JP3855707B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、三つの波長域の光をそれぞれ変調して画像を生成し、これらの変調光を合成し、その合成光をスクリーン上に投写してカラー画像を表示するプロジェクタに関し、特に、二面のダイクロイック膜を色合成光学系として備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプロジェクタとして、たとえば、クロスダイクロイックプリズムやクロスダイクロイックミラー等のように、2つのダイクロイック膜をX字状に配置したクロスダイクロイック素子によって三つの波長域の変調光を合成し、カラー画像を表示するプロジェクタが知られている。図23は、従来のプロジェクタの概略構成を示す平面図である。このプロジェクタは、光源81と、フライアイレンズ82および83と、色分離ダイクロイックミラー86aおよび86bと、反射ミラー87a,87bおよび87cと、リレーレンズ88a,88bと、平行化レンズ89a,89bおよび89cと、ライトバルブ90a,90bおよび90cと、クロスダイクロイック素子91と、投写レンズ92と、を備えている。
【0003】
フライアイレンズ82,83は、インテグレータ84を構成し、光源81からの光束を複数の部分光束に分割した後、3枚のライトバルブ90a,90bおよび90c上でそれらの部分光束を重畳することで、ライトバルブを均一に照らして投写画像の明るさムラを低減する。そのため、ライトバルブに対しては広い角度分布を有する照明光が入射することとなる。ところで、ダイクロイックミラーやクロスダイクロイックプリズムに使用されるダイクロイック素子の大部分は誘電体多層膜によって形成されているため、その分光特性は入射角依存性を持っている(以下では、ダイクロイック素子やダイクロイック膜が有するこの様な特性を、単に「入射角依存性」と呼称する)。すなわち、光の入射角によって分光特性が変化し、複数の色光を分離或いは合成する場合の境界波長(カットオフ波長)が変化する。以下では、この入射角依存性によって境界波長が変化する波長域を、便宜的に遷移波長域と呼称する。したがって、ダイクロイックミラーやクロスダイクロイック素子に対して角度分布の広い光が入射すると、入射端面上の位置によって角度分布が異なるため、入射角依存性の影響によって色ムラを生じる。
【0004】
ところで、ダイクロイック膜の入射角依存性を低減するために、ダイクロイック膜の膜厚を入射端面上の位置に応じて連続的に変化させる手法が実用化されており、その様な構造的な特徴を有する膜を一般的には「傾斜膜」と呼んでいる。そこで、通常、照明系側に配置されるダイクロイックミラー86aおよび86bを傾斜膜とすることにより入射角依存性の影響を低減し、色ムラの発生を低減している。一方、投写系側ではクロスダイクロイック素子91側でテレセントリックとなる投写レンズ92を用いることによって、クロスダイクロイック素子91における入射角依存性の影響を低減している。なお、本願においては、「傾斜膜」に対して、一様な膜厚を有する膜を「非傾斜膜」と呼称し、区別することとする。
【0005】
図24は、図23に示した投写レンズ92の概略構成を示す平面図である。投写レンズ92は、クロスダイクロイック素子91側でテレセントリックとなる特性を有する。すなわち、投写レンズ92の瞳中心92aを通る軸外主光線92cがクロスダイクロイック素子91の部分で主光線92bと略平行となる。これにより、クロスダイクロイック素子91を通る軸外主光線が、クロスダイクロイック素子91の入射端面に対して略等しい入射角を持つこととなり、クロスダイクロイック素子91の入射角依存性の影響を低減し、色ムラの発生を低減している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したプロジェクタによれば、投写系側における色ムラの発生を低減するためにはテレセントリックな投写レンズを用いる必要があるが、その様な投写レンズは、一般にレンズ径が大きくレンズ枚数も多くなるため、投写レンズが大型化するとともにコストが上昇するという問題点があった。
【0007】
この発明は上記に鑑みてなされたものであって、投写系側における色ムラの発生を低減しつつ、投写レンズを小型・低コスト化することによって、高画質と小型・低コスト性を両立させたプロジェクタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明のプロジェクタは、光源と、前記光源から射出された光を第1〜第3の波長域の光に分離する色分離光学系と、前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も高波長域である第1の波長域の光を変調する第1の光変調装置と、前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、中間の波長域である第2の波長域光を変調する第2の光変調装置と、前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も低波長域である第3の波長域の光を変調する第3の光変調装置と、前記第1の波長域の光を反射し前記第2の波長域の光を透過する第1のダイクロイック膜と、前記第3の波長域の光を反射し前記第2の波長域の光を透過する第2のダイクロイック膜とをX字状に有し、前記第1〜第3の光変調装置によって変調された三つの波長域の光を合成するクロスダイクロイック素子と、前記第1または第2のダイクロイック膜に向かう光のうち、前記第1または第2のダイクロイック膜の分光特性が有する入射角依存性によってカットオフ波長が変化する波長域の光を除去する帯域制限素子と、前記クロスダイクロイック素子が合成した前記合成光を投写する非テレセントリックな投写レンズと、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のプロジェクタは、光源と、前記光源から射出された光を第1〜第3の波長域の光に分離する色分離光学系と、前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も高波長域である第1の波長域の光を変調する第1の光変調装置と、前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、中間の波長域である第2の波長域光を変調する第2の光変調装置と、前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も低波長域である第3の波長域の光を変調する第3の光変調装置と、前記第1〜第3の波長域の光を合成する第1および第2のダイクロイック膜と、前記第1または第2のダイクロイック膜に向かう光のうち、前記第1または第2のダイクロイック膜の分光特性が有する入射角依存性によってカットオフ波長が変化する波長域の光を除去する帯域制限素子と、前記第1および第2のダイクロイック膜が合成した光を投写する非テレセントリックな投写レンズと、を具備することを特徴とする。
【0010】
この発明のプロジェクタでは、前記第1または第2のダイクロイック膜の分光特性が有する入射角依存性によってカットオフ波長が変化する波長域の光を前記帯域制限素子によって除去した後、前記第1または第2のダイクロイック膜に射出するため、非テレセントリックな光学特性を有する投写レンズを使用しているにもかかわらず、第1または第2のダイクロイック膜による色ムラの発生を効果的に低減することができる。したがって、この発明のプロジェクタによれば、非テレセントリックな投写レンズを使用しつつ入射角依存性を低減することができるため、色ムラを低減しつつ、投写レンズを小型化し、コストを低減することができる。
【0011】
