JP3859288B2 - 光ファイバ放射線測定装置 - Google Patents

光ファイバ放射線測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所、使用済燃料の再処理施設または放射性物質取扱い施設等において、放射線線量(放射線線量率)や放射能濃度の測定を行う技術に係り、特に光ファイバを用いた放射線センサ(以下、「光ファイバ放射線センサ」という)を適用した放射線測定装置(以下、「光ファイバ放射線測定装置」という)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、放射線測定の分野において、放射線の刺激によって物質が発光する現象(シンチレーション)を利用することが行われている。このような発光物質(シンチレータ)から光ファイバによって光を取出し、光検出器で信号に変換し、その出力信号を処理することによって放射線測定を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発明者等はパッシブな光学式放射線センサを光ファイバで接続して構成する新しい概念の光ファイバ放射線測定装置を提案している。この装置は、2つ以上の光ファイバ用コネクタによる光の出入口を有する放射線センサを備え、この放射線センサに光ファイバを接続して、放射線の入射により発生する光を取り出してデータ処理装置に伝送するようにし、放射線センサから同時に送り出される光パルスの到達時間差分布を測定することにより、放射線センサの位置および放射線の強度の情報を得る放射線測定装置である。そして、測定データは、複数個の放射線センサのデータの重畳として観測することができる。この装置では、微弱な光を伝送するようにしており、光ファイバにおける伝送損失や各部の接続損失等も性能に関与することになる。
【0004】
図17および図18は、このようなシステムを示す系統図である。これらの図に示す光ファイバ放射線センサ1は、シンチレータの光を蛍光体を含む波長シフトファイバにより蛍光変換することで集光するようになっている。このような光ファイバ放射線センサ1を複数、伝送用の光ファイバ2で信号処理ユニット3に直列または並列に連鎖接続することで、多点測定を行うことができる。
【0005】
図19および図20は、図17に示した光ファイバ放射線センサ1の2つの構成例を、それぞれ1個のセンサについて拡大して示したものである。光ファイバ放射線センサ1は、シンチレータ4(またはシンチレータ4に密着接合したライトガイド9)中に、波長シフトファイバ5を貫通させ、その波長シフトファイバ5の両端位置に光ファイバ接続用の光コネクタ(光レセプタクル)6を設けたものである。
【0006】
図19の例では、シンチレータ4が反射材7で包囲され、ハウジング8に納められており、このシンチレータ4自身の内部を波長シフトファイバ5が貫通している。シンチレータ4と波長シフトファイバ5とが直接接触することが好ましくない場合、あるいはシンチレータ4が潮解性を有するため完全封入が必要とされる場合等には、シンチレータ4内にガラス管を貫通させ、これとハウジング8とを融着することで、完全封入することができる。
【0007】
また、図20の例では、ハウジング8に納められ、反射材で包囲されたシンチレータ4の光取出し面が、ライトガイド9に光学的に密着接合されている。なお、シンチレータ4は単独で別個のハウジングに納められる場合もある。また、ライトガイド9自身も周囲を反射材7で包囲されている。このライトガイド9の内部を波長シフトファイバ5が貫通しており、その両側に光レセプタクル6が装着されている。
【0008】
図21は、光レセプタクル6による波長シフトファイバ5と伝送用の光ファイバ2との接続構造を拡大して示している。この図21に示すように、伝送用の光ファイバ2と波長シフトファイバ5とは、端面同士が機械的に接合されている。
【0009】
そして、図17に示した直列接続構成の場合、放射線の入射により各センサ1の2つの光の出入口から同時に蛍光パルスが出力され、連鎖接続したループを時計廻り、反時計廻りにそれぞれ進み、ループ端に装着された信号処理ユニット3内の光検出器に至る。この時、両方向から出力されるパルス対が光検出器に到達するタイミング差は伝播光路長差の違いによりセンサ毎に異なり、しかもほぼ一定である。従って、この到達時間差を測定することで、パルス対の出力されたセンサを識別することができる。
【0010】
また、図18に示した並列接続構成についても、光路長差を与える光ファイバによる遅延線10を設けることで、直列接続構成の場合と等価な信号が得られる。
【0011】
このように、いずれの場合もループ両端に独立した1対の光検出器を伴った信号処理ユニット3を配置し、到達時間差分布を測定し、データ処理により各センサの情報を抽出するものである。
【0012】
ところで、実際に放射線モニタリング装置としてこれらの基本技術を用いる場合には、より一層の精度や再現性の確保、測定回路系の簡素化、耐熱性や温度特性の向上、データ処理のリアルタイム化などが求められている。これらの具体的な課題について、以下詳細に説明する。
【0013】
(1)前述したように、光ファイバ放射線センサ1には伝送用の光ファイバ2が光コネクタ(光レセプタクル)6により接続される。この場合、伝送用の光ファイバ2と波長シフトファイバ5との端面同士が単に機械的に接合されるだけでは、微小な間隙に空気層が介在し、フレネル反射を生じることがある。この結果、一例として図17に示した体系において、ある光ファイバ放射線センサ1から1対の蛍光パルスが1つだけ放出された場合を想定する。
【0014】
この蛍光パルスは、他の光ファイバ放射線センサ1を通過する度に、光ファイバ放射線センサ1の1つにつき2個所存在する接続部分でフレネル反射を受け、パルスの進行方向とは逆向きの成分が作り出される。このため、あたかもフレネル反射を生じた光ファイバ放射線センサ1からパルスが両方向に放出されたかのような疑似信号が発生する。これらの反射による疑似信号は、測定データの信頼性を落とすとともに、僅かな接続条件の違いにより左右されるためデータの再現性を損なうことにもなる。また、同様のことは光検出器の受光面と光ファイバ端との間でも生じる。この反射を阻止することで、データの信頼性と再現性を高めることが必要である。
【0015】
(2)次に、図22は、光ファイバ放射線モニタ、あるいはファイバ自体をシンチレーション物質で構成したシンチレーティングファイバを用いた放射線一次元分布測定における到達時間差測定に用いた測定回路の構成を示している。
【0016】
各光検出器3a,3bで検出された信号S1a,S1bは、それぞれ信号検出装置11a,11bによりタイミング信号S2a,S2bに変換された後、時間−波高変換器12に入力される。
【0017】
2つの信号の内、ストップ側に相当する信号S2bについては、光ファイバ2の遅延線10による時間遅延を与えられるか、あるいは一旦光検出器3bと信号検出装置11bにより電気信号に変換された後、同軸ケーブルあるいは遅延回路による遅延ユニット13により電気的に時間遅延を与えられた後、時間−波高変換器12のストップ入力端子に入力される。この時間−波高変換器12により、スタート入力とストップ入力との間の時間差に比例した波高を持つアナログパルス信号S3が出力される。このアナログパルス信号S3は波高−ディジタル変換器14によりAD(アナログ−ディジタル)変換され、そのディジタル値S4がメモリユニット15に記録される。またこのメモリユニット15に蓄えられた時間スペクトルデータS5はデータ処理ユニット16で処理される。
【0018】
以上の測定回路系では、ディジタル値である時間差を一旦アナログパルスに変換し、さらにこのアナログ量をディジタル値に変換するといった余分な処理過程を踏んでいるため、回路が複雑であった。
【0019】
