JP3855852B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不凍液などの熱媒体を用いて上水を加熱しながら湯水を出湯し得る貯湯式給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、台所や洗面所の給湯栓まで湯水を導いて出湯させたり、浴槽との間で湯水を循環させて風呂追い焚きを行ったりするほか、温水暖房用の熱源としても利用される貯湯式給湯装置では、不凍液からなる循環温水が用いられる。循環温水としての不凍液は、その一部が装置本体に内蔵されたタンク内に貯留されて燃焼熱により加熱されるが、この不凍液は、出湯や風呂追い焚きのために同じタンク内に供給される上水に対して燃焼熱を効率良く伝える熱媒体としても利用される。
【0003】
このような不凍液を介した貯湯式給湯装置では、一般に次のようにして出湯流量を制御している。
【0004】
まず、タンク内の温度が缶体サーミスタにより検出され、この温度を一定範囲内に保つように燃焼量が制御される。これにより不凍液が80℃前後に保たれ、この不凍液を介して加熱された上水が湯水として出湯される。このとき、加熱前の上水の温度(入水温度)にもよるが、たとえば最大出湯流量をもって出湯させたのでは、不凍液から上水に与えられる熱量が不十分となり、使用者により設定された出湯設定温度に比べて実際の出湯温度が相当低くなる。
【0005】
そのため、出湯流量については、予め定められた上限値を超えないように水量サーボを介して制限されるようになされている。このような出湯流量を制限する制御は、一般に過流出制御と呼ばれる。また、出湯流量に関する上限値は、出湯設定温度と入水温度との温度差をパラメータとして過流出制御用のプログラムなどに定められるが、出湯設定温度や入水温度以外の他の動作条件では変わり様のない一律値として標準的に定められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、不凍液については、寒冷地域と温暖地域とで異なる濃度のものが用いられる。たとえば気温が氷点下まで下がることはない温暖地域に給湯装置を設置する場合には、比較的濃度の低い不凍液として上水をそのまま用いることができる一方、冬場になると気温が氷点下まで下がる寒冷地域に給湯装置を設置する場合には、凍結防止のために比較的濃度の高い不凍液が用いられる。また、装置設置からの経年変化などによっても不凍液の濃度が変わることが知られている。
【0007】
しかしながら、上記したように不凍液の濃度が設置環境や運用条件などによって変わると、不凍液を介して上水に伝えられる燃焼熱の熱効率も変わってしまう。そのため、出湯流量に関する上限値を一律値とした過流出制御では、不凍液の濃度変化に対応することができなかった。たとえば、不凍液の濃度が標準レベルより低い場合には、熱効率が良いにもかかわらず一律定められた上限値から出湯流量が過度に制限されてしまい、逆に、不凍液の濃度が標準レベルより高い場合には、熱効率が低くなるために実際の出湯温度が出湯設定温度に比べて低めになってしまうという難点があった。
【0008】
【発明の開示】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、熱媒体の濃度変化にも対応して適正に過流出制御を行うことができる貯湯式給湯装置を提供することを、その課題としている。
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
