JP3857980B2 - ディジタル放送受信装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ディジタル放送を受信するディジタル放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
衛星や地上波を用いたディジタル放送を受信するディジタル放送受信装置は、衛星アンテナや地上波アンテナを通して受け取った複数の放送波のなかから任意の放送波をディジタルチューナによって選択し、この選択した放送波に含まれる複数のチャンネルのなかから任意のチャンネルをデマルチプレクス処理によって選択し、この選択したチャンネルのディジタル信号を取り出し、これをデコードすることによって映像・音声信号を出力する。
【0003】
このようなディジタル放送では、従来のアナログ放送と同様に映像や音声を送信することに加え、番組情報も送信している。この番組情報は、番組名、番組開始時刻、番組継続時間、番組内容情報、番組ジャンル情報などの各種情報を含んでおり、受信装置側ではOSD(オンスクリーンディスプレイ)機能を用いた電子番組ガイド(Electronic Program Guide)表示機能によって多チャンネル放送のなかからユーザが望む番組を選択することができるようになっている。また、従来より、ディジタル放送受信装置には視聴・録画予約機能が備えられており、放送予定されている番組を例えば前記電子番組ガイド上で選択して予約を行うことができる(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−290887号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、或る番組の放送時間が拡大されると、現在放送が行われているチャンネルで放送時間が延長される場合や、異なるチャンネルにおいて番組の続きが放送される場合(イベントリレーと呼ばれている)があり、例えば、予約実行中の番組においてイベントリレーが実施されると、既に予約登録している他の番組と放送時間が重複してしまうことが生じ得る。このように予約が重複した場合には、イベントリレー等が実施された番組を優先するか既に予約登録している他の番組を優先するかを固定的に決めておくことが考えられるが、これでは必ずしもユーザにとって望ましい予約実行が行なわれることにはならない。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、予約番組の放送時間が重複した場合にユーザにとって望ましい予約実行を行うことができるディジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明のディジタル放送受信装置は、上記課題を解決するために、ユーザによって指定された番組をその放送時に予約実行する機能を備えたディジタル放送受信装置において、ユーザ操作によって予め番組ジャンルに対して予約優先順位を与えておく手段と、ユーザによって予約指定された番組の予約優先順位をその番組ジャンルに基づいて設定する手段と、放送時間が重複する複数の番組について予約がなされた場合に、予約番組が重複して存在すること及び重複番組の予約優先関係を示したメッセージを表示すると共にユーザによって選択された番組の方を予約対象番組として処理する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、放送時間が重複する複数番組の予約がなされたときには予約番組が重複して存在すること及び重複番組の予約優先関係を示したメッセージが表示されるので、ユーザの番組選択に関わる判断を助けることができる。更に、ユーザによって選択された番組の方が予約対象番組として処理されるので、ユーザの現在の意向を反映した番組選択(予約実行)が行なわれる。
【0009】
また、この発明のディジタル放送受信装置は、ユーザによって指定された番組をその放送時に予約実行する機能を備えたディジタル放送受信装置において、ユーザ操作によって予め番組ジャンルに対して予約優先順位を与えておく手段と、ユーザによって予約指定された番組の予約優先順位をその番組ジャンルに基づいて設定する手段と、番組延長又はイベントリレーによって放送時間が重複する複数の予約番組が存在することとなった場合に、予約番組が重複して存在すること及び重複番組の予約優先関係を示したメッセージを表示すると共にユーザによって選択された番組の方を予約対象番組として処理する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記の構成であれば、番組延長やイベントリレーによって放送時間が重複する複数番組の予約がなされたこととなったときには予約番組が重複して存在すること及び重複番組の予約優先関係を示したメッセージが表示されるので、ユーザの番組選択に関わる判断を助けることができる。更に、ユーザによって選択された番組の方が予約対象番組として処理されるので、ユーザの現在の意向を反映した番組選択(予約実行)が行なわれる。かかる処理は、予約が予約視聴の場合、或いは、予約録画であっても、テレビON(映像表示状態)のときにおいて、有効となる。
