JP3857419B2 - 反射型センサ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本願発明は、発光素子から発せられた光の検出対象物体からの反射光を受光素子で検知することにより、対象物体の存否等を検出するために用いられる反射型センサに関し、特に、これを面実装タイプとしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一つの電子部品としての物体検出センサとして、マイクロスイッチ等の接触型のセンサに代え、インタラプタや反射型センサなどの非接触型の光学センサが各分野において多用されてきている。
【0003】
このうち、インタラプタは発光素子と受光素子とを所定間隔をあけて対向させ、これら発光素子と受光素子との間に検出対象物体が通過するように配置する必要があるため、対象物体が比較的薄状のものに限定し、また、対象物体の通過経路にきわめて近接させて、発光素子と受光素子とが対象物体を挟むように配置せねばならない等、センサの設置場所にも制限が多い。
【0004】
一方、反射型センサは、発光素子と受光素子とを同じ方向を向くようにパッケージして構成され、発光素子が発した光の対象物体からの反射光を受光素子が検知することにより対象物体の存否を検知するため、対象物体の形態に制限が少なく、また、設置場所の自由度もインタラプタに比較して飛躍的に大きい。それ故、反射型センサの需要は最近ますます増大している。
【0005】
一方、電子部品の基板実装の効率化の観点から、このような反射型センサについても、面実装タイプに移行しつつある。面実装タイプの電子部品は、本体から延出するリード等の端子を本体下面とほぼ同一の面に配置するとともに全体として平面上に安定的に載置しうる形態とした電子部品であって、いわゆるハンダリフローの手法によって回路基板等に面実装することができる。すなわち、回路基板の導体パッド上にクリームハンダを印刷等により塗布しておき、この基板上に電子部品をその端子が上記導体パッドと対応するようにして載置した上、この基板を加熱炉に導入した後冷却する。そうすると、クリームハンダのハンダ成分が熱によって溶融するとともに溶剤が熱で消散し、冷却固化するハンダによって基板上の端子パッドと電子部品の端子とが相互に機械的かつ電気的に接続される。
【0006】
面実装タイプに構成された従来の反射型センサの構造例を図9ないし図11に示す。この反射型センサ1は、所定厚みをもつとともに平面視矩形状をした樹脂パッケージ2内に発光素子31と受光素子32とが埋設された形態をもっている。樹脂パッケージ2は、各素子と対応して、パッケージ2の上面に臨む二つの透明樹脂部21,22 を備えており、これらの透明樹脂部21,22 内に各素子31,32 が埋め込まれている。各透明樹脂部21,22 の上面を除く四周および底面部はたとえば黒色をした不透明な樹脂で覆われており、この不透明樹脂25が反射型センサ1の外殻をなすとともに、各素子31,32 に対応した透明樹脂部21,22 間およびこの透明樹脂部21,22 とそのパッケージ上面方向を除く外部間を光学的に遮蔽している。上記透明樹脂部21,22 はたとえば透明エポキシ樹脂で、不透明樹脂部25はたとえば黒色PPS(ポリフェニレンサルファイド)で形成されている。そうして、上記反射型センサ1は、帯板状またはフープ状のリードフレーム(製造用フレーム)を用い、その所定のリード部5に発光素子31および受光素子32をボンディングするとともに所定のワイヤボンディングを行った後、まず、透明エポキシ樹脂による一次モールド工程によって上記透明樹脂部21,22 を形成し、ついで不透明PPSなどを用いた二次モールド工程によって上記不透明樹脂外殻部25を形成し、所定のリードカット、リードフォーミング工程を施すという手順によって製造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記透明樹脂部を形成するための材料として透明エポキシ樹脂を採用する所以は、トランスファモールド法によって光学半導体素子をモールドするためにコスト面およびモールド操作の容易性の面から最適であると認知されてきているからである。一方、外殻部を構成する樹脂としては、機械的強度および耐熱性を備える樹脂が選択される。
【0008】
上記の構造を有する従来の反射型センサは、上述した面実装を行う上において、次のような問題が指摘されている。
【0009】
すなわち、基板に対する面実装をハンダリフローの手法によって行おうとすると、加熱炉に導入された際の熱によってエポキシ樹脂からなる透明樹脂部21,22 が熱膨張を起こし、その際、ワイヤ4のセカンドボンディング部が断線してしまうことがある。より具体的には、従来構造の反射型センサにおいては、透明樹脂部21,22 はその上面を除いてその四周および底部が耐熱性の外殻樹脂部25によって封鎖されている。したがって、透明樹脂部21,22 は、熱膨張の際に図10に仮想線で示すように上面が膨出するように変形するしかなく、この際、ワイヤ4のセカンドボンディング部を内部リード5から引き剥がそうとする力が作用するのである。
【0010】
このような問題を解消しようとすれば、従来においては、やむなく手ハンダによって基板実装を行うしかなかったが、これではこの種の反射型センサの実装効率が著しく低下してしまう。