これに加えて、データの精度に関する不感時間の評価にも問題がある。この方式は元来、ピコ秒オーダからの分析が可能なように設計されているものであり、ピコ秒〜1μ秒オーダの時間差測定を行う場合には、この方式は高い精度を得ることができる。しかしながら、光ファイバ放射線モニタでは光ファイバループ長を500m〜1000m程度まで拡張して使用する場合もあり、このときに必要となる時間分析のレンジは10μs〜20μs程度となる。
【0020】
時間差が極めて短い場合には、時間分析に関わる不感時間は無視でき、測定装置全体の不感時間はAD変換の不感時間が支配的となる。しかしながら、分析対称の時間差が10μs〜20μsという領域では、時間分析レンジとパルスの到来時間間隔の差が縮まり、さらにAD変換時間とも同じオーダになってくるため、AD変換の不感時間のみならず、時間−波高変換器12での“変換もれ”が無視できなくなる。このため、最終的に測定で得られた計数値を不感時間を除いた測定時間(ライブタイム)で除して計数率を求める際に誤差が含まれることになる。
【0021】
さらに、図22で示したように、余分な光ファイバや同軸ケーブル等による遅延線10や遅延ユニット13が必要であるが、遅延時間がμ秒オーダになると長いケーブル長が必要であり、例えば5μ秒の遅延を与えるファイバは1km、同軸ケーブルでは1.5kmとなり、取扱い上、極めて不便であり、遅延時間を切り換えることも容易ではない。
【0022】
このため、回路系を簡素化し、大きな遅延時間を可変して設定できるようにし、かつ不感時間の正当な処理を行えるようにする必要がある。
【0023】
(3)光ファイバ放射線センサ1は光検出器や付帯回路から分離して設置できるため、高温環境下での使用に適した構成である。しかしながら実際に適用するにあたっては、個々のセンサ構成材料の耐熱性を確保することが必要である。
【0024】
センサ構成材料の最も重要な波長シフトファイバ5は、コア材料としてポリスチレンを用いているものが一般的である。シンチレータ4や構造材料の物性上の耐熱温度に比べてこのポリスチレンの耐熱温度は70〜80℃程度と低いため、例えば水蒸気を対象とした100℃環境での測定等にはそのまま適用できない。また、耐熱性の高いガラス蛍光体を用いたファイバも一部で実用化され始めてはいるが、有機蛍光体に比べて発光量が小さく、現実的ではない。
【0025】
また、図20に示したタイプの構造を持つ場合には透明なライトガイド9部分が必要であり、通常温度範囲ではアクリル等の材料が使用できるが、これについても80〜90℃程度が耐熱限界と考えられ、これに代わるものが必要である。
【0026】
実際に水蒸気の流れる配管等を対象とした測定や高温薬液を循環させた物体を対象とした測定では、100℃程度の耐熱確保が重要であり、このためセンサ構成材料の見直しが必要である。
【0027】
(4)また、データ処理に関しては、多重ピークをもつ多点測定による到達時間差分布データに対し、基準ピークとして単一センサに対する時間応答スペクトルの係数倍の重ね合わせとして、多重回帰法により各センサの成分を分離抽出することを考えている。しかしながら、温度変化が大きい場合には半値幅の変化によりピーク形状が変化するため、校正時に測定しておいた基準ピークが使用できない。このため、このような状況でも温度補償できる手段を考慮しておく必要がある。
【0028】
(5)なお、従来では光伝送型センサを使用することも知られている(例えば特公平7−74829等)。このような光伝送型センサにおいても、光ファイバによる信号伝送が可能であるが、ここでは1つの光出口があるのみである。従って、この場合に例えば図23に示すように、複数個の光伝送型センサ17を光ファイバ2により、個々にセンサ数に応じた光検出器を備えた信号処理ユニット3に接続することになる。信号処理ユニット3では受光した光パルスの波高弁別により光検出器、および回路のノイズとの識別を行う。しかし元来、信号レベルはノイズレベルと大差がないため、完全な弁別は難しく、特に低計数率での測定でノイズ計数が混入したり、低エネルギー放射線による信号は識別できないなどの不都合がある。
【0029】
一方、図17,18等に示した光ファイバ放射線センサ1には光の出入口が2つ備えられており、放射線の入射に対応して、同時に両方の光出入口から蛍光パルスが出力されるようになっている。
【0030】
信号処理ユニット3では、この2つの蛍光パルスの到達時間差により、あるいは単一センサでの使用時には同時計数を行うことにより、信号をノイズから識別している。このため、信号波高値には依存せず、例えばノイズレベルに埋もれている信号についてもその到達時間差の測定、あるいは同時性の成立により識別、検知することができるため、低エネルギー放射線や低計数率の信号等に対しても正確な測定ができるものである。
【0031】
しかしながら、このような利点を活かして、光ファイバ放射線センサ1を連鎖接続しない単一センサとして複数個使用するような場合には、センサ数の2倍の光検出器が必要となる。このため、光ファイバ放射線センサ1の上記特質を活かしつつ光検出器の使用数を削減する簡素な測定手法が望まれる。
【0032】
(6)従来の光ファイバ放射線センサ1の2つの光取出し口は、内部に埋め込まれた波長シフトファイバ5の両端に相当する。このため、接続する光ファイバ2の向きは対向した位置にある。
【0033】
しかしながら、この位置関係は細い間隙にセンサを挿入するような場合には両側コネクタの突出や、光ファイバ2の曲げ半径の問題等もあって不都合が生じる。また、センサ内部で波長シフトファイバ5を曲げておくことも考えられるが、これについても曲げ半径の制約があり、細径のセンサでは実現できない。
【0034】
このため、元来の光ファイバ放射線センサ1の2つの光出入口から同時に蛍光パルスが出力されることで得られる大きなメリットを活かしつつ、上記形状や配置の問題を解決できる構造を実現する必要がある。
【0035】
質で構成したシンチレーティングファイバを用いた一次元分布測定における到達時間差測定では、一定時間測定を行い、その結果を校正データに基づいてデータ処理し、各位置における線量(率)を算出するものであり、人手による線量率のサーベイと同等の測定を、一度に複数点について行うといった概念のもとに成り立っていた。
【0036】
図24は、その一例としてシンチレーティングファイバで得られた時間スペクトルを示している。横軸は位置(時間差)であり、縦軸は各位置における計数値(カウントチャネル)に相当する。これを離散的な区間に分割してその区間における計数値(率)を算出し、校正時の線量率と計数率から対象区間の線量率を求める。
【0037】
しかしながら、これだけの手順では一回の測定で複数ポイントの線量率は得られるが、線量率の変化を含めて連続的にモニタリングすることはできない。また位置によって線量率レベルが大きく異なる場合には、統計精度が異なってくるため、一律の測定時間による測定だけでは対応できない場合が生じる。
【0038】
このため、到達時間差分布を測定しつつ、連続モニタリングを行い、しかも、線量率レベルの異なる区域には異なる測定時間を割当て、かつ線量率の変化に対して測定時間も対応できるような連続モニタリング手法が必要である。
【0039】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、光ファイバ放射線センサを用いた測定の反射光による誤差を抑えるとともに、測定回路の簡素化およびモニタアルゴリズムによる測定精度の一定化が図れ、また急激な計数率(線量率)変化にも追従可能なモニタシステムの実現を可能とし、さらにセンサ自体の耐熱性を高めるとともに、温度変化による感度の補正が行え、高温環境下での正確な測定を実現することができる光ファイバ放射線測定装置を提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、放射線の入射により発光するシンチレータ内に、コア部分に蛍光体を含む波長シフトファイバを設け、この波長シフトファイバで蛍光変換による集光を行う光ファイバ放射線センサを複数備え、これらの放射線センサを直列または並列に光検出器に接続し、放射線の入射により発生する光を前記光検出器により検出してデータ処理し、前記各センサ個別の情報を得る放射線測定装置であって、基準クロックを発生させるクロック部と、一対の光検出器で検出された2つの信号のうち、一方をスタート信号とし、他方をストップ信号とし、前記ストップ信号を入力し、設定された遅延時間後に遅延後のストップ信号を発生する遅延切換手段と、前記基準クロックが入力され、前記スタート信号とし、前記遅延切換手段からの遅延後のストップ信号をストップ信号として前記基準クロックの計数を行うクロック計数手段とを備えたことを特徴とする。
