JP3858549B2 - パッファ形ガス遮断器 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、交流回路用のガス遮断器に関し、特に、その駆動装置が従来より小さくても済む遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来のパッファ形ガス遮断器の構成を示す断面図であり、開極直後の状態を示す図である。SF6 ガスである絶縁ガスでもって封入された図示されていない密閉容器内に固定アーク接触子2と可動アーク接触子4とが互いに接離可能に収納されている。固定アーク接触子2は棒状に形成されるとともに固定通電接点14と一体に構成され、交流回路に接続されている。一方、可動アーク接触子4は円筒状に形成されるとともに排気ロッド6の左端部に取り付けられている。排気ロッド6の外径面にはパッファシリンダ8が固定され、このパッファシリンダ8の左端部には可動通電接点16と絶縁ノズル18とが取り付けられている。パッファシリンダ8と排気ロッド6との間には固定ピストン11が嵌挿され、この固定ピストン11は、パッファシリンダ8の内径面および排気ロッド6の外径面と摺動するようになっている。それによって、パッファシリンダ8の内部に筒状のパッファ室8Aが形成され、固定ピストン11がパッファ室8Aの右面側を塞いでいる。排気ロッド6の右端部には図示されていない駆動装置が密閉容器の外部で連結されている。なお、排気ロッド6には、可動アーク接触子4と固定アーク接触子2との開離間隙61と連通するとともに軸方向に貫通する排気穴6Aが形成され、さらに、この排気穴6Aと連通するととも半径方向に貫通し密閉容器内の自由空間33と連通する開口穴6Bが形成されている。固定アーク接触子2と固定通電接点14と固定ピストン11とはいずれも密閉容器側に固定され固定部を形成している。一方、可動アーク接触子4と可動通電接点16と排気ロッド6とパッファシリンダ8と絶縁ノズル18とで可動部が形成され、図9の左右方向に移動可能である。可動アーク接触子4などの可動部は、遮断指令あるいは投入指令によって動作する前述の駆動装置は、電動でもって蓄勢されるばねの放勢力でもって可動アーク接触子4などの可動部を駆動する。
【0003】
図9の遮断器の投入状態は、前記可動部が図9で図示されている状態よりもう少し左側にあり、固定アーク接触子2が可動アーク接触子4の左端部からその内部に嵌まり込み可動アーク接触子4と導電接触するとともに、固定通電接点14が可動通電接点16の外径面と摺動することによって可動通電接点16と導電接触している。そのために、投入時に遮断器に流れる主回路電流は、固定通電接点14と可動通電接点16との通電接点側、および、固定アーク接触子2と可動アーク接触子4とのアーク接触子側の双方を分流している。遮断器の投入状態において遮断指令が出されると前記可動部が右側へ移動し始め、まず固定通電接点14と可動通電接点16との通電接点側が開極する。しかし、固定アーク接触子2と可動アーク接触子4とのアーク接触子側がまだ導電接触しているので主回路電流の流れが全てアーク接触子側へ移り、通電接点側にはアークは発生しない。前記可動部がさらに右側へ移動し図9のような状態になるとアーク接触子側が開極し始め、その開離間隙61にアークが発生する。そのアーク熱によって開離間隙61に高温高圧の絶縁ガスが充満するようになる。前記可動部が右方へ移動しているのでパッファ室8Aが縮小されパッファ室8A内の絶縁ガスが圧縮される。固定アーク接触子2が絶縁ノズル18から抜け出た時に、パッファ室8Aの高圧の絶縁ガスが吹き出し穴8Bから急激に吹き出し、絶縁ノズル18に案内されて開離間隙61のアークを冷却し、そのアークが消される。開離間隙61の絶縁ガスは、高温高圧となって絶縁ノズル18の開口部から左方へ抜け出るとともに、その一部は排気ロッド6の排気穴6Aから開口穴6Bを介して自由空間33へも抜け出る。
【0004】
図10は、図9の装置の遮断動作時の特性を示す特性線図である。横軸に時間が目盛られ、縦軸に電流、可動部の位置、パッファ室の圧力上昇がそれぞれ目盛られている。波形57が交流の主回路から遮断器に流れ込む短絡電流、実線の特性線53Sが図9の遮断器の可動部の位置、実線の特性線53Pが図9の遮断器のパッファ室8Aの圧力上昇である。その他の特性線は後述される。図10において、波形57のような短絡電流が流れた場合、時間T0において遮断指令が出されると、遮断器の可動部が特性53Sのように投入状態の位置Xから遮断状態の位置Y方向へ移動し、時間T1においてアーク接触子が開極し始める。一方、可動部の移動によって特性53Pのようにパッファ室の圧力が上昇するので、その高圧の絶縁ガスがアーク接触子間に発生するアークに吹き付けられ、短絡電流が零点になる時間T3においてアークが消える。時間T3以降は可動部がさらにY方向へ移動するとともにパッファ室内の絶縁ガスが放出されるのでパッファ室の圧力が低下し、時間T4において遮断動作が完了する。なお、図10における波形57の時間T1からT3の間がアーク接触子間でアークが発生しているアーク時間であり、波形57がT3以降から零になるのは、そのアークが消え主回路電流が遮断されたためである。
【0005】
一般に遮断器には、図10に示されるような最小アーク時間TMIN と最大アーク時間TMAX とがある。最小アーク時間TMIN とは、遮断器が消弧可能な状態になる最小の時間であり、図10の例では、遮断器が開離を始める時間T1から最小アーク時間TMIN までの時間幅がほぼ半サイクルになる。すなわち、時間TMIN 以前では遮断器の開離間隙がまだ充分に開いていないのでアークを消すことが出来ない。そのために、短絡電流が波形57のように時間T2において例え零点になってもその時点ではアークは消えず、その次の零点である時間T3になって初めてその短絡電流が遮断されている。一方、最大アーク時間TMAX とは、遮断器がアークを必ず消すことの出来る最大の時間であり、図10の例では、遮断器が開離を始める時間T1から最大アーク時間TMAX までの時間幅がほぼ1サイクルになる。最大アーク時間TMAX においては、遮断器の固定アーク接触子2と可動アーク接触子4との開離間隙61が充分に開くとともに固定接触子2が絶縁ノズル18から抜け出し、確実にアークを消すことができる。したがって、短絡電流が波形57のように最大アーク時間TMAX 以前の時間T3において零点になるので、時間T3でもってその短絡電流が遮断されている。なお、図10では、短絡電流が零点から少し負側に行きかけた瞬間の時間T1においてアーク接触子が開離を始めた例が示されているが、当然のことながら、アーク接触子の開離は短絡電流の種々の位相において始まる可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の装置は、大型の駆動装置が必要であるという問題があった。