【0011】
一定時間内にユーザによる番組選択がなされなかった場合に、優先順位が高い方の番組を自動的に選択して予約対象番組として処理するのがよい。
【0012】
また、この発明のディジタル放送受信装置は、ユーザによって指定された番組をその放送時に予約実行する機能を備えたディジタル放送受信装置において、ユーザ操作によって予め番組ジャンルに対して予約優先順位を与えておく手段と、ユーザによって予約録画指定された番組の予約優先順位をその番組ジャンルに基づいて設定する手段と、番組延長又はイベントリレーによって複数の録画予約番組について放送時間が重複することとなった場合に、予約優先順位が高い方の番組を優先して受信録画処理を実行する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記の構成であれば、番組延長やイベントリレーによって放送時間が重複する複数番組の予約がなされたこととなったときには、ユーザ不在でも予約優先順位が高い方の番組を優先して受信録画処理が実行される。
【0014】
重複する番組のうち予約実行された番組の放送が終了したときに、前記重複する番組のうちの予約実行されなかった予約番組の放送が終了していない場合には、当該番組の残りの部分について予約実行が行われるように構成されているのがよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明するが、ここではユーザがBS(Broadcasting Satellite)ディジタル放送を視聴する場合を例示している。図1はこの実施形態のディジタル放送受信装置30を示したブロック図であり、図2は電子番組ガイドに対応付けてイベントリレーの発生及び予約重複発生を説明した説明図であり、図3はイベントリレー発生時の予約実行処理を説明したフローチャートである。
【0016】
図1において、アンテナ1は、屋外において所定の方向に向けて配置されており、BSから送られてくるディジタル放送波を受信する。このアンテナ1は、一般に周波数変換器を備え、受信/周波数変換した信号をチューナ2に与える。
【0017】
チューナ2は、受信した高周波ディジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す。すなわち、ディジタル放送の複数のトランスポンダのなかから一つを選択する処理を行う。また、チューナ2は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路などを備えることにより、選択したディジタル変調信号を復調してトランスポート・ストリームを出力する。
【0018】
デマルチプレクサ(DEMUX)3は、チューナ2から出力されるトランスポート・ストリームを、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)のビデオストリーム、オーディオストリーム、およびPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)等に分離する。デマルチプレクサ3におけるTSデコーダ3aは、ユーザによって選択された番組を構成するトランスポートストリーム(以下、パーシャルTSという)をCPU17の指令に基づいて取り出してストリーム記録・再生部4に供給し、AVデコーダ7へはビデオストリーム及びオーディオストリームを供給する。なお、トランスポート・ストリームには複数のチャンネルが多重化されており、このなかから任意のチャンネルを選択するための処理は、前記PSI/SIから任意のチャンネルがトランスポート・ストリーム中でどのパケットIDで多重化されているかといったデータを取り出すことで可能となる。また、トランスポート・ストリームの選定(トランスポンダの選定)もPSI/SIの情報に基づいて行うことができる。更に、SIには番組情報(番組名、番組開始時刻、番組継続時間、番組内容情報、番組ジャンル情報等)が含まれている。これらの情報はCPU17によって後述するメモリ18に格納され、EPG表示や番組予約等において利用される。
【0019】
ストリーム記録・再生部4は、外部録画装置(ハードディスクやMO等があるが、この実施形態ではD−VHSとする)31との間でIEEE1394インターフェース5を通じてデータや制御信号のやりとりを行い、TSデコーダ3aから出力されたパーシャルTSを外部録画装置31に書き込み(記録)、また、外部録画装置31からパーシャルTSを読み出すことができる(再生)。勿論、内蔵のハードディスク(図示せず)などに記録するようにしてもよい。
