JP3860586B2 - 木材の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は木材の処理方法に関するもので、より詳しくは、高温高圧の水蒸気により、防虫、防腐などの処理を行なう木材の処理方法に関する。
従来、木材の加熱処理方法として、木製の単板を、パンチングメタルと金網からなる蒸気逃がし用部材と熱板で狭持し、該熱板を加熱して単板を加熱することにより、単板内に高圧の蒸気を発生させ、この高圧の蒸気を単板から除去して単板を乾燥するものが知られている。また、この高圧の蒸気の逃がし方法としては、前記の蒸気逃がし用部材を、2枚のパンチングメタルで金網を挟持して形成し、単板から蒸発した水蒸気を前記金網部を通じて排気するようにしている(特許文献1参照)
特許2857049号公報
ところで、木材を多数本積載して蒸気釜に入れ、該蒸気釜内に高温高圧の水蒸気を供給して木材を処理すると、多数の木材を効率的に処理することができる。
前記従来の処理方法は、単板内の水分を気化蒸発させ、その水蒸気を蒸気逃がし部材内を流通させて排気するものであるため、排気される水蒸気も、単板中に含まれている程度のもので少なく、金網部を通じて排気することで足りるとしても、前記のように、蒸気釜内に多量の高温高圧の水蒸気を供給して、この高温高圧の水蒸気を木材にその外面より作用させる方法の場合には、前記の金網を通過させる方法であると、その金網による水蒸気の流通抵抗が大きく、多数の木材にむらなく水蒸気を行きわたらせることが困難である。
そこで本発明は、蒸気釜内に木材を積載し、蒸気釜内に高温高圧の水蒸気を供給して木材を処理する方法にいおいて、多数の木材を有効に処理できる木材の処理方法を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、蒸気釜内にスペーサーと木材を交互に積み重ねて、この木材を高温高圧の水蒸気により処理する木材の処理方法であって、
前記スペーサーを、表裏の金属製の伝熱板間に金属製の棧木を介在するとともに、この棧木を複数本、これら棧木相互間に隙間を設けて並設して形成し、前記木材を、前記棧木と交差する方向に配置するとともに、この木材を複数本、これら木材相互間に空間を設けて配置することを特徴とするものである。
本発明において、蒸気釜内に高温高圧の水蒸気が供給されると、その水蒸気の熱によりスペーサーの表裏の伝熱板が加熱され、木材を挟んだ下側のスペーサーにおける表側の伝熱板と、上側のスペーサーにおける裏側の伝熱板により木材が加熱処理される。
このとき、スペーサーの表裏の伝熱板間に棧木を複数、隙間を有して並設したので、この隙間に水蒸気が流通する。この隙間は、前記従来構造の金網に比べて流通抵抗が小さいため、多量の蒸気が隙間の奥部までスムーズに行きわたり、伝熱板の全範囲を均等に、かつ、効率良く加熱する。
また、複数の木材を、これらの間に空間を有して配置したので、この空間においても前記の棧木間の隙間と同様に多量の水蒸気がスムーズに行きわたり、伝熱板の全範囲を均等に、かつ、効率良く加熱する。
更に、前記の棧木間の隙間と前記木材間の空間が相互に交差して配置されるため、より一層伝熱板の全範囲を均等に、かつ、効率良く加熱する。
このように、伝熱板が加熱されることにより、多数の木材を均等に高温高圧処理することができる。
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、前記積み重ねられたスペーサーと木材をその積み重ね方向において加圧するようにしたものである。
本発明においては、木材の水蒸気処理による木材の積み重ね方向の動きを抑えることができる。
請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2記載の発明において、前記隣接する木材相互間の空間を、隣接する木材相互間に金属製の中空材を介在して形成したものである。
