JP3859632B2 - 給水システムおよび水道料金算出プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の住戸を有する団地その他の集合建造物の水道料金の算出に関し、特に、水道事業者から供給される水道水を一旦受水槽に受け、受水槽が受けた水を各住戸に給水する集合建造物の給水システムと水道料金算出プログラムに関する。
一般的に、複数の住戸を有する中高槽の集合住宅や高台の団地への水道水の供給は受水槽方式がとられている。受水槽方式とは、水道事業者から供給される水道水を一旦受水槽に受け、受水槽が受けた水をポンプで直接各住戸に給水したり、屋上などに設けた高架水槽に送りこの高架水槽から各住戸に給水したりする方式である。受水槽方式では、受水槽の上流直近に設けた水道メータ(以下、親メータと適宜称する)までが水道事業者の管理下にあり、親メータより下流については、集合住宅や団地の管理下になっている。したがって、水道事業者は親メータの計測した水量、すなわち、受水槽に供給された水量に基づいて水道料金を算出し、算出した水道料金を集合住宅や団地に対して一括して請求している。一方、集合住宅や団地では、自治組合等が各住戸に設けられた水道メータ(以下、子メータと適宜称する)を検針し、この検針結果に基づいて各住戸の水道料金を算出している。さらに、自治組合は、算出した水道料金を各住戸から徴収している。
自治組合等による各住戸の料金計算は様々であるが、例えば、水道事業者が各住戸へ直接水を供給した場合に用いる料金表すなわちいわゆる公共料金表に基づいて行われている。この公共料金表は、使用量単価が水道メータの上流直近の管の口径により決められており、口径が小さいほうが使用量単価が高くなる料金体系となっている。また同様に、口径が同じでも使用量が多くなるとそれに応じて使用量単価があがるよう設定されている。さらに、使用量が同一であっても、使用量が多くなるのに応じて使用量単価が上昇する割増分は口径の小さいほうが高くなるよう設定されている。通常、子メータ上流直近の給水管の口径は、親メータ上流直近の配水管の口径より小さいので、各住戸が使用した水のほうが、受水槽へ供給された水よりも割高となる。したがって、各住戸から徴収した水道料金の総額は水道事業者から請求された水道料金よりも高く、差額つまり差益が発生する。この差額は、自治組合が分配計算を行い各住戸に還付している。
しかしながら、従来の技術では以下のような問題点があった。
メータ検針から始まる一連の料金徴収作業は煩雑で、自治組合にとっては負担が大きく、還付金の支払作業にまでは手が回らないのが現状であった。このため、自治組合は還付金の支払いを一定期間分(例えば一年分)まとめて行っていた。つまり、各住戸は割高な水道料金を支払ういっぽうで、本来ならば料金の徴収に合わせて還付されるべき還付金を料金徴収ごとには戻してもらえず、適正な水道料金を支払うことができないという問題点があった。また、このような還付の方法ではどの時点でいくら還付があったのかが明確ではなく、水道料金の透明性が確保できないという問題点があった。
さらに、一定期間分まとめて還付をおこなう方法では、居住する期間が短かったり、引っ越す時期が還付時期とずれていたりすると、還付金を受け取ることができない場合があるので、還付金をもっと短い期間で適正に清算して、適正な料金を支払うことができるようにしてほしいという要望があった。
このような問題点を解決する一つの策として、自治組合は水道事業者による還付金の清算を含めた各住戸からの料金徴収を提案していた。しかしながら、水道事業者の管理はあくまでも親メータまででありこの提案の実現には至っていない。したがって、各住戸は適正で透明性の高い水道料金を支払うことができないという問題を抱えたままの状況にあった。
また、各住戸が適正で透明性の高い水道料金を支払うことができない他の要因として、受水槽と各住戸とをつなぐ給水管の漏水をあげることができる。給水管に漏水が発生した場合、各住戸は使用した水量に基づく水道料金に加えて漏水分を支払わなければならず、適正な水道料金を支払っていないことになるという問題点があった。
また、給水管の漏水の発見は、土に染み出した水や管から滴り落ちる水滴を直接目視することで行っているので、漏水の発生をしばしば見落としてしまうことがあった。このような状況では、各住戸が漏水の発生に気付かないまま漏水分を支払ってしまう可能性が高く、水道料金の透明性を確保することができないという問題点があった。また、漏水が発見できたとしても、漏水量までは確認することができず、結局水道料金の透明性を確保できないという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、各住戸に対して適正かつ割安で透明性の高い水道料金を水道事業者からの水道料金の請求に合わせて定期的、定常的に請求することのできる給水システム、水道料金算出方法、水道料金算出装置および水道料金算出プログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の給水システムは、水道事業者側が管理する第一の水道メータの下流直近に配され、複数の住戸を有する団地その他の集合建造物側が管理する受水槽と、当該受水槽の下流直近に配され前記集合建造物側が管理する漏水検知機能付の少なくとも一つの第二の水道メータと、前記受水槽から各住戸に水を供給する給水管と、各住戸に配され前記集合建造物側が管理する複数の第三の水道メータと、を具備した給水システムであって、前記水道事業者がおこなう前記第一の水道メータの検針日と同日に検針された第一の水道メータ、第二の水道メータおよび第三の水道メータの各検針結果を入力する検針結果入力手段と、前記検針結果入力手段により入力された各水道メータの検針結果を記憶するメータ情報記憶手段と、メータ情報記憶手段により記憶された前回の検針結果と今回の検針結果により、第一の水道メータを通過し水道事業者側から受水層へ供給された給水量と、第二の水道メータを通過し受水層から配水管へ供給された配水量と、第三の水道メータを通過し各住戸へ供給された水道使用量と、を算出する水量算出手段と、大口契約の料金体系と小口契約の料金体系とを予め記憶した算出基準記憶手段と、前記水量算出手段により算出された給水量と予め記憶されている前記大口契約の料金体系とに基づいて、前記水道事業者により前記集合建造物に対して一括して請求される水道料金の請求額を算出する請求額算出手段と、前記水量算出手段により算出された水道使用量と予め記憶されている前記小口契約の料金体系とに基づいて、各住戸が本来支払うべき水道使用料金を算出する水道使用料金算出手段と、前記水道使用料金および前記請求額から、水道料金として各住戸が実際に支払う支払額を決定する支払額決定手段と、を備え、前記第二の水道メータにより前記給水管および受水層に漏水が発生していないことを確認して水道料金の適正さを担保する給水システムである。
すなわち、請求項1にかかる発明は、水道事業者がおこなう第一の水道メータのみの検針に合わせて、同日に第一、第二および第三の水道メータを検針することにより、各住戸に対して、小口契約(第三の水道メータ)に基づいて計算した割高な水道料金ではなく、大口契約(第一の水道メータ)に基づいて請求される割安の水道料金(水道事業者からの請求額)を各住戸の水道使用量に応じて分配して請求することが可能となる。このとき、各水道メータの検針を水道事業者と同一日におこなうことで、受水槽へ供給した水量によって変動する割安な大口契約の水道料金を繰り越したり積み残したりすることなく検針のたびごとに分配し、各住戸に請求することができる。
また、受水槽の下流直近に漏水検知器を設けたことで漏水発生がないことを確認でき、漏水が発生した場合でもその早期発見が可能となる。また、受水槽の下流直近に第二の水道メータを設けたことで、第二および第三の水道メータの検針結果を比較して給水管の漏水量を把握することが可能となる。また、第一および第二の水道メータの検針結果を比較して受水槽の漏水を検知することが可能となる。
なお、「集合建造物」とは一戸建ての住戸が複数集まって形成されている団地や、集合住宅、テナントビルなど一つの建物に複数の住戸が存在する建造物などを指す。また各住戸が支払う水道料金とは、上水道料金のみであっても、上下水道料金両方であってもよい。
また、「大口契約の料金体系」とは、水道事業者の第一の水道メータに対する料金体系と同一のものを指す。また、「小口契約の料金体系」とは、大口契約の料金体系より割高に設定された料金体系のことを指す。なお、小口契約の料金体系は、例えば、以下に示す公共料金表であってもよい。また、集合建造物側が独自に設定したものであってもよい。
