JP3856178B2 - 2重胴式ドーム型再生器と、その製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、直火式吸収冷凍機等において使用される2重胴式ドーム型再生器と、その製造方法に関し、特に構造が簡単で、品質に優れ、熱効率の高い2重胴式ドーム型再生器と、該再生器を比較的簡単で安価な方法で製造することができる製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の直火式吸収冷凍機あるいは直火式吸収冷温水機等において使用されるドーム型再生器は、単胴式ドーム型再生器であって、このものにおいては、図5および図6に図示されるように、単胴式ドーム型再生器01を構成する単胴02が、ドーム状の天井壁03aを有する逆有底内筒部分03と、該逆有底内筒部分03を囲み、天井壁04aを有する逆有底外筒部分04と、これら逆有底内筒部分03と逆有底外筒部分04とを下部で一体に結合する環状結合壁部分05とからなり、該逆有底内筒部分03内のドーム状空間A’が燃焼室とされ、単胴02の外周(逆有底外筒部分04の外周)と再生器01のケーシング012との間の空間が排ガス通路D'とされ、逆有底外筒部分04の天井壁04aに、希吸収液の供給口兼冷媒蒸気の導出口01Oが設けられ、単胴02の底部から濃吸収液が濃吸収液導出管011により外部に導出されるようになっている。016はバーナ、014は排ガス通路D'に接続する排気筒である。
【0003】
そこで、いま、バーナ016の運転により発生した燃焼ガスは、燃焼室A'内において、該燃焼室A'に臨む逆有底内筒部分03の伝熱壁面に輻射熱を伝達し、該伝熱壁面を介して単胴02内に収容された吸収液021を加熱する。燃焼室A'内における燃焼ガス温度は、800〜1000°Cである。
【0004】
次いで、燃焼室A'内において輻射熱を放出した燃焼ガスは、バーナ016の燃焼筒017と逆有底内筒部分03との間の通路B'に入り、該逆有底内筒部分03の伝熱壁面に対流熱を伝達しつつ、単胴02の下部連絡通路C'を通って通路D'に入り、逆有底外筒部分04の伝熱壁面に残りの対流熱の大部分を伝達して、排気筒014より大気中に放出される。通路C'を流れる燃焼ガス温度は500〜600°C、排気筒014を出る排ガス温度は200〜230°Cである。
【0005】
この間、単胴02内の吸収液021は、逆有底内筒部分03および逆有底外筒部分04の伝熱壁面からの伝熱により加熱されて、その内部に吸収していた冷媒液を蒸発、分離させる。単胴02内の吸収液021の加熱温度は、120〜150°Cである。このようにして蒸発、分離された冷媒蒸気は、希吸収液供給口兼冷媒蒸気導出口010より次段の凝縮器へと送られる。
【0006】
他方、冷媒液が蒸発、分離された後の吸収液は、濃吸収液となって、単胴02の底部に溜まり、該底部にその先端部が臨むように配設された濃吸収液導出管011により外部に導出されて、次段の吸収器に供給される。
【0007】
しかしながら、従来のこのような単胴式ドーム型再生器01にあっては、単胴02内の吸収液021の温度が120〜150°Cであるのに対して、排気筒014を出る排ガス温度は200〜230°Cにも達しており、放熱ロスが大きい。また、再生器01のケーシング012が高温に加熱され、該ケーシング012の外壁面から外部に放熱される熱量(断熱ロス)も無視できず、全体として、熱効率がよいとはいえなかった。
【0008】
そこで、このような問題点を解消し得る再生器として、次のような構造の2重胴式ドーム型再生器が考えられる。
