相エマルジョンは、経時安定性に優れるという特徴を有する。また、本発明のO/W/O型多相エマルジョンには、経時安定性に優れ、かつ界面活性剤を含まないという特徴を有するものも含まれる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のO/W/O型多相エマルジョンは、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分ならびに前記油分に可溶な一種以上の高分子を内油相および外油相の少なくとも一方に含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンは、無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩からなる群から選択された一種以上の化合物を水相に含むO/W型エマルジョンを、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分ならびに前記油分に可溶な一種以上の高分子を含み、かつ界面活性剤を含まない油相に分散させることにより得ることができる。
【0010】
本発明において、無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩は、塩析効果により、前記油分に可溶な高分子を親油性乳化剤として作用させることから、W/O型エマルジョンを得ることができる。
【0011】
無機酸塩は、水溶性で塩析効果を示すものであれば特に限定されないが、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩などが好ましく、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどを用いることができる。特に硫酸ナトリウムなどの硫酸塩が好ましい。
【0012】
有機酸塩は、水溶性で塩析効果を示すものであれば特に限定されないが、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸一カリウムなどのクエン酸塩;コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウムなどのコハク酸塩;酒石酸二ナトリウムなどの酒石酸塩などを用いることができる。これらの有機酸塩は、有機酸塩および有機酸塩の水和物として添加することもできるが、有機酸をアルカリで中和して添加することもできる。
【0013】
アミノ酸またはその塩としては、水溶性で塩析効果を示すものであれば特に限定されないが、グリシン、プロリン、アラニン、アスパラギン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムなどを用いることができる。
【0014】
無機酸塩、有機酸塩およびアミノ酸塩は、水溶性であり、塩析効果を示すものであれば特に限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが用いられる。
【0015】
本発明において、無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩は、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜3重量%含有される。0.1重量%未満では塩析効果が不充分であり、10重量%をこえると塩の析出などにより、系が不安定となる。
【0016】
本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンには、内油相を形成する成分として、常温で固形、ペースト状、液状いずれの形状のものでも配合することができ、炭化水素系の極性油、非極性油、シリコーン系オイルなどを使用することができる。
【0017】
本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンの内相となるO/W型エマルジョンには、内油相に界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、POEソルビタンステアレート;POE(60)硬化ひまし油などのポリオキシエチレン硬化ひまし油;ポリグリセリンジステアレート、ポリグリセリンラウレートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル;ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステルなどを用いることができる。
【0018】
O/W型エマルジョンに含有される界面活性剤は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%配合することができる。0.1重量%未満では、安定なO/W型エマルジョンを得ることができず、10重量%をこえると、べたついた使用感となり好ましくない。
【0019】
本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンにおいては、油分に不溶な高分子を水相に添加することができる。油分に不溶な高分子をO/W/O型エマルジョンの調製時に添加することにより、O/W型エマルジョンの調製および安定化、O/W型エマルジョンの油相への分散を容易にすることができる。
【0020】
前記油分に不溶な高分子としては、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、アクリル酸ナトリウム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースなどを用いることができる。
【0021】
