JP3857056B2

JP3857056B2 - Thermally divided composite fiber and fiber assembly

Info

Publication number: JP3857056B2
Application number: JP2001013840A
Authority: JP
Inventors: 義治薄井; 洋志岡屋
Original assignee: Daiwabo Co Ltd; Daiwabo Holdings Co Ltd
Current assignee: Daiwabo Co Ltd; Daiwabo Holdings Co Ltd
Priority date: 2000-01-24
Filing date: 2001-01-22
Publication date: 2006-12-13
Anticipated expiration: 2021-01-22
Also published as: JP2001279530A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
熱処理により容易に、かつ瞬時に分割可能であり、熱加工性（熱加工速度、工程性）に優れた分割型複合繊維に関するものであり、衛生材料、ワイパー、フィルターなど親水性能を要求する分野にも好適である熱分割型複合繊維およびこれを用いた不織布に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、優れた柔軟性、触感、拭き取り性などを得るために、分割型複合繊維を分割させて極細繊維を発現させた不織布などが使用されている。高圧流体流処理やニードルパンチ処理の物理的衝撃によって分割させる分割型複合繊維としては、例えば、特開平８−３１１７１７号公報には、ポリオレフィン系樹脂の少なくとも１成分に脂肪酸グリセライド（モノグリセリン脂肪酸エステル）、アルコキシ化アルキルフェノール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルから選ばれた親水成分を練り込み添加したポリオレフィン系分割型複合繊維が開示されている。本出願人においても、特公平６−６３１２９号公報にロックウェル硬度６０以上、各成分の炭素数差Δｎ＞０．９からなるポリオレフィン系樹脂の組み合わせからなるポリオレフィン系分割型複合繊維を提案している。また、２成分の熱収縮率の差を利用して分割させる熱分割型複合繊維としては、例えば、特開平２−１６９７２０号公報および特開平４−３１６６０８号公報には、熱収縮率の大きいポリオレフィン系成分とポリオレフィン系成分とは非相溶性の成分からなる熱分割型複合繊維が開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記分割型複合繊維には、以下の問題点がある。特開平８−３１１７１７号公報および特公平６−６３１２９号公報では、いずれも高圧流体流処理やニードルパンチ処理の物理的衝撃によって高度に分割させようと試みてなされたものであり、生産工程数が多く、生産速度も遅くなり、多くのエネルギーを必要とし、コスト高になるだけでなく、物理的衝撃によって得られる不織布は、比容積が５cm³/g以下の高密度な絡合不織布しか得られないため、その用途が制限されているのが現状である。一方、特開平２−１６９７２０号公報および特開平４−３１６６０８号公報では、物理的衝撃ではなく、熱収縮を利用して分割させるため、比容積の大きな不織布を得ることができるが、単に熱収縮率差を設けただけでは分割性が不十分であり、特開平９−４９１６０号公報では、加熱空気によるエアースルー処理後、機械的絡合処理を施し、分割性を向上させており、特開平９−３１７５５号公報では、熱収縮率の大きい低融点成分に石油樹脂を添加した熱分割型複合繊維を熱的手段を施した後、石油樹脂可溶性溶剤に浸漬し（溶剤処理）、プレス処理を施して分割性を向上させている。このため、生産工程数が多くなり、コスト高となるだけでなく、高密度な不織布しか得られないのが現状である。
したがって、物理的衝撃を用いずとも高度に分割する分割型複合繊維が未だ得られていないのが実情である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる実情を鑑みてなされたものであり、すなわち、異なる２成分からなり、熱収縮性を有する熱可塑性樹脂を第一成分とし、他方を第二成分とした熱により２成分の分割が可能な熱分割型複合繊維であって、該２成分のうちのいずれか１成分に親水化剤を０．１〜５mass％含有することを特徴とするものである。かかる構成を採ることにより、熱処理のみでも高度に、かつ瞬時に分割し、極細繊維を発現させることができ、熱加工性（熱加工速度、工程性）に優れ、比容積の大きい不織布を得ることができる。同時に、本発明の熱分割型複合繊維およびこれを用いた不織布は、高度で、永続的な親水性を有するので、衛生材料、ワイパー、フィルターなど親水性能を要求する分野にも使用することができる。
【０００５】
本発明において、前記複合繊維は、融点がＴ_１（℃）からなり、熱収縮率が４０％以上となる温度Ｔ（℃）（但し、Ｔ_１ −１３≦Ｔ（℃）＜Ｔ _１））を有する熱可塑性樹脂、又は温度Ｔ（℃）にて（但し、Ｔ_１−１３≦Ｔ（℃）＜Ｔ_１）熱収縮率が４０％以上である熱可塑性樹脂を第一成分とし、１５０≦Ｔ₂＜３００を満たす、Ｔ _２（℃）を有し、かつ温度Ｔにおいて実質的に熱収縮性を有しない熱可塑性樹脂を第二成分とした２成分からなる熱分割型複合繊維であることが望ましい。また、第一成分の熱可塑性樹脂は、融点Ｔ ₁ （℃）が、１２０≦Ｔ₁≦１４５を満たす、エチレン-プロピレン共重合体およびエチレン-プロピレン-ブテン−１三元共重合体から選ばれた少なくとも１種であり、親水化剤を０．１〜５mass％含有することが望ましい。
【０００６】
また、本発明に用いられる親水化剤は、重合度（ｎ）２〜１０のポリグリセリンと炭素数８〜２２の飽和もしくは不飽和脂肪酸（Ｒは飽和もしくは不飽和炭化水素）とのエステル化合物（ポリグリセリン脂肪酸エステル）である。
【０００７】
そして、本発明の熱分割型複合繊維を２０mass％以上含有する繊維ウェブが熱処理されてなる繊維集合物は、高度に分割し、極細繊維を発現されており、様々な用途に使用することができる。