また、請求項2に記載の給水システムは、請求項1に記載の給水システムにおいて、前記大口契約および前記小口契約の料金体系が各水道メータの上流直近の水導管の口径に従って設定されている公共料金表による料金体系であること特徴とする。すなわち、請求項2にかかる発明は、料金算出に公共料表を用いることで算定基準がより明確になる。
なお、「公共料金表」は、使用量単価が水道メータの上流直近の管の口径により決められており、口径が小さいほうが使用量単価が高くなる料金体系となっている。また同様に、口径が同じでも使用量が多くなるとそれに応じて使用量単価があがるよう設定されている。さらに、使用量が同一であっても、使用量が多くなるのに応じて使用量単価が上昇する割増分は口径の小さいほうが高くなるよう設定されている。
また、請求項3に記載の給水システムは、請求項1または2に記載の給水システムにおいて、前記支払額決定手段が、前記小口契約の料金体系に基づいて算出された前記水道使用料金の全住戸分の総額と前記大口契約の料金体系に基づいて算出された前記請求額との差額から所定の算定方法に基づいて各住戸への還付金を算出する還付金算出手段と、各住戸それぞれについて前記水道使用料金から前記還付金を差し引いて、各住戸が実際に支払う支払額を算出する支払額算出手段と、を備えたことを特徴とする。
すなわち、請求項3にかかる発明は、割高な水道使用料金の全住戸分の総額から請求額を差し引いた差額が差益となるので、この差益を所定の算出方法を用いて分配して各住戸への還付金を算出する。さらに、住戸ごとに還付金を水道使用料金から差し引いて支払額を算出することで、大口契約に基づいて請求される割安の水道料金を各住戸の水道使用量に応じて分配して請求することが可能となる。
なお、還付金算出の際の「所定の算出方法」は、集合建造物側と水道管理者との合意の下に決められた方法であれば特に限定されるものではない。例えば差額を各住戸の水の使用量に比例して分配してもよい。また、別の算出方法として各住戸の金額が均等になるよう頭割りしてもよい。
また、請求項4に記載の給水システムは、請求項3に記載の給水システムにおいて、給水システムを用いた水道料金の算出は水道管理者によって行われ、前記還付金算出手段は、前記差額から前記水道管理者への手数料を差し引いて還付金を算出することを特徴とする。すなわち、請求項4にかかる発明は、差額から水道管理者への手数料を支払うことが可能となる。
なお、ここで言う「水道管理者」とは集合建造物の各住戸の水道料金の算出作業をおこなう組織であれば組織の構成者、母体および構成人数などに規定はなく、自治組合や水道管理組合等住民によって構成された組織であってもよいし、水道施設の維持管理会社や水道メータ設置会社等集合建造物とは全く別組織であってもよい。また、「水道管理者の手数料」は、集合建造物側と水道管理者との合意の下に決められた金額であればよく、例えば住戸一軒当りの単価を設定しこの単価に住戸の総数をかけた金額であってもよいし、一定金額であってもよい。
また、請求項5に記載の水道料金算出プログラムは、水道事業者側が管理する第一の水道メータの下流直近に配され、複数の住戸を有する団地その他の集合建造物側が管理する受水槽と、当該受水槽の下流直近に配され前記集合建造物側が管理する漏水検知機能付の少なくとも一つの第二の水道メータと、前記受水槽から各住戸に水を供給する給水管と、
各住戸に配され前記集合建造物側が管理する複数の第三の水道メータと、を具備した給水システムに適用する水道料金算出プログラムであって、コンピュータに予め大口契約の料金体系と小口契約の料金体系とを記憶させ、当該コンピューを、前記水道事業者がおこなう前記第一の水道メータの検針日と同日に検針された第一の水道メータ、第二の水道メータおよび第三の水道メータの各検針結果を入力する検針結果入力手段、前記検針結果入力手段により入力された各水道メータの検針結果を記憶するメータ情報記憶手段、メータ情報記憶手段により記憶された前回の検針結果と今回の検針結果により、第一の水道メータを通過し水道事業者側から受水層へ供給された給水量と、第二の水道メータを通過し受水層から配水管へ供給された配水量と、第三の水道メータを通過し各住戸へ供給された水道使用量と、を算出する水量算出手段、前記水量算出手段により算出された給水量と予め記憶されている前記大口契約の料金体系とに基づいて、前記水道事業者により前記集合建造物に対して一括して請求される水道料金の請求額を算出する請求額算出手段、前記水量算出手段により算出された水道使用量と予め記憶されている前記小口契約の料金体系とに基づいて、各住戸が本来支払うべき水道使用料金を算出する水道使用料金算出手段、前記水道使用料金および前記請求額から、水道料金として各住戸が実際に支払う支払額を決定する支払額決定手段、前記第二の水道メータにより前記給水管および受水層に漏水が発生していないことを確認する漏水発生確認手段、として機能させることを特徴とする。
すなわち、請求項5に記載の水道料金算出プログラムは、水道事業者がおこなう第一の水道メータのみの検針に合わせて、同日に第一、第二および第三の水道メータを検針することにより、各住戸に対して、小口契約に基づいて計算した割高な水道料金ではなく、大口契約に基づいて請求される割安の水道料金(水道事業者からの請求額)を各住戸の水道使用量に応じて分配して請求することが可能となる。このとき、各水道メータの検針を水道事業者と同一日におこなうことで、受水槽へ供給した水量によって変動する割安な大口契約の水道料金を繰り越したり積み残したりすることなく検針のたびごとに分配し、各住戸に請求することができる。
また、請求項6に記載の水道料金算出プログラムは、請求項5に記載の水道料金算出プログラムにおいて、前記大口契約および前記小口契約の料金体系が各水道メータの上流直近の水導管の口径に従って設定されている公共料金表による料金体系であること特徴とする。すなわち、請求項6にかかる発明は、料金算出に公共料表を用いることで算定基準がより明確になる。
また、請求項7に記載の水道料金算出プログラムは、請求項5または6に記載の水道料金算出プログラムにおいて、前記支払額決定手段を、前記小口契約の料金体系に基づいて算出された前記水道使用料金の全住戸分の総額と前記大口契約の料金体系に基づいて算出された前記請求額との差額から所定の算定方法に基づいて各住戸への還付金を算出する還付金算出手段、各住戸それぞれについて前記水道使用料金から前記還付金を差し引いて、各住戸が実際に支払う支払額を算出する支払額算出手段、として機能させることを特徴とする。
すなわち、請求項7にかかる発明は、割高な水道使用料金の全住戸分の総額から請求額を差し引いた差額が差益となるので、この差益を所定の算出方法を用いて分配して各住戸への還付金を算出する。さらに、住戸ごとに還付金を水道使用料金から差し引いて支払額を算出することで、大口契約に基づいて請求される割安の水道料金を各住戸の水道使用量に応じて分配して請求することが可能となる。
また、請求項8に記載の水道料金算出プログラムは、請求項7に記載の水道料金算出プログラムにおいて、前記水道料金算出プログラムを用いた水道料金の算出が水道管理者側に配されたコンピュータによって行われ、前記還付金算出手段を、前記差額から前記水道管理者への手数料を差し引いて還付金を算出するように機能させることを特徴とする。すなわち、請求項8にかかる発明は、差額から水道管理者への手数料を支払うことが可能となる。
本発明(請求項1、請求項5)によれば、水道事業者がおこなう第一の水道メータのみの検針に合わせて、同日に第一、第二および第三の水道メータを検針することにより、各住戸に対して、小口契約(第三の水道メータ)に基づいて計算した割高な水道料金ではなく、大口契約(第一の水道メータ)に基づいて請求される割安の水道料金を各住戸の水道使用量に応じて分配して請求することが可能となり、各住戸に対して適正かつ割安な水道料金を請求することのできる給水システムまたは水道料金算出プログラムを提供することが可能となる。
また、各水道メータの検針を水道事業者と同一日におこなうことで、受水槽へ供給した水量によって変動する割安な大口契約の水道料金を繰り越したり積み残したりすることなく検針のたびごとに分配し、各住戸に請求することが可能となり、各住戸に対して適正かつ割安で透明性の高い水道料金を水道事業者の請求に合わせて定期的および定常的に請求することのできる給水システムまたは水道料金算出プログラムを提供することが可能となる。
