JP3859569B2 - 透明導電性フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネルなどに用いられる透明導電性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナル デジタル アシスタント(PDA)、並びにサブノートパソコンに代表される携帯用情報末端では、一般的に、携帯性と使いやすさが重視されることから液晶ディスプレイなどの表示装置上に入力装置として例えば抵抗膜式タッチパネルが配置されている。そして、タッチパネル上を指やペンで押圧することで、入力が図られ、押圧位置はX−Y座標として確認される。
【0003】
ところで、上記抵抗膜式タッチパネルの入力操作が行われるタッチ側基板には、片面若しくは両面に表面保護を目的とした光硬化型アクリル樹脂層を形成したフィルム状の透明性を有するポリエチレンテレフタラート又はポリカーボネートが用いられ、一方、ディスプレイ側基板には、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ソーダライムガラス又は強化ガラスが用いられる。そして、各基板の片面には、透明導電層としてインジウム・錫酸化物(以下、ITOと記載する。)の薄膜が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
タッチパネルに関しては、可視光領域における高い透明性(殊に、波長550nm付近の光透過率が高いこと)が要求されるが、これに対しては、タッチ側の導電層を形成するフィルム及びディスプレイ側の導電層を形成するフィルムと透明導電層との間への適当な金属酸化物(以下、「アンダーコート層」と呼ぶ。)を挿入する技術が知られている。即ち、各基板と透明導電層との間に例えば、酸化珪素、酸化珪素−酸化錫系の金属酸化物層を挿入し、電極、金属酸化物層、フィルムと屈折率が例えばそれぞれ交互に変化するように設計することにより、透明性の向上を図るという技術である。この技術は、詳述はしないがタッチパネル内の特に空気と接する部位で光の反射率が高くなることが光透過率を下げる大きな要因であることから極めて意義深い。
【0005】
ところで、ここでこのアンダーコート層とフィルム基板との密着性が問題となる。
【0006】
そこで、本発明は、アンダーコート層とフィルム基板との密着性に優れたタッチパネルなどに用いられる透明導電性フィルムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の透明導電性フィルムは、導電層形成フィルムと、導電層と、導電層形成フィルムと導電層との間に形成された金属酸化物からなるアンダーコート層(導電性を有するものを除く)と、前記アンダーコート層と導電層形成フィルムとの間に形成された前記金属酸化物に含まれる単一の金属元素又は前記金属酸化物に含まれる少なくとも1種を含む2種以上の金属元素の合金からなる金属層とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、アンダーコート層と導電層形成フィルムとの密着性を向上させ、導電層の脱落等を防止することができる。
【0009】
前記金属層には、シリコン、チタン、錫及び亜鉛からなる群から選ばれた金属を用いることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施の形態]
以下、本発明に係る透明導電性フィルムをタッチパネルに適応した場合の実施の形態ついて具体的に説明する。
【0011】
*構成について
図1は、実施の形態に係るタッチパネル1の構造を示す分解図であり、図2は、組立後のX−X線矢視断面図である。
【0012】
タッチパネル1は、抵抗膜式のタッチパネルであって、図1に示すように、タッチ側基板10と、ディスプレイ側基板20とが、スペーサ30を介し空気層31を形成する状態で対設されて構成されている。
【0013】
タッチ側基板10は、タッチパネル1において操作者からの指や機器を用いた入力を受け付ける側の面状部材であり、可撓性と耐熱性とに優れるとともに透明性の高い素材からなり、両面にハードコート層11が形成された導電層形成部材12と、当該ハードコート層11の一の表面11aにアンダーコート層13を介して形成され、パネル中央部に位置する導電層14と、このアンダーコート層13と導電層形成部材12とを密着させる密着層15とからなる。導電層14の対向する2側辺には電極141、142が設けられている。そして、導電層形成部材12の端部には図示しないコネクタが接続される、コネクタ電極143、144が形成され、このコネクタ電極143、144と前記電極141、142との間が配線パターン145,146で接続されている。