以下、本発明の内容を具体的に説明する。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の熱分割型複合繊維は、異なる２成分からなり、熱収縮性を有する熱可塑性樹脂を第一成分とし、他方を第二成分とした熱により２成分の分割が可能な熱分割型複合繊維である。本発明でいう熱収縮性を有する成分とは、一方の成分と他方の成分とを同じ熱処理条件で処理をしたとき、熱収縮する力の大きい方の成分のことをいう。本発明の熱分割型複合繊維は、繊維断面において複数成分のうちの少なくとも１成分は２個以上に区分されており、各成分は各々が繊維断面の構成単位となっており、各構成単位は互いに異なる成分の構成単位と隣接し、且つ全ての各構成単位はその一部を繊維表面に露出した構造からなり、その形状も円形、異形、中空のいずれであってもよく、例えば、図１および図２に示すような繊維形態を有するものである。そして、本発明の熱分割型複合繊維は、融点がＴ₁（℃）であり、熱収縮率が４０％以上となる温度Ｔ（℃）（但し、Ｔ ₁ −１３≦Ｔ（℃）＜Ｔ ₁ ）を有する熱可塑性樹脂、又は温度Ｔ（℃）にて（但し、Ｔ₁−１３≦Ｔ（℃）＜Ｔ₁）、熱収縮率が４０％以上である熱可塑性樹脂を第一成分とし、Ｔ₁より２０℃以上高く、１５０℃≦Ｔ _２＜３００℃を満たす、融点Ｔ _２（℃）を有し、かつ温度Ｔ（℃）において実質的に熱収縮性を有しない熱可塑性樹脂を第二成分とした、２成分からなることが好ましい。本発明でいう融点とは、ＪＩＳ−Ｋ−７１２２に準じ、ＤＳＣ法により測定したものをいう。また、本発明でいう熱収縮率とは、第１成分、第２成分を個別に単一成分で２２０〜３００℃の温度範囲で溶融紡糸し、７０℃以上の温水、熱風、あるいは熱媒中にて３倍以上に延伸して、最終繊度が２．２〜１１dtexになるように試料を作製し、ＪＩＳ−Ｌ−１０１３７．１６．２（熱収縮温度）に準じ、試料長を１０cm、初荷重を２mg/dtexとして所定の温度における試料長を測定し、収縮前の試料長（１０cm）から収縮後の試料長を差し引いた値を収縮前の試料長で除して、１００を乗じたものをいう。本発明において、温度Ｔにおける第一成分の熱収縮率は４０％以上であり、より好ましくは５０％以上である。第一成分の熱収縮率が４０％未満であると、第二成分との収縮剥離が不十分で、不織布等の加工時に分割し難い繊維となってしまうからである。
【０００９】
上記範囲を満たす熱可塑性樹脂としては、エチレン-プロピレン共重合体（以下、ＥＰという）、あるいはエチレン-プロピレン-ブテン−１三元共重合体（以下、ＥＰＢという）などのプロピレン系共重合体、エチレン−ブテン−１共重合体(以下、ＥＢという）、イソフタル酸成分または金属化スルホン酸基含有ポリエステル系共重合体などが挙げられる。なかでも、融点が１２０≦Ｔ₁≦１４５の範囲にあるＥＰ、ＥＰＢ、およびＥＢから選ばれた少なくとも１種であることが、加工性、コストの点で好ましい。上記ＥＰ、ＥＰＢとしては、エチレン含有量が２〜８mass％のプロピレン系ランダム共重合体、あるいはブロック共重合体が挙げられる。熱収縮率の点においては、ＥＰが最も優れており、次いでＥＰＢ、ＥＢの順であり、ＥＰを用いるのが熱分割性において最も好ましい。
【００１０】
一方、第二成分としては、Ｔ₁より２０℃以上高く、１５０℃≦Ｔ _２＜３００℃を満たす、融点Ｔ _２（℃）を有し、かつ温度Ｔ（℃）において実質的に熱収縮性を有しない熱可塑性樹脂であることが好ましい。第一成分との融点差は５０℃以上であることがより好ましい。融点差が２０℃未満であると、熱加工機の温度制御が困難であったり、熱風加工などでは風量によっては軟化温度付近で接着が生じたりして、加工温度において制約を受けたり、あるいは第一成分の熱収縮が阻害されたりするからである。また、ここでいう実質的に熱収縮性を有しないとは、温度Ｔにおける熱収縮率が４％未満、好ましくは１％未満のものである。温度Ｔにおいて熱収縮性を有するものでは、熱分割性に劣るだけでなく、不織布化したときに多大な熱収縮を引き起こして、地合斑となるからである。上記を満たす熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン６、ナイロン６６、ナイロン６１０、ナイロン１１、ナイロン１２などのポリアミド系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコール共重合体などのポリオレフィン系樹脂などを使用することができる。なかでも、本発明の熱分割型複合繊維は、第二成分としてポリエステル、ポリアミド、あるいはポリメチルペンテンを使用すると、第一成分のＥＰあるいはＥＰＢとの繊維製造における工程安定性や熱分割性の観点で好ましい。
【００１１】
そして、本発明においては、熱処理のみによる瞬間分割性を向上させるため、前記２成分のうちのいずれか１成分に親水化剤が０．１〜５mass％含有させる。より好ましい含有率は、０．３〜３mass％である。親水化剤を含有させることにより、分割性だけでなく、同時に高度で、永続的な親水性能を得ることができる。親水化剤の含有量が０．１mass％未満であると、分割性が不十分であるとともに親水性能も得ることができなくなり、含有量が５mass％を超えると、紡糸時の糸切れが増加して品質低下と工程性の低下を引き起こすので好ましくない。また、前記２成分のうち熱収縮成分である第一成分に親水化剤を含有させた方が、収縮に伴う成分間の剥離性が向上するため、分割性に優れ、特に好ましい。
【００１２】
前記親水化剤としては、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホン基などの親水基を有する化合物であればいずれであってもよく、例えば、脂肪酸グリセライド（モノグリセリン脂肪酸エステル）、アルコキシ化アルキルフェノール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミドなどが挙げられるが、できるだけ親水性能の持続するもの（親水持続性）、あるいは繊維表面へのブリード速度の遅いもの（親水遅効性）が好ましく、例えば、両者を満たすものとしては、下記式（化２）に示す重合度（ｎ）２〜１０のポリグリセリンと炭素数８〜２２の飽和もしくは不飽和脂肪酸（Ｒは飽和もしくは不飽和炭化水素）とのエステル化合物（以下、単に「ポリグリセリン脂肪酸エステル」ともいう）が挙げられ、親水性能だけでなく、分割性にも優れ、特に好ましい。
【００１３】
【化２】

