JP3859375B2 - インクジェット記録用水性分散インクの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット印写用インクに関し、更に詳しくは、水不溶性ないし水難溶性の着色剤、水溶性分散剤及び水性分散媒体を必須成分として含有するインクジェット記録用水性分散インクの製造方法に関する。
本発明のインクジェット記録用水性分散インクは、紙、布帛類など水性分散インク受容能を有する記録体であれば、いずれにも適用することができるが、本発明の製造方法は、特に濃淡差の大きい図柄を布帛類に印刷する場合に必要とされる、着色剤濃度の大きく異なる各濃度の水性分散インクを製造する場合に好適である。
【0002】
【従来の技術】
着色剤として、水不溶性ないし水難溶性の着色剤を使用したインクジェット記録用水性分散インクは、水溶性着色剤を使用したインクに比べて滲みが少なく、シャープな記録画像を形成することができ、また多様な記録媒体に印刷できるなどの利点を有することから、様々の研究開発が進められてきている。
【0003】
インクジェット記録用水性分散インクは、一般にボールミル、サンドミル、ロールミル、スピードラインミル、ホモミキサー、サンドグラインダー等の分散装置によって顔料や分散染料に代表される水不溶性ないし水難溶性の着色剤を高濃度で水性分散媒体(水)に分散し、得られた分散液(着色剤濃厚分散液)を1〜10倍程度に希釈し、さらに各種添加剤を加えインク化し、濾過することにより製造されている。
【0004】
一般に、インクジェット記録用インクに対しては、保存中に物性の変化を生じない点、吐出ノズルを詰まらせない点、印刷濃度や彩度が高い点等の諸性質を備えていること、さらに、その生産性の面からは効率良く製造が行われること等が要求されている。
特に、水性分散インクの場合には、着色剤が水不溶性ないし水難溶性であるという固有の性質上、その製造後、日を経るにしたがって分散液の物性変化を生じ、次第に着色材の分散状態の悪化(凝集沈降)を来し、そのためノズル詰まりを生じるなどの問題がしばしば起こり、信頼性の点で未だ十分とはいえない。
この信頼性を充分確保するためには、分散を極めて均一で安定した状態に維持する必要がある。
【0005】
そこで、安定な分散状態を具現するための方策として、着色剤粒子と水性分散媒体間にはたらく水溶性分散剤による界面活性をさらに高めるべく水溶性分散剤の添加量を増加することが考えられる。
しかし、ノズルの吐出特性を担保するという面からは、インクの粘度を一定値以下に低く保つ必要があり、そのために水溶性分散剤の添加量は必要最低量に抑えなければならない。
このように水溶性分散剤に関しては、二律背反する要求に遭遇することになり、それを同時に満足させることは非常に困難であった。
【0006】
一方、着色剤の粗大粒子を含まなくシャープな粒径分布を有し、均一で安定な分散状態を実現するための方法として、特開平8−209045号公報に開示されるような、ミル後の分散液に各種添加剤を加え希釈した後に、高圧ホモジナイザーを使用し再度微分散してシャープな粒径分布を有する顔料インクを製造する方法が提案されている。
【0007】
この製造方法は、着色剤、分散剤等を含む分散媒体を均一に分散する際に、高圧高速で微細オリフィスを通過させる高圧ホモジナイザーを使用した点にその特徴があり、質量が大きい粒子ほど高速加速されるため、シャープな粒径分布を有する安定な水性分散液を得ることができるというものである。
しかし、長期に渡たる絶対的な信頼性の確保という点では未だ十分とはいえない。
長時間経過後に発生するノズル詰まりは、水不溶性ないし難溶性の着色剤粒子が安定に分散していないことに起因する。
【0008】
また、生産性向上という面から、着色剤濃厚分散液を希釈して水性分散インクとする際に、希釈液(水性分散媒体)やインク特性を調整するための各種添加剤を加え、高い希釈倍率で希釈して生産性の向上を図ろうとする場合には、希釈時の液性変化が大きく、希釈凝集(いわゆるソルベントショック)を起こして分散性を低下させ、そのため安定した分散性を有する水性分散インクを得ることができないという問題がある。
【0009】
希釈液を着色剤濃厚分散液に添加混合して分散インクとする際の希釈倍率は、通常、一回の希釈で1〜10倍程度とされており、分散性の低下を抑えつつ、希釈倍率を10倍以上まで上げて生産効率を高めるためには、この希釈操作を数回繰り返して行う必要がある。
その処理に要する時間と希釈操作を繰り返し行う工程の複雑さは、生産効率向上のための大きなマイナス要因となる。
【0010】