【0014】
ディスプレイ側基板20は、両面にハードコート層21が形成された支持部材22と、当該ハードコート層21の一の表面21aに導電層形成部材23及びアンダーコート層24を介して形成され、パネル中央部に位置する導電層25と、アンダーコート層24と導電層形成部材23とを密着させる密着層26とかなる。導電層形成部材23は、接着層27を介してハードコート層21の表面に接着されている。導電層25の対向する2側辺であって、前記導電層14に形成された電極141,142の対向方向と直交する方向の側辺には、電極251、252が形成されている。そして、導電層形成部材23の端部には、前記同様、コネクタと接続される一対のコネクタ電極253、254が形成され、更に、このコネクタ電極253、254と前記電極251、252とを接続する配線パターン255,256が形成されている。また、導電層25の表面には例えば、光硬化型のアクリル樹脂からなるドット状のスペーサ30(高さ10μm程度、直径10〜50μm)が所定間隔(数mm間隔)を置いて配されている。
【0015】
上記タッチ側基板10とディスプレイ側基板20とは、導電層14と導電層25とが平行に対向する状態でそれらの周縁部で接着剤40により接着される。
【0016】
*ハードコート層について
ハードコート層は、光硬化型のシリコーン系、アクリル系、セルロース系、メラミン系或はウレタン系の樹脂を母材(導電層形成部材12、支持部材22)に塗布し、次いで、紫外線を照射することによりの面全面に取着させることで形成される厚み数μmの薄層である。
【0017】
ハードコート層11を形成した導電層形成部材12の表面の硬度は、摩擦に対する耐久性、透明導電層の密着性、適度な剛性を導電層に付与する観点から、鉛筆硬度測定法でH以上にすることが好ましく、3H以上がより好ましい。
【0018】
なお、このハードコート層11は、設けた方がパネル自体の耐久性が向上するので好ましいが、もちろんなくても構わない。
【0019】
また、導電層形成部材23の表面にもこのようなハードコート層を形成することもできる。
【0020】
*導電層14及び25について
導電層14及び25は、透明性でしかも導電性を有する金属酸化物である。導電層14及び25には、ITO、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛、或は酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系金属酸化物を用いることができる。
【0021】
導電層14及び25のパネルの中央部に位置するというパターンは、アンダーコート層13及び24上全面に導電性の膜を形成した後、ウェットエッチングにより形成する。
【0022】
次いで、銀インクや銀とカーボンとの混合インクを用いて塗布印刷により電極141,142、143、144、251、252、253、配線パターン145、146、255、256を形成する。
【0023】
*アンダーコート層13、24、密着層15、26について
アンダーコート層13(24)は、導電層14(25)に近い順に屈折率がそれぞれ異なる金属酸化物からなる絶縁性の2つの層、13a(24a)、13b(24b)を備える。ここで、導電層及びアンダーコート層(上下の2層)は、それぞれの層の屈折率が順に、高、低、高となるように設計し、これらの積層された構造物での光透過率がより高くなるようにしてある。
【0024】
層13b(24b)は、密着層15(26)を介して、ハードコート層11(導電層形成部材23)に密着している。密着層15(26)は、金属元素単一又は2種以上の金属元素の合金からなる金属層であり、シリコン、チタン、錫又は亜鉛の元素単一、或いはこれらの合金により形成することが好ましい。
【0025】
密着層15及び25の厚みは、従来から一般的に用いられていた酸化珪素(SiOx;X≦2)からなる密着層よりも薄く、10Å〜50Åに設定することが望ましい。これは、50Åを超えると、光透過率が落ち、アンダーコート層を介在させる意義がなくなるからであり、一方、10Åよりも薄いと、十分な密着性が得られないからである。