すなわち、この2重胴式ドーム型再生器は、内胴と外胴とを備え、前記内胴が、ドーム状の天井壁を有する逆有底第1内筒部分と、該逆有底第1内筒部分を囲む第1外筒部分と、これら逆有底第1内筒部分と第1外筒部分とを下部でつなぐ第1環状結合壁部分とからなり、前記外胴が、前記第1外筒部分より大径の第2内筒部分と、該第2内筒部分を囲み、天井壁を有する逆有底第2外筒部分と、これら第2内筒部分と逆有底第2外筒部分とを下部でつなぐ第2環状結合壁部分とからなり、前記内胴と前記外胴とが、それぞれの上方開放空間を連通状にして一体に結合され、前記逆有底第1内筒部分内のドーム状空間が、燃焼室とされ、前記内胴の第1外筒部分と前記外胴の第2内筒部分との間の空間が、燃焼ガスの通路とされ、前記逆有底第2外筒部分の天井壁に、希吸収液の供給口兼冷媒蒸気の導出口が設けられ、前記内胴の底部から濃吸収液が導出されるようにされた構造の2重胴式ドーム型再生器である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この2重胴式ドーム型再生器は、構造が簡単で、品質に優れ、断熱・放熱ロスが少なくて、熱効率に優れているが、本願の発明は、このような2重胴式ドーム型再生器の提供と、該再生器を比較的簡単で、量産性に優れた方法で製造することができる製造方法を提供することを課題とする
【0010】
【課題を解決するための手段および効果】
本願の発明は、前記のような課題を解決した2重胴式ドーム型再生器と、その製造方法に関わり、その請求項1に記載された発明は、2重胴式ドーム型再生器が、内胴と外胴とを備え、前記内胴が、ドーム状の天井壁を有する逆有底第1内筒部分と、該逆有底第1内筒部分を囲む第1外筒部分と、これら逆有底第1内筒部分と第1外筒部分とを下部で一体に結合する第1環状結合壁部分とからなり、前記外胴が、前記第1外筒部分より大径の第2内筒部分と、該第2内筒部分を囲み、天井壁を有する逆有底第2外筒部分と、これら第2内筒部分と逆有底第2外筒部分とを下部で一体に結合する第2環状結合壁部分とからなり、前記内胴と前記外胴とが、それぞれの上方開放空間を連通状にして一体に結合され、前記逆有底第1内筒部分内のドーム状空間が、燃焼室とされ、前記内胴の第1外筒部分と前記外胴の第2内筒部分との間の空間が、燃焼ガスの通路とされ、前記逆有低第2外筒部分の天井壁に、希吸収液の供給口兼冷媒蒸気の導出口が設けられ、前記内胴の底部から濃吸収液が導出されるようになされたことを特徴とする2重胴式ドーム型再生器である。
また、その請求項2に記載された発明は、前記燃焼ガスの通路にフィンが設けられ、前記燃焼ガスが、該通路内を折り返し流れて、大気中に放出されるようになされたことを特徴とする2重胴式ドーム型再生器である。
さらに、請求項3に記載された発明は、2重胴式ドーム型再生器が、内胴と外胴とを備え、前記内胴が、ドーム状の天井壁を有する逆有底第1内筒部分と、該逆有底第1内筒部分を囲む第1外筒部分と、これら逆有底第1内筒部分と第1外筒部分とを下部でつなぐ第1環状結合壁部分とからなり、前記外胴が、前記第1外筒部分より大径の第2内筒部分と、該第2内筒部分を囲み、天井壁を有する逆有底第2外筒部分と、これら第2内筒部分と逆有底第2外筒部分とを下部でつなぐ第2環状結合壁部分とからなり、前記内胴と前記外胴とが、それぞれの上方開放空間を連通状にして一体に結合され、前記逆有底第1内筒部分内のドーム状空間が、燃焼室とされ、前記内胴の第1外筒部分と前記外胴の第2内筒部分との間の空間が、燃焼ガスの通路とされた2重胴式ドーム型再生器の製造方法において、前記内胴と前記外胴との組合せからなる2重胴の製造方法が、次の工程(1)〜(4)からなることを特徴とする2重胴式ドーム型再生器の製造方法である。
(1)前記逆有底第1内筒部分と前記第1環状結合壁部分とをプレス加工により一体に形成して得られた第1組立体に、前記第1外筒部分を、溶接により一体に接合する。
(2)(1)により得られた組立体における前記第1外筒部分の外面に、フィンをロウ付けする。
(3)(2)により得られた組立体における前記第1外筒部分の上端に、前記第2内筒部分と前記第2環状結合壁部分とをプレス加工により一体に形成して得られた第2組立体における前記第2内筒部分の上端を、溶接により一体に接合する。
(4)(3)により得られた組立体に、前記逆有底第2外筒部分を溶接により一体に接合する。