なお、着色剤濃厚分散液における着色剤および分散剤の濃度を高く設定すれば、生産性を向上することが可能となると考えられるが、その場合には希釈倍率を高くする必要があり、結局はソルベントショックによる分散性低下を招くことになる。
これを避けるためには希釈操作を繰り返し行う工程を増加する必要があるから、生産効率向上の手段とはならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、製造後、長時間経過後においてもノズル詰まりが生じることのない極めて安定なインクジェット記録用水性分散インクの製造方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、優れた生産性を有するインクジェット記録用水性分散インクの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を次の(1)〜(4)の製造方法を採用することにより達成するものである。
【0013】
即ち、本発明は、〔1〕、インクジェット記録用水性分散インクを製造するに当たり、下記(1)〜(4)の各工程を順次行うことからなる、水不溶性ないし水難溶性の着色剤、水溶性分散剤及び水性分散媒体を必須成分として含有するインクジェット記録用水性分散インクの製造方法に存する。
(1)上記水不溶性ないし水難溶性着色剤の原末ケーキを水洗精製する工程、
(2)水洗精製して得られた上記着色剤を、必要に応じて各種インク用添加剤と共に、水溶性分散剤を水性分散媒体に溶解した分散剤溶液と混合して着色剤濃厚分散液を調製する工程、
(3)該着色剤濃厚分散液から着色剤を除いた成分からなる希釈液を別個に調製し、該希釈液を上記着色剤濃厚分散液と混合し分散してインク化分散液を作成する工程、
(4)上記インク化分散液を超音波照射処理に付して、該インク化分散液中に含まれる着色剤粒子の2次凝集体を可能な限り1次粒子化し、均一で安定な水性分散インクを得る工程。
【0014】
そして、〔2〕、上記(1)の水洗精製する工程において、着色剤を5重量%含有する懸濁液のpHが4〜10、電気伝導度が0〜0.2mS/cmの範囲になるまで水洗精製する上記〔1〕のインクジェット記録用水性分散インクの製造方法に存する。
【0015】
そしてまた、〔3〕、上記(3)のインク化分散液を作成する工程において、着色剤濃厚分散液に添加する希釈液の量を、該着色剤濃厚分散液の5〜600倍とする上記〔1〕又は〔2〕のインクジェット記録用水性分散インクの製造方法に存する。
【0016】
そしてまた、〔4〕、上記(4)の工程における超音波照射処理を、周波数5〜30kHzで振幅20〜60μm、照射エネルギー1リットル当たり105 〜106 Jの照射条件で行う上記〔1〕、〔2〕、又は〔3〕のいずれか1のインクジェット記録用水性分散インクの製造方法に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の製造方法について、各工程別に具体的に説明する。
(1)着色剤の原末ケーキを水洗精製する工程;
水不溶性ないし水難溶性の着色剤である原末ケーキ中の不純物を除去するために水洗精製を行う工程である。
水不溶性ないし水難溶性の着色剤である顔料や分散染料などの原末ケーキ中には、合成時の不純物(副生物や未反応物または未分解物等)や酸、アルカリ、塩等の中和剤残査が残留しており、これら不純物等は、合成終了後に水洗精製して除去され製品化されている。
【0018】
この製品化され着色剤は、ほとんどの用途ではそのまま使用しても不都合を生じないが、該着色剤をインクジェット記録用水性分散インクの着色剤として用いた場合には、僅かに残存する不純物や酸、アルカリ、塩等の残査がインクの安定性を損なう一因であることを、本発明者らは突き止めた。
【0019】
すなわち鋭意検討の結果、該着色剤を、例えば、5重量%含有する懸濁液のpHが4〜10、電気伝導度が0〜0.2mS/cmの範囲になるまで水洗精製した場合には、分散安定性の向上した水性分散インクが得られることを見出した。
水不溶性ないし水難溶性の着色剤の原末ケーキは、一般に合成直後の脱水ケーキであり、その状態は、含水率によってパウダー状からスラリー状、砕石状と多種多様であが、水洗精製を行う際には、精製効率を最大限向上させるため、予めそれらケーキを水で希釈し、高速攪拌機で攪拌しながら着色剤粒子を約1mm以下まで解かす、いわゆるリパルプ処理を行う。
【0020】
次に着色剤原末水溶液をフィルター濾過し、一旦、脱水ケーキ層を作成する。
このケーキ層に、さらに純水を通過させ、ケーキ空隙間に残存する水溶性不純物を純水を通して洗い流し除去する。
