JP3855457B2 - 電気泳動用部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、極微量のサンプルを高速かつ高分離で分析する電気泳動装置に用いる部材に関し、さらに詳しくは2枚の透明板状部材を貼り合わせて内側に泳動用流路を形成させた電気泳動用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
極微量のタンパク質や核酸などを分析する場合には、従来から電気泳動法が用いられており、その装置化技術の例としてキャピラリ電気泳動装置がある。キャピラリ電気泳動装置は、内径が100μm以下のガラスキャピラリー内に泳動バッファを充填し、一端側に試料を導入した後、両端間に高電圧を印加して分析対象物をキャピラリー内で展開させるものである。キャピラリー内は容積に対して表面積が大きい、すなわち冷却効率が高いことから、高電圧の印加が可能となり、DNAなどの極微量試料を高速、かつ高分解能にて分析することができる。
【0003】
近年、取扱いが煩雑なガラスキャピラリーに代わって、分析の高速化、装置の小型化が期待できる形態として、D. J. Harrison et al./ Science 261 (1993) 895-897 や Anal. Chim. Acta 283 (1993) 361-366に示されているように、2枚の基板を接合して形成されたキャピラリー電気泳動に用いるチップ(マイクロチップという)が提案されている。そのマイクロチップの例を図1に示す。一対の透明基板(一般にはガラス、石英、樹脂など)51,52からなり、一方の基板52の表面に互いに交差する試料流路54、分析流路55を形成し、他方の基板51には試料流路54及び分析流路55の端に対応する位置にリザーバ53を貫通穴として設けたものである。
【0004】
このマイクロチップを使用するときは、両基板51,52を(C)に示すように重ね、いずれかのリザーバ53から泳動液を試料流路54、分析流路55中に注入する。その後、試料流路54の一方の端のリザーバ53に試料を注入し、各リザーバ53にそれぞれ電極を差し込んで所定時間だけそれぞれに所定の高電圧を印加する。これにより試料は試料流路54と分析流路55の交差部56に移動される。
次に、各リザーバ53に所定の泳動のための電圧を印加する。これにより、交差部56に存在する試料が分析流路55内を電気泳動する。分析流路55の適当な位置に検出器を配置しておくことにより、分離成分の検出を行なう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
試料を交差部56に導びいたとき、交差部56での試料(サンプルプラグともいう)の形状は電位の勾配に依存し、その形状は楔形又は台形になる。試料を分離するために泳動電圧を印加すると、楔形又は台形のまま試料は分析流路55に導かれる。そのため、分析流路55の幅方向での位置によってサンプルプラグの長さが異なる。これは、分離能を劣化させると考えられ、望ましいことではない。
【0006】
そこで本発明は、分析流路におけるサンプルプラグの形状を均一な厚みをもつ薄い層にしてマイクロチップ電気泳動の分離能を向上させることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による電気泳動用部材は、一対の透明板状部材を備え、少なくとも一方の板状部材の表面に液が流れる溝が形成され、いずれかの板状部材にはその溝に対応する位置に貫通穴が設けられ、これら板状部材が溝を内側にして貼り合わされてその溝により流路を形成してなるものであって、その溝は、試料を分離する分析流路と、分析流路と交差し、試料を交差部に導く試料流路と、試料流路の試料注入側の端部と交差部との間で交差する第3の流路と、を備えたものである。
【0008】
分析流路、試料流路及び第3の流路に泳動バッファが充填され、試料流路の一端に試料が注入される。分析流路、試料流路及び第3の流路の各端部に試料導入用の所定の電圧が印加されると、各流路の端から試料流路の試料を注入した一端とは他端側に向かって電気浸透流により流れが生じる。これにより、試料流路と第3の流路の交差部から、試料流路と分析流路の交差部を介して、試料流路の試料を注入した一端とは他端側に向かってシースフローが形成される。試料はシースフローの中央部に沿って試料流路と分析流路の交差部に導かれるので、その交差部における試料の形状は均一な層状となる。その後、各流路の各端部に泳動用の所定の電圧が印加されると、試料は均一な厚みをもつ層となって分析流路に導かれる。
【0009】
【実施例】
図2は一実施例を表し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C),(D)は(B)の流路の交差部における試料導入時の試料の流れを表す拡大模式図、(E)は(D)における電気泳動時の試料の泳動を表す模式図である。
マイクロチップ2は石英を材料としたベースプレート4とカバープレート6から構成されている。ベースプレート4表面には分析流路8、試料流路10として互いに交差する溝が形成され、交差部12を形成している。試料流路の試料注入側の端と交差部12の間に交差する第3の流路がシース形成用流路14として形成され、交差部16を形成している。
【0010】
カバープレート6には分析流路8、試料流路10及びシース形成用流路14の端に対応する位置にリザーバ18a,18b,18c,18d,18e,18fが貫通穴として設けられている。
分析流路8の長さは28mmであり、リザーバ18e側の端から7mmの位置で試料流路10と交差して交差部12を形成している。試料流路10の長さは14mmであり、リザーバ18a側の端から3.5mmの位置でシース形成用流路14と交差して交差部16を形成し、7mmの位置で分析流路8と交差している。交差部12,16間の長さは3.5mmである。分析流路8、試料流路10及びシース形成用流路14は幅が50μmで深さが20μmである。
【0011】
図3は本実施例を適用したマイクロチップ電気泳動装置の一実施例を表す概略斜視図である。