【0011】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、2重胴式ドーム型再生器が内胴と外胴とを備えており、その熱交換器部分の主要構成要素が、これら内胴と外胴とからなるようになされている。そして、これら内胴と外胴とは、それらを構成する各 部分(内外筒部分、結合壁部分)を一体のものとして、プレス加工により製造することができるし、また、これら各部分を別体のものとして、プレス加工により個々に形成し、ついで、これら各部分を組立てて、溶接により、一体のものとして、製造することもできる。いずれにしても、その製造は容易であり、量産性に優れている。また、その構造は簡単であり、品質に優れている。
【0012】
さらに、燃焼ガスは、燃焼室を囲む内胴の逆有低第1内筒部分の伝熱壁面に輻射熱を伝達し、次いで、内胴の第1外筒部分と外胴の第2内筒部分との間の通路を流れ、これらの伝熱壁面に大部分の対流熱を伝達して、該通路を出るときの排ガス温度は、130〜160°Cにまで低下させられている。このため、断熱・放熱ロスが少なくて、熱効率のよい2重胴式ドーム型再生器を提供することができる。
【0013】
また、請求項2に記載のように請求項1記載の発明を構成することにより、内胴の第1外筒部分と外胴の第2内筒部分との間の通路にはフィンが設けられ、燃焼ガスが、該通路内を折り返し流れて、大気中に放出されるようになされるので、燃焼ガスの保有熱のこれら第1外筒部分および第2内筒部分の伝熱壁面への対流熱伝達が促進されて、さらに熱効率のよい2重胴式ドーム型再生器を提供することができる。
【0014】
さらに、請求項3に記載のように発明を構成することにより、2重胴式ドーム型再生器の主要構成要素をなす内胴が、第1組立体と第1外筒部分とに分割され、同じく主要構成要素をなす外胴が、第2組立体と逆有底第2外筒部分とに分割され、これらをプレス加工により形成して得たものとフィンとを、前記工程(1)〜(4)における溶接やロウ付け溶接により順次一体的なものに組み付け、最終的に内胴と外胴との組合せからなる2重胴式ドーム型再生器の胴体(2重胴)部分が仕上げられる。
【0015】
したがって、内胴と外胴とは、プレス加工と溶接とが容易に行なえる範囲の最小数の部材に分割され、これらが溶接により一体化されるだけであるので、2重胴の製造が簡単化され、作業工数が低減されて、全体としての2重胴式ドーム型再生器の製造の量産性が向上して、コスト低減を図ることができる。また、その構造は簡単であり、品質に優れている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図4に図示される本願の請求項1ないし3に記載された発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における2重胴式ドーム型再生器の縦断面図、図2は、図1のII−II線で切断した横断面図、図3は、図1の2重胴式ドーム型再生器において使用される部品であって、燃焼室、燃焼ガス通路および排気筒を画成する部品の斜視図、図4は、図1の2重胴式ドーム型再生器において使用される2重胴を、製造段階における部材別に仕分けして示した縦断面図である。
【0017】
これらの図において、本実施形態における2重胴式ドーム型再生器1は、内胴2と外胴6とを備えており、これら内胴2と外胴6とが、本2重胴式ドーム型再生器1における熱交換器部分の主要構成要素をなしている。
【0018】
内胴2は、ドーム状の天井壁3aを有する逆有底第1内筒部分3と、該逆有底第1内筒部分3を囲む第1外筒部分4と、これら逆有底第1内筒部分3と第1外筒部分4とを下部で一体に結合する第1環状結合壁部分5とからなっている。
【0019】
外胴6は、内胴2の第1外筒部分4より大径の第2内筒部分7と、該第2内筒部分7を囲み、天井壁8a を有する逆有底第2外筒部分8と、これら第2内筒部分7と逆有底第2外筒部分8とを下部で一体に結合する第2環状結合壁部分9とからなっている。
【0020】