【0026】
密着層15及び26は、従来から一般的なスパッタリング法、抵抗蒸着法、電子ビーム蒸着法などの真空薄膜化技術を適応して形成することができる。
【0027】
また、アンダーコート層13及び24を形成する金属酸化物には、酸化珪素、酸化チタン、酸化錫、酸化錫−酸化ハフニウム系、酸化珪素−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化錫−酸化チタン系等を用いることができる。このような屈折率の異なる層を設けることによって、パネル自体の光透過率をより向上させることができる。
【0028】
このアンダーコート層13及び24もスパッタリング法、抵抗蒸着法、電子ビーム蒸着法などの真空薄膜化技術を適応して形成することができるが、スパッタリング法によって2種類以上の金属の酸化物から構成されたアンダーコート層13、24の各層を形成する場合、それら金属の単体をスパッタリングする原料とするよりも、それら金属の合金を原料として用いた方がスパッタ効率が向上するので同じ膜厚に設定する場合に生産性が向上するので望ましい。
【0029】
*接着層27について
接着層27は、粘着剤と可塑剤との混合物からなる所定の厚み(例えば、5〜100μm)の薄層である。粘着剤としては例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を用いることができる。
【0030】
押圧による入力操作が行われたときに、ディスプレイ側の導電層25にも押圧は伝わり、当該導電層25の一部は凹形状に弾性変形する。この弾性変形が繰り返し行われれば、最悪は導電層自体の復元性が失われてしまう。こうなれば、導電層25の表面に凹部が残ったままになり、タッチパネルを用いた入力操作が適切に行われなくなってしまう。ここで、接着層27は、導電層25に弾性を付与する役割を果たし、このような問題を回避するのに寄与する。
【0031】
*導電層形成部材12、支持部材22及び導電層形成部材23について
導電層形成部材12及び23には、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリラートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート等の素材からなる透明性シートを用いることができる。
【0032】
支持部材22には、ガラス基板、ポリカーボネート又はポリメチルメタクリラートなどのアクリル樹脂基板、ポリオレフィン系樹脂基板を用いることができる。
【0033】
ただし、落下などによる耐衝性や軽量性を考慮すると、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリラートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート又はポリオレフィン系樹脂基板を用いることが好ましく、又耐熱性をも考慮するとポリカーボネート、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。
【0034】
*アンダーコート層とハードコート層及び導電層形成部材との密着性が向上する理由
上記したように密着層をシリコンなどの金属で形成すれば、金属のもつ反応性ゆえに、当該密着層形成後でもそれ自体には反応性が残るので、金属層自体が接触するアンダーコート層、ハードコート層及び導電層形成部材と化学的に結合する。このことは、金属元素単一であろうと金属元素複数からなる合金であろうと同様である。これに対して、従来の酸化珪素の場合、密着層自体の反応性に乏しい。従って、密着層をシリコンなどの金属で形成すれば、アンダーコート層とハードコート層、導電層形成部材との高い密着性が得られるものと考えられる。
【0035】
*その他
以上説明した実施の形態に限定されず、以下の変形例が考えられる。
【0036】
(1) 上記構成ではアンダーコート層は、複数層に形成したが、これは1層(酸化珪素など)であっても無論構わない。
【0037】