このとき、随時サンプリングを行い、品質検査を実施し、例えば、着色剤を5重量%含有する懸濁液(スラリー)のpHが4〜10、電気伝導度が0〜0.2mS/cmの範囲になったことを基準に洗浄を終了する。
洗浄終了後は、ケーキ層に含まれる水分を減圧脱水する。
必要に応じて、ケーキ表面を振動させ水分を遊離させる脱水補助加振機を使用することもできる。
尚、脱水終了後ケーキを取り出し保管しておく場合には、必要に応じて防腐剤、防カビ剤等を添加したり、窒素ガスを通じておくことが望ましい。
【0021】
水不溶性ないし水難溶性の着色剤としては、公知慣用の無機顔料、有機顔料、分散染料等がいずれも使用できる。
例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物があげられる。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等があげられる。
【0022】
他に酸化チタン、カドミウムイエロー、チタニウムイエロー、亜鉛黄、ベンガラ赤、コバルト青、群青、紺青、ギネー緑等の無機顔料、溶性アゾ顔料、不溶性ジアゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等の有機顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ナフタレンアゾ系等のベンゼンアゾ分散染料、チアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ、キノリンアゾ、ピリドンアゾ、イミダゾールアゾ、ニトロチアゾール系等の複素環アゾ分散染料、アントラキノン分散染料、キノフタロン、ニトロ、クマリン、メチン、アミノケトン系等の縮合系分散染料があげられる。
これらの水不溶性ないし水難溶性の着色剤は単独、あるいは、2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0023】
本発明の製造方法においては、上記水不溶性ないし水難溶性の着色剤を、最終的に得られる水性分散インク中に最大5重量%から最小0.001重量%含まれるように調整し使用することにより、着色剤濃度の高いものからごく低いものまで濃淡の大きく異なる各種濃度のインクを製造することができる。
【0024】
(2)着色剤濃厚分散液を調製する工程、および(3)該着色剤濃厚分散液に希釈液を添加混合してインク化分散液を作成する工程;
通常、水性分散インクの製造方法においては、水不溶性ないし水難溶性の着色剤を水溶性分散剤を用いて水性分散媒体(水)に分散し、
一定濃度の水性分散液(着色剤濃厚分散液)を調製し、次いで、水性分散媒体、およびインクに要求される諸特性を満足する様に各種の添加剤を添加し、希釈して目的の水性分散インクが製造される。
【0025】
上記添加剤としては、粘度、表面張力調整用の物性調整剤や、ノズル詰まりを改良する湿潤剤等があげられるが、これらの添加剤を添加する際には、添加の前後のインク液性が大きく異なることに起因して安定な分散状態が崩れ、特にpHや分散液の組成変化等により、着色剤粒子が瞬時にショック凝集を起こすことがある。
この分散状態の崩れ(破壊)によって、水性分散インク中の着色剤粒子の粒径分布はブロードとなり、分布中心も大粒子径側にシフトする。
このような安定な分散状態が崩れたインクは、時間経過と共にインク特性の劣化が進行する。
【0026】
そして、初期ではノズル詰まりが発生せずに安定吐出していたインクも、長期放置によってやがてノズル詰まりが起こり、安定吐出が困難となるという問題が生じる。
以上の弊害を解決することが、水性分散インクにおける大きな課題となっていることは既に述べたとおりである。
【0027】
そこで、この分散状態の破壊を防止する手段として、上述したように、添加剤等を添加した後に、高圧ホモジナイザーを使用し、再度微分散してシャープな粒径分布を有する顔料インクを製造する方法が提案されているのであるが、高圧ホモジナイザーを使用した場合には、その剪断力が強いために、高分子系分散剤などの分散剤では、その主鎖が破断されるなどの分散剤自体の劣化が引き起こされ、分散剤の本来の安定化機能を発揮できない場合がある。
【0028】
本発明は、着色剤濃厚分散液を調製し、次いで、希釈液や各種添加剤を添加して目的とする水性分散インクを作成する際に、pH変化、分散液の組成変化や粘度変化等により引起こされるショック凝集(希釈凝集、いわゆるソルベントショック)を防ぐために、該着色剤濃厚分散液から着色剤を除いた成分からなる希釈液、つまり、着色剤を含まないという以外は着色剤濃厚分散液と同一の成分(望ましくは同一の成分濃度)からなる希釈液であって、該希釈液の分散剤や添加剤の濃度を、着色剤濃厚分散液中の分散剤や添加剤の量と希釈に用いた希釈液中の分散剤や湿潤剤等添加剤の量の総和が目的とする水性分散インクの適切な濃度を満足するような濃度となるように調製し、その様に調製した希釈液を着色剤濃厚分散液に添加するという手段を採用することを特徴とする。