前記油分に不溶な高分子を配合しない場合にも乳化は可能であるが、O/W/O型多相エマルジョンの10重量%以下、好ましくは0.1〜1重量%配合することができる。0.1重量%未満では、乳化はするものの水相を油相へ分散させるときの分散性が低く、大きな撹拌力を要する。10重量%をこえると、べたつき、およびぬめりなどが生じて使用感がわるくなる。
【0022】
本発明において、O/W型エマルジョンは、たとえば、界面活性剤を含有する油相を必要に応じて加熱して得られる均一溶液に水相成分を添加したのち、ホモミキサーなどで処理することにより、調製することができる。無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩は、O/W型エマルジョンを調製する際、あるいは調製したのち、いずれの段階に添加してもよい。
【0023】
本発明において、O/W型エマルジョンの油相と水相の比率は特に限定されないが、好ましくは油相:水相=90〜0.1:10〜99.9(重量比)、より好ましくは油相:水相=80〜10:20〜90(重量比)である。油相が0.1重量%未満では、実質的に有用なO/W/O型多相エマルジョンを得ることができず、90重量%をこえると、安定なO/W型エマルジョンを得ることができない。
【0024】
脂肪酸は、炭素数6以上で常温(25℃)において固形あるいは液状のものであれば、特に限定されるものではない。常温において固形である脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などを使用することができる。また、常温において液状である脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸などの直鎖脂肪酸;イソパルミチン酸、イソステアリン酸などの分岐脂肪酸;オレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸などの不飽和脂肪酸などを使用することができる。特に常温で液状のものが好ましい。
【0025】
高級アルコールは、炭素数6以上で常温(25℃)において固形あるいは液状のものであれば、特に限定されるものではない。常温において固形である高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどを使用することができる。また、常温において液状である高級アルコールとしては、オクタノール、デカノールなどの直鎖高級アルコール;イソステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの分岐高級アルコール;オレイルアルコールなどの不飽和高級アルコールなどを使用することができる。特に常温で液状のものが好ましい。
【0026】
炭素数が6未満の脂肪酸および高級アルコールでは、親油性が不充分である。油相を形成する脂肪酸および高級アルコールの親油性が不充分である場合には、前記油分に可溶な高分子が油相に配向しにくくなり、乳化剤としての作用が低下するため、エマルジョンの安定性が低下する傾向がある。
【0027】
常温で固形の脂肪酸および高級アルコールは、油相成分との相溶性が液状の脂肪酸および高級アルコールに比べて低い。しかし、液状脂肪酸およびトリグリセリンエステルなどと併用することにより、相溶性を上げることができる。
【0028】
外油相に含有される脂肪酸および高級アルコールは、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1重量%以上、より好ましくは2重量%以上である。0.1重量%未満では、良好なエマルジョンを得ることができない。脂肪酸および高級アルコールは、通常油分として使用されるため、特に上限はなく、使用性などを考慮して配合することができる。
【0029】
前記油分に可溶な高分子としては、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体、ポリN-ビニルアセトアミドなどを用いることができる。ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体が好ましく、ポリビニルピロリドンがより好ましい。
【0030】
前記油分に可溶な高分子の分子量としては、重量平均分子量が1000〜1500000、なかんづく5000〜500000のものが用いられる。前記油分に可溶な高分子としては、市販品を用いることができる。重量平均分子量が1000未満のときには、経皮吸収されるおそれがあり、1500000をこえるときには、粘度、べたつき、およびぬめりなどの面で使用性への影響が大きくなる。ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体中、酢酸ビニルは好ましくは0〜90モル%含有されることができる。90モル%をこえると充分な親水性を得ることができず、乳化剤として機能することができない。また、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体については、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルカプロラクタムともに単独で前記油分に可溶な高分子として使用することができるため、特に組成は限定されない。
【0031】
前記油分に可溶な高分子として用いられるビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体およびビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体は、ランダム共重合体あるいはブロック共重合体として使用される。
【0032】
外油相に含有される前記油分に可溶な高分子は、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜2重量%配合される。0.1重量%未満では乳化剤としての効果が不充分であり、10重量%をこえると系の粘度が高くなりすぎて使用性がわるく、また高分子によるぬめりなども感じられるため好ましくない。
