JP3856973B2 - ファン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器、電子機器等を冷却するためのファン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気機器、電子機器等に用いられるファン装置は、機器本体に取り付けられるファンハウジングと、ファンハウジングに対して回転自在であるロータ本体と、ロータ本体に設けられた複数枚の羽根とを備えている。そして、ロータ本体の内周面にはマグネットが装着され、このマグネットに対向してステータが配設されている。ファンハウジングは、送風流路が形成されたハウジング本体を有し、このハウジング本体の送風流路にロータ本体が配設されている。また、ファンハウジングは、ハウジング本体に接続壁を介して接続された支持壁部を有し、ロータ本体はこの支持壁部に軸受手段を介して回転自在に支持されている。
【0003】
このようなファン装置では、ロータ本体が所定方向に回動すると、これと一体に複数枚の羽根も回転し、かかる羽根の回動によって送風流路を軸線方向に流れる空気が生成され、この空気流によって機器本体内が冷却される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このファン装置を用いて電気機器、電子機器等の機器本体内を充分に冷却しようとすると、従来、ロータ本体及び羽根の回転数を上昇させてファン装置の静圧を増大させ、空気が機器本体内の隅々まで流れるようにしていた。しかしながら、ロータ本体の回転数を上げると、それに伴う騒音も大きくなり、新たに騒音の問題が生じる。また、回転数を大きくすると消費電力も増大する。近年、電気機器、電子機器等は使用する周囲環境を考慮して低騒音化の傾向にあり、また小電力化の傾向にあり、ファン装置の回転数を上昇させることはこれらの傾向に逆行することになる。従って、この解決策としては、回転数を上昇させずにファン装置の静圧特性を大きくすることである。
【0005】
本発明の目的は、回転数が小さくても比較的大きい静圧を得ることができるファン装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、送風流路が形成されたハウジング本体及びこのハウジング本体に接続壁を介して接続された支持壁部を有するファンハウジングと、前記送風流路内に配設され、前記支持壁部に回転自在に支持されたロータ本体と、前記ロータ本体の外周面に設けられた複数枚の羽根と、前記ロータ本体の内周面に装着されたマグネットと、前記マグネットに対向して前記支持壁部に装着されたステータとを具備するファン装置において、
前記支持壁部の外周部には軸線方向内方に突出する環状突部が設けられ、前記環状突部の内径は前記ロータ本体の外径よりも大きく、前記環状突部が前記複数枚の羽根の回転経路に近接して位置していることを特徴とする。
【0007】
本発明に従えば、ファンハウジングの支持壁部の外周部には軸線方向内方に突出する環状突部が設けられ、この環状突部の内径はロータ本体の外径よりも大きく形成されている。従って、この環状突部はロータ本体の半径方向外方に位置し、この環状突起によってハウジング本体の送風流路が小さく狭められ、これによって送風抵抗が大きくなって小さい回転数で比較的大きな静圧が得られる。従って、このファン装置を電子機器等に装着した際に風圧が比較的大きくなり、装置本体内の隅々まで空気流が流れ、装置本体内を充分に冷却することができる。また、ロータ本体の回転数を低く設定できるので消費電力も小さく、省エネルギー化も達成することができる。更に、支持壁部に設けられた環状突部は羽根の回転経路に近接して位置しているので、このことによっても送風抵抗が大きくなり、ファン装置の静圧が一層高められ、これによっても大きな静圧が得られる。
【0008】
また、本発明では、前記支持壁部には軸線方向に延びるスリーブ壁部が設けられ、前記スリーブ壁部に軸受手段を介して前記ロータ本体の軸部が回転自在に支持されており、前記スリーブ壁部と前記環状突部との間には環状凹部が形成され、前記環状凹部に前記ロータ本体の下端部が収容されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に従えば、ファンハウジングの支持壁部に設けられたスリーブ壁部と上記環状突部との間には環状凹部が形成され、この環状凹部にロータ本体の下端部が収容されている。それ故に、ハウジング本体の送風流路を流れる空気の一部がロータ本体内部に流入するのを抑えてロータ本体の浮き上がりを防止することができる。また、ロータ本体の下端部を環状凹部に収容することによって、ファン装置全体の軸線方向の大きさを小さくすることができる。