【0029】
すなわち、本発明の(2)着色剤濃厚分散液を調製する工程および(3)該着色剤濃厚分散液に希釈液を添加混合してインク化分散液を作成する工程は、上記(1)の水洗精製工程で得られた着色剤に、水溶性分散剤、水性分散媒体及び各種インク用添加剤を添加混合して着色剤濃厚分散液を調製し、次いで、該着色剤濃厚分散液から着色剤を除いた成分からなり、希釈液中の分散剤や添加剤の濃度が目的とする水性分散インクの適切な濃度を満足するようにそれらの濃度を調節した希釈液を上記着色剤濃厚分散液に添加混合し、分散させてインク化分散液を作成することを特徴とするものである。
【0030】
以下、本発明の上記工程(2)および(3)について更に詳しく説明する。
〔イ〕、(2)着色材の濃厚分散液を調製する工程では、まず、純水(イオン交換水)に水溶性分散剤を溶解させて分散剤水溶液を作成し、次いで、該分散剤水溶液に上記(1)の水洗精製工程で得られた水不溶性ないし水難溶性の着色剤を添加混合する。
着色剤の混合は、通常の混合攪拌手段、例えば回転翼による攪拌、振とう型攪拌装置等を用いて行う。
【0031】
水溶性分散剤としては、一般にインクジェット用に使用される陰イオン性、非イオン性の水溶性分散剤、あるいは水溶性の樹脂分散剤のいずれも用いることができる。
【0032】
陰イオン性の水溶性分散剤としては、リグニンスルホン酸塩類、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、特殊芳香族スルホン酸類のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、およびそれら縮合物の塩等があげられる。
非イオン性の水溶性分散剤としては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック共重合物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物等があげられる。
【0033】
水溶性の樹脂分散剤としては、顔料分散能力を有する高分子分散剤であればいずれも使用でき、例えば、アクリル系樹脂、具体的には、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、及びこれらの塩、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、マレイン酸−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及びこれらの塩等があげられる。
【0034】
さらに、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等の蛋白質、アラビアゴム等の天然高分子、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩等の陰イオン性高分子などをあげることができる。
これらの水溶性分散剤は、単独、あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
水溶性分散剤の添加量は、最終的に得られるインクジェット記録用水性分散インクの0.1〜15重量%が好ましく、特に0.5〜10重量%が好ましい。
【0035】
次に、着色剤を混合した分散剤水溶液に、各種インク用添加剤を添加する。
まず最初に、固体または液体の湿潤剤を添加することが好ましい。
【0036】
固体湿潤剤としては、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、カプロラクタム、尿素、等のほかペントース、ヘキトース等の単糖類、二糖類、三糖類といった多糖類、あるいはこれらの誘導体である糖アルコール、デオキシ酸などの還元誘導体、アルドン酸、ウロン酸などの酸化誘導体、脱水誘導体、アミノ酸、チオ糖等があげられる。
【0037】
液体湿潤剤としては、高沸点低揮発性の多価アルコール化合物が好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロプレングリコール、トリエチレングリコール、ポリトリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、1.3−ブタンジオール、1.5−ペンタンジオール、グリセリン、1.2.6−ヘキサントリオール等があげられる。