そして、内胴2と外胴6とは、内胴2の第1外筒部分4の上端周縁と、外胴6の第2内筒部分7の上方縮径部分7a の上端周縁とが溶接により接合されて、それぞれの上方開放空間を連通状にして一体に結合されている。これらは、いずれもステンレスなどの鉄系材料を用いて製作されるが、これらの組立体からなる2重胴部分の実際の製造方法については、後述する。
【0021】
内胴2の逆有底第1内筒部分3内のドーム状空間Aは、燃焼室とされている。また、内胴2の第1外筒部分4と外胴6の第2内筒部分7との間の空間は、燃焼ガスの通路とされている。そして、この空間には、図2に図示されるように、波形のフィン13が、その全周にわたって設けられている。このフィン13は、銅材料を用いて製作されている。
【0022】
この燃焼ガスの通路は、燃焼ガスが上方に流れる通路Dと、燃焼ガスが下方に流れる通路Eとからなっており、燃焼ガスは、これらの通路をフィン13に沿って折り返し流れて、内胴2と外胴6の内部に収容された吸収液21を加熱する。通路Dの周方向長さは、全周長の過半に及び、通路Eの周方向長さよりかなり長くされている(図2参照)。
【0023】
そこで、いま、燃焼室Aを出た燃焼ガスは、内胴2の逆有底第1内筒部分3と後述する燃焼筒17との間に形成された通路B、内胴2の下方の通路Cを通って通路Dに入り、該通路D内を上方に流れて、外胴6の第2内筒部分7の上方縮径部分7a の内壁に衝突し、反転すると同時に、通路Eの方向に周方向に流れて、該通路E内に入り、該通路E内を下方に流れて、該通路Eの下方に続く内胴2の下方の短い円弧状の通路Fに入る。次いで、燃焼ガスは、排気筒14内の通路G方向に流れて、該排気筒14より外部に放出される。通路Fは、その両端において通路Cの一部と境を接している。
【0024】
外胴6の逆有底第2外筒部分8の天井壁8a には、希吸収液の還流口兼冷媒蒸気の導出口10が形成されており、図示されない吸収器から還流される希吸収液を受けるとともに、冷媒蒸気を図示されない次段の凝縮器に供給する。
【0025】
内胴2内には、一端部がその底部に届くように、濃吸収液導出管11が延設されており、該濃吸収液導出管11は、外胴6の逆有底第2外筒部分8の天井壁8a および2重胴式ドーム型再生器1のケーシング12の天井壁を貫通して、外部に導出されていて、内胴2の底部に溜まった濃吸収液を図示されない次段の吸収器に供給する。
【0026】
内胴2内の吸収液は、外胴6内の吸収液と比べて、燃焼ガスによる加熱をより強く受けるので、内胴2内の特に底部には、冷媒液を分離・蒸発させた後の最も濃い吸収液が収容されている。したがって、この最も濃い吸収液が、前記濃吸収液導出管11により外部に導出される。
【0027】
内胴2の第1外筒部分4と外胴6の第2内筒部分7との間の空間を通路Dと通路Eとに区画するために、図3に図示されるような通路形成部材15が使用されている。該通路形成部材15は、該空間の下端開口部を、燃焼室Aに連通する部分と、排気筒14内の通路Gに連通する部分とに区画する。
【0028】
通路形成部材15は、次のように構成されている。
図3を参照して、通路形成部材15は、バーナ16の燃焼炎を囲む燃焼筒部分17と、該燃焼筒部分17の下端周縁にその底板18aの内周縁が接合され、周囲に起立した断面逆L字状の囲壁部分18bを有する環状の皿板状部分18と、燃焼筒部分17を所定角度範囲にわたって欠截する2枚のL字状板部材19と、該L字状板部材19と協働して、燃焼ガスが燃焼室Aから通路F内に流入しないように堰止める断面逆L字状で短い円弧状の堰止め板部材20と、皿板状部分18の囲壁部分18bの欠截部分に宛てがわれて、燃焼ガスを大気中に放出する排気筒部分14との組合せからなっている。
【0029】
これらの組合せ要素は、一体成形が可能な範囲でまとめられて、プレス加工により形成され、その後組み立てられて、溶接により接合され、一体の通路形成部材15として完成される。
【0030】