【0011】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、従来と同等の製造手法によって製造することができながら、ハンダリフローの手法による面実装時の熱によってワイヤの断線が生じにくい構造の反射型センサを提供することをその課題としている。
【0012】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
すなわち、本願発明によって提供される反射型センサは、上面部と底面部と側面部とを備えた樹脂パッケージ内に平面的に所定間隔隔てられた発光素子と受光素子とがそれぞれリードの上面側にボンディングされて埋設され、かつ上記発光素子と導通するリードおよび上記受光素子と導通するリードのそれぞれの一部が上記樹脂パッケージの底面部の高さ位置と同等または略同等の高さ位置に配置された反射型センサであって、上記樹脂パッケージは、上記発光素子を高さ方向中間部に内蔵する第1透明樹脂部および上記受光素子を高さ方向中間部に内蔵する第2透明樹脂部と、上記第1透明樹脂部と第2透明樹脂部との間を埋め、かつ第1透明樹脂部および第2透明樹脂部の側面を覆う不透明外殻樹脂部とを備えて形成されているとともに、上記第1透明樹脂部および第2透明樹脂部の熱膨張係数は上記不透明外殻樹脂部の熱膨張係数よりも大であり、かつ、上記各透明樹脂部は、それらの上面部および底面部の略全域が上記樹脂パッケージの上面部および底面部の双方に露出させられていることにより、上記各透明樹脂部の熱膨張時、これらの上面露出部と底面露出部とが平均して膨出するようにしたことを特徴としている。なお、ここで透明樹脂部の概念中には、肉眼で透明として認識されるもののほか、赤外光は透過しうるが可視光は透過しえないように処理された、肉眼ではたとえば黒色として認識されるものをも含む。すなわちこの場合、赤外光を検出しうる受光素子にとって透明である。
【0014】
好ましい実施の形態においては、上記透明樹脂部は、透明エポキシ樹脂によって形成されている。
【0016】
上記反射型センサは、その底面部を下にして、回路基板上にたとえばハンダリフローの手法によって面実装される。本願発明に係る反射型センサは、そのリードの一部が樹脂パッケージの底面部の高さ位置と同等または略同等の高さ位置に配置された面実装タイプに形成されている。したがって、実装状態において、樹脂パッケージの底面部は、回路基板に対してわずかな隙間を隔てて対向することになる。
【0017】
発光素子と受光素子は、それぞれ透明樹脂部に内蔵され、かつ、この透明樹脂部は、樹脂パッケージの上面に露出させられている。したがって、樹脂パッケージの上面部を介して発光素子から発せられた光を検出対象物体等に向けて外部に照射することができ、また、対象物体からの反射光は、樹脂パッケージの上面部を介して受光素子に到達することができる。このように、本願発明に係る反射型センサは、その上面部が検出対象物を向くようにして配置することにより、都合よく物体の存否を検出する等の目的に使用することができる。
【0018】
また、上記発光素子および受光素子が内蔵された透明樹脂部は、その側面が不透明外殻樹脂部によって覆われており、かつこの不透明外殻樹脂部は、各透明樹脂部間をも埋めている。したがって、各透明樹脂部には、樹脂パッケージの上面部以外の方向から無用な光が入り込むことがなく、また、発光素子から発せられた光が直接的に受光素子に到達させられることもない。また、各透明樹脂部は樹脂パッケージの上面部のみならず、底面部にも露出しているが、前述したように、本願発明の反射型センサそれ自体が面実装タイプに構成されていて、実装時に樹脂パッケージの底面部は回路基板に対してわずかなすきまを介して対向することになるので、樹脂パッケージの底面部から外部光が透明樹脂部に導入されてセンサとしての機能が阻害されるといったことも、都合よく回避される。
【0019】
そうして、本願発明においては、通常、エポキシ樹脂で形成される透明樹脂部が樹脂パッケージの上面部のみならず、底面部にも露出させられている。したがって、ハンダリフローの手法によって本願発明に係る反射型センサを基板に実装する場合に透明樹脂部が加熱膨張させられた場合、樹脂パッケージの上面部と底面部の双方において透明樹脂部が膨出するという現象となって現れる。したがって、透明樹脂部の上面部のみが外部に露出させられている従来の反射型センサに比較して、樹脂パッケージ内に発生する熱応力を緩和することができる。また、透明樹脂部の高さ方向中間部に埋設されるリード、ないしこれにボンディングされる素子ないしは素子とリード間をつなぐワイヤの透明樹脂部の熱膨張に起因した変位を最小とすることができる。その結果、本願発明に係る反射型センサによれば、ハンダリフローの手法によって面実装される際の熱に起因してワイヤが破断する不具合の発生を都合よく抑制することができる。
【0020】
しかも、本願発明に係る反射型センサは、基本的には従来と同様の製造工程を経て製造することができ、工程増加によるコストアップ要因はほとんどない。
【0021】
本願発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