【0038】
以上の湿潤剤の単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら湿潤剤の添加量は、最終的に得られるインクジェット記録用水性分散インクの0.1〜15重量%が好ましく、特に0.5〜10重量%が好ましい。
その他必要に応じて、pH調整剤、キレート剤、増粘剤、流動性改善剤、電気伝導度調整剤、防腐剤、防カビ剤、殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、消泡剤等を添加してもよい。
【0039】
pH調整剤としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素カリウム等の無機塩基、有機酸や鉱酸があげられる。
【0040】
次に、分散剤水溶液に着色剤および添加剤を混合した液を、ボールミル、サンドミル、ロールミル、スピードラインミル、ホモミキサー、サンドグラインダー等の各種分散装置で処理して、着色剤が均一に分散した濃厚分散液とする。
【0041】
〔ロ〕、次に(3)上記着色剤濃厚分散液から着色剤を除いた成分、つまり、着色剤を含まないという以外は着色剤濃厚分散液と同一の成分(望ましくは同一の成分濃度)からなり、着色剤濃厚分散液中の分散剤や添加剤の量と希釈に用いた希釈液中の分散剤や湿潤剤等添加剤の量の総和が目的とする水性分散インクの適切な濃度を満足するような濃度となるように調製し、その様に調製した希釈液を着色剤濃厚分散液に添加する。
【0042】
通常、着色剤濃厚分散液を所望の着色剤濃度に希釈して水性分散インクとする場合には、着色剤濃厚分散液を最高10倍程度の範囲内で希釈して行う。
しかし、本発明では、ソルベントショック(pH変化、分散液の組成変化や粘土変化等により引起こされる希釈凝集)を防ぐため、該着色剤濃厚分散液から着色剤を除いた成分からなる希釈液、つまり、着色剤を含まないという以外は着色剤濃厚分散液と同一の成分からなる希釈液を作成し、該希釈液を上記着色剤濃厚分散液に添加混合して、目的とする適切な組成を有するインク化分散液を作成するという手段を採用した。
そのため、最高600倍程度まで希釈しても安定な水性分散インクを得ることが可能である。
【0043】
したがって、この工程を採用したことにより、本発明は、特に濃淡差の大きい図柄を印刷する場合に必要とされる、着色剤濃度の大きく異なる多種の水性分散インクを製造する場合に好適である。
【0044】
本発明においては、例えば、分散液が顔料、湿潤剤、pH調整剤、防腐剤および純水からなる系である場合には、希釈液は、湿潤剤、pH調整剤、防腐剤、純水から構成される。
希釈液中の各添加剤の濃度は、着色剤濃厚分散液の各添加剤濃度を考慮して、目的とする水性分散インクに必要とされる濃度となるように設計される。
【0045】
希釈時は、着色剤分散液を攪拌しながら、そこへ希釈液を加えていくことが望ましい。
希釈終了後も、局所的不均一を無くすため、5〜20分は攪拌し続けることが望ましい。
また、100倍以上の高倍率希釈を行う場合は、2ないし3段階に分けて、所望の着色剤濃度まで希釈しても差支えない。
【0046】
(4)上記インク化分散液を超音波照射処理に付して、該インク化分散液中に含まれる着色材粒子の2次凝集体を可能な限り1次粒子化し、均一で安定な水性分散インクを得る工程;
上記(3)のインク化分散液を作成する工程から得られるインク化分散液を、周波数5〜30kHzで振幅20〜60μm、照射エネルギー1リットル当たり105 〜106 Jの超音波照射条件で行うことにより、目的の安定で均一なインクジェット記録用水性分散インクを製造する。
【0047】
この工程では、インク化分散液を、超音波ホモジナイザーで2次分散処理することにより、水不溶性ないし水難溶性の着色剤粒子の粒径を揃えると共に、インク化分散液中に含まれる着色剤粒子の2次凝集体を可能な限り1次粒子化することにより、均一で安定な水性分散インクを製造することができる。
超音波ホモジナイザーは、機械的ミルでは実現不可能な、微粒化・均一化が実現でき、機械的ミルと異なり、剪断力が適当であるため高速ミルにみられがちな分散剤主鎖の切断が起こらない等の利点を有する。
【0048】
その微粒化原理は、印加超音波の振動方向に垂直(分散質/分散媒界面)に発生するキャピラリー液が分散質を破断することによる、あるいは超音波振動面と処理液との接触面上のキャビテーションによる衝突作用によるものなどと考えられているが、いずれにせよ、高圧ホモジナイザーのような強い剪断力を伴わない安全で穏やかな微粒化手段であるといえる。
【0049】