【0020】
AVデコーダ7は、ビデオストリームに対してデコードを行うビデオデコーダ、及びオーディオストリームに対してデコードを行うオーディオデコーダを備える。ビデオデコーダは、入力された符号化信号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御等を行う。オーディオデコーダは、入力された符号化信号を復号して音声データを生成する。
【0021】
映像処理回路8は、AVデコーダ7から映像データを受け取ってD/A変換を行い、例えばNTSCコンポジット信号に変換する。音声処理回路9は、AVデコーダ7から出力された音声データを受け取ってD/A変換を行い、例えば右(R)音のアナログ信号及び左(L)音のアナログ信号を生成する。
【0022】
映像出力回路10及び音声出力回路11は出力抵抗や増幅器等を備えて成る。AV出力端子12には、出力部(左右音声出力端子等や映像出力端子のセット)が設けられており、この出力部には、ディスプレイやスピーカを備えるモニタ14が映像/音声コード13によって接続される。
【0023】
OSD回路19は、CPU17から出力指示された文字情報や色情報に基づくビットマップデータを加算器20に出力する。加算器20は前記ビットマップデータを映像データに組み込む処理を行う。上記OSD回路19により、EPG表示、メニュー画面、各種設定画面の表示などが行えることになる。
【0024】
リモコン送信機15は、当該放送受信装置30に指令を送出するための送信機である。このリモコン送信機15に設けられた図示しないキーを操作すると、そのキーに対応した指令を意味する信号光(リモコン信号)が図示しない発光部から送出される。リモコン受光器16は、前記信号光を受光し、これを電気信号に変換してCPU17に与える。
【0025】
メモリ(例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ等)18には、番組情報、ユーザ設定情報、CPU17により実行されるプログラム(後述する予約重複処理におけるプログラム等)、番組予約情報(開始時間、終了時間、受信チャンネル、録画/視聴の種別情報、重複予約となったときに用いる優先順位情報等)などが格納される。
【0026】
CPU17は、このディジタル放送受信装置30における全体制御を行うものであるが、特にこの発明にかかる処理として、予約番組の放送時間が重複した際における番組の選択、予約実行処理を行うようになっている。
【0027】
ユーザは、リモコン送信機15を操作して、例えば、メニュー画面より「予約重複時の優先順位設定」の項目を選択して優先順位設定画面を表示させる。この画面には、「スポーツ、映画、ドラマ、・・・」といった番組ジャンルが複数表示されており、ユーザはこれらのジャンルのなかからいずれかを選択して、優先順位(例えば、1位から5位)を決定する。これらのユーザ入力情報はCPU17によってメモリ18にユーザ設定情報として格納される。
【0028】
ユーザによって番組予約処理が行なわれたとき、CPU17は当該番組の予約情報として、その開始時刻やチャンネル情報の他、当該番組のジャンル情報に基づいて判定した予約優先順位情報もメモリ18に格納する。
【0029】
図2は電子番組ガイドに対応付けてイベントリレーの発生及び重複予約発生を説明した説明図である。この図に示している現在時刻においてチャンネル101の番組A(A−1)の予約受信処理が実行中であり、また番組Aの終了時刻である時刻Tに始まるチャンネル103の番組Bについて予約登録が行われているものとなっている。ここで、時刻Zにおいてチャンネル102で番組Aの続き(A−2)を放送する旨定義する情報を受信した場合、CPU17によってイベントリレーが確認されると共に番組Bと続き番組A−2の放送時間が重複することが検出される。
【0030】
図3は、イベントリレー発生時の予約番組調整処理を説明したフローチャートである。なお、ここでは番組の録画予約が行なわれている場合について説明している。番組録画予約を実行中に(ステップS1)、CPU17は当該番組についての番組情報を取得してイベントリレーの発生がないかを監視する(ステップS2)。イベントリレーが発生していない場合には、現在のイベント(番組)の終了時刻を監視し(ステップS3)、終了時刻となった場合にはステップS10に進む。
【0031】