また、この発明のプロジェクタにおいて、前記帯域制限素子は、前記第1の波長域の光の光路中に配置することが好ましい。一般的なプロジェクタにおいては、第1の波長域と第2の波長域との間に存在する光(例えば、黄色光やオレンジ色光)は色再現性を低下させる原因となるため、不要な光として除去され、使用されることがほとんど無い。第1の波長域に光の光路中に帯域制限素子を設ければ、この不要な光を除去しつつ、ダイクロイック膜の入射角依存性による色ムラの発生を低減することができ、効率が良い。
【0012】
また、この発明のプロジェクタにおいて、前記帯域制限素子は、前記第1の波長域の光の光路中と、前記第2の波長域の光の光路中に配置してもよい。このような配置によれば、帯域制限素子を第1の波長域の光の光路中に配置した場合と同様の効果を得ることが可能である。その上、2ヶ所に帯域制限素子を配置することによって、不要となる遷移波長域の光を各々の帯域制限素子でより精度良く除去することができるため、投写画像における色ムラの発生を一層低減することができる。
【0013】
また、色分離光学系にダイクロイックミラーを用いた場合は、その分光特性を精度良く設定する必要がなくなるため、ダイクロイックミラーの低コスト化、ひいてはプロジェクタの低コスト化を図ることが可能となる。
【0014】
また、この発明のプロジェクタにおいて、前記第1のダイクロイック膜は非傾斜膜とし、前記第2のダイクロイック膜は傾斜膜とするのが好ましい。このような構成では、本来投写表示に使用されない波長域を、非傾斜膜の使用によって発生する遷移波長域に割り当てることができるため、明るさや色再現性の面でより優れたプロジェクタを設計することができる。
【0015】
また、このような構成によれば、クロスダイクロイック素子を容易に製造できるようになる。その理由は、次の通りである。通常、クロスダイクロイック素子は、4つの直角プリズムと、2種類のダイクロイック膜によって形成されている。このようなクロスダイクロイック素子は、通常、次の(i)〜(iv)の工程によって形成される。
(i)第1のダイクロイック膜が形成された第1の直角プリズムと、膜が形成されていない第2の直角プリズムとを貼り合わせて第1のプリズム合成体を形成する。
(ii)第1のダイクロイック膜が形成された第3の直角プリズムと、膜が形成されていない第4の直角プリズムとを貼り合わせて第2のプリズム合成体を形成する。
(iii)第1のプリズム合成体の斜面に、第2のダイクロイック膜を形成する。
(iv)最後に、第1のプリズム合成体と、第2のプリズム合成体とを貼り合わせる。
【0016】
以上の工程によると、第2のダイクロイック膜は連続面に形成される。一方、第1の直角プリズムに形成された第1のダイクロイック膜と、第2の直角プリズムに形成された第2のダイクロイック膜との間は、接着剤と第2のダイクロイック膜の存在により、不連続となる。このような不連続面に傾斜膜を形成するのは困難で、量産面においても不利である。従って、不連続となってしまう第1のダイクロイック膜を非傾斜膜とし、第2のダイクロイック膜を傾斜膜とすれば、クロスダイクロイック素子を容易に製造できるようになる。
【0017】
この発明のプロジェクタにおいて、前記帯域制限素子は、前記第1の波長域の光の光路中と、前記第3の波長域の光の光路中に配置してもよい。このような構成とすれば、第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜とを非傾斜膜とすることが可能であるため、より低コストなプロジェクタを提供することが可能である。特に、クロスダイクロイック素子を用いたプロジェクタの場合には、クロスダイクロイック素子を容易に製造できるという利点がある。
【0018】
また、この場合、第1のダイクロイック膜や第2のダイクロイック膜を傾斜膜とする必要は無いが、傾斜膜を用いれば、投写画像における色ムラの発生をより一層低減することができる。
【0019】
この発明のプロジェクタにおいて、前記帯域制限素子は、前記遷移波長域の光を反射する光反射フィルターとしてもよい。このような光反射フィルターを用いれば、光反射フィルターが遷移波長域の光を反射し、他の有用な光を透過させることによって、遷移波長域の光を除去することができる。なお、光反射フィルターとしては、誘電体膜や金属膜によって形成されたダイクロイックフィルターを使用することができる。一般的に、光反射フィルターでは急峻な分光特性を実現しやすいため、遷移波長域の光を効率よく正確にカットできる特徴がある。
【0020】
この発明のプロジェクタにおいて、前記帯域制限素子は、前記遷移波長域の光を吸収するする光吸収フィルターとしてもよい。このような光吸収フィルターを用いれば、光吸収フィルターが遷移波長域の光を吸収し、他の有用な光を透過させることによって、遷移波長域の光を除去することができる。なお、光吸収フィルターとしては、顔料、希土類化合物、金属化合物等をガラスや樹脂に混合させたものを使用することができる。一般的に、光吸収フィルターでは分光特性の入射角依存性や温度依存性が小さいため、温度や湿度などの使用環境が大幅に変化しても、遷移波長域の光を効率よく正確にカットできる特徴がある。
【0021】
この発明のプロジェクタにおいて、前記第1〜第3の光変調装置との入射側にそれぞれ平行化レンズが設けられている場合には、前記帯域制限素子を前記平行化レンズと一体に設けてもよい。このような構成とすれば、光損失を生じ易い界面の数を低減することで、光利用効率を向上させることができる。
【0022】
また、この発明のプロジェクタにおいて、前記第1〜第3の光変調装置と前記クロスダイクロイック素子との間にそれぞれ集光レンズが設けられている場合には、前記帯域制限素子を前記集光レンズと一体に設けてもよい。このような構成とすれば、光損失を生じ易い界面の数を低減することで、光利用効率を向上させることができる。
【0023】
この発明のプロジェクタにおいて、前記帯域制限素子は、前記第1または第2のダイクロイック膜に光を導く折り返しミラーとして設けられ、前記遷移波長域の光を透過させるようにしてもよい。このような構成では、第1のダイクロイック膜に光を導く折り返しミラーに帯域制限素子の機能を併せ持たせ、遷移波長域の光が折り返しミラーを透過することで不要な光を除去しているため、帯域制限素子を別途設ける必要がなく光学系を簡素化できる。
【0024】
また、帯域制限素子を折り返しミラーとして設けた場合、前記帯域制限素子は、傾斜膜を有するようにしてもよい。このような構成によれば、帯域制限素子における分光特性の入射角依存性の影響を低減することができ、遷移波長域の光を効率よく正確にカットすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図である。なお、図1は、説明を容易にするために、主要な構成要素のみを示している。このプロジェクタAは、光源1と、フライアイレンズ2および3と、ダイクロイックミラー6aおよび6bと、反射ミラー7a,7bおよび7cと、リレーレンズ8aおよび8bと、平行化レンズ9a,9bおよび9cと、帯域制限素子14と、ライトバルブ10a,10bおよび10cと、集光レンズ(フィールドレンズ)11a,11bおよび11cと、クロスダイクロイック素子12と、投写レンズ13と、を備えている。
【0027】
光源1は、光源ランプ1aと凹面鏡1bとを備え、光源ランプ1aから射出された放射状の光線(放射光)を凹面鏡1bによって反射し、フライアイレンズ2に向けて射出する。光源ランプ1aとしては、ハロゲンランプ,メタルハライドランプ,高圧水銀ランプ等を、凹面鏡1bとしては、放物面鏡、楕円面鏡、球面鏡等を用いることができる。フライアイレンズ2および3はインテグレータ4を構成し、光源1からの放射光束を複数の部分光束に分割した後、3枚のライトバルブ10a,10bおよび10c上でそれらの部分光束を重畳することによって、投写画像の明るさムラを低減している。
【0028】
フライアイレンズ2は、矩形状の輪郭を有する微小な小レンズがマトリクス状に配列されたレンズアレイであり、各小レンズをz方向から見た外形形状は、ライトバルブ10(ライトバルブ10a,10bおよび10c)の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。たとえば、ライトバルブ10の画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスペクト比も略4:3に設定される。