【0033】
前記油分に可溶な高分子は、本発明において乳化剤として作用する化合物である。したがって、前記油分に可溶な高分子を含む油相には、界面活性剤を含有させる必要がない。
【0034】
本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンには、外油相を形成する成分として、常温で固形、ペースト状、液状いずれの形状のものでも配合することができ、炭化水素系の極性油、非極性油、シリコーン系オイルなどを使用することができる。
【0035】
本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンは、前述のようにして得られたO/W型エマルジョンを、前記油分および前記油分に可溶な高分子を含み、かつ界面活性剤を含まない均一溶液(油相)に、ディスパー(特殊機化工業株式会社製の攪拌分散機)で攪拌しながら徐々に添加することにより、得ることができる。
【0036】
ポリビニルピロリドンなどの前記油分に可溶な高分子を油分に溶解させる場合には、通常加温が必要であるが、ポリビニルピロリドンなどの油分に可溶な高分子を溶解させる溶媒、たとえばエタノールなどを用いることで操作を簡便にすることができる。
【0037】
本発明において、O/W型エマルジョンと外油相の比率は特に限定されないが、好ましくはO/W型エマルジョン:外油相=50〜90:50〜10(重量比)、より好ましくはO/W型エマルジョン:外油相=60〜80:40〜20(重量比)である。外油相が10重量%未満では乳化が困難となり、50重量%をこえるとエマルジョンの安定化が難しくなる。
【0038】
本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンには、無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩からなる群から選択された一種以上の化合物、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分、前記油分に可溶な一種以上の高分子、界面活性剤ならびに前記油分に不溶な高分子以外に、保湿剤、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化チタンや酸化亜鉛のような粉体、酸化鉄のような着色料などを配合させることもできる。
【0039】
本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンにおいては、前記油分に可溶な高分子を外油相に含有させることによってW/O型エマルジョンの乳化を行なうことにより、界面活性剤を用いる従来技術では難しいW/O型エマルジョンの安定化が可能となる。したがって、本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンは、経時安定性の良好なO/W/O型多相エマルジョンとして有効に利用されることができる。また、本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンは、外油相に界面活性剤を含有していないため、安全性の高いO/W/O型多相エマルジョンとして有効に利用されることができる。
【0040】
本発明の第1のO/W/O型多相エマルジョンは、たとえば、乳液、保湿クリームなどの基礎化粧品;ファンデーション、口紅などのメイクアップ化粧品;毛髪化粧品;ボディ用化粧品;芳香化粧品;徐放性製剤などの医薬品;マイクロカプセルの調製などに使用することができる。
【0041】
また、本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンは、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分ならびに前記油分に可溶な一種以上の高分子を含み、かつ界面活性剤を含まないO/W型エマルジョンを油相に分散させることにより得ることができる。
【0042】
脂肪酸および高級アルコールとしては、第1のO/W/O型多相エマルジョンと同様のものを用いることができる。
【0043】
内油相に含有される脂肪酸および高級アルコールは、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1重量%以上、より好ましくは2重量%以上である。0.1重量%未満では、良好なエマルジョンを得ることができない。脂肪酸および高級アルコールは、通常油分として使用されるため、特に上限はなく、使用性などを考慮して配合することができる。
【0044】
前記油分に可溶な高分子としては、第1のO/W/O型多相エマルジョンと同様のものを用いることができる。
【0045】
内油相に含有される前記油分に可溶な高分子は、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜2重量%配合される。0.1重量%未満では乳化剤としての効果が不充分であり、10重量%をこえると系の粘度が高くなりすぎて使用性がわるく、また高分子によるぬめりなども感じられるため好ましくない。
【0046】
前記油分に可溶な高分子は、本発明において乳化剤として作用する化合物である。したがって、前記油分に可溶な高分子を含む油相には、界面活性剤を含有させる必要がない。
【0047】
本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンには、内油相を形成する成分として、前記油分以外の油分を含有させることができる。前記油分以外の油分としては、常温で固形、ペースト状、液状いずれの形状のものでも配合することができ、炭化水素系の極性油、非極性油、シリコーン系オイルなどを使用することができる。
【0048】