また、受水槽の下流直近に漏水検知器を設けたことにより給水管での漏水発生がないことを確認できるので、各住戸へ請求する水道料金が適正であり、透明性も高いことを担保することが可能となる。また、漏水が発生した場合でも早期発見が可能となるので、漏水分の水道料金を低く抑えることができ、ひいては各住戸に対して適正な水道料金を請求することが可能となる。また、受水槽の下流直近に第二の水道メータを設けたことで、給水管の漏水量の把握および受水槽の漏水を検知することが可能となり、各住戸へ請求する水道料金の透明性がさらに向上する。
上述したように本発明の給水システムまたは水道料金算出プログラムによれば、集合建造物の各住戸は適正かつ割安で透明性の高い水道料金を水道事業者の請求に合わせて定期的および定常的に支払うことができる。また、水道事業者は、集合建造物側の水道料金に関する問題が解消されることによって、集合建造物側から料金算出等の代行を依頼されなくて済むようになる。すなわち、この給水システムまたは水道料金算出プログラムは、集合建造物側および水道事業者双方に利益をもたらすシステムとなっている。
また、本発明(請求項2、請求項6)によれば、料金算出の算定基準が明確になり、各住戸に対してより透明性の高い水道料金を請求することが可能となる。
また、本発明(請求項3、請求項7)によれば、住戸ごとに水道使用量から還付金を差し引いたものを支払額とすることによって、大口契約に基づいて請求される割安の水道料金を各住戸の水道使用量に応じて分配して請求することが可能となり、各住戸に対して適正かつ割安な水道料金を請求することが可能となる。
また、本発明(請求項4、請求項8)によれば、水道管理者は、この手数料を料金算出作業の報酬として受け取ることができる。また、集合建造物側は、手数料を支払うことで水道料金算出作業を代行してもらうことができる。水道事業者は、集合建造物側から水道料金算出作業の代行を依頼されなくて済むようになる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施例では、集合住宅に導入した給水システムに水道料金算出装置を適用した場合について説明する。ここでは、まず給水システムについて説明し、ついで水道料金算出装置、ハードウェア構成、機能的構成、処理流れについて説明していく。
(給水システム)
図1は、給水システムを集合住宅に導入した場合の構成例を示した図である。集合住宅Bは、複数の住戸R1〜住戸Rnを有しており、水道事業者Aからの給水を受けている。なお、本実施例における水道事業者Aとは水道局を示す。給水システム100には、水道局からの水を集合住宅Bに供給するための配水管101と、配水管101を介して供給された水を各住戸R1〜住戸Rnに供給する前に一旦溜める受水槽102と、受水槽102と各住戸R1〜住戸Rnとをつなぐ給水管103と、受水槽102の上流直近の配水管101に配設され水道局から受水槽102に供給された水量を計測する親メータM1と、受水槽102の下流直近の給水管103に配設され受水槽102から給水管103側へ供給された水量を計測する漏水検知器付中間メータM2と、各住戸R1〜住戸Rnに配設され各住戸R1〜住戸Rnで使用された水量を計測する子メータM3と、が設けられている。
漏水検知器付中間メータM2の漏水検知器は、給水管103への水の流れを監視し、所定の時間、例えば3日間連続して給水管103に水が流れ続けると漏水が発生したとみなして警告を発する。漏水検知器が漏水であるとみなす時間の設定は、集合住宅Bの水の使用パターンによって適宜設定すればよい。
なお、漏水検知器を受水槽の直近下流に設ける理由は、給水管103での漏水発生がないことを明確にするためである。給水管103に漏水発生がないことが明確になると、各住戸に請求される水道料金が適正であり、しかも透明性が高いことが担保されることになる。また、漏水検知器を設けることで、万が一漏水が発生したとしても早期に発見することができ、各住戸が支払う漏水分の料金を低く抑えることが可能となる。
給水システム100では、水道局から供給された水が配水管101を通って一旦受水槽102に溜められた後、給水管103を介して各住戸R1〜住戸Rnへと供給される。本実施例のような集合住宅では、親メータM1までが水道局の管理下にあり、水道局は、所定の期間毎(例えば2か月毎)に親メータM1のみを検針し、検針結果に基づいて水道料金を算出している。したがって、水道局による水道料金の請求は、各住戸R1〜住戸Rnに対してではなく集合住宅Bに対して一括して行われる。一方、各住戸R1〜住戸Rnからの水道料金の徴収は、集合住宅B側の管理のもとに行われる。以下に、水道料金算出装置を給水システムに適用した場合について説明する。
(システム概要)
図2は、集合住宅に導入した給水システムに水道料金算出装置を適用した場合の一例を示した図である。水道管理者Cは、集合住宅Bの委託を受けて、各メータの検針、各住戸の水道料金の算出および各住戸からの水道料金徴収を行い、その作業報酬として集合住宅Bから手数料を受け取る。なおここで水道管理者Cは、集合住宅の自治組合や水道管理組合など集合住宅の住民によって構成された組織であってもよいし、水道施設の維持管理会社や水道メータ設置会社等集合住宅と全く別の組織であってもよい。図示したように、水道管理者C側には水道料金算出装置201が設けられており、水道管理者Cは水道料金算出装置201を用いて水道料金の算出作業をおこなう。
以下に説明するように、このシステムによれば、集合住宅Bの各住戸は、適正な水道料金を支払うことができる。また、集合住宅B側は、作業負担の大きい水道料金算出作業を代行してもらうことができる。また、水道管理者Cは、水道料金算出作業を代行する代わりに手数料を得ることができる。さらに水道局は、集合住宅B側から水道料金算出作業の代行を依頼されなくて済むようになる。つまり、このシステムは水道局、集合住宅B、水道管理者Cいずれに対しても利益をもたらすシステムとなっている。
(水道料金算出装置を適用した給水システム)
水道料金算出装置201を給水システムに適用した際の具体的な動作ないし処理について説明する。水道局による親メータM1の検針日になると、水道管理者Cは、親メータM1、子メータM3および漏水検知器付中間メータM2の検針をおこなう。水道局と同日に各メータの検針をおこなうのは、受水槽102へ供給される水の量によって変動する水道局からの請求額を、繰り越したり積み残したりすることなく検針ごとに清算し、各住戸が水道料金として支払う金額の透明性を確保するためである。
水道管理者Cは、各メータの検針結果を水道料金算出装置201へ入力する。水道料金算出装置201は、入力された子メータM3の検針結果から各住戸の水の使用量(以下、水道使用量と適宜称する)を算出し、この水道使用量から小口契約の料金表に基づいて各住戸が本来支払うべき水道使用料金を算出する。ここで、小口契約の料金表とは、水道局が各住戸へ直接水を供給した場合に、各住戸の水道料金を算出するために用いる公共料金表のことである。
また、水道料金算出装置201は、親メータM1の検針結果から水道局が受水槽102へ供給した水量(以下、給水量と適宜称する)を算出し、この給水量から大口契約の料金表に基づいて、水道局による集合住宅Bへの水道料金の請求額を算出する。ここで、大口契約の料金表とは、水道局が集合住宅Bへの請求額を算出する際に用いる公共料金表である。
水道局の公共料金表は、使用量単価がメータの上流直近の管の口径により決められており、口径の小さいほうが使用量単価が高くなるような料金体系となっている。また同様に、口径が同じでも使用量が多くなるとそれに応じて使用量単価があがるよう設定されている。さらに、使用量が同一であっても、使用量が多くなるのに応じて使用量単価が上昇する割増分は口径の小さいほうが高くなるよう設定されている。本実施例のような集合住宅では、親メータM1上流直近の配水管101の口径は、子メータ上流直近の給水管103の口径より大きい。したがって、水道局からの請求額は、各住戸の水道使用料金の総額より低額となる。
次に、水道料金算出装置201は、全住戸分の水道使用料金の総額と請求額とを算出後、その差額を算出する。上述したように水道局からの請求額は、水道使用料金の総額よりも低額なので、水道使用料金の総額と請求額との差額から差益が生じる。また、水道料金算出装置201この差額から水道管理者Cへの手数料を差引き、残りの金額に所定の分配比率を乗算して各住戸への還付金を算出する。最後に、水道料金算出装置201は、住戸それぞれについて水道使用料金から還付金を減算し、各住戸が水道料金として実際に支払う支払額を算出する。
なお、水道管理者Cへの手数料は、集合住宅Bと水道管理者Cとの合意の下に決められた金額であれば特に限定されるものではない。例えば、一住戸あたりの単価を予め決めておき、この単価に住戸の数を乗算したものであってよい。また、年間契約で一定の金額を受け取るようにしてもよい。また、還付金を算出する際の所定の分配比率についても、集合住宅Bと水道管理者Cとの合意の下に決められた比率であれば特に限定されるものではない。例えば、各住戸の水道使用量を全住戸の水道使用量の総量で除したものでもよい。また、各住戸の金額が均等になるようにしてもよい。