【0041】
本発明によれば、時間差というディジタル値を一旦アナログ量に変換し、再度これをディジタル値に変換していたことに比較し、ディジタル式の時間計測のみでまかなえるため、回路系が簡素化し、さらに時間分析時の不感時間だけを補正することで、算出される計数率精度も高めることができる。さらに長距離の遅延用ファイバや同軸ケーブルを不要にし、かつ遅延時間を可変にすることがきる。
【0042】
請求項2の発明は、請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバに伝送用の光ファイバを介して光検出器を接続し、前記波長シフトファイバと前記伝送用の光ファイバとの接合端面間に、これら両ファイバのコア材料と同等の屈折率を持つ物質を両ファイバに密接状態で介在させ、または前記波長シフトファイバと前記伝送用の光ファイバとの各接合端面に、屈折率が前記各ファイバのコア材料の屈折率の平方根に近い分散性媒質の被膜を、その膜厚が膜内での光の1/4波長になるようにコーティングしたことを特徴とする。
【0043】
本発明によれば、フレネル反射を防止することで、反射による誤信号の発生をなくして、データの精度、信頼性を高めることができる。
【0044】
請求項3の発明は、請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバの材料としてポリカーボネートを用いたことを特徴とする。
【0045】
本発明によれば、波長シフトファイバの母材料としてポリカーボネートを用いることで130℃程度までの耐熱性が得られる。
【0046】
請求項4の発明は、請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバに付属するライトガイドを備え、このライトガイドの材料として透明なポリカーボネートを用いたことを特徴とする。
【0047】
本発明によれば、請求項3のポリカーボネート製波長シフトファイバの採用と併せて、ライトガイドの材料にも透明ポリカーボネートを用いることで、130℃程度までの耐熱性が得られる。
【0048】
請求項5の発明は、請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバに付属するライトガイドを備え、このライトガイドの材料として透明なガラスを用いたことを特徴とする。
【0049】
本発明によれば、請求項4において、ライトガイドの材料としてポリカーボネートに代わり透明ガラスを用いることで130℃程度までの耐熱性が得られる。
【0050】
請求項6の発明は、請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、複数センサの到達時間差データが重畳した時間スペク卜ルのデータ処理を行う手段として、予め個々のセンサにおけるデータ形状を表現することができる関数形をピーク高さ、半値幅およびピーク位置の情報を含む型とし、この関数の重ね合わせで重畳した時間スペクトルが成り立っているとして、多重ピークフィッティングにより個々の関数の未知パラメータを求め、これらを使用して個々のセンサの正味計数値または正味計数率を求める手段を具備したことを特徴とする。
【0051】
本発明によれば、ピーク形状(半値幅)が温度変化等により変動した場合にも対処できるようになる。
【0052】
請求項7の発明は、請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記各光ファイバ放射線センサの片側に接続した伝送用の光ファイバを1つの光検出器にまとめて接続し、この光検出器から共通の光検出信号を出力する一方、残る片側に接続した伝送用の光ファイバをそれぞれ別個の光検出器に接続し、これらの光検出器からそれぞれ独立した光検出信号を出力し、この独立した光検出信号の中から1系統の出力を選択し、これをストップ信号とし、さらにストップ信号には時間遅延を与えた上で、共通の光検出信号をスタート信号として、この2つの信号の到達時間差分布を測定するようにしたことを特徴とする。
【0053】
本発明によれば、選択したセンサ単独の到達時間差分布を測定することができる。
【0054】
請求項8の発明は、請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記各光ファイバ放射線センサの片側に接続した伝送用の光ファイバを1つの光検出器にまとめて接続し、この光検出器から共通の光検出信号を出力する一方、残る片側に接続した伝送用の光ファイバをそれぞれ別個の光検出器に接続し、これらの光検出器からそれぞれ独立した光検出信号を出力し、これらの信号にそれぞれ一定の、かつ互いに異なる時間遅延を与えた上で、1出力に合流させてストップ信号とし、さらにストップ信号には時間遅延を与えた上で、共通の検出信号をスタート信号とし、この2つの信号の到達時間差分布を測定するようにしたことを特徴とする。
【0055】
本発明によれば、全てのセンサの情報を含む到達時間差分布を得ることができる。
【0056】
請求項9の発明は、請求項7または8のいずれかに記載の光ファイバ放射線測定装置に加え、連続的あるいは間欠的に得られた到達時間差分布データにおける各ピーク半値幅を得て、予め校正しておいたピーク半値幅と感度変化の特性から基準となる温度に対する感度変化の補正係数を求め、各センサに相当する到達時間差ピークの正味計数と前記補正係数との演算により、基準となる温度における真の計数値を求める手段を具備したことを特徴とする。
【0057】
本発明によれば、センサに相当する到達時間差ピークの正味計数とこの補正係数との演算により、真の係数値を求めることができる。
【0058】
請求項10の発明は、請求項3から5までのいずれかに記載の光ファイバ放射線センサにおいて、前記波長シフトファイバは、互いに別体の2本の独立した波長シフトファイバとされており、その各波長シフトファイバの一端のみが光出口とされており、これら各波長シフトファイバの他端面には光を鏡面反射できる反射体が光学的に密着して装着されていることを特徴とする。
【0059】
本発明によれば、波高値による弁別でなく、同時計数法、あるいは2つのパルスの到達時間差測定によるノイズ弁別を行うことができる。
【0060】
請求項11の発明は、請求項3から5までのいずれかに記載の光ファイバ放射線センサにおいて、前記波長シフトファイバは、互いに別体の2本の独立した波長シフトファイバとされており、その各波長シフトファイバの一端のみが光出口とされており、これら各波長シフトファイバの他端面は、共通のライトガイドに光学的に密着して装着されるとともに、全反射、乱反射、あるいは鏡面反射が可能な反射体により、前記各波長シフトファイバ相互に光の出入りが可能とされていることを特徴とする。
【0061】
本発明によれば、更に同時性の確率を高めることができ、その結果波高値による弁別でなく、同時計数法あるいは到達時間差分布測定によるノイズ弁別を行うことができる。
【0062】
請求項12の発明は、請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、光検出信号の到達時間差分布データの測定手段を具備したものにおいて、一定時間毎に分布データを測定するとともに、その測定データからデータ内に含まれる全てのセンサについての情報を算出し、かつ測定データを消去する一方、次サイクルとして同一時間の測定を開始する手段を具備したことを特徴とする
【0063】