すなわち、図9において、パッファ室8A内の絶縁ガスを可動アーク接触子4などからなる可動部の移動でもって圧縮するということは、その圧縮ガスでもって駆動装置に多大な反力がかかることである。パッファ室8Aの圧力が高くなるにしたがって、その反力も大きくなる。駆動装置が小型であると駆動装置にかかる反力の方が勝り、駆動装置の動作停止あるいは投入方向への反転動作が起きるなどの可能性が生ずる。このようなことが起きるのを防ぐために、従来は駆動装置の駆動力を充分に大きくしていた。そのために、大型の駆動装置が必要であり、遮断器の体格が大きくなるとともにコストも高騰していた。
この発明の目的は、駆動装置が小型で済む遮断器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明によれば、固定アーク接触子と、この固定アーク接触子と接離する可動アーク接触子と、この可動アーク接触子の反固定アーク接触子側に固定された排気ロッドと、この排気ロッドの外径面にパッファ室を介して設けられたパッファシリンダと、このパッファシリンダの内径面と前記排気ロッドの外径面とに摺動するようにして反固定アーク接触子側からパッファ室内に挿入された固定ピストンとが絶縁ガスで充填された密閉容器に収納されるとともに、前記排気ロッドに固定アーク接触子と可動アーク接触子との開離間隙に連通する排気穴が形成され、可動アーク接触子と排気ロッドとパッファシリンダとで構成される可動部を移動させる駆動装置が前記密閉容器の外部に設けられ、遮断指令が出されると駆動装置が前記可動部を反固定アーク接触子側へ移動させ、この移動によって圧縮されたパッファ室内の絶縁ガスが前記開離間隙へ吹き出し、前記開離間隙間に発生するアークが消されるパッファ形ガス遮断器において、前記パッファシリンダの反固定アーク接触子側の端部に、パッファシリンダの筒状部に対する底面部が設けられ、前記パッファ室の反固定アーク接触子側に、パッファシリンダと固定ピストンで囲まれるとともに固定アーク接触子側および反固定アーク接触子側の各壁面がそれぞれ固定ピストンおよびパッファシリンダの前記底面部で形成された膨張室が設けられ、遮断時における固定アーク接触子と可動アーク接触子との開極時間付近で前記排気穴と前記膨張室とを連通させ、最小アーク時間付近で前記排気穴と前記膨張室との連通を遮断するとともに前記排気穴を前記密閉容器の自由空間に連通させる第1のガス流通制御手段が設けられてなるようにするとよい。それによって、遮断時の開極時点からアークで熱せられた開離間隙の高温高圧の絶縁ガスを排気ロッドの排気穴から膨張室へ流入させ膨張室の圧力を上昇させる。膨張室の圧力上昇は、パッファシリンダを反固定ア−ク接触子側へ押すように作用するので駆動装置の反力を緩和し、その分駆動力が小さくてもよいので駆動装置を従来より小型化することができる。遮断可能な状態である最小アーク時間(遮断器が消弧可能な状態になる最小の時間)以降は、膨張室を閉じ開離間隙の高温高圧の絶縁ガスを排気穴から密閉容器内の自由空間側へ放出させ開離間隙のアークを消す。
【0008】
また、かかる構成において、前記第1のガス流通制御手段が、前記排気ロッドに形成され排気ロッドの外径面に開口するとともに前記排気穴と連通する開口穴と、前記固定ピストンに形成され前記膨張室から排気ロッドとの摺動面へ貫通する吸い込み穴と、この吸い込み穴の反可動アーク接触子側から固定ピストンの反可動アーク接触子側の端部まで前記固定ピストンの前記摺動面を切り欠くようにして形成された切欠き部と、この切欠き部と前記吸い込み穴との間に設けられ前記摺動面の切り欠かれていない部分とで構成され、遮断時における開極時間付近で前記吸い込み穴と前記開口穴とが重なるようにするとともに前記切欠き部の吸い込み穴側が前記排気ロッドの外径面と前記固定ピストンの切り欠かれていない部分でもって塞がれるようにし、最小アーク時間付近で前記吸い込み穴が前記排気ロッドの外径面でもって塞がれるとともに前記切欠き部が前記開口穴と連通してなるようにしてもよい。それによって、遮断時の開極時点からアークで熱せられた開離間隙の高温高圧の絶縁ガスが排気ロッドの排気穴から開口穴と吸い込み穴とを介して膨張室へ流入し膨張室の圧力が上昇する。最小アーク時間以降は吸い込み穴が排気ロッドの外径面でもって塞がれ、開離間隙の高温高圧の絶縁ガスが排気ロッドの開口穴から切欠き部を介して密閉容器内の自由空間へ流れ出るようになる。
【0009】
また、かかる構成において、前記固定ピストンにパッファ室から膨張室側へ貫通するガス抜き穴が形成され、遮断時における最大アーク時間までは前記ガス抜き穴を閉塞させておくとともに最大アーク時間(遮断器がアークを必ず消すことの出来る最大の時間)の後に前記ガス抜き穴を開口させてなる第2のガス流通制御手段が設けられてなるようにしてもよい。それによって、消弧した後にパッファ室内の圧縮ガスが第2のガス流通制御手段により開口されたガス抜き弁を介して放出されるので、パッファ室内の圧力が低下する。そのために、遮断時に駆動装置にかかる反力が小さくなり駆動装置がさらに小型のもので済むようになる。
【0010】
また、かかる構成において、前記固定ピストンにパッファ室から膨張室へ貫通する放圧穴が形成され、前記パッファ室の圧力が少なくとも前記開離間隙で消弧させるに必要な最少の圧力を超えたときに前記放圧穴を開口させるとともに遮断時における最大アーク時間の後では前記放圧穴が開口した状態を強制的に維持してなる第2のガス流通制御手段が設けられてなるようにしてもよい。それによって、遮断時にパッファ室の圧力が開離間隙で消弧させるに必要な最小の圧力になったときに、パッファ室の圧縮ガスが膨張室側へも供給されるので膨張室の圧力上昇がさらに大きくなる。そのために、遮断時に駆動装置にかかる反力がさらに小さくなり、駆動装置がより小型のもので済むようになる。また、最大アーク時間の後にパッファ室の圧力が低下したときにも放圧穴が開口した状態が維持されるので、遮断時の駆動装置に反力がかからない。