【００１４】
次に、本発明の熱分割型複合繊維の製造方法について説明する。まず、前記範囲を満たす熱可塑性樹脂を準備し、２成分のうちいずれか１成分に前記親水化剤を含有させる。含有させる方法としては、溶融紡糸時に構成樹脂ペレットとともに押出機に所定の割合で親水化剤を供給する方法や、公知の混合装置を用いて混合し、公知の単軸または２軸押出機等で溶融混合して、あらかじめマスターバッチ化しておく方法などが挙げられるが、後者の方が親水化剤が成分中に均一に分散するので好ましい。
【００１５】
そして、前記２成分は公知の溶融紡糸機で、分割型複合ノズルを用い、繊維断面において複数成分のうち第一成分と第二成分が隣接し、互いに分割された構造となるように、紡糸温度２２０〜３００℃で樹脂を押し出して溶融紡糸し、繊度５〜５０dtexの紡糸フィラメントを作製する。このとき、２成分の複合比（容積比）は、紡糸性、分割性を考慮し、８０：２０〜２０：８０であることが好ましい。次いで、紡糸フィラメントは、必要に応じて延伸される。延伸は、温水、熱風、あるいは熱媒中にて延伸温度７０℃以上、ＥＰあるいはＥＰＢを用いる場合は７０〜１３０℃で、延伸倍率３倍以上で処理すると、繊維強力が向上するので好ましい。また、延伸倍率を破断点に近づけるほど第一成分、特にＥＰあるいはＥＰＢの熱収縮率は大きくなり、反対に第二成分にポリエチレンテレフタレートなどの汎用の樹脂であれば熱収縮率が０に近づき瞬間分割性が向上し、好ましい。得られた延伸フィラメントには、繊維処理剤を付着させてもよい。そして、必要に応じて、捲縮付与装置で捲縮を与え、所定の長さに切断されて本発明の熱分割型複合繊維を得る。
【００１６】
得られた熱分割型複合繊維の繊度は、分割後の極細繊維の繊度が１dtex未満となるように適宜設定すればよいが、０．５〜２０dtexとすることが好ましい。複合繊維の繊度が０．５dtex未満であると、繊維化が困難となり、２０dtexを超えると、分割後の繊度１dtex未満の極細繊維を得るのが困難となるからである。また、分割後発生する極細繊維の繊度は、１dtex未満であることが好ましい。より好ましくは、０．５dtex未満であり、さらに好ましくは、０．３dtex未満である。また、繊維形態も有端のステープル繊維や抄紙用短繊維の形状、あるいはマルチフィラメントのような長繊維いずれであってもよいが、特に、有端のステープル繊維や抄紙用短繊維が、熱処理によって第二成分が収縮して繊維の分割が促進され易い点で好ましい。
【００１７】
得られた熱分割型複合繊維は、不織布、フェルト、紙、織物、編物、フロッキー加工品などの繊維集合物に加工することができる。このとき熱分割型複合繊維の含有量は２０mass％以上であることが好ましい。より好ましくは、３０mass％である。含有量が２０mass％未満であると、極細繊維独特の良質な風合いや機能性を発揮できないからである。本発明の熱分割型複合繊維以外に混合する他の素材としては、特に限定はされないが、コットン、パルプ、麻、レーヨンなどのセルロース系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン６、ナイロン６６などのポリアミド系繊維、アクリル系繊維、あるいはポリオレフィン系繊維などから任意に一あるいは二以上選択して使用することができる。また繊維形状においても特に限定されず、単一繊維、鞘芯型複合繊維、偏心鞘芯型複合繊維、並列型複合繊維、海島型複合繊維、分割型複合繊維等の断面が円状、異形状等いずれであってもよい。
【００１８】
前記繊維集合物の形態としては、特に不織布形態が有用である。不織布の形態としては、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等の主としてステープル繊維からなる不織布、スパンボンド不織布等の長繊維からなる不織布、湿式抄造法による湿式不織布、エアレイ不織布等の短繊維からなる不織布、あるいはこれらの積層体をその目的、用途に応じて決定するとよいが、なかでもエアースルー不織布、あるいはエンボス不織布からなるサーマルボンド不織布が本発明の熱分割性を発揮する上において最も効果的な形態である。
【００１９】
前記サーマルボンド不織布は、以下のように製造するとよい。熱処理温度は１成分の熱収縮率が４０％以上となる温度、すなわちＴ（℃）以上で熱処理することが好ましく、さらに、第一成分の融点以上、すなわちＴ₁（℃）以上の温度で熱処理すると、高度に熱収縮し分割性が向上するとともに、構成繊維間を熱融着させることができる点でより好ましい。熱処理温度がＴ₁未満であっても、例えば、高密度ポリエチレン／ポリプロピレン、高密度ポリエチレン／ポリエステル、低密度ポリエチレン／ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体／ポリプロピレンなどの１成分がＴ₁より低融点からなる複合繊維を含有させて熱融着させてもよい。
【００２０】
【実施例】
以下、本発明について実施例にてさらに詳しく説明する。なお、繊維強伸度、不織布の厚み、分割率、親水性は以下のようにして測定した。
【００２１】
［繊維強伸度］
ＪＩＳ−Ｌ−１０１５に準じ、測定した。
【００２２】
［厚み］
厚み測定機（商品名：THICKNESS GAUGE モデル CR-60A 株式会社大栄科学精器製作所製）を用い、試料１cm² あたり２０ｇの荷重を加えた状態で測定した。
【００２３】
［分割率］
不織布の観察部分を電子顕微鏡にて５００倍に拡大して任意に３箇所撮影し、撮影写真の分割している部分の面積比率にて分割率を算出した。
【００２４】
［親水性］
特開平９−３２２９１１号公報に記載された通液試験法に準じて行った。すなわち、６０mm×６０mmの寸法に切り出した不織布の上に、アドバンテック東洋（株）製「トーヨーＮｏ．２濾紙」を重ねシリコンパッキングを介してこれらを上下部からなる一対の通液用ガラス器具（高さ７５mm、内径３６mm、肉厚３mmの円筒状）間に挟持固定した。そして、通液用ガラス器具の両端には、外径６０mmのフランジ部分を設け、下部の通液用ガラス器具の下方には液受けが載置された電子天秤を配置した。次いで、上部の通液用ガラス器具に４０mlのイオン交換水を注入し、通液量が２０mlになるまでの時間を測定する。２０ml通液後、上記不織布を取り出し、２枚の濾紙の間に挟み込み、その上に重さ1kgの重りを載せて１分間放置し、これを１サイクルとして通液時間（秒）の測定を１サイクル目（１回）、３サイクル目（３回）、５サイクル目（５回）で行った。なお、通液時間が１８０秒を超えるものの評価は、×とした。
【００２５】
［実施例１］
第一成分を融点１３８℃、エチレン含有量４mass％、１２５℃における熱収縮率５０％のエチレン-プロピレン共重合体（ＥＰ、宇部興産（株）製：商品名Ｙ−２０４５ＧＰ）９０mass％に、親水化剤として重合度４のポリグリセリンと炭素数６の不飽和脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステルが８mass％含有するマスターバッチを１０mass％混合した熱可塑性樹脂（親水化剤含有量０．８mass％）とし、第二成分を融点２６５℃、１３８℃における熱収縮率０％のポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ、東レ（株）製：商品名Ｔ−２００Ｅ）とを８分割型ノズルを用いて、第一成分／第二成分の複合比５０／５０、紡糸温度２４０℃／３００℃、引取速度１０００m/分で溶融紡糸し、繊度６．７dtexの図１に示す歯車型の断面を持つ８分割複合紡糸フィラメントを得た。次いで、紡糸フィラメントを８０℃の温水中で３倍に湿式延伸を行い、親水性油剤を０．３mass％付着させ、スタッファボックスを通して機械捲縮を付与し、１１０℃でコンベア式の熱風貫通型乾燥機で乾燥を行って、切断して、繊度２．２dtex、繊維長３８mmの熱分割型複合繊維を得た。なお、ＥＰおよびＰＥＴの熱収縮率は、各々単一成分で上記紡糸温度（ＥＰは２４０℃、ＰＥＴは３００℃）、引取速度（１０００m/min）、延伸条件（８０℃温水中での３倍延伸）で処理して得た単繊維（繊度２．２dtex）を評価した。
【００２６】
得られた繊維をローラーカードにて目付３０g/m²のカードウエブを作製し、エンボス面積０．７８５mm²/個、エンボス率１９．６％のエンボスロールを用いて、ロール温度１３０℃、ロール速度４m/min、線圧３０kg/cmでエンボス加工を行い、極細繊維不織布を得た。
【００２７】
［実施例２］
実施例１のエチレン-プロピレン共重合体９０mass％に、親水化剤として重合度４のポリグリセリンとオレイン酸（炭素数１７の不飽和脂肪酸）からなるポリグリセリン脂肪酸エステルが８mass％含有するマスターバッチを１０mass％混合した熱可塑性樹脂（親水化剤含有量０．８mass％）とした以外は、実施例１と同様の方法で繊度２．２dtex、繊維長３８mmの熱分割型複合繊維および極細繊維不織布を得た。
【００２８】
［実施例３］
実施例１のエチレン-プロピレン共重合体８０mass％に、実施例２のポリグリセリン脂肪酸エステルが８mass％含有するマスターバッチを２０mass％混合した熱可塑性樹脂（親水化剤含有量１．６mass％）とした以外は、実施例１と同様の方法で繊度２．２dtex、繊維長３８mmの熱分割型複合繊維および極細繊維不織布を得た。
【００２９】
［比較例１］
親水化剤として、下記式（化３）で示すＲが炭素数１７のアルキル基を有するモノグリセリン脂肪酸エステルを使用した以外は、実施例１と同様の方法で繊度２．２dtex、繊維長３８mmの熱分割型複合繊維および極細繊維不織布を得た。