【0029】
ダイクロイックミラー6aおよび6bは、誘電体多層膜等で構成されるダイクロイック膜をそれぞれ有し、光を複数の波長域ごとに分離する色分離光学系を構成する。ダイクロイックミラー6aは、赤色波長域の赤色光および黄色・オレンジ色の波長域の光を透過し、青色波長域および緑色波長域の光を反射して、これらの光を分離する。一方、ダイクロイックミラー6bは、青色波長域の青色光を透過し、緑色波長域の緑色光を反射して、これらの光を分離する。ダイクロイックミラー6aおよび6bのダイクロイック膜は傾斜膜として形成されているため、色分離特性の入射角依存性を低減し、照明系における色ムラの発生を低減している。
【0030】
図2は、プロジェクタAの色分離光学系による光の分離を示す図である。なお、図2では、説明を簡単にするために、可視波長域全体で均一な光量を有する光が光源1から射出された場合を想定している。この色分離光学系は、ダイクロイックミラー6aおよび6bによって、光源1からの光を三つの波長域の光、すなわち、青色波長域λ1の青色光B、緑色波長域λ2の緑色光G、ならびに赤色波長域λ3の赤色光Rおよび黄色・オレンジ色波長域λ4の光YOに分離する。このように、光源1から射出される光には緑色波長域λ2と赤色波長域λ3との間に黄色・オレンジ色波長域λ4が存在し、緑色光Gと赤色光Rとは不連続となっている。
【0031】
平行化レンズ9a,9bおよび9cは、インテグレータ4からの部分光束を各々の中心光軸に対して略平行化することで、ライトバルブ10へ入射する光束の角度分布を狭くして、入射効率を高める機能を有する。帯域制限素子14は、所定の波長域の光をカットする素子であり、所定波長域の光を反射し、他の波長域の光を透過する光反射フィルターである。本例では、光反射フィルターとして誘電体多層膜等で構成されるダイクロイックフィルターを用いている。一般に、誘電体多層膜等で構成されたダイクロイックフィルターからなる帯域制限素子は、特性が設定しやすく、また反射型であることから発熱を抑えられるという利点がある。
【0032】
帯域制限素子14は、クロスダイクロイック素子12と色分離光学系との間の光路上であれば、その配置場所は制限されない。但し、帯域制限素子14として、所定波長域の光を反射する光反射フィルターを用いる場合は、反射光がライトバルブ10aに入射しないように、帯域制限素子14をライトバルブ10aの入射側に配置することが望ましい。ここでは、帯域制限素子14を平行化レンズ(リレーレンズ)9aと一体に設けている。もちろん、帯域制限素子14はライトバルブと色分離光学系との間であれば、その配置場所は限定されないため、例えば、平行化レンズ9aの入射側に配置することもできる。しかし、本実施の形態の様に、他の光学部品と一体化させて配置すれば、光損失を発生しやすい界面を少なくできるため、光学系の光利用効率を高めやすいメリットがある。
【0033】
図3は、プロジェクタAの帯域制限素子14の分光特性を示す図である。帯域制限素子14は、ライトバルブ10aに向かう光のうち、投写画像に不要な黄色・オレンジ色波長域λ4の光YOを反射し、赤色波長域λ3の赤色光Rを透過して、投写画像の色再現性を向上させている。同時に、帯域制限素子14は、帯域制限素子14の射出側に配置された後述するダイクロイック膜12aにおいて、その分光特性が有する入射角依存性によって生じる遷移波長域λ5の光を反射する。すなわち、帯域制限素子14は、ダイクロイック膜12aに向かう光のうち、黄色・オレンジ色波長域λ4の光YOを除去するとともに、同時に遷移波長域λ5の光も除去している。したがって、本実施の形態では遷移波長域λ5は黄色・オレンジ色波長域λ4に包含されている。ライトバルブ10a,10bおよび10cは、光を透過して画像を生成する透過型ライトバルブであり、たとえば、一対の偏光板とこれらの間に挟まれた液晶パネルとを備えた液晶ライトバルブである。図では、液晶パネルと一対の偏光板が一体化したライトバルブ10a,10bおよび10cが示されているが、液晶パネルと偏光板は離して配置しても構わない。
【0034】
集光レンズ11(集光レンズ11a,11bおよび11c)は、ライトバルブ10からの光を集光しつつ非テレセントリックな光学特性を有する投写レンズ13に導き入れ、投写レンズ13への入射効率を高める役割を果たす。なお、ライトバルブ10の表示特性が入射角依存性を有しない場合は、集光レンズ11を設けず、平行化レンズ9a,9bおよび9cに集光レンズ11a,11bおよび11cの機能をそれぞれ持たせ、平行化レンズ9a,9bおよび9cによって集光を行ってもよい。クロスダイクロイック素子12は、X字状にクロスする二面のダイクロイック膜を有するクロスダイクロイックプリズムやクロスダイクロイックミラー等の光学素子である。
【0035】
図4は、図1に示したクロスダイクロイック素子12の一例としてのクロスダイクロイックプリズムの概略構成を示す平面図である。クロスダイクロイック素子12は、四つの直角三角柱状のプリズムを組み合わせたものであって、これらのプリズムの界面に沿ってダイクロイック膜12aおよび12bをX字状に有している。ダイクロイック膜12aおよび12bは、入射光の主光軸に対して法線が45度となるように設定されている。ダイクロイック膜12aは、非傾斜膜であって、赤色波長域λ3の赤色光Rと緑色波長域λ2の緑色光Gとを合成する。
【0036】
図5は、プロジェクタAのダイクロイック膜12aに対する光の入射を説明する説明図である。たとえば、ダイクロイック膜12aに対して45度±αの範囲の入射角を有する拡散光が入射した場合、ダイクロイック膜12a上の位置A1,B1およびC1によって入射角が異なることになる。すなわち、位置A1では45度に比して大きい角度で、位置B1では45度の角度で、位置C1では45度に比して小さい角度で、各々光は入射する。この場合、図6に示すように、非傾斜膜であるダイクロイック膜12aの入射角依存性によって、反射波長域と透過波長域とを分ける境界波長(カットオフ波長)は位置A1,B1およびC1において異なるものとなる。したがって、この境界波長が変化する波長域である遷移波長域λ5の光がダイクロイック膜12aに入射すると、その入射角依存性の影響によってダイクロイック膜12aを光が通過する位置に応じて色が変化し、投写画像には色ムラが発生することとなる。しかし、本例のプロジェクタAにおいてはダイクロイック膜12aに向かう光のうち、遷移波長域λ5の光は帯域制限素子14によって予め除去されているので、入射角依存性の影響は低減され、色ムラは殆ど発生しない。
【0037】
すなわち、ダイクロイック膜12aの遷移波長域λ5は、帯域制限素子14によって除去される波長域に設定される。ここで、遷移波長域λ5とは、たとえば、ダイクロイック膜12aに入射する拡散光の最大入射角に対するカットオフ波長と最小入射角に対するカットオフ波長との間の波長域である。また、カットオフ波長とは、反射光の光量と透過光の光量とが略等しくなる波長である。一般に、カットオフ波長は、ダイクロイック膜に対する入射光がP偏光であるかS偏光であるかによって変わるが、ここでいうカットオフ波長は、帯域制限素子14からの入射光がダイクロイック膜12aの入射面に対してP偏光であれば、P偏光に対するカットオフ波長であるし、S偏光であれば、S偏光に対するカットオフ波長である。
【0038】
一方、ダイクロイック膜12bは、分光特性の入射角依存性の影響を低減するために傾斜膜となっており、青色波長域λ1の青色光Bと緑色波長域λ2の緑色光Gとを合成する。図7は、プロジェクタAのダイクロイック膜12bに対する光の入射を説明する説明図である。たとえば、ダイクロイック膜12bに対して45度±αの範囲の入射角を有する拡散光が入射した場合、入射面上の位置A2,B2およびC2によって入射角が異なることになる。すなわち、位置A2では45度に比して大きい角度で、位置B2では45度の角度で、位置C2では45度に比して小さい角度で、各々光は入射する。