本発明によれば、連続的に一定時間毎に各センサでの情報が得られる。また、測定サイクル毎度にデータを消去しているため、データ蓄積による計数値のオーバーフロー等を生じない。
【0064】
請求項13の発明は、請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、到達時間差分布データの測定手段を具備し、一定時間毎に前記分布データを繰り返し測定する中で、1サイクルの測定毎にその測定データから全てのセンサについての情報を算出し、各センサについての正味計数値が設定した値に達していた場合にはデータを採用するとともに、センサ毎に保持している記録スペクトルの内容をゼロクリアし、また、計数値が設定した値に満たない場合には、センサ毎に保持している記録スペクトルのうち、当該センサに対応する記録スペクトルと当該サイクルで測定した到達時間分布データを加算して、再度当該センサについての情報を算出して計数値が設定値に達しているかどうかを判定し、加算により条件を満たすようになった場合にはそのデータを採用するが、加算によってもなお条件を満たさない場合には、その加算したスペクトルを当該センサ用として再度記録保存し、次サイクルヘ移行する手段を具備したことを特徴とする。
【0065】
本発明によれば、一定の測定時間単位にデータを読み出しつつ、実効的には各センサにはそれぞれ異なる時定数が割り当てられ、統計量一定、即ち精度一定条件でのデータ算出が可能となる。また最低の測定時間として十分短い時間を指定しておくことで、計数率の変化に迅速に追従した時定数処理が実現できる。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、基本的な回路構成については図17および図18のものと同様であるから、図示および説明を省略するとともに、課題説明で使用したものと同一部材については、同一符号を使用して説明する。
【0067】
まず、図1により、多点測定体系における反射抑制による精度向上を図るための請求項2に対応する実施形態を説明する。
【0068】
図1は、光ファイバ放射線センサ1の光取出し口周辺部および光ファイバ2の構成、ならびに光ファイバ2と光検出器との接続部分周辺部を示している。
【0069】
本実施形態は基本的に、波長シフトファイバ5と伝送用の光ファイバ2との接合端面間に、これら両ファイバ2,5のコア材料と同等の屈折率を持つ物質を両ファイバに密接状態で介在させ、また波長シフトファイバ5と伝送用の光ファイバ2との各接合端面に、屈折率が各ファイバのコア材料の屈折率の平方根に近い分散性媒質の被膜を、その膜厚が膜内での光の1/4波長になるようにコーティングするものである。
【0070】
なお、光ファイバ放射線センサ1には前述したように、図17および図18に示す直列、並列2種類の接続構造があるが、この実施形態では図17に示した直列接続の場合を適用している。
【0071】
アルミニウム等で作られたセンサ外側ケースであるハウジング8の中にシンチレータ4が納められており、このシンチレータ4の周囲には光を内面に向かって反射させて閉じこめるための反射材7が配置されている。このシンチレータ4の中には波長シフトファイバ5が貫通しており、その波長シフトファイバ5の両端は研磨された状態で光コネクタ(光レセプタクル)6で固定されている。
【0072】
なお、図示しないが、光ファイバ放射線センサ1が図18に示した並列接続タイプである場合には、波長シフトファイバ5はシンチレータ4ではなく、ライトガイドの中を貫通させる。
【0073】
波長シフトファイバ5の端面には、光コネクタ6により透明な伝送用の光ファイバ2が接続されている。この伝送用の光ファイバ2の端面と波長シフトファイバ5の端面との境界に空気が介在しないように、両者のコアの屈折率と等しいか、または近い値を持ち、透過する光に対して透明な反射防止材21を介在させてある。この反射防止材21としてはシリコングリース等を用いることができるが、厚さが数ミクロンから数十ミクロン程度のシリコンラバーフィルムを使用することもできる。
【0074】
この反射防止材21がない場合には、端面同士の僅かな隙間に空気層が介在するため、大きなフレネル反射を生じ、このため疑似信号が発生することになるが、本実施形態では反射防止材21を介在させることで、空気層によるフレネル反射を防止し、疑似信号の発生を防止することができる。
【0075】
また、伝送用の光ファイバ2の端面と光検出器22の受光面23との間にも同様のフレネル反射が生じるため、この境界面にも同様の反射防止材24を介在させることで、疑似信号の発生を防止することができる。
【0076】
また、空気の介在があったとしても、ファイバ端面にファイバ材の屈折率と空気の屈折率との中間屈折率(正確には幾何平均値)の分性媒質、例えばふっ化マグネシウム(MgF2)(屈折率=1.38)を厚さd=1/4λにコーティングすることで(λはMgF2中の波長で、λ=空気中の波長/屈折率)、フレネル反射を止めることができる。
【0077】
次に、図2により、信号処理回路についての請求項1に対応する実施形態を説明する。
【0078】
図2は信号処理回路の構成を示す系統図である。
【0079】
本実施形態は基本的に、光パルスの到達時間差に基づいて放射線の入射位置を同定する一次元分布放射線測定手段と、到達時間差の測定のために一定周波数のクロック信号を計数する時間−ディジタル変換手段と、時間差測定のためのストップ信号に与える一定の遅延時間を、一定周波数のクロック信号を計数することにより得るディジタル式遅延手段とを具備している。
【0080】
詳述すると、1対の光検出器22a,22bで検出した光信号S11a,S11bは信号検出装置25a,25bでタイミング信号S12a,S12bに変換され、ディジタル式信号処理装置26に入力される。2つの信号のうち、一方の信号S12aをスタート信号として扱い、残る一方の信号S12bをストップ信号として扱う。このディジタル式信号処理装置26は、2つのタイミング信号S12a,S12bの入カタイミング差(時間)を測定することを目的としており、クロック部27、クロック計数ユニット28、レンジ切換ユニット29、遅延切換ユニット30およびメモリユニット31を備えている。
【0081】
即ち、このディジタル式信号処理装置26では、クロック部27で基準クロックScを発生させ、この基準クロックScをクロック計数ユニット28に入力して計数を行う。この時、測定する時間差の最大値を決めるため、レンジ切換ユニット29で、必要に応じて基準クロックScを分周してからクロック計数ユニット28に入力する。このクロック計数ユニット28はスタート信号S12aの入力をトリガとして、レンジ切換ユニット29を通ったクロックの計数を始める。
【0082】
一方、ストップ側信号S12bは、スタート信号S12aに対して一定の遅延時間を与えるために、遅延切換ユニット30に入力される。この遅延切換ユニット30は、入力されたストップ信号S12bに対して、設定された遅延時間後にタイミング信号を発生するもので、この遅延時間は基準クロックScを計数することで得られるものである。遅延切換ユニット30を介してクロック計数ユニット28に送り出された遅延後のストップ信号S13bにより、既にスタート信号S12a,S13aにより計数を開始していたクロック計数ユニット28は計数を停止する。
【0083】
従って、クロック計数ユニット28はスタート信号S12a,S13aの入力から、一定時間遅延したストップ信号S13bの人力までの間のクロックの計数値を示している。このクロックの計数値は時間に比例している。メモリユニット31に対して、この計数値をアドレスとして、そのアドレスのデータ内容に1加算して記録する。メモリユニット21は通常のγ線スペクトロメータ等で用いられるヒストグラム型のメモリである。このメモリの内容はデータ処理ユニット32により読み出されて、処理される。
【0084】