【００３０】
［比較例２］
第一成分に親水化剤を添加しなかった以外は、実施例１と同様の方法で熱分割型複合繊維および不織布を得た。
【００３１】
［比較例３］
比較例２の不織布に、表裏面より６MPaの圧力で高圧柱状水流を裏表各２回噴射して熱分割型複合繊維を分割させるとともに繊維間を交絡させ、１１０℃で乾燥して絡合不織布を得た。
【００３２】
［比較例４］
実施例１のエチレン-プロピレン共重合体９９mass％に、実施例２のポリグリセリン脂肪酸エステルが８mass％含有するマスターバッチを１mass％混合した熱可塑性樹脂（親水化剤含有量０．０８mass％）とした以外は、実施例１と同様の方法で熱分割型複合繊維および不織布を得た。
実施例１〜３および比較例１〜４の物性を表１に示す。
【００３３】
【表１】

【００３４】
実施例１〜３の熱分割型複合繊維は、エンボスロールによる熱処理のみで９０％以上分割しており、親水化剤として化２に示すポリグリセリン脂肪酸エステルを用いると、高度に分割するとともに耐久親水性にも優れていた。一方、比較例２は熱処理だけでは十分に分割しておらず、ほとんどの繊維を分割させるのに、比較例３の高圧柱状流処理を併用しなければならず、比容積の小さい高密度な不織布しか得られなかった。また、親水化剤が付与されていないので耐久親水性は得られなかった。比較例４では親水化剤の含有量が少ないため、分割性が十分ではなかった。
【００３５】
【発明の効果】
本発明の熱分割型複合繊維は、熱収縮性を有する熱可塑性樹脂と、実質的に熱収縮性を有しない熱可塑性樹脂の２成分のうちのいずれか１成分に、親水化剤として重合度（ｎ）２〜１０のポリグリセリンと炭素数８〜２２の飽和もしくは不飽和脂肪酸（Ｒは飽和もしくは不飽和炭化水素）からなるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有させることにより、熱処理のみでも高度に、かつ瞬時に分割し、極細繊維を発現させることができ、比容積の大きい不織布を得ることができる。同時に、本発明の熱分割型複合繊維およびその繊維集合物は、高度で、永続的な親水性を有することができる。さらに、第一成分の熱可塑性樹脂を、１２０≦Ｔ₁≦１４５を満たす融点Ｔ ₁ （℃）を有する、エチレン-プロピレン共重合体およびエチレン-プロピレン-ブテン−１三元共重合体から選ばれた少なくとも１種とし、これに親水化剤を含有させると、高度な熱収縮率が得られ、瞬間分割性に優れるだけでなく、熱加工温度、熱加工速度、工程性に優れ、低コストな熱分割型複合繊維および繊維集合物を得ることができる。
本発明の熱分割型複合繊維を用いた繊維集合物は、衛生材料、ワイパー、フィルターなど親水性能を要求する分野に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に使用する分割型複合繊維の繊維断面図の一例を示す。
【図２】本発明に使用する分割型複合繊維の繊維断面図の別の一例を示す。
【符号の説明】
１．第一成分
２．第二成分[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
It is related to split-type composite fibers that can be easily and instantly divided by heat treatment and has excellent thermal processability (thermal processing speed, processability), and in fields that require hydrophilic performance such as sanitary materials, wipers, and filters. And a non-woven fabric using the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in order to obtain excellent flexibility, tactile sensation, wiping property, and the like, a nonwoven fabric obtained by dividing a split-type composite fiber to express ultrafine fibers has been used. As a split type composite fiber to be split by physical impact of high-pressure fluid flow processing or needle punch processing, for example, JP-A-8-311717 discloses fatty acid glyceride (monoglycerin fatty acid ester) as at least one component of polyolefin resin. In addition, there is disclosed a polyolefin-based split type composite fiber in which a hydrophilic component selected from an alkoxylated alkylphenol and a polyoxyalkylene fatty acid ester is kneaded and added. The present applicant also proposes a polyolefin-based split composite fiber composed of a combination of polyolefin resins having a Rockwell hardness of 60 or more and a carbon number difference of each component Δn> 0.9 in Japanese Patent Publication No. 6-63129. Yes. Further, as a heat splitting composite fiber that is split using a difference in heat shrinkage rate between two components, for example, JP-A-2-169720 and JP-A-4-316608 disclose a polyolefin having a high heat shrinkage rate. There is disclosed a heat splitting composite fiber in which a system component and a polyolefin system component are incompatible components.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the split composite fibers have the following problems. In Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-31717 and Japanese Patent Publication No. 6-63129, both attempts were made to divide highly by the physical impact of high-pressure fluid flow processing or needle punch processing, and the number of production steps was reduced. Not only is the production speed slow, requires a lot of energy, and the cost is high, but the nonwoven fabric obtained by physical impact can only obtain a high density entangled nonwoven fabric with a specific volume of 5 cm ³ / g or less. Therefore, its use is limited at present. On the other hand, in JP-A-2-169720 and JP-A-4-316608, a non-woven fabric having a large specific volume can be obtained because it is divided not by physical impact but by thermal contraction. Dividing performance is insufficient only by providing a rate difference. In Japanese Patent Laid-Open No. 9-49160, after air-through treatment with heated air, mechanical entanglement processing is performed to improve dividing performance. In Japanese Patent No. 9-31755, a thermal partitioning composite fiber obtained by adding a petroleum resin to a low melting point component having a large thermal shrinkage rate is subjected to thermal means, and then immersed in a petroleum resin-soluble solvent (solvent treatment), followed by press treatment. To improve the splitting performance. For this reason, not only the number of production processes is increased and the cost is increased, but also only a high density nonwoven fabric can be obtained.
Therefore, the actual situation is that a split-type composite fiber that can be highly divided without using physical impact has not yet been obtained.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made in view of such a situation. That is, the two components are divided by heat, which is composed of two different components, the heat-shrinkable thermoplastic resin as the first component, and the other as the second component. A heat-splitting composite fiber that is capable of containing 0.1 to 5 mass% of a hydrophilizing agent in any one of the two components. By adopting such a configuration, even with heat treatment alone, it is possible to divide highly and instantly to express ultrafine fibers, and to obtain a nonwoven fabric with excellent thermal processability (thermal processing speed, processability) and a large specific volume. Can do. At the same time, the heat-splitting composite fiber of the present invention and the non-woven fabric using the same have high and permanent hydrophilicity, and therefore can be used in fields that require hydrophilic performance such as sanitary materials, wipers, and filters. .
[0005]
In the present invention, the composite fibers, the melting point is from _{T 1} (° C.), the temperature T of the thermal shrinkage of 40% or more (° C.) _{(where, T 1 -13 ≦ T (℃} ) <T 1)) Or a thermoplastic resin having a thermal shrinkage of 40% or more at a temperature T (° C.) (where T ₁ −13 ≦ T (° C.) <T ₁ ), and 150 ≦ satisfy T ₂ <300 it has a T 2 _(° C.), and a substantially thermally splittable conjugate fiber comprising two components having no thermoplastic resin and the second component of heat-shrinkable at a temperature T Is desirable. Further, the thermoplastic resin of the first component is an ethylene-propylene copolymer and an ethylene-propylene-butene-1 terpolymer having a melting point T ₁ (° C.) satisfying 1 2 0 ≦ T ₁ ≦ 145. It is at least one selected and preferably contains 0.1 to 5 mass% of a hydrophilizing agent.
[0006]
In addition, the hydrophilizing agent used in the present invention is an ester compound of a polyglycerin having a polymerization degree (n) of 2 to 10 and a saturated or unsaturated fatty acid having 8 to 22 carbon atoms (R is a saturated or unsaturated hydrocarbon). polyglycerol fatty acid ester) Ru der.
[0007]
And the fiber assembly formed by heat-treating the fiber web containing 20 mass% or more of the heat splitting composite fiber of the present invention is highly divided to express ultrafine fibers and can be used for various applications. .