本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンは、さらに内油相に三価以上の多価アルコールを含有することができる。三価以上の多価アルコールを配合しない場合にも良好なエマルジョンを得ることはできるが、油分および三価以上の多価アルコールによってゲルを形成したのち、水相に分散させることで、さらに良好なO/W型エマルジョンを得ることができる。したがって、三価以上の多価アルコールを配合させることにより、とりわけ内油相に配合させることにより、乳化状態および経時安定性がさらに良好になる。
【0049】
三価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトールなどがあげられる。三価以上の多価アルコールとしては、高分子量体、たとえばポリグリセリンなどを使用することもでき、価数の上限については特に限定されるものではない。三価未満のアルコールでは油分とともにゲルを形成することができない。
【0050】
三価以上の多価アルコールは、内油相に、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%配合される。1重量%未満ではゲルを形成することができず、20重量%をこえると、べたついた使用感となる。三価以上の多価アルコールは、そのまま添加してもよく、また、水溶液として添加してもよい。水溶液の多価アルコールの濃度は多価アルコールの種類により異なるため特に限定されないが、可能な限り高濃度であることが好ましい。
【0051】
三価以上の多価アルコールは、内油相に、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%配合される。1重量%未満ではゲルを形成することができず、20重量%をこえると、べたついた使用感となる。三価以上の多価アルコールは、そのまま添加してもよく、また、水溶液として添加してもよい。水溶液の多価アルコールの濃度は多価アルコールの種類により異なるため特に限定されないが、可能な限り高濃度であることが好ましい。
【0052】
本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンにおいては、油分に不溶な高分子を水相に添加することができる。油分に不溶な高分子は、水相に添加されると、水相の増粘剤として働き、O/W型エマルジョンを安定化することができる。また、油分に不溶な高分子をO/W/O型エマルジョンの調製時に、添加することにより、O/W型エマルジョンの油相への分散を容易にすることができる。
【0053】
前記油分に不溶な高分子としては、第1のO/W/O型多相エマルジョンと同様のものを用いることができる。
【0054】
前記油分に不溶な高分子を配合しない場合にも乳化は可能であるが、O/W/O型多相エマルジョンの10重量%以下、好ましくは0.1〜1重量%配合することができる。0.1重量%未満では、乳化はするものの水相を油相へ分散させるときの分散性が低く、大きな撹拌力を要する。10重量%をこえると、べたつき、およびぬめりなどが生じて使用感がわるくなる。
【0055】
本発明において、O/W型エマルジョンは、たとえば、内油相成分を必要に応じて加熱して均一な溶液とし、前記油分に不溶な高分子の水溶液を徐々に添加してホモミキサーで攪拌することにより得ることができる。また、ポリビニルピロリドンなどの前記油分に可溶な高分子を油分に溶解させる場合には、通常加温が必要であるが、ポリビニルピロリドンなどの油分に可溶な高分子を溶解させる溶媒、たとえばエタノールなどを用いることで操作を簡便にすることができる。
【0056】
本発明において、O/W型エマルジョンの油相と水相の比率は特に限定されないが、好ましくは油相:水相=90〜0.1:10〜99.9(重量比)、より好ましくは油相:水相=80〜10:20〜90(重量比)である。油相が0.1重量%未満では、実質的に有用なO/W/O型多相エマルジョンを得ることができず、90重量%をこえると、安定なO/W型エマルジョンを得ることができない。
【0057】
本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンには、外油相を形成する成分として、常温で固形、ペースト状、液状いずれの形状のものでも配合することができ、炭化水素系の極性油、非極性油、シリコーン系オイルなどを使用することができる。
【0058】
本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンには、外油相に界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、ソルビタンイソステアレート、ソルビタンオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ジグリセリンジイソステアレート、ポリグリセリンペンタオレエートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル;ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖ポリラウリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステルなどを用いることができる。
【0059】
外油相に含有される界面活性剤は、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜2重量%配合することができる。0.01重量%未満では、W/O型エマルジョンを調製することができず、10重量%をこえると、べたついた使用感となり好ましくない。
【0060】
本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンは、前述のようにして得られたO/W型エマルジョンを、外油相成分を含む均一溶液に、ディスパーで攪拌しながら徐々に添加することにより、得ることができる。
【0061】