このような構成によれば、信号検出以降の処理をアナログ回路を含まない、全て簡便なディジタル計数回路で構成することができるため、回路系全体の簡素化を実現することができる。また、ストップ信号S12bに対する遅延も従来のような長尺の光ファイバによるものでなく、ディジタル回路で行うことができるため、装置スペース上もコンパクトになり、しかも設定値を可変にすることができる。
【0085】
さらに、パルス波高値により異なるAD変換の不感時間等の、時間分析上の不感時間以外の要素が混在しないため、正確な不感時間の評価、計数率の算出が可能になる。
【0086】
例えば、全長500mのファイバ長をもつ直接接続システムについて、ループ両端にセンサが装着されている場合に光路長差が最大となり、この場合1kmとなる。1kmの光路長差はファイバ中の光速から計算すると、5μsの走行時間に相当する。従って、測定レンジとしては、この走行時間の2倍の10μs程度が必要となる。この場合、分布データを例えば1024チャネルに分割して測定するためには、1チャネルあたり10nsの時間分解能が必要となるため、これに必要なクロック周波数は100MHzであり、一般的な発振回路と計数素子とを使用して構成することができる。
【0087】
次に、図3〜図8により、光ファイバ放射線センサ1の耐熱性向上を図るための請求項3〜5に対応する実施形態を説明する。
【0088】
図3は直列接続タイプ(図17参照)の光ファイバ放射線センサ1の外観を示す側面図である。
【0089】
本実施形態では波長シフトファイバ5として、ポリスチレンをコア材料としたファイバではなく、ポリカーボネートを材料としたファイバを使用して構成している。
【0090】
ポリスチレン製の波長シフトファイバでは80℃程度が耐熱上限値であったが、ポリカーボネート製の波長シフトファイバ5を使用することで130℃程度の耐熱性が実現でき、耐熱性向上が図れる。また、ポリカーボネートを材料とした場合、有機蛍光体が使用できるため、必要十分な発光量を確保することができる。
【0091】
図4は、並列接続タイプ(図18参照)の光ファイバ放射線センサ1の外観を示す側面図である。
【0092】
本実施形態では、ライトガイド9を併用する光ファイバ放射線センサ1において、一般的に用いられるアクリル系の材料によるライトガイドではなく、透明なポリカーボネート製のライトガイド9とすることで、耐熱性を高めることができる。
【0093】
アクリル系の材料によるライトガイドでは80〜90℃程度が耐熱上限値であったが、ポリカーボネート材料とするライトガイド9では130℃程度の耐熱性を実現することができ、耐熱性向上が図れる。
【0094】
また、図4に示す光ファイバ放射線センサ1では、波長シフトファイバ5についても、図3と同様に耐熱性を有するポリカーボネイト製の波長シフトファイバとしている。
【0095】
図5は、並列接続タイプの光ファイバ放射線センサ1の拡大断面図であり、図6はその光ファイバ放射線センサ1のライトガイド9を示す斜視図である。
【0096】
本実施形態では、ライトガイド9を、耐熱性の高い厚板状の1枚のガラスを材料として構成している。このライトガイド9に波長シフトファイバ挿通用の孔が穿設してある。このように、耐熱性の高いガラス製のライトガイド9を有する構成とすることにより、ポリカーボネートよりも良好な透明度、透過率を得ることができる。
【0097】
従来のアクリル系材料では構成したライトガイドでは80〜90℃程度が耐熱上限値であったが、ガラス製のライトガイド9とすることで、波長シフトファイバの耐熱上限温度に準じた耐熱性を実現することができる。また、ガラスは一般的なシンチレーション光に対する透明度、透過率が高く、ライトガイド材料として優れた特性を発揮できる。この時に用いる波長シフトファイバ5については、耐熱性を有するポリカーボネート製とすることが望ましい。
【0098】
なお、ブロック状のガラスに穿孔する場合、破損等が問題となる場合があるが、この場合には図7および図8に示すように、ガラス製多層型のライトガイド9を適用することができる。例えば2枚の円板状のガラス9a,9aと半割円板状のガラス9b,9bとを組み合わせ、光学接着材あるいはオプティカルグリース等を用いて密に積み重ねて貼り合わせることで、図5および図6に示した一体のガラス製のライトガイド9と等価なライトガイドを製作することができる。この場合、積層枚数を厚みに応じて選択することにより、加工上の制約を受けずに、ガラス製多層型のライトガイド9を得ることができる。
【0099】
次に、図9により、データ処理に関する請求項6に対応する実施形態を説明する。
【0100】
図9は、データ処理例を示すグラフであり、横軸に信号到達時間差xを表し、縦軸にカウントチャネルyを表している。
【0101】
本実施形態は、図17または図18に示したように、複数の光ファイバ放射線センサ1を直列または並列に接続して、信号処理ユニット3に入力する各センサの到達時間差データが重畳するような場合に、各センサの正味計数値または正味計数率を求める手段についてのものである。
【0102】
即ち、上記のデータ処理に関しては、前述したように多重ピークをもつ多点測定による到達時間差分布データに対し、多重回帰法により各センサの成分を分離抽出することが考えられているが、温度変化が大きい場合等の事情でピーク形状が変化するため、測定済の基準ピークが使用できないという不具合があった。
【0103】
これに対し、本実施形態では、複数の光ファイバ放射線センサ1での到達時間差データが重畳した時間スペクトルのデータ処理を行う場合に、予め個々の光ファイバ放射線センサ1での形状を表現することができる関数形を、ピーク高さ(yc)、半値幅(xw)およびピーク位置(xc)等の情報を含む型とし、この関数(y=f(yc,xw,xc,x))の重ね合せで重畳した時間スペクトルが成り立っているとする。そして、多重ピークフィッティングにより個々の関数の未知パラメータを求め、これらのパラメータを使用して個々の光ファイバ放射線センサ1の正味計数値または正味計数率を求めるようにするものである。
【0104】
即ち、各光ファイバ放射線センサ1の照射応答スペクトルを予め測定しておき、これらの係数倍の重ね合せとして多重回帰法によりその係数を求める手法によるのではなく、個々のセンサの照射応答スペクトルをピーク高さ、半値幅、ピーク位置をパラメータの中に含む関数で表現し、非線形多重フィッティングにより各関数の未知パラメータを求め、そのパラメータに基づいてそれぞれのピークの正味計数(率)を求める方法をデータ処理手法として備えることで、測定環境の変化によるピーク形状の変化にも対応できるようにしたものである。
【0105】
次に、図10により、到達時間差分布の測定についての請求項7に対応する実施形態を説明する。
【0106】
本実施形態は、独立した光検出信号の中から1系統の出力を選択し、これをストップ信号とし、さらにストップ信号には時間遅延を与えた上で、共通の光検出信号をスタート信号として、この2つの信号の到達時間差分布を測定するようにしたものである。
【0107】
図10は並列信号処理装置33を用いた到達時間差測定を実現する回路構成を示している。
【0108】
即ち、本実施形態は、センサ個別の信号S22d(D1〜D4)と、共通の検出信号S22c(C)のうち、後者をスタート信号として用いる。センサ個別の信号S22d(D1〜D4)を、選択型信号切換方式による信号切換ユニット40を介して選択し、これをストップ信号として、先のスタート信号とともに、ディジタル式信号処理装置42に入力して到達時間差分布を測定する。そして、例えばデータ処理ユニット36からの系統切換信号を信号切換ユニット40のS端子に加えることで、着目する系統を切り換える。
【0109】
本実施形態によれば、常にセンサ個別の到達時間差分布を測定することができる。
【0110】
次に、図10を兼用して、到達時間差分布の測定について他の構成である請求項8に対応する実施形態を説明する。
【0111】
本実施形態でも、センサ個別の信号S22d(D1〜D4)と、共通の検出信号S22c(C)のうち、後者をスタート信号として用いる点は前記同様である。
【0112】
