JP3859413B2 - Slurry or solution material drying method, slurry or solution material drying apparatus, and ceramic sintered body manufacturing method - Google Patents
Slurry or solution material drying method, slurry or solution material drying apparatus, and ceramic sintered body manufacturing method Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリー状又は溶液状材料の乾燥方法、スラリー状又は溶液状材料の乾燥装置及びセラミック焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スラリー状又は溶液状材料の乾燥装置の一例として、噴霧乾燥装置(スプレードライヤ)を図12に示す。この装置では、スラリー状又は溶液状の材料Mが乾燥室30上方の投入口10から供給されるとともに、外気が加熱器23で加熱され、給気Iとして乾燥室30の上面又は周面の給気口20から乾燥室30に導入される。そして、乾燥室30内を上部の投入口10側から下部の取出口40側に向け自然落下する材料Mに対して、加熱された給気Iを接触させることにより、材料Mの水分が熱風(給気)I中を浮遊する間に給気Iに移行(吸収)され、材料Mの乾燥が行われる。乾燥後の乾燥粉末Gは乾燥室30下部の取出口40から、一方給気Iは排気Oとして乾燥室30中間部の排気口50から、それぞれ乾燥室30の外部へ取り出される。
【0003】
ところで、このような乾燥装置では、得られる乾燥粉末Gに含まれる水分量(含水量)を一定の値となるように制御する必要があり、従来から種々の乾燥制御(乾燥システム)を考慮して乾燥粉末Gの水分量制御がなされている。この乾燥制御の代表的なものとして、次のような乾燥システムが知られている。すなわち、赤外線等を利用した水分量測定計6aを試料採取部6Aに設置して乾燥粉末Gの水分量を直接測定し、測定された検出水分量と乾燥粉末Gの規定水分量との比較に基づいて、材料Mの投入量を制御部8及び流量調整弁12、流量計1b等によりコントロールしながら、乾燥粉末Gの水分量制御を行う方法である。なお、試料採取部6Aは、例えば図12のように乾燥粉末Gの取出流路41等から分岐させて設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法では、完成した乾燥粉末Gの水分量のみが検知対象(具体的な検知手段は水分量測定計6a)であり、一方システム先頭の乾燥室30内への材料Mの投入量が制御対象(具体的な制御手段は流量調整弁12等)であることから、両者間で必然的に応答の遅れが発生して、乾燥粉末Gの水分量制御にハンチングが生じ易い傾向にある。したがって、乾燥粉末Gの水分量を安定させるために、得られた異なる水分量の乾燥粉末Gを収集して、ブレンダ等で撹拌混合して乾燥粉末Gの水分量を均一化させることが必要になる。しかしながら、乾燥後に撹拌混合といった再加工を施すことからコストアップの要因となり、また再加工に伴い乾燥粉末Gの品質の低下を引き起こすおそれもある。
【0005】
さらに上記方法では、水分量測定計6aの試料採取部6Aは乾燥粉末Gの流量を一定にし水分量の測定を安定させるため、狭い通路で形成されていることから、乾燥粉末Gの詰まりG’を生じたり、あるいは水分量測定計6aに過水分乾燥粉末が付着したりすることがある。そのために乾燥粉末Gの水分量制御が不能になるのみならず乾燥システムにて乾燥条件を作る上での制御に暴走が発生する可能性がある。また、乾燥装置の起動時(運転開始時)や材料投入一時停止後の再起動時(運転再開時)等には取出口40に乾燥粉末Gが存在しない場合があり、かかる場合にも乾燥条件を作る上での制御に暴走が発生する可能性がある。
【0006】
本発明の課題は、乾燥粉末の水分量制御を行うにあたり、応答性がよくハンチングを起こしにくく、また試料採取部に詰まりが発生した場合とか、乾燥装置の起動時や材料投入一時停止後の再起動時等のように取出口に乾燥粉末が存在しない場合にも、乾燥条件を作る上での制御に暴走が発生する恐れが少なく、生産性を阻害しないスラリー状又は溶液状材料の乾燥方法及びスラリー状又は溶液状材料の乾燥装置を提供することにある。また、そのようにして製造される乾燥粉末を成形・焼結して品質のよいセラミック焼結体を得るセラミック焼結体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために、第一番目の発明にかかるスラリー状又は溶液状材料の乾燥方法は、
セラミック原料を含有するスラリー状又は溶液状材料を乾燥部に設けられた投入口から乾燥室に供給するとともに、加熱器を通じて加熱された外気を給気として前記乾燥部に設けられた給気口から前記乾燥室に導入し、
前記投入口から供給された前記材料に対して前記給気を接触させることにより当該材料の乾燥を行い、
乾燥後の前記材料を前記乾燥部に設けられた取出口から乾燥粉末として取り出す一方、前記給気を前記乾燥部に設けられた排気口から排気として前記乾燥室の外部に排出し、
前記排気口の近傍にて前記排気の絶対湿度を特定するのに必要な情報を検出し、該排気絶対湿度の検出値HO'に基づいて、規定水分量を有する前記乾燥粉末が得られるように前記給気の有する給気熱量を調整するとともに、
前記投入口への供給に先立つ前記材料の温度と投入量とによって、前記材料を介しての投入熱量を検出し、該材料投入熱量の検出値に基づいて前記給気熱量を補助的に調整することを特徴とする。
【0008】
また、第一番目の発明にかかるスラリー状又は溶液状材料の乾燥装置は、
セラミック原料を含有するスラリー状又は溶液状材料を供給する投入口と、
外気を加熱器で加熱し給気として導入する給気口と、
前記投入口から供給された前記材料に対して前記給気を接触させることにより当該材料の乾燥を行う乾燥室と、
乾燥後の前記材料を乾燥粉末として外部へ取り出す取出口と、
前記給気を排気として外部へ排出する排気口とを備え、
前記排気口の近傍にて前記排気の絶対湿度を特定するのに必要な情報を検出する検出器が設けられ、その検出器により検出された排気絶対湿度の検出値HO'に基づいて、規定水分量を有する前記乾燥粉末が得られるように前記給気の有する給気熱量を調整する制御部が設けられるとともに、
前記投入口への供給に先立つ前記材料の温度を測定する温度計とその投入量を測定する流量計とが設けられ、前記制御部は、それら温度計と流量計とによって検出された材料投入熱量の検出値に基づいて、前記給気熱量を補助的に調整することを特徴とする。
【0009】
これらの発明によれば、排気絶対湿度の検出値HO'に基づいて、規定水分量を有する乾燥粉末が得られるように給気の有する給気熱量を調整することで、完成した乾燥粉末の水分量を直接的に測定しなくてもよい。すなわち乾燥中の情報を利用して粉末水分量の制御を行うことから応答性の遅れが少なく、ハンチングを起こしにくい安定した粉末水分量の制御が期待できる。また、水分量測定計の試料採取部に詰まりが発生した場合とか、乾燥装置の起動時や材料投入一時停止後の再起動時等のように取出口に乾燥粉末が存在しない場合にも、乾燥条件を作る上での制御に暴走が発生する恐れが少なく、生産性を阻害しないスラリー状又は溶液状材料の乾燥方法及びスラリー状又は溶液状材料の乾燥装置が得られる。
【0010】
なお、排気絶対湿度の目標値HOに関して、目標値HOを所定の値一点に定めておいても、ハンチングを起こしにくい安定した粉末水分量の制御が期待できるが、所定の値に対する上下のうち少なくとも一方に不感帯を設定した目標値HOとしておけば、より一層のハンチング防止が図れる。また、本明細書において「水分量」というときは、湿量基準(例えば「水分率」)の場合と乾量基準(例えば「含水率」)の場合とを含んでいる。
【0011】
また、本発明の給気熱量の調整は、材料からの単位時間当たりの除去水分量を略一定に又は規定範囲内に維持するように行われる場合がある。ここで、材料からの単位時間当たりの除去水分量とは、言い換えれば材料の乾燥速度を表しており、乾燥粉末の生産性を上げるためには大きいほどよい。しかし一方では、乾燥装置の性能は勿論、材料の変質(例えば物理的又は化学的性質の変化等)防止の観点からも自ずと制限されることになる。本発明によれば、材料に対して最適な乾燥速度のもとでの安定した連続運転が可能になる。なお、材料からの単位時間当たりの除去水分量に関しても、排気絶対湿度の目標値HOと同様に、所定の値に対する上下のうち少なくとも一方に不感帯を設定しておけば、ハンチング防止に効果的である。
【0012】
ここで本発明の給気熱量の調整は、より具体的には、排気絶対湿度の検出値HO'と、材料の保有水分量と乾燥粉末の規定水分量とから定まる排気絶対湿度の目標値HOとの比較において、HO'<HOのとき給気熱量を大きくし、HO'>HOのとき給気熱量を小さくすればよい。この場合には、比較的簡便な加熱器の温度調節によって、乾燥粉末の水分量の制御が応答性よく行える。
【0013】
したがって、比較的低水分量の、例えば水分率3%以下の乾燥粉末を製造する場合でも、乾燥粉末の詰まりや変質等が少ない状態で取り出すことができる。なお、本明細書では「水分率」を湿量基準で用いている。
【0014】
さらに本発明では、材料の供給に先立つ所定時間にわたって、材料の保有する水分が乾燥室にて単位時間当たりに蒸発するに要する蒸発熱量に略等しい熱量となる所定量の冷媒を、投入口から供給することができる。例えば乾燥装置の起動時(運転開始時)や材料投入一時停止後の再起動時(運転再開時)のような、取出口に乾燥粉末が存在しない場合にも、乾燥粉末の水分量の制御が不能になったり、乾燥条件を作る上での制御に暴走が発生する恐れが少なく、安定した制御が行える。
【0015】
さらに本発明では、乾燥粉末の水分量を検出し、乾燥粉末の検出水分量A'と規定水分量Aとの比較において、A'<Aのとき給気熱量を小さくし、A'>Aのとき給気熱量を大きくする制御を補助的に行ってもよい。ここでも給気熱量を制御対象とすることで、応答性のよい粉末水分量の制御が可能となる。なお、規定水分量Aに対する上下のうち少なくとも一方に不感帯を設定しておけば、ハンチング防止に効果的である。
【0016】
さらに本発明では、加熱器を通じて加熱される前の外気の温度、湿度又は風量のうち少なくとも一つの特性値を検出し、特性値に基づいて給気熱量を補助的に調整してもよい。この場合には、規定水分量を有する乾燥粉末を得るために外気状況の変化に応じたより精密な粉末水分量の制御ができる。なお、この場合の湿度は絶対湿度、相対湿度のいずれでもよい。
【0017】
さらに本発明では、乾燥室からの放熱量を特定するのに必要な情報を検出し、乾燥室放熱量の検出値に基づいて給気熱量を補助的に調整してもよい。また、乾燥粉末の残存熱量を特定するのに必要な情報を検出し、粉末残存熱量の検出値に基づいて給気熱量を補助的に調整してもよい。あるいは、投入口への供給に先立つ材料の温度と投入量とによって、材料を介しての投入熱量を検出し、材料投入熱量の検出値に基づいて給気熱量を補助的に調整してもよい。これらの場合には、規定水分量を有する乾燥粉末を得るために材料や雰囲気等の状況変化に応じたより精密な粉末水分量の制御が可能となる。