本発明においては、中空角材の空間が、隣接する木材相互間の空間を形成し、該空間内を水蒸気が流通する。
請求項4記載の発明は、前記請求項3記載の発明において、前記積み重ねられたスペーサーと木材を、その積み重ね方向において加圧するとともに、前記木材と中空角材を、その両側から加圧するようにしたものである。
本発明においては、木材を、その厚み方向(上下方向)と横幅方向(左右方向)に加圧するようにしたので、木材の水蒸気処理による厚み方向と幅方向の動きを抑えることができる。
請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記スペーサーを水平面に対して傾斜して配置したものである。
本発明においては、スペーサーを水平面に対して傾斜させて、その表側の伝熱板と裏側の伝熱板を傾斜させたので、処理中に水蒸気が両伝熱板上で凝縮した場合、その凝縮水が傾斜した伝熱板に流下して排出される。したがって、凝縮水が伝熱板上に溜まって停滞し、該溜まった部分の温度が他の部分よりも低温になって温度のむらが生じることを防止できる。
請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記スペーサーの表裏の伝熱板に水抜き穴を形成したものである。
本発明においては、伝熱板上の凝縮水が水抜き穴から落下して排出され、前記と同様の作用、効果が発揮され、特に前記のように傾斜した伝熱板に水抜き穴を形成すると、一層、凝縮水の排出が良好に行なわれる。
請求項7記載の発明は、前記請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において前記蒸気釜内の温度を検知する温度センサーを設けて、該温度センサーにより蒸気釜内の温度が所定値以下と判断した際に蒸気釜内に高温高圧の水蒸気を供給するようにし、かつ、蒸気釜に排気弁を設けて、該排気弁を常時開状態にして処理を行なうようにしたものである。
本発明においては、排気弁を常時開弁することにより、蒸気釜内の温度を意図的に低下させ、センサー部の温度と木材周辺の温度との温度差が大きくなる前に、高温高圧の水蒸気を供給して、蒸気釜内の水蒸気の撹拌と木材周辺温度の低下防止を図ることができる。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記蒸気釜に、該蒸気釜内を減圧する減圧装置を設け、高温高圧の水蒸気による処理の後に蒸気釜内の圧力を減圧装置により大気圧以下に減圧するようにしたものである。
本発明においては、高温高圧の処理を行なった後で、蒸気釜内を大気圧よりも減圧することにより、木材中に残存する水分を蒸発させて抜くことができる。したがって、木材を蒸気釜から出した後に、木材中に多くの水分が残存することにより生じる木材の変形を防止できるとともに、前記の処理後に木材を強制乾燥する場合に急速な乾燥が行なえる。
請求項1記載の発明によれば、蒸気釜内に木材を配置し、蒸気釜内に高温高圧の水蒸気を供給して処理する木材の処理方法において、その水蒸気をスペーサーの全域に均等に行き渡らせて、そのスペーサーを全域にわたって均等に加熱し、多数の木材を効率良く加熱処理することができる。
請求項2記載の発明によれば、木材の水蒸気処理による木材の積み重ね方向の動きを抑え、処理後の木材の歩留を上げることができる。
請求項3記載の発明によれば、中空角材の空間内を水蒸気が流通し、前記請求項1の発明と同様の効果が得られる。
請求項4記載の発明によれば、木材を、その厚み方向と幅方向に加圧するようにしたので、木材の水蒸気処理による厚み方向と幅方向の動きを抑え、処理後の木材の歩留を一層上げることができる。
請求項5及び6記載の発明によれば、処理中に水蒸気がスペーサーの伝熱板に付着して凝縮した場合に、その凝縮水が伝熱板上に停滞させることなく排出できるため、木材の加熱むらの発生を防止することができる。
請求項7記載の発明によれば、木材周辺の温度低下の防止を図り、木材に作用する温度を所定温度に維持することができる。