すなわち、本発明の第1の側面によれば、液状の熱媒体を貯留させたタンク内に上水を導くとともに、そのタンク内の熱媒体を介して上水を加熱し、加熱された湯水をさらにタンクの外部へと導いて出湯させる給湯機能と、この給湯機能に連動して湯水の出湯温度を所定温度に保つようにその出湯流量を制限する過流出制御機能とを備えた貯湯式給湯装置であって、湯水の出湯流量を当面は予め定められた標準上限値を超えないように制限する出湯流量仮制御手段と、湯水の出湯温度を検出する出湯温度検出手段と、出湯流量仮制御手段による制御中、出湯温度検出手段で検出された湯水の出湯温度と所定温度との相対的な関係に基づいて湯水の出湯流量が適正か否かを判定する出湯流量適否判定手段と、出湯流量適否判定手段により湯水の出湯流量が適正でないと判定された場合、湯水の出湯流量に関して熱媒体の濃度別に予め定められた複数の濃度別上限値から適切な値を選択する濃度別上限値選択手段と、濃度別上限値選択手段により濃度別上限値が選択された以後、その選択された濃度別上限値を超えないように湯水の出湯流量を制限する出湯流量本制御手段とを備えたことを特徴とする、貯湯式給湯装置が提供される。
【0011】
また、本発明の第2の側面によれば、液状の熱媒体を貯留させたタンク内に上水を導くとともに、そのタンク内の熱媒体を介して上水を加熱し、加熱された湯水をさらにタンクの外部へと導いて出湯させる給湯機能と、この給湯機能に連動して湯水の出湯温度を所定温度に保つようにその出湯流量を制限する過流出制御機能とを備えた貯湯式給湯装置であって、湯水の出湯流量を制限するために熱媒体の濃度別に予め定められた複数の濃度別上限値を保有する濃度別上限値保有手段と、濃度別上限値保有手段に保有された複数の濃度別上限値から所望とする値を手動で選択するための濃度別上限値手動選択手段と、濃度別上限値手動選択手段を介して選択された濃度別上限値を超えないように湯水の出湯流量を制限する出湯流量制御手段とを備えたことを特徴とする、貯湯式給湯装置が提供される。
【0012】
好ましい実施の形態によれば、タンク内には、熱媒体に対して燃焼熱を加える燃焼手段と缶体温度検出手段とが設けられており、燃焼手段は、缶体温度検出手段により検出されるタンク内の温度が所定の範囲内となるように制御される。
【0013】
他の好ましい実施の形態によれば、熱媒体は、温水暖房用の循環温水としてタンク内から外部にも導かれる。
【0014】
本発明の第1の側面によれば、出湯流量については、熱媒体の濃度別に複数の濃度別上限値が予め定められており、その熱媒体は、たとえば温水暖房用の循環温水として利用されるほか、給湯用の上水に対して定常的に燃焼熱を伝えるものとして利用される。そして、たとえば使用者により設定された出湯設定温度(所定温度)と実際の出湯温度との相対的な関係から出湯流量が適正でないと判定された場合には、複数の濃度別上限値から適切な上限値が選択される。つまり、熱媒体の濃度別に適切な上限値を自動的に選択した上で出湯流量が制限されるので、設置環境や運用条件などにより熱媒体の濃度が変わることがあっても適正に出湯流量について過流出制御を行うことができる。
【0015】
また、本発明の第2の側面でも、出湯流量に関して熱媒体の濃度別に複数の濃度別上限値が予め定められているが、この第2の側面では、熱媒体の濃度を既に知っている者自らが複数の濃度別上限値から適切な上限値を手動で選択できる。つまり、熱媒体の濃度別に適切な上限値をスイッチなどを用いて選択した上で出湯流量が制限されるので、設置環境や運用条件などにより熱媒体の濃度が変わることがあってもそれに応じて適切な濃度別上限値に簡単に切り替えることができ、その後は適正に出湯流量について過流出制御を行うことができる。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う発明の実施の形態の説明によって、より明らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る貯湯式給湯装置の全体構成図である。この図に示すように、貯湯式給湯装置の装置本体1は、石油燃焼方式による燃焼缶体として機能するものであって、その内部に設けられた燃焼室11の上部には、いわゆるセミ貯湯槽といわれるタンク12が設けられている。燃焼室11には、その内部に臨むように送風機13aや石油噴霧ノズル13bからなる石油バーナ13が設けられている。セミ貯湯槽としてのタンク12は、その内部に貯留する不凍液を介して給湯用の上水に液液熱交換方式により燃焼熱を伝えるためのものであり、この不凍液は、温水暖房用の循環温水としても利用される。タンク12には、縦方向に貫通して複数の排ガス通路14が設けられている。また、タンク12には、缶体温度センサ12aとハイリミットセンサ12bとが設けられている。缶体温度センサ12aは、タンク12内を巡回するように配管された給湯用加熱コイル22と対峙するように配置され、給湯用に加熱・貯留されたタンク12内における湯水の温度を検出する。
