JP3855488B2 - 繊維強化プラスチックの成形体並びに繊維強化プラスチックの浴槽、洗い場およびキッチンカウンター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は浴槽、洗い場、キッチンカウンターなどの水回りの材料素材として用いることができ、ゴキブリなどの不快害虫を寄せ付けない防虫性、または抗菌性、抗カビ性を有する繊維強化プラスチックからなる成形体と繊維強化プラスチックの浴槽と洗い場とキッチンカウンターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維を用いた繊維強化プラスチックは、浴槽、洗い場などの防水性が必要な分野で、とくに軽量、かつ高強度が必要な部分に盛んに使用されてきた。これらの繊維強化プラスチックの積層構造は、一般的には表面から、単色のゲルコート層と繊維強化プラスチック層とから構成されている。ゲルコート層は、耐熱水性や耐薬品性を向上させるために用いられる塗膜であり、スプレイアップ法により塗装して構成される。そしてゲルコート樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂を単色の顔料によって着色し、かつ、微細酸化珪素粉末を加え、塗装に適したチクソトロピックと称する状態にすることによって用いられる。一般的な成型法としては、型にゲルコートを塗装して硬化させ、続いてガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂とからなる繊維強化プラスチックを積層し、硬化したのち脱型して作られる。
【0003】
他方、熱可塑性プラスチックのペレットに不快害虫忌避薬剤や抗菌剤を添加して成型したものは実用化されているが、不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂などに不快害虫忌避薬剤や抗菌剤を添加する具体的な実例は知られていない。
【0004】
したがって、台所、浴室といった水回りに用いられる繊維強化プラスチックからなる浴槽、洗い場またはキッチンカウンターなどの製品において、それらの使用状況によってはゴキブリをはじめとする不快害虫の侵入による被害を受けたり、カビ、細菌の増殖に対する積極的な防止策はないのが実状である。このため、本来清潔であるべき台所、浴室を中心とした水回り場所の清潔感を損ねる原因ともなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、台所、洗面所あるいは浴室といった水回り場所で使用される洗い場などに代表される繊維強化プラスチックからなる製品において、豊富な餌および水などの誘引物質によるゴキブリをはじめとする不快害虫の誘引を忌避し、また付着した汚れを餌に細菌やカビが増殖するのを抑制し、清潔で衛生的に使用できるようにすることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからなる成形体において、前記表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成するものである。
【0007】
上記発明によれば、不快害虫忌避薬剤を繊維強化プラスチックの成形体に内蔵することにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する清潔で快適な繊維強化プラスチックの成形体を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、各請求項に記載した形態とすることにより当業者によって容易に実施できるものである。
【0009】
すなわち、不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからなる成形体において、前記表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成することにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する清潔で衛生的な繊維強化プラスチックの成形体とすることができる。
【0010】
また、表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの浴槽とすることにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する清潔で衛生的な浴槽とすることができる。
【0011】
また、表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの洗い場とすることにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する清潔で衛生的な洗い場とすることができる。
【0012】
また、表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックのキッチンカウンターとすることにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する清潔で衛生的なキッチンカウンターとすることができる。
【0013】
また、不快害虫忌避薬剤と抗菌剤とを含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とした場合、ならびに、抗菌剤として無機系抗菌剤の少なくとも一種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からなる抗菌剤と不快害虫忌避薬剤とを含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、ゴキブリなどの不快害虫を寄せ付けない防虫性を有するとともに、さらには細菌やカビの増殖が抑制された一層清潔で衛生的な成形体とすることができる。
【0014】
また、不快害虫忌避薬剤としてゴキブリ忌避剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、代表的な不快害虫であるゴキブリを一層効果的に寄せ付けない成形体とすることができる。
【0015】
また、経皮効果性である不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、経皮効果性の不快害虫忌避薬剤は室温では揮発性が少なく不快害虫忌避効果が長期間持続する成形体とすることができる。
【0016】
また、表面層は2種類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコート樹脂は不快害虫忌避薬剤を含有するゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する清潔で衛生的な、さらには表面に模様が付与され意匠性にも優れた成形体とすることができる。