請求項8記載の発明によれば、水蒸気による処理後における木材の変形を防止するとともに、処理後に木材の強制乾燥を行なう場合に有効である。
本発明を実施するための最良の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
図1乃至図7は実施例1を示す。
図1は蒸気釜内に木材を積載して収納した状態を示す側断面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3はスペーサーと木材を示す斜視図、図4はスペーサーの部材を分離するとともに各部材の配置方向を示す図、図5及び図6はスペーサーと木材の積み重ね状態を示す拡大断面図、図7は蒸気釜内の温度特性を示す図である。
図1及び図2において、蒸気釜1は横型円筒釜で形成され、その前面に開閉蓋2を有する。蒸気釜1内には蒸気供給管3が配置され、蒸気供給装置4から供給された高温高圧の水蒸気が蒸気供給管3から蒸気釜1内に供給されるようになっている。
更に、蒸気釜1には、該蒸気釜1内の温度を感知する温度センサー5と蒸気釜1内の圧力を感知する圧力センサー11が設けられており、蒸気釜1内が設定以下の温度になった場合や設定以下の圧力になった場合に、その温度を温度センサー5で、圧力を圧力センサー11で感知し、図示しない制御部により蒸気供給部4から高温高圧の水蒸気を蒸気釜1内に供給するようになっている。
更に、蒸気釜1には、排気弁6が設けられ、該排気弁6の開弁により、蒸気釜1内の水蒸気を抜いて、蒸気釜1内の圧力と温度を意図的に低下できるようになっている。
更に蒸気釜1には、蒸気釜1内の空気を抜いて蒸気釜1内を真空に近づけるための減圧装置7が設けられている。この減圧装置7としては、例えば真空ポンプなどを用いる。
更に、蒸気釜1内の上部には押え板8が備えられており、該押え板8が、蒸気釜1の天井に設けられた加圧駆動手段であるシリンダ装置9により昇降するようになっている。該押え板8の下面は、後述するパレット12の上面の傾斜に沿って傾斜している。このシリンダ装置9と抑え板8により加圧手段を構成している。
蒸気釜1内の底部には、テーブル10が設置されており、該テーブル10上に、金属製、例えばステンレス製のパレット12を載置するようになっている。該パレット12は開閉蓋2を開いて出し入れできるようになっている。前記パレット12の上面は、その一部に向かって下降するように傾斜しており、図の実施側においては、その前後方向において矢印Bの方向が低くなるように傾斜し、左右方向において矢印C方向が低くなるように傾斜している。したがって、パレット12の上面に溜まった凝縮水がF方向に流れて排出されるようになっている。この排水は蒸気釜1の底面に設けたドレン管13などで釜外へ排水される。このドレン管13にはバルブが設けられ、蒸気釜1内の底面に水が一定量溜まると、自動的にバルブが開いて排水するようになっている。
次に、処理作業に使用するスペーサーについて説明する。
スペーサーは複数用いるが、その1個のスペーサー15Aについて図3及び図4により説明する。
該スペーサー15Aは、金属製の板材、例えば熱伝導率の高いアルミニウム製の板材からなる表側伝熱板16と、同じく同材からなる裏側伝熱板17と、これらの間に介在した同材の棧木18とで構成されており、これらが相互にスポット溶接などにより一体化されている。表裏の伝熱板16,17は所望の縦横の幅と厚みのものを使用するが、実施に際しては、縦幅(蒸気釜1の前後方向を縦方向とする)を約2200mm、横幅を約1200mmに形成し、板厚を8mmに形成した。また、棧木18も所望の長さと幅と厚みのものを使用するが、実施に際しては、長さを前記伝熱板16,17の横幅と略同長に形成し、幅を約20mmに形成し、厚さを約4mmに形成した。そして、この棧木18を、表裏の伝熱板16,17の一方向、例えば図3及び4に示すように横方向に配置している。また、この棧木18は、複数本、これらの間に隙間19を有して並設されている。該隙間19の幅D1は所望に設定するものであるが、実施例においてはこの幅D1を約80mmに設定した。