【0011】
また、かかる構成において、前記固定ピストンにパッファ室から膨張室へ貫通する通気穴が形成され、遮断時における最少アーク時間の後よりパッファ室から前記通気穴を介して膨張室側へ絶縁ガスを流し始めるとともに最大アーク時間の後にパッファ室から膨張室ヘ流れる絶縁ガスの流量をさらに増加させてなる第2のガス流通制御手段が設けられてなるようにしてもよい。それによって、遮断時にパッファ室の圧縮ガスが遮断時の最小アーク時間から膨張室へも供給されるので膨張室の圧力上昇がさらに大きくなる。そのために、遮断時に駆動装置にかかる反力がさらに小さくなり、駆動装置がより小型のもので済むようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を実施例に基づいて説明する。図1はこの発明の実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間TMIN 直前の状態、(C)は最大アーク時間TMAX 直後の状態の図である。固定ピストン12の反パッファ室8A側にパッファシリンダ8と固定ピストン12で囲まれた膨張室30が設けられている。排気ロッド7には、その外径面に開口するとともに排気穴7Aと連通する開口穴7Bが形成されている。固定ピストン12には、膨張室30から排気ロッド7側へ貫通する吸い込み穴81が設けられるとともに、この吸い込み穴81の右側に切り欠かれていない部分82を介して排気ロッド7との摺動面を切り欠くことによって形成された切欠き部83が設けられている。すなわち、開口穴7Bと吸い込み穴81と切り欠かれていない部分82と切欠き部83とで第1のガス流通制御手段が構成されている。図1のその他は、図9の従来の構成と同一であり、同じ部分には同一符号を付することによって詳細な説明は省略する。
【0013】
遮断時における開極直後は、図1の(A)のように吸い込み穴81と開口穴7Bとが重なるようにするとともに、切欠き部83の左側が排気ロッド7の外径面と固定ピストン12の切り欠かれていない部分82でもって塞がれている。それによって、遮断時の開極時点からアークで熱せられた排気穴7Aからの高温高圧の絶縁ガスが開口穴7Bと吸い込み穴81とを介して膨張室30へ流入するようになる。そのために、膨張室30の圧力が上昇し、パッファシリンダ8を右側へ押し遣る力が発生するので駆動装置にかかる反力が緩和される。
【0014】
最小アーク時間TMIN の直前は、図1の(B)のように開口穴7Bが右側へスライドして吸い込み穴82が排気ロッド7の外径面でもって塞がれる。それと共に、開口穴7Bと吸い込み穴81とが重ならなくなることにより、排気穴7Aからの高温高圧の絶縁ガスは、膨張室30へは行かずに開口穴7Bから切欠き部83を介して密閉容器内の自由空間33側へ流れ始める。その後、固定アーク接触子2が絶縁ノズル18を抜けた時に、パッファ室8Aからの絶縁ガスがアークに吹き付けられ最小アーク時間TMIN から最大アーク時間TMAX までの間で開離間隙61のアークが消される。
【0015】
最大アーク時間TMAX の直後は、図1の(C)のように開口穴7Bと切欠き部83とが完全に連通し、排気穴7Aからの絶縁ガスが自由空間33へ流れ易くなり高温高圧の絶縁ガスが充分に放出され再点弧しないようになっている。
図1の装置の遮断動作特性が図10の中に示されている。一点鎖線の特性線54Sが図1の遮断器の可動部の位置、実線の特性線54P(53Pと同じ)が図1の遮断器のパッファ室8Aの圧力上昇、一点鎖線の特性線54Qが膨張室30の圧力上昇である。ただし、下図の縦軸は膨張室30の圧力上昇である。膨張室30の圧力は特性線54Qのように開極時間T1から上昇を始める。これは、前述のように第1のガス流通制御手段でもって排気穴7Aから高温高圧の絶縁ガスが膨張室30へ入って来るためである。したがって、膨張室30が圧力上昇した分だけ駆動装置にかかる反力が緩和され、特性線54Sのように従来の場合(特性線53S)より可動部が速く駆動されるようになる。そのために、駆動装置を従来より小型化できるとともにコストも低減化することができる。
【0016】
なお、第1のガス流通制御手段は、図1の実施例だけに限られることなく、固定ピストンの反パッファ室側にパッファシリンダと固定ピストンで囲まれた膨張室が設けられ、遮断時における固定アーク接触子と可動アーク接触子との開極時間付近で排気穴と膨張室とを連通させ、最小アーク時間TMIN 付近で排気穴と膨張室との連通を遮断するとともに排気穴を密閉容器の自由空間と連通させる構成ならば、いずれの構成であってもよい。
【0017】
図2はこの発明の異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間TMIN 直前の状態、(C)は最大アーク時間TMAX 直後の状態の図である。固定ピストン12にパッファ室8Aから右方へ貫通するガス抜き穴42が形成され、このガス抜き穴42を貫通するガス抜き棒45の右端部にガス抜き弁43が固定され、ガス抜き棒45の左端部にばね受け46が固定されている。ばね受け46と固定ピストン12との間には、圧縮性のばね44が介装されている。また、パッファ室8Aの左面には、ばね受け46と当接する当接部47が形成されている。図2のその他は、図1の構成と同じである。
【0018】
遮断時における開極直後は、図2の(A)のようにばね44がガス抜き弁43を左方へ付勢し、ガス抜き穴42の右側開口部が塞がれている。それによって、パッファ室8Aの絶縁ガスが圧縮されるとともに、図1の場合と同様に排気穴7Aからアークで熱せられた高温高圧の絶縁ガスが開口穴7Bと吸い込み穴81とを介して膨張室30へ流れ始める。
【0019】
最小アーク時間TMIN の直前は、図2の(B)のようにパッファ室8Aの絶縁ガスがさらに圧縮されるとともに、開口穴7Bと吸い込み穴81とが重ならなくなることにより、排気穴7Aからの高温高圧の絶縁ガスは、膨張室30へは行かずに開口穴7Bから切欠き部83を介して密閉容器内の自由空間33側へ流れ始める。その後、開離間隙61のアークが消される。