また、本発明では、前記ファンハウジングの前記環状凹部には回路基板が収容されていることを特徴とする。
【0010】
本発明では、ファンハウジングの支持壁部に形成された環状凹部に回路基板を収容してので、このことに関連してもファン装置全体の軸線方向の大きさを小さくすることができる。
【0011】
更に、本発明では、前記ファンハウジングには、前記ハウジング本体と前記支持壁壁部との間の開口の面積を変えるためのカバー部材が選択的に装着されることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、ファンハウジングにカバー部材が選択的に装着されるので、このカバー部材を装着した場合と装着しない場合とで送風流路の開口面積、換言するとハウジング本体と支持壁部との間の流路面積を変えることができ、これによってファン装置の静圧特性を変えることができる。また、大きさの異なる複数種のカバー部材を選択的に装着することによって、ファン装置の静圧特性を所望の特性に調整することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うファン装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明に従うファン装置の一実施形態を示す正面図であり、図2は、図1のファン装置を示す背面図であり、図3は、図1のファン装置の左半分を示す部分断面図であり、図4は、図1のファン装置の一部を示す部分斜視図である。
【0014】
図1及び図2を参照して、図示のファン装置は矩形状のファンハウジング2を備え、このファンハウジング2は、その大部分に円形状の送風流路4が規定されたハウジング本体6を有している。ファンハウジング2は、また、送風流路4内に配設された円形状の支持壁部8を有し、この支持壁部8が複数個(実施形態では4個)の接続壁10(図2参照)を介してハウジング本体6の軸線方向(図1及び図2において紙面に垂直な方向、図3において上下方向)の一端部(図3において下端部)に接続されている。
【0015】
図3をも参照して、支持壁部8の略中央部には中空円筒状のスリーブ壁部12が設けられ、このスリーブ壁部8は上記軸線方向に延びている。スリーブ壁部12の基部には軸支持壁部14が設けられ、軸支持壁部14はスリーブ壁部12の基部を閉塞している。このようなファンハウジング2は、例えば合成樹脂の一体成形によって形成される。
【0016】
ファン装置は、また、ファンハウジング2に対して回転自在であるロータ本体16を備えている。ロータ本体16はカップ状であり、円筒状の周壁部18と、この周壁部18の一端部(図3において上側端部)に設けられた端壁部20を有し、端壁部20の中央部には、軸部を構成する回転軸22が固定され、回転軸22の自由端部が上記軸線方向にファンハウジング2の支持壁部8に向けて延びている。
【0017】
ロータ本体16は、軸受手段を介して支持壁部8に回転自在に支持されている。この実施形態では、軸受手段は、潤滑油を含む多孔質材料から形成された含油スリーブ軸受24と合成樹脂から形成されたスラスト軸受片26から構成されている。スリーブ軸受24はスリーブ壁部12の内周面に装着され、ロータ本体16の回転軸22の外周面を支持し、ロータ本体16に作用するラジアル荷重を支持する。また、スラスト軸受片26は、軸支持壁部14の内面に形成された凹部に装着され、上記回転軸22の自由端を支持し、ロータ本体16に作用するスラスト荷重を支持する。尚、軸受手段としては、上述した構成に代えて、一対の玉軸受の組合せ、玉軸受と含油スリーブ軸受との組み合わせ、ラジアル及びスラスト動圧流体軸受の組み合わせ等を用いることができる。
【0018】