【0019】
タンク12の内外には、給湯用の配管設備20が設けられている。給湯用の配管設備20は、入水路21、給湯用加熱コイル22、出湯路23、入水路21から出湯路23へのバイパス路24、出湯路23およびバイパス路24からの湯水を混合する湯水混合器25、湯水混合器25からの湯水をさらに下流の台所や洗面所などに設けられた給湯栓まで導く給湯路26、ならびに給湯路26から分岐された浴槽専用給湯路27などからなる。給湯用加熱コイル22は、タンク12内に装入された状態とされ、タンク12内の外周付近を多数回にわたって巡回するように構成されている。入水路21には、入水温度センサ21aと入水流量センサ21bとが設けられ、出湯路23には、中間出湯温度センサ23aが設けられ、給湯路26には、最終出湯温度センサ26aが設けられている。また、給湯路26には、出湯流量を制限するための水量サーボ28が設けられている。この水量サーボ28は、図外のリモコンを用いて使用者により設定された出湯設定温度にできる限り実際の出湯温度を近づけるために出湯流量を制限する、いわゆる過流出制御用に設けられた流量制御弁である。
【0020】
タンク12の内外には、風呂用の配管設備30も設けられている。風呂用の配管設備30は、風呂往路31、風呂用加熱コイル32、および風呂復路33などからなる。風呂用加熱コイル32は、タンク12内に装入された状態とされ、給湯用加熱コイル22よりも内側の位置を多数回にわたって巡回するように構成されている。図示しない浴槽内の水は、風呂用循環ポンプ34により浴槽内から風呂復路33を経てタンク12内に導かれ、風呂用加熱コイル32で加熱された後、さらに風呂往路31を経て浴槽内に戻される。風呂往路31と風呂復路33との間には、三方弁35を介してバイパス路36が設けられており、このバイパス路36には、開閉弁27a、流量センサ27b、逆止弁27cを介して浴槽専用給湯路27が接続されている。また、風呂復路33には、風呂温度センサ33aと風呂水流スイッチ33bが設けられている。
【0021】
また、タンク12の内外には、温水暖房用の配管設備40も設けられている。温水暖房用の配管設備40としては、タンク12内の不凍液を循環温水として直接利用できるように、タンク12の上部に暖房高温往路41が接続され、タンク12の下部に暖房復路43が接続されている。暖房高温往路41には、温水暖房用循環ポンプ44が設けられ、その下流の途中からは、暖房バイパス路42が分岐して設けられている。この暖房バイパス路42の他端は、タンク12の下部に接続されている。
【0022】
さらに、図2は、貯湯式給湯装置の電気的な構成を説明するための回路ブロック図であって、この図を参照して要点について説明する。本実施形態に係る貯湯式給湯装置には、制御機能を果たすマイクロコンピュータが内蔵されており、このマイクロコンピュータは、図2に示すように、CPU50、ROM51、RAM52、EEPROM53、およびインターフェイス回路54などからなる。インターフェイス回路54には、使用者が給湯運転の開始/終了や出湯設定温度を設定するための台所リモコン60および浴室リモコン61が接続されているほか、先述した缶体温度センサ12a、ハイリミットセンサ12b、送風機13a、石油噴霧ノズル13b、入水温度センサ21a、入水流量センサ21b、中間出湯温度センサ23a、湯水混合器25、最終出湯温度センサ26a、開閉弁27a、流量センサ27b、水量サーボ28、風呂用循環ポンプ34、三方弁35、温水暖房用循環ポンプ44が接続されている。ちなみに、使用者により設定された出湯設定温度は、再び設定されるまでEEPROM53に記憶保持される。また、ROM51には、CPU50を機能させるための各種の制御プログラムが格納されている。
【0023】