The contents of the present invention will be specifically described below.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The heat splitting composite fiber of the present invention is composed of two different components, and a heat splitting composite capable of splitting two components by heat using a heat-shrinkable thermoplastic resin as the first component and the other as the second component. Fiber. The component having heat shrinkability in the present invention refers to a component having a larger heat shrinking force when one component and the other component are treated under the same heat treatment conditions. In the heat-splitting conjugate fiber of the present invention, at least one component of the plurality of components in the fiber cross section is divided into two or more, and each component is a structural unit of the fiber cross section, and each structural unit is Each structural unit is adjacent to structural units of different components, and a part of each structural unit is exposed on the fiber surface, and the shape may be any of circular, irregular, and hollow. For example, FIG. And it has a fiber form as shown in FIG. The heat splitting composite fiber of the present invention has a melting point of T ₁ (° C.) and a temperature T (° C.) at which the heat shrinkage rate is 40% or more (provided that T ₁ −13 ≦ T (° C.) <T ₁ ) or at a temperature T (° C.) (where T ₁ −13 ≦ T (° C.) <T ₁ ) , T ₁ than 20 ° C. or higher rather high, satisfy _{150 ℃ ≦ T 2 <300 ℃} , melting point _{T 2} (° C.) has, and the temperature T (° C.) substantially free thermoplastic shrinkable in It is preferable that it consists of 2 components which used as the 2nd component. The melting point as used in the field of this invention means what was measured by DSC method according to JIS-K-7122. Further, the had will heat shrinkage in the present invention, the first component, separately second component melt-spun at a temperature range of 220 to 300 ° C. in a single-component, 70 ° C. or more hot water, hot air or heating medium, The sample was drawn 3 times or more inside to prepare a sample having a final fineness of 2.2 to 11 dtex, and the sample length was 10 cm in accordance with JIS-L-1013 7.16.2 (heat shrink temperature). Measure the sample length at a predetermined temperature with an initial load of 2 mg / dtex, divide the sample length after shrinkage by 10 (cm) before shrinkage, and multiply by 100. say what was. In the present invention, the thermal contraction rate of the first component at the temperature T is 40% or more, more preferably 50% or more. This is because if the heat shrinkage rate of the first component is less than 40%, shrinkage peeling from the second component is insufficient, and the fiber becomes difficult to be divided during processing of a nonwoven fabric or the like.
[0009]
Examples of the thermoplastic resin that satisfies the above range include propylene-based copolymers such as ethylene-propylene copolymer (hereinafter referred to as EP) or ethylene-propylene-butene-1 terpolymer (hereinafter referred to as EPB), Examples thereof include an ethylene-butene-1 copolymer (hereinafter referred to as EB), an isophthalic acid component or a polyester copolymer containing a metallized sulfonic acid group. Among these, at least one selected from EP, EPB, and EB having a melting point in the range of 120 ≦ T ₁ ≦ 145 is preferable in terms of workability and cost. Examples of the EP and EPB include a propylene random copolymer or a block copolymer having an ethylene content of 2 to 8 mass%. In terms of the heat shrinkage rate, EP is the most excellent, followed by EPB and EB in this order, and the use of EP is most preferable in terms of thermal partitioning.
[0010]
On the other hand, as the second component, T ₁ than 20 ° C. or higher rather high, 0.99 ° C. ≦ _T 2 satisfying the <300 ° C., a melting point _{T 2} (° C.), and substantially heat-shrinkable at a temperature T (° C.) it is preferably no thermoplastic sex. The difference in melting point from the first component is more preferably 50 ° C. or higher. If the difference in melting point is less than 20 ° C., it is difficult to control the temperature of the heat processing machine, or in hot air processing, etc., adhesion may occur near the softening temperature depending on the air volume, and the processing temperature may be restricted, This is because heat shrinkage of one component is inhibited. Further, the substantially no heat-shrinkable here, the thermal shrinkage is less than 4% at a temperature T, preferably of less than 1%. Is one having a heat shrinkable at temperature T, as well as poor thermal splitting property, causing great thermal contraction when a nonwoven fabric, because the formation plaques. Examples of the thermoplastic resin that satisfies the above conditions include polyester resins such as polyethylene terephthalate and polybutylene terephthalate, polyamide resins such as nylon 6, nylon 66, nylon 610, nylon 11, and nylon 12, polymethylpentene, polypropylene, and ethylene vinyl alcohol. Polyolefin resins such as copolymers can be used. Among them, the heat-splitting composite fiber of the present invention, when polyester, polyamide, or polymethylpentene is used as the second component, is a viewpoint of process stability and heat-splitting property in fiber production with the first component EP or EPB. Is preferable.
[0011]
And in this invention, in order to improve the instantaneous partition property only by heat processing, a hydrophilizing agent is made to contain 0.1-5 mass% in any one of said 2 components. A more preferable content rate is 0.3 to 3 mass%. By including a hydrophilizing agent, not only the splitting property but also high and permanent hydrophilic performance can be obtained at the same time. When the content of the hydrophilizing agent is less than 0.1 mass%, the splitting property is insufficient and hydrophilic performance cannot be obtained. When the content exceeds 5 mass%, yarn breakage during spinning increases. This is not preferable because it causes deterioration of quality and processability. In addition, it is particularly preferable to add a hydrophilizing agent to the first component, which is a heat-shrinkable component, of the two components, because the releasability between the components accompanying shrinkage is improved and the splitting property is excellent.
[0012]
The hydrophilic agent may be any compound having a hydrophilic group such as a hydroxyl group, a carbonyl group, a carboxyl group, or a sulfone group. For example, fatty acid glyceride (monoglycerin fatty acid ester), alkoxylated alkylphenol, Oxyalkylene fatty acid esters, fatty acid diethanolamides and the like can be mentioned, but those having as long a hydrophilic performance as possible (hydrophilic persistence) or those having a slow bleed speed to the fiber surface (hydrophilic slow-acting property) are preferable. As an example, an ester compound of a polyglycerin having a polymerization degree (n) of 2 to 10 and a saturated or unsaturated fatty acid having 8 to 22 carbon atoms (R is saturated or unsaturated hydrocarbon) represented by the following formula (Chemical Formula 2) (Hereinafter also referred to as “polyglycerin fatty acid ester”) Performance not only excellent split resistance, particularly preferred.
[0013]
[Chemical 2]