また、水道料金算出装置201は、漏水検知器付中間メータM2の検針結果から受水槽102より給水管103側へ供給された水量(以下、配水量と適宜称する)を算出する。さらに水道料金算出装置201は、この受水槽102の配水量と全住戸分の水道使用量の総量との差(以下、誤差量と適宜称する)を算出する。
加えて、漏水検知器付中間メータM2の漏水検知器は、漏水を検知すると警告音や警告ランプ等によって集合住宅B側に知らせる構成としておく。警告音または警告ランプによって漏水を知った集合住宅B側は、漏水が発生した旨を水道管理者Cに報告する。
水道管理者Cは、水道料金算出装置201が算出した誤差量と漏水検知器の検知結果とを参照して、給水管103に漏水が発生してないことを確認する。具体的には、漏水検知器が漏水を検知しておらず、誤差量が所定の水量以下であった場合すなわち誤差量から判断しても漏水が発生していない場合、水道管理者Cは給水管103に漏水が発生してないと判定する。水道管理者Cは、漏水が発生していない旨を、水道料金の適正さと透明性とを担保する根拠資料として各住戸へ通知する。
このように、本システムでは、給水管103で漏水が発生していないことを、漏水検知器の検知結果と水道料金算出装置201が算出した誤差量とを用いて二重に確認するようになっている。したがって、漏水発生のないことをより確実に確認することができる。
また、漏水検知器が漏水を検知しており、誤差量が所定の水量より多い場合すなわち誤差量から判断しても漏水が発生している場合、水道管理者Cは給水管103に漏水が発生していると判定する。水道管理者Cは、漏水が発生した旨と共に、誤差量を漏水量として各住戸に通知する。また、漏水検知器の検知結果と、誤差量に基づく判断結果とが相反する場合は、誤差量に基づく判定結果を優先させることとする。
なお、漏水の判定に用いる「所定の水量」は、メータの検針誤差等を考慮して水道管理者C側で適宜設定すればよい。また、小数点以下を切捨ててメータの検針を行っている場合、各住戸の水道使用量は切捨て分だけ実際使用した水量より少なく検針されてしまう可能性が高い。このような状況で誤差量を算出すると誤差量が実際の量より多くなり、実際はそうではないのに漏水が発生していると判断してしまう可能性がある。したがって、小数点以下を切捨ててメータを検針している場合は、切捨て分も考慮して「所定の水量」を設定することが望ましい。
水道管理者Cは、上述した漏水の有無や漏水量以外に、水道料金算出装置201が算出した水道使用量、水道使用料金、還付金および支払額を各住戸に知らせ、料金の徴収をおこなう。
(水道料金算出装置のハードウェア構成)
図3は、水道料金算出装置のハードウェア構成の一例を示した図である。水道料金算出装置201は、そのハードウェア構成として、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ハードディスク304と、キーボード(K/B)305と、マウス(MOUSE)306と、モニタ307と、プリンタ308とを有する。
CPU301は、OS321と共に水道料金算出装置201全体を制御する。具体的には、水道使用量、給水量、配水量、水道使用料金、水道局からの請求額、還付金、支払額および誤差量の算出を制御する。また、CPU301は、各メータの検針結果、水道使用量、給水量、配水量、水道使用料金、水道局からの請求額、還付金、支払額および誤差量の格納を制御する。その他、CPU301は、ソフトウェアの処理制御およびハードウェアの処理制御をおこなう。
ROM302は、ブートプログラム等を記憶する。使用の様態によっては、水道料金算出装置201の制御プログラムを格納しておいてもよい。RAM303はCPU301のワークエリアとして使用する。具体的には、ハードディスク304から読み出された記憶情報の内容やプログラム内容などを一時的に格納する。
ハードディスク304は、OS,アプリケーションプログラム、各住戸の識別情報、小口契約の料金表、大口契約の料金表、水道管理者Cへの手数料、各メータの検針結果、水道使用量、給水量、配水量、水道使用料金、水道局からの請求額、還付金、支払額、誤差量をはじめとする各種のデータを記憶する。
具体的には、ハードディスク304は、アプリケーション部320と情報記憶部330とにより構成される。アプリケーション部320は水道料金算出装置201全体を制御するOS321と、検針結果格納プログラム322と、水量算出プログラム323と、料金算出プログラム324と、誤差量算出プログラム325と、を有する。
検針結果格納プログラム322は、水道管理者Cが行った各メータの検針結果を情報記憶部330へ格納する。水量算出プログラム323は、各メータの検針結果に基づいて、水道使用量、給水量および配水量を算出し、各算出結果を情報記憶部330へ格納する。料金算出プログラム324は、水道使用量に基づく水道使用料金の算出、給水量に基づく請求額の算出、水道使用料金の総額と請求額とに基づく還付金の算出および各住戸の水道使用料金と還付金とに基づく支払額の算出を行い、各算出結果を情報記憶部330へ格納する。誤差量算出プログラム325は、水道使用量の総量と配水量とに基づいて誤差量を算出し、算出結果を情報記憶部330へ格納する。
また、情報記憶部330は、識別情報記憶部331と、算出基準記憶部332と、子メータ情報記憶部333と、親メータ情報記憶部334と、料金算出結果記憶部335と、中間メータ情報記憶部336と、を有する。
識別情報記憶部331は、後述する各住戸の識別情報を記憶する。算出基準記憶部332は、小口契約の料金表、大口契約の料金表および水道管理者Cへの手数料など料金算出に必要なデータを記憶する。子メータ情報記憶部333は、住戸ごとに子メータM3の検針結果、検針日および水道使用量を各住戸の識別情報と対応付けて記憶する。親メータ情報記憶部334は、親メータM1の検針結果、検針日、水道局からの給水量および請求額を記憶する。料金算出結果記憶部335は、住戸ごとに水道使用料金、還付金および各住戸が実際支払う支払額を各住戸の識別情報と対応付けて記憶する。中間メータ情報記憶部336は、漏水検知器付中間メータM2の検針結果、検針日、配水量および誤差量を記憶する。
(機能的構成概要)
図4は、図3に示したハードウェア構成に基づいて水道料金算出装置の機能的構成の一例を示した図である。水道料金算出装置201は、識別情報記憶部401と、算出基準記憶部402と、検針結果入力部403と、水量算出部404と、水道使用料金算出部405と、請求額算出部406と、差額算出部407と、還付金総額算出部408と、還付金算出部409と、支払額算出部410と、誤差量算出部411と、子メータ情報記憶部412と、親メータ情報記憶部413と、中間メータ情報記憶部414と、料金算出結果記憶部415、出力部416と、により構成されている。
識別情報記憶部401は、各住戸の識別情報として住戸の代表者の氏名、部屋番号、水道管理者Cが各住戸に割り振ったコード番号、子メータM3のメータ番号等のリストを予め記憶している。算出基準記憶部402は、水道使用量の算出に用いられる小口契約の料金表、請求額の算出に用いられる大口契約の料金表および水道管理者Cへの手数料等の料金算出に必要なデータを予め記憶している。
検針結果入力部403は、水道管理者Cにより入力された、親メータM1、子メータM3および漏水検知器付中間メータM2の検針結果を受取り、水量算出部404へ出力する。また、検針結果入力部403は入力された子メータM3の検出結果を、識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて子メータ情報記憶部412へ格納する。さらに、検針結果入力部403は、親メータM1の検針結果を親メータ情報記憶部413へ、漏水検知器付中間メータM2の検針結果を中間メータ情報記憶部414へそれぞれ格納する。なお、各メータの検針結果を各記憶部へ格納する際には、検針日も合わせて格納する。
水量算出部404は、検針結果入力部403が出力した各メータの検針結果から、各住戸の水道使用量、水道局からの給水量および受水槽102からの配水量をそれぞれ算出する。具体的には、まず、子メータ情報記憶部412を参照して前回の子メータM3の検針結果を取出し、今回の子メータM3の検針結果から前回の子メータM3の検針結果を差し引いて水道使用量を算出する。給水量は、親メータ情報記憶部413から取出した前回の親メータM1の検針結果と、今回の検針結果とに基づいて算出をおこなう。また、配水量は、中間メータ情報記憶部414から取出した前回の漏水検知器付中間メータM2の検針結果と、今回の検針結果とに基づいて算出をおこなう。