(2) 上記パネル構成では、導電層形成部材23には樹脂を用いたが、これに限定されず、ガラスをはじめとする無機系の材料を用いて構成し、これに直接ITO等の導電層を形成し、これと予め密着層を形成した支持部材と貼り合わせた構成とすることもできる。この場合、ガラス製の導電層形成部材23は、アンダーコート層を兼用することになる。
【0038】
[実施例]
上記した実施の形態に基づいて、下記表1に示すような導電層形成部材、導電層、アンダーコート層及び密着層とからなる透明導電性フィルムを作製した。
【0039】
【表1】
Figure 0003859569
フィルム▲2▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼は実施例に係る透明導電性フィルムであり、フィルム▲1▼、▲3▼は比較例である。
【0040】
すなわち、フィルム▲2▼は、導電層形成部材にはポリエチレンテレフタラート(PET)を用い、密着層は厚み10Åのシリコン膜で、アンダーコート層は厚み500の酸化珪素膜で、導電層は厚み300ÅのITOの膜でそれぞれ構成されている。
【0041】
フィルム▲4▼は、導電層形成部材にはフィルム▲2▼同様にポリエチレンテレフタラート(PET)を用い、密着層は厚み10Åのシリコン膜で、導電層は厚み300ÅのITOの膜で構成している。そして、アンダーコート層は2層で構成し、導電層形成部材寄り側には厚み600Åの酸化亜鉛−酸化錫系の膜を配し、その上層には、厚み450Åの酸化珪素の膜を配した。
【0042】
フィルム▲5▼は、密着層が亜鉛と錫の合金で構成されてある以外はフィルム▲4▼と同様の構成である。
【0043】
フィルム▲6▼は、密着層がシリコンと錫の合金で構成されてある以外はフィルム▲4▼と同様の構成である。
【0044】
フィルム▲1▼は、フィルム▲2▼の構成において、密着層が配されていないフィルムである。
【0045】
フィルム▲3▼は、フィルム▲4▼〜▲6▼の構成において、密着層が配されていないフィルムである。
【0046】
なお、各フィルム▲1▼〜▲6▼の550nmの波長の可視光透過率は、表1の最右欄に記したように、フィルム▲1▼が90.5%、フィルム▲2▼が90.7%、フィルム▲3▼が95.1%、フィルム▲4▼が95.2%、フィルム▲5▼が94.8%、フィルム▲6▼が95.0%に設定されており、中でも、フィルム▲3▼〜▲6▼では、アンダーコート層を2層にすることにより1層の場合よりも光透過率をより高く設定し、フィルムの透明性の向上を図ってある。
【0047】
以上のような構成のフィルム▲1▼〜▲6▼を用いて、以下の実験を行い、それらの特性を調べた。
【0048】
実験1(アルカリ耐性実験);
2%NaC水溶液(25℃下)に作製した各フィルムを所定時間(5分間、15分間、5時間、15時間)、侵漬放置し、水洗した後、テープ剥離試験を行ったもののITO電極表面を顕微鏡観察し、加えてITO電極表面の抵抗値をも測定した。
【0049】
テープ剥離試験では、粘着性を有するテープを透明導電性フィルムのITO電極側に貼り付け、これを引き剥がすという操作を1回だけ行う。
【0050】
実験2(高温多湿耐性実験);
この実験では、作製した各フィルムを温度80℃、湿度90%という高温で多湿の環境下に所定時間(24時間、120時間、500時間)放置したのち、前記テープ剥離試験を行ったもののITO電極表面を顕微鏡観察し、加えてITO電極表面の抵抗値をも測定した。
【0051】
これらの実験1及び2により導電層形成部材であるPETフィルムと密着層との密着性を評価する。
【0052】
実験の結果;
実験1及び2の結果を下記表2に示した。
【0053】
【表2】
Figure 0003859569
なお、この表で、顕微鏡観察の結果の欄に、○、△、×という記号が付してあるが、これらは、導電層の表面状態の変化の程度の違いを表すものであり、○は変化なし、△は導電層は剥離していないが表面にクラックが発生しているもの、×は導電層が剥離しているものを表す。また、抵抗値は、初期値(フィルム▲1▼は320Ω/単位面積、フィルム▲2▼は300Ω/単位面積、フィルム▲3▼は302Ω/単位面積、フィルム▲4▼は310Ω/単位面積、フィルム▲5▼は305Ω/単位面積、フィルム▲6▼は298Ω/単位面積である。)に対する変化率で表している。
【0054】