図1は本願発明に係る反射型センサの一実施形態の全体斜視図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は図1のIII −III 線に沿う断面図、図4〜図7は製造工程の説明図、図8は作用説明図である。なお、これらの図において、図9〜図11に示した従来例と同一または同等の部材または部分には、同一の符号を付してある。
【0024】
これらの図に示されるように、反射型センサ1は、発光素子31と受光素子32とを内蔵する樹脂パッケージ2と、各素子31,32 と電気的に導通して樹脂パッケージ2の外部に導出させられているリード5とを備える。樹脂パッケージ2は、全体として所定厚みをもつとともに略矩形の平面視形状をした箱状をしている。上記リード5は、所定幅の金属板で形成されていて、樹脂パッケージ1の側面から外部に導出させられるとともに略L字状に屈曲させられ、外端に樹脂パッケージ2の底面とほぼ同一高さ位置に配置された水平部51が形成されてこれが基板に対する接続端子部として機能する。そして、このリード5は、各素子31,32 に対応して樹脂パッケージ2の両側から2本ずつ、合計4本延出させられているので、この反射型センサ1を基板等の水平面上に安定して載置することができる。
【0025】
上記樹脂パッケージ1は、発光素子31を内蔵する第1透明樹脂部21と、受光素子32を内蔵する第2透明樹脂部22と、これら各透明樹脂部21,22 を水平方向に所定間隔を隔てた状態において、各透明樹脂部21,22 間を埋め、かつ各透明樹脂部21,22 をそれらの上面部および底面部を残して覆う不透明外殻樹脂部25とを備えている。その結果、各透明樹脂部21,22 は、樹脂パッケージ2の上面部と底面部の双方に露出させられた格好となる。上記各透明樹脂部21,22 は、たとえば透明エポキシ樹脂によって形成され、上記不透明外殻樹脂部25は、たとえば、黒色PPSによって形成される。
【0026】
各透明樹脂部21,22 の内部には、その高さ方向の中間位置において、発光素子31と受光素子32とが、それぞれ細帯板状の内部リード52上にボンディングされた格好で内蔵されている。そして、各素子31,32 の上面電極ともう一方の内部リード53間は、ワイヤ4によって結線されている。発光素子31としては、たとえば発光ダイオード(LED)が採用され、受光素子32としては、たとえばフォトトランジスタ、あるいはフォトダイオードが採用され、いずれもチップの状態で内蔵されている。ワイヤ4は、素子31,32 の上面電極に対していわゆるボールボンディングによって接続され、内部リード53に対していわゆるスティッチボンディングによって接続される。
【0027】
上記構成を備える反射型センサ1は、図4に示すような製造用フレーム6を用い、以下に説明する工程を経て製造される。製造用フレーム6は、金属薄板材料を打ち抜きプレスして形成されるものであって、長手方向両側のサイドフレーム部61,61 と、両サイドフレーム部61,61 から内方に延出するリード部65と、必要に応じてクロスフレーム部66を備えており、図4に符号Aで示す区間の構成がフレーム6の長手方向に連続して形成されている。リード部65の先端は、それぞれ、チップボンディング部あるいはワイヤボンディング部として機能する。
【0028】
図5に示すように、上記製造用フレーム6の各リード部65の各内端部に対し、発光素子31および受光素子32をそれぞれボンディングするチップボンディング工程、および、各素子31,32 の上面電極と他方リードのワイヤボンディング部間をワイヤ4によって結線するワイヤボンディング工程が施される。
【0029】
次に、図6に示すように、各素子31,32 およびその周辺のワイヤボンディング部を透明樹脂でモールドする一次モールド工程が施される。なお、ここで、発光素子31と受光素子32とは、それぞれ別個に透明樹脂でモールドされており、こうしてモールドされた部分が、最終的に上記の第1および第2透明樹脂部21,22 を構成する。この透明樹脂としては、前述したように、透明エポキシ樹脂が好適に採用され、モールド法としては、いわゆるトランスファモールド法が好適に採用される。
【0030】
次に、図7に示すように、上記第1および第2透明樹脂部21,22 の間を埋め、かつ第1および第2透明樹脂部21,22 の上面部および底面部を残してこれらの透明樹脂部21,22 を不透明樹脂で覆う二次モールド工程が施される。この不透明樹脂は、前述したように、外殻樹脂部25を形成するためのものであるので、耐熱性および機械強度にすぐれた黒色PPSなどが好適に採用される。モールド法としては、一次モールド工程と同様、トランスファモールド法が好適に採用される。
【0031】
続いて、製造用フレームにリードカット工程を施すとともにリードをL字状に屈曲させるリードフォーミング工程を施して最終的に図1〜図3に示す個々の反射型センサ1を得る。
【0032】
次に、上記構成の反射型センサ1の作用について説明する。
【0033】
この反射型センサ1は、前述したように、平面上に安定して載置しうることから、いわゆるハンダリフローによる面実装によって基板上に実装することができる。すなわち、基板S上の導体パッドP上にクリームハンダHを印刷等によって塗布しておき、そして、図8に示されるように各導体パッドPと各リードの接続端子部51とが対応するように位置決めしつつ反射型センサ1を基板S上に載置する。そうして、この状態の基板を加熱炉に導入し、かつ冷却を行う。ハンダリフローのために、加熱炉の温度はたとえば250℃程度とされる。加熱炉における熱により、クリームハンダ中のハンダ成分が溶融するとともに、溶剤成分が消散する。溶融ハンダは導体パッドPとリード5の接続端子部51の双方に濡れた状態となる。そうして、ハンダが冷却固化されると、反射型センサ1は、基板Sに対して電気的かつ機械的に接続され、実装が完了する。