基本的には次のようにして給湯動作が制御される。なお、以下の説明では、要点を分かり易くするために、浴槽との間で湯水を循環させて風呂追い焚き運転を行ったり温水暖房運転を行うことなく、給湯運転のみを行う場合について説明する。
【0024】
たとえば、台所リモコン60を用いて給湯運転の開始が指示されると、CPU50は、実際に給湯栓が開かれていなくても送風機13aや石油噴霧ノズル13bを制御することで石油バーナ13に燃焼動作を開始させる。すると、タンク12内の不凍液が燃焼熱により一次的に加熱され、さらに加熱された不凍液を介して給湯用加熱コイル22内の上水が二次的に加熱される。このとき、石油バーナ13の燃焼量は、缶体温度センサ12aにより検出される温度がたとえば80℃前後の一定温度を保つように制御される。そして、給湯栓が開かれて実際に出湯が開始されると、入水路21からの上水は、給湯用加熱コイル22を連続的に通過していくことでタンク12内の不凍液を介して加熱され、さらに出湯路23および給湯路26を経て出湯されることとなる。
【0025】
ここで、給湯運転の開始直後などに給湯栓が最大開度とされた場合などには、入水路21を流れる上水の入水温度にもよるが、タンク12内で不凍液から上水に伝えられる燃焼熱が不十分となり、使用者により設定された出湯設定温度に比べて実際の出湯温度が相当低くなってしまう。そのため、出湯流量については、いわゆる過流出制御により予め定められた上限値を超えないように水量サーボ28を介して制限されるようにプログラミングされている。
【0026】
一方、不凍液については、本装置を設置する地域の気候的条件に応じて適当な濃度に調整されるほか、装置設置からの経年変化などによってもその濃度が変わってしまうことがある。そして、不凍液の濃度が低いほど熱効率が良くなり、この不凍液を介して給湯用加熱コイル22を流れる上水に燃焼熱が伝わりやすく、逆に、不凍液の濃度が高いと給湯用加熱コイル22を流れる上水に燃焼熱が伝わりにくくなることが知られている。したがって、出湯流量の過流出制御は、不凍液の濃度変化に応じて異なる仕様とするのが望ましい。
【0027】
そのため、不凍液の濃度が変わり得ることを考慮して出湯流量の過流出制御については、以下に説示する過流出号数に基づいて行われるようにプログラミングされている。
【0028】
過流出号数とは、出湯設定温度に対して実際の出湯温度を確保すべく出湯流量を制限するために導入された数的条件であって、この過流出号数には、最終出湯温度センサ26aで検出される出湯温度(最終出湯温度)と入水温度センサ211aで検出される入水温度との温度差に対し、入水流量センサ21bで得られる入水流量をその都度乗算して求められる実出力号数と、不凍液の濃度別にROM51のプログラムに予め定められた濃度別上限号数とがある。この濃度別上限号数とは、予め実験結果などから判明している適正な入水流量、給湯設定温度、および入水温度に基づき、適正な入水流量に対して給湯設定温度と入水温度との温度差を乗算して定められたものであって、以下に説明するように不凍液の濃度別に定められている。
【0029】
図3は、不凍液の濃度別に予め定められた濃度別上限号数を説明するための説明図であって、この図に一例として示すように、濃度別上限号数は、不凍液の濃度が45%といった比較的高濃度に対応する高濃度用上限号数A1,A2と、不凍液の濃度が20%といった中濃度に対応する中濃度上限号数B1,B2と、不凍液の濃度が0%といった低濃度に対応する低濃度用上限号数C1,C2とに分けて規定されている。また、各濃度別の上限号数については、図3に示すように入水温度が15〜30℃と0〜15℃とで異なるようにも規定されている。
【0030】
たとえば、不凍液の濃度が45%で出湯設定温度を50℃に設定し、入水温度が15〜30℃の条件下で給湯運転が行われる場合には、実出力号数が高濃度用上限号数A1を超えない概ね20号までの値となるように制御される。その一方、出湯設定温度や入水温度が上記と同じ条件でも不凍液の濃度が0%の場合には、実出力号数が低濃度用上限号数C1を超えない概ね23号までの値となるように制御される。つまり、実出力号数と濃度別上限号数との相対的な関係に基づいて出湯流量が制限されるようにプログラミングされており、このことからも実出力号数が出湯流量そのものに対応し、濃度別上限号数が出湯流量を制限するための上限値に対応していると言えよう。