【0018】
さらに本発明では、乾燥粉末の水分量を検出し、乾燥粉末の検出水分量が規定水分量を満たしていないとき、この規定外の乾燥粉末は規定水分量の乾燥粉末とは分離して回収することができる。例えば乾燥装置の起動時(運転開始時)や材料投入一時停止後の再起動時(運転再開時)に乾燥粉末の検出水分量が規定水分量を外れたときでも、乾燥粉末の水分量の制御が不能になったり、乾燥条件を作る上での制御に暴走が発生する恐れが少なく安定した制御が行える。
【0019】
なお、上記分離回収された規定外の乾燥粉末は、水分量検出前の乾燥粉末と再混合される場合がある。このときは、乾燥粉末の生産効率と歩留まりをさらに向上させることができる。
【0020】
また、第二番目の発明にかかるスラリー状又は溶液状材料の乾燥方法は、
セラミック原料を含有するスラリー状又は溶液状材料を乾燥部に設けられた投入口から乾燥室に供給するとともに、加熱器を通じて加熱された外気を給気として前記乾燥部に設けられた給気口から前記乾燥室に導入し、
前記投入口から供給された前記材料に対して前記給気を接触させることにより当該材料の乾燥を行い、
乾燥後の前記材料を前記乾燥部に設けられた取出口から乾燥粉末として取り出す一方、前記給気を前記乾燥部に設けられた排気口から排気として前記乾燥室の外部に排出するとともに、
前記材料の供給に先立つ所定時間にわたって、前記材料の保有する水分が前記乾燥室にて単位時間当たりに蒸発するに要する蒸発熱量に略等しい熱量となる所定量の冷媒を、前記投入口から供給することを特徴とする。
【0021】
一方、第二番目の発明にかかるスラリー状又は溶液状材料の乾燥装置は、
セラミック原料を含有するスラリー状又は溶液状材料を供給する投入口と、
外気を加熱器で加熱し給気として導入する給気口と、
前記投入口から供給された前記材料に対して前記給気を接触させることにより、当該材料の乾燥を行う乾燥室と、
乾燥後の前記材料を乾燥粉末として外部へ取り出す取出口と、
前記給気を排気として外部へ排出する排気口とを備え、
前記材料の供給に先立つ所定時間にわたって、前記材料の保有する水分が前記乾燥室にて単位時間当たりに蒸発するに要する蒸発熱量に略等しい熱量となる所定量の冷媒を、前記投入口から供給するための冷媒供給部を配設したことを特徴とする。
【0022】
これらの発明によれば、例えば乾燥装置の起動時(運転開始時)や材料投入一時停止後の再起動時(運転再開時)のような、取出口に乾燥粉末が存在しない場合にも、乾燥室の状況を急変させることなく、乾燥粉末の水分量の制御が不能になったり、乾燥条件を作る上での制御に暴走が発生する恐れが少なく安定した制御が行え、生産性を阻害しないスラリー状又は溶液状材料の乾燥方法及びスラリー状又は溶液状材料の乾燥装置が得られる。
【0023】
ところで、上記第一番目又は第二番目の発明の方法により、セラミック原料を含有するスラリー状又は溶液状のセラミック材料を乾燥して得られた乾燥粉末は、平均粒径が略一定で、規定水分量を略安定的に含有する状態で、スラリー状又は溶液状材料の供給開始から供給終了まで連続的に歩留まりよく生産される。したがって、その乾燥粉末を用いて所定形状の成形体を成形し、その成形体を焼結することにより得られる、本発明にかかるセラミック焼結体は、品質のよい製品として安価に生産することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明の一例たるスプレードライヤ(噴霧乾燥装置)の全体正面図を示す。このスプレードライヤは、アルミナ、窒化アルミニウム等のセラミック粉末粒子を懸濁したスラリー状材料の乾燥装置として利用される。スラリー状材料(原液)Mは、材料供給部1のタンク11からパイプ路を通って乾燥部3に形成される乾燥室30へ送られる(パイプ路内を自然落下させてもよいし、ポンプ等によって圧送させてもよい)。具体的にはスラリー状材料Mは、流量調整弁12を介して、乾燥室30の天井部の投入口10に配置された微粒化装置(アトマイザ)13に供給される。アトマイザ13は、乾燥スピードのアップ、粉末の球状化、粉末径の均一化等を目的として微粒化した原液Mを乾燥室30全体に噴霧状に吐出する。原液Mは、通常の場合水分率20〜50%のスラリー状で、例えば水分率33%のアルミナスラリーがアトマイザ13に供給され、乾燥室30全体に吐出される。なお、セラミックの材質によっては、セラミック原料成分を溶解させた溶液状材料Mを使用できる場合もある。一方、給気部2のフィルタ24及びダンパ21を介して送風機22で取り込まれた外気が加熱器23へ送られ、加熱されたのち給気Iとして、乾燥室30の上面又は上部周面に設けられた給気口20から乾燥室30に向けて導入される。
【0025】
そして、乾燥室30において、アトマイザ13から噴霧状に吐出され、乾燥室30内を上部の投入口10側から下部の取出口40側に向け自然落下するスラリー状材料Mに対して、加熱された給気Iを接触させる。これにより、スラリー状材料Mは熱風(給気)I中を浮遊する間にその水分が給気Iに移行され、スラリー状材料Mの乾燥が行われる。次いで、乾燥されたスラリー状材料Mは、乾燥室30下部の取出部4に形成された取出口40から取出流路41を経て乾燥粉末Gとして取り出される。一方給気Iは乾燥室30の中間部周壁の排気口50から、乾燥室30中間部に浮遊する一部の乾燥粉末Gとともに排気部5に設けられた排風機56で吸引され、排気口50に接続された排気流路51へ排気Oとして取り出される。
【0026】
ここで、図1の実施例では、乾燥粉末Gの生産効率と歩留まりを向上させるために、取出流路41に次のような機構を備えている。取出口40下方の取出流路41には篩42が設けられ、取出口40から出た乾燥粉末Gはまず篩42にかけられる。篩42の加振により粒子径が細かく揃えられた乾燥粉末Gは、篩42を流下した後、分離・回収部6に設けられた排風機69の吸引力によって捕集サイクロン60内に投入される。一方篩42を透過できなかった大径粉末やゴミ等の異物は回収箱44に回収される。
【0027】
そして、捕集サイクロン60内に導入された乾燥粉末Gは、捕集サイクロン60の内壁に沿う旋回流によって撹拌されるとともに、比重差で塵等の異物と選別・分離される。つまり、相対的に重い乾燥粉末Gは捕集サイクロン60下部より回収流路61に取り出され、保管サイロ66に収容される。一方、相対的に軽い塵等の異物は、フィルタ67及びダンパ68を経て排風機69で系外に排出される。
【0028】
さて、捕集サイクロン60出口に接続された回収流路61には以下のようなフィードバック機構が設けられている。捕集サイクロン60下部より回収流路61に取り出された乾燥粉末Gの一部は、試料採取部6Aに分岐し、赤外線等を利用した水分量測定計6aで水分量を直接測定され、その後戻り流路61’を介して取出流路41(図1では篩42の下流側)に循環されている。試料採取部6Aよりも下流側の回収流路61には4ポート3位置型の電磁切換弁62が設置されている。回収流路61の乾燥粉末Gを複数(図1では2槽)の保管サイロ66に収容するとき、各サイロ66のレベル計6bからの制御信号によって電磁切換弁62がb又はcの位置に切り換えられる。また、水分量測定計6aで測定された乾燥粉末の水分率MG'が規定水分率MGを満たしていないとき、水分量測定計6aからの制御信号によって、電磁切換弁62はa位置に切り換えられる。その結果、この規定外の乾燥粉末Gは規定水分率の乾燥粉末Gとは分離して分離流路63の一時貯留タンク64に回収される。一時貯留タンク64の出口と取出流路41とは還元流路65によって接続されており、回収された規定外の乾燥粉末Gは還元流路65を通じて取出流路41(図1では取出口40と篩42との間)に戻され、乾燥部3から取り出され水分率測定前の乾燥粉末Gと再度混合される。そして、混合された乾燥粉末Gは排風機69の吸引力によって捕集サイクロン60に投入され、試料採取部6Aに至ると水分量測定計6aで再び水分率MG'が測定される。
【0029】
例えば乾燥装置の起動時(運転開始時)や材料投入一時停止後の再起動時(運転再開時)に乾燥粉末Gの検出水分率MG'が規定水分率MGを外れたときでも、この規定外の乾燥粉末Gを規定水分率の乾燥粉末Gとは分離して回収する分離流路63が設けられているので、乾燥粉末Gの水分量の制御が不能になったり、乾燥条件を作る上での制御に暴走が発生する恐れが少なく安定した制御が行える。しかも分離回収された規定外の乾燥粉末Gは、還元流路65により還元されて水分率検出前の後続の乾燥粉末Gと混合されるので、乾燥粉末Gの生産効率と歩留まりを向上させることができる。このとき、規定外の乾燥粉末Gと後続の乾燥粉末Gとが捕集サイクロン60によって混合・撹拌されるので、水分率を均一化する上で有効である。
【0030】
一方、乾燥粉末Gを含む排気Oは、排気流路51を経て排気用サイクロン52内に導入され、排気用サイクロン52の内壁に沿う旋回流によって撹拌されるとともに、比重差で乾燥粉末Gと選別・分離される。つまり、相対的に重い乾燥粉末Gは排気用サイクロン52下部より合流流路53に取り出され、回収流路61に合流される。一方、相対的に軽い排気Oは、フィルタ54及びダンパ55を経て排風機56で系外に排出される。
【0031】
なお、電磁切換弁62は複数の切換ダンパ等に置き換えて使用してもよい。また、戻り流路61’及び還元流路65は、水分量測定計6aよりも上流側であれば捕集サイクロン60や回収流路61に戻してもよい。ただし、戻り流路61’又は還元流路65を通じてフィードバックされる乾燥粉末Gと取出口40から流下する後続の乾燥粉末Gとは水分率が異なる場合があるので、両乾燥粉末Gが充分混合・撹拌されてから水分量測定計6aによる水分率測定が行われることが望ましい。特に、規定水分率MGを外れる乾燥粉末Gが継続的かつ大量にフィードバックされる可能性がある還元流路65は、できるだけ上流側で取出流路41に接続することが望ましい。これによって還元流路65を通じてフィードバックされる乾燥粉末Gが、取出口40から流下する後続の乾燥粉末Gと合流してから、水分量測定計6aで再度水分率測定されるまでの時間と距離を長くとれる。よって両乾燥粉末Gが充分に混合・撹拌されるので、水分量測定計6aによる水分率測定値のバラツキが抑えられる。さらに、還元流路65に絞り弁(図示せず)等を設けて、規定水分率MGを外れる乾燥粉末Gが一時貯留タンク64から取出流路41に戻るときに少しずつ後続の乾燥粉末Gと混合するようにすれば、早く規定水分率MGに復帰できるようになる。ところで、合流流路53の還元位置についても、回収流路61以外に、取出流路41、捕集サイクロン60等を選択することができる。
【0032】
保管サイロ66に収容される乾燥粉末Gは、例えば規定水分率MGが3%以下、平均粒径が30〜200μm(より好ましくは50〜150μm)として得られる。このような乾燥粉末Gがアルミナ、窒化アルミニウム等の場合は、例えばスパークプラグ用絶縁体の製造に使用される。
【0033】