イベントリレーの発生が確認された場合には(ステップS2でYES)、CPU17は既存の予約番組と放送時間が重複していないかどうかを判断し(ステップS4)、重複していない場合には、ステップS8に進む。既存予約番組との予約重複が確認されたときには、予約実行中番組の予約番組情報として保持している予約優先順位情報と既存予約番組の予約番組情報として保持している優先順位情報との比較処理を実行する(ステップS5)。そして、CPU17は既存番組の優先順位が高いと判断したとき(ステップS6でYES)、既存番組を次番組(予約対象番組)とする一方(ステップS7)、リレー番組の優先順位が高いと判断したときには(ステップS6でNO)、リレー先番組を次番組とする(ステップS8)。そして、現在のイベントの終了時刻を確認し(ステップS9)、終了時刻となったときには、受信番組を前記次番組に切り替えることになる(ステップS10)。
【0032】
上記フローチャートでは、番組の録画予約が行なわれたことを想定し、予約対象番組を自動的に切り替ることとしたが、番組の視聴予約であったり、録画予約であっても受信装置がテレビON(映像表示状態)のときであれば、イベントリレーの発生で重複予約となったときに、例えば「番組Aと番組Bの放送時間が重複することとなりました。優先順位が高い番組Aの予約実行を行なってよろしいですか。」といったメッセージ及び「YES/NO」ボタンを一定時間OSD表示することとし、ユーザが番組を選択できるようにしてもよい。このように、番組のジャンル情報に基づく予約優先順位を提示することでユーザの番組選択に関わる判断を助けることができる。更に、ユーザがいずれかの番組を選択できるので、ユーザの現在の意向を反映した番組選択(予約実行)を行うことができるようになる。なお、ユーザが一定時間(例えば、5〜10秒適度)内に番組を選択しなかった場合には、優先順位の高い側の番組を選択することとしている。
【0033】
重複番組のジャンルが同一であるために優先順位に差異を付けられない場合、或いは重複番組の双方が優先順位付けから外れているジャンルの番組であるような場合には、固定的にイベントリレー先の受信か又は既存予約番組の受信のどちらかを優先することとすればよい。
【0034】
また、イベントリレーに限らず、同一チャンネルでの時間延長によって既存予約番組との重複が生じる場合にも同様の処理を行なうのがよい。更に、これらイベントリレー等とは別に、現在予約しようとしている番組が既存予約番組と重なる場合に、どちらの番組の優先順位が高いかを表示することにより、ユーザの番組選択に関わる判断を助けることができる。更に、例えば、予約が実行された側の放送が終了した時に、予約実行番組として選択されなかった側の番組が終了していないときには、この時点で、当該番組の放送の残り部分を受信(予約実行)するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、予約対象番組の予約優先順位をジャンル情報に基づいて設定可能としたので、ユーザにとって望ましい予約実行を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のディジタル放送受信装置を示したブロック図である。
【図2】電子番組ガイドに対応付けてイベントリレーの発生及び重複予約発生を説明した説明図である。
【図3】イベントリレー発生時の予約実行処理を説明したフローチャートである。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 チューナ
3 デマルチプレクサ(DEMUX)
7 AVデコーダ
17 CPU
18 メモリ
19 OSD回路
Claims (2)
- ユーザによって指定された番組をその放送時に予約実行する機能を備えたディジタル放送受信装置において、ユーザ操作によって予め番組ジャンルに対して予約優先順位を与えておく手段と、ユーザによって予約指定された番組の予約優先順位をその番組ジャンルに基づいて設定する手段と、番組延長又はイベントリレーによって放送時間が重複する複数の予約番組が存在することとなった場合に、予約番組が重複して存在すること及び重複番組の予約優先関係を示したメッセージを表示すると共にユーザによって選択された番組の方を予約対象番組として処理する一方、一定時間内にユーザによる番組選択がなされなかった場合には優先順位が高い方の番組を自動的に選択して予約対象番組として処理する手段と、を備えたことを特徴とするディジタル放送受信装置。
- 請求項1に記載のディジタル放送受信装置において、重複する番組のうち予約実行された番組の放送が終了したときに、前記重複する番組のうちの予約実行されなかった予約番組の放送が終了していない場合には、当該番組の残りの部分について予約実行が行われるように構成されたことを特徴とするディジタル放送受信装置。
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