【0034】
発光素子31と受光素子32は、それぞれ透明樹脂部21,22 に内蔵され、かつ、この透明樹脂部21,22 は、樹脂パッケージ2の上面に露出させられている。したがって、樹脂パッケージ2の上面部を介して発光素子31から発せられた光を検出対象物体等に向けて外部に照射することができ、また、対象物体からの反射光は、樹脂パッケージ2の上面部を介して受光素子32に到達することができる。このように、本願発明に係る反射型センサ1は、その上面部が検出対象物を向くようにして配置することにより、都合よく物体の存否を検出する等の目的に使用することができる。
【0035】
また、上記発光素子31および受光素子32が内蔵された透明樹脂部2は、その側面が不透明外殻樹脂部25によって覆われており、かつこの不透明外殻樹脂部25は、各透明樹脂部21,22 間をも埋めている。したがって、各透明樹脂部21,22 には、樹脂パッケージ2の上面部以外の方向から無用な光が入り込むことがなく、また、発光素子31から発せられた光が直接的に受光素子32に到達させられることもない。また、各透明樹脂部21,22 は樹脂パッケージ2の上面部のみならず、底面部にも露出しているが、前述したように、本願発明の反射型センサ2それ自体が面実装タイプに構成されていて、実装時に樹脂パッケージ2の底面部は回路基板Sに対してわずかなすきまを介して対向することになるので、樹脂パッケージ2の底面部から外部光が透明樹脂部21,22 に導入されてセンサとしての機能が阻害されるといったことも、都合よく回避される。
【0036】
上記透明樹脂部21,22 を形成する透明エポキシ樹脂の線膨張係数は、たとえば11〜12×10-5/℃であり、不透明外殻樹脂部25を形成するPPSの線膨張係数は、たとえば6〜7×10-5/℃である。このように、外殻樹脂部25よりもこの外殻樹脂部25によって四周を拘束された透明樹脂部21,22 のほうが膨張係数が大きい。上記のようにハンダリフロー時の熱によって透明樹脂部21,22 が外殻樹脂部25よりも大きな比率で膨張するが、本願発明では、各透明樹脂部21,22 はその上面部と底面部の双方が樹脂パッケージ2の外部に露出しているため、図8に強調して示すように、透明樹脂部21,22 の上面部と底面部とが平均して樹脂パッケージ2の外面から膨出するという現象となって現れる。したがって、図9〜図11に示したような透明樹脂部21,22 の上面部のみが外部に露出する従来の反射型センサの場合に比較して、樹脂パッケージ2内に発生する熱応力を緩和することができるとともに、透明樹脂部21,22 の膨張変形に起因する素子31,32 やワイヤ4の変位が抑制される。その結果、本願発明に係る反射型センサ1によれば、ハンダリフローの手法によって面実装する場合のワイヤ破断の不具合の発生が著しく抑制され、信頼性が向上する。
【0037】
また、前述したように、本願発明に係る反射型センサ1は、従来と同様の製造工程を経て製造することができ、本願発明を実施するにあたって工程増加等のコスト上昇要因は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る反射型センサの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII −III 線に沿う断面図である。
【図4】上記反射型センサの製造工程の説明図である。
【図5】上記反射型センサの製造工程の説明図である。
【図6】上記反射型センサの製造工程の説明図である。
【図7】上記反射型センサの製造工程の説明図である。
【図8】本願発明の作用説明図である。
【図9】従来の反射型センサの全体構成を示す斜視図である。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図である。
【図11】図9のXI−XI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 反射型センサ
2 樹脂パッケージ
21 第1透明樹脂部
22 第2透明樹脂部
25 不透明外殻樹脂部
31 発光素子
32 受光素子
4 ワイヤ
5 リード
51 接続端子部
6 製造用フレーム
S 基板
H ハンダ
P 導体パッド
【発明が属する技術分野】
本願発明は、発光素子から発せられた光の検出対象物体からの反射光を受光素子で検知することにより、対象物体の存否等を検出するために用いられる反射型センサに関し、特に、これを面実装タイプとしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一つの電子部品としての物体検出センサとして、マイクロスイッチ等の接触型のセンサに代え、インタラプタや反射型センサなどの非接触型の光学センサが各分野において多用されてきている。
【0003】