【0017】
また、表面層は2種類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコート樹脂は不快害虫忌避薬剤と抗菌剤とを含有するゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、ゴキブリなどの不快害虫を寄せ付けない防虫性を有するとともに、細菌やカビの増殖が抑制された一層清潔で衛生的な、さらには表面に模様が付与され意匠性にも優れた成形体とすることができる。
【0018】
【実施例】
以下本発明の具体的な一実施例について説明する。
【0019】
本発明における不快害虫忌避薬剤としては、ピレスロイド系物質としてはエトフェンブロックス(1−(pエトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル)、サイフェノスリン((RS)−アルファーシアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス/トランス−クリサンテマート)、ペルメトリン(3−フェノキシベンジル−di−シス/トランス−3(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレート)、アレスリン(3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イルクリサンテマート)などが挙げられるが、これに限定するものではない。
【0020】
有機リン系物質としては、ダイアジノン、トリクロホン、フェニトロチオン、フェニチオン、チメホス、ブロモホスなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0021】
本発明における抗菌剤としては、無機系抗菌剤として、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀など。銀、銅、亜鉛あるいは錫を担持したゼオライト。および銀、銅、亜鉛あるいは錫を担持したシリカゲルなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0022】
有機系抗菌剤としては、10,10'−オキシビスフェノキサアルシンなどフェニルエーテル誘導体、シクロフルアニドなどN−ハロアルキルチオ系化合物、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(以下TBZと略称する)などイミダゾール誘導体、2,3,5,6テトラクロル−4−(メチルスルホリン)ピリジンなど第4級アンモニウム塩などが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0023】
(実施例1)
イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対し、サイフェノスリン(不快害虫忌避薬剤)1重量部添加し、攪拌することにより均一に分散させた。これに所定の硬化剤および効果促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mmの塗膜を形成し、硬化させゲルコート層を形成した。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を既知の方法で形成した。これを脱型することにより目的とする成形体を得た。
【0024】
(実施例2)
イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対し、サイフェノスリン0.5重量部添加し、攪拌することにより均一に分散させた。これに所定の硬化剤および効果促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mmの塗膜を形成し、硬化させゲルコート層を形成した。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を既知の方法で形成した。これを脱型することにより目的とする洗い場を得た。
【0025】
(実施例3)
イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対し、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニルクリサンテマート1重量部添加し、攪拌することにより均一に分散させた。これに所定の硬化剤および効果促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mmの塗膜を形成し、硬化させゲルコート層を形成した。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を既知の方法で形成した。これを脱型することにより目的とする成形体を得た。
【0026】
(実施例4)
イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対し、サイフェノスリン1重量部と銀ゼオライト1重量部とTBZ1重量部添加し、攪拌することにより均一に分散させた。これに所定の硬化剤および効果促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mmの塗膜を形成し、硬化させゲルコート層を形成した。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を既知の方法で形成した。これを脱型することにより目的とする成形体を得た。
【0027】
図1は本発明の一実施例における成形体の表面部を示す模式図である。1はサイフェノスリンに代表される不快害虫忌避薬剤である。2は銀ゼオライトに代表される無機系抗菌剤である。3はTBZに代表される有機系抗菌剤である。不快害虫忌避薬剤1、無機系抗菌剤2、有機系抗菌剤3はそれぞれゲルコート樹脂層4中に分散されている。5はガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層である。
【0028】
(実施例5)
3つのゲルコートタンクの圧により、3つのゲルコート樹脂がある一定の混合パイプを通過した後ガンから吐出され、硬化剤と混合後任意の霧化圧にて霧化されるという多色ガン装置を用い、霧化圧2.0kg/cm2の条件で塗布した。多色ガン装置の3つのゲルコートタンクの中の3種類のゲルコート樹脂と吐出重量比を以下に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
前記黒色ゲルコート樹脂100重量部に対し、あらかじめサイフェノスリン1重量部を添加し、攪拌することにより均一に分散させた黒色ゲルコート樹脂を用いた。このように塗布されたゲルコート樹脂を50℃、30分の条件で硬化させた。硬化後のゲルコートの膜厚は0.4mmであった。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を既知の方法で形成した。これを脱型することにより、目的とする模様付成形体を得た。