【0039】
ダイクロイック膜12bは、図8に示すように、同じ入射角の光に対する分光特性がダイクロイック膜12b上の位置によって異なっている。すなわち、位置C2では位置B2に比して短波長のカットオフ波長を有し、位置A2では位置B2に比して長波長のカットオフ波長を有する。これにより、所定の角度分布を有する拡散光が入射した場合、各位置A2,B2およびC2の分光特性は、その拡散光に対して一様となり、ダイクロイック膜12bを通過する位置に応じて光の色が変化することがない(図9参照)。
【0040】
ここで、クロスダイクロイック素子12の製法の一例を説明する。図4において、クロスダイクロイック素子12は、4つの直角プリズムP1,P2,P3,P4を接着剤12cで貼り合わせることによって形成することができる。まず、直角プリズムP1の直角を挟む側面のうち一方に、蒸着等の方法によってダイクロイック膜12aを形成する。同様に、直角プリズムP4にもダイクロイック膜12aを形成する。次に、ダイクロイック膜12aが形成されたプリズムP1と、膜が形成されていないプリズムP2とを接着剤12cによって貼り合わせる。その後、接着されたプリズムP1,P2によって形成された斜面に、蒸着等の方法によって傾斜膜12bを形成する。一方、ダイクロイック膜12aが形成されたプリズムP4と、膜が形成されていないプリズムP3とを接着剤12cによって貼り合わせておく。最後に、接着されたプリズムP3,P4と、接着後傾斜膜12bが形成されたプリズムP1,P2とを接着剤12cによって貼り合わせる。
【0041】
このようにしてクロスプリズム素子12を製造すると、図4に示すように、非傾斜膜であるダイクロイック膜12aと傾斜膜であるダイクロイック膜12bとが交差する部分では、非傾斜膜であるダイクロイック膜12aは分断されて不連続となる。一方、ダイクロイック膜12bは一つに繋がり、連続する。これにより、傾斜膜であるダイクロイック膜12bの成膜工程が容易となる。なお、クロスダイクロイック素子12の製法はここで説明した方法には限られない。傾斜膜であるダイクロイック膜12bが分断されていてもよいし、非傾斜膜であるダイクロイック膜12aが連続していてもよい。また、本実施形態では帯域制限素子14を設けたのでダイクロイック膜12aを傾斜膜とする必要は無いが、ダイクロイック膜12aを傾斜膜にしてもよい。
【0042】
図10は、図1に示した投写レンズ13の概略構成を示す平面図である。ライトバルブ10から射出された光線は、集光レンズ11によって集光されながら投写レンズ13に入射する。したがって、投写レンズ13は、非テレセントリックな投写レンズに設定されている。すなわち、投写レンズ13の瞳中心13aを通る軸外主光線13cがクロスダイクロイック素子12の部分で主光線13bと非平行となっている。非テレセントリックな投写レンズ13では、主光線13bに対して軸外主光線13cを傾斜させているため、前述した従来のテレセントリックな投写レンズ92に比してレンズ径を小さくできる。よって、投写レンズを小型化でき、製造コストも低減できる。また、光が集光されながら非テレセントリックな投写レンズ13に向かうので、クロスダイクロイック素子12を小型化することもできる。
【0043】
以上のように構成された、実施の形態1にかかるプロジェクタAの光学系の機能について説明する。光源1から射出された光は、インテグレータ4を構成するフライアイレンズ2の複数の小レンズによって複数の部分光束に分割された後、対応するフライアイレンズ3によってライトバルブ10上で重畳される。
【0044】
インテグレータ4から射出された光は、ダイクロイックミラー6aに入射する。ダイクロイックミラー6aは、入射光のうち、赤色波長域λ3および黄色・オレンジ色波長域λ4の光を透過し、青色波長域λ1および緑色波長域λ2の光を反射して、これらの光を分離する。ダイクロイックミラー6aを透過した光は、反射ミラー7aで反射され、平行化レンズ9aおよび帯域制限素子14を通ってライトバルブ10aに達する。ここで、帯域制限素子14は、図11に示すように、赤色波長域λ3および黄色・オレンジ色波長域λ4の光のうち、遷移波長域λ5を含む黄色・オレンジ色波長域λ4の光を除去し、赤色波長域λ3の赤色光のみを射出する。
【0045】
一方、ダイクロイックミラー6aを反射した光は、ダイクロイックミラー6bに入射する。ダイクロイックミラー6bは、入射光のうち、青色波長域λ1の青色光Bを透過し、緑色波長域λ2の緑色光Gを反射して、これらの光を分離する。ダイクロイックミラー6bを反射した緑色光Gは、平行化レンズ9bを通ってライトバルブ10bに達する。一方、ダイクロイックミラー6bを透過した青色光Bは、リレーレンズ8a,反射ミラー7b,リレーレンズ8b,反射ミラー7cおよび平行化レンズ9cを通ってライトバルブ10cに達する。なお、青色光に対してリレーレンズ8aおよび8bが用いられているのは、青色光の光路が他の色光の光路に比して長いため、光路の長さの違いを光学的に補償することで光利用効率の低下を抑えるためである。
【0046】
三つのライトバルブ10a,10bおよび10cは、それぞれ一対の偏光板と、その間に配置された透過型の液晶パネルとから構成され、与えられた画像情報(画像信号)にしたがって入射光を変調し、画像情報を含んだ射出光を生成する光変調装置としての機能を有している。これにより、三つのライトバルブ10a,10bおよび10cに入射した各色光は、各色光毎の画像を形成する。三つのライトバルブ10a,10bおよび10cからそれぞれ射出された赤色の変調光,緑色の変調光および青色の変調光は、集光レンズ11a,11bおよび11cをそれぞれ通ってクロスダイクロイック素子12に入射する。
【0047】
クロスダイクロイック素子12は、3色の変調光を合成してカラー画像を形成する色合成光学系としての機能を有しており、ダイクロイック膜12aおよび12bによって3色の変調光が合成されて、カラー画像を投写するための合成光が形成される。なお、クロスダイクロイック素子12に入射する光の偏光方向は、特に限定されない。たとえば、ライトバルブ10の入射側或いは射出側、さらにはその両側にλ/2位相差板を設けることにより、三つの入射光の全てをクロスダイクロイック素子12の色合成面に対してS偏光となるように、あるいは、緑色光のみがP偏光となるように設定することができる。
【0048】
ダイクロイック膜12aは非傾斜膜として形成されているが、クロスダイクロイック素子12に入射する赤色光Rは、ダイクロイック膜12aの遷移波長域λ5の光成分が帯域制限素子14によって予め除去されているので、ダイクロイック膜12aの入射角依存性の影響を殆ど受けない。また、ダイクロイックミラー6aおよび6bを有する色分離光学系では、ライトバルブ10bに入射する緑色光Gに遷移波長域λ5の色光を含まないように、色分離における境界波長(カットオフ波長)が設定されているため、緑色光もダイクロイック膜12aの入射角依存性の影響をほとんど受けない。したがって、ダイクロイック膜12aで合成される赤色光Rおよび緑色光Gは、ダイクロイック膜12aの入射角依存性の影響を殆ど受けずに合成されるため、ダイクロイック膜12aのミラー面上の位置に応じて合成光(赤色光+緑色光)の色合いが変化することが無く、色ムラのない合成光を得ることができる。なお、遷移波長域λ5は偏光方向によって異なるため、遷移波長域λ5はダイクロイック膜12aに入射する色光の偏光方向を考慮して決定される。
【0049】
一方、ダイクロイック膜12bは傾斜膜として形成されているため、ダイクロイック膜12bで合成される青色光Bおよび緑色光Gも入射角依存性の影響を殆ど受けずに合成される。したがって、ダイクロイック膜12bのミラー面上の位置に応じて合成光(青色光+緑色光)の色合いが変化することが無く、色ムラのない合成光を得ることができる。クロスダイクロイック素子12で生成された合成光(赤色光+緑色光+青色光)は、投写レンズ13の方向に射出される。投写レンズ13は、この合成光を図示しない投写スクリーン上に投写する機能を有し、図示しない投写スクリーン上にカラー画像を表示する。