このうち、インタラプタは発光素子と受光素子とを所定間隔をあけて対向させ、これら発光素子と受光素子との間に検出対象物体が通過するように配置する必要があるため、対象物体が比較的薄状のものに限定し、また、対象物体の通過経路にきわめて近接させて、発光素子と受光素子とが対象物体を挟むように配置せねばならない等、センサの設置場所にも制限が多い。
【0004】
一方、反射型センサは、発光素子と受光素子とを同じ方向を向くようにパッケージして構成され、発光素子が発した光の対象物体からの反射光を受光素子が検知することにより対象物体の存否を検知するため、対象物体の形態に制限が少なく、また、設置場所の自由度もインタラプタに比較して飛躍的に大きい。それ故、反射型センサの需要は最近ますます増大している。
【0005】
一方、電子部品の基板実装の効率化の観点から、このような反射型センサについても、面実装タイプに移行しつつある。面実装タイプの電子部品は、本体から延出するリード等の端子を本体下面とほぼ同一の面に配置するとともに全体として平面上に安定的に載置しうる形態とした電子部品であって、いわゆるハンダリフローの手法によって回路基板等に面実装することができる。すなわち、回路基板の導体パッド上にクリームハンダを印刷等により塗布しておき、この基板上に電子部品をその端子が上記導体パッドと対応するようにして載置した上、この基板を加熱炉に導入した後冷却する。そうすると、クリームハンダのハンダ成分が熱によって溶融するとともに溶剤が熱で消散し、冷却固化するハンダによって基板上の端子パッドと電子部品の端子とが相互に機械的かつ電気的に接続される。
【0006】
面実装タイプに構成された従来の反射型センサの構造例を図9ないし図11に示す。この反射型センサ1は、所定厚みをもつとともに平面視矩形状をした樹脂パッケージ2内に発光素子31と受光素子32とが埋設された形態をもっている。樹脂パッケージ2は、各素子と対応して、パッケージ2の上面に臨む二つの透明樹脂部21,22 を備えており、これらの透明樹脂部21,22 内に各素子31,32 が埋め込まれている。各透明樹脂部21,22 の上面を除く四周および底面部はたとえば黒色をした不透明な樹脂で覆われており、この不透明樹脂25が反射型センサ1の外殻をなすとともに、各素子31,32 に対応した透明樹脂部21,22 間およびこの透明樹脂部21,22 とそのパッケージ上面方向を除く外部間を光学的に遮蔽している。上記透明樹脂部21,22 はたとえば透明エポキシ樹脂で、不透明樹脂部25はたとえば黒色PPS(ポリフェニレンサルファイド)で形成されている。そうして、上記反射型センサ1は、帯板状またはフープ状のリードフレーム(製造用フレーム)を用い、その所定のリード部5に発光素子31および受光素子32をボンディングするとともに所定のワイヤボンディングを行った後、まず、透明エポキシ樹脂による一次モールド工程によって上記透明樹脂部21,22 を形成し、ついで不透明PPSなどを用いた二次モールド工程によって上記不透明樹脂外殻部25を形成し、所定のリードカット、リードフォーミング工程を施すという手順によって製造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記透明樹脂部を形成するための材料として透明エポキシ樹脂を採用する所以は、トランスファモールド法によって光学半導体素子をモールドするためにコスト面およびモールド操作の容易性の面から最適であると認知されてきているからである。一方、外殻部を構成する樹脂としては、機械的強度および耐熱性を備える樹脂が選択される。
【0008】
上記の構造を有する従来の反射型センサは、上述した面実装を行う上において、次のような問題が指摘されている。
【0009】
すなわち、基板に対する面実装をハンダリフローの手法によって行おうとすると、加熱炉に導入された際の熱によってエポキシ樹脂からなる透明樹脂部21,22 が熱膨張を起こし、その際、ワイヤ4のセカンドボンディング部が断線してしまうことがある。より具体的には、従来構造の反射型センサにおいては、透明樹脂部21,22 はその上面を除いてその四周および底部が耐熱性の外殻樹脂部25によって封鎖されている。したがって、透明樹脂部21,22 は、熱膨張の際に図10に仮想線で示すように上面が膨出するように変形するしかなく、この際、ワイヤ4のセカンドボンディング部を内部リード5から引き剥がそうとする力が作用するのである。
【0010】
このような問題を解消しようとすれば、従来においては、やむなく手ハンダによって基板実装を行うしかなかったが、これではこの種の反射型センサの実装効率が著しく低下してしまう。
【0011】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、従来と同等の製造手法によって製造することができながら、ハンダリフローの手法による面実装時の熱によってワイヤの断線が生じにくい構造の反射型センサを提供することをその課題としている。
【0012】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