7は冷媒供給部を示し、スラリー状材料Mの供給に先立つ所定時間にわたって、スラリー状材料M中の水分が乾燥室30において単位時間当たりに蒸発するに要する熱量に等しいか又は略等しい熱量を有する冷媒(例えば水)Cを、タンク71から流量調整弁72を経て投入口10に供給する(後述の式(20)参照)。これによって、乾燥装置の起動時(運転開始時)や材料投入一時停止後の再起動時(運転再開時)等のように取出口40に乾燥粉末Gが存在しない場合にも、乾燥室30内の状況を急変させることがなく、乾燥条件を作る上での制御に暴走が発生する恐れが少なくなり、生産性を阻害する恐れも少なくなる。さらに、本実施例のスプレードライヤでは、各部に設けられた検出器1a,1b,2a,2b,4a,5a,6a,6b,7a等(各検出器については後述する)からの入力信号に基づき、加熱器23、流量調整弁12,72、電磁切換弁62等に対する制御信号を出力して、スプレードライヤの作動をコントロールするための制御部8が搭載されている。
【0034】
このような噴霧乾燥装置を熱−水分系としてみたときの熱収支及び水分収支について図2を参照して考察する。まず、水分収支について、以下の関係が成り立つと考えられる。なお、ここでは水分量を湿量基準の「水分率」で管理する場合について記載するが、換算式等を用いれば乾量基準の「含水率」でも同様に管理することができる。
投入口10から乾燥室30に供給されるスラリー状材料Mにおいて、材料投入量をQM[m3/h]、材料比重をρM[g/m3]、原料成分量をW[g/h]、材料保有水分率をMM[%]としたとき、材料投入重量WM[g/h]及び材料水分量wM[g/h]は、次式(1)及び(2)で表される。
WM=W+wM=QM・ρM (1)
wM=QM・ρM・MM/100 (2)
このとき材料保有水分率MMは、次式(3)で表される。
MM=(wM/(W+wM))×100 (3)
一方、取出口40から得られる乾燥粉末Gにおいて、粉末規定水分率をMG[%]としたとき、粉末生成重量WG[g/h]及び粉末水分量wG[g/h]は、次式(4)及び(5)で表される。
WG=W+wG=100wG/MG (4)
wG=WG・MG/100 (5)
このとき粉末規定水分率MGは、次式(6)で表される。
MG=(wG/(W+wG))×100 (6)
【0035】
次いで、水蒸気比重をρV[g/m3]、密度増加量をαとしたとき、スラリー状材料Mからの単位時間当たりの除去水分量に該当する水蒸気排出水分量wV[g/h]及び水蒸気容積QV[m3/h]が、次式(7)及び(8)で表される。
wV=wM−wG (7)
QV=wV・α/ρV (8)
なお本明細書では、wVを除去水分量とも呼ぶことにする。この除去水分量wVは、言い換えればスラリー状材料Mの乾燥を行う乾燥速度を表しており、乾燥粉末Gの生産性を上げるためには大きいほどよいが、一方で乾燥装置の性能やスラリー状材料Mの変質(例えば物理的又は化学的性質の変化等)防止の点から制限される。
【0036】
そして、排気口50から排出される排気Oの排気風量をQO[m3/h]、給気絶対湿度をHI[g-H2O/m3-dry air]としたとき、給気口20から導入される給気Iの給気風量QI[m3/h]及び給気水分量wI[g/h]、さらには排気水分量wO[g/h]が、次式(9)、(10)および(11)で表される。
QI=QO−QV (9)
wI=QI・HI (10)
wO=wV+wI (11)
よって、目標となる排気絶対湿度HO[g-H2O/m3-dry air]は、次式(12)で与えられる。
HO=wO/QO (12)
【0037】
次に、熱収支に関しては、以下の関係が成り立つと考えられる。
給気風量をQI[m3/h]、給気比重をρI[g/m3]、給気温度をTI[K]、給気比熱をCI[J/g]としたとき、給気口20から導入される給気Iの給気熱量qI[J/h]は、次式(13)で表される。
qI=QI・ρI・TI・CI (13)
なお、加熱器23に導入される外気風量をQI'[m3/h]、外気比重をρI'[g/m3]、外気温度をTI'[K]、外気比熱をCI'[J/g]としたとき、加熱器23に導入される外気I’の外気熱量qI'[J/h]は、次式(13)’で表される。
qI'=QI'・ρI'・TI'・CI' (13)’
よって、加熱器23により外気I’に付与される付加熱量をq23[J/h]とすると、給気熱量qI,外気熱量qI'及び付加熱量q23の間には次式(13)”の関係が成り立つ。
qI=qI'+q23 (13)”
式(13)”から明らかなように、給気熱量qIは付加熱量q23の変化(加熱器23のボリューム等)によって調整可能であり、また周囲環境(外部状況)の変化によって外気熱量qI'も変動する。
一方、水の沸点をTV[K]、材料温度をTM[K]、水の比熱をCV[J/g]、水の気化熱をRV[J/g]としたとき、スラリー状材料Mに含有される水分の蒸発熱量qV[J/h]は、次式(14)で表される。
qV=wV((TV−TM)CV+RV) (14)
排気比重をρO[g/m3]、排気温度をTO[K]、排気比熱をCO[J/g]としたとき、排気口50から排出される排気Oの排気熱量qO[J/h]は、次式(15)で表される。
qO=QO・ρO・TO・CO (15)
粉末比熱をCG[J/g]、粉末温度をTG[K]としたとき、乾燥粉末Gにおける残存熱量qG[J/h]は、次式(16)で表される。
qG=WG・CG(TG−TM) (16)
なお、材料比熱をCM[J/g]としたとき、材料Mを介しての投入熱量qM[J/h]は、次式(16)’で表される。
qM=WM・TM・CM=QM・ρM・TM・CM (16)’
周囲温度をTA[K]、乾燥室表面積をA[m2]、伝熱係数をK[J/h/m2]としたとき、乾燥室放熱量qL[J/h]は、次式(17)で表される。
qL=TA・A・K (17)
したがって、乾燥室30に対する熱収支を考慮すると、上記給気熱量qIは次式(18)で表される。
qI=qV+qO+qG+qL (18)
【0038】
図3に本発明を適用したスプレードライヤを模式的に示す。図3において、スプレードライヤは、次のような乾燥条件を作る上での制御機能を有している。
▲1▼排気口50の近傍にて排気Oの絶対湿度HO'を検出し、この排気絶対湿度の検出値HO'と、スラリー状材料Mの保有水分率MMと乾燥粉末Gの規定水分率MGとから定まる排気絶対湿度の目標値HOとの比較において、HO'<HOのとき給気Iの有する給気熱量qIを大きくし、HO'>HOのとき給気熱量qIを小さくすることで、スラリー状材料Mからの単位時間当たりの除去水分量wVを略一定に維持して、規定水分率MGを有する乾燥粉末Gを得ること。(図4参照)
▲2▼乾燥装置の起動時(運転開始時)や材料投入一時停止後の再起動時(運転再開時)等に、スラリー状材料Mの供給に先立つ所定時間にわたって、スラリー状材料Mの保有水分量が乾燥室30にて単位時間当たりに蒸発するに要する蒸発熱量qVに略等しい熱量となる所定量の冷媒Cを、投入口10に供給すること。(図5参照)
▲3▼乾燥粉末Gの水分率MG'を検出し、乾燥粉末Gの検出水分率MG'と規定水分率MGとの比較において、MG'<MGのとき給気Iの有する給気熱量qIを小さくし、MG'>MGのとき給気熱量qIを大きくすることで、スラリー状材料Mからの単位時間当たりの除去水分量wVを略一定に維持して、規定水分率MGを有する乾燥粉末Gを得ること。(図6参照)
▲4▼加熱器23を通じて加熱される前の外気I’の温度、湿度又は風量のうち少なくとも一つの特性値を検出し、得られた特性値に基づいて(得られた特性値により求められる外気熱量qI'に基づいて)給気Iの有する給気熱量qIを調整して、規定水分率MGを有する乾燥粉末Gを得ること。(図7参照)
▲5▼乾燥室30からの放熱量qLを検出し、乾燥室放熱量qLの検出値に基づいて給気Iの有する給気熱量qIを調整して、規定水分率MGを有する乾燥粉末Gを得ること。(図8参照)
▲6▼乾燥粉末Gの残存熱量qGを検出し、粉末残存熱量qGの検出値に基づいて給気Iの有する給気熱量qIを調整して、規定水分率MGを有する乾燥粉末Gを得ること。(図9参照)
▲7▼投入口10への供給に先立つスラリー状材料Mの温度TMと投入量QMとによって、スラリー状材料Mを介しての投入熱量qMを検出し、材料投入熱量qMの検出値に基づいて給気Iの有する給気熱量qIを調整して、規定水分率MGを有する乾燥粉末Gを得ること。(図10参照)
【0039】
上記の制御機能を果たすため、図3のスプレードライヤには、その作動をコントロールするための制御部8を設けている。制御部8は、I/Oポート81とこれに接続されたCPU82,ROM83,RAM84等からなるマイクロプロセッサにより構成されており、ROM83には制御プログラムが格納されている。
【0040】
I/Oポート81の入力側には、次のような検出器(センサ)等が接続されている。
・温度計1a:スラリー状材料Mの投入経路に設けられ、スラリー状材料Mの温度TMを測定する。
・流量計1b:スラリー状材料Mの投入経路に設けられ、スラリー状材料Mの流量(投入量)QMを測定する。
・温度計2a:給気Iの給気経路に設けられ、給気Iの温度TIを測定する。
・温度計、湿度計又は流量計のうち少なくとも一種2b:加熱器23により加熱される前の外気I’の給気経路に設けられ、外気I’の温度、湿度又は風量のうち少なくとも一つの特性値を測定する。なお、ここで使用する湿度(計)は、絶対湿度(計)、相対湿度(計)のいずれであってもよい。
・温度計4a:乾燥粉末Gの取出流路41に設けられ、乾燥粉末Gの粉末温度TGを測定する。
・重量流量計4b:温度計4aに隣接して乾燥粉末Gの取出流路41に設けられ、乾燥粉末Gの重量流量(粉末生成重量)WGを測定する。
・絶対湿度測定装置(温度計、相対湿度計)5a:排気Oの排気流路51(排気口50の近傍)に設けられ、排気Oの温度TOと相対湿度を測定し、既知の換算式により、排気絶対湿度の検出値HO'を得る。ここに、絶対湿度とは、標準状態での気体中の絶対水分量を特定するパラメータ(重量%、分圧、モル分率等)を総称するものである。具体的には測定温度TOでの飽和水蒸気量νの値に相対湿度値hRを乗ずることにより、標準状態の気体の単位体積当たりの水蒸気量として絶対湿度を算出することができる。なお、露点計等を用いてもよい。
・赤外線等を利用した水分量測定計6a:乾燥粉末Gの取出口40に続く取出流路41(取出口40の近傍)又は捕集サイクロン60の出口に続く回収流路61、若しくはそれらから分岐させた試料採取部6Aに設置され(図9又は図1参照)、乾燥粉末Gの水分量として水分率MG(湿量基準)を測定する。なお、乾燥粉末Gの水分量として含水率(乾量基準)を測定してもよい。
・温度計7a:冷媒Cの投入経路に設けられ、冷媒Cの温度TCを測定する。
【0041】
一方I/Oポート81の出力側には、次のような作動部材(アクチュエータ)等が接続されている。
・加熱器23の温度設定器23a:制御信号に基づき、加熱器23の設定温度を調節して、給気温度TIや給気熱量qIを変更する。
・冷媒C側流量調整弁72の供給量設定器72a:制御信号に基づき、流量調整弁72の開度を調節(弁閉を含む)して、冷媒供給量wCを変更する。
