JP3855024B2 - 血流速度測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血球を有する生体組織にレーザ光を照射し、その血球から反射されたスペックル信号に基づき血流速度を測定するための血流速度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検眼の眼底等の生体組織の血球にレーザ光を照射して、その血球からの反射光により形成された画像を固体撮像装置(CCD)等のイメージセンサー上に導き、この画像を連続的に所定時間間隔で多数枚取り込んで記憶し、その記憶された多数の画像の中から所定枚数の画像を選択し、各画像の各画素における出力の時間変動量を積算した値、或いは、その逆数の値を算出し、この値から血球の速度(血流速度)を算出する血流速度測定装置が知られている。
【0003】
この種の血流速度測定装置では、各画素の出力変動量が血球の移動速度に対応するので、この算出された各画素の出力変動量値、或いは、その逆数の値に基づき、生体組織での血流速度分布を二次元画像としてモニター画面上に表示している。
【0004】
その各画素で演算される値、すなわち、血流速度を示す演算値をSBR値とすると、例えば、下記式が使用されている。
【0005】
【数1】
【0006】
この数1式において、SBRn,mは、図1に示すように、例えば、1秒間にN枚撮影された一連の時系列的な画像のうちのn,m番目の画素でのSBR値を示し、In,m,tはn,m番目の画素における時間ti(i=1、2、…、N)での画素出力を示すもので、〈 〉は平均値を示すものである。
【0007】
その数1式の分子は、時間により変化するn,m番目の画素の出力の所定時間内での平均値の二乗を示す。その数1式の分母は、n,m番目の画素の各時間での画素出力と、n,m番目の画素の所定時間内での平均出力値との差分の絶対値の平均値の二乗を示し、この分母がn,m番目の画素位置での出力変動の分散値に対応した値を意味するものである。
【0008】
このようにして、SBR値をn=1、m=1番地の画素Xからn=n、m=m番地の画素Xまでに渡って求め、図2に示すように、画面1にSBR値に対応して色づけを行って血流速度を表示する。
【0009】
すなわち、スペックル変動が速いほどシャッター時間内で積分され、出力変動のばらつきが減少する。従って、数1式のSBR値の分母が減少し、SBR値が増大する。このSBR値の大小に対応させて色づけを行い、血流速度の変化を画面1に表示させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、この種の血流速度測定装置では、血流速度の分布の時間的変化を見るため、例えば、1秒間に500フレームの高速シャッター間隔で画像を取り込み、その画像の中から例えばN=64枚の一連の時系列的画像を取り出し、その64枚の画像に基づいて、数1式により、血流速度に対応するSBR値を算出している。
【0011】
この数1式の演算方法によれば、高精度な血流速度結果を得るためには少なくとも30枚程度の画像が必要となり、高精度の血流速度を測定でき、かつ、その血流速度の時間的変化の測定分解能を上げるには、シャッター間隔が短い高速の連続画像取り込み装置が必要となっている。
【0012】
本発明は、この従来の問題点を解決することを目的とし、血流速度演算のための画像としては多数枚の画像を必要とせず、少なくとも3枚の画像を用いて従来の血流速度測定装置と同等レベルの測定精度を得ることができる血流速度測定装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の血流速度測定装置は、生体組織の血球にレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記生体組織からの反射光を検出する多数の受光素子からなる受光部と、前記受光部からの信号に基づき受光部上に形成された画像を順次複数枚記録する記憶部と、前記記憶された画像の中の少なくとも3枚の画像に基づき血球の速度の分布状態を演算する演算部とからなり、前記演算部は、一つの画像の中の一つの所定番地位置の画素及び該所定番地近傍に位置する画素の中から選択された複数の画素からなる第1の画素群と、その他の画像の中で前記第1の画素群とそれぞれ同じ番地に位置する第2及び第3の画素群とを選択し、前記第1ないし第3画素群から所定の2つの組み合わせ画素を選択し、選択された2つの画素の出力の差分の総和の平均値もしくはその逆数を演算し、その差分演算を各所定番地の画素毎に行うことにより、生体組織での血流分布状態を検出することを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の血流速度測定装置は、前記受光部からの信号に基づき奇数走査線に基づく奇数フィールド画像と偶数走査線の信号に基づく偶数フィールド画像とを1組として順次取り込み、記憶部に取り込んだ前記偶数フィールド画像と前記奇数フィールド画像とを合成して合成フレーム画像として記憶し、前記演算部は前記記憶された画像の中の少なくとも3枚の合成フレーム画像に基づき血球の速度の分布状態を演算することを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の血流速度測定装置は、前記演算部で演算に使用する画像は、受光素子上での像のずれ量を補正するために座標変換を行った画像であることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の血流速度測定装置は、第1ないし第3の画素群はさらに、それぞれ画素番地位置が異なる2つの画素群に分けられ、該2つの画素群のそれぞれの画素群の中で所定の2つの組み合わせ画素を選択することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