【0031】
そして、実際の給湯運転時には、不凍液の濃度別に予め定められた濃度別上限号数から以下に説明する手順で適当な濃度別上限号数を自動的に選択した上で出湯流量についての過流出制御が行われる。
【0032】
図4は、過流出制御の処理手順を示すフローチャートであって、この図に示すように、台所リモコン60などの運転スイッチが使用者によりオンされると(S1:YES)、CPU50は、石油バーナ13の燃焼動作を開始させる(S2)。
【0033】
その後、使用者により給湯栓が開けられ、入水路21を流れる上水の入水流量が最低作動流量以上として入水流量センサ21bにより検出されると(S3:YES)、当面の間に限ってCPU50は、予め定められた濃度別上限号数のうちの1パターンである中濃度上限号数B1,B2を過流出標準上限号数として用い、現時点での実出力号数が中濃度上限号数B1,B2以上か否かを判断する(S4)。
【0034】
現時点での実出力号数が中濃度上限号数B1,B2以上の場合(S4:YES)、CPU50は、水量サーボ28にある程度出湯流量を絞るための動作をさせる(S5)。これにより、使用者が給湯栓を最大まで開けた状態であっても実際には、出湯設定温度に概ね近い出湯温度とすべくある程度制限された出湯流量をもって湯水が出湯されることとなる。
【0035】
そして、CPU50は、入水流量や出湯温度などが所定範囲内に収まって安定した状態になると(S6:YES)、再び現時点での実出力号数を算出し(S7)、今度は現時点での実出力号数が中濃度上限号数B1,B2(過流出標準上限号数)に対して過大/過小/適正かを判断する(S8)。
【0036】
実出力号数が中濃度上限号数B1,B2に対して適正レベルにある場合(S8:適正)、CPU50は、そのまま中濃度上限号数B1,B2を採用した上で水量サーボ28を制御し(S9)、過流出制御を行いながら燃焼動作や給湯動作を制御する。つまり、この場合には、不凍液の濃度が中濃度レベルにあると自動的に判定され、それ以降は中濃度上限号数B1,B2を選択した上で過流出制御が行われるのである。
【0037】
その一方、S8において実出力号数が中濃度上限号数B1,B2に対して過大レベルにある場合(S8:過大)、CPU50は、不凍液の濃度が低濃度レベルにあると判定し、それまで用いていた中濃度上限号数B1,B2から低濃度用上限号数C1,C2に切り替え(S10)、そうした上で水量サーボ28を制御すべくS9に進む。つまり、この場合には、不凍液の濃度が当初想定していたレベルよりも実際には低いレベルにあり、濃度が低いと熱効率が良くなることで出湯温度が給湯設定温度に対して過度に大きくなってしまい、その結果、実出力号数が中濃度上限号数B1,B2よりも大きな値として求められるので不凍液の濃度が低濃度レベルと判定されるのである。そして、不凍液の濃度が低濃度レベルにあると自動的に判定された以降は、低濃度上限号数C1,C2を選択して出湯流量の制限がある程度緩和された上で過流出制御が行われるのである。
【0038】
さらにまた、S8において実出力号数が中濃度上限号数B1,B2に対して過小レベルにある場合(S8:過小)、CPU50は、不凍液の濃度が高濃度レベルにあると判定し、それまで用いていた中濃度上限号数B1,B2から高濃度用上限号数A1,A2に切り替え(S11)、そうした上で水量サーボ28を制御すべくS9に進む。つまり、この場合には、不凍液の濃度が当初想定していたレベルよりも実際には高いレベルにあり、濃度が高いと熱効率が落ちることで出湯温度が給湯設定温度に対して過度に小さくなってしまい、その結果、実出力号数が中濃度上限号数B1,B2よりも小さな値として求められるので不凍液の濃度が高濃度レベルと判定されるのである。そして、不凍液の濃度が高濃度レベルにあると自動的に判定された以降は、高濃度上限号数A1,A2を選択して出湯流量が当初以上に制限された上で過流出制御が行われるのである。
【0039】