・材料M側流量調整弁12の供給量設定器12a:制御信号に基づき、流量調整弁12の開度を調節(弁閉を含む)して、材料投入量QMを変更する。
【0042】
なお、上記した以外にI/Oポート81の入力側には、保管サイロ66に設けられ、乾燥粉末Gの収容量を測定するレベル計6bも接続されている(図1参照)。また、I/Oポート81の出力側には、水分量測定計6a又はレベル計6bの出力に起因する制御信号に基づき、電磁ソレノイドを作動して回収流路61と分離流路63とを切り換える電磁切換弁62も接続されている(図1参照)。しかし、既述の通りその制御機能は、乾燥粉末Gの水分量制御には直接的には関与していない。そこで、レベル計6bと電磁切換弁62とは図3の制御系から割愛した(図4以降において同じ)。
【0043】
次に、水分量測定計6aを設ける位置について、捕集サイクロン60の出口に続く回収流路61から分岐させた試料採取部6Aに設ける場合(図1参照)と、乾燥室30の取出口40に続く取出流路41から分岐させた試料採取部6Aに設ける場合(図12参照)とで、乾燥粉末Gの水分量制御に関して作用・効果上の差異は見られない。そこで、取出流路41から回収流路61に至る経路は図3の制御系において中間省略した(図4以降において同じ)。したがって、水分量測定計6aは取出流路41から回収流路61に至る経路の任意の位置に取り付け可能である。
【0044】
スプレードライヤにおける乾燥条件を作る上での各制御機能について機能毎に分けて解説する。図4において、絶対湿度測定装置5aによって排気Oの絶対湿度HO'を検出し、この検出値HO'と、材料Mの保有水分MMと乾燥粉末Gの規定水分MGとから定まる排気絶対湿度の目標値HOとを比較する。ところで、式(7)(10)(11)(12)及び(13)より、次式(19)が導かれる。HO=(wV+qI・HI/(ρI・TI・CI))/QO (19)(a)いま、排気絶対湿度の検出値HO'が目標値HOと等しいときは式(19)が成立しており、またこのとき単位時間当たりの除去水分量wV(乾燥速度)は、
wV=wM−wG=const. (7)’
が維持されている。
(b)ここで、恒率乾燥期間から減率乾燥期間への移行又は外乱要因等によって乾燥速度wVが低下したとき、式(19)より排気絶対湿度の検出値HO'は目標値HOを下回ることになる。このとき乾燥粉末Gの粉末水分量wGが大きくなるので、上記式(6)により検出水分率MG'が規定水分率MGよりも大きくなっている。そこで、式(19)において給気熱量qIに着目し、加熱器23の温度設定器23aの設定温度を高め給気熱量qIを大きくすれば、簡単かつ効果的に元の状態に戻すことができる。つまり給気熱量qIが大きくなると、式(19)により排気絶対湿度の検出値HO'が大きくなって目標値HOと等しくなる。排気絶対湿度の検出値HO'が大きくなるにつれて粉末水分量wGが低下し、式(6)により検出水分率MG'も低下する。よって排気絶対湿度の検出値HO'が目標値HOと等しくなれば、乾燥速度wVも元の状態に維持されることになる。(c)一方、乾燥速度wVが増大したとき、排気絶対湿度の検出値HO'は目標値HOを上回り、このとき乾燥粉末Gの粉末水分量wGは小さくなるので、検出水分率MG'が規定水分率MGよりも小さくなっている。そこで、加熱器23の温度設定器23aの設定温度を低め給気熱量qIを小さくすると、排気絶対湿度の検出値HO'が小さくなり目標値HOと等しくなる。排気絶対湿度の検出値HO'が小さくなるにつれて粉末水分量wGが増大し、検出水分率MG'も増大する。よって排気絶対湿度の検出値HO'が目標値HOと等しくなれば、乾燥速度wVも元の状態に維持されることになる。
【0045】
上記排気絶対湿度の目標値HO又は/及び除去水分量wVに関して、目標値HO又は/及び除去水分量wVを所定の値一点に定めておいても、ハンチングを起こしにくい安定した乾燥粉末Gの水分量制御が期待できる。しかし、上記所定の値に対する上下のうち少なくとも一方に不感帯を設定した目標値HO又は/及び除去水分量wVとしておけば、より一層のハンチング防止が図れる。なお、排気の絶対湿度HO'は直接的に測定しても勿論よいが、排気の温度と相対湿度とを測定し、既知の換算式から絶対湿度を算出する方法が実用的である。
【0046】
図5において、乾燥装置の起動時(運転開始時)や材料投入一時停止後の再起動時(運転再開時)等に、スラリー状材料Mの供給に先立つ所定時間にわたって、スラリー状材料Mの保有する水分が乾燥室30にて単位時間当たりに蒸発するに要する蒸発熱量qVに略等しい熱量となる所定量の冷媒C(例えば水)を、投入口10に供給する。式(14)において、冷媒の沸点をTV'[K]、冷媒の温度をTC[K]、冷媒の比熱をCC[cal/g]、冷媒の気化熱をRC[cal/g]としたとき、必要とされる冷媒供給量wC[g/h]は、次式(20)で表される。
冷媒が水の場合には、冷媒温度TC=材料温度TMであれば式(20)は、
wC=wV (20)’となり、冷媒供給量wCは除去水分量(水蒸気排出水分量)wVに等しくなる。
【0047】
具体的には、材料投入開始ボタンが押された直後(図示せず)においては、制御部8にて所定時間にわたって流量調整弁12を閉じてスラリー状材料Mの供給を中止する。そしてその間は流量調整弁72を開いて式(20)又は(20)’で表される冷媒供給量wC[g/h]の冷媒C(例えば水)を供給する制御信号が、両流量調整弁12,72の供給量設定機構12a,72aに対して発せられる。このとき乾燥室30では、乾燥粉末Gは生じないものの、その他の水分収支及び熱収支についてはスラリー状材料Mを供給した場合と略同等の運転状態、いわば模擬運転状態にある。したがって、乾燥装置の起動時(運転開始時)や材料投入一時停止後の再起動時(運転再開時)等のように取出口40に乾燥粉末Gが存在しない場合(このとき水分量測定計6aは粉末水分率MG'=0%と検出する)にも、乾燥室30の状況を急変させることがない。つまり、かかる場合にも乾燥条件を作る上での制御の暴走が発生する恐れが少なくなり、生産性を阻害する恐れも少なくなる。なお、スラリー状材料Mに代わって冷媒Cを供給する時間は、基本的に乾燥室30の状況が安定するまでの間でよい。ただし、スラリー状材料Mを供給する状態での通常運転に切り替えたときに、取出口40から乾燥粉末Gが取り出されるまでの時間を含む場合には乾燥室30の状況がより安定する。
【0048】
図6では、水分量測定計6aにより乾燥粉末Gの水分率MG'を検出し、乾燥粉末Gの規定水分率MGと検出水分率MG'との比較を行う。
(a)いま、検出水分率MG'が規定水分率MGと等しいときは、
MG=(wG/(W+wG))×100 (6)
が成立しており、またこのとき単位時間当たりの除去水分量wV(乾燥速度)は、
wV=wM−wG=const. (7)’
が維持されている。
(b)ここで、検出水分率MG'が規定水分率MGよりも大きくなったとすると、このとき乾燥粉末Gの粉末水分量wGが増大して乾燥速度wVが低下しており、上記の排気絶対湿度の検出値HO'が目標値HOを下回るケースと同様の状態になっている。そこで、上記のケースと同様に加熱器23の温度設定器23aの設定温度を高め給気熱量qIを大きくすれば、粉末水分量wGが低下し、検出水分率MG'も低下する。よって検出水分率MG'が規定水分率MGと等しくなれば、乾燥速度wVも元の状態に維持されることになる。
(c)一方、検出水分率MG'が規定水分率MGよりも小さくなったときは、乾燥粉末Gの粉末水分量wGが低下して乾燥速度wVが増大している。そこで、加熱器23の温度設定器23aの設定温度を低め給気熱量qIを小さくすると、粉末水分量wGが増大し、検出水分率MG'も増大する。よって検出水分率MG'が規定水分率MGと等しくなれば、乾燥速度wVも元の状態に維持されることになる。なお、図6の制御は図4の制御に対して補助的に行われる。
【0049】
図7において、加熱器23を通じて加熱される前の外気I’の温度、湿度又は風量のうち少なくとも一つの特性値を測定して外部状況の変化を検出し、得られた特性値に基づいて給気Iの有する給気熱量qIを調整する。具体的には、例えば外気の温度TI'と風量QI'とを測定し、その測定値から式(13)’より外気熱量qI'を求め、この外気熱量qI'の変化を感知すると加熱器23の温度設定器23aの設定温度を変更し、給気熱量qIを調整する。すなわち、図7の制御は外気熱量qI'の変動感知による予測制御(フィードフォーワード)である。なお、図7の制御も図4の制御に対して補助的に行われる。
【0050】
図8において、乾燥室30からの放熱量qLを検出し、乾燥室放熱量qLの検出値に基づいて給気Iの有する給気熱量qIを調整する。前述の式(17)において、周囲温度TAを外気温度TI'で近似すると乾燥室放熱量qLは、次式(17)’で表される。
qL=TA・A・K≒TI'・A・K (17)’
そこで外気温度TI'を測定し、その測定値から式(17)’より乾燥室放熱量qLを求め、この乾燥室放熱量qLの変化を感知すると加熱器23の温度設定器23aの設定温度を変更し、給気熱量qIを調整する。このとき、前述の式(18)において乾燥室放熱量qLの変動量を補うように給気熱量qIを調節するとよい。なお、図8の制御も図4の制御に対して補助的に行われる。
【0051】
図9において、乾燥粉末Gの残存熱量qGを検出し、粉末残存熱量qGの検出値に基づいて給気Iの有する給気熱量qIを調整する。具体的には、例えば粉末生成重量WG、粉末温度TG及び材料温度TMを測定し、その測定値から式(16)より粉末残存熱量qGを求め、この粉末残存熱量qGの変化を感知すると加熱器23の温度設定器23aの設定温度を変更し、給気熱量qIを調整する。このとき、前述の式(18)において粉末残存熱量qGの変動量を補うように給気熱量qIを調節するとよい。なお、図9の制御も図4の制御に対して補助的に行われる。
【0052】
図10において、投入口10への供給に先立つスラリー状材料Mの温度TMと投入量QMとを測定して、式(16)’によりスラリー状材料Mを介しての投入熱量qMを検出し、この材料投入熱量qMの検出値に基づいて給気Iの有する給気熱量qIを調整する。すなわち、図10の制御は材料投入熱量qMの変動感知による予測制御(フィードフォーワード)である。なお、図10の制御も図4の制御に対して補助的に行われる。
【0053】
このようにして、アルミナ等のセラミック原料を含有するスラリー状のセラミック材料を乾燥して得られた乾燥粉末は、平均粒径が略一定で規定水分量を略安定的に含有し、スラリー状材料の供給開始から供給終了まで連続的に歩留まりよく生産される。したがって、その乾燥粉末を焼結することにより得られるセラミック焼結体、例えばスパークプラグ用絶縁体は、品質のよい製品として安価に生産することができる。
【0054】