すなわち、本願発明によって提供される反射型センサは、上面部と底面部と側面部とを備えた樹脂パッケージ内に平面的に所定間隔隔てられた発光素子と受光素子とがそれぞれリードの上面側にボンディングされて埋設され、かつ上記発光素子と導通するリードおよび上記受光素子と導通するリードのそれぞれの一部が上記樹脂パッケージの底面部の高さ位置と同等または略同等の高さ位置に配置された反射型センサであって、上記樹脂パッケージは、上記発光素子を高さ方向中間部に内蔵する第1透明樹脂部および上記受光素子を高さ方向中間部に内蔵する第2透明樹脂部と、上記第1透明樹脂部と第2透明樹脂部との間を埋め、かつ第1透明樹脂部および第2透明樹脂部の側面を覆う不透明外殻樹脂部とを備えて形成されているとともに、上記第1透明樹脂部および第2透明樹脂部の熱膨張係数は上記不透明外殻樹脂部の熱膨張係数よりも大であり、かつ、上記各透明樹脂部は、それらの上面部および底面部の略全域が上記樹脂パッケージの上面部および底面部の双方に露出させられていることにより、上記各透明樹脂部の熱膨張時、これらの上面露出部と底面露出部とが平均して膨出するようにしたことを特徴としている。なお、ここで透明樹脂部の概念中には、肉眼で透明として認識されるもののほか、赤外光は透過しうるが可視光は透過しえないように処理された、肉眼ではたとえば黒色として認識されるものをも含む。すなわちこの場合、赤外光を検出しうる受光素子にとって透明である。
【0014】
好ましい実施の形態においては、上記透明樹脂部は、透明エポキシ樹脂によって形成されている。
【0016】
上記反射型センサは、その底面部を下にして、回路基板上にたとえばハンダリフローの手法によって面実装される。本願発明に係る反射型センサは、そのリードの一部が樹脂パッケージの底面部の高さ位置と同等または略同等の高さ位置に配置された面実装タイプに形成されている。したがって、実装状態において、樹脂パッケージの底面部は、回路基板に対してわずかな隙間を隔てて対向することになる。
【0017】
発光素子と受光素子は、それぞれ透明樹脂部に内蔵され、かつ、この透明樹脂部は、樹脂パッケージの上面に露出させられている。したがって、樹脂パッケージの上面部を介して発光素子から発せられた光を検出対象物体等に向けて外部に照射することができ、また、対象物体からの反射光は、樹脂パッケージの上面部を介して受光素子に到達することができる。このように、本願発明に係る反射型センサは、その上面部が検出対象物を向くようにして配置することにより、都合よく物体の存否を検出する等の目的に使用することができる。
【0018】
また、上記発光素子および受光素子が内蔵された透明樹脂部は、その側面が不透明外殻樹脂部によって覆われており、かつこの不透明外殻樹脂部は、各透明樹脂部間をも埋めている。したがって、各透明樹脂部には、樹脂パッケージの上面部以外の方向から無用な光が入り込むことがなく、また、発光素子から発せられた光が直接的に受光素子に到達させられることもない。また、各透明樹脂部は樹脂パッケージの上面部のみならず、底面部にも露出しているが、前述したように、本願発明の反射型センサそれ自体が面実装タイプに構成されていて、実装時に樹脂パッケージの底面部は回路基板に対してわずかなすきまを介して対向することになるので、樹脂パッケージの底面部から外部光が透明樹脂部に導入されてセンサとしての機能が阻害されるといったことも、都合よく回避される。
【0019】
そうして、本願発明においては、通常、エポキシ樹脂で形成される透明樹脂部が樹脂パッケージの上面部のみならず、底面部にも露出させられている。したがって、ハンダリフローの手法によって本願発明に係る反射型センサを基板に実装する場合に透明樹脂部が加熱膨張させられた場合、樹脂パッケージの上面部と底面部の双方において透明樹脂部が膨出するという現象となって現れる。したがって、透明樹脂部の上面部のみが外部に露出させられている従来の反射型センサに比較して、樹脂パッケージ内に発生する熱応力を緩和することができる。また、透明樹脂部の高さ方向中間部に埋設されるリード、ないしこれにボンディングされる素子ないしは素子とリード間をつなぐワイヤの透明樹脂部の熱膨張に起因した変位を最小とすることができる。その結果、本願発明に係る反射型センサによれば、ハンダリフローの手法によって面実装される際の熱に起因してワイヤが破断する不具合の発生を都合よく抑制することができる。
【0020】
しかも、本願発明に係る反射型センサは、基本的には従来と同様の製造工程を経て製造することができ、工程増加によるコストアップ要因はほとんどない。
【0021】
本願発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
図1は本願発明に係る反射型センサの一実施形態の全体斜視図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は図1のIII −III 線に沿う断面図、図4〜図7は製造工程の説明図、図8は作用説明図である。なお、これらの図において、図9〜図11に示した従来例と同一または同等の部材または部分には、同一の符号を付してある。
【0024】
これらの図に示されるように、反射型センサ1は、発光素子31と受光素子32とを内蔵する樹脂パッケージ2と、各素子31,32 と電気的に導通して樹脂パッケージ2の外部に導出させられているリード5とを備える。樹脂パッケージ2は、全体として所定厚みをもつとともに略矩形の平面視形状をした箱状をしている。上記リード5は、所定幅の金属板で形成されていて、樹脂パッケージ1の側面から外部に導出させられるとともに略L字状に屈曲させられ、外端に樹脂パッケージ2の底面とほぼ同一高さ位置に配置された水平部51が形成されてこれが基板に対する接続端子部として機能する。そして、このリード5は、各素子31,32 に対応して樹脂パッケージ2の両側から2本ずつ、合計4本延出させられているので、この反射型センサ1を基板等の水平面上に安定して載置することができる。