また、前記表裏の伝熱板16,17には、それぞれの表裏に貫通する水逃がし穴20,21が形成されている。該水逃がし穴20,21は、所定の等間隔で形成されている。
以上のようなスペーサー15Aの構成により、該スペーサー15Aには、その表裏の伝熱板16,17間に、一方向、図の実施例では横方向に貫通する隙間19が複数並設される。
なお、他のスペーサー15B,15C・・・も前記のスペーサー15Aと同一構造である。
次に、パレット12上での前記スペーサーと処理材である木材の積載方法について説明する。
先ず、蒸気釜1外に引き出されたパレット12上に、スペーサー15Aを載置する。次に、前記のスペーサー15A上、すなわち、表側伝熱板16上に、処理する板状の木材22Aを複数本、前記スペーサー15Aにおける棧木18の配置方向と交差する方向、図の実施例ではスペーサー15Aの縦方向に配置する。更に、この複数の木材22Aは、これらの間に所望の空間23を有して並設する。なお、この棧木18と木材22Aの配置方向は、これらが相互に交差する方向であり、必ずしも実施例に示すように、直交させる必要はなく、その交差角度は問わない。しかし、略直交させることが望ましい。
この空間23の幅D2としては、例えば10〜20mmが望ましい。
次に、前記のように複数本並設された木材22A上に、前記スペーサー15Aと同一構造のスペーサー15Bを載置する。これにより、各木材22Aは、下側に配置されたスペーサー15Aの表側伝熱板16と上側に配置されたスペーサー15Bの裏側伝熱板17とで挟持され、かつ、両スペーサー15A,15Bの棧木18,18の配置方向と木材22Aの配置方向とが交差する。したがって、棧木18,18と木材22Aが井桁状に配置され、これらスペーサー15A,15Bと木材22Aの上方からの荷重による撓みが防止される。更に棧木18間で形成される隙間19の貫通方向と木材22A間で形成される空間23の貫通方向とが交差し、スペーサー15A,15Bに対し、その前後方向と左右方向に隙間19と空間23を通じて蒸気が流通する。
次に、前記スペーサー15Bの上面に、複数の木材22Bを、前記スペーサー15A上の木材22Aと同様に、すなわち、木材22Aと同方向に、かつ、前記の幅D2の空間23を有して並設する。
次に、前記木材22B上に、前記のスペーサー15A,15Bと同一構造のスペーサー15Cを、前記スペーサー15A,15Bと同様に載置する。これにより、木材22Bは、スペーサー15Bの表側伝熱板16とスペーサー15Cの裏側伝熱板17とで挟持され、かつ、両スペーサー15B,15Cの棧木18,18の配置方向と木材22Bの配置方向とが交差して井桁状に配置される。
図4においては、3段のスペーサー15A〜15Cと2段の木材22A,22Bの重ね状態を示しているが、前記スペーサー15Cの上部に、更に、前記と同様の木材と前記と同様のスペーサーを交互に必要数積み重ねる。この積み重ねの高さは蒸気釜1の大きさに合わせて設定するものであるが、例えば、蒸気釜1の内径を約2000mmとした場合には約1000mmとする。
前記のように積み重ねた後、パレット12とともに積み重ねられたスペーサーと木材を蒸気釜1内に図1及び図2に示すように入れ,パレット12をテーブル10上に載置する。そして、最上段のスペーサー15N(図1,図2参照)の上面に、図1,図2及び図4に示す押え板8を載置し、該押え板8をシリンダ装置9により下降して、前記積み重ねられたスペーサー15A・・・と木材22A・・・を積み重ね方向、すなわち、上下方向(図2のX方向)に所定圧、例えば0.1〜0.2kg/cmで上方から加圧する。