図11にセラミック焼結体としてのスパークプラグ用絶縁体の製造方法の一例を、スパークプラグの主要構造とともに示す。まず、図11(a)に示すように、スパークプラグ用絶縁体はラバープレス法によって成形されるのが一般的である。成形機200に設けられる上下方向の凹部に沿って環状のキャビティ210を張設し、このキャビティ210の内側に環状のゴム型220を挿入固定する。ゴム型220の下方開口部には底蓋230を嵌合させ、下方側ホルダ240により底蓋230を押圧保持する。スパークプラグ用絶縁体102を形成するセラミック原料として、図1の乾燥装置で得られたアルミナを主体とする乾燥粉末Gを、底蓋230で下方を閉鎖されたゴム型220の内部空間に充填する。このとき、プレスピン250がこの内部空間の中心に位置するように上方側ホルダ260で押圧保持されており、このプレスピン250は絶縁体102において中心電極103等を挿通するための中心孔102aに対応する形状を有している。そして、成形機200の管路270を通って水圧、油圧等の液圧FPがキャビティ210の外側からゴム型220の径方向内側に作用し、絶縁体成形体102Aが形成される。
【0055】
次に、図11(b)に示すように、液圧FPを解除しゴム型220から絶縁体成形体102Aを取り出す。絶縁体成形体102Aからプレスピン250と上方側ホルダ260とを取り外した後、グラインダ研削等によって外形を仕上げる。
【0056】
このようにして得られた絶縁体成形体102Aは、トンネル窯において1600℃前後の温度で焼成される。これに釉薬をかけ900℃前後で再び焼成すると、図11(c)に示すようなセラミック焼結体としての絶縁体焼結体102Bが得られる。
【0057】
そして、図11(d)では、絶縁体焼結体102Bに寸法調整等が施された絶縁体102が筒状の主体金具101の内側に嵌め込まれ、絶縁体102の中心孔102aには中心電極103が配置される。一端が主体金具101に固定された接地電極104の他端が中心電極103の先端部と対向するように曲げられ、接地電極104と中心電極103との間に火花放電ギャップgが形成されて、スパークプラグ100が構成されている。
【0058】
本発明に係る乾燥装置の適用例として、噴霧乾燥装置について説明してきたが、この他にも内部撹拌式や流動層式の乾燥装置等、スラリー状又は溶液状材料に使用可能な乾燥装置であれば適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾燥装置の一実施例たる噴霧乾燥装置を示す全体説明図。
【図2】図1の噴霧乾燥装置の水分収支及び熱収支を表す模式図。
【図3】図1の噴霧乾燥装置の主要制御機能を示すブロック図。
【図4】図3の制御機能のうちの一部を示すブロック図。
【図5】図3の制御機能のうちの他の一部を示すブロック図。
【図6】図3の制御機能のうちのさらに他の一部を示すブロック図。
【図7】図3の制御機能のうちのさらに他の一部を示すブロック図。
【図8】図3の制御機能のうちのさらに他の一部を示すブロック図。
【図9】 図3の制御機能のうちのさらに他の一部を示すブロック図。
【図10】図3の制御機能のうちのさらに他の一部を示すブロック図。
【図11】セラミック焼結体としてのスパークプラグ用絶縁体の製造方法の一例を、スパークプラグの主要構造とともに示す説明図。
【図12】従来の噴霧乾燥装置を示す説明図。
【符号の説明】
10 投入口
20 給気口
23 加熱器
3 乾燥部
30 乾燥室
40 取出口
5a 絶対湿度測定装置(検出器)
50 排気口
7 冷媒供給部
8 制御部
C 水(冷媒)
G 乾燥粉末
I 給気
I’ 外気
M スラリー状材料(材料)
O 排気
HO 排気絶対湿度
MG 粉末規定水分率(粉末規定水分量)
MM 材料保有水分率(材料保有水分量)
qI 給気熱量
qG 粉末残存熱量
qL 乾燥室放熱量
qM 材料投入熱量
qV 蒸発熱量
wC 冷媒供給量
wV 水蒸気排出水分量(除去水分量)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for drying a slurry or solution material, a drying apparatus for the slurry or solution material, and a method for producing a ceramic sintered body.
[0002]
[Prior art]
As an example of a slurry or solution material drying apparatus, a spray drying apparatus (spray dryer) is shown in FIG. In this apparatus, slurry-like or solution-like material M is supplied from the
[0003]
By the way, in such a drying apparatus, it is necessary to control the moisture content (moisture content) contained in the obtained dry powder G so as to be a constant value. Conventionally, various drying controls (drying systems) are considered. Thus, the moisture content of the dry powder G is controlled. The following drying systems are known as typical drying controls. That is, a
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the above method, only the moisture content of the finished dry powder G is a detection target (specific detection means is a
[0005]
Furthermore, in the above method, the
[0006]
The object of the present invention is to control the moisture content of the dry powder, because it has good responsiveness and is unlikely to cause hunting, and when the sampling part is clogged, or when the drying apparatus is started up or after the material input is paused. Even when there is no dry powder at the outlet, such as when starting up, there is little risk of runaway control in creating drying conditions, and a slurry or solution material drying method that does not hinder productivity and An object of the present invention is to provide a drying apparatus for slurry-like or solution-like materials. It is another object of the present invention to provide a method for producing a ceramic sintered body that obtains a high-quality ceramic sintered body by molding and sintering the dry powder thus produced.
[0007]
[Means for solving the problems and actions / effects]
In order to solve the above-mentioned problem, a method for drying a slurry-like or solution-like material according to the first invention is as follows:
The slurry-like or solution-like material containing the ceramic raw material is supplied to the drying chamber from the input port provided in the drying unit, and from the air supply port provided in the drying unit with the outside air heated through the heater as supply air Introduced into the drying chamber,
Drying the material by bringing the supply air into contact with the material supplied from the inlet,
The material after drying is taken out as a dry powder from an outlet provided in the drying unit, while the supply air is discharged from the exhaust port provided in the drying unit to the outside of the drying chamber,
Information necessary for specifying the absolute humidity of the exhaust gas is detected in the vicinity of the exhaust port, and a detected value H of the exhaust absolute humidity is detected.OBased on ', adjust the amount of heat supplied by the supply air so that the dry powder having a specified moisture content is obtainedWith
The input heat amount through the material is detected based on the temperature and input amount of the material prior to supply to the input port, and the supply air heat amount is supplementarily adjusted based on the detected value of the material input heat amount.It is characterized by that.