[0014]
Next, the manufacturing method of the heat | fever division type composite fiber of this invention is demonstrated. First, a thermoplastic resin that satisfies the above range is prepared, and one of the two components contains the hydrophilizing agent. As a method of inclusion, a method of supplying a hydrophilizing agent to the extruder at a predetermined ratio together with the constituent resin pellets at the time of melt spinning, mixing using a known mixing device, and using a known single-screw or twin-screw extruder, etc. Although the method of melt-mixing and making a masterbatch beforehand is mentioned, the latter is preferable because the hydrophilizing agent is uniformly dispersed in the components.
[0015]
The two components are known melt spinning machines using a split type composite nozzle, and the spinning temperature is set so that the first component and the second component are adjacent to each other and divided from each other in the fiber cross section. The resin is extruded at 220 to 300 ° C. and melt-spun to produce a spinning filament having a fineness of 5 to 50 dtex. At this time, the composite ratio (volume ratio) of the two components is preferably 80:20 to 20:80 in consideration of spinnability and splitting property. The spun filament is then drawn as needed. Stretching is preferably performed in warm water, hot air, or a heat medium at a stretching temperature of 70 ° C. or higher, and in the case of using EP or EPB at 70 to 130 ° C., and at a stretching ratio of 3 times or higher, the fiber strength is improved. In addition, the closer the draw ratio is to the breaking point, the greater the heat shrinkage rate of the first component, particularly EP or EPB. On the other hand, if the second component is a general-purpose resin such as polyethylene terephthalate, the heat shrinkage rate approaches 0 and the moment. Dividability is improved, which is preferable. A fiber treating agent may be adhered to the obtained drawn filament. And if necessary, it is crimped by a crimping device and cut into a predetermined length to obtain the heat splitting composite fiber of the present invention.
[0016]
The fineness of the obtained heat-splitting composite fiber may be appropriately set so that the fineness of the ultrafine fiber after splitting is less than 1 dtex, but is preferably 0.5 to 20 dtex. This is because if the fineness of the composite fiber is less than 0.5 dtex, fiberization becomes difficult, and if it exceeds 20 dtex, it becomes difficult to obtain ultrafine fibers having a fineness of less than 1 dtex after division. Moreover, it is preferable that the fineness of the ultrafine fibers generated after the division is less than 1 dtex. More preferably, it is less than 0.5 dtex, and still more preferably less than 0.3 dtex. In addition, the fiber form may be any shape of end staple fibers or papermaking short fibers, or long fibers such as multifilaments. This is preferable in that the second component shrinks and fiber division is easily promoted.
[0017]
The obtained heat-splitting composite fiber can be processed into a fiber assembly such as a nonwoven fabric, felt, paper, woven fabric, knitted fabric, and flocked product. At this time, the content of the heat splitting composite fiber is preferably 20 mass% or more. More preferably, it is 30 mass%. This is because if the content is less than 20 mass%, the fine texture and functionality unique to ultrafine fibers cannot be exhibited. Other materials to be mixed in addition to the heat splitting composite fiber of the present invention are not particularly limited, but cellulose fibers such as cotton, pulp, hemp and rayon, polyester fibers such as polyethylene terephthalate and polybutylene terephthalate, nylon 6. One or two or more can be arbitrarily selected from polyamide fibers such as nylon 66, acrylic fibers, or polyolefin fibers. Also, the fiber shape is not particularly limited, and the cross section of a single fiber, a sheath-core composite fiber, an eccentric sheath-core composite fiber, a parallel composite fiber, a sea-island composite fiber, a split composite fiber, etc. is circular, irregularly shaped Any of these may be used.
[0018]
As the form of the fiber aggregate, a nonwoven fabric form is particularly useful. Nonwoven fabrics include thermal bond nonwoven fabrics, chemical bond nonwoven fabrics, spunlace nonwoven fabrics, nonwoven fabrics mainly composed of staple fibers such as needle punched nonwoven fabrics, nonwoven fabrics composed of long fibers such as spunbond nonwoven fabrics, wet nonwoven fabrics produced by wet papermaking, and airlaid nonwoven fabrics. It is preferable to determine the nonwoven fabric made of short fibers such as these, or a laminate of these according to the purpose and application, and among them, the thermal bond nonwoven fabric made of an air-through nonwoven fabric or an embossed nonwoven fabric exhibits the heat splitting property of the present invention. This is the most effective form above.
[0019]
The thermal bond nonwoven fabric may be manufactured as follows. The heat treatment is preferably performed at a temperature at which the thermal shrinkage rate of one component is 40% or higher, that is, T (° C.) or higher, and further at a temperature higher than the melting point of the first component, that is, T ₁ (° C.) or higher. Then, it is more preferable in that it is highly heat-shrinkable and the splitting property is improved, and the constituent fibers can be heat-sealed. Also the heat treatment temperature is less than T _1, for example, high density polyethylene / polypropylene, high density polyethylene / polyester, low density polyethylene / polypropylene, ethylene - low-melting first component is from T ₁ of the vinyl acetate copolymer / polypropylene A composite fiber made of the above may be contained and heat-sealed.
[0020]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. The fiber strength, the nonwoven fabric thickness, the split ratio, and the hydrophilicity were measured as follows.
[0021]
[Fiber strength]
It measured according to JIS-L-1015.
[0022]
[Thickness]
Using a thickness measuring machine (trade name: THICKNESS GAUGE model CR-60A manufactured by Daiei Kagaku Seiki Seisakusho Co., Ltd.), measurement was performed with a load of 20 g per 1 cm ^{2 of} the sample.
[0023]
[Split rate]
The observed portion of the nonwoven fabric was magnified 500 times with an electron microscope and arbitrarily photographed at three locations, and the division ratio was calculated by the area ratio of the divided portion of the photograph.
[0024]
[Hydrophilic]
The test was conducted according to the liquid permeation test method described in JP-A-9-322911. That is, “Toyo No. 2 filter paper” manufactured by Advantech Toyo Co., Ltd. is stacked on a non-woven fabric cut to a size of 60 mm × 60 mm, and a pair of glass instruments for liquid passage (high height) are formed through silicon packing. And a cylindrical shape having a thickness of 75 mm, an inner diameter of 36 mm, and a thickness of 3 mm. And the flange part with an outer diameter of 60 mm was provided in the both ends of the glass apparatus for liquid flow, and the electronic balance by which the liquid receiver was mounted was arrange | positioned under the glass apparatus for liquid flow of the lower part. Next, 40 ml of ion exchange water is injected into the upper glass apparatus for liquid flow, and the time until the liquid flow volume reaches 20 ml is measured. After passing 20 ml, the nonwoven fabric is taken out and sandwiched between two filter papers. A weight of 1 kg is placed on the non-woven fabric and left for 1 minute. The cycle (1 time), the 3rd cycle (3 times), and the 5th cycle (5 times) were performed. In addition, the evaluation of the liquid passing time exceeding 180 seconds was x.
[0025]
[Example 1]
The first component has a melting point of 138 ° C., an ethylene content of 4 mass%, and an ethylene-propylene copolymer (EP, manufactured by Ube Industries, Ltd .: trade name Y-2045GP) having a heat shrinkage of 50% at 125 ° C. 10 mass% of a master batch containing 8 mass% of a polyglycerin fatty acid ester composed of polyglycerin having a polymerization degree of 4 and an unsaturated fatty acid having 6 carbon atoms is used as a solubilizing agent. The second component is polyethylene terephthalate (PET, manufactured by Toray Industries, Inc .: trade name T-200E) having a heat shrinkage of 0% at a melting point of 265 ° C. and 138 ° C., using an eight-part nozzle. 8-split composite with melt ratio of 50/50, spinning temperature of 240 ° C / 300 ° C, take-up speed of 1000m / min and gear size of 6.7dtex. To give the yarn filaments. Next, the spinning filament is wet-stretched three times in warm water at 80 ° C., 0.3 mass% of the hydrophilic oil agent is adhered, mechanical crimping is imparted through a stuffer box, and a conveyor-type hot air penetration type at 110 ° C. Drying was performed with a dryer and cut to obtain a heat-splitting composite fiber having a fineness of 2.2 dtex and a fiber length of 38 mm. The thermal shrinkage ratios of EP and PET are each a single component, and the above spinning temperature (EP is 240 ° C., PET is 300 ° C.), take-up speed (1000 m / min), stretching conditions (3 times in 80 ° C. warm water) A single fiber (fineness: 2.2 dtex) obtained by treatment in the drawing was evaluated.
[0026]
A card web having a basis weight of 30 g / m ² is produced from the obtained fiber with a roller card, and an embossing roll having an embossing area of 0.785 mm ² / piece and an embossing ratio of 19.6% is used. Embossing was performed at 4 m / min and a linear pressure of 30 kg / cm to obtain an ultrafine fiber nonwoven fabric.
[0027]
[Example 2]
A master batch containing 90 mass% of the ethylene-propylene copolymer of Example 1 and 8 mass% of a polyglycerin fatty acid ester composed of polyglycerin having a polymerization degree of 4 and oleic acid (unsaturated fatty acid having 17 carbon atoms) as a hydrophilizing agent. A heat-splitting composite fiber and an ultrafine fiber nonwoven fabric having a fineness of 2.2 dtex and a fiber length of 38 mm were produced in the same manner as in Example 1 except that 10 mass% of the mixed thermoplastic resin (hydrophilic agent content 0.8 mass%) was used. Obtained.
[0028]
[Example 3]
A thermoplastic resin (hydrophilizing agent content 1.6 mass%) in which 80 mass% of the ethylene-propylene copolymer of Example 1 was mixed with 20 mass% of a master batch containing 8 mass% of the polyglycerol fatty acid ester of Example 2 was used. Except for the above, heat-splitting composite fibers and ultrafine fiber nonwoven fabrics having a fineness of 2.2 dtex and a fiber length of 38 mm were obtained in the same manner as in Example 1.
[0029]
[ Comparative Example 1 ]
As the hydrophilizing agent, a fine glycerin fatty acid ester having a fineness of 2.2 dtex and a fiber length of 38 mm was used in the same manner as in Example 1 except that R represented by the following formula (Chemical Formula 3) was a monoglycerin fatty acid ester having an alkyl group having 17 carbon atoms. Thermally divided composite fibers and ultrafine fiber nonwoven fabrics were obtained.