ロータ本体16の周側壁18の内周面には環状のヨーク部材28を介して環状マグネット30が装着されている。この実施形態では、周側壁18の内周面には周方向に間隔を置いて複数個の小突条32が設けられ、かかる小突条32の弾性変形を利用してヨーク部材28が装着されている。マグネット30にはN極とS極とが交互に着磁されている。このロータ本体16の周側壁18の外周面には、周方向に間隔を置いて複数枚(この実施形態では7枚)の羽根34が一体的に設けられている(特に図1、図3参照)。羽根34が設けられたロータ本体16は、ハウジング本体6の送風流路4内に配設され、各羽根34は略半径方向外方に送風流路4の内面近傍まで延びている。このような羽根付きロータ本体16は、例えば合成樹脂の一体成形によって形成される。
【0019】
ロータ本体16に装着されたマグネット30に対向してステータ36が配設されている。ステータ36は、複数枚のコアプレートを積層することによって形成されるステータコア38と、このステータコア38に所要の通りに巻かれたコイル40とを有し、ステータコア38が支持壁部8のスリーブ壁部12の外周面に装着されている。この実施形態では、ステータコア38は、例えば合成樹脂から形成されたインシュレータ42によって覆われている。インシュレータ42の内周上端部には、半径方向内方に向けて上方に突出する係合爪部44が設けられ、一方、ファンハウジング2のスリーブ壁部12の上端部外周面には環状係合凹部46が形成され、またこのスリーブ壁部12の基部外周面には肩部48が設けられている。ステータコア38の下端部をスリーブ壁部12の肩部48に当接させ、インシュレータ42の係合爪部44をスリーブ壁部12の環状係合凹部46に係合させることによって、ステータコア38はスリーブ壁部12に弾性的に装着保持される。
【0020】
ファンハウジング2の支持壁部8とステータ36との間には、ロータ本体16を回転制御するための回路基板50が配設されている。回路基板50には所定の回路パターン(図示せず)が形成され、回路パターンには駆動用IC等の電子部品(図示せず)が電気的に接続され、また、ステータ36のコイル40もこの回路パターンに電気的に接続されている。この実施形態では、インシュレータ42の内周下端部には、下方に延びる取付壁部52が設けられ、この取付壁部52の外周面に回路基板52が弾性的に装着されている。このインシュレータ42の外周下端部には下方に延びる脚部54が設けられ、かかる脚部54によって、回路基板50とステータ36との間隔が所定の間隔に維持される。また、支持壁部8の内面にはステータ36に向けて上方に突出する当接突部56が設けられ、かかる当接突起56によって、回路基板50の取付壁部52からの離脱が防止される。回路基板50にはリード線58(図1、図2参照)が電気的に接続され、外部からの駆動電流は、かかるリード線58を通して回路基板50に供給される。このリード線58の引出様式については、後述する。
【0021】
このようなファン装置では、リード線58及び回路基板50を通してステータ36のコイル40に駆動電流が供給される。このようにして駆動電流が供給されると、コイル40を流れる電流によってステータコア38が磁化され、ステータコア38とマグネット30との相互磁気作用によってロータ本体16及び羽根34が所定方向に回転駆動され、羽根34の回転によって矢印60で示す方向の空気流が生成され、かくしてファン装置の送風流路4を通して軸線方向に空気が流れる。このファン装置は、例えばパーソナルコンピュータ、サーバ等の電子機器、電気機器等に用いられ、上述した如くして生成する空気流によって機器本体内の空気を機器本体外に排出し、このようにして機器本体を冷却する。
【0022】
このファン装置では、ロータ本体16の回転数が低くても比較的大きい静圧が得られるように、更に次の通りに構成されている。ファンハウジング2の支持壁部8の外周部に、上記軸線方向に突出する環状突部62が設けられ、この環状突部62の内径は、ロータ本体16の外径よりも大きく設定されている(特に図3参照)。このように形成することによって、支持壁部8の外周部はロータ本体16を越えて半径方向外方に延び、支持壁部8の環状突部62によってハウジング本体6の送風流路4の内周領域が塞がれる。従って、送風流路4の流路面積が小さく狭められ、これによって送風抵抗が大きくなって低い回転数においても比較的大きい静圧が得られる。従って、ファン装置によって生成される空気流の風圧が大きくなり、このファン装置を電気機器等に取り付けた場合、低い回転数でもって電子機器等の機器本体内の隅々まで空気を送ることができ、この機器本体内を充分に冷却することができる。支持壁部8に設けられる環状突部62は、図3にも示すように、複数枚の羽根34の回転経路に近接するように、即ち環状突部62の内面と複数枚の羽根34の側端面との間隔H(図3)が例えば1.5〜5.0mm程度となるように設けられる。このように環状突部62を羽根34に近接させることによって、送風抵抗が更に大きくなり、ファン装置の静圧を更に高めることができる。