なお、パレット12の上面及び押え板8の下面は前記のように傾斜していることにより、前記のように積み重ねられたスペーサー15A・・・と木材22A・・・は、図2に示すように、パレット12の上面の傾斜角αに沿って傾斜する。なお、このスペーサーと木材は、その側端面が垂直になるように、ガイド棒などにより略垂直に積む。
そして、蒸気釜1の開閉蓋2を閉め、その後に、次のような水蒸気による処理を行なう。
この水蒸気処理法について説明する。
先ず、水蒸気を蒸気釜1内に供給する前に、真空ポンプなどからなる減圧装置7により、蒸気釜1内の空気を抜き、蒸気釜1内を真空に近い状態にする。
次に、蒸気供給装置4により発生させた高温高圧の水蒸気を、蒸気供給管3を通じて蒸気釜1内に供給する。このとき蒸気釜1内が前記のように真空に近い状態になっていることにより、水蒸気は一気に蒸気釜1内の全範囲に行きわたる。
また、蒸気釜1内の全範囲に行きわたった高温高圧の水蒸気は、各スペーサー15A・・・内の棧木18により形成された隙間19と、各木材22A・・・間に形成された空間23に流入する。このとき、隙間19が、両端を開口した貫通穴であるため、水蒸気は隙間19の奥部まで行き渡り、また、空間23も、両端が開口した貫通穴であるため、水蒸気は空間23の奥部まで行き渡り、更に、隙間19と空間23が相互に交差して形成されていることから、水蒸気は各スペーサー15A・・・における表裏の伝熱板16,17の全面にむらなく行き渡り、表裏の伝熱板16,17が、全面において効率よく、かつ均等に加熱される。
前記スペーサー15A・・・内に形成した隙間19は、前記従来の金網による流通部に比べて、流通抵抗が少ない広い流通路に形成できるため、多量の水蒸気をスムーズに流通させることができ、効率の良い加熱ができる。
このように、各スペーサー15A・・・の表裏の伝熱板16,17が加熱されると、これらの伝熱板16,17の熱が各木材22A・・・に伝熱され、各木材22A・・・が加熱される。このとき、前記のように表裏の伝熱板16,17が全範囲にわたって均一かつ、効率良く加熱されることにより、全木材22A・・・が均一かつ、効率良く加熱される。この木材22A・・・の高温高圧処理により、防虫、防腐等の処理が行なわれる。
また、前記の処理中において、蒸気釜1の温度が所定値以下に低下したり、圧力が所定以下に低下すると、この低下した温度や圧力を温度センサー5や圧力センサー11が感知し、蒸気供給装置4を駆動して高温高圧の水蒸気を蒸気釜1内に補充し、蒸気釜1内の温度や圧力を上昇して、所定値の温度や圧力に保持する。
このように、蒸気釜1内を所定温度に保持するが、実際には、温度センサー5部での温度と、木材周辺の温度が同じではなく、熱を奪う木材周辺の温度が低くなると考えられる。そこで、この木材周辺の温度低下を見こし、排気弁6を常時少しあいた状態にして蒸気釜1内の圧力低下と温度低下を意図的に起こし、温度センサー5部と木材周辺との温度差が大きくなる前に、高温高圧の水蒸気を定期的に補充して、蒸気釜1内の水蒸気の撹拌と木材周辺温度の低下防止を図る。
また、蒸気釜1内の水蒸気がスペーサー15A・・・の表裏の伝熱板16,17に付着すると、これが凝縮して凝縮水(水滴)となる。この凝縮水が伝熱板16,17上に溜まると、その水が溜まった部分の温度が100℃前後までの温度しか上昇せず、処理に必要な温度に達しない。このように、必要な温度まで達しない部分が生じると、その部分での木材の処理進行が他の正常な温度の部分での木材の処理進行と相違し、木材の処理にむらが発生する問題がある。
そこで本発明においては、テーブル12の上面を傾斜させて、各スペーサーの表裏の伝熱板16,17を傾斜させ、かつ、伝熱板16,17に水抜き穴20,21を形成して、伝熱板16,17上に付着した凝縮水を、伝熱板16,17上で流下させるとともに水抜き穴20,21から落下させて蒸気釜1の底面に溜め、一定量溜まった後に、自動的にドレン管13から排出するようにした。これにより、伝熱板16,17上には水が溜まらず、前記の問題は解決される。