S6において、入水流量や出湯温度などが所定範囲内に収まらずに不安定な状態の場合(S6:NO)、CPU50は、入水流量や出湯温度などが安定するまでS4に戻る。
【0040】
S4において、その時点での実出力号数が中濃度上限号数B1,B2未満の場合(S4:NO)、CPU50は、S5をスキップしてそのままS6に進む。
【0041】
S3において、入水流量が最低作動流量以上として検出されない場合(S3:NO)、CPU50は、最低作動流量以上の入水流量が検出されるまで次の処理待ちとなる。
【0042】
S1において、運転スイッチが使用者によりオンされない場合(S1:NO)、CPU50は、運転スイッチがオンされるまでこの過流出制御処理を実行待ちの状態を続ける。
【0043】
したがって、本実施形態に係る貯湯式給湯装置によれば、出湯流量に関しては、不凍液の濃度別に3種類の濃度別上限号数が予め定められており、これらの濃度別上限号数は、水量サーボ28を駆使して出湯流量を制限する際の基準となる上限値とみなすことができる。そして、使用者により設定された出湯設定温度と実際の出湯温度との相対的な関係に基づき、当初適用された中濃度上限号数(過流出標準上限号数)と実出力号数との比較結果から出湯流量が適正でないと判定された場合には、適正な低濃度用あるいは高濃度用上限号数を選択した上で出湯流量についての過流出制御が行われるので、設置環境や運用条件などにより不凍液の濃度が変わることがあっても適正に出湯流量を制限しながら給湯設定温度に応じた出湯温度の湯水を出湯させることができる。
【0044】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0045】
他の実施形態としては、特に図示しないがプログラムなどに対して不凍液の濃度別に複数の濃度別上限号数を予め規定しておく点は上記実施形態と同様としつつも、たとえば台所リモコン60上などに設けられた選択スイッチ、あるいはマイクロコンピュータを搭載する制御盤に組み込まれたディップスイッチやジャンパー設定用のリード線、もしくは制御盤に別途接続するようにして用いられるメンテナンス用のプログラム書き換えツールなどを用いて予め定められた複数の濃度別上限号数から所望とする上限号数を手動で選択できるように構成しても良い。これによれば、給湯装置を設置する者や使用者などが装置の設置段階などでどのような濃度の不凍液を使用するか予め判明している場合などには、濃度別上限号数を手動で選択するための手段たる上記した選択スイッチ、ディップスイッチ、ジャンパー設定用のリード線、プログラム書き換えツールなどを用いて簡単に濃度別上限号数を適正な号数に切り替えておくことができる。
【0046】
図4のフローチャートによれば、運転スイッチをオンする度に実出力号数に関する過大/過小/適正の判断が行われるが、一度正式な判断結果が得られた以降は、その判断結果に基づいて選択された濃度別上限号数に切り替えて常用するようにしても良い。
【0047】
濃度別上限号数は、一例として低濃度、中濃度、高濃度の3種類からなり、各濃度別でも入水温度別に2種類に分けて規定されているとしたが、濃度別には少なくとも2種類あれば良く、また、入水温度別には特に分けて規定しておく必要はない。
【0048】
上記実施形態では、不凍液の濃度に起因するタンク12の熱交換効率の変化に応じた制御として給湯過流出制御について説明したが、熱交換効率の変化は、風呂の追い焚き制御や燃焼室11の燃焼量制御にも影響を与えるため、不凍液の濃度に応じて風呂の追い焚き制御(例えば追い焚き時間の制御など)や燃焼室11の燃焼量制御(例えば燃料供給制御など)の制御値を切り換えるようにしても良い。
【0049】
本実施形態に係る貯湯式給湯装置は、石油燃焼方式に係るものであるが、ガス燃焼方式や電気温水方式でも勿論良い。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱媒体の濃度別に適切な上限値を自動的に選択した上で出湯流量が制限されるので、設置環境や運用条件などにより熱媒体の濃度が変わることがあっても適正に出湯流量について過流出制御を行うことができ、出湯温度を適切に確保することができる。