2枚のL字状板部材19は、それらの長い方の板部分19aと短い方の板部分19bの間の凹部19cが丁度内胴2の下方部分に嵌まり合い、通路C、Fを周方向に仕切る。同時に、それらの長い方の板部分19aは、通路Bを周方向に仕切り、それらの短い方の板部分19bは、内胴2の第1外筒部分4と外胴6の第2内筒部分7との間の空間に丁度嵌入して、その頂部が波形フィン13の下端に当接する。
【0031】
波形フィン13の個々の板要素は、上下方向に延びているので、板部分19bの頂部が波形フィン13の下端と当接することにより、内胴2の第1外筒部分4と外胴6の第2内筒部分7との間の空間は、通路Dと通路Eとに区画される。
【0032】
なお、この場合、板部分19bの頂部と波形フィン13の下端との当接部においては、波形フィン13の1つの波と板部分19bの頂部と間に、周方向に見て、隙間J、Jが板部分19bを挟んで周方向両側に生ずることがあるが、この場合には、いずれかの側の隙間Jを潰すことにより、通路Dと通路Eとの短絡を防ぐことができる(図2の黒く塗り潰した部分参照)。
【0033】
隙間Jを潰す手段としては、種々の方法が考えられる。例えば、耐火物を充填することができ、また、金属片を宛てがうことができる。この金属片は、板部分19bの頂部をわずかに延長して直角に折曲することにより、平面視三角形状の折曲片として得ることもできる。
【0034】
さらには、方法は全く異なるが、板部分19bを上方に長く延長して、波形フィン13の上端縁にまで延設せしめ、これにより、内胴2の第1外筒部分4と外胴6の第2内筒部分7との間の空間を通路Dと通路Eとに区画することができる。この場合には、波形フィン13は、通路Dに収容される部分と、通路Eに収容される部分とに2分割される。
【0035】
通路形成部材15の2枚のL字状板部材19が、前記のとおり、通路B、C、Fを周方向に仕切ることにより、燃焼室Aは、内胴2の下部内方空間の一部領域Hに直接連通させられる。したがって、この一部領域Hに臨む内胴2の伝熱壁面は、燃焼室Aにおける燃焼ガスから対流熱とともに輻射熱をも受熱して、強度に加熱される。
【0036】
なお、L字状板部材19の凹部19cが内胴2の下方部分に嵌合されたときには、皿板状部分18の囲壁部分18bの上面は、外胴6の第2環状結合壁部分9に当接して、そこに溶接により接合される。また、堰止め板部材20のの上面は、内胴2の第1環状結合壁部分5に当接して、そこに溶接により接合される。
【0037】
2重胴式ドーム型再生器1のケーシング12が囲む外胴6、通路形成部材15および排気筒14の周囲には、断熱材22が充填されている。
バーナ16は、ケーシング12を貫通し、通路形成部材15の燃焼筒部分17の内面壁に嵌着されて、取り付けられている。
【0038】
次に、2重胴式ドーム型再生器1の内胴2と外胴6との組合せからなる2重胴部分の製造方法について、図1および図4を参照しつつ説明する。
内胴2の前記した逆有底第1内筒部分3と第1環状結合壁部分5とは、図4に図示されるように、プレス加工により一体のものとして形成され、これにより、第1組立体部分23が製作されている。そこで、先ず、この第1組立体部分23に、前記した第1外筒部分4をティグ溶接24により一体に接合して、内胴2を形成する(工程(1))。
【0039】
次に、このようにして形成された内胴2の第1外筒部分4の外面に、前記したフィン13をロウ付け25により固着する(工程(2))。
【0040】
他方、外胴6の前記した第2内筒部分7と第2環状結合壁部分9とは、図4に図示されるように、プレス加工により一体のものとして形成され、これにより、第2組立体部分26が製作されている。そこで、次に、この第2組立体部分26を工程(2)により得られた組立体に嵌合して、この第2組立体部分26における第2内筒部分7に相当する部分の上端を、工程(2)により得られた組立体における第1外筒部分4の上端に、ティグ溶接27により一体に接合する(工程(3))。
【0041】