【0020】
最大アーク時間TMAX の直後は、図2の(C)のようにばね受け46が当接部47と当接することによってガス抜き棒45が右方へ押され、ガス抜き弁43がガス抜き穴42を開口させる。それによって、パッファ室8A内の絶縁ガスが膨張室30内に流入する。それとともに、排気穴7Aからの絶縁ガスが開口穴7Bと切欠き部83とを介して自由空間33側へ放出される。
【0021】
図2の装置の遮断動作特性も図10の中に示されている。二点鎖線の特性線55Sが図2の遮断器の可動部の位置、二点鎖線の特性線55Pが図2の遮断器のパッファ室の圧力上昇、二点鎖線の特性線55Qが膨張室の圧力上昇である。すなわち、膨張室の圧力が特性線55Qのように最大アーク時間TMAX から急上昇する。これは、前述のように第2のガス流通制御手段でもってガス抜き穴からパッファ室の絶縁ガスが膨張室へ入って来るためである。したがって、膨張室が圧力上昇した分だけ駆動装置にかかる反力が緩和され、最大アーク時間TMAX 以降において特性線55Sのように図1の場合(特性線54S)より可動部が速く駆動されるようになる。そのために、駆動装置を図1の場合よりさらに小型化できるとともにコストも低減化することができる。
【0022】
図3はこの発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間TMIN 直前の状態、(C)は最大アーク時間TMAX 直後の状態の図である。図3は、固定ピストン12にガス抜き棒45が貫通するガス抜き穴42と、何も貫通していない開放穴42Aとが並行して形成され、リング状の板でもって形成されたガス抜き弁48がガス抜き穴42と開放穴42Aとを同時に共通して塞ぐように取り付けられている。図3のその他は、図2の構成と同じである。
【0023】
遮断時における開極直後は、図3の(A)のようにばね44がガス抜き弁48を左方へ付勢し、ガス抜き穴42および開放穴42Aの右側開口部がともに塞がれている。それによって、パッファ室8Aの絶縁ガスが圧縮されるとともに、図1の場合と同様に排気穴7Aからアークで熱せられた高温高圧の絶縁ガスが開口穴7Bと吸い込み穴81とを介して膨張室30へ流れ始める。
【0024】
最小アーク時間TMIN の直前は、図3の(B)のようにパッファ室8Aの絶縁ガスがさらに圧縮されるとともに、開口穴7Bと吸い込み穴81とが重ならなくなることにより、排気穴7Aからの高温高圧の絶縁ガスは、膨張室30へは行かずに開口穴7Bから切欠き部83を介して密閉容器内の自由空間33側へ流れ始める。その後、開離間隙61のアークが消される。
【0025】
最大アーク時間TMAX の直後は図3の(C)のようにばね受け46が当接部47と当接することによってガス抜き棒45が右方へ押され、ガス抜き弁48がガス抜き穴42および開放穴42Aをともに開口させる。それによって、パッファ室8A内の絶縁ガスが膨張室30内に流入する。それとともに、排気穴7Aからの絶縁ガスが開口穴7Bと切欠き部83とを介して自由空間33へ放出される。
【0026】
図3の装置の遮断動作特性は図2のそれとほぼ同様であるが、ガス抜き穴42を増やしたことによりパッファ室8Aと膨張室30との間のガス流通断面積を図2の場合より大きくすることができる。それによって、膨張室30の圧力をさらに急激に上昇させて駆動装置の反力をより緩和させたい場合に遮断器の外径を大きくしなくても済むようになる。
【0027】
なお、図2や図3における当接部47は必ずしも突起形状でなくてよい。すなわち、ガス抜き棒45を図2や図3の構成の場合よりさらに長く伸ばすとともに、パッファ室8Aの内壁左面自体を当接部とし、ばね受け46をパッファ室8Aの内壁左面に当接させるようにしてもよい。しかし、ガス抜き棒45を長くすると、ガス抜き棒45を安定させて支持するのが難くなる。また、パッファ室8Aの内壁左面を図2や図3に示される位置より右方に配設されてなる構成とすることも可能であるが、パッファ室8Aの内容積が小さくなり、充分な圧縮ガスの量を確保することができなくなる。当接部47を図2や図3のようにパッファ室内壁から突出する突起部とすることによって、ガス抜き棒45を長くする必要がなくなり、ガス抜き棒45を安定して支持させることができる。また、このような突起部を設ける構成にすれば、パッファ室8Aの内容積が小さくなることがなく、充分な圧縮ガスの量も確保することができ、遮断器の遮断特性を向上させることができる。さらに、この突起部は、その位置や突起長を簡単に調整することができるので、ガス抜き弁43の開成時期を容易に設定することができ、その製作も容易である。なお、当接部47は、図2や図3とは異なりパッファ室8Aの内壁左面の排気ロッド7側に配置してもよい。また、当接部47はパッファ室8Aの隅ではなく、排気ロッド7の外周面あるいはパッファ室8Aの内周面から突設させてもよい。当接部は排気ロッド7側から突設させた方がその半径が小さいので、当接部がパッファ室8Aの内部を占める容積が減り、より充分な圧縮ガスの量を確保することができる。
【0028】
図4はこの発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間TMIN 直前の状態、(C)は最大アーク時間TMAX 直後の状態の図である。但し、各図は下部の一点鎖線を中心軸とした片側断面図である。固定ピストン12にパッファ室8A側から右方へ貫通するガス抜き穴27が形成され、このガス抜き穴27の右側開口部に引張性のばね29でもって左方向に常時塞ぐように付勢されたガス抜き弁25が設けられている。一方、このガス抜き穴27に貫通可能な押圧棒23がガス抜き穴27側へ向けてパッファ室8Aの左面に突設されている。図4のその他は、図2の構成と同じである。
【0029】
遮断時における開極直後は、図4の(A)のようにばね29がガス抜き弁25を左方へ付勢し、ガス抜き穴27の右側開口部が塞がれている。それによって、パッファ室8Aの絶縁ガスが圧縮されるとともに、図1の場合と同様に排気穴7Aからのアークで熱せられた高温高圧の絶縁ガスが開口穴7Bと吸い込み穴81を介して膨張室30へ流れ始める。
【0030】