【0050】
前述したように実施の形態1によれば、非傾斜膜であるダイクロイック膜12aと傾斜膜であるダイクロイック膜12bをX字状に有して構成されるクロスダイクロイック素子12によって三つの波長域の光を合成した後、その合成光を非テレセントリックな投写レンズ13によって投写するが、非傾斜膜であるダイクロイック膜12aで合成される色光のうち、一方の光路中に帯域制限素子14を配置し、予めダイクロイック膜12aの入射角依存性によって生じる遷移波長域λ5の光を除去している。これにより、非テレセントリックな投写レンズ13を使用しつつ、クロスダイクロイック素子12の入射角依存性が合成光の色合いに与える影響を低減することができるため、投写画像における色ムラの発生を低減できると共に、投写レンズを小型化し、低コスト化を図ることができる。
本実施の形態1では、遷移波長域λ5の光を赤光路に配置された帯域制限素子14でカットする構成としているが、赤光路に換えて緑光路に配置しても良い。その場合には、遷移波長域λ5を含む色光がダイクロイックミラー6aで反射され、ダイクロイックミラー6bを経て緑光路に配置された帯域制限素子に入射する様に、ダイクロイックミラー6aの分光特性を設定すれば良い。
【0051】
(実施の形態2)
前述した実施の形態1では、非傾斜膜のダイクロイック膜12aに向かう一方の光路上に帯域制限素子14を設けたが、ダイクロイック膜12aに向かう両方の光路上に帯域制限素子を設けてもよい。この発明の実施の形態2は、赤色光に加えて緑色光の光路上にも帯域制限素子を設けている点が実施の形態1とは異なっている。その他の点については実施の形態1と同様である。図12は、この発明の実施の形態2にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図である。なお、本実施の形態を含めて以降の全ての実施の形態において、実施の形態1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
実施の形態2のプロジェクタBは、プロジェクタAのダイクロイックミラー6aに代えて、カットオフ波長が黄色・オレンジ色波長域λ4を2分する波長となる特性を有するダイクロイックミラー31を、また、赤色光の光路上の帯域制限素子14に代えて、除去する波長域が異なる別の帯域制限素子14’を、さらに、緑色光の光路上に新たな帯域制限素子32を備えている。図13は、プロジェクタBの色分離光学系による光の分離を示す図である。実施の形態2の色分離光学系は、光源1からの光を、青色波長域λ1の青色光B、緑色波長域λ2の緑色光Gおよび黄色・オレンジ色波長域λ4の一部の波長域(例えば、短波長域)の光YO1、ならびに赤色波長域λ3の赤色光Rおよび黄色・オレンジ色波長域λ4の他の波長域(例えば、長波長域)の光YO2に分離する。すなわち、本実施の形態では、色分離光学系によって分離される三つの色光の内、波長域が近接した二つの色光(本例の場合には緑色光と赤色光)に、ダイクロイック膜12aの入射角依存性によって影響を受ける遷移波長域の光が含まれている場合を想定している。
【0053】
帯域制限素子32および14’は、たとえば、プロジェクタAの帯域制限素子14と同様のダイクロイックフィルター(光反射フィルター)であり、ダイクロイックフィルターからの反射光がライトバルブ10bおよび10aに入射しないように、ライトバルブ10bおよび10aの入射側に平行化レンズ9bおよび9aと各々一体化して配置されている。
【0054】
図14、15は、プロジェクタBの帯域制限素子32および14’の分光特性を示す図である。帯域制限素子32は、ライトバルブ10bに向かう光のうち、投写画像に不要な黄色・オレンジ色波長域λ4の一部の波長域の光YO1を反射し、緑色波長域λ2の緑色光Gを透過して、投写画像の色再現性を向上させると共に、ダイクロイック膜12aの入射角依存性によって生じる遷移波長域λ6の光を反射する。すなわち、帯域制限素子32は、ダイクロイック膜12aに向かう光のうち、黄色・オレンジ色波長域λ4の光の一部を除去するとともに、遷移波長域λ6の光を除去している。同様に、帯域制限素子14’は、ライトバルブ10aに向かう光のうち、投写画像に不要な黄色・オレンジ色波長域λ4の他の一部の波長域の光YO2を反射し、赤色波長域λ3の赤色光Rを透過して、投写画像の色再現性を向上させると共に、ダイクロイック膜12aの入射角依存性によって生じる遷移波長域λ5’の光を反射する。すなわち、帯域制限素子14’は、ダイクロイック膜12aに向かう光のうち、黄色・オレンジ色波長域λ4の光の他の一部を除去するとともに、遷移波長域λ5’の光も除去している。ここで、遷移波長域λ5’と遷移波長域λ6とは連続した一つの波長域を成し、この連続した波長域は、実施の形態1で説明した遷移波長域λ5に略等しい。
【0055】
以上のように構成された実施の形態2にかかるプロジェクタBの光学系の機能について説明する。前述した実施の形態1と同様に、インテグレータ4から射出された光はダイクロイックミラー31に入射する。ダイクロイックミラー31は、入射光のうち、青色波長域λ1、緑色波長域λ2および黄色・オレンジ色波長域λ4の一部の波長域の光YO1を反射し、赤色波長域λ3および黄色・オレンジ色波長域λ4の他の波長域の光YO2を透過して、これらの光を分離する。ダイクロイックミラー31を透過した光は、反射ミラー7aで反射され、平行化レンズ9aおよび帯域制限素子14’を通ってライトバルブ10aに達する。ここで、帯域制限素子14’は、図16に示すように、遷移波長域λ5’を含む黄色・オレンジ色波長域λ4の一部の波長域の光YO2を除去し、赤色波長域λ3の赤色光Rのみを射出する。
【0056】
一方、ダイクロイックミラー6aを反射した光は、ダイクロイックミラー6bに入射する。ダイクロイックミラー6bは、入射光のうち、青色波長域λ1の青色光Bを透過し、緑色波長域λ2の緑色光Gおよび黄色・オレンジ色波長域λ4の一部の波長域の光YO1を反射して、これらの光を分離する。ダイクロイックミラー6bを反射した光は、平行化レンズ9bおよび帯域制限素子32を通ってライトバルブ10bに達する。ここで、帯域制限素子32は、図17に示すように、遷移波長域λ6を含む黄色・オレンジ色波長域λ4の一部の波長域の光YO1を除去し、緑色波長域λ2の緑色光Gのみを射出する。
【0057】
そして、ダイクロイックミラー6bを透過した青色光BはプロジェクタAと同様の経路を経てライトバルブ10cに達する。三つのライトバルブ10a,10bおよび10cに入射した各色光は、画像情報に従って変調された後、クロスダイクロイック素子12で合成され、投写レンズ13によって図示しないスクリーンに投写画像を形成する。
【0058】
ここで、ダイクロイック膜12aは非傾斜膜として形成されているが、クロスダイクロイック素子12に入射する赤色光Rは、赤色光Rに対するダイクロイック膜12aの遷移波長域λ5’の光成分が帯域制限素子14’によって予め除去されているので、ダイクロイック膜12aの入射角依存性の影響を殆ど受けない。また、緑色光Gも、緑色光Gに対するダイクロイック膜12aの遷移波長域λ6の光成分が帯域制限素子32によって予め除去されているので、ダイクロイック膜12aの入射角依存性の影響を殆ど受けない。したがって、ダイクロイック膜12aで合成される赤色光Rおよび緑色光Gは、ダイクロイック膜12aの入射角依存性の影響を殆ど受けずに合成されるため、ダイクロイック膜12aのミラー面上の位置に応じて合成光(赤色光+緑色光)の色合いが変化することが無く、色ムラのない合成光を得ることができる。一方、ダイクロイック膜12bは傾斜膜として形成されているため、ダイクロイック膜12bで合成される青色光Bおよび緑色光Gも入射角依存性の影響を殆ど受けずに合成される。したがって、ダイクロイック膜12bのミラー面上の位置に応じて合成光(青色光+緑色光)の色合いが変化することが無く、色ムラのない合成光を得ることができる。
【0059】