但し、本実施形態では、センサ個別の信号S22d(D1〜D4)を、遅延型信号切換方式による信号切換ユニット41を介して選択し、これをストップ信号として、先のスタート信号とともに、ディジタル式信号処理装置42に入力して到達時間差分布を測定するものである。
【0113】
このような本実施形態によれば、全てのセンサの情報を含む到達時間差分布を一括して測定することができる。
【0114】
次に、温度補正についての請求項9に対応する実施形態を説明する。
【0115】
図10で示した到達時間差分布測定を行うだけの構成においても、温度測定手段に依存することなく、温度を到達時間差分布の半値幅xwから得ることができる。例えば各センサを切り換えて測定する到達時間差分布では、ひとつの分布データから当該センサに関する半値幅xwが得られるが、これは温度情報となるものであるから、それに基づく補正が可能となる。
【0116】
また、全てのセンサの情報が重畳した到達時間差分布がただひとつ得られるような場合には、図9で示した、実施形態のデータ処理手法を併用することで、各センサについての半値幅xw、即ち温度情報を得ることができる。
【0117】
そこで、本実施形態では、連続的、あるいは間欠的に得られた到達時間差分布データにおける各ピークの半値幅xwを得て、予め校正しておいた半値幅xwと感度変化の特性から基準となる温度に対する感度変化の補正係数を求め、各センサに相当する到達時間差ピークの正味計数とこの補正係数との演算により、基準となる温度における真の計数値を求めるものである。
【0118】
本実施形態によれば、温度測定手段を用いることなく、温度変化による感度の補正係数を求めることができる。
【0119】
次に、図11図13によって波長シフトファイバについての請求項10に対応する実施形態を説明する。
【0120】
光ファイバ放射線センサ1において、請求項13の測定方式を採用する場合には、必ずしも波長シフトファイバ5の両端に伝送用光ファイバ2を接続する必要はない。
【0121】
本実施形態は、波長シフトファイバ5を互いに別体の2本の独立した波長シフトファイバ5a,5bで構成し、各波長シフトファイバ5a,5bの一端のみを光出口とする一方、これら各波長シフトファイバ5a,5bの他端面には光を鏡面反射できる反射体を光学的に密着して装着したものである。
【0122】
図11は円柱状のシンチレータ4に軸方向に沿い、2本の異なる波長シフトファイバ5を互いに接近させて並列的に挿入した構成を示し、図12は円板状のライトガイド9部分に径方向に沿い、波長シフトファイバ5を並列的に挿入した構成を示している。
【0123】
これらの各波長シフトファイバ5a,5bの端面のうち、光ファイバ2が接続されない端面には、反射材(図示せず)が光学的に密着して配置され、光ファイバ2への集光量を高めるようにしてある。なお、2本の波長シフトファイバ5は幾何学的には、できる限り密着していることが望ましい。これによりシンチレーション光の吸収、再発光の同時性が高められる。
【0124】
また、図13(A)は別の構成例として、シンチレータ4とライトガイド9との接合面に対して、垂直方向から2本の波長シフトファイバ5を挿入した例を示している。そして、図13(B)に示すように、各波長シフトファイバ5a,5bの挿入端にそれぞれ反射材7a,7bを密着してある。
【0125】
本実施形態のセンサ構造は、センサ形状やサイズ等の幾何学的な制約のある場合などに特に効果的であり、波長シフトファイバ5の両端に光ファイバ2を接続する形態に比べて、センサを細径化することができる。
【0126】
次に、図14および図15により、波長シフトファイバ5についての請求項11に対応する実施形態を説明する。
【0127】
図14,図15はそれぞれ先端形状が異なる2つの構成例を示している。これらの図に示すように、2本の独立した波長シフトファイバ5a,5bを用いて光ファイバ放射線センサ1が構成されている。そして、各波長シフトファイバ5a,5bの先端が独立した全反射、あるいは乱反射を行う反射体7c,7dを有する断面三角形、四角形等のライトガイド9a,9bに接続され、これにより2本の波長シフトファイバ5a,5b相互間で光の出入りが可能となる構造となっている。このような構造により、独立した2本の波長シフトファイバ5a,5bから取り出される蛍光パルスの同時性が高められる。
【0128】
なお、本実施形態では波長シフトファイバ5a,5bが別個に構成されているが、片方の波長シフトファイバ内だけで発光が生じた場合にも、発光が生じなかった波長シフトファイバ内へ一部光が伝達されることになり、両方の波長シフトファイバ5a,5bから蛍光出力が得られる。このため信号検出確率、即ち実効的な検出効率を高めることができる。
【0129】
次に図16により、時間一定モニタリング手法を採用した請求項12に対応する実施形態を説明する。
【0130】
本実施形態は、光検出信号の到達時間差分布データの測定手段を具備したものにおいて、一定時間毎に分布データを測定するとともに、その測定データからデータ内に含まれる全てのセンサについての情報を算出し、かつ測定データを消去する一方、次サイクルとして同一時間の測定を開始するようにしたものである。
【0131】
即ち、本実施形態では、複数の光ファイバ放射線センサ1による測定データを1つのデータ処理系で処理する手法を採用している。例えば図16に示すように、一定時間Δt毎に測定を行い、蓄積データ量に拘らず、データ処理を行う。
【0132】
ここでは複数のセンサ情報を含む到達時間差分布が測定毎に得られるとし、各センサ単体で照射して得た到達時間差分布を基準スペクトルと呼ぶ。そして、この各センサ毎の基準スペクトルの係数倍の重ね合わせで到達時間差分布が成り立っているとして、多重回帰分析によりその係数を求める手法を用いる場合を例に説明する。
【0133】
(1)個々の基準スペクトルと照射時の校正線量率を読み出すとともに、基準スペクトルの全計数(0、1チャネルを除く計数和)をライブタイム(0チャネル)の値で除算して得た基準スペクトル計数率を個々に算出し、保持しておく。
【0134】
(2)モニタ開始時に測定装置に対して必要な初期化設定を行った後、測定の停止を行い、データの消去を行う。
【0135】
(3)測定時間t(秒)で決められた時間の間測定を行うよう設定し、初回の測定を開始する。測定装置は、設定した時間で測定を終了し、待機しているものとする。
【0136】
(4)測定が終了したならばデータを読み出して確保した後、測定装置側のデータを消去し、次の測定サイクルを開始させておく。
【0137】
(5)読み出したデータを対象として、多重回帰計算を行い、測定データを線量率値に変換し、表示やアラーム等の処理を行う。その後、(4)のステップに戻り、以後循環する。
【0138】
本実施形態によれば、連続的に一定時間毎に各センサでの情報が得られる。また、測定サイクル毎度にデータを消去しているため、データ蓄積による計数値のオーバーフロー等を生じない。
【0139】
最後に、統計量一定モニタリング手法を採用した請求項13に対応する実施形態を説明する。
【0140】
本実施形態は、到達時間差分布データの測定手段を具備したものにおいて、一定時間毎に前記分布データを繰り返し測定する中で、1サイクルの測定毎にその測定データから全てのセンサについての情報を算出し、各センサについての正味計数値が設定した値に達していた場合にはデータを採用するとともに、センサ毎に保持している記録スペクトルの内容をゼロクリアし、また、計数値が設定した値に満たない場合には、センサ毎に保持している記録スペクトルのうち、当該センサに対応する記録スペクトルと当該サイクルで測定した到達時間分布データを加算して、再度当該センサについての情報を算出して計数値が設定値に達しているかどうかを判定し、加算により条件を満たすようになった場合にはそのデータを採用するが、加算によってもなお条件を満たさない場合には、その加算したスペクトルを当該センサ用として再度記録保存し、次サイクルヘ移行するようにしたものである。
【0141】