[0030]
[Comparative Example 2 ]
A heat-splitting conjugate fiber and a nonwoven fabric were obtained in the same manner as in Example 1 except that the hydrophilizing agent was not added to the first component.
[0031]
[Comparative Example 3 ]
The nonwoven fabric of Comparative Example 2 is sprayed with a high-pressure columnar water flow from the front and back surfaces at a pressure of 6 MPa twice each on the front and back sides to divide the heat splitting composite fibers and entangle the fibers, and dry at 110 ° C. Obtained.
[0032]
[Comparative Example 4 ]
A thermoplastic resin (hydrophilizing agent content: 0.08 mass%) was prepared by mixing 1 mass% of the master batch containing 8 mass% of the polyglycerin fatty acid ester of Example 2 with 99 mass% of the ethylene-propylene copolymer of Example 1. Except for the above, heat-splitting conjugate fibers and nonwoven fabrics were obtained in the same manner as in Example 1.
Table 1 shows the physical properties of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4 .
[0033]
[Table 1]

[0034]
Heat splittable conjugate fiber of Examples 1 3, only heat treatment embossing roll is divided 90% or more, the use of polyglycerol fatty acid ester shown in 2 as a parent water agent, as well as highly divided Excellent durability and hydrophilicity. On the other hand, Comparative Example 2 is not sufficiently divided only by heat treatment, and in order to divide most of the fibers, the high-pressure columnar flow treatment of Comparative Example 3 must be used in combination, and a high-density nonwoven fabric with a small specific volume. Only obtained. Moreover, since the hydrophilizing agent was not provided, durable hydrophilic property was not obtained. In Comparative Example 4 , since the content of the hydrophilizing agent was small, the splitting property was not sufficient.
[0035]
【The invention's effect】
The heat splitting composite fiber of the present invention has a polymerization degree as a hydrophilizing agent in any one of two components of a thermoplastic resin having heat shrinkability and a thermoplastic resin having substantially no heat shrinkability . (N) By containing a polyglycerol fatty acid ester composed of 2 to 10 polyglycerol and a saturated or unsaturated fatty acid having 8 to 22 carbon atoms (R is a saturated or unsaturated hydrocarbon) , the heat treatment alone is highly advanced, and It is possible to instantly divide and develop ultrafine fibers, thereby obtaining a nonwoven fabric with a large specific volume. At the same time, the heat splitting composite fiber and the fiber assembly of the present invention can have a high degree of permanent hydrophilicity. Further, the thermoplastic resin of the first component, having 1 to 2 0 ≦ T mp T ₁ satisfy ₁ ≦ 145 (° C.), ethylene - from butene-1 ternary copolymer - propylene copolymers and ethylene - propylene and at least one type selected, when this is contained hydrophilizing agents, advanced thermal shrinkage is obtained, not only excellent in instantaneous split, excellent thermal processing temperature, thermal processing speed, the processability, low Costly heat-splitting composite fibers and fiber aggregates can be obtained.
The fiber assembly using the heat-splitting composite fiber of the present invention can be suitably used in fields that require hydrophilic performance such as sanitary materials, wipers, and filters.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows an example of a fiber cross-sectional view of a split type composite fiber used in the present invention.
FIG. 2 shows another example of a fiber cross-sectional view of a split type composite fiber used in the present invention.
[Explanation of symbols]
1. First component 2. Second ingredient