【0031】
このような方法で得た成形体は、図2に示すように、サイフェノスリンに代表される不快害虫忌避薬剤が入ったゲルコート樹脂の部分6と、それらの入っていないゲルコート樹脂の部分7とが点在している構成となっている。このように点在させることにより、表面意匠は斑点模様となる。
【0032】
(比較例)
実施例1と同様なイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂からなるゲルコート樹脂に、所定の硬化剤および効果促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mmの塗膜を形成し、硬化させゲルコート層を形成した。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を既知の方法で形成した。これを脱型することにより目的の成形体を得た。
【0033】
各実施例および比較例で得たそれぞれの成形体および洗い場のゴキブリに対する忌避性能を評価した。前記成形体および洗い場から200mm×200mmの平板試料を切り出し、試料の上に餌と水を設置し、チャバネゴキブリ成虫30匹のいる部屋にそれぞれ放置し、48時間後の餌の元の重さに対する残存率を調べた。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
次に、各実施例および比較例で得たそれぞれの成形体および洗い場のゴキブリに対する忌避性能の持続性を評価した。前記成形体および洗い場から200mm×200mmの平板試料を切り出し、初期のゴキブリ忌避性能を評価確認した後、これらを45℃の雰囲気中に2ヶ月間放置した。この試料の上に餌と水を設置し、チャバネゴキブリ成虫30匹のいる部屋にそれぞれ放置し、48時間後の餌の元の重さに対する残存率を調べた。その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
次に、各実施例および比較例で得たそれぞれの成形体および洗い場の抗菌性のおよびカビ抵抗性について試験をおこなった。前記成形体および洗い場から50mm×50mmの試料を切り出し、それぞれに黄色ブドウ球菌および大腸菌を含む菌液1ccを滴下し、37℃で24時間培養した。その後、滅菌済みリン酸緩衝液にて菌を洗い出した。この洗い出した菌液中の生菌数を、菌数測定用培地を用いて混釈平板法にて測定した。その結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
寒天培地上においた50mm×50mmの各試料にアスペルギルス・ニガー菌液を噴霧し、25℃、7日間培養した。その結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
表2から明らかなように、実施例1、3、4、5の成形体および実施例2の洗い場は比較例に比べゴキブリ忌避性能が著しく良好である。また、表面に均一に不快害虫忌避薬剤を分散した場合(実施例1ないし実施例4)は勿論、実施例5のように不快害虫忌避薬剤を点在させた場合においても良好なゴキブリ忌避性能が得られることが明らかになった。また、ゲルコート樹脂を5種類を超えて様々な色を用い、成形体を作成すると良好な不快害虫忌避性能が得られないので、ゲルコート樹脂は2種類以上5種類以下が適している。この理由はゲルコート樹脂が6種類以上になると不快害虫忌避薬剤の入ったゲルコート樹脂の部分に不快害虫が接触する確率が減り、不快害虫忌避性能が低下するものである。
【0042】
不快害虫忌避薬剤の上限の添加量については、ゲルコート樹脂100重量部に対し、5重量部を超えるとゲルコート樹脂の耐熱水性や耐薬品性などの基本物性が損なわれ好ましくなかった。また、下限の添加量については、ゲルコート樹脂100重量部に対し、0.1重量部以下では良好な不快害虫忌避性能が得られなかった。
【0043】
表3から明らかなように、実施例1、4、5の成形体および実施例2の洗い場は比較例に比べゴキブリ忌避性能の持続性が極めて良好である。これは、実施例1、2、4、5で添加した不快害虫忌避薬剤は経皮効果性の薬剤であり、揮発性が少なく不快害虫忌避効果が長期間持続したものである。また、実施例3で添加した不快害虫忌避薬剤は揮発性が若干高く、そのため実施例3の成形体の不快害虫忌避効果の持続性は他の実施例の成形体および洗い場に比較し劣る。
【0044】
表4から明らかなように、実施例4の成形体は比較例に比べ黄色ブドウ球菌および大腸菌に対する著しい抗菌効果を得ることができた。
【0045】
無機系抗菌剤の上限の添加量については、ゲルコート樹脂100重量部に対し、5重量部を越えるとゲルコート樹脂の耐薬品性などの基本物性が損なわれ好ましくなかった。また、下限の添加量については、ゲルコート樹脂100重量部に対し、0.1重量部以下では良好な抗菌効果を得ることができなかった。
【0046】
表5から明らかなように、実施例4の成形体は比較例に比べて良好な抗カビ性能を得ることができた。
【0047】
有機系抗菌剤の上限の添加量については、ゲルコート樹脂100重量部に対し、5重量部を越えるとゲルコート樹脂の機械強度などの基本物性が損なわれ好ましくなかった。また、下限の添加量については、ゲルコート樹脂100重量部に対し、0.1重量部以下では良好な抗カビ効果を得ることができなかった。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明の繊維強化プラスチックの成形体並びに繊維強化プラスチックの浴槽、洗い場およびキッチンカウンターによれば、次の効果が得られる。
【0049】
請求項1記載の発明によれば、不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからなる成形体において、前記表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成されることにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する、清潔で衛生的な繊維強化プラスチックの成形体を得ることができる。
【0050】
また、請求項2記載の発明によれば、表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの浴槽とすることにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する、清潔で衛生的な浴槽を得ることができる。
【0051】