さらに水量算出部404は、算出した各住戸の水道使用量を識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて子メータ情報記憶部412へ格納すると共に、水道使用料金算出部405および誤差量算出部411へ出力する。また、算出した給水量を親メータ情報記憶部413へ格納すると共に、請求額算出部406へ出力する。また、算出した配水量を中間メータ情報記憶部414へ格納すると共に、誤差量算出部411へ出力する。
水道使用料金算出部405は、水量算出部404が出力した水道使用量から小口契約の料金表に基づいて、各住戸が本来支払うべき水道使用料金を算出する。なお、小口契約の料金表は予め算出基準記憶部402に記憶されているものを用いる。水道使用料金算出部405は、算出した各住戸の水道使用料金を識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて料金算出結果記憶部415へ格納すると共に、差額算出部407へ出力する。
請求額算出部406は、水量算出部404が出力した給水量から大口契約の料金表に基づいて、水道局によって徴収される集合住宅Bへの請求額を予め算出する。なお、大口契約の料金表は予め算出基準記憶部402に記憶されているものを用いる。さらに、請求額算出部406は算出した請求額を親メータ情報記憶部413へ格納すると共に、差額算出部407へ出力する。
差額算出部407は、水道使用料金算出部405が出力した水道使用料金の全住戸分の総額を算出し、この総額から請求額算出部406が出力した請求額を差し引いて差額を算出する。差額算出部407は算出した差額を還付金総額算出部408に出力する。この差額の一部が水道管理者Cの手数料となり、残りが各住戸への還付金となる。
還付金総額算出部408は、差額算出部407が出力した差額から水道管理者Cへの手数料を差し引いて正味の還付金総額を算出し、この還付金総額を還付金算出部409へ出力する。なお、水道管理者Cへの手数料は予め算出基準記憶部402に記憶されているものを用いる。
還付金算出部409は、還付金総額算出部408が出力した還付金総額に各住戸それぞれについての分配比率を乗算して各住戸の還付金を算出する。還付金算出部409は各住戸の還付金を識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて料金算出結果記憶部415に格納すると共に、支払額算出部410へ出力する。
支払額算出部410は、各住戸それぞれについて水道使用料金算出部405が出力した水道使用料金から還付金算出部409が出力した還付金を差し引いて、各住戸が水道料金として実際に支払う支払額を算出し、識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて料金算出結果記憶部415へ格納する。
誤差量算出部411は、水量算出部404が出力した水道使用量と配水量とから誤差量を算出する。具体的には、まず、全住戸の水道使用量を加算し、水道使用量の総量を算出する。次に、この水道使用量の総量を配水量から差し引いて誤差量を算出する。さらに、誤差量算出部411は、算出した誤差量を中間メータ情報記憶部414へ格納する。
子メータ情報記憶部412は、子メータM3の検針結果、検針日および水道使用量を識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて記憶する。親メータ情報記憶部413は、親メータM1の検針結果、検針日、給水量および請求額を記憶する。中間メータ情報記憶部414は、漏水検知器付中間メータM2の検針結果、検針日、配水量および誤差量を記憶する。料金算出結果記憶部415は、各住戸の水道使用料金、還付金および支払額を識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて記憶する。
出力部416は、識別情報記憶部401、子メータ情報記憶部412、および料金算出結果記憶部415の記憶内容を参照して、住戸の識別情報、子メータM3の検針結果、水道使用量、水道使用料金、還付金、支払額、などの必要事項を取出し、「水道使用量のお知らせ」を作成する。
なお、「水道利用料のお知らせ」を作成する際に、水道管理者Cは、上述したように漏水検知器の検知結果と誤差量算出部が算出した誤差量に基づいて、給水管103で漏水が発生していないことを確認する。漏水が発生していないことを確認できた場合、水道管理者Cは、漏水が発生していない旨を「水道料金のお知らせ」に記載するよう出力部416へ指示する。また、漏水が発生していることが確認された場合、水道管理者Cは、漏水が発生した旨と共に、漏水量すなわち誤差量を「水道使用量のお知らせ」に記載するよう出力部416に指示する。
出力部416は、水道管理者Cの指示に従い、「水道使用量のお知らせ」に漏水の有無と必要に応じて漏水量の記載をおこなう。図5は、このように作成された「水道使用量のお知らせ」の一例を示した図である。水道管理者Cは、この「水道使用量のお知らせ」を各住戸へ配り、料金の徴収をおこなう。
(処理流れ)
以下に、本発明の水道料金算出装置を給水システムに適用した場合の処理の流れについて説明する。図6は、水道料金算出装置を給水システムに適用した場合の処理流れの一例を示したフローチャートである。
水道局による親メータM1の検針日になると、水道管理者Cは子メータM3、親メータM1および漏水検知器付中間メータM2の検針をおこなう。水道管理者Cによって検針結果入力部403から各メータの検針結果および検針日が入力されると(ステップS1)、検針結果入力部403は、子メータM3の検針結果を子メータ情報記憶部412へ、親メータM1の検針結果を親メータ情報記憶部413へ、漏水検知器付中間メータM2の検針結果を中間メータ情報記憶部414へ、それぞれ検針日と共に格納する。さらに、検針結果入力部403は、各メータの検針結果を水量算出部404へ出力する。(ステップS2)。
水量算出部404は、前回の子メータM3の検針結果と今回の子メータM3の検針結果から各住戸の水道使用量を算出する。同様に前回の親メータM1の検針結果と今回の親メータM1の検針結果とから給水量を算出する。また前回の漏水検知器付中間メータM2の検針結果と今回の検針結果とから配水量を算出する(ステップS3)。
水量算出部404は算出した各住戸の水道使用量を識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて子メータM3情報格納部へ格納する。また、給水量を親メータ情報記憶部413へ、配水量を中間メータ情報記憶部414へそれぞれ格納する。さらに、水量算出部404は水道使用量を水道使用料金算出部405と誤差量算出部411とへ出力する。また、給水量を請求額算出部406へ、配水量を誤差量算出部411へそれぞれ出力する(ステップS4)。
水道使用料金算出部405は、水量算出部404が出力した各住戸の水道使用量から小口契約の料金表に基づいて各住戸が本来支払うべき水道使用料金を算出する。さらに、水道使用料金算出部405は算出した水道使用料金を、識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて料金算出結果記憶部415へ格納すると共に、差額算出部407および支払額算出部410へ出力する(ステップS5)。
請求額算出部406は水量算出部404が出力した給水量から大口契約の料金表に基づいて、水道局による集合住宅Bへの請求額を算出する。さらに、請求額算出部406は、算出した請求額を親メータ情報記憶部413へ格納すると共に、差額算出部407へ出力する(ステップS6)。
差額算出部407は、水道使用料金算出部405が出力した水道使用料金の全住戸分の総額を算出し、この総額から請求額算出部406が出力した請求額を差し引いて差額を算出する。差額算出部407は算出した差額を還付金総額算出部408へ出力する(ステップS7)。
還付金総額算出部408は、差額算出部407が出力した差額から水道管理者Cへの手数料を差し引いて正味の還付金総額を算出し、この還付金総額を還付金算出部409へ出力する(ステップS8)。
還付金算出部409は、還付金総額算出部408が出力した還付金総額に各住戸それぞれについての分配比率を乗算して各住戸の還付金を算出する。還付金算出部409は、各住戸の還付金を識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて料金算出結果記憶部415へ格納すると共に、支払額算出部へ出力する(ステップS9)。