[0008]
Moreover, the slurry-like or solution-like material drying apparatus according to the first invention is:
An inlet for supplying a slurry-like or solution-like material containing a ceramic raw material;
An air inlet that heats the outside air with a heater and introduces it as air supply;
A drying chamber for drying the material by bringing the supply air into contact with the material supplied from the input port;
An outlet for taking out the dried material as a dry powder,
An exhaust port for exhausting the supply air to the outside as exhaust;
Near the exhaust portBeforeA detector that detects the information necessary to determine the absolute humidity of the exhaustWas detected by its detectorExhaust humidity detection value HOIs provided with a control unit that adjusts the amount of heat supplied by the air supply so that the dry powder having a specified amount of water is obtained.And
A thermometer for measuring the temperature of the material prior to supply to the input port and a flow meter for measuring the input amount are provided, and the control unit detects the amount of heat input to the material detected by the thermometer and the flow meter. Based on the detected value, the heat supply heat amount is supplementarily adjustedIt is characterized by that.
[0009]
According to these inventions, the exhaust absolute humidity detection value HOBy adjusting the heat supply heat quantity of the supply air so that a dry powder having a prescribed water content is obtained based on ', the water content of the finished dry powder may not be directly measured. In other words, since the moisture content of the powder is controlled by using the information during drying, a stable control of the moisture content of the powder that is less likely to cause hunting with little delay in responsiveness can be expected. Also, when the sample collection part of the moisture meter is clogged, or when there is no dry powder at the outlet, such as when the drying device is started or when restarting after temporarily stopping the material charging, There is little risk of runaway in control in creating conditions, and a slurry-like or solution-like material drying method and a slurry-like or solution-like material drying apparatus that do not hinder productivity can be obtained.
[0010]
Note that the exhaust absolute humidity target value HOTarget value HOCan be expected to stably control the amount of powder moisture that is unlikely to cause hunting, but a target value H in which a dead zone is set on at least one of the upper and lower sides of the predetermined value.OAs a result, it is possible to further prevent hunting. Further, in the present specification, the term “water content” includes the case of a moisture content standard (for example, “moisture content”) and the case of a dry content standard (for example, “water content”).
[0011]
In addition, the adjustment of the heat supply amount of heat according to the present invention may be performed so that the amount of water removed from the material per unit time is maintained substantially constant or within a specified range. Here, the amount of water removed per unit time from the material represents the drying speed of the material, and is preferably as large as possible to increase the productivity of the dry powder. However, on the other hand, the performance of the drying apparatus is naturally limited from the viewpoint of preventing the quality of the material (for example, change in physical or chemical properties). According to the present invention, stable continuous operation can be performed under an optimum drying speed for the material. Note that the exhaust absolute humidity target value H is also related to the amount of water removed from the material per unit time.OSimilarly to the above, if a dead zone is set at least one of the upper and lower sides with respect to a predetermined value, it is effective for preventing hunting.
[0012]
Here, the adjustment of the heat supply heat quantity of the present invention is more specifically performed by detecting the exhaust absolute humidity detected value H.O'And the target absolute value H of exhaust humidity determined by the amount of moisture contained in the material and the specified amount of moisture in the dry powderOIn comparison with HO'<HOIncrease the amount of heat supplied, and HO'> HOIn this case, the amount of heat supplied may be reduced. In this case, the moisture content of the dry powder can be controlled with high responsiveness by relatively simply adjusting the temperature of the heater.
[0013]
Accordingly, even when a dry powder having a relatively low water content, for example, a moisture content of 3% or less, is produced, the dry powder can be taken out with little clogging or alteration. In the present specification, “moisture ratio” is used on a moisture basis.
[0014]
Further, according to the present invention, a predetermined amount of refrigerant having a heat amount substantially equal to the heat of evaporation required for the water content of the material to evaporate per unit time in the drying chamber is supplied from the input port for a predetermined time prior to the material supply. can do. For example, the moisture content of the dry powder can be controlled even when the dry powder does not exist at the outlet, such as when the drying device is started (when the operation is started) or when the material is temporarily restarted (when operation is resumed). Stable control can be performed with little risk of running out of control in making drying conditions impossible.
[0015]
Furthermore, in the present invention, the moisture content of the dry powder is detected, and in comparison between the detected moisture content A ′ of the dry powder and the specified moisture content A, when A ′ <A, the amount of heat supplied is reduced, and A ′> A Sometimes, control for increasing the amount of heat supplied may be supplementarily performed. In this case as well, by controlling the amount of heat supplied, it is possible to control the amount of powder moisture with good responsiveness. In addition, if a dead zone is set in at least one of the upper and lower sides with respect to the specified moisture amount A, it is effective for preventing hunting.
[0016]
Furthermore, in the present invention, at least one characteristic value of the temperature, humidity, or air volume of the outside air before being heated through the heater may be detected, and the amount of heat supplied may be supplementarily adjusted based on the characteristic value. In this case, in order to obtain a dry powder having a prescribed moisture content, it is possible to control the powder moisture content more precisely according to changes in the outside air condition. In this case, the humidity may be either absolute humidity or relative humidity.
[0017]
Furthermore, in the present invention, information necessary for specifying the amount of heat released from the drying chamber may be detected, and the amount of heat supplied may be supplementarily adjusted based on the detected value of the amount of heat released from the drying chamber. Further, information necessary for specifying the residual heat quantity of the dry powder may be detected, and the heat supply heat quantity may be supplementarily adjusted based on the detected value of the powder residual heat quantity. Alternatively, the heat input through the material may be detected based on the temperature and input amount of the material prior to the supply to the input port, and the supply air heat amount may be supplementarily adjusted based on the detected value of the material input heat amount. . In these cases, in order to obtain a dry powder having a specified moisture content, it becomes possible to control the moisture content of the powder more precisely in accordance with changes in conditions such as materials and atmosphere.
[0018]
Furthermore, in the present invention, the moisture content of the dry powder is detected, and when the detected moisture content of the dry powder does not satisfy the specified moisture content, the dry powder outside the regulation is separated and collected from the dry powder having the prescribed moisture content. be able to. For example, control of the moisture content of the dry powder even when the detected moisture content of the dry powder deviates from the specified moisture content at the start-up of the drying device (at the start of operation) or at the restart after the material input is temporarily stopped (when the operation is resumed). Stable control can be performed with a low risk of running out of control in making drying conditions.
[0019]
Note that the non-regulated dry powder separated and collected may be remixed with the dry powder before the moisture content is detected. At this time, the production efficiency and yield of the dry powder can be further improved.
[0020]
Moreover, the drying method of the slurry-like or solution-like material according to the second invention is as follows:
The slurry-like or solution-like material containing the ceramic raw material is supplied to the drying chamber from the input port provided in the drying unit, and from the air supply port provided in the drying unit with the outside air heated through the heater as supply air Introduced into the drying chamber,
Drying the material by bringing the supply air into contact with the material supplied from the inlet,
While taking out the dried material as a dry powder from the outlet provided in the drying unit, while discharging the air supply to the outside of the drying chamber as exhaust from an exhaust port provided in the drying unit,
Over a predetermined time prior to the supply of the material, a predetermined amount of refrigerant is supplied from the input port so as to have a heat amount substantially equal to the heat of evaporation required for the water content of the material to evaporate per unit time in the drying chamber. It is characterized by that.
[0021]
On the other hand, the slurry-like or solution-like material drying apparatus according to the second invention is
An inlet for supplying a slurry-like or solution-like material containing a ceramic raw material;
An air inlet that heats the outside air with a heater and introduces it as air supply;
A drying chamber for drying the material by bringing the supply air into contact with the material supplied from the inlet;
An outlet for taking out the dried material as a dry powder,
An exhaust port for exhausting the supply air to the outside as exhaust;
Over a predetermined time prior to the supply of the material, a predetermined amount of refrigerant is supplied from the input port so as to have a heat amount substantially equal to the heat of evaporation required for the water content of the material to evaporate per unit time in the drying chamber. For this purpose, a refrigerant supply unit is provided.
[0022]
According to these inventions, for example, when there is no dry powder at the outlet, such as at the time of starting the drying apparatus (at the start of operation) or at the time of restarting after stopping the material charging (when restarting the operation) Slurry that does not impede productivity and can control the moisture content of the dry powder without making a sudden change in the room, making it possible to perform stable control with little risk of runaway control during the creation of drying conditions. And a drying method for slurry-like or solution-like material and a drying apparatus for slurry-like or solution-like material are obtained.
[0023]
By the way, the dry powder obtained by drying the slurry-like or solution-like ceramic material containing the ceramic raw material by the method of the first or second invention has an average particle diameter of substantially constant, and has a specified moisture content. It is produced with a high yield continuously from the start of supply of slurry-like or solution-like material to the end of supply in a state of containing the amount substantially stably. Therefore, the ceramic sintered body according to the present invention, which is obtained by forming a molded body of a predetermined shape using the dry powder and sintering the molded body, can be produced at low cost as a high-quality product. it can.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to examples shown in the drawings. FIG. 1 shows an overall front view of a spray dryer (spray drying apparatus) as an example of the present invention. This spray dryer is used as a drying device for slurry-like materials in which ceramic powder particles such as alumina and aluminum nitride are suspended. The slurry-like material (stock solution) M is sent from the
[0025]
Then, in the drying
[0026]
Here, in the embodiment of FIG. 1, in order to improve the production efficiency and yield of the dry powder G, the take-out
[0027]
The dry powder G introduced into the
[0028]
Now, the following feedback mechanism is provided in the
[0029]
For example, the detected moisture content M of the dry powder G at the time of starting the drying apparatus (at the start of operation) or at the time of restarting after the material input is temporarily stopped (at the time of restarting the operation)G'Is the specified moisture content MGEven when the dry powder G is removed, the
[0030]
On the other hand, the exhaust O containing the dry powder G is introduced into the
[0031]
The
[0032]
The dry powder G accommodated in the storage silo 66 is, for example, a specified moisture content M.GIs 3% or less and the average particle size is 30 to 200 μm (more preferably 50 to 150 μm). When such dry powder G is alumina, aluminum nitride, or the like, it is used, for example, in the manufacture of an insulator for a spark plug.