前述したように実施の形態2によれば、非傾斜膜のダイクロイック膜12aに向かう両方の光路上に帯域制限素子14’および32をそれぞれ設けた場合も、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。その上、2ヶ所に帯域制限素子を配置することによって、不要となる遷移波長域の光を各々の帯域制限素子でより精度良く除去することができるため、投写画像における色ムラの発生を一層低減することができる。なぜなら、帯域制限素子に対する光の入射角は0度付近の小さな角度範囲に収まっているため、ダイクロイックフィルターによって帯域制限素子を構成した場合でも、帯域制限素子の入射角依存性をかなり小さいくすることができ、緑色波長域λ2の長波長側のカットオフ波長と赤色波長域の短波長側のカットオフ波長とを2ヶ所の帯域制限素子によって正確に決めることができるためである。この点を考慮すれば、色分離光学系に用いるダイクロイックミラー31の分光特性を精度良く設定する必要がなく、ダイクロイックミラー31の低コスト化を図ることができる。
【0060】
(実施の形態3)
前述した実施の形態1および実施の形態2では、緑色波長域と赤色波長域との間の黄色・オレンジ色波長域に遷移波長域を設定し、その波長域の光を不要な光として除去していたが、さらに、青色波長域と緑色波長域との間に別の遷移波長域を設定し、その波長域の光を除去するように構成すれば、ダイクロイック膜12bを非傾斜膜とすることができる。
【0061】
図18は、この発明の実施の形態3にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図である。実施の形態3のプロジェクタCは、実施の形態1のプロジェクタAにおいて、さらに、青色波長域λ7と緑色波長域λ2との間に遷移波長域λ8(図19参照)を設定し、その波長域の光を除去する帯域制限素子41を備え、また、クロスダイクロイック素子12に代えて、非傾斜膜のダイクロイック膜12aおよび42をX字状に配置して構成したクロスダイクロイック素子43を備えている。ここで、帯域制限素子41は、たとえば、帯域制限素子14と同様のダイクロイックフィルター(光反射フィルター)であり、ダイクロイックフィルターからの反射光がライトバルブ10cに入射しないように、ライトバルブ10cの入射側に平行化レンズ9cと一体化して配置されている。その他の点は実施の形態1と同様である。
【0062】
図20は、プロジェクタCの帯域制限素子41の分光特性を示す図である。帯域制限素子41は、ライトバルブ10cに向かう光のうち、帯域制限素子41の射出側に配置されたダイクロイック膜42の入射角依存性によって生じる遷移波長域λ8の光を反射して除去し、所定の青色波長域λ7の青色光Bを透過させる。
【0063】
以上のように構成された実施の形態3にかかるプロジェクタCの光学系の作用について説明する。前述した実施の形態1と同様にして色分離光学系によって分離された各色光は、それぞれ平行化レンズ9a,9bおよび9cに入射する。その中で、平行化レンズ9cに入射した光は、帯域制限素子41を通ってライトバルブ10cに達する。ここで、帯域制限素子41は、遷移波長域λ8の光を予め除去し、所定の青色波長域λ7の青色光Bのみを射出する。他の色光は、実施の形態1と同様にして、ライトバルブ10aおよび10bにそれぞれ達する。三つのライトバルブ10a,10bおよび10cに入射した各色光は、画像情報に従って変調された後、クロスダイクロイック素子43で合成され、投写レンズ13によって図示しないスクリーンに投写画像を形成する。
【0064】
ここで、クロスダイクロイック素子43に入射する光は、帯域制限素子14および41によって、遷移波長域λ4およびλ8の光成分が予め除去されているので、クロスダイクロイック膜12aおよび42の入射角依存性の影響を殆ど受けない。したがって、ダイクロイック膜12aおよび42のミラー面上の位置に応じて合成光(赤色光+緑色光、緑色光+青色光)の色合いが変化することが無く、色ムラのない合成光を得ることができる。
【0065】
これにより、2つのダイクロイック膜を共に非傾斜膜としたクロスダイクロイック素子43と非テレセントリックな投写レンズ13を組み合わせて使用した構成であっても、クロスダイクロイック素子43の入射角依存性が合成光の色合いに与える影響を低減することができるため、投写画像における色ムラの発生を低減できると共に、投写レンズを小型化し、低コスト化を図ることができる。なお、プロジェクタCでは、実施の形態1から発展させて赤色光と青色光の2つの光路に帯域制限素子を配置した例を示したが、実施の形態2から発展させて赤色光、緑色光、青色光の3つの光路に帯域制限素子を配置した構成をとることも可能である。すなわち、ダイクロイック膜42に向かう両方の光路上に帯域制限素子を設け、不要な波長域λ8を除去してもよい。この場合には、3ヶ所に配置した帯域制限素子によって、不要となる遷移波長域の光を精度良く除去することができるため、投写画像における色ムラの発生を一層低減することができるなど、実施の形態2と同様の効果をさらに得ることができる。
【0066】
(実施の形態4)
前述した実施の形態1〜実施の形態3では、帯域制限素子として、所定波長域の光を反射することによって所定の光を除去する光反射フィルターを用いたが、所定波長域の光を吸収することによって所定の光を除去する光吸収フィルターを用いてもよい。この発明の実施の形態4は、実施の形態1において、帯域制限素子として光吸収フィルターを用いたものである。なお、以下の説明では、実施の形態1に光吸収フィルターを適用した例を示すが、実施の形態2および実施の形態3にも同様に光吸収フィルターを適用することができる。
【0067】
図21は、この発明の実施の形態4にかかるプロジェクタDの概略構成を示す平面図である。実施の形態4のプロジェクタDは、実施の形態1のプロジェクタAにおいて、光反射フィルターである帯域制限素子14に代えて、光吸収フィルターである帯域制限素子51を備えたものである。その他の点については実施の形態1と同様である。帯域制限素子51は、たとえば、希土類元素や金属元素を含むガラス材料、プラスチック材料等で構成される。
【0068】
一般に、光吸収フィルター等、所定波長域の光を吸収する帯域制限素子は、反射光を発生しないので、光反射フィルターと比べて反射光の処理が必要ないという利点があり、そのため、ライトバルブの射出側にも配置することができ、設置の自由度が光反射フィルターに比べて高い。また、多くの光吸収フィルターでは分光特性の入射角依存性はかなり小さいため光学特性が安定するという利点もある。光反射型の帯域制限素子と同様に、光吸収型の帯域制限素子51は、クロスダイクロイック素子12と色分離光学系との間の光路上であれば、その配置場所は制限されない。本例では、帯域制限素子51をライトバルブ10aの射出側に配置している。ここで、帯域制限素子51は光吸収による発熱を生じやすいため、その影響を避けるために、クロスダイクロイック素子12やライトバルブ10aと接触しないように配置することが望ましく、本例では、帯域制限素子51を集光レンズ11aと一体に設けている。なお、帯域制限素子51を平行化レンズ9aと一体に設けてもよい。
【0069】
帯域制限素子51は、ライトバルブ10aに向かう光のうち、投写画像に不要な黄色・オレンジ色波長域λ4の光を吸収し、赤色波長域λ3の赤色光Rを透過して、投写画像の色再現性を向上させている。同時に、帯域制限素子51は、帯域制限素子51の射出側に配置されたダイクロイック膜12aにおいて、その分光特性が有する入射角依存性によって生じる遷移波長域λ5の光を吸収する。すなわち、帯域制限素子51は、ダイクロイック膜12aに向かう光のうち、黄色・オレンジ色波長域λ4の光を除去するとともに、同時に遷移波長域λ5の光も除去している。
【0070】
帯域制限素子51がライトバルブ10aの射出側で黄色・オレンジ色波長域λ4および遷移波長域λ5の光を除去する以外の作用は、実施の形態1の場合と同じである。前述したように実施の形態4によれば、帯域制限素子として光吸収フィルターを用いた場合も、実施の形態1〜実施の形態3の場合と同様の効果を得ることができる。