Claims

A heat-splitting type composite fiber that can be split into two components by heat, which is composed of two different components and has a heat-shrinkable thermoplastic resin as the first component and the other as the second component, any one component a hydrophilizing agent containing 0.1~5mass%, hydrophilizing agent is the degree of polymerization represented by the following formula (formula 1) (n) 2 to 10 polyglycerol with from 8 to 22 carbon atoms A heat-splitting composite fiber characterized by being an ester compound with a saturated or unsaturated fatty acid (R is a saturated or unsaturated hydrocarbon) .

Composite fiber
Melting point is T ₁₁ (° C.), and the temperature T (° C.) (where T ₁₁ −13 ≦ T (° C.) <T ₁₁ ) As a first component,
T ₁₁ More than 20 ℃, 150 ℃ ≦ T _２2 <Melting point T satisfying 300 ° C. _２2 A thermoplastic resin having (° C.) and having substantially no heat shrinkability at the temperature T (° C.) was used as the second component.
It consists of two components, The heat | fever division type | mold composite fiber of Claim 1 characterized by the above-mentioned.

Composite fiber
A thermoplastic resin having a melting point of T ₁ (° C.) , a temperature T (° C.) (where T ₁ −13 ≦ T (° C.) <T ₁ ) and a thermal shrinkage of 40% or more is a first component. age,
T ₁ than 20 ° C. or higher rather high, 150 ℃ ≦ _T 2 satisfying the <300 ° C., a melting point _{T 2} (℃), and at a temperature T (° C.) substantially no thermoplastic resin a heat-shrinkable As the second component,
It consists of two components, The heat | fever division type composite fiber of Claim 1 characterized by the above-mentioned.

The first component thermoplastic resin has an melting point T ₁ (° C.) satisfying 120 ≦ T ₁ ≦ 145 , an ethylene-propylene copolymer, an ethylene-propylene-butene-1 terpolymer, and an ethylene-butene The heat-splitting composite fiber according to any one of claims 1 to 3, which is at least one selected from -1 copolymers and contains 0.1 to 5 mass% of a hydrophilizing agent. .

A fiber assembly comprising a fiber web containing 20 mass% or more of the heat splitting composite fiber according to any one of claims 1 to 4, which is heat-treated.