支払額算出部410は、各住戸それぞれについて水道使用料金算出部405が出力した水道使用料金から還付金算出部409が出力した還付金を差し引いて、各住戸が水道料金として実際に支払う支払額を算出する。さらに支払額算出部410は、算出した支払額を識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて料金算出結果記憶部415へ格納する(ステップS10)。
誤差量算出部411は、水量算出部404が出力した全住戸分の水道使用量を加算し、水道使用量の総量を算出する。次に、水量算出部404が出力した配水量から水道使用量の総量を差し引いて、誤差量を算出する。誤差量算出部411は、算出した誤差量を中間メータ情報記憶部414へ格納する(ステップS11)。
出力部416は、識別情報記憶部401、子メータ情報記憶部412および料金算出結果記憶部415の記憶内容を参照して、住戸の識別情報、子メータM3の検針結果、水道使用量、水道使用料金、還付金、支払額、などの必要事項を取出し、「水道使用量のお知らせ」(図5参照)を作成する。さらに、出力部416は、水道管理者Cの指示に従って、「水道使用量のお知らせ」に、漏水の有無と漏水量とを記載する。(ステップS12)。
一連の処理が終了すると、水道管理者Cは、「水道使用量のお知らせ」を各住戸に配り、各住戸から水道料金を徴収する。水道管理者Cは、徴収した料金から水道局への支払いをおこなう。また、水道管理者Cは、差額から差し引いた手数料を、料金算出作業の報酬として受け取る。
なお、上述の実施例では給水管103の漏水のみを検知していたが、本発明の給水システムでは給水量と配水量とを比較することによって受水槽102の漏水検知をおこなうことができる。つまり、給水量から配水量を差し引いた差量が、受水槽102の容量より多ければ受水槽102で漏水が発生しているとみなすことができる。必要に応じて受水槽102の漏水も検知するように構成してもよい。
また、上述の実施例では、上水道についての料金算出を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、下水道料金の算出をおこなう構成とすることもできる。この場合の算出手順は、上水道の場合と同様であり、水道事業者からの請求額は、親メータの検針結果に基づいて算出する。また、各戸が本来支払うべき下水道使用料金は、子メータの検針結果に基づいて算出する。さらに、請求額と下水道使用料金の総額との差額から、還付金および支払額を算出する。また、料金表についても、上水道の場合と同様で、請求額を算出する料金表は、下水道使用料金を算出する料金表よりも割安な料金体系とする。なお、ここで下水道使用料金とは、上水道の水道使用料金にあたるものである。
また、上述の実施例では、水道事業者を水道局としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、水の供給事業を営むものすべてを含むこととする。また、上述の実施例では、水道使用料金を算出する際の小口契約の料金表として公共料金表を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、集合住宅が独自に設定した料金表を用いることとしてもよい。但し、この場合、小口契約の料金表が、大口契約の料金表よりも割高な料金体系となっていることが望ましい。
また、上述の実施例では、本発明の給水システムを集合住宅に適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の住戸を有し、なおかつ給水方式が受水槽方式である集合建造物であれば本発明の給水システムを適用することが可能である。具体的な集合建造物の例としては、集合住宅の他に、テナントビルやオフィスビルなど一つの建物に複数の住戸が存在する建造物、或いは一戸建ての住戸が複数集まって形成されている団地などをあげることができる。
以下、本発明の他の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。実施例2では、上述した給水システム100の各メータの検針を自動的におこなう場合について説明する。なお、本実施例中、実施例1と同様の構成については、実施例1と同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(システム概要)
図7は、集合住宅に導入した給水システムに水道料金算出装置を適用した場合の一例を示した図である。図示したように、水道管理者C側には、水道料金算出装置701が設けられており、集合住宅B側には集中検針装置702が設けられている。集中検針装置702には親メータM1,子メータM3、漏水検知器付中間メータM2がそれぞれ接続されている。さらに水道料金算出装置701と集中検針装置702とはネットワークNを介して電話回線で接続されている。なお、本実施例でも水道事業者Aとは水道局を示す。
水道料金算出装置701は、各メータの検針を集中検針装置702におこなわせるため、集中検針装置702へ検針要求を送信する。集中検針装置702はこの検針要求に基づいて各メータを検針し、検針結果を水道料金算出装置701へ送信する。水道料金算出装置701は、検針結果に基づいて実施例1と同様に水道料金の算出をおこなう。また、集中検針装置702は、漏水検知器が漏水を検知した場合、漏水発生の報告を水道料金算出装置701へ送信する。
このシステムは、実施例1と同様に、水道局、集合住宅B、水道管理者Cいずれに対しても利益をもたらすシステムとなっている。また、メータの検針を自動的におこなうことで、水道管理者Cの作業負担が軽減することになっている。さらに、メータの検針忘れやメータの読み間違いなども解消され、より確実に正確な検針結果を得ることが可能となっている。
(水道料金算出装置および集中検針装置を適用した給水システム)
水道料金算出装置701および集中検針装置702を給水システムに適用した際の具体的な動作ないし処理について説明する。予め設定しておいた検針日すなわち水道局による親メータM1の検針日になると、水道料金算出装置701は、集中検針装置702に対して親メータM1、漏水検知器付中間メータM2および子メータM3の検針要求を送信する。集中検針装置702は、この検針要求に基づいて、各メータの検針を行い、検針結果を水道料金算出装置701へ送信する。
水道料金算出装置701は、集中検針装置702より送信された子メータの検針結果に基づいて、実施例1の水道料金算出装置201と同様に、水道使用量、給水量、配水量、水道使用料金、請求額、還付金および支払額の算出をおこなう。
また、水道料金算出装置701は、配水量と水道使用量の総量とから実施例1と同様に誤差量を算出する。また、集中検針装置702は、漏水検知器付中間メータM2の漏水検知器が漏水を検知すると、ネットワークNを介して、水道料金算出装置701へ漏水発生の報告を送信する。
さらに、水道料金算出装置701は、算出した誤差量と、集中検針装置702が送信する漏水発生の報告と、を参照して、給水管103に漏水が発生していないことを確認する。具体的な確認の方法は、実施例1で水道管理者Cが行ったのと同様であり、漏水検知器が漏水を検知しておらず、誤差量が所定の水量以下であった場合、給水管103に漏水が発生してないと判定する。また、漏水検知器が漏水を検知しており、誤差量が所定の水量より多い場合、給水管103に漏水が発生していると判定する。漏水の有無は、実施例1の場合と同様に水道料金が適正で透明性も高いことを担保する根拠資料として各住戸に通知される。また、漏水が発生している場合は、漏水量として誤差量も各住戸へ通知される。なお、漏水検知器の検知結果と、誤差量に基づく判断結果とが相反する場合は、実施例1と同様に誤差量に基づく判定結果を優先させることとする。
一連の処理が終了すると、水道料金算出装置701は、「水道使用量のお知らせ」を作成する。水道管理者Cはこの「水道使用量のお知らせ」を各住へ配布し、料金の徴収をおこなう。
(水道料金算出装置および集中検針装置のハードウェア構成)
図8は、水道料金算出装置のハードウェア構成の一例を示した図である。水道料金算出装置701は、そのハードウェア構成として、CPU801と、ハードディスク802と、NCU803と、を有すると共に、実施例1と同様のROM302と、RAM303と、キーボード(K/B)305と、マウス(MOUSE)306と、モニタ307と、プリンタ308と、を有する。