【0023】
この実施形態では、更に、支持壁部8の外周部に環状突部62を設けることによって、この環状突部62とスリーブ壁部12との間に環状凹部64が形成され、この環状凹部64にロータ本体16の周側壁18の下端部(解放された端部)が収容されている(図3参照)。このようにロータ本体16の一部を環状凹部64に収容することによって、送風流路4を矢印60で示す方向に流れる空気流の一部がロータ本体16内に流入することが防止され、ロータ本体16の浮き上がりを抑えることができる。尚、この浮き上がりが大きくなると、ロータ本体16がファンハウジング2から外れるようになる。また、このように構成することによって、ファン装置の軸線方向の大きさを小さくすることができ、ファン装置のコンパクト化を図ることができる。
【0024】
この実施形態では、更に、回路基板50が支持壁部8の環状突部62とスリーブ壁部12との間の環状凹部64に収容されている。このように回路基板50を環状凹部64に収容することによって、ファン装置の軸線方向の大きさを更に小さくすることができる。
【0025】
このファン装置では、ファンハウジング2のスリーブ壁部12の基部内周面には、周方向に間隔を置いて複数個、例えば4個の外側リブ66が設けられている。各外側リブ66は略三角状であり、スリーブ壁部12と軸支持壁部14との角部に一体的に設けられている。このように外側リブ66を設けることによって、軸支持壁部14の肉厚を薄くしても充分な強度を確保することができる。また、上記スリーブ壁部12の基部外周面には、周方向に間隔を置いて複数個、例えば6個の内側リブ68が設けられている。各内側リブ68は略三角状であり、スリーブ壁部12と支持壁部8との角部に一体的に設けられ、このように内側リブ68を設けることによって、樹脂成形時のスリーブ壁部12の倒れを防止することができる。
【0026】
また、ファンハウジング2には、図2に示すように、これと一体的にフィンガーガード壁70が設けられている。図示のフィンガーガード壁70は、隣接する接続壁10の間に弧状に設けられ、各フィンガーガード壁70の中央部が補助接続部72を介してハウジング本体6に接続されている。このようにフィンガーガード壁70を設けることによって、簡単な構成でもってある程度の安全性を確保することができる。尚、この実施形態では、ファン装置を機器本体に取り付けるために、ハウジング本体6に一対の取付手段74が設けられている。この取付手段74は、ハウジング本体6に一体的に設けられた取付部材76から構成され、各取付部材76には取付凹部78が形成され、機器本体側の取付凸部(図示せず)が取付部材76の取付凹部78に着脱自在に装着される。
【0027】
更に、リード線58の引出様式は、次の通りである。図2とともに図4を参照して、この形態ではファンハウジング2の接続壁10に対応して、支持壁部8の外面には補強突部80が設けられ、特定の接続壁10(図2において右下の接続壁)及びこれに対応する補強突部80の幅は、残りの接続壁10及びこれらに対応する補強突部80の幅よりも広く形成されており、これら接続壁10及び補強突部80に渡って収容凹部82が形成され、この収容凹部82はハウジング本体6の特定角部に向けて延びている。ハウジング本体6の特定角部はその角部が削除され、上記収容凹部82は削除された角部を上記軸線方向に延びている。また、ハウジング本体6の上記特定角部近傍には、上記収容凹部82の上方に向けて略L字状に延びる係止突起84が一体的に設けられている。従って、回路基板50からのリード線58は、図3に示すように補強突部80及び特定接続壁10の収容凹部82に収容されて半径方向外方に導かれ、更に、図4に示すようにハウジング本体4の特定角部において収容凹部82から係止突起84の下方を通り、ハウジング本体6の一部に形成された切欠き86を通して外部に導出され、このように構成することによって、簡単な構成でもってリード線58の浮き上がりを防止しながら確実に導出することができる。