本発明において、O/W型エマルジョンと外油相の比率は特に限定されないが、好ましくはO/W型エマルジョン:外油相=50〜90:50〜10(重量比)、より好ましくはO/W型エマルジョン:外油相=60〜80:40〜20(重量比)である。外油相が10重量%未満では乳化が困難となり、50重量%をこえるとエマルジョンの安定化が難しくなる。
【0062】
本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンには、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分、前記油分に可溶な一種以上の高分子、界面活性剤ならびに前記油分に不溶な高分子以外に、保湿剤、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化チタンや酸化亜鉛のような粉体、酸化鉄のような着色料などを配合させることもできる。
【0063】
本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンは、経時安定性の良好なO/W/O型多相エマルジョンとして有効に利用される。また、通常のO/W型エマルジョンの調製には大量の界面活性剤が用いられるが、本発明の内油相には界面活性剤が含有されないため、本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンは、安全性の高いO/W/O型多相エマルジョンとして有効に利用されることができる。
【0064】
本発明の第2のO/W/O型多相エマルジョンは、たとえば、乳液、保湿クリームなどの基礎化粧品;ファンデーション、口紅などのメイクアップ化粧品;毛髪化粧品;ボディ用化粧品;芳香化粧品;徐放性製剤などの医薬品;マイクロカプセルの調製などに使用することができる。
【0065】
さらに、本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンは、無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩からなる群から選択された一種以上の化合物、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分ならびに前記油分に可溶な一種以上の高分子を含み、かつ界面活性剤を含まないO/W型エマルジョンを、前記油分および前記油分に可溶な一種以上の高分子を含み、かつ界面活性剤を含まない油相に分散させることにより得ることができる。
【0066】
本発明において、無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩は、塩析効果により、前記油分に可溶な高分子を親油性乳化剤として作用させることから、W/O型エマルジョンを得ることができる。
【0067】
無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩としては、第1のO/W/O型多相エマルジョンと同様のものを用いることができる。
【0068】
本発明において、無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩は、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜3重量%含有される。0.1重量%未満では塩析効果が不充分であり、10重量%をこえると塩の析出などにより、系が不安定となる。
【0069】
脂肪酸および高級アルコールとしては、第1のO/W/O型多相エマルジョンと同様のものを用いることができる。
【0070】
内油相に含有される脂肪酸および高級アルコールは、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1重量%以上、より好ましくは2重量%以上である。0.1重量%未満では、良好なエマルジョンを得ることができない。脂肪酸および高級アルコールは、通常油分として使用されるため、特に上限はなく、使用性などを考慮して配合することができる。
【0071】
前記油分に可溶な高分子としては、第1のO/W/O型多相エマルジョンと同様のものを用いることができる。
【0072】
内油相に含有される前記油分に可溶な高分子は、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜2重量%配合される。0.1重量%未満では乳化剤としての効果が不充分であり、10重量%をこえると系の粘度が高くなりすぎて使用性がわるく、また高分子によるぬめりなども感じられるため好ましくない。
【0073】
前記油分に可溶な高分子は、本発明において乳化剤として作用する化合物である。したがって、前記油分に可溶な高分子を含む油相には、界面活性剤を含有させる必要がない。
【0074】
本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンには、内油相を形成する成分として、前記油分以外の油分を含有させることができる。前記油分以外の油分としては、常温で固形、ペースト状、液状いずれの形状のものでも配合することができ、炭化水素系の極性油、非極性油、シリコーン系オイルなどを使用することができる。
【0075】
本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンにおいては、油分に不溶な高分子を水相に添加することができる。油分に不溶な高分子は、水相に添加されると、水相の増粘剤として働き、O/W型エマルジョンを安定化することができる。また、油分に不溶な高分子をO/W/O型エマルジョンの調製時に、添加することにより、O/W型エマルジョンの油相への分散を容易にすることができる。
【0076】
前記油分に不溶な高分子としては、第1のO/W/O型多相エマルジョンと同様のものを用いることができる。
【0077】