最小アーク時間TMIN の直前は、図4の(B)のようにパッファ室8Aの絶縁ガスがさらに圧縮されるとともに、開口穴7Bと吸い込み穴81とが重ならなくなることにより、排気穴7Aからの高温高圧の絶縁ガスは、膨張室30へは行かずに開口穴7Bから切欠き部83を介して密閉容器内の自由空間33側へ流れ始める。その後、開離間隙61のアークが消される。
【0031】
最大アーク時間TMAX の直後は、図4の(C)のように押圧棒23がガス抜き穴27を押圧することによってガス抜き穴27を開口させる。それによって、パッファ室8A内の絶縁ガスが膨張室30内に流入する。それとともに、排気穴7Aからの絶縁ガスが開口穴7Bと切欠き部83とを介して自由空間33へ放出される。
【0032】
図4の装置の遮断動作特性も図2のそれとほぼ同様であり、膨張室30が圧力上昇した分だけ駆動装置にかかる反力が緩和され、駆動装置を図1の場合よりさらに小型化できるとともにコストも低減化することができる。
なお、この場合も、図3の構成と同様に複数のガス抜き穴を形成し、この複数のガス抜き穴を共通に開閉するリング状のガス抜き弁を設け、押圧棒が通るガス抜き穴と、押圧棒のないガス抜き穴を設ける構成としてもよい。
【0033】
第2のガス流通制御手段は、図2ないし図4の実施例だけに限られることなく、固定ピストンにパッファ室から膨張室側へ貫通するガス抜き穴が形成され、遮断時における最大アーク時間TMAX まではガス抜き穴を閉塞させておくとともに最大アーク時間TMAX の後にガス抜き穴を開口させてなる構成ならば、いずれの構成であってもよい。
【0034】
図5はこの発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間TMIN 直後の状態、(C)は最大アーク時間TMAX 直後の状態の図である。但し、各図は下部の一点鎖線を中心軸とした片側断面図である。固定ピストン12にパッファ室8A側から膨張室30側へ貫通する放圧穴63が形成され、この放圧穴63を常時塞ぐように付勢された放圧弁64が放圧穴63の膨張室30側の開口部に設けられてある。放圧弁64には放圧穴63を貫通する放圧棒62が取り付けられ、この放圧棒62の左端にはばね受け72が固定され、ばね受け72と固定ピストン12との間には圧縮性のばね65が介装されている。放圧弁64は、適正な強度のばね65を選ぶことによって、パッファ室8Aが所定の圧力値、すなわち、接触子同士の開離間隙で消弧させるのに必要な最小の圧力を越えたときに開成するようになっている。また、パッファ室8Aの内壁面にはばね受け72と当接可能な当接部80が突設されている。図5のその他は、図2の構成と同じである。
【0035】
遮断時における開極直後は、図5の(A)のように放圧穴63の右端の開口部が放圧弁64でもって閉じられている。それによって、パッファ室8Aの絶縁ガスが圧縮されるとともに、図1の場合と同様アークで熱せられた排気穴7Aの高温高圧の絶縁ガスが、開口穴7Bと吸い込み穴81を介して膨張室30へ流れ始める。
【0036】
最小アーク時間TMIN の直後は、図5の(B)のように絶縁ガスがさらに圧縮されてパッファ室8Aの圧力が前述の所定の圧力値になり、放圧弁64が開成し始めた状態を示している。パッファ室8A内の圧縮ガスが放圧穴63を介して矢印Eのように膨張室30へ流れ出し、膨張室30の圧力が上昇し始める。開口穴7Bと吸い込み穴81とが重ならなくなることにより、排気穴7Aからの高温高圧の絶縁ガスは、膨張室30へは行かずに開口穴7Bから切欠き部83を介して密閉容器内の自由空間33へ流れ始める。その後、開離間隙61のアークが消される。
【0037】
最大アーク時間TMAX の直後は、図5の(C)のようにパッファ室8Aがさらに圧縮され、ばね受け72が当接部80と当接し、放圧弁64がさらに右方,すなわち、固定ピストン12から離れる方向へ移動し、矢印Fのように圧縮ガスが膨張室30へ流れ出たままとなる。それとともに、排気穴7Aからの絶縁ガスが開口穴7Bと切欠き部83とを介して自由空間33へ放出される。
【0038】
図5の装置の遮断動作特性は図示されていないが、膨張室30へパッファ室8Aからも絶縁ガスが流入するので膨張室30の圧力が図2の場合より高くなり、その分だけ駆動装置にかかる反力が緩和され、駆動装置を図2の場合よりもさらに小型化できるとともにコストも低減化することができる。
なお、第2のガス流通制御手段は、図5の実施例だけに限られることなく、固定ピストンにパッファ室から膨張室へ貫通する放圧穴が形成され、パッファ室の圧力が少なくとも開離間隙で消弧させるに必要な最少の圧力を超えたときに放圧穴を開口させるとともに遮断時における最大アーク時間TMAX の後では放圧穴が開口した状態を強制的に維持してなる構成ならば、いずれの構成であってもよく、駆動装置を図2の場合よりもさらに小型化できるとともにコストも低減化することができる。
【0039】
図6はこの発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間TMIN 直後の状態、(C)は最大アーク時間TMAX 直後の状態の図である。但し、各図は下部の一点鎖線を中心軸とした片側断面図である。固定ピストン12にパッファ室8A側から膨張室30側へ貫通する通気穴67が形成され、この通気穴67を常時塞ぐように付勢された通気弁68が通気穴67の右側開口部に設けられてある。通気弁68には通気穴67を貫通する通気棒66が取り付けられ、この通気棒66の左端にはばね受け72が固定され、ばね受け72と固定ピストン12との間には圧縮性のばね65が介装されている。通気弁68は、適正な強度のばね65を選ぶことによって、パッファ室8Aが所定の圧力値、すなわち、接触子同士の開離間隙で消弧させるのに必要な最小の圧力を越えたときに開成するようになっている。通気棒66は右側へ、すなわち、パッファ室8A側から膨張室30側へ行くにしたがってその外径が太くなるように形成されている。また、パッファ室8Aの内壁面には、ばね受け72と当接可能な当接部80が突設されている。図6のその他は、図5の構成と同じである。
【0040】
遮断時における開極直後は、図6の(A)のように通気穴67の右端の開口部が通気弁68でもって閉じられている。それによって、パッファ室8Aの絶縁ガスが圧縮されるとともに、図1の場合と同様排気穴7Aのアークで熱せられた高温高圧の絶縁ガスが、開口穴7Bと吸い込み穴81を介して膨張室30へ流れ始める。