最後に、工程(3)により得られた組立体の第2組立体部分26における第2環状結合壁部分9に相当する部分に、外胴6の前記した逆有底第2外筒部分8をティグ溶接28により一体に接合して、外胴6を完成させると同時に、内胴2と外胴6との組合せからなる2重胴式ドーム型再生器1の2重胴を完成させる。
【0042】
前記のような2重胴式ドーム型再生器1の2重胴部分の製造方法において、内胴2および外胴6の各構成要素部材である第1組立体部分23、第1外筒部分4、第2組立体部分26、逆有底第2外筒部分8等は、いずれも絞り加工や曲げ加工や回転成形等のプレス加工により容易に形成することができる。
【0043】
本実施形態は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
2重胴式ドーム型再生器1は、内胴2と外胴6とを備えており、その熱交換器部分の主要構成要素が、これら内胴2と外胴6とからなるようになされている。そして、これら内胴2と外胴6とは、それらを構成する各部分(内外筒部分3、4と環状結合壁部分5、内外筒部分7、8と環状結合壁部分9)を一体のものとして、プレス加工により製造することができるし、また、これら各部分を別体のものとして、プレス加工により個々に形成し、ついで、これら各部分を組み立てて、溶接により一体のものとして、製造することができ、その製造は容易であり、量産性に優れている。また、その構造は簡単であり、品質に優れている。
【0044】
さらに、燃焼ガスは、燃焼室Aを囲む内胴2の逆有低第1内筒部分3の伝熱壁面に輻射熱を伝達し、次いで、通路B、Cを経て、内胴2の第1外筒部分4と外胴6の第2内筒部分7との間の通路Dを上方に流れ、反転して、通路E、Fを流れ、この間に、これら通路に臨む伝熱壁面に大部分の対流熱を伝達して、排気筒 14 内の通路Gをでるときの排ガス温度は、130〜160°Cにまで低下させられている。このため、断熱・放熱ロスが少なく、熱効率のよい2重胴式ドーム型再生器1を提供することができる。
【0045】
また、通路D、Eには波形フィン1 3 が設けられ、燃焼ガスが、これらの通路を折り返し流れて、大気中に放出されるようにされているので、燃焼ガスの保有熱の、これら通路に臨む伝熱壁面への対流熱伝達が促進されて、さらに熱効率のよい2重胴式ドーム型再生器1を提供することができる。
【0046】
さらに、また、2重胴式ドーム型再生器1の主要構成要素をなす内胴2が、第1組立体23と第1外筒部分4とに分割され、同じく主要構成要素をなす外胴6が、第2組立体26と逆有底第2外筒部分8とに分割され、これらをプレス加工により形成して得たものとフィン13とを、工程(1)〜(4)におけるティグ溶接24、27、28やロウ付け溶接25により順次一体的なものに組み立て、最終的に内胴2と外胴6との組合せからなる2重胴式ドーム型再生器1の胴体(2重胴)部分が仕上げられる。
【0047】
したがって、内胴2と外胴6とは、プレス加工と溶接とが容易に行なえる範囲の最小数の部材に分割され、これらが溶接により一体化されるだけであるので、2重胴の製造が簡単化され、作業工数が低減されて、全体としての2重胴式ドーム型再生器1の製造の量産性が向上して、コスト低減を図ることができる。しかも、この溶接は、常に部材の外方から行なえるので、作業能率がよい。そして、完成された2重胴式ドーム型再生器1の構造は簡単であり、品質に優れている。
【0048】
本実施形態において、内胴2の第1外筒部分4と外胴6の第2内筒部分7との間の空間は、通路Dと通路Eとの2通路に区画されたが、これに限定されず、これ以上に区画されてもよく、さらに、螺旋状通路が形成されてもよい。その他、燃焼ガスの流路形態は、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の請求項1ないし3に記載された発明の一実施形態における2重胴式ドーム型再生器と、その製造方法が適用される該再生器の縦断面図である。
【図2】 図1のII−II線で切断した横断面図である。
【図3】 図1の実施形態において使用される部品であって、燃焼室、燃焼ガス通路および排気筒を画成する部品の斜視図である。