【0051】
また、熱媒体の濃度別に適切な上限値をスイッチなどを用いて選択した上で出湯流量が制限されるので、設置環境や運用条件などにより熱媒体の濃度が変わることがあってもそれに応じて適切な濃度別上限値に簡単に切り替えることができ、その後は適正に出湯流量について過流出制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る貯湯式給湯装置の全体構成図である。
【図2】貯湯式給湯装置の電気的な構成を説明するための回路ブロック図である。
【図3】不凍液の濃度別に予め定められた濃度別上限号数を説明するための説明図である。
【図4】過流出制御の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 装置本体
11 燃焼室
12 タンク
12a 缶体温度センサ
12b ハイリミットセンサ
13 石油バーナ
20 給湯用の配管設備
21 入水路
21a 入水温度センサ
21b 入水流量センサ
22 給湯用加熱コイル
23 出湯路
25 湯水混合器
26 給湯路
26a 最終出湯温度センサ
27 浴槽専用給湯路
28 水量サーボ
30 風呂用の配管設備
40 温水暖房用の配管設備
50 CPU
51 ROM
52 RAM
53 EEPROM
60 台所リモコン
61 浴室リモコン

Claims (4)

  1. 液状の熱媒体を貯留させたタンク内に上水を導くとともに、そのタンク内の前記熱媒体を介して前記上水を加熱し、加熱された湯水をさらに前記タンクの外部へと導いて出湯させる給湯機能と、この給湯機能に連動して前記湯水の出湯温度を所定温度に保つようにその出湯流量を制限する過流出制御機能とを備えた貯湯式給湯装置であって、
    前記湯水の出湯流量を当面は予め定められた標準上限値を超えないように制限する出湯流量仮制御手段と、
    前記湯水の出湯温度を検出する出湯温度検出手段と、
    前記出湯流量仮制御手段による制御中、前記出湯温度検出手段で検出された前記湯水の出湯温度と前記所定温度との相対的な関係に基づいて前記湯水の出湯流量が適正か否かを判定する出湯流量適否判定手段と、
    前記出湯流量適否判定手段により前記湯水の出湯流量が適正でないと判定された場合、前記湯水の出湯流量に関して前記熱媒体の濃度別に予め定められた複数の濃度別上限値から適切な値を選択する濃度別上限値選択手段と、
    前記濃度別上限値選択手段により濃度別上限値が選択された以後、その選択された濃度別上限値を超えないように前記湯水の出湯流量を制限する出湯流量本制御手段と、
    を備えたことを特徴とする、貯湯式給湯装置。
  2. 液状の熱媒体を貯留させたタンク内に上水を導くとともに、そのタンク内の前記熱媒体を介して前記上水を加熱し、加熱された湯水をさらに前記タンクの外部へと導いて出湯させる給湯機能と、この給湯機能に連動して前記湯水の出湯温度を所定温度に保つようにその出湯流量を制限する過流出制御機能とを備えた貯湯式給湯装置であって、
    前記湯水の出湯流量を制限するために前記熱媒体の濃度別に予め定められた複数の濃度別上限値を保有する濃度別上限値保有手段と、
    前記濃度別上限値保有手段に保有された前記複数の濃度別上限値から所望とする値を手動で選択するための濃度別上限値手動選択手段と、
    前記濃度別上限値手動選択手段を介して選択された濃度別上限値を超えないように前記湯水の出湯流量を制限する出湯流量制御手段と、
    を備えたことを特徴とする、貯湯式給湯装置。
  3. 前記タンク内には、前記熱媒体に対して燃焼熱を加える燃焼手段と缶体温度検出手段とが設けられており、前記燃焼手段は、前記缶体温度検出手段により検出される前記タンク内の温度が所定の範囲内となるように制御される、請求項1または2に記載の貯湯式給湯装置。
  4. 前記熱媒体は、温水暖房用の循環温水として前記タンク内から外部にも導かれる、請求項1ないし3のいずれかに記載の貯湯式給湯装置。
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