【0041】
最小アーク時間TMIN の直後は、図6の(B)のように絶縁ガスがさらに圧縮されてパッファ室8Aの圧力が前述の所定の圧力値になり、通気弁68が開成し始めた状態を示している。パッファ室8A内の圧縮ガスが通気弁68を介して矢印Gのように膨張室30へ流れ出し、膨張室30の圧力が上昇し始める。しかし、通気棒66の外径が太い部分がまだ通気穴67内にあるので、圧縮ガスの通気穴67を流れるガス流通断面積が小さく、通気穴67を流れる圧縮ガスの流量が抑えられている。そのために、膨張室30の圧力は上昇するが、パッファ室8Aの圧力を低下させる程には至らず、パッファ室8A内には開離間隙で発生するアークを消すのに充分な圧力が保たれている。開口穴7Bと吸い込み穴81とが重ならなくなることにより、排気穴7Aからの高温高圧の絶縁ガスは、膨張室30へは行かずに開口穴7Bから切欠き部83を介して密閉容器内の自由空間33側へ流れ始める。その後、開離間隙のアークが消される。
【0042】
最大アーク時間TMAX の直後は、図6の(C)のようにパッファ室8Aがさらに圧縮され、ばね受け72が当接部80と当接し、通気弁68がさらに右方へ、すなわち、固定ピストン12から離れる方向へ移動し、矢印Iのように圧縮ガスが膨張室30へ流れ出たままとなる。この場合は通気棒66の外径が細い部分が通気穴67内にくるので、圧縮ガスの通気穴67を流れるガス流通断面積が大きくなり、通気穴67を流れる圧縮ガスの流量が増加する。それとともに、排気穴7Aからの絶縁ガスが開口穴7Bと切欠き部83とを介して自由空間33へ放出される。
【0043】
図6の装置の遮断動作特性は図示されていないが、膨張室30へパッファ室8Aからも絶縁ガスが流入するので膨張室30の圧力が図2の場合より高くなり、その分だけ駆動装置にかかる反力が緩和され、駆動装置を図2の場合よりもさらに小型化できるとともにコストも低減化することができる。
図7はこの発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間TMIN 直後の状態、(C)は最大アーク時間TMAX 直後の状態の図である。但し、各図は下部の一点鎖線を中心軸とした片側断面図である。固定ピストン12にパッファ室8A側から膨張室30側へ貫通する通気穴67が形成され、この通気穴67を常時塞ぐように付勢された通気弁68が通気穴67の右側口部に設けられてある。通気弁68には通気穴67を貫通する通気棒69が取り付けられ、この通気棒66の左端にはばね受け72が固定され、ばね受け72と固定ピストン12との間には圧縮性のばね65が介装されている。通気弁69は、適正な強度のばね65を選ぶことによって、パッファ室8Aが所定の圧力値、すなわち、接触子同士の開離間隙で消弧させるのに必要な最小の圧力を越えたときに開成するようになっている。この通気棒69はその外径が軸方向の途中で異なるように形成され、左側の部分、すなわち、パッファ室8A側の部分69Aの外径が右側の部分、すなわち、膨張室30側の部分69Bのそれより細くなるように形成されている。また、パッファ室8Aの左側内壁面には、ばね受け72と当接可能な当接部80が突設されている。図7のその他は、図5の構成と同じである。
【0044】
遮断時における開極直後は、図7の(A)のように通気穴67の右側開口部が通気弁68でもって閉じられている。それによって、パッファ室8Aの絶縁ガスが圧縮されるとともに、図1の場合と同様に排気穴7Aのアークで熱せられた高温高圧の絶縁ガスが、開口穴7Bと吸い込み穴81を介して膨張室30へ流れ始める。
【0045】
最小アーク時間TMIN の直後は、図7の(B)のように絶縁ガスがさらに圧縮されてパッファ室8Aの圧力が前述の所定の圧力値になり、通気弁68が開成し始めた状態を示している。パッファ室8A内の圧縮ガスが通気弁68を介して矢印Jのように膨張室30へ流れ出し、膨張室30の圧力が上昇し始める。しかし、通気棒69の外径の太い方の部分69Bがまだ通気穴67内にあるので、パッファ室8A内からの圧縮ガスの通気穴67を流れるガス流通断面積が小さく、通気穴67を流れる圧縮ガスの流量が抑えられている。そのために、膨張室30の圧力は上昇するが、パッファ室8Aの圧力を低下させる程には至らず、パッファ室8A内には開離間隙で発生するアークを消すのに充分な圧力が保たれている。開口穴7Bと吸い込み穴81とが重ならなくなることにより、排気穴7Aからの高温高圧の絶縁ガスは、膨張室30へは行かずに開口穴7Bから切欠き部83を介して密閉容器内の自由空間33側へ流れ始める。その後、開離間隙のアークが消される。
【0046】
最大アーク時間TMAX の直後は、図7の(C)のようにパッファ室8Aがさらに圧縮され、ばね受け72が当接部80と当接し、通気弁68がさらに右方へ、すなわち、固定ピストン12から離れる方向へ移動し、矢印Kのように圧縮ガスが膨張室30へ流れ出たままとなる。この場合は通気棒69の外径が細い方の部分69Aが通気穴67内にくるので、圧縮ガスの通気穴67を流れるガス流通断面積が大きくなり、通気穴67を流れる圧縮ガスの流量が増加する。それとともに、排気穴7Aからの絶縁ガスが開口穴7Bと切欠き部83とを介して自由空間33へ放出される。
【0047】
図7の装置の遮断動作特性は図示されていないが、膨張室30へパッファ室8Aからも絶縁ガスが流入するので膨張室30の圧力が図2の場合より高くなり、その分だけ駆動装置にかかる反力が緩和され、駆動装置を図2の場合よりもさらに小型化できるとともにコストも低減化することができる。
図8はこの発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間TMIN 直後の状態、(C)は最大アーク時間TMAX 直後の状態の図である。但し、各図は下部の一点鎖線を中心軸とした片側断面図である。固定ピストン12にパッファ室8A側から膨張室30側へ貫通する第1の通気穴75Aおよび第2の通気穴75Bのそれぞれに第1の通気棒74Aおよび第2の通気棒74Bが通されている。この第1の通気棒74Aおよび第2の通気棒74Bの右端部、すなわち、膨張室30側の端部のそれぞれに第1の通気弁76Aおよび第2の通気弁76Bが取り付けられ、第1の通気棒74Aおよび第2の通気棒74Bの左端部のそれぞれに第1のばね受け70A、第2のばね受け70Bが固定されている。第1のばね受け70Aと固定ピストン12との間、第2のばね受け70Bと固定ピストン12との間にはそれぞれ圧縮性の第1のばね73A、圧縮性の第2のばね73Bが介装されている。また、第1の通気棒74Aおよび第2の通気棒74Bの左端部のそれぞれと当接可能な第1の当接部71Aおよび第2の当接部71Bがパッファ室8Aの左側の内壁面に突設されている。図8のその他は、図5の構成と同じである。