本発明において使用する超音波ホモジナイザーとしては、〔(株)日本精機製作所製〕連続式US−1200T(周波数19.5kHz、最大出力1200W)、〔ブランソン(株)〕製連続式モデル900型(周波数20kHz、最大出力900W)等があり、どの装置を使用しても良好な結果が得られる。
【0050】
超音波照射条件として、周波数、振幅、照射時間(処理液1リットル当たりの必要照射エネルギーから算出する)があげられるが、低周波ほどキャビテーションがおこりやすいため、5〜30kHz、好ましくは10〜25kHzの低周波域で行うことが好ましい。
30kHzより大きいと逆に、超音波の凝集作用が強くなり、分散性の劣化を招く。
振幅についても大きいほどキャビテーション圧が高いため、一般的な振幅範囲20〜60μm程度で行える。
【0051】
必要な照射時間については、以下の式で算出することができる。
Figure 0003859375
【0052】
鋭意検討の結果、本発明者らは、特に単位体積当たりの必要照射エネルギーとして105 〜106 J/リットル、好ましくは、2×105 〜7×105 J/リットルの超音波照射により、希釈凝集を起こすことなく2次粒子を効果的に解すことができることを見出した。
【0053】
実際の超音波処理時にはこの値と、処理量、装置の超音波出力より照射時間を算出し実施することができる。
照射エネルギーが低すぎると凝集体の解しが不十分であり、高すぎるとそれ以上の分散効果が望めないばかりでなく、処理液の温度上昇によりこれも逆に凝集を引き起こす。
液中では音波減衰が激しく、熱変換され液温上昇につながる。
液温が高くなると、蒸気圧が上がり、気泡が発生し音波を遮り、また、キャビテーションの核となるべき細かな無数の気泡も無くなるため、キャビテーションは除々に弱くなる。
【0054】
また、熱による粒子凝集もおこり始めるため、超音波照射部には冷却装置を組み込むことが望ましい。
水不溶性ないし水難溶性着色剤粒子の2次分散工程後は、必要に応じてフィルター濾過や超遠心濾過等の一般的な濾過を実施する。
【0055】
例えば、フィルター濾過としてカートリッジ式でインラインで連続精密濾過できるものを使用すれば、前述の超音波照射後、同時に濾過を効率的に行うこともできる。
このような濾過は、ミル分散や超音波2次分散でさえ処理できなかった硬い粗大粒子等を除去し、インクの安定性をさらに向上させる働きを有する。
以下、本発明の実施例および比較例を示して、本発明を具体的に説明する。
【0056】
【実施例1】
・原料着色剤(原末ケーキ)の検査
着色剤原料であるC.I.Disperse Blue 165原末の含水泥状ケーキの精製度を検査するために、純水でその5重量%(固形分)液となるように希釈した検査液を作成し、該検査液のpH、電気伝導度を測定した。その結果は、pH=3.26,電気伝導度=0.32mS/cmであったので、以下の精製工程へ移行した。
【0057】
・着色剤の精製
(着色剤スラリーの作成およびリパルプ)
まず、着色剤のC.I.Disperse Blue 165原末の含水泥状ケーキを効率よく精製するため、以下の組成となるようにイオン交換水(純水)で希釈して着色剤スラリーを作成した。
Figure 0003859375
次いで、上記スラリー300Kgを大型の高速撹拌機で2時間撹拌し、着色剤粒子径を約0.5mm以下に解して均一スラリーを作成した。
【0058】
(水洗精製)
上記スラリーをフィルターに通して濾過し、一旦、層状脱水ケーキを作成した後、該脱水ケーキにさらに洗浄水(純水)を通過させ、ケーキ空隙に残存する可溶性不純物を除去した。
洗浄に使用した純水の量は、1サイクル当たり400Kgで、これを3サイクル繰り返し洗浄を行った。
次いで、洗浄したケーキを吸引脱水して脱水ケーキとした。
【0059】
(検査)
水洗精製した上記脱水ケーキを固形分で5重量%となるように純水で希釈した検査液を作成し、該検査液のpH、電気伝導度を測定したところ、pH=6.6、電気伝導度=0.01mS/cmであったので、この時点で精製を終了した。3)分散
【0060】
(着色剤濃厚分散液の作成)
分散剤とイオン交換水を充分混合溶解させた後、水洗精製した着色ケーキを加え攪拌混合し、次に湿潤剤であるグリセリンやジエチレングリコールを添加して下記の着色剤混合液を調整した。
Figure 0003859375
【0061】
上記着色剤混合液をガラスビーズ充填率70容積%の存在下、サンドミルで15時間湿式粉砕し微粒子化した後、ガラスビーズを取り除き、着色剤濃厚分散液を調整した。
【0062】
(希釈液の作成)
着色剤を含まない下記の希釈液を作成した。
Figure 0003859375