【0071】
(実施の形態5)
この発明の実施の形態5は、実施の形態1において、色光をライトバルブ10aおよびクロスダイクロイック素子12の方向に導く反射ミラー(45度折り返しミラー)に帯域制限素子の機能を併せ持たせたものである。図22は、この発明の実施の形態5にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図である。実施の形態5のプロジェクタEは、実施の形態1のプロジェクタAにおいて、帯域制限素子14および反射ミラー7aに代えて、ダイクロイックミラーである帯域制限素子61を備えたものである。その他の点については実施の形態1と同様である。
【0072】
帯域制限素子61は、誘電体多層膜等で構成され、ライトバルブ10aに向かう光のうち、投写画像に不要な黄色・オレンジ色波長域λ4の光を透過し、赤色波長域λ3の赤色光Rを反射して、投写画像の色再現性を向上させている。同時に、帯域制限素子61は、帯域制限素子61の射出側に配置されたダイクロイック膜12aの角度依存性の影響を受ける遷移波長域λ5の光を透過する。すなわち、帯域制限素子61は、ダイクロイック膜12aに向かう光のうち、黄色・オレンジ色波長域λ4の光を除去するとともに、同時に遷移波長域λ5の光も除去している。
【0073】
ここで、ダイクロイックミラーである帯域制限素子61は、ダイクロイックミラーの入射角依存性の影響を低減するために、傾斜膜となっている。帯域制限素子61が透過によって不要な光を除去する以外の作用は、実施の形態1の帯域制限素子14と同じである。前述したように実施の形態5によれば、帯域制限素子を反射ミラーとして用いた場合も、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態では、赤色光路の反射ミラーに帯域制限素子としての機能を併せ持たせているが、これに限定されない。例えば、ダイクロイック膜12bを非傾斜膜とする場合には、青色光路の反射ミラー(図1の反射ミラー7cや反射ミラー7b)に帯域制限素子としての機能を持たせても良い。
【0074】
(変形例)
遷移波長域はダイクロイック膜で合成する2つの色光の間に存在するため、遷移波長域の光をカットする帯域制限素子の配置場所は、上述の各実施の形態に限定されない。例えば、実施の形態1や実施の形態2で説明したように、緑色光と赤色光との間に存在する遷移波長域の光をカットするためには、帯域制限素子を赤光路の1ヶ所に、或いは、緑光路の1ヶ所に、更に或いは、赤光路と緑光路のそれぞれに配置するなど、多様な形態をとることができる。勿論、緑色光と青色光との間に存在する遷移波長域の光をカットする場合も同様である。
【0075】
上述した実施の形態では、帯域制限素子を色分離光学系と色合成光学系との間に配置していたが、光源と色分離光学系との間に配置することも可能である。その場合、帯域制限素子は特定の波長域の光だけをカットするようにU字型の分光特性を有するノッチフィルターであることが望ましい。
【0076】
ところで、上述した実施の形態では、ダイクロイック膜をX字状に配置して成るクロスダイクロイックプリズムやクロスダイクロイックミラーを色合成光学系として用いたプロジェクタの例について説明したが、本発明は、2つのダイクロイック膜を平行に配置して成る色合成光学系を用いたプロジェクタにも適用することが可能である。
【0077】
また、上述した実施の形態では、透過型の光変調装置を用いたプロジェクタの例について説明したが、本発明は、他の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用することが可能である。例えば、マイクロミラーによって画素が構成された反射型の光変調装置、光変調層に液晶を用いた反射型の光変調装置(反射型液晶ライトバルブ)、散乱性を制御することで画像表示を行う散乱型光変調装置などである。もちろん、使用する光変調装置の種類に応じて色分離光学系や色合成光学系の配置の仕方は変化するが、何れの構成に対しても、本発明を適用することが可能である。
【0078】
さらに、プロジェクタとしては、投写面を観察する方向から画像投写を行う前方投写型プロジェクタ、および投写面を観察する方向とは反対側から画像投写を行う背面投写型プロジェクタがあるが、実施の形態1〜実施の形態5の構成は、いずれのプロジェクタにも適用可能である。
【0079】
さらにまた、前述した青色波長域,緑色波長域および赤色波長域の範囲は特に限定されず、たとえば、400nm〜500nmを青色波長域とし、500nm〜560nmを緑色波長域とし、560nm〜610nmを黄色・オレンジ色波長域とし、610nm〜700nmを赤色波長域としてもよい。すなわち、各色の波長域の範囲および不要な波長域の範囲は、任意に設定することができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のプロジェクタによれば、非テレセントリックな投写レンズを使用しつつ入射角依存性を低減することができるため、色ムラを低減しつつ、投写レンズを小型化し、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図である。
【図2】実施の形態1にかかる色分離光学系による光の分離を示す図である。
【図3】実施の形態1にかかる帯域制限素子の分光特性を示す図である。
【図4】図1に示したクロスダイクロイック素子の概略構成を示す平面図である。
【図5】実施の形態1にかかるダイクロイック膜に対する光の入射を説明する説明図である。
【図6】実施の形態1にかかるダイクロイック膜の分光特性の入射角依存性を示す図である。
【図7】実施の形態1にかかる他のダイクロイック膜に対する光の入射を説明する説明図である。
【図8】実施の形態1にかかる他のダイクロイック膜の分光特性を示す図である。
【図9】実施の形態1にかかる他のダイクロイック膜の拡散光に対する分光特性を示す図である。
【図10】図1に示した投写レンズの概略構成を示す平面図である。
【図11】実施の形態1にかかる帯域制限素子による波長域除去を説明する説明図である。
【図12】この発明の実施の形態2にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図である。
【図13】実施の形態2にかかる色分離光学系による光の分離を示す図である。
【図14】実施の形態2にかかる帯域制限素子32の分光特性を示す図である。
【図15】実施の形態2にかかる帯域制限素子14’の分光特性を示す図である。
【図16】実施の形態2にかかる帯域制限素子14’による波長域除去を説明する説明図である。
【図17】実施の形態2にかかる帯域制限素子32による波長域除去を説明する説明図である。
【図18】この発明の実施の形態3にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図である。
【図19】実施の形態3にかかる色分離光学系による光の分離を示す図である。
【図20】実施の形態3にかかる帯域制限素子の分光特性を示す図である。
【図21】この発明の実施の形態4にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図である。
【図22】この発明の実施の形態5にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図である。
【図23】従来のプロジェクタの概略構成を示す平面図である。
【図24】図23に示した投写レンズの概略構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1 光源
1a 光源ランプ
1b 凹面鏡
2,3 フライアイレンズ
4 インテグレータ
6a,6b,31 ダイクロイックミラー
7a,7b,7c 反射ミラー
8a,8b リレーレンズ
9a,9b,9c 平行化レンズ