前記油分に不溶な高分子を配合しない場合にも乳化は可能であるが、O/W/O型多相エマルジョンの10重量%以下、好ましくは0.1〜1重量%配合することができる。0.1重量%未満では、乳化はするものの水相を油相へ分散させるときの分散性が低く、大きな撹拌力を要する。10重量%をこえると、べたつき、およびぬめりなどが生じて使用感がわるくなる。
【0078】
本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンは、さらに内油相に三価以上の多価アルコールを含有することができる。三価以上の多価アルコールを配合しない場合にも良好なエマルジョンを得ることはできるが、油分および三価以上の多価アルコールによってゲルを形成したのち、水相に分散させることで、さらに良好なO/W型エマルジョンを得ることができる。したがって、三価以上の多価アルコールを配合させることにより、とりわけ内油相に配合させることにより、乳化状態および経時安定性がさらに良好になる。
【0079】
三価以上の多価アルコールとしては、第2のO/W/O型多相エマルジョンと同様のものを用いることができる。
【0080】
三価以上の多価アルコールは、内油相に、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%配合される。1重量%未満ではゲルを形成することができず、20重量%をこえると、べたついた使用感となる。三価以上の多価アルコールは、そのまま添加してもよく、また、水溶液として添加してもよい。水溶液の多価アルコールの濃度は多価アルコールの種類により異なるため特に限定されないが、可能な限り高濃度であることが好ましい。
【0081】
本発明において、O/W型エマルジョンは、たとえば、内油相成分を必要に応じて加熱して均一化し、前記油分に不溶な高分子の水溶液を徐々に添加して、さらにホモミキサーで攪拌したのち、無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩からなる群から選択された一種以上の化合物を含む水溶液を加えて均一化させることにより得ることができる。無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩は、O/W型エマルジョンを調製する際、あるいは調製したのち、いずれの段階に添加してもよい。ポリビニルピロリドンなどの前記油分に可溶な高分子を油分に溶解させる場合には、通常加温が必要であるが、ポリビニルピロリドンなどの油分に可溶な高分子を溶解させる溶媒、たとえばエタノールなどを用いることで操作を簡便にすることができる。
【0082】
本発明において、O/W型エマルジョンの油相と水相の比率は特に限定されないが、好ましくは油相:水相=90〜0.1:10〜99.9(重量比)、より好ましくは油相:水相=80〜10:20〜90(重量比)である。油相が0.1重量%未満では実質的に有用なO/W/O型多相エマルジョンを得ることができず、90重量%をこえると安定なO/W型エマルジョンを得ることができない。
【0083】
本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンの外油相には、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択される一種以上の油分ならびに前記油分に可溶な一種以上の高分子が含有される。
【0084】
外油相に含まれる脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択される一種以上の油分としては、内油相に含有させることのできる脂肪酸および高級アルコールと同様な油分を用いることができる。
【0085】
外油相に含有される脂肪酸および高級アルコールは、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1重量%以上、より好ましくは2重量%以上である。0.1重量%未満では、良好なエマルジョンを得ることができない。脂肪酸および高級アルコールは、通常油分として使用されるため、特に上限はなく、使用性などを考慮して配合することができる。
【0086】
外油相に含まれる前記油分に可溶な一種以上の高分子としては、内油相に含有させることのできる前記油分に可溶な高分子と同様な高分子を用いることができる。
【0087】
外油相に含有される前記油分に可溶な高分子は、好ましくはO/W/O型多相エマルジョンの0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜2重量%配合される。0.1重量%未満では乳化剤としての効果が不充分であり、10重量%をこえると系の粘度が高くなりすぎて使用性がわるく、また高分子によるぬめりなども感じられるため好ましくない。
【0088】
本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンには、外油相を形成する成分として、前記油分以外の油分を含有させることができる。前記油分以外の油分としては、常温で固形、ペースト状、液状いずれの形状のものでも配合することができ、炭化水素系の極性油、非極性油、シリコーン系オイルなどを使用することができる。
【0089】
本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンは、前述のようにして得られたO/W型エマルジョンを、前記油分および前記油分に可溶な高分子を含み、かつ界面活性剤を含まない均一溶液(油相)に、ディスパーで攪拌しながら徐々に添加することにより、得ることができる。
【0090】
ポリビニルピロリドンなどの前記油分に可溶な高分子を油分に溶解させる場合には、通常加温が必要であるが、ポリビニルピロリドンなどの油分に可溶な高分子を溶解させる溶媒、たとえばエタノールなどを用いることで操作を簡便にすることができる。
【0091】