【0063】
(インク化分散液の作成)
上記着色剤濃厚分散液に対し、上記希釈液を加えて10倍量に希釈し、常温で20分間攪拌を続けてインク化分散液を作成した。
【0064】
(超音波照射処理)
上記インク化分散液を、以下の処理条件で超音波照射処理を行った。
分散装置 ; モデル900型〔ブランソン(株)製〕
周波数 ; 20kHz
振幅 ; 40μm
照射エネルギー ; 3.24×105 J/リットル(900Wで6min超音波照射/インク1リットル)
処理方法 ; 連続循環式(流量150リットル/h×15パス)
超音波処理後、ポアサイズ5μmのポリプロピレンカートリッジフィルター〔(株)アドバンテック製〕で濾過し、インクジェット記録用水性分散インクを製造した。
【0065】
【実施例2】
水洗精製工程で洗浄水の量を、1サイクル当たり200Kgとし、かつ1サイクルの洗浄を終了した時点での検査結果がpH=4.2、電気伝導度=0.18mS/cmである脱水ケーキを使用した以外は、上記実施例1と同様に水性分散インクを製造した。
【0066】
【実施例3】
実施例1の(希釈液の作成)において下記の希釈液を使用し、同じく(インク化分散液の作成)において着色剤濃厚分散液に下記希釈液を加えて200倍に希釈する以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(希釈液の作成)
着色剤を含まない下記成分を混合し、希釈した。
Figure 0003859375
【0067】
【実施例4】
実施例1の(着色剤濃厚分散液の作成)および(希釈液の作成)の各項を以下のように代えて行う以外は、実施例1と同様に水性分散インクを製造した。
【0068】
Figure 0003859375
上記成分を混合し、溶解させて分散剤水溶液を作成した。
【0069】
この分散剤水溶液に上記水洗精製したC.I.Disperse Blue165のケーキを乾燥固形分換算で9重量%となるように加え、攪拌機でよく混合した。
次に、この液に湿潤剤としてグリセリンを2重量%、ジエチレングリコールを7重量%加えて着色材混合液を作成し,次いでサンドミルで湿式粉砕して着色剤濃厚分散液を調製した。
【0070】
(希釈液の作成)
以下の成分を混合し、希釈液を作成した。
Figure 0003859375
【実施例5】
実施例1の(希釈液の作成)において下記の希釈液を使用し、同じく(インク化分散液の作成)において着色剤濃厚分散液に下記希釈液を加えて550倍に希釈する以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(希釈液の作成)
着色剤を含まない下記成分を混合し、希釈した。
Figure 0003859375
【0071】
【比較例1】
超音波照射処理を行わないこと以外は実施例1と同様に水性分散インクを製造した。
【0072】
【比較例2】
着色剤濃厚分散液に対し、希釈液を加えて200倍に希釈する際に、専用希釈液を使用することに代えて、着色剤濃厚分散液に該希釈液を構成する各成分を別々に添加する。
すなわち、イオン交換水を加えて攪拌した後、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物ナトリウム塩3重量%、グリセリン3重量%、およびジエチレングリコール5重量%を、順次添加して希釈したインク化分散液を作成する以外は、実施例3と同様にして水性分散インクを作成した。
【0073】
【比較例3】
水洗精製工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様に水性分散インクを製造した。
【0074】
【比較例4】
10倍希釈時の凝集を防ぐため、専用希釈液を用いるのではなく、着色剤濃厚分散液中の分散剤濃度を以下のようにあらかじめ高くし調整した後、イオン交換水、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物ナトリウム塩8重量%、グリセリン3重量、およびジエチレングリコール5重量%の順に添加する以外は、実施例1と同様にインクを調整した。
Figure 0003859375
【0075】
(1)ノズル詰まり
インクをカートリッジに充填したまま6ヶ月放置し、順調に印刷できインクジェット印刷できるか否かを評価した。
また、放置前の初期状態でも評価した。
○ : 順調に印刷できた
△ : 一部のノズルに詰まりがみられた
× : ほとんどが詰まり、印刷不可能
【0076】
(2)保存安定性
インク100ccをガラス容器に密閉し、60℃にて6ヶ月放置した後、次のように評価した。
○ : 問題発生無し