[0033]
[0034]
The heat balance and moisture balance when such a spray dryer is viewed as a heat-water system will be discussed with reference to FIG. First, regarding the moisture balance, the following relationship is considered to hold. Although the case where the moisture content is managed by the “moisture content” based on the moisture content is described here, the “moisture content” based on the dry content can be similarly managed by using a conversion formula or the like.
In the slurry-like material M supplied from the
WM= W + wM= QM・ ΡM (1)
wM= QM・ ΡM・ MM/ 100 (2)
At this time, moisture content MMIs represented by the following equation (3).
MM= (WM/ (W + wM)) X 100 (3)
On the other hand, in the dry powder G obtained from the
WG= W + wG= 100wG/ MG (4)
wG= WG・ MG/ 100 (5)
At this time, the specified moisture content of the powder MGIs represented by the following equation (6).
MG= (WG/ (W + wG)) X 100 (6)
[0035]
Next, the specific gravity of water vapor is ρV[G / m3] When the density increase amount is α, the water vapor discharge water amount w corresponding to the water content removed from the slurry material M per unit timeV[G / h] and water vapor volume QV[M3/ H] is expressed by the following equations (7) and (8).
wV= WM-WG (7)
QV= WV・ Α / ρV (8)
In this specification, wVIs also referred to as the amount of water removed. This removed water amount wVIn other words, it represents the drying speed at which the slurry-like material M is dried, and it is better to increase the productivity of the dry powder G. It is limited in terms of prevention (change in physical or chemical properties, etc.).
[0036]
The exhaust air volume of the exhaust O discharged from the
QI= QO-QV (9)
wI= QI・ HI (10)
wO= WV+ WI (11)
Therefore, the target exhaust absolute humidity HO[G-H2O / m3-dry air] is given by the following equation (12).
HO= WO/ QO (12)
[0037]
Next, regarding the heat balance, the following relationship is considered to hold.
QI[M3/ H], the specific gravity of the air supply is ρI[G / m3], TI[K], the specific heat supply is CIWhen [J / g], the amount of heat supplied q of the air supply I introduced from the air supply port 20I[J / h] is represented by the following formula (13).
qI= QI・ ΡI・ TI・ CI (13)
Note that the amount of outside air introduced into the
qI'= QI'・ ΡI'・ TI'・ CI'(13)'
Therefore, the amount of additional heat given to the outside air I ′ by the
qI= QI'+ Q23 (13) "
As is clear from the equation (13) ", the charge heat quantity qIIs the added heat q23Can be adjusted by the change in the volume of the heater 23 (volume of the
On the other hand, the boiling point of water is TV[K], the material temperature is TM[K], the specific heat of water is CV[J / g], the heat of vaporization of water is RVWhen [J / g], the heat of evaporation q of water contained in the slurry material MV[J / h] is represented by the following formula (14).
qV= WV((TV-TM) CV+ RV(14)
Exhaust specific gravity is ρO[G / m3], Exhaust temperature TO[K], exhaust specific heat is COWhen [J / g], the exhaust heat quantity q of the exhaust O discharged from the exhaust port 50O[J / h] is represented by the following formula (15).
qO= QO・ ΡO・ TO・ CO (15)
Powder specific heat is CG[J / g], powder temperature TGWhen [K] is assumed, the residual heat quantity q in the dry powder GG[J / h] is represented by the following formula (16).
qG= WG・ CG(TG-TM(16)
The material specific heat is CMWhen [J / g], the input heat quantity q through the material MM[J / h] is represented by the following equation (16) ′.
qM= WM・ TM・ CM= QM・ ΡM・ TM・ CM (16) ’
Ambient temperature is TA[K], the drying chamber surface area is A [m2], The heat transfer coefficient is K [J / h / m2], The drying chamber heat dissipation qL[J / h] is expressed by the following equation (17).
qL= TA・ AK (17)
Therefore, when the heat balance with respect to the drying
qI= QV+ QO+ QG+ QL (18)
[0038]
FIG. 3 schematically shows a spray dryer to which the present invention is applied. In FIG. 3, the spray dryer has a control function for creating the following drying conditions.
(1) Absolute humidity H of the exhaust O in the vicinity of the exhaust port 50O'Is detected, and this exhaust absolute humidity detection value HO'And the moisture content M of the slurry material MMAnd moisture content M of dry powder GGExhaust absolute humidity target value H determined fromOIn comparison with HO'<HOThe charge heat quantity q of the supply air IIIncreases, HO'> HOThe amount of heat supplied qIThe amount of water removed from the slurry material M per unit time wVIs maintained substantially constant, and the specified moisture content MGTo obtain a dry powder G having (See Figure 4)
(2) Moisture retained in the slurry-like material M for a predetermined time prior to the supply of the slurry-like material M at the time of starting the drying apparatus (at the start of operation) or at the time of restarting after the material charging is temporarily stopped (when restarting the operation). The amount of heat of evaporation q required for the amount to evaporate per unit time in the drying chamber 30VA predetermined amount of the refrigerant C, which has a heat quantity substantially equal to (See Figure 5)
(3) Moisture content M of dry powder GG'And detect the moisture content M of the dry powder GG'And specified moisture content MGIn comparison with MG'<MGThe charge heat quantity q of the supply air II, MG'> MGThe amount of heat supplied qIThe amount of water removed from the slurry material M per unit time w is increased by increasingVIs maintained substantially constant, and the specified moisture content MGTo obtain a dry powder G having (See Figure 6)
(4) At least one characteristic value is detected from the temperature, humidity, or air volume of the outside air I ′ before being heated through the
(5) Heat dissipation q from the drying
(6) Residual heat quantity q of dry powder GGAnd the amount of heat remaining in the powder qGSupply air quantity q of supply air I based on the detected value ofITo adjust the specified moisture content MGTo obtain a dry powder G having (See Figure 9)
(7) Temperature T of slurry-like material M prior to supply to charging
[0039]
In order to fulfill the above control function, the spray dryer of FIG. 3 is provided with a
[0040]
The following detectors (sensors) and the like are connected to the input side of the I /
Thermometer 1a: A temperature meter T of the slurry material M provided in the slurry material M charging path.MMeasure.
At least one of a thermometer, a hygrometer, and a
Absolute humidity measuring device (thermometer, relative hygrometer) 5a: provided in the exhaust flow path 51 (in the vicinity of the exhaust port 50) of the exhaust O, and the temperature T of the exhaust OOAnd the relative humidity is measured, and the exhaust gas absolute humidity detection value H is calculated using a known conversion formula.O'Get. Here, the absolute humidity is a general term for parameters (weight%, partial pressure, molar fraction, etc.) that specify the absolute water content in the gas in the standard state. Specifically, measured temperature TORelative humidity value hRThe absolute humidity can be calculated as the amount of water vapor per unit volume of the gas in the standard state. A dew point meter or the like may be used.
-
[0041]
On the other hand, the following operation member (actuator) or the like is connected to the output side of the I /
-
Supply
Supply
[0042]
In addition to the above, on the input side of the I /
[0043]
Next, the position at which the
[0044]
Each control function for creating drying conditions in a spray dryer is explained separately for each function. In FIG. 4, the absolute humidity H of the exhaust O is measured by the absolute
wV= WM-WG= Const. (7) ’
Is maintained.
(B) Here, the drying speed w due to the transition from the constant rate drying period to the decreasing rate drying period or due to disturbance factors, etc.VWhen the value of the exhaust gas has decreased, the exhaust gas absolute humidity detection value HO'Is the target value HOWill be below. At this time, the amount of powder water w of the dry powder GGTherefore, the detected moisture content M is calculated by the above equation (6).G'Is the specified moisture content MGIs bigger than. Therefore, the charge heat quantity q in equation (19)IFocusing on the above, the set temperature of the
[0045]
Target value H of exhaust absolute humidityOOr / and removed water amount wVTarget value HOOr / and removed water amount wVEven if the value is set to a predetermined value, stable moisture content control of the dry powder G that hardly causes hunting can be expected. However, the target value H in which a dead zone is set in at least one of the upper and lower sides with respect to the predetermined value.OOr / and removed water amount wVAs a result, it is possible to further prevent hunting. The absolute humidity H of the exhaustOOf course, 'may be directly measured, but it is practical to measure the exhaust temperature and relative humidity and calculate the absolute humidity from a known conversion formula.
[0046]
In FIG. 5, the slurry-like material M is retained for a predetermined time prior to the supply of the slurry-like material M at the time of starting the drying device (at the start of operation) or at the time of restarting after the material input is temporarily stopped (when the operation is resumed) Heat of evaporation q required for water to evaporate per unit time in the drying chamber 30VA predetermined amount of the refrigerant C (for example, water) having a heat quantity substantially equal to is supplied to the charging
When the refrigerant is water, the refrigerant temperature TC= Material temperature TMThen, equation (20) becomes
wC= WV (20) 'and refrigerant supply amount wCIs the amount of water removed (water vapor discharged water) wVIs equal to
[0047]
Specifically, immediately after the material input start button is pushed (not shown), the
[0048]
In FIG. 6, the moisture content M of the dry powder G is measured by the
(A) Now, the detected moisture content MG'Is the specified moisture content MGIs equal to
MG= (WG/ (W + wG)) X 100 (6)
In this case, the amount of water removed per unit time wV(Drying speed) is
wV= WM-WG= Const. (7) ’
Is maintained.