本発明において、O/W型エマルジョンと外油相の比率は特に限定されないが、好ましくはO/W型エマルジョン:外油相=50〜90:50〜10(重量比)、より好ましくはO/W型エマルジョン:外油相=60〜80:40〜20(重量比)である。外油相が10重量%未満では乳化が困難となり、50重量%をこえるとエマルジョンの安定化が難しくなる。
【0092】
本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンには、無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩からなる群から選択された一種以上の化合物、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分、前記油分に可溶な一種以上の高分子、界面活性剤ならびに前記油分に不溶な高分子以外に、保湿剤、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化チタンや酸化亜鉛のような粉体、酸化鉄のような着色料などを配合させることもできる。
【0093】
本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンは、経時安定性の良好なO/W/O型多相エマルジョンとして有効に利用される。また、内油相および外油相に界面活性剤を含有していないため、安全性の高いO/W/O型多相エマルジョンとして有効に利用されることができる。
【0094】
本発明の第3のO/W/O型多相エマルジョンは、たとえば、乳液、保湿クリームなどの基礎化粧品;ファンデーション、口紅などのメイクアップ化粧品;毛髪化粧品;ボディ用化粧品;芳香化粧品;徐放性製剤などの医薬品;マイクロカプセルの調製などに使用することができる。
【0095】
【実施例】
実施例1〜5および比較例1〜2
表1において、A相中、イソステアリン酸、トリオクタン酸グリセリン、流動パラフィン、環状ポリシロキサンおよびジメチルシリコーンは油分、ポリビニルピロリドンは油分に可溶な高分子、POEソルビタンステアレートは界面活性剤、グリセリンは多価アルコール、エタノールはポリビニルピロリドンを溶解させる溶媒に相当する。B相中、カルボキシメチルセルロースは油分に不溶な高分子に相当する。C相中、硫酸ナトリウムは、無機塩に相当する。D相中、イソステアリン酸、トリオクタン酸グリセリン、流動パラフィン、環状ポリシロキサンおよびジメチルシリコーンは油分、ポリビニルピロリドンは油分に可溶な高分子、ジグリセリンジイソステアレートは界面活性剤、エタノールはポリビニルピロリドンを溶解させる溶媒に相当する。ポリビニルピロリドンとしては、重量平均分子量が50000のものを用いた。
【0096】
表1に示す配合組成(重量比)のグリセリン以外のA相の成分を必要に応じて70℃まで加熱して均一にしたのち、グリセリンを加えてホモミキサーでグリセリンを分散させ、A相と同じ温度にしたB相を徐々に添加した。さらにホモミキサーで攪拌したのち、C相を加えて手で攪拌して均一化させ、O/W型エマルジョンを得た。D相を必要に応じて加熱して均一化したのち、ディスパー(特殊機化工業株式会社製の攪拌分散機)で攪拌しながら前記O/W型エマルジョンを徐々に添加し、O/W/O型多相エマルジョンを得た。
【0097】
調製したO/W/O型多相エマルジョンの安定性は、以下の評価方法および評価基準によって評価した。
【0098】
<安定性評価方法>
調製したO/W/O型多相エマルジョンを50℃で2週間放置したのちの状態を顕微鏡にて観察する。
【0099】
<安定性評価基準>
〇:乳化粒子の合一が見られず、調製直後と変化がない。
△:多相エマルジョン状態であるが、乳化粒子の合一が見られる。
×:多相エマルジョン状態でない。
【0100】
結果を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、内油相および外油相の少なくとも一方に、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分ならびに前記油分に可溶な一種以上の高分子を配合することにより、経時安定性に優れたO/W/O型多相エマルジョンを提供することができる。また、本発明によれば、界面活性剤を用いることなく、O/W/O型多相エマルジョンを提供することもできる。
Claims (4)
- (a)無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩からなる群から選択された一種以上の化合物を水相に含むO/W型エマルジョンを、(b)脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分ならびにポリビニルピロリドンを含み、かつ界面活性剤を含まない油相に、分散させることにより得られるO/W/O型多相エマルジョン。
- (c)脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分ならびにポリビニルピロリドンを含み、かつ界面活性剤を含まないO/W型エマルジョンを、(d)油相に分散させることにより得られるO/W/O型多相エマルジョン。
- (e)無機酸塩、有機酸塩、アミノ酸およびその塩からなる群から選択された一種以上の化合物、脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択された一種以上の油分ならびにポリビニルピロリドンを含むO/W型エマルジョンを、(f)前記油分およびポリビニルピロリドンを含む油相に、分散させることにより得られ、かつ界面活性剤を含まないことを特徴とするO/W/O型多相エマルジョン。
- ポリビニルピロリドンを0.1〜10重量%含有する請求項1、2または3記載のO/W/O型多相エマルジョン。
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