前記の蒸気釜1内での温度管理は、図7に示すように、温度上昇時期Xを経た後、所定の温度、例えば、140℃〜160℃を所定時間保持し、この温度保持期Yを経た後、高温高圧の水蒸気の供給を停止してクールダウン(徐冷)Zを行なう。
このクールダウンにより、蒸気釜1内の温度と圧力は徐々に低下し、クールダウン終了時は、圧力が大気圧で、木材の温度は60℃〜80℃となる。
そして、大気圧付近まで低下した後において、減圧装置7を駆動して蒸気釜1内を大気圧以下に減圧し、この減圧状態を所定時間維持する。
この減圧状態の維持により、木材内に残存していた水分が蒸発して抜かれる。
このように、減圧して水分を抜くのは次のような理由からである。
処理後において、木材中に水分が多く残存した状態で、かつ、木材の温度がある程度高い(前記のように60℃〜80℃)と、木材の軟化状態が続き、その木材を蒸気釜1から取り出した後に、その木材が変形するおそれがあるため、これを防止するものである。更に、蒸気釜1から取り出した木材を強制乾燥する場合に、その木材の水分を事前に抜いておくことにより、急速乾燥が行なえ得るからである。
前記処理が完了した後、シリンダ装置9により押え板8を上昇退避させ、開閉蓋2を開いて、パレット12とともにスペーサーと木材を蒸気釜1から取り出す。
図8は実施例2を示す。
本実施例2は、前記実施例1における隣接する木材22A・・・間の空間23に、アルミニウムなどの金属製の中空角材30を介在し、これら木材22A・・・と中空角材30を、木材22A・・・の幅方向、すなわち、左右方向(図8のY方向)に加圧するようにしたものである。
図8において、各段毎の木材22A・・・22Nにおける隣接する木材間には金属製で中空部30aを貫通形成した中空角材30が介在されている。この中空角材30の高さは、処理前の木材の高さより若干小さくし、木材に前記のような上下方向の加圧力が作用するようになっている。
更に、前記のように積み重ねられた木材を、その幅方向である左右方向(図8におけるY方向)における両側から加圧するようになっている。この加圧方法は、前記の木材22A・・・と中空角材30を交互に並設し、その両端の木材を、加圧手段40により、外側から内側に向かって矢印のように加圧する。また、この加圧手段40は、積み重ねられた木材に共通する抑え板41を左右の両側に設け、該抑え板41、41を図示しない加圧駆動装置で矢印H方向へ押圧する。なお、スペーサー15A・・・の左右方向長は、その両側端が、前記両側端部の木材の外側面より若干内側に位置するように設定しておく。
その他の構造は前記実施例1と同様であるため、前記と同一部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例2においても、中空角材30内に貫通した空間30aが形成されているため、この空間30aに水蒸気が流通し、前記第1実施例の空間23と同様の作用、効果を発揮する。更に、中空角材30を伝熱性のよい金属、例えばアルミニウムで形成することにより、木材への伝熱性もよい。
更に、隣接する木材間に前記の中空角材30を介在することにより、各木材を、その幅方向である左右から加圧することができる。
また、本実施例2においても前記第1実施例と同様に、押え板8により各木材を上方から加圧することができる。
したがって、ゴムノ木のような、水蒸気処理の過程で材料が軟化して内部応力により大きく動く木材においては、前記のように中空角材30を介し、上方から押え板8で加圧するとともに左右方向から抑え板41、41で加圧するこよにより、木材の水蒸気処置による厚み方向(上下方向)と幅方向(左右方向)の動きを抑制し、その処理後の木材の歩留を上げることができる。
図9及び図10は実施例3を示す。
本実施例3は、前記実施例2における前記押え板41、41の内側面の一部に図9及び図10に示すような突部42、42を上下方向に設け、前記押え板8に図9に示すように、前記突部42、42が嵌入する切欠部43、43を形成し、前記スペーサー15A〜15Nに図10に示すように前記突部42、42が嵌入する切欠部44、44を形成したものである。