10,10a,10b,10c ライトバルブ
11,11a,11b,11c 集光レンズ(フィールドレンズ)
12,43 クロスダイクロイック素子
12a,42 ダイクロイック膜(非傾斜膜)
12b ダイクロイック膜(傾斜膜)
13 投写レンズ
13a 瞳中心
13b 主光線
13c 軸外主光線
14,14’,32,41,51,61 帯域制限素子

Claims (10)

  1. 光源と、
    前記光源から射出された光を第1〜第3の波長域の光に分離する色分離光学系と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も高波長域である第1の波長域の光を変調する第1の光変調装置と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、中間の波長域である第2の波長域光を変調する第2の光変調装置と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も低波長域である第3の波長域の光を変調する第3の光変調装置と、
    前記第1の波長域の光を反射し前記第2の波長域の光を透過する第1のダイクロイック膜と、前記第3の波長域の光を反射し前記第2の波長域の光を透過する第2のダイクロイック膜とをX字状に有し、前記第1〜第3の光変調装置によって変調された三つの波長域の光を合成するクロスダイクロイック素子と、
    前記第1または第2のダイクロイック膜に向かう光のうち、前記第1または第2のダイクロイック膜の分光特性が有する入射角依存性によってカットオフ波長が変化する波長域の光を除去する帯域制限素子と、
    前記クロスダイクロイック素子が合成した光を投写する非テレセントリックな投写レンズと、
    を具備するプロジェクタであって、
    前記帯域制限素子は、前記第1の波長域の光の光路中に配置され、前記第1のダイクロイック膜は非傾斜膜であり、前記第2のダイクロイック膜は傾斜膜であることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 光源と、
    前記光源から射出された光を第1〜第3の波長域の光に分離する色分離光学系と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も高波長域である第1の波長域の光を変調する第1の光変調装置と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、中間の波長域である第2の波長域光を変調する第2の光変調装置と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も低波長域である第3の波長域の光を変調する第3の光変調装置と、
    前記第1の波長域の光を反射し前記第2の波長域の光を透過する第1のダイクロイック膜と、前記第3の波長域の光を反射し前記第2の波長域の光を透過する第2のダイクロイック膜とをX字状に有し、前記第1〜第3の光変調装置によって変調された三つの波長域の光を合成するクロスダイクロイック素子と、
    前記第1または第2のダイクロイック膜に向かう光のうち、前記第1または第2のダイクロイック膜の分光特性が有する入射角依存性によってカットオフ波長が変化する波長域の光を除去する帯域制限素子と、
    前記クロスダイクロイック素子が合成した光を投写する非テレセントリックな投写レンズと、
    を具備するプロジェクタであって、
    前記帯域制限素子は、前記第1の波長域の光の光路中と、前記第2の波長域の光の光路中に配置され、前記第1のダイクロイック膜は非傾斜膜であり、前記第2のダイクロイック膜は傾斜膜であることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 光源と、
    前記光源から射出された光を第1〜第3の波長域の光に分離する色分離光学系と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も高波長域である第1の波長域の光を変調する第1の光変調装置と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、中間の波長域である第2の波長域光を変調する第2の光変調装置と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も低波長域である第3の波長域の光を変調する第3の光変調装置と、
    前記第1〜第3の波長域の光を合成する第1および第2のダイクロイック膜と、
    前記第1または第2のダイクロイック膜に向かう光のうち、前記第1または第2のダイクロイック膜の分光特性が有する入射角依存性によってカットオフ波長が変化する波長域の光を除去する帯域制限素子と、
    前記第1および第2のダイクロイック膜が合成した光を投写する非テレセントリックな投写レンズと、
    を具備するプロジェクタであって、
    前記帯域制限素子は、前記第1の波長域の光の光路中に配置され、前記第1のダイクロイック膜は非傾斜膜であり、前記第2のダイクロイック膜は傾斜膜であることを特徴とするプロジェクタ。
  4. 光源と、
    前記光源から射出された光を第1〜第3の波長域の光に分離する色分離光学系と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も高波長域である第1の波長域の光を変調する第1の光変調装置と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、中間の波長域である第2の波長域光を変調する第2の光変調装置と、
    前記色分離光学系によって分離された前記三つの波長域の光のうち、最も低波長域である第3の波長域の光を変調する第3の光変調装置と、
    前記第1〜第3の波長域の光を合成する第1および第2のダイクロイック膜と、
    前記第1または第2のダイクロイック膜に向かう光のうち、前記第1または第2のダイクロイック膜の分光特性が有する入射角依存性によってカットオフ波長が変化する波長域の光を除去する帯域制限素子と、
    前記第1および第2のダイクロイック膜が合成した光を投写する非テレセントリックな投写レンズと、
    を具備するプロジェクタであって、
    前記帯域制限素子は、前記第1の波長域の光の光路中と、前記第2の波長域の光の光路中に配置され、前記第1のダイクロイック膜は非傾斜膜であり、前記第2のダイクロイック膜は傾斜膜であることを特徴とするプロジェクタ。
  5. 前記帯域制限素子は、前記遷移波長域の光を反射する光反射フィルターであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプロジェクタ。
  6. 前記帯域制限素子は、前記遷移波長域の光を吸収するする光吸収フィルターであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプロジェクタ。
  7. 前記第1〜第3の光変調装置との入射側にそれぞれ平行化レンズが設けられ、前記帯域制限素子は、前記平行化レンズと一体に設けられたことを特徴とする請求項5または6に記載のプロジェクタ。
  8. 前記第1〜第3の光変調装置と前記第1および第2のダイクロイック膜との間にそれぞれ集光レンズが設けられ、前記帯域制限素子は、前記集光レンズと一体に設けられたことを特徴とする請求項5または6に記載のプロジェクタ。
  9. 前記帯域制限素子は、前記第1または第2のダイクロイック膜に光を導く折り返しミラーとして設けられ、前記遷移波長域の光を透過させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプロジェクタ。
  10. 前記帯域制限素子は、傾斜膜を有することを特徴とする請求項9に記載のプロジェクタ。
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