【0048】
遮断時における開極直後は、図8の(A)のように第1の通気穴75Aおよび第2の通気穴75Bの右側の開口部がそれぞれ第1の通気弁76Aおよび第2の通気弁76Bでもって閉じられている。それによって、パッファ室8Aの絶縁ガスが圧縮されるとともに、図1の場合と同様に排気穴7Aからのアークで熱せられた高温高圧の絶縁ガスが、開口穴7Bと吸い込み穴81を介して膨張室30へ流れ始める。
【0049】
最小アーク時間TMIN の直後は、図8の(B)のように第1のばね受け70Aが第1の当接部71Aと当接し、第1の通気弁76Aが固定ピストン12から離れる方向に押圧されることによって、第1の通気穴75Aが開口している。それによって、パッファ室8A内の圧縮ガスが通気穴75Aを介して、矢印Lのように膨張室30へ流れ出し、膨張室30の圧力が上昇し始める。その場合、圧縮ガスの流れが僅かになるように、第1の通気穴75Aの圧縮ガスが流れるガス流通断面積を予め選んでおけば、膨張室30の圧力は上昇するが、パッファ室8Aの圧力を低下させる程には至らないようにすることができる。それによって、パッファ室8Aには開離間隙で発生するアークを消すのに充分な圧力が保たれている。開口穴7Bと吸い込み穴81とが重ならなくなることにより、排気穴7Aからの高温高圧の絶縁ガスは、膨張室30へは行かずに開口穴7Bから切欠き部83を介して密閉容器内の自由空間33側へ流れ始める。その後、開離間隙のアークが消される。
【0050】
最大アーク時間TMAX の直後は、図8の(C)のようにパッファ室8Aがさらに圧縮され、第2のばね受け70Bが第2の当接部71Bと当接し、第2の通気弁76Bが固定ピストン12から離れる方向に押圧されることによって、第2の通気穴75Bが開口している。それによって、パッファ室8A内の圧縮ガスが第1の通気穴75Aと第2の通気穴75Bとの双方を介してそれぞれ矢印M,Nのように膨張室30へ流れ出し、膨張室30の圧力が上昇し始める。パッファ室8A内からの圧縮ガスが2つの通気穴を流れ出るので、圧縮ガスの通気穴内の流れのガス流通断面積が大きくなり、膨張室30側への圧縮ガスの流量が増加する。それとともに、排気穴7Aからの絶縁ガスが開口穴7Bと切欠き部83とを介して自由空間33へ放出される。
【0051】
図8の装置の遮断動作特性は図示されていないが、膨張室30へパッファ室8Aからも絶縁ガスが流入するので膨張室30の圧力が図2の場合より高くなり、その分だけ駆動装置にかかる反力が緩和され、駆動装置を図2の場合よりもさらに小型化できるとともにコストも低減化することができる。
なお、第2のガス流通制御手段は、図6ないし図8の実施例だけに限られることなく、固定ピストンにパッファ室から膨張室へ貫通する通気穴が形成され、遮断時における最少アーク時間TMIN の後よりパッファ室から前記通気穴を介して膨張室側へ絶縁ガスを流し始めるとともに最大アーク時間TMAX の後にパッファ室から膨張室ヘ流れる絶縁ガスの流量をさらに増加させてなる構成であれば、いずれの構成であってもよく、駆動装置を図2の場合よりもさらに小型化できるとともにコストも低減化することができる。
【0052】
また、パッファ室内の当接部は、図5ないし図8の実施例だけに限られることなく、図2や図3の実施例においても説明されたように、ばね受けと当接する形状であれば、いずれの構成であってもよい。
【0053】
【発明の効果】
この発明は前述のように、固定ピストンの反パッファ室側にパッファシリンダと固定ピストンで囲まれた膨張室が設けられ、遮断時における固定アーク接触子と可動アーク接触子との開極時間付近で排気穴と膨張室とを連通させ、最小アーク時間付近で排気穴と膨張室との連通を遮断するとともに排気穴を密閉容器の自由空間に連通させる第1のガス流通制御手段が設けられてなるようにすることによって、駆動装置を従来より小型化することができ、遮断器の縮小化とコストの低減化をはかることができる。
【0054】
また、かかる構成において、固定ピストンにパッファ室から膨張室側へ貫通するガス抜き穴が形成され、遮断時における最大アーク時間まではガス抜き穴を閉塞させておくとともに最大アーク時間の後にガス抜き穴を開口させてなる第2のガス流通制御手段が設けられてなるようにすることによって、駆動装置をさらに小型化することができ、遮断器のさらなる縮小化とコストの低減化をはかることができる。
【0055】
また、かかる構成において、固定ピストンにパッファ室から膨張室へ貫通する放圧穴が形成され、パッファ室の圧力が少なくとも開離間隙で消弧させるに必要な最少の圧力を超えたときに放圧穴を開口させるとともに遮断時における最大アーク時間の後では放圧穴が開口した状態を強制的に維持してなる第2のガス流通制御手段が設けられてなるようにすることによって、駆動装置をさらに小型化することができ、遮断器のさらなる縮小化とコストの低減化をはかることができる。
【0056】
また、かかる構成において、固定ピストンにパッファ室から膨張室へ貫通する通気穴が形成され、遮断時における最少アーク時間の後よりパッファ室から通気穴を介して膨張室側へ絶縁ガスを流し始めるとともに最大アーク時間の後にパッファ室から膨張室ヘ流れる絶縁ガスの流量をさらに増加させてなる第2のガス流通制御手段が設けられてなるようにすることによって、駆動装置をさらに小型化することができ、遮断器のさらなる縮小化とコストの低減化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間直前の状態、(C)は最大アーク時間直後の状態の図
【図2】この発明の異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間直前の状態、(C)は最大アーク時間直後の状態の図