本実施形態においても、図16を参照する。なお、前提条件等は請求項12の実施形態と同様とする。そして、図16に示すように、以下の処理手順に従う。
【0142】
(1)個々の基準スペクトルと照射時の校正線量率を読み出すとともに、基準スペクトルの全計数(0、1チャネルを除く計数和)をライブタイム(0チャネル)の値で除算して得た基準スペクトル計数率を個々に算出し、保持しておく。
【0143】
(2)測定毎に、各センサ毎に保存するスペクトルデータを、全てゼロデータとしておく。
【0144】
(3)モニタ開始時に測定装置機器に対して必要な初期化設定を行った後、測定の停止を行い、データの消去を行う。
【0145】
(4)測定時間t(秒)で決められた時間測定を行うよう設定し、初回の測定を開始する。測定装置は、設定した時間で測定を終了し、待機しているものとする。
【0146】
(5)測定が終了したならばデータを読み出して確保した後、測定装置機器側のデータを消去し、次の測定サイクルを開始させておく。
【0147】
(6)読み出したデータを対象として、多重回帰計算を行い、各センサ毎に得られた統計量(計数値)が設定値に達しているかどうかを(1)で準備した情報に基づいて判定する。
【0148】
(7)設定値に達していれば、線量率値に変換して表示やアラーム等の処理を行う。
【0149】
当該センサ分として保存するスペクトルデータを、全てゼロデータとする。
【0150】
表示やアラーム等の処理を行なった後、(5)のステップに戻り、以後循環する。
【0151】
(8)設定値に達していない場合には、当該センサ分として保存しているスペクトルデータを加算してみて再度多重回帰計算を行い、当該センサの計数値が設定値に達していればステップ(7)と同様の処理を行い、(5)のステップに戻り、以後循環する。
【0152】
加算データを用いても統計量の条件を満たさない場合には、加算データ自体を当該センサ用の保存データとして保持する処置を行い、(5)のステップに戻り、以後循環する。
【0153】
以上の処理手順を備えたプログラムにより、物理的には一定時間毎の測定を行いつつ、各センサ(線量率)別に精度を一定にする時定数で測定したことと等価な処理を行うことができる。また、計数率(線量率)が変化した場合にも自動的に時定数を追従させることができる。
【0154】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、光ファイバ放射線センサを用いた測定の反射光による誤差を抑えることができるとともに、簡素な測定回路が実現でき、しかもモニタアルゴリズムにより精度の一定化が図れ、また急激な計数率(線量率)変化等にも追従可能なモニタシステムの実現が可能となる。さらに、センサ自体の耐熱性を高めることができるとともに、温度変化に対する感度の適正な補正も図れ、高温環境下での正確な測定が行える等の優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、反射抑制手段を説明する概略図。
【図2】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、ディジタル化した到達時間差分布測定回路の基本構成図。
【図3】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、耐熱温度を高める手段を示すセンサ構造の概略図。
【図4】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、耐熱温度を高める手段を示すセンサ構造の概略図。
【図5】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、耐熱温度を高める手段を示すセンサ構造の概略図。
【図6】 図5の部分説明図。
【図7】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、耐熱温度を高める手段を示すセンサ構造の概略図。
【図8】 図5の部分説明図。
【図9】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、到達時間差分布の関数型による表現を示すグラフ。
【図10】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、到達時間差分布測定のみを行う回路の基本構成図。
【図11】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、2本の波長シフトファイバの配置構成を示す図。
【図12】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、2本の波長シフトファイバの配置構成を示す図。
【図13】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、(A)は2本の波長シフトファイバの配置構成を示す図、(B)は波長シフトファイバの拡大図。
【図14】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、2本の波長シフトファイバへのライトガイドの装着状態を示す図。
【図15】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置の実施形態を示すもので、2本の波長シフトファイバへのライトガイドの装着状態を示す図。
【図16】 本発明に係る光ファイバ放射線測定装置のデータ処理アルゴリズムを示す説明図。
【図17】 本発明の基本となる光ファイバ放射線測定装置の基本接続体系を示す図。
【図18】 本発明の基本となる他の光ファイバ放射線測定装置の基本接続体系を示す図。
【図19】 図17に示した体系における光ファイバ放射線センサの1つを拡大して示す構造図。
【図20】 図17に示した体系における他の光ファイバ放射線センサの1つを拡大して示す構造図。
【図21】 図17等における波長シフトファイバと光ファイバとの接続構造を示す拡大図。
【図22】 従来の装置における時間−波高変換器を用いた到達時間差測定回路を示す系統図。
【図23】 従来の装置における光伝送型センサを用いた複数個接続体系を示す図。
【図24】 従来の装置における一次元分布測定とデータ処理について示す説明図。
【符号の説明】
1 光ファイバ放射線センサ
2 光ファイバ(伝送用)
3 信号処理ユニット
3a,3b 光検出器
4 シンチレータ
5,5a,5b 波長シフトファイバ
6 光コネクタ(光レセプタクル)
7,7a,7b,7c,7d 反射材
8 ハウジング
9 ライトガイド
9a ガラス(円板状)
9b ガラス(半割円板状)
10 遅延線
11a,11b 信号検出装置
12 時間−波高変換器
13 遅延ユニット
14 波高−ディジタル変換器
15 メモリユニット
16 データ処理ユニット
17 光伝送型センサ
21 反射防止材
22,22a,22b,22c,22d 光検出器
23 受光面
23c,23d 信号検出装置
24 反射防止材
25a,25b 信号検出装置
26 ディジタル式信号処理装置
27 クロック部
28 クロック計数ユニット
29 レンジ切換ユニット
30 遅延切換ユニット
31 メモリユニット
32 データ処理ユニット
33 並列信号処理装置
34 同時計数ユニット
35 計数ユニット
36 データ処理ユニット
40 信号切換ユニット
41 選択型信号切換手段
42 ディジタル式信号

Claims (13)