【0025】
上記樹脂パッケージ1は、発光素子31を内蔵する第1透明樹脂部21と、受光素子32を内蔵する第2透明樹脂部22と、これら各透明樹脂部21,22 を水平方向に所定間隔を隔てた状態において、各透明樹脂部21,22 間を埋め、かつ各透明樹脂部21,22 をそれらの上面部および底面部を残して覆う不透明外殻樹脂部25とを備えている。その結果、各透明樹脂部21,22 は、樹脂パッケージ2の上面部と底面部の双方に露出させられた格好となる。上記各透明樹脂部21,22 は、たとえば透明エポキシ樹脂によって形成され、上記不透明外殻樹脂部25は、たとえば、黒色PPSによって形成される。
【0026】
各透明樹脂部21,22 の内部には、その高さ方向の中間位置において、発光素子31と受光素子32とが、それぞれ細帯板状の内部リード52上にボンディングされた格好で内蔵されている。そして、各素子31,32 の上面電極ともう一方の内部リード53間は、ワイヤ4によって結線されている。発光素子31としては、たとえば発光ダイオード(LED)が採用され、受光素子32としては、たとえばフォトトランジスタ、あるいはフォトダイオードが採用され、いずれもチップの状態で内蔵されている。ワイヤ4は、素子31,32 の上面電極に対していわゆるボールボンディングによって接続され、内部リード53に対していわゆるスティッチボンディングによって接続される。
【0027】
上記構成を備える反射型センサ1は、図4に示すような製造用フレーム6を用い、以下に説明する工程を経て製造される。製造用フレーム6は、金属薄板材料を打ち抜きプレスして形成されるものであって、長手方向両側のサイドフレーム部61,61 と、両サイドフレーム部61,61 から内方に延出するリード部65と、必要に応じてクロスフレーム部66を備えており、図4に符号Aで示す区間の構成がフレーム6の長手方向に連続して形成されている。リード部65の先端は、それぞれ、チップボンディング部あるいはワイヤボンディング部として機能する。
【0028】
図5に示すように、上記製造用フレーム6の各リード部65の各内端部に対し、発光素子31および受光素子32をそれぞれボンディングするチップボンディング工程、および、各素子31,32 の上面電極と他方リードのワイヤボンディング部間をワイヤ4によって結線するワイヤボンディング工程が施される。
【0029】
次に、図6に示すように、各素子31,32 およびその周辺のワイヤボンディング部を透明樹脂でモールドする一次モールド工程が施される。なお、ここで、発光素子31と受光素子32とは、それぞれ別個に透明樹脂でモールドされており、こうしてモールドされた部分が、最終的に上記の第1および第2透明樹脂部21,22 を構成する。この透明樹脂としては、前述したように、透明エポキシ樹脂が好適に採用され、モールド法としては、いわゆるトランスファモールド法が好適に採用される。
【0030】
次に、図7に示すように、上記第1および第2透明樹脂部21,22 の間を埋め、かつ第1および第2透明樹脂部21,22 の上面部および底面部を残してこれらの透明樹脂部21,22 を不透明樹脂で覆う二次モールド工程が施される。この不透明樹脂は、前述したように、外殻樹脂部25を形成するためのものであるので、耐熱性および機械強度にすぐれた黒色PPSなどが好適に採用される。モールド法としては、一次モールド工程と同様、トランスファモールド法が好適に採用される。
【0031】
続いて、製造用フレームにリードカット工程を施すとともにリードをL字状に屈曲させるリードフォーミング工程を施して最終的に図1〜図3に示す個々の反射型センサ1を得る。
【0032】
次に、上記構成の反射型センサ1の作用について説明する。
【0033】
この反射型センサ1は、前述したように、平面上に安定して載置しうることから、いわゆるハンダリフローによる面実装によって基板上に実装することができる。すなわち、基板S上の導体パッドP上にクリームハンダHを印刷等によって塗布しておき、そして、図8に示されるように各導体パッドPと各リードの接続端子部51とが対応するように位置決めしつつ反射型センサ1を基板S上に載置する。そうして、この状態の基板を加熱炉に導入し、かつ冷却を行う。ハンダリフローのために、加熱炉の温度はたとえば250℃程度とされる。加熱炉における熱により、クリームハンダ中のハンダ成分が溶融するとともに、溶剤成分が消散する。溶融ハンダは導体パッドPとリード5の接続端子部51の双方に濡れた状態となる。そうして、ハンダが冷却固化されると、反射型センサ1は、基板Sに対して電気的かつ機械的に接続され、実装が完了する。
【0034】
発光素子31と受光素子32は、それぞれ透明樹脂部21,22 に内蔵され、かつ、この透明樹脂部21,22 は、樹脂パッケージ2の上面に露出させられている。したがって、樹脂パッケージ2の上面部を介して発光素子31から発せられた光を検出対象物体等に向けて外部に照射することができ、また、対象物体からの反射光は、樹脂パッケージ2の上面部を介して受光素子32に到達することができる。このように、本願発明に係る反射型センサ1は、その上面部が検出対象物を向くようにして配置することにより、都合よく物体の存否を検出する等の目的に使用することができる。