図2のマイクロチップ2の分析流路8の一定範囲を光照射するために、分析流路8に沿って線状に延びた光源20からの光がシリンドリカルレンズ22で平行光にされてバンドパスフィルター24に入射し、バンドパスフィルター24を透過して所定の波長にされた光がシリンドリカルレンズ26によりマイクロチップ2の分離流路に集光されて入射する。マイクロチップ2の反対側には分離流路を透過した光を集光するためにシリンドリカルレンズ28が設けられ、シリンドリカルレンズ28で集光された光が光検出器のフォトセルアレイ30に入射して検出される。シリンドリカルレンズ22,26,28、バンドパスフィルター24及びフォトセルアレイ30は分析流路8の試料の泳動する部分よりは短かいが、分析流路8の試料の泳動する部分とほぼ同じ長さを有している。フォトセルアレイ30は、検出素子として分析流路の長さ方向の一直線上に配列された、複数のフォトダイオードを備えている。
【0012】
図2及び図3を用いてこの実施例の動作を説明する。
リザーバ18aに例えば濃度が5μMのカルセインを試料として注入し、リザーバ18b〜18fから例えば濃度が45mMのトリス−ホウ酸バッファ(pH8.2)を泳動バッファとして注入して流路を泳動バッファを満たす。このとき、各リザーバ18a〜18fの液面の高さを揃えておく。
【0013】
各リザーバ18a〜18fには電極パターンが形成されているか、そうでない場合は電極(図示略)を挿入する。交差部12に試料を導くために、リザーバ18a〜18c,18fに1.2kV、リザーバ18eに1.0kVの電圧を印加し、リザーバ18dを接地する。このとき、交差部12の電位は約0.78Vとなる。リザーバ18a〜18c,18e,18fからリザーバ18dに向けて電気浸透流が起こり、試料流路10において、図2(C),(D)に示すようなシースフローが形成される。試料は図(C),(D)中の斜線部を泳動して交差部12に導かれる。交差部12における試料の形状は斜線部(シースフローの中央部)に沿った薄い層状となる。
【0014】
次いで、交差部12に導いた試料を分析流路8に導くために、リザーバ18eに1.0kVの電圧を印加し、リザーバ18fを接地する。過剰量の試料が試料流路10から流れ込むのを防止するために、リザーバ18a〜18c,18dに0.5kVの電圧を印加する。このようにして、図2(E)に示すように、薄いサンプルプラグを分析流路に導入することができる。
【0015】
図3の実施例で、光源20からの光は、シリンドリカルレンズ22により平行光となり、バンドパスフィルター24を通って特定波長のみの光となり、シリンドリカルレンズ26によってマイクロチップ2上の分析流路8へ集光される。分析流路8を通過した光はシリンドリカルレンズ28により再び平行光になり、フォトセルアレイ30へ照射される。
分離した試料を検出するために、フォトセルアレイ30のフォトダイオードの接合容量の飽和電荷量を超えない範囲で繰り返しスキャンされ、得られたデータは積算平均化処理され、吸収した試料成分のバンドがピークとしてイメージング出力される。スキャン中は試料の泳動を一時的に停止させることにより、スキャン回数の平方根に比例してS/N比が向上できる。
分析流路8に導入されたサンプルプラグは、分離流路8の幅方向に厚みが均一な薄い層なので、試料の分離状態を向上させることができる。
【0016】
この実施例では、マイクロチップ電気泳動装置として分析流路の広範囲に渡って光検出を行なう方式のものを用いているが、分析流路の特定の位置で光検出を行なうものでもよく、本発明によるマイクロチップは各リザーバに所望の電圧を印加できる装置であれば、どのようなマイクロチップ電気泳動装置にも適用することができる。
また、この実施例では電圧の印加で送液してシースフローを形成したが、圧力を利用して形成してもよい。
【0017】
【発明の効果】
本発明による電気泳動用部材は、試料を分離する分析流路と、分析流路と交差し、試料を交差部に導く試料流路と、試料流路の試料注入側の端部と交差部との間で交差し、分析流路との交差部にシースフローを形成するためのシース形成用流路と、を備え、試料導入時には、試料流路と分析流路の交差部にシースフローを形成して試料を均一な厚みをもつ薄い層として分析流路に導入するようにしたので、電気泳動の分離能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロチップを示す図であり、(A)と(B)はマイクロチップを構成する透明板状部材を示す平面図、(C)はマイクロチップの正面図である。
【図2】一実施例を表し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C),(D)は(B)の流路の交差部における試料導入時の試料の流れを表す拡大模式図、(E)は(D)における電気泳動時の試料の泳動を表す模式図である。
【図3】同実施例を適用したマイクロチップ電気泳動装置の一実施例を表す概略斜視図である。
【符号の説明】
2 マイクロチップ
4 ベースプレート
6 カバープレート
8 分析流路
10 試料流路
12,16 交差部
14 シース形成用流路
18a,18b,18c,18d,18e,18f リザーバ

Claims (1)

  1. 一対の透明板状部材を備え、少なくとも一方の板状部材の表面に液が流れる溝が形成され、いずれかの板状部材にはその溝に対応する位置に貫通穴が設けられ、これら板状部材が前記溝を内側にして貼り合わされてその溝により流路を形成してなる電気泳動用部材において、
    前記溝は、
    試料を分離する分析流路と、
    前記分析流路と交差し、試料を交差部に導く試料流路と、
    前記試料流路の試料注入側の端部と前記交差部との間で、前記試料流路と交差する第3の流路と、を備え、
    前記第3の流路は泳動バッファが充填され、試料導入時に該流路の両端から前記試料流路の試料注入側の端部とは反対側の端部に向かって電気浸透流を生じさせることにより試料を中央部に挟むシースフロー形成用の流路であることを特徴とする電気泳動用材。
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