【図3】この発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間直前の状態、(C)は最大アーク時間直後の状態の図
【図4】この発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間直前の状態、(C)は最大アーク時間直後の状態の図である。
【図5】この発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間直後の状態、(C)は最大アーク時間直後の状態の図である。
【図6】この発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間直後の状態、(C)は最大アーク時間直後の状態の図である。
【図7】この発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間直後の状態、(C)は最大アーク時間直後の状態の図である。
【図8】この発明のさらに異なる実施例にかかるパッファ形ガス遮断器の構成を示す要部断面図であり、それぞれ(A)は開極直後の状態、(B)は最小アーク時間直後の状態、(C)は最大アーク時間直後の状態の図である。
【図9】従来のパッファ形ガス遮断器の構成を示す断面図
【図10】図9の装置の遮断動作時の特性を示す特性線図
【符号の説明】
2:固定アーク接触子、4:可動アーク接触子、6,7:排気ロッド、6A,7A:排気穴、6B,7B:開口穴、8:パッファシリンダ、8A:パッファ室、8B:吹き出し穴、11,12:固定ピストン、61:開離間隙、23:押圧棒、45:ガス抜き棒、29,41,44,61,65,73A,73B:ばね、25,43,48:ガス抜き弁、27,42:ガス抜き穴、42A:開放穴、30:膨張室、33:自由空間、62:放圧棒、63:放圧穴、64:放圧弁、47,80:当接部、71A:第1の当接部、71B:第2の当接部、66,69:通気棒、74A:第1の通気棒、74B:第2の通気棒、67:通気穴、75A:第1の通気穴、75B:第2の通気穴、68:通気弁、76A:第1の通気弁、76B:第2の通気弁、81:吸い込み穴、82:切り欠かれていない部分、83:切欠き部
Claims (5)
- 固定アーク接触子と、この固定アーク接触子と接離する可動アーク接触子と、この可動アーク接触子の反固定アーク接触子側に固定された排気ロッドと、この排気ロッドの外径面にパッファ室を介して設けられたパッファシリンダと、このパッファシリンダの内径面と前記排気ロッドの外径面とに摺動するようにして反固定アーク接触子側からパッファ室内に挿入された固定ピストンとが絶縁ガスで充填された密閉容器に収納されるとともに、前記排気ロッドに固定アーク接触子と可動アーク接触子との開離間隙に連通する排気穴が形成され、可動アーク接触子と排気ロッドとパッファシリンダとで構成される可動部を移動させる駆動装置が前記密閉容器の外部に設けられ、遮断指令が出されると駆動装置が前記可動部を反固定アーク接触子側へ移動させ、この移動によって圧縮されたパッファ室内の絶縁ガスが前記開離間隙へ吹き出し、前記開離間隙間に発生するアークが消されるパッファ形ガス遮断器において、前記パッファシリンダの反固定アーク接触子側の端部に、パッファシリンダの筒状部に対する底面部が設けられ、前記パッファ室の反固定アーク接触子側に、パッファシリンダと固定ピストンで囲まれるとともに固定アーク接触子側および反固定アーク接触子側の各壁面がそれぞれ固定ピストンおよびパッファシリンダの前記底面部で形成された膨張室が設けられ、遮断時における固定アーク接触子と可動アーク接触子との開極時間付近で前記排気穴と前記膨張室とを連通させ、最小アーク時間付近で前記排気穴と前記膨張室との連通を遮断するとともに前記排気穴を前記密閉容器の自由空間に連通させる第1のガス流通制御手段が設けられてなることを特徴とするパッファ形ガス遮断器。
- 請求項1に記載のパッファ形ガス遮断器において、前記第1のガス流通制御手段が、前記排気ロッドに形成され排気ロッドの外径面に開口するとともに前記排気穴と連通する開口穴と、前記固定ピストンに形成され前記膨張室から排気ロッドとの摺動面へ貫通する吸い込み穴と、この吸い込み穴の反可動アーク接触子側から固定ピストンの反可動アーク接触子側の端部まで前記固定ピストンの前記摺動面を切り欠くようにして形成された切欠き部と、この切欠き部と前記吸い込み穴との間に設けられ前記摺動面の切り欠かれていない部分とで構成され、遮断時における開極時間付近で前記吸い込み穴と前記開口穴とが重なるようにするとともに前記切欠き部の吸い込み穴側が前記排気ロッドの外径面と前記固定ピストンの切り欠かれていない部分でもって塞がれるようにし、最小アーク時間付近で前記吸い込み穴が前記排気ロッドの外径面でもって塞がれるとともに前記切欠き部が前記開口穴と連通してなることを特徴とするパッファ形ガス遮断器。
- 請求項1または2に記載のパッファ形ガス遮断器において、前記固定ピストンにパッファ室から膨張室側へ貫通するガス抜き穴が形成され、遮断時における最大アーク時間までは前記ガス抜き穴を閉塞させておくとともに最大アーク時間の後に前記ガス抜き穴を開口させてなる第2のガス流通制御手段が設けられてなることを特徴とするパッファ形ガス遮断器。
- 請求項1または2に記載のパッファ形ガス遮断器において、前記固定ピストンにパッファ室から膨張室へ貫通する放圧穴が形成され、前記パッファ室の圧力が少なくとも前記開離間隙で消弧させるに必要な最少の圧力を超えたときに前記放圧穴を開口させるとともに遮断時における最大アーク時間の後では前記放圧穴が開口した状態を強制的に維持してなる第2のガス流通制御手段が設けられてなることを特徴とするパッファ形ガス遮断器。
- 請求項1または2に記載のパッファ形ガス遮断器において、前記固定ピストンにパッファ室から膨張室へ貫通する通気穴が形成され、遮断時における最少アーク時間の後よりパッファ室から前記通気穴を介して膨張室側へ絶縁ガスを流し始めるとともに最大アーク時間の後にパッファ室から膨張室ヘ流れる絶縁ガスの流量をさらに増加させてなる第2のガス流通制御手段が設けられてなることを特徴とするパッファ形ガス遮断器。
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