CPU801は、OS821と共に水道料金算出装置701全体を制御する。また、CPU801は、実施例1のCPU301がおこなう制御に加えて、集中検針装置702へのメータ検針要求の制御、集中検針装置702からの検針結果および漏水報告の受信の制御、さらに、給水管103の漏水発生確認の制御をおこなう。
ハードディスク802は、アプリケーション部820と情報記憶部330とにより構成される。アプリケーション部820は水道料金算出装置701全体を制御するOS821と、メータ検針プログラム822と、検針結果格納プログラム823と、漏水発生確認プログラム824と、を有すると共に、実施例1と同様の水量算出プログラム323と、料金算出プログラム324と、誤差量算出プログラム325と、を有する。
メータ検針プログラム822は、集中検針装置702への各メータの検針要求を送信すると共に、集中検針装置702から送信される各メータの検針結果を受信する。検針結果格納プログラム823は、集中検針装置702から送信された各メータの検針結果を情報記憶部330へ格納する。漏水発生確認プログラム824は、集中検針装置702からの漏水発生報告と水道料金算出装置701が算出する誤差量とに基づいて、給水管103に漏水発生がないことを確認する。なお、情報記憶部330は、実施例1と同様のデータを記憶している。
NCU803(Network Control Unit:端末網制御装置)は電話回線を介して水道料金算出装置701をネットワークNに接続し、集中検針装置702へのメータ検針要求の送信と、各メータの検針結果および漏水検知の報告の受信とをおこなう。
また、集合住宅B側の集中検針装置702のハードウェア構成については、図7に示した通りであり、集中検針盤711とNCU712とを有している。集中検針盤711は、水道料金算出装置701からの各メータの検針要求に基づいて各メータの検針をおこなう。NCU712は、電話回線を介して集中検針装置702をネットワークNに接続し、水道料金算出装置701からの各検針要求の受信と、水道料金算出装置701への検針結果および漏水検知の報告の送信とをおこなう。
(機能的構成概要)
図9は、図7、図8に示したハードウェア構成に基づいて水道料金算出装置および集中検針装置の機能的構成の一例を示した図である。水道料金算出装置701は、自動検針要求部901と、自動検針結果入力部902と、漏水発生確認部903と、水道料金算出装置側通信部904と、出力部905と、を有すると共に、実施例1と同様の識別情報記憶部401と、算出基準記憶部402と、水量算出部404と、水道使用料金算出部405と、請求額算出部406と、差額算出部407と、還付金総額算出部408と、還付金算出部409と、支払額算出部410と、誤差量算出部411と、子メータ情報記憶部412と、親メータ情報記憶部413と、中間メータ情報記憶部414と、料金算出結果記憶部415、を有する。一方、集中検針装置702は、メータ検針部906と、漏水発生通知部907と、集中検針装置側通信部908と、を有する。
自動検針要求部901は、予め設定された検針日すなわち水道局の親メータM1の検針日になると、水道料金算出装置側通信部904を介して、集中検針装置702へ各メータの検針要求をおこなう。
自動検針結果入力部902は、集中検針装置702が送信した各メータの検針結果を水道料金算出装置側通信部904を介して受信し、水量算出部404へ出力する。また、自動検針結果入力部902は受信した子メータM3の検出結果を、識別情報記憶部401の識別情報リストと対応付けて子メータ情報記憶部412へ格納する。さらに、自動検針結果入力部902は、親メータM1の検針結果を親メータ情報記憶部413へ、漏水検知器付中間メータM2の検針結果を中間メータ情報記憶部414へそれぞれ格納する。なお、各検針結果を各記憶部へ格納する際には、検針日も合わせて格納する。
漏水発生確認部903は、集中検針装置702が送信する漏水発生の報告と、中間メータ情報記憶部414に記憶された誤差量とを参照して、給水管103に漏水が発生していないことを確認する。具体的な確認の方法は、実施例1で水道管理者Cが行ったのと同様であり、漏水検知器が漏水を検知しておらず、誤差量が所定の水量以下であった場合、給水管103に漏水が発生してないと判定する。判定が終了すると、漏水発生確認部903は、漏水が発生してない旨を出力部905へ出力する。
また、漏水検知器が漏水を検知しており、誤差量が所定の水量より多い場合、漏水発生確認部903は、給水管103に漏水が発生していると判定する。判定が終了すると、漏水発生確認部903は、漏水が発生した旨を出力部905へ出力する。また、漏水検知器の検知結果と、誤差量に基づく判断結果とが相反する場合は、実施例1と同様に誤差量に基づく判定結果を優先させることとする。
水道料金算出装置側通信部904は、自動検針要求部901からの各メータの検針要求を集中検針装置702へ送信する。また、水道料金算出装置側通信部904は、集中検針装置702が送信する各メータの検針結果を受信し、この検針結果を自動検針結果入力部902へ出力する。さらに、水道料金算出装置側通信部904は、集中検針装置702が送信する漏水発生の報告を受信し、この報告を漏水発生確認部903へ出力する。
出力部905は、実施例1の出力部416と同様に、識別情報記憶部401、子メータ情報記憶部412および料金算出結果記憶部415の記憶内容を参照して、住戸の識別情報、子メータM3の検針結果、水道使用量、水道使用料金、還付金、支払額、などの必要事項を取出し、「水道使用量のお知らせ」を作成する。
さらに出力部905は、漏水発生確認部903からの出力内容を確認し、漏水が発生していない場合は、漏水がない旨を「水道利用料のお知らせ」に記載する。また、漏水が発生している場合は、「水道使用量のお知らせ」に、漏水がある旨と共に、中間メータ情報記憶部414に記憶された誤差量を漏水量として記載する。なお、漏水の有無と漏水量とは、各住戸に請求される水道料金の適正さと透明性とを担保する根拠資料となる。
集中検針装置702のメータ検針部906は、水道料金算出装置701が送信する各メータの検針要求を、集中検針装置側通信部908を介して受信し、この検針要求に基づいて各メータの検針をおこなう。また、メータ検針部906は検針結果を集中検針装置側通信部908を介して水道料金算出装置701へ送信する。
漏水発生通知部907は、漏水検知器が漏水を検知すると漏水発生の報告を、集中検針装置側通信部908を介して水道料金算出装置701へ送信する。集中検針装置側通信部908は水道料金算出装置701からの検針要求を受信し、検針要求があった旨をメータ検針部906へ出力する。また、集中検針装置側通信部908は、メータ検針部906からの検針結果と、漏水発生通知部907からの漏水発生の報告とを水道料金算出装置701へ送信する。
(処理流れ)
以下に、本実施例の水道料金算出装置および集中検針装置を給水システムに適用した場合の処理の流れについて説明する。図10は、水道料金算出装置および集中検針装置を給水システムに適用した場合の処理流れの一例を示したフローチャートである。
自動検針要求部901は、予め設定された検針日すなわち水道局による親メータM1の検針日になったかどうかを判断する(ステップS20)。設定された検針日になると、自動検針要求部901は、水道料金算出装置側通信部904を介して、集中検針装置702へ各メータの検針要求を送信する(ステップS21)。集中検針装置側通信部908は水道料金算出装置701からの検針要求を受信し、検針要求があった旨をメータ検針部906に出力する。検針要求を受けたメータ検針部906は、各メータの検針を行い(ステップS22)、検針結果を集中検針装置側通信部908を介して水道料金算出装置701へ送信する(ステップS23)。
水道料金算出装置側通信部904は集中検針装置702からの検針結果を受信し、自動検針結果入力部902へ出力する。自動検針結果入力部902は、受信した子メータM3の検針結果を子メータ情報記憶部412へ、親メータM1の検針結果を親メータ情報記憶部413へ、漏水検知器付中間メータM2の検針結果を中間メータ情報記憶部414へ、それぞれ検針日と共に格納する。さらに、自動検針結果入力部902は、検針結果を水量算出部404へ出力する(ステップS24)。ステップS24以降は、実施例1のステップS3からステップS11と同様の処理が行われる。
ステップS11において、誤差量が格納されると、漏水発生確認部903は集中検針装置702からの漏水発生の報告と、中間メータ情報記憶部414が記憶している誤差量とを参照して、給水管103に漏水が発生していないことを確認し、漏水が発生していない旨を出力部905へ出力する。なお、漏水が発生していた場合は、漏水が発生している旨を出力部905へ出力する(ステップS25)。