(B) Here, the detected moisture content MG'Is the specified moisture content MGIf it becomes larger than this, the powder water content w of the dry powder G at this timeGIncreases the drying speed wVThe exhaust absolute humidity detected value HO'Is the target value HOIt is in the same state as the case below. Therefore, similarly to the above case, the set temperature of the
(C) On the other hand, the detected moisture content MG'Is the specified moisture content MGWhen it becomes smaller than this, the powder moisture content w of the dry powder GGDecreases and drying speed wVHas increased. Therefore, the set temperature of the
[0049]
In FIG. 7, at least one characteristic value of the temperature, humidity, or air volume of the outside air I ′ before being heated through the
[0050]
In FIG. 8, the heat dissipation q from the drying
qL= TA・ A ・ K ≒ TI'・ A ・ K (17)'
So outside temperature TI'Is measured, and from the measured value, the heat radiation amount q in the drying chamber is calculated from the equation (17)'.LThis drying room heat dissipation qLIs detected, the set temperature of the
[0051]
In FIG. 9, the residual heat quantity q of the dry powder GGAnd the amount of heat remaining in the powder qGSupply air quantity q of supply air I based on the detected value ofIAdjust. Specifically, for example, the powder production weight WG, Powder temperature TGAnd material temperature TMFrom the measured value, the residual powder heat q from the formula (16)GThis powder residual heat quantity qGIs detected, the set temperature of the
[0052]
In FIG. 10, the temperature T of the slurry-like material M prior to the supply to the charging port 10.MAnd input QMAnd the input heat quantity q through the slurry material M according to the equation (16) 'MThis material input heat quantity qMSupply air quantity q of supply air I based on the detected value ofIAdjust. That is, the control of FIG.MThis is predictive control (feed forward) based on perception of fluctuations. Note that the control of FIG. 10 is also performed in an auxiliary manner to the control of FIG.
[0053]
In this way, the dry powder obtained by drying the slurry-like ceramic material containing the ceramic raw material such as alumina, the average particle diameter is substantially constant, and the specified moisture content is contained almost stably. From the start of supply to the end of supply, it is continuously produced with good yield. Therefore, a ceramic sintered body obtained by sintering the dry powder, for example, an insulator for a spark plug, can be produced as a high-quality product at a low cost.
[0054]
FIG. 11 shows an example of a method for manufacturing an insulator for a spark plug as a ceramic sintered body, together with the main structure of the spark plug. First, as shown in FIG. 11A, the spark plug insulator is generally formed by a rubber press method. An
[0055]
Next, as shown in FIG. 11B, the hydraulic pressure FP is released and the insulator molded
[0056]
The insulator molded
[0057]
In FIG. 11 (d), the
[0058]
As an application example of the drying apparatus according to the present invention, a spray drying apparatus has been described. However, other drying apparatuses that can be used for slurry-like or solution-like materials, such as an internal stirring type or a fluidized bed type drying apparatus. If applicable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall explanatory view showing a spray drying apparatus as an embodiment of a drying apparatus of the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram showing a moisture balance and a heat balance of the spray drying apparatus of FIG.
FIG. 3 is a block diagram showing main control functions of the spray drying apparatus of FIG. 1;
4 is a block diagram showing a part of the control functions in FIG. 3;
FIG. 5 is a block diagram showing another part of the control function of FIG. 3;
6 is a block diagram showing still another part of the control functions of FIG. 3. FIG.
7 is a block diagram showing still another part of the control functions of FIG. 3;
FIG. 8 is a block diagram showing still another part of the control function of FIG. 3;
FIG. 9 is a block diagram showing still another part of the control functions of FIG. 3;
10 is a block diagram showing still another part of the control functions of FIG. 3;
FIG. 11 is an explanatory view showing an example of a method for producing an insulator for a spark plug as a ceramic sintered body together with the main structure of the spark plug.
FIG. 12 is an explanatory view showing a conventional spray drying apparatus.
[Explanation of symbols]
10 slot
20 Air supply port
23 Heater
3 Drying section
30 Drying room
40 outlet
5a Absolute humidity measuring device (detector)
50 Exhaust vent
7 Refrigerant supply section
8 Control unit
C Water (refrigerant)
G Dry powder
I air supply
I ’open air
M Slurry material (material)
O exhaust
HO Exhaust absolute humidity
MG Powder specified moisture content (powder specified moisture content)
MM Material moisture content (Material moisture content)
qI Supply heat quantity
qG Powder residual heat quantity
qL Drying room heat dissipation
qM Material heat input
qV Heat of evaporation
wC Refrigerant supply amount
wV Water vapor discharged (removed water)
Claims (16)
前記投入口から供給された前記材料に対して前記給気を接触させることにより当該材料の乾燥を行い、
乾燥後の前記材料を前記乾燥部に設けられた取出口から乾燥粉末として取り出す一方、前記給気を前記乾燥部に設けられた排気口から排気として前記乾燥室の外部に排出し、
前記排気口の近傍にて前記排気の絶対湿度を特定するのに必要な情報を検出し、該排気絶対湿度の検出値HO'に基づいて、規定水分量を有する前記乾燥粉末が得られるように前記給気の有する給気熱量を調整するとともに、
前記投入口への供給に先立つ前記材料の温度と投入量とによって、前記材料を介しての投入熱量を検出し、該材料投入熱量の検出値に基づいて前記給気熱量を補助的に調整することを特徴とするスラリー状又は溶液状材料の乾燥方法。The slurry-like or solution-like material containing the ceramic raw material is supplied to the drying chamber from the input port provided in the drying unit, and from the air supply port provided in the drying unit with the outside air heated through the heater as supply air Introduced into the drying chamber,
Drying the material by bringing the supply air into contact with the material supplied from the inlet,
The material after drying is taken out as a dry powder from the outlet provided in the drying unit, while the supply air is discharged from the exhaust port provided in the drying unit as exhaust to the outside of the drying chamber,
Information necessary to specify the absolute humidity of the exhaust gas is detected in the vicinity of the exhaust port, and the dry powder having a specified moisture content can be obtained based on the detected value H O ′ of the exhaust absolute humidity. Adjusting the amount of heat supplied by the air supply ,
The input heat amount through the material is detected based on the temperature and input amount of the material prior to supply to the input port, and the supply air heat amount is supplementarily adjusted based on the detected value of the material input heat amount. A method for drying a slurry-like or solution-like material.
前記投入口から供給された前記材料に対して前記給気を接触させることにより当該材料の乾燥を行い、
乾燥後の前記材料を前記乾燥部に設けられた取出口から乾燥粉末として取り出す一方、前記給気を前記乾燥部に設けられた排気口から排気として前記乾燥室の外部に排出するとともに、
前記材料の供給に先立つ所定時間にわたって、前記材料の保有する水分が前記乾燥室に て単位時間当たりに蒸発するに要する蒸発熱量に略等しい熱量となる所定量の冷媒を、前記投入口から供給することを特徴とするスラリー状又は溶液状材料の乾燥方法。 The slurry-like or solution-like material containing the ceramic raw material is supplied to the drying chamber from the input port provided in the drying unit, and from the air supply port provided in the drying unit with the outside air heated through the heater as supply air Introduced into the drying chamber,
Drying the material by bringing the supply air into contact with the material supplied from the inlet,
While taking out the dried material as a dry powder from the outlet provided in the drying unit, while discharging the air supply to the outside of the drying chamber as exhaust from an exhaust port provided in the drying unit,
For a predetermined time prior to supply of said material, a predetermined amount of refrigerant is substantially equal amount of heat to evaporate heat water held in the material required to evaporate per unit time Te in the drying chamber is supplied from the inlet A method for drying a slurry-like or solution-like material.
外気を加熱器で加熱し給気として導入する給気口と、An air inlet that heats the outside air with a heater and introduces it as air supply;
前記投入口から供給された前記材料に対して前記給気を接触させることにより当該材料の乾燥を行う乾燥室と、A drying chamber for drying the material by bringing the supply air into contact with the material supplied from the input port;
乾燥後の前記材料を乾燥粉末として外部へ取り出す取出口と、An outlet for taking out the dried material as a dry powder,
前記給気を排気として外部へ排出する排気口とを備え、An exhaust port for exhausting the supply air to the outside as exhaust;
前記排気口の近傍にて前記排気の絶対湿度を特定するのに必要な情報を検出する検出器が設けられ、その検出器により検出された排気絶対湿度の検出値HA detector for detecting information necessary to specify the absolute humidity of the exhaust gas is provided in the vicinity of the exhaust port, and a detected value H of the exhaust absolute humidity detected by the detector. OO '' に基づいて、規定水分量を有する前記乾燥粉末が得られるように前記給気の有する給気熱量を調整する制御部が設けられるとともに、And a control unit that adjusts the amount of heat supplied by the supply air so as to obtain the dry powder having a specified amount of moisture.
前記投入口への供給に先立つ前記材料の温度を測定する温度計とその投入量を測定する流量計とが設けられ、前記制御部は、それら温度計と流量計とによって検出された材料投入熱量の検出値に基づいて、前記給気熱量を補助的に調整することを特徴とするスラリー状又は溶液状材料の乾燥装置。A thermometer for measuring the temperature of the material prior to supply to the input port and a flow meter for measuring the input amount are provided, and the control unit detects the amount of heat input to the material detected by the thermometer and the flow meter. The apparatus for drying slurry-like or solution-like material, wherein the amount of heat supplied is supplementarily adjusted based on the detected value.
外気を加熱器で加熱し給気として導入する給気口と、
前記投入口から供給された前記材料に対して前記給気を接触させることにより、当該材料の乾燥を行う乾燥室と、
乾燥後の前記材料を乾燥粉末として外部へ取り出す取出口と、
前記給気を排気として外部へ排出する排気口とを備え、
前記材料の供給に先立つ所定時間にわたって、前記材料の保有する水分が前記乾燥室にて単位時間当たりに蒸発するに要する蒸発熱量に略等しい熱量となる所定量の冷媒を、前記投入口から供給するための冷媒供給部を配設したことを特徴とするスラリー状又は溶液状材料の乾燥装置。 An inlet for supplying a slurry-like or solution-like material containing a ceramic raw material;
An air inlet that heats the outside air with a heater and introduces it as air supply;
A drying chamber for drying the material by bringing the supply air into contact with the material supplied from the inlet;
An outlet for taking out the dried material as a dry powder,
An exhaust port for exhausting the supply air to the outside as exhaust;
Over a predetermined time prior to the supply of the material, a predetermined amount of refrigerant is supplied from the input port so as to have a heat amount substantially equal to the heat of evaporation required for the water content of the material to evaporate per unit time in the drying chamber. A slurry- or solution-like material drying apparatus , characterized in that a refrigerant supply unit is provided .
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33401499A JP3859413B2 (en) | 1999-11-25 | 1999-11-25 | Slurry or solution material drying method, slurry or solution material drying apparatus, and ceramic sintered body manufacturing method |
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