△ : わずかに凝集や粘度変化あり
× : 著しい粒子凝集や増粘あり
【0077】
(3)インクジェット印刷方法及び被印刷物の品位評価方法
a)インクジェット印刷方法
1.インクジェット方式:ステムメ型
2.圧電素子印加電圧 :150V
3.パルス幅 :10μs
4.駆動周波数 :5000Hz
【0078】
評価用の記録媒体として、市販のインクジェット専用紙を使用し、以下の図柄を印刷した。
図柄は、(イ)50×50mmの四角形、(ロ)幅0.5mm、長さ50mmの経緯方向の細線による十字形の2パターンとした。
【0079】
b)被印刷物の品位評価方法
上記a)で得られた被印刷物を下記の項目について観察評価した。
表面濃度;目視により(イ)の図柄の表面濃度下記のとおり評価した。
○ △ ×
濃度が十分 中間 濃度不足
にじみ;目視により(ロ)の図柄のにじみの程度を下記のとおり評価した。
○ △ ×
滲み無し 中間 滲み強い
【0080】
【表1】
Figure 0003859375
【0081】
表1より、着色剤の水洗精製→希釈液による高倍率希釈→超音波2次分散の一連の工程を行って得られた実施例1〜5のインクは、その工程の一部を省いた比較例1〜4の場合と比較して、インクの分散安定性が各段に向上していることがわかる。
【0082】
水性分散体、水溶性分散剤および添加剤からなる希釈液を用いる実施例1に代えて、まずイオン交換水を着色剤濃厚分散液に添加し、次いで水溶性分散剤、添加剤を順次添加する手段を採った比較例2の場合は、保存安定性が悪く、印刷品位も満足できるものではなく、また、着色剤濃厚分散液中の分散剤濃度を高く設定し、希釈液を用いる代わりに純水を用いて高倍率希釈時の凝集を防ごうとした比較例4では、安定性は改善されるものの、インクの印刷用紙への浸透が必要以上に大きくなり、濃度低下や滲み不良を引起こしている。
【0083】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録用水性分散インクの製造方法は、
(a)分散時の着色剤濃度を高く設定できるため、インクジェット記録用水性分散インクを効率よく生産でき,(b)希釈率5〜600倍の幅広い範囲で保存安定性に優れたインクジェット記録用水性分散インクを、1ロットの分散原液から簡単に得ることができ、(c)粒度分布がシャープであり、保存安定性が良好で、印刷時のノズル詰まりもなく、インクジェット記録用水性分散インクを得ることができ、さらに(d)水溶性分散剤の添加量を必要最低限に抑えられるため、印刷時の滲み防止、浸透防止に優れており、従って濃度の高い記録画像を得ることができるという各利点を有する。

Claims (4)

  1. インクジェット記録用水性分散インクを製造するに当たり、下記(1)〜(4)の各工程を順次行うことからなる、水不溶性ないし水難溶性の着色剤、水溶性分散剤及び水性分散媒体を必須成分として含有するインクジェット記録用水性分散インクの製造方法。
    (1)上記水不溶性ないし水難溶性着色剤の原末ケーキを水洗精製する工程、
    (2)水洗精製して得られた上記着色剤を、必要に応じて各種インク用添加剤と共に、水溶性分散剤を水性分散媒体に溶解した分散剤溶液と混合して着色剤濃厚分散液を調製する工程、
    (3)該着色剤濃厚分散液から着色剤を除いた成分からなる希釈液を別個に調製し、該希釈液を上記着色剤濃厚分散液と混合し分散してインク化分散液を作成する工程、
    (4)上記インク化分散液を超音波照射処理に付して、該インク化分散液中に含まれる着色剤粒子の2次凝集体を可能な限り1次粒子化し、均一で安定な水性分散インクを得る工程。
  2. 上記(1)の水洗精製する工程において、着色剤を5重量%含有する懸濁液のpHが4〜10、電気伝導度が0〜0.2mS/cmの範囲になるまで水洗精製することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用水性分散インクの製造方法。
  3. 上記(3)のインク化分散液を作成する工程において、着色剤濃厚分散液に添加する希釈液の量を、該着色剤濃厚分散液の5〜600倍とすることを特徴とする請求項1又は、2記載のインクジェット記録用水性分散インクの製造方法。
  4. 上記(4)の工程における超音波照射処理を、周波数5〜30kHzで振幅20〜60μm、照射エネルギー1リットルあたり105 〜106 Jの照射条件で行うことを特徴とする請求項1、2、又は3いずれか1項記載のインクジェット記録用水性分散インクの製造方法。
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