この表に示す結果を観て明らかなように、密着層を配していない、比較例に係るフィルム▲1▼、▲3▼は、アルカリ耐性実験において、あまりよい結果は得られなかった。すなわち、これらのフィルムでは、5分間アルカリ水溶液に侵漬しただけで、顕微鏡観察の結果、導電層表面にはクラックが発生しており、5時間アルカリ水溶液に侵漬したものであれば、導電層は明らかに剥離していた。また、導電層の表面抵抗値は、侵漬する時間が長くなるのつれて、抵抗値の上昇が認められ、双方ともに、15時間の侵漬では、測定不可能な程度にまで、上昇していた。
【0055】
これに対して、実施例に係るフィルム▲2▼、▲4▼、▲5▼及び▲6▼では、良好な結果が得られた。すなわち、15時間アルカリ水溶液に侵漬した場合にも、フィルム▲5▼及び▲6▼でクラックの発生が認められた程度で剥離は観察されず、抵抗値は、15時間経過しても最大で初期値の1.13倍にしかなっていなかった。
【0056】
次に、高温多湿耐性実験の結果を観てみると、比較例に係るフィルム▲1▼、▲3▼は、あまりよい結果は得られなかった。すなわち、これらのフィルムでは、120時間で、顕微鏡観察の結果、導電層表面にはクラックが発生しており、高温多湿環境におく時間が長くなるつれて、抵抗値の上昇が認められ、500時間では、初期抵抗値の4倍付近に達していた。
【0057】
これに対して、実施例に係るフィルム▲2▼、▲4▼、▲5▼及び▲6▼では、良好な結果が得られた。すなわち、500時間、高温多湿環境においた場合にも、すべてのフィルムで変形は認められず、抵抗値は、500時間でも最大で初期値の1.15倍にしかなっていなかった。
【0058】
これらの実験結果は、実施例に係るフィルム▲2▼、▲4▼、▲5▼及び▲6▼は、比較例に係るフィルム▲1▼及び▲3▼に比べ、導電層の密着性が極めて高いことを表し、従って、金属で構成した密着層の有効性を示すものである。
【0059】
なお、比較例に係るフィルム▲1▼よりもフィルム▲3▼の方が、アルカリ耐性実験及び高温多湿耐性試験双方において抵抗値の上昇率が小さかった。これは、フィルム▲3▼に配した、アンダーコート層の一層がPETフィルムとの密着性向上に若干ではあるが貢献していることを示すものである。
【0060】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明の透明導電性フィルムは、導電層形成フィルムと、導電層と、導電層形成フィルムと導電層との間に形成された金属酸化物からなるアンダーコート層(導電性を有するものを除く)と、前記アンダーコート層と導電層形成フィルムとの間に形成された前記金属酸化物に含まれる単一の金属元素又は前記金属酸化物に含まれる少なくとも1種を含む2種以上の金属元素の合金からなる金属層とを備えることを特徴とする。
【0061】
これにより、アンダーコート層と透明導電性フィルムとの密着性を向上させ、導電層の脱落等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る透明導電性フィルムを適応したタッチパネルの分解図である。
【図2】前記タッチパネルの断面図である。
【符号の説明】
1 タッチパネル
10 タッチ側基板
11 ハードコート層
12 導電層形成部材
13 アンダーコート層
14 導電層
15 密着層
20 ディスプレイ側基板
21 ハードコート層
22 支持部材
23 導電層形成部材
24 アンダーコート層
25 導電層
26 密着層
27 接着層
30 スペーサ
31 空気層
40 接着剤
141,142 電極
143、144 コネクタ電極
145,146 配線パターン
251,252 電極
253,254 コネクタ電極
255,256 配線パターン

Claims (2)

  1. 導電層形成フィルムと、
    導電層と、
    導電層形成フィルムと導電層との間に形成された金属酸化物からなるアンダーコート層(導電性を有するものを除く)と、
    前記アンダーコート層と導電層形成フィルムとの間に形成された前記金属酸化物に含まれる単一の金属元素又は前記金属酸化物に含まれる少なくとも1種を含む2種以上の金属元素の合金からなり、かつ10Å以上50Å以下の厚みを有する金属層と
    を備える
    ことを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 請求項1に記載の透明導電性フィルムを用いたタッチパネル。
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