その他の構造は前記実施例2と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一符号を付してその説明を省略する。
本実施例3においても、前記実施例2と同様に、押え板8により各木材を上方から加圧するとともに抑え板41、41により各木材を左右から加圧するものであるが、本実施例3においては、抑え板41、41により木材を左右方向から加圧する場合に、抑え板41、41の突部42、42が押え板8及び各スペーサー15A〜15Nに形成した切欠部43、44内に進入し、突部42、42が押え板8及び各スペーサー15A〜15Nの端面に当ることなく両側端部の中空角材30に確実に当り、各木材22A〜22Nを左右方向から確実に加圧して、処理後の木材の歩留を上げることができる。
なお、図9においては、左右の最側端に中空角材30を配置したが、この左右の最側端に木材22A〜22Nを配置してこの木材に突部42、42が当るようにしてもよい。
本発明の処理方法を実施する蒸気釜と、蒸気釜内で積み重ねられたスペーサー及び木材を示す側断面図。 図1におけるA−A線断面図。 本発明におけるスペーサーと木材を示す斜視図。 本発明におけるスペーサーの部材を分離するとともに各部材の配置方向を示す斜視図。 本発明におけるスペーサーと木材の積み重ね状態を示す断面図で、蒸気釜の入口側から見た図。 図5におけるE−E線断面図。 本発明における時間に対する処理温度を示す特性図。 本発明の実施例2を示す斜視図 本発明の実施例3を示す斜視図 図9の実施例におけるスペーサーと抑え板を示す平面図
符号の説明
1 蒸気釜
3 蒸気供給管
4 蒸気供給装置
5 温度センサ
6 排気弁
7 減圧装置
11 圧力センサ
15A〜15C スペーサー
16 表側伝熱板
17 裏側伝熱板
18 棧木
19 隙間
20,21 水抜き穴
22A,22B 木材
23 空間
30 中空角材

Claims (8)

  1. 蒸気釜内にスペーサーと木材を交互に積み重ねて、この木材を高温高圧の水蒸気により処理する木材の処理方法であって、
    前記スペーサーを、表裏の金属製の伝熱板間に金属製の棧木を介在するとともに、この棧木を複数本、これら棧木相互間に隙間を設けて並設して形成し、前記木材を、前記棧木と交差する方向に配置するとともに、この木材を複数本、これら木材相互間に空間を設けて配置することを特徴とする木材の処理方法。
  2. 前記積み重ねられたスペーサーと木材をその積み重ね方向において加圧するようにした請求項1記載の木材の処理方法。
  3. 前記隣接する木材相互間の空間を、隣接する木材相互間に金属製の中空材を介在して形成した請求項1又は2記載の木材の処理方法。
  4. 前記積み重ねられたスペーサーと木材を、その積み重ね方向において加圧するとともに、前記木材と中空角材を、その両側から加圧するようにした請求項3記載の木材の処理方法。
  5. 前記スペーサーを水平面に対して傾斜して配置した請求項1乃至4のいずれかに記載の木材の処理方法。
  6. 前記スペーサーの表裏の伝熱板に水抜き穴を形成した請求項1乃至5のいずれかに記載の木材の処理方法。
  7. 前記蒸気釜内の温度を検知する温度センサーを設けて、該温度センサーにより蒸気釜内の温度が所定値以下と判断した際に蒸気釜内に高温高圧の水蒸気を供給するようにし、かつ、蒸気釜に排気弁を設けて、該排気弁を常時開弁状態にして処理を行なうようにした請求項1乃至6のいずれかに記載の木材の処理方法。
  8. 前記蒸気釜に、該蒸気釜内を減圧する減圧装置を設け、高温高圧の水蒸気による処理の後に蒸気釜内の圧力を減圧装置により大気圧以下に減圧するようにした請求項1乃至7のいずれかに記載の木材の処理方法。
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