出力部905は、識別情報記憶部401、子メータ情報記憶部412および料金算出結果記憶部415の記憶内容を参照して、住戸の識別情報、子メータM3の検針結果、水道使用量、水道使用料金、還付金、支払額、などの必要事項を取出し、「水道使用量のお知らせ」(図5参照)を作成する。さらに、出力部905は、漏水発生確認部903の出力内容を参照し、出力内容に応じて「水道使用量のお知らせ」に、漏水の有無を記載する。また、漏水が発生している場合には、漏水量として誤差量を「水道使用量のお知らせ」に記載する(ステップS26)。一連の処理が終了すると、次の検針日になるまで水道料金算出装置701は待機した状態となる。
給水システムを集合住宅に導入した場合の構成例を示した図である。 集合住宅に導入された給水システムに水道料金算出装置を適用した場合の一例を示した図である。 水道料金算出装置のハードウェア構成の一例を示した図である。 図3に示したハードウェア構成に基づいて水道料金算出装置の機能的構成の一例を示した図である。 「水道使用量のお知らせ」の一例を示した図である。 水道料金算出装置を給水システムに適用した場合の処理流れの一例を示したフローチャートである。 集合住宅に導入された給水システムに水道料金算出装置を適用した場合の一例を示した図である。 水道料金算出装置のハードウェア構成の一例を示した図である。 図7、図8に示したハードウェア構成に基づいて水道料金算出装置および集中検針装置の機能的構成の一例を示した図である。 水道料金算出装置および集中検針装置を給水システムに適用した場合の処理流れの一例を示したフローチャートである。
符号の説明
A 水道事業者
B 集合住宅
R1〜Rn 住戸
102 受水槽
M1 親メータ
M2 漏水検知器付中間メータ
M3 子メータ
C 水道管理者
201、701 水道料金算出装置
322、823 検針結果格納プログラム
323 水量算出プログラム
324 料金算出プログラム
325 誤差量算出プログラム
330 情報記憶部
403 検針結果入力部
405 水道料金算出部
406 請求額算出部
409 還付金算出部
410 支払額算出部
702 集中検針装置
822 メータ検針プログラム
824 漏水報告受信プログラム
901 自動検針要求部
902 自動検針結果入力部
903 漏水発生確認部
904 水道料金算出装置側通信部
906 メータ検針部
907 漏水発生通知部
908 集中検針装置側通信部

Claims (8)

  1. 水道事業者側が管理する第一の水道メータの下流直近に配され、複数の住戸を有する団地その他の集合建造物側が管理する受水槽と、
    当該受水槽の下流直近に配され前記集合建造物側が管理する漏水検知機能付の少なくとも一つの第二の水道メータと、
    前記受水槽から各住戸に水を供給する給水管と、
    各住戸に配され前記集合建造物側が管理する複数の第三の水道メータと、
    を具備した給水システムであって、
    前記水道事業者がおこなう前記第一の水道メータの検針日と同日に検針された第一の水道メータ、第二の水道メータおよび第三の水道メータの各検針結果を入力する検針結果入力手段と、
    前記検針結果入力手段により入力された各水道メータの検針結果を記憶するメータ情報記憶手段と、
    メータ情報記憶手段により記憶された前回の検針結果と今回の検針結果により、第一の水道メータを通過し水道事業者側から受水層へ供給された給水量と、第二の水道メータを通過し受水層から配水管へ供給された配水量と、第三の水道メータを通過し各住戸へ供給された水道使用量と、を算出する水量算出手段と、
    大口契約の料金体系と小口契約の料金体系とを予め記憶した算出基準記憶手段と、
    前記水量算出手段により算出された給水量と予め記憶されている前記大口契約の料金体系とに基づいて、前記水道事業者により前記集合建造物に対して一括して請求される水道料金の請求額を算出する請求額算出手段と、
    前記水量算出手段により算出された水道使用量と予め記憶されている前記小口契約の料金体系とに基づいて、各住戸が本来支払うべき水道使用料金を算出する水道使用料金算出手段と、
    前記水道使用料金および前記請求額から、水道料金として各住戸が実際に支払う支払額を決定する支払額決定手段と、
    を備え、
    前記第二の水道メータにより前記給水管および受水層に漏水が発生していないことを確認して水道料金の適正さを担保する給水システム。
  2. 前記大口契約および前記小口契約の料金体系が各水道メータの上流直近の水導管の口径に従って設定されている公共料金表による料金体系であること特徴とする請求項1に記載の給水システム。
  3. 前記支払額決定手段が、
    前記小口契約の料金体系に基づいて算出された前記水道使用料金の全住戸分の総額と前記大口契約の料金体系に基づいて算出された前記請求額との差額から所定の算定方法に基づいて各住戸への還付金を算出する還付金算出手段と、
    各住戸それぞれについて前記水道使用料金から前記還付金を差し引いて、各住戸が実際に支払う支払額を算出する支払額算出手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の給水システム。
  4. 給水システムを用いた水道料金の算出は水道管理者によって行われ、
    前記還付金算出手段は、前記差額から前記水道管理者への手数料を差し引いて還付金を算出することを特徴とする請求項3に記載の給水システム。
  5. 水道事業者側が管理する第一の水道メータの下流直近に配され、複数の住戸を有する団地その他の集合建造物側が管理する受水槽と、当該受水槽の下流直近に配され前記集合建造物側が管理する漏水検知機能付の少なくとも一つの第二の水道メータと、前記受水槽から各住戸に水を供給する給水管と、各住戸に配され前記集合建造物側が管理する複数の第三の水道メータと、を具備した給水システムに適用する水道料金算出プログラムであって、
    コンピュータに予め大口契約の料金体系と小口契約の料金体系とを記憶させ、
    当該コンピューを、
    前記水道事業者がおこなう前記第一の水道メータの検針日と同日に検針された第一の水道メータ、第二の水道メータおよび第三の水道メータの各検針結果を入力する検針結果入力手段、
    前記検針結果入力手段により入力された各水道メータの検針結果を記憶するメータ情報記憶手段、
    メータ情報記憶手段により記憶された前回の検針結果と今回の検針結果により、第一の水道メータを通過し水道事業者側から受水層へ供給された給水量と、第二の水道メータを通過し受水層から配水管へ供給された配水量と、第三の水道メータを通過し各住戸へ供給された水道使用量と、を算出する水量算出手段、
    前記水量算出手段により算出された給水量と予め記憶されている前記大口契約の料金体系とに基づいて、前記水道事業者により前記集合建造物に対して一括して請求される水道料金の請求額を算出する請求額算出手段、
    前記水量算出手段により算出された水道使用量と予め記憶されている前記小口契約の料金体系とに基づいて、各住戸が本来支払うべき水道使用料金を算出する水道使用料金算出手段、
    前記水道使用料金および前記請求額から、水道料金として各住戸が実際に支払う支払額を決定する支払額決定手段、
    前記第二の水道メータにより前記給水管および受水層に漏水が発生していないことを確認する漏水発生確認手段、
    として機能させることを特徴とする水道料金算出プログラム。
  6. 前記大口契約および前記小口契約の料金体系が各水道メータの上流直近の水導管の口径に従って設定されている公共料金表による料金体系であること特徴とする請求項5に記載の水道料金算出プログラム。
  7. 前記支払額決定手段を、
    前記小口契約の料金体系に基づいて算出された前記水道使用料金の全住戸分の総額と前記大口契約の料金体系に基づいて算出された前記請求額との差額から所定の算定方法に基づいて各住戸への還付金を算出する還付金算出手段、
    各住戸それぞれについて前記水道使用料金から前記還付金を差し引いて、各住戸が実際に支払う支払額を算出する支払額算出手段、
    として機能させることを特徴とする請求項5または6に記載の水道料金算出プログラム。
  8. 前記水道料金算出プログラムを用いた水道料金の算出は水道管理者側に配されたコンピュータによって行われ、
    前記還付金算出手段を、前記差額から前記水道管理者への手数料を差し引いて還付金を算出するように機能させることを特徴とする請求項7に記載の水道料金算出プログラム。
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