【図4】 図1の2重胴式ドーム型再生器において使用される2重胴を、製造段階における部材別に仕分けして示した縦断面図である。
【図5】 従来の単胴式ドーム型再生器を示す図である。
【図6】 図5のVI−VI線で切断した横断面図である。
【符号の説明】
1…2重胴式ドーム型再生器、2…内胴、3…逆有底第1内筒部分、3a …天井壁、4…第1外筒部分、5…第一環状結合壁部分、6…外胴、7…第2内筒部分、7a …上方縮径部分、8…逆有底第2外筒部分、8a …天井壁、9…第二環状結合壁部分、10…希吸収液還流口兼冷媒蒸気導出口、11…濃吸収液導出管、12…ケーシング、13…波形フィン、14…排気筒、15…通路形成部材、16…バーナ、17…燃焼筒部分、18…皿板状部分、18a …底板、18b …囲壁部分、19…L字状板部材、19a 、19b …板部分、19c …凹部、20…堰止め板部材、21…吸収液、22…断熱材、23…第1組立体部分、24…ティグ溶接、25…ロウ付け、26…第2組立体部分、27、28…ティグ溶接、A…燃焼室、B〜G…通路、J…隙間。
Claims (3)
- 2重胴式ドーム型再生器が、内胴と外胴とを備え、
前記内胴が、ドーム状の天井壁を有する逆有底第1内筒部分と、該逆有底第1内筒部分を囲む第1外筒部分と、これら逆有底第1内筒部分と第1外筒部分とを下部で一体に結合する第1環状結合壁部分とからなり、
前記外胴が、前記第1外筒部分より大径の第2内筒部分と、該第2内筒部分を囲み、天井壁を有する逆有底第2外筒部分と、これら第2内筒部分と逆有底第2外筒部分とを下部で一体に結合する第2環状結合壁部分とからなり、
前記内胴と前記外胴とが、それぞれの上方開放空間を連通状にして一体に結合され、
前記逆有底第1内筒部分内のドーム状空間が、燃焼室とされ、
前記内胴の第1外筒部分と前記外胴の第2内筒部分との間の空間が、燃焼ガスの通路とされ、
前記逆有底第2外筒部分の天井壁に、希吸収液の供給口兼冷媒蒸気の導出口が設けられ、
前記内胴の底部から濃吸収液が導出されるようになされたことを特徴とする2重胴式ドーム型再生器。 - 前記燃焼ガスの通路にフィンが設けられ、前記燃焼ガスが、該通路内を折り返し流れて、大気中に放出されるようになされたことを特徴とする請求項1記載の2重胴式ドーム型再生器
- 2重胴式ドーム型再生器が、内胴と外胴とを備え、
前記内胴が、ドーム状の天井壁を有する逆有底第1内筒部分と、該逆有底第1内筒部分を囲む第1外筒部分と、これら逆有底第1内筒部分と第1外筒部分とを下部でつなぐ第1環状結合壁部分とからなり、
前記外胴が、前記第1外筒部分より大径の第2内筒部分と、該第2内筒部分を囲み、天井壁を有する逆有底第2外筒部分と、これら第2内筒部分と逆有底第2外筒部分とを下部でつなぐ第2環状結合壁部分とからなり、
前記内胴と前記外胴とが、それぞれの上方開放空間を連通状にして一体に結合され、
前記逆有底第1内筒部分内のドーム状空間が、燃焼室とされ、
前記内胴の第1外筒部分と前記外胴の第2内筒部分との間の空間が、燃焼ガスの通路とされた2重胴式ドーム型再生器の製造方法において、
前記内胴と前記外胴との組合せからなる2重胴の製造方法が、次の工程(1)〜(4)からなることを特徴とする2重胴式ドーム型再生器の製造方法。
(1)前記逆有底第1内筒部分と前記第1環状結合壁部分とをプレス加工により一体に形成して得られた第1組立体に、前記第1外筒部分を、溶接により一体に接合する。
(2)(1)により得られた組立体における前記第1外筒部分の外面に、フィンをロウ付けする。
(3)(2)により得られた組立体における前記第1外筒部分の上端に、前記第2内筒部分と前記第2環状結合壁部分とをプレス加工により一体に形成して得られた第2組立体における前記第2内筒部分の上端を、溶接により一体に接合する。
(4)(3)により得られた組立体に、前記逆有底第2外筒部分を溶接により一体に接合する。
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