【0028】
このファン装置においては、例えば図5に示すように、カバー部材90を着脱自在に装着してハウジング本体6の流路面積を小さくすることもできる。図5において、図示のカバー部材90は円形状のカバー本体92を有し、このカバー本体92の内側外周部に環状位置付け突起94が一体的に設けられている。カバー本体92の外径はファンハウジング2の支持壁部8の外径、即ち環状突部62の外径よりも大きく設定される。
【0029】
このようなカバー部材90は、環状位置付け突起94が環状突部62の外周壁96の内側に位置するようにファンハウジング2に装着され、例えば接着剤又は取付ねじを用いて支持壁部8に固定される。このようにカバー部材90を装着すると、その外周部が支持壁部8を越えて半径方向外方に送風流路4内に突出し、このカバー部材90によって送風流路4の流路面積が狭められる。従って、単にカバー部材90を取り付けることによって、送風流路4の流路面積を小さくすることができ、換言するとファン装置の送風抵抗を大きくすることができ、比較的低い回転数において、カバー部材90を装着しない場合に比してファン装置の静圧特性を大きくすることができる。
【0030】
図5では一種類のカバー部材90を示したが、相互に外径が異なるカバー部材90を予め複数種形成し、それらのカバー部材90を適宜選択して取り付けることによって、ファン装置の静圧特性を所望の特性にすることができる。尚、図5の形態では、カバー部材を装着することによってハウジング本体6の送風流路4の流路面積を変えているが、このようなカバー部材90を取り付けることに代えて、例えば流路面積を可変にするためのスライド機構を設け、このスライド機構によって流路面積を変えるようにすることもできる。
実施例比較例
上述したファン装置の効果を確認するために、次の通りの実験を行った。ファン装置の基本的構成が実質上同一であるが、ファンハウジングの支持壁部の外径が異なる3種類(タイプA〜C)のファン装置を用いてP(静圧)−Q(風量)特性を測定した。3種類のファン装置の基本的構成は、図1〜図4に示すものと実質上同一であり、共通構成部分の大きさ等は、下記の通りであった。
【0031】
ファンハウジングの高さ:37mm 送風流路の内径:102mm
ロータ本体の外径:38mm ロータ本体の高さ:22mm
接続壁の個数:4個 羽根の枚数:7枚
ハウジング本体の内周面と羽根の先端との間隔:1.2mm
フィンガーガード壁:全周に渡り1個
3種類のファン装置の相互に異なる構成部分の大きさ等は、下記の通りであった。理解を容易にするために、支持壁部の環状突部の内径D1、その外径D2、支持壁部と羽根との間隔H1及び支持壁部の環状凹部の深さH2を図3に示す。
【0032】
(1)ファン装置のタイプA
支持壁部の環状突部の内径D1:40mm
支持壁部の環状突部の外径D2:77mm
支持壁部と羽根との間隔H1:2mm
支持壁部の環状凹部の深さH2:5mm
(2)ファン装置のタイプB
支持壁部の環状突部の内径D1:40mm
支持壁部の環状突部の外径D2:57mm
支持壁部と羽根との間隔H2:2mm
支持壁部の環状凹部の深さH2:5mm
(3)ファン装置のタイプC
支持壁部の環状突部:削除する 支持壁部の外径39mm
タイプA〜Cの各ファン装置についてP−Q特性を測定した結果、図6に示す通りの測定結果が得られた。図6は、所定風量(m3/min)を流したときのファン装置の静圧(mmAq)及び回転数(rpm)を示しており、一点鎖線AがタイプAのファン装置の測定結果であり、破線BがタイプBのファン装置の測定結果であり、また実線CがタイプCのファン装置の測定結果である。かかる測定結果から、2200rpm程度の比較的低い回転数においては、風量が約0.6m3 /minより少ないと、タイプCよりもタイプBの方が静圧が大きく、このタイプBよりもタイプAの方が静圧が更に大きかった。この測定結果から、ファンハウジングの支持壁部の外径を大きくしてハウジング本体の送風流路の流路面積を狭くした方が静圧が大きくなることが確認された。
【0033】