また、請求項3記載の発明によれば、表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの洗い場とすることにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する、清潔で衛生的な洗い場を得ることができる。
【0052】
また、請求項4記載の発明によれば、表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックのキッチンカウンターとすることにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する、清潔で衛生的なキッチンカウンターを得ることができる。
【0053】
また、請求項5記載の発明によれば、不快害虫忌避薬剤と抗菌剤とを含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、ならびに、請求項6記載の発明によれば、抗菌剤として無機系抗菌剤の少なくとも一種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からなる抗菌剤と不快害虫忌避薬剤とを含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、ゴキブリなど不快害虫を寄せ付けない防虫性を有するとともに、さらには細 菌やカビの増殖が抑制された一層清潔で衛生的な成形体を得ることができる。
【0054】
また、請求項7記載の発明によれば、不快害虫忌避薬剤としてゴキブリ忌避剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコートで構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、代表的な不快害虫であるゴキブリを一層効果的に寄せ付けない成形体を得ることができる。
【0055】
また、請求項8記載の発明によれば、経皮効果性である不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、経皮効果性の不快害虫忌避薬剤は揮発性が小さく、不快害虫忌避効果が長期間持続する成形体を得ることができる。
【0056】
また、請求項9記載の発明によれば、表面層は2種類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも一種類のゲルコート樹脂は不快害虫忌避薬剤を含有するゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、ゴキブリをはじめとする不快害虫忌避性を有する清潔で衛生的な、さらには表面に模様が付与され意匠性にも優れた成形体を得ることができる。
【0057】
また、請求項10記載の発明によれば、表面層は2種類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも一種類のゲルコート樹脂は不快害虫忌避薬剤と抗菌剤とを含有するゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とすることにより、ゴキブリなどの不快害虫を寄せ付けない防虫性を有するとともに、細菌やカビの増殖が抑制された一層清潔で衛生的な、さらには表面に模様の付与され意匠性にも優れた成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例4における成形体の表面部を示す模式図
【図2】本発明の実施例5における成形体の表面部を示す模式図
【符号の説明】
1 不快害虫忌避薬剤
2 無機系抗菌剤
3 有機系抗菌剤
4 ゲルコート樹脂
5 繊維強化プラスチック
6 不快害虫忌避薬剤の入ったゲルコート樹脂の部分
7 不快害虫忌避薬剤の入っていないゲルコート樹脂の部分
Claims (10)
- 不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからなる成形体において、前記表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの成形体。
- 不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからなる浴槽において、前記表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの浴槽。
- 不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからなる洗い場において、前記表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの洗い場。
- 不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからなるキッチンカウンターにおいて、前記表面層は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックのキッチンカウンター。
- 不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからなる成形体において、前記表面層は不快害虫忌避薬剤と抗菌剤とを含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの成形体。
- 抗菌剤として無機系抗菌剤の少なくとも一種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からなる請求項5記載の繊維強化プラスチックの成形体。
- 不快害虫忌避薬剤がゴキブリ忌避剤である請求項1ないし6のいずれか1項記載の繊維強化プラスチックの成形体。
- 不快害虫忌避薬剤が経皮効果性の請求項1ないし6のいずれか1項記載の繊維強化プラスチックの成形体。
- 不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからなる成形体において、前記表面層は2種類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコート樹脂は不快害虫忌避薬剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの成形体。
- 不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面相を有する繊維強化プラスチックからなる成形体において、前記表面層は2種類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコート樹脂は不快害虫忌避薬剤と抗菌剤とを含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの成形体。
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