【0035】
また、上記発光素子31および受光素子32が内蔵された透明樹脂部2は、その側面が不透明外殻樹脂部25によって覆われており、かつこの不透明外殻樹脂部25は、各透明樹脂部21,22 間をも埋めている。したがって、各透明樹脂部21,22 には、樹脂パッケージ2の上面部以外の方向から無用な光が入り込むことがなく、また、発光素子31から発せられた光が直接的に受光素子32に到達させられることもない。また、各透明樹脂部21,22 は樹脂パッケージ2の上面部のみならず、底面部にも露出しているが、前述したように、本願発明の反射型センサ2それ自体が面実装タイプに構成されていて、実装時に樹脂パッケージ2の底面部は回路基板Sに対してわずかなすきまを介して対向することになるので、樹脂パッケージ2の底面部から外部光が透明樹脂部21,22 に導入されてセンサとしての機能が阻害されるといったことも、都合よく回避される。
【0036】
上記透明樹脂部21,22 を形成する透明エポキシ樹脂の線膨張係数は、たとえば11〜12×10-5/℃であり、不透明外殻樹脂部25を形成するPPSの線膨張係数は、たとえば6〜7×10-5/℃である。このように、外殻樹脂部25よりもこの外殻樹脂部25によって四周を拘束された透明樹脂部21,22 のほうが膨張係数が大きい。上記のようにハンダリフロー時の熱によって透明樹脂部21,22 が外殻樹脂部25よりも大きな比率で膨張するが、本願発明では、各透明樹脂部21,22 はその上面部と底面部の双方が樹脂パッケージ2の外部に露出しているため、図8に強調して示すように、透明樹脂部21,22 の上面部と底面部とが平均して樹脂パッケージ2の外面から膨出するという現象となって現れる。したがって、図9〜図11に示したような透明樹脂部21,22 の上面部のみが外部に露出する従来の反射型センサの場合に比較して、樹脂パッケージ2内に発生する熱応力を緩和することができるとともに、透明樹脂部21,22 の膨張変形に起因する素子31,32 やワイヤ4の変位が抑制される。その結果、本願発明に係る反射型センサ1によれば、ハンダリフローの手法によって面実装する場合のワイヤ破断の不具合の発生が著しく抑制され、信頼性が向上する。
【0037】
また、前述したように、本願発明に係る反射型センサ1は、従来と同様の製造工程を経て製造することができ、本願発明を実施するにあたって工程増加等のコスト上昇要因は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る反射型センサの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII −III 線に沿う断面図である。
【図4】上記反射型センサの製造工程の説明図である。
【図5】上記反射型センサの製造工程の説明図である。
【図6】上記反射型センサの製造工程の説明図である。
【図7】上記反射型センサの製造工程の説明図である。
【図8】本願発明の作用説明図である。
【図9】従来の反射型センサの全体構成を示す斜視図である。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図である。
【図11】図9のXI−XI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 反射型センサ
2 樹脂パッケージ
21 第1透明樹脂部
22 第2透明樹脂部
25 不透明外殻樹脂部
31 発光素子
32 受光素子
4 ワイヤ
5 リード
51 接続端子部
6 製造用フレーム
S 基板
H ハンダ
P 導体パッド
Claims (2)
- 上面部と底面部と側面部とを備えた樹脂パッケージ内に平面的に所定間隔隔てられた発光素子と受光素子とがそれぞれリードの上面側にボンディングされて埋設され、かつ上記発光素子と導通するリードおよび上記受光素子と導通するリードのそれぞれの一部が上記樹脂パッケージの底面部の高さ位置と同等または略同等の高さ位置に配置された反射型センサであって、
上記樹脂パッケージは、上記発光素子を高さ方向中間部に内蔵する第1透明樹脂部および上記受光素子を高さ方向中間部に内蔵する第2透明樹脂部と、上記第1透明樹脂部と第2透明樹脂部との間を埋め、かつ第1透明樹脂部および第2透明樹脂部の側面を覆う不透明外殻樹脂部とを備えて形成されているとともに、
上記第1透明樹脂部および第2透明樹脂部の熱膨張係数は上記不透明外殻樹脂部の熱膨張係数よりも大であり、かつ、
上記各透明樹脂部は、それらの上面部および底面部の略全域が上記樹脂パッケージの上面部および底面部の双方に露出させられていることにより、上記各透明樹脂部の熱膨張時、これらの上面露出部と底面露出部とが平均して膨出するようにしたことを特徴とする、反射型センサ。 - 上記透明樹脂部は、透明エポキシ樹脂によって形成されているとともに、上記不透明外殻樹脂部は、耐熱性樹脂によって形成されている、請求項1に記載の反射型センサ。
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