以上、本発明に従うファン装置の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0034】
例えば、図示の実施形態では、ファンハウジング2に一体的にフィンガーガード壁70を設けているが、安全性が問題とならない場合等においてはこのフィンガーガード壁70を省略してもよい。尚、フィンガーガード壁70を削除した場合、送風抵抗が幾分低下するので、比較的低回転数におけるファン装置の静圧特性は、フィンガーガード壁がある場合に比して幾分小さくなる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の請求項1のファン装置によれば、比較的低い回転数において大きな静圧が得られる。また、ロータ本体の回転を低く設定できるので消費電力も小さく、省エネルギー化が達成できる。
【0036】
また、本発明の請求項2のファン装置によれば、送風流路を流れる空気の一部がロータ本体内部に流入するのを抑えてロータ本体の浮き上がりを防止することができ、またファン装置全体の軸線方向の大きさを小さくすることができる。
また、本発明の請求項3のファン装置によれば、ファン装置全体の軸線方向の大きさを一層小さくすることができる。
【0037】
更に、本発明の請求項4のファン装置によれば、カバー部材を装着した場合と装着しない場合とでファン装置の静圧特性を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うファン装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のファン装置を示す背面図である。
【図3】図1のファン装置の左半分を示す部分断面図である。
【図4】図1のファン装置の一部を示す部分斜視図である。
【図5】図1のファン装置にカバー部材を装着した状態の左半分を示す断面図である。
【図6】3種類のファン装置のP−Q特性の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
2 ファンハウジング
4 送風流路
6 ハウジング本体
8 支持壁部
10 接続壁
12 スリーブ壁部
16 ロータ本体
24 含油スリーブ軸受
26 スラスト軸受片
30 マグネット
34 羽根
36 ステータ
50 回路基板
58 リード先
62 環状突部
64 環状凹部
90 カバー部材
Claims (4)
- 送風流路が形成されたハウジング本体及びこのハウジング本体に接続壁を介して接続された支持壁部を有するファンハウジングと、前記送風流路内に配設され、前記支持壁部に回転自在に支持されたロータ本体と、前記ロータ本体の外周面に設けられた複数枚の羽根と、前記ロータ本体の内周面に装着されたマグネットと、前記マグネットに対向して前記支持壁部に装着されたステータとを具備するファン装置において、
前記支持壁部の外周部には軸線方向内方に突出する環状突部が設けられ、前記環状突部の内径は前記ロータ本体の外径よりも大きく、前記環状突部が前記複数枚の羽根の回転経路に近接して位置していることを特徴とするファン装置。 - 前記支持壁部には軸線方向に延びるスリーブ壁部が設けられ、前記スリーブ壁部に軸受手段を介して前記ロータ本体の軸部が回転自在に支持されており、前記スリーブ壁部と前記環状突部との間には環状凹部が形成され、前記環状凹部に前記ロータ本体の下端部が収容されていることを特徴とする請求項1記載のファン装置。
- 前記ファンハウジングの前記環状凹部には回路基板が収容されていることを特徴とする請求項2記載のファン装置。
- 前記ファンハウジングには、前記ハウジング本体と前記支持壁壁部との間の開口の面積を変えるためのカバー部材が選択的に装着されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のファン装置。
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1999
- 1999-02-02 JP JP02447199A patent/JP3856973B2/ja not_active Expired - Lifetime
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