  1. 放射線の入射により発光するシンチレータ内に、コア部分に蛍光体を含む波長シフトファイバを設け、この波長シフトファイバで蛍光変換による集光を行う光ファイバ放射線センサを複数備え、これらの放射線センサを直列または並列に光検出器に接続し、放射線の入射により発生する光を前記光検出器により検出してデータ処理し、前記各センサ個別の情報を得る放射線測定装置であって、基準クロックを発生させるクロック部と、一対の光検出器で検出された2つの信号のうち、一方をスタート信号とし、他方をストップ信号とし、前記ストップ信号を入力し、設定された遅延時間後に遅延後のストップ信号を発生する遅延切換手段と、前記基準クロックが入力され、前記スタート信号とし、前記遅延切換手段からの遅延後のストップ信号をストップ信号として前記基準クロックの計数を行うクロック計数手段とを備えたことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  2. 請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバに伝送用の光ファイバを介して光検出器を接続し、前記波長シフトファイバと前記伝送用の光ファイバとの接合端面間に、これら両ファイバのコア材料と同等の屈折率を持つ物質を両ファイバに密接状態で介在させ、または前記波長シフトファイバと前記伝送用の光ファイバとの各接合端面に、屈折率が前記各ファイバのコア材料の屈折率の平方根に近い分散性媒質の被膜を、その膜厚が膜内での光の1/4波長になるようにコーティングしたことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  3. 請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバの材料としてポリカーボネートを用いたことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  4. 請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバに付属するライトガイドを備え、このライトガイドの材料として透明なポリカーボネートを用いたことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  5. 請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバに付属するライトガイドを備え、このライトガイドの材料として透明なガラスを用いたことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  6. 請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、複数センサの到達時間差データが重畳した時間スペク卜ルのデータ処理を行う手段として、予め個々のセンサにおけるデータ形状を表現することができる関数形をピーク高さ、半値幅およびピーク位置の情報を含む型とし、この関数の重ね合わせで重畳した時間スペクトルが成り立っているとして、多重ピークフィッティングにより個々の関数の未知パラメータを求め、これらを使用して個々のセンサの正味計数値または正味計数率を求める手段を具備したことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  7. 請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記各光ファイバ放射線センサの片側に接続した伝送用の光ファイバを1つの光検出器にまとめて接続し、この光検出器から共通の光検出信号を出力する一方、残る片側に接続した伝送用の光ファイバをそれぞれ別個の光検出器に接続し、これらの光検出器からそれぞれ独立した光検出信号を出力し、この独立した光検出信号の中から1系統の出力を選択し、これをストップ信号とし、さらにストップ信号には時間遅延を与えた上で、共通の光検出信号をスタート信号として、この2つの信号の到達時間差分布を測定するようにしたことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  8. 請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記各光ファイバ放射線センサの片側に接続した伝送用の光ファイバを1つの光検出器にまとめて接続し、この光検出器から共通の光検出信号を出力する一方、残る片側に接続した伝送用の光ファイバをそれぞれ別個の光検出器に接続し、これらの光検出器からそれぞれ独立した光検出信号を出力し、これらの信号にそれぞれ一定の、かつ互いに異なる時間遅延を与えた上で、1出力に合流させてストップ信号とし、さらにストップ信号には時間遅延を与えた上で、共通の検出信号をスタート信号とし、この2つの信号の到達時間差分布を測定するようにしたことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  9. 請求項7または8のいずれかに記載の光ファイバ放射線測定装置において、記載の光ファイバ放射線測定装置に加え、連続的あるいは間欠的に得られた到達時間差分布データにおける各ピーク半値幅を得て、予め校正しておいたピーク半値幅と感度変化の特性から基準となる温度に対する感度変化の補正係数を求め、各センサに相当する到達時間差ピークの正味計数と前記補正係数との演算により、基準となる温度における真の計数値を求める手段を具備したことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  10. 請求項請求項3から5までのいずれかに記載の光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバは、互いに別体の2本の独立した波長シフトファイバとされており、その各波長シフトファイバの一端のみが光出口とされており、これら各波長シフトファイバの他端面には光を鏡面反射できる反射体が光学的に密着して装着されていることを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  11. 請求項請求項3から5までのいずれかに光ファイバ放射線測定装置において、前記波長シフトファイバは、互いに別体の2本の独立した波長シフトファイバとされており、その各波長シフトファイバの一端のみが光出口とされており、これら各波長シフトファイバの他端面は、共通のライトガイドに光学的に密着して装着されるとともに、全反射、乱反射、あるいは鏡面反射が可能な反射体により、前記各波長シフトファイバ相互に光の出入りが可能とされていることを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  12. 請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、光検出信号の到達時間差分布データの測定手段を具備したものにおいて、一定時間毎に分布データを測定するとともに、その測定データからデータ内に含まれる全てのセンサについての情報を算出し、かつ測定データを消去する一方、次サイクルとして同一時間の測定を開始する手段を具備したことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
  13. 請求項1記載の光ファイバ放射線測定装置において、到達時間差分布データの測定手段を具備し、一定時間毎に前記分布データを繰り返し測定する中で、1サイクルの測定毎にその測定データから全てのセンサについての情報を算出し、各センサについての正味計数値が設定した値に達していた場合にはデータを採用するとともに、センサ毎に保持している記録スペクトルの内容をゼロクリアし、また、計数値が設定した値に満たない場合には、センサ毎に保持している記録スペクトルのうち、当該センサに対応する記録スペクトルと当該サイクルで測定した到達時間分布データを加算して、再度当該センサについての情報を算出して計数値が設定値に達しているかどうかを判定し、加算により条件を満たすようになった場合にはそのデータを採用するが、加算によってもなお条件を満たさない場合には、その加算したスペクトルを当該センサ用として再度記録保存し、次サイクルヘ移行する手段を具備したことを特徴とする光ファイバ放射線測定装置。
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