図19は血流速度測定装置の光学系の概要を示すもので、1はレーザー光照射系、2は受光系、Eは被検眼である。レーザー光照射系1のレーザー光は、例えば、ハーフミラー3を介して被検眼Eの生体組織としての例えば眼底Erに照射される。
【0018】
受光系2は受光レンズ4、受光部としてのCCD(固体撮像素子)5、信号増幅回路6を有する。眼底Erからのレーザー反射光は受光レンズ4によりCCD5に生体組織像として結像される。CCD5はその受光面上に多数の画素を有し、受光レンズ4により結像された生体組織像を電気信号に変換し、フレーム蓄積方式で信号電荷を読み出して映像信号として出力する。その映像信号は、信号増幅回路6により増幅され、信号増幅回路6により増幅された映像信号は利得制御等を行うアナログ信号処理手段7に出力され、A/D変換器8によりデジタル信号に変換される。
【0019】
9はタイミングパルス発生器であり、10は電子シャッター制御手段、11は固体撮像素子駆動手段であり、タイミングパルス発生器9は電子シャッター制御手段10と信号選択手段12とにタイミングパルスを出力する。固体撮像素子駆動手段11はタイミングパルスに基づき駆動される。
【0020】
信号選択手段12にはA/D変換器8によりA/D変換された映像信号としてのデジタル信号が入力される。信号選択手段12は、タイミングパルス発生器9からのタイミングパルスに基づいて、A/D変換器8からの映像信号のうち、偶数フィールドの画像を第1画像記録手段13へ送信し、奇数フィールドの画像を第2画像記録手段14へ送信し、第1画像記録手段13には偶数フィールドの画像が記憶され、第2画像記録手段14には奇数フィールドの画像が記録される。その信号選択手段12、第1画像記録手段13、第2画像記録手段14は、所定時間間隔で複数枚の画像を取り込む画像取り込み部の一部として機能する。
【0021】
その第1画像記録手段13、第2画像記録手段14に記録された奇数フィールドの画像データと偶数フィールドの画像データとは、画像合成手段15により合成され、1/30秒間隔で撮影した1フレームの画像データとされ、その1フレームの画像データは画像記憶部としての画像記録器16に記憶される。
【0022】
この画像記録器16に記憶された画像信号は演算処理部17に入力され、演算処理部17は、後述する演算処理を行う。なお、18はTVモニターである。
【0023】
演算処理部17は、画像記録器16に記憶された画像から、例えば1/30秒間隔で撮影された3枚の連続した画像を取り出し、その画像信号に基づき演算を行うものである。
【0024】
演算処理部17は、眼底血流の測定演算を行う前に、まず、3枚の画像の像のずれ量を補正する。この補正は、3枚の画像の取り込みの間に、被検眼の固視微動等の影響で像の位置ずれを生ずるおそれがある場合に行う。その補正は、まず、3枚の画像のそれぞれの画像間で、いわゆるテンプレート法で画像の相関を検出し、その相関により、各画像の相互の位置ずれ量を計算し、このずれ量に基づき、像のずれ量を考慮して座標変換を行い、3枚の画像間のずれを補正した画像情報を作成する(この画像間の像の位置ズレ量の演算については、例えば、特願2001−365419号参照)。なお、この座標変換は、像のずれが無視できる場合には、必要としない。
【0025】
以下、この像の位置ずれを補正した3枚の画像に基づく演算方法について述べる。
【0026】
図3は画像記録器16に記憶されている時系列的画像としての3枚の画像G1、G2、G3を示している。その図3において、4×4の升目は着目すべき画素群を含む画素群を示し、A1、A2、A3は番地n、mの画素Xの出力値を示している。
【0027】
ここで、第1行目を奇数フィールドの走査線Oに対応する画素群とすると、第2行目は偶数フィールドの走査線eに対応する画素群であり、第3行目は奇数フィールドの走査線Oに対応する画素群であり、第4行目は偶数フィールドの走査線eに対応する画素群である。
【0028】
従来の数1式に基づくSBR値を演算するものとすると、数1式の分母の値は、<│A1−<A>│+│A2−<A>│+│A3−<A>│>2
となり、分母の差分の個数は3である。
<A>は平均値であり、<A>=(A1+A2+A3)/3
である。従って、分子の値は、<A>2である。
【0029】
ゆえに、この場合のSBR値は、
SBR=
<A>2/<│A1−<A>│+│A2−<A>│+│A3−<A>│>2
となる。
【0030】
このように図3に示す3枚の画像のみを用いて演算を行うものとすると、分母のサンプル個数が3となり、そのサンプル個数が少ないため、3枚の画像のみを用いて血流速度の演算を行うとするとは、到底安定した高精度の測定を期待できないことになる。
【0031】
そこで、この発明では、以下に説明する演算方法を用いることにした。
(実施例1)
この実施例では、n、m番地の画素XのSBR値を求めるのに、画素Xの近傍の出力値を演算に組み入れることにした。
【0032】
図4、図5は時系列的に連続する一連の少なくとも3枚の画像の一部分を拡大して示している。
【0033】
ここで、各升目は画素を示し、ここでは、4×4の画素が示されている。番地n、mの画素(一つの画像の中の一つの所定番地位置)XのSBR値に相当する演算値を求める場合、図4に示すように、3枚の時系列的画像についてそのn、m番地の画素Xの出力値Ai(i=1、2、3)とその画素Xの右斜め下の番地(n+1)、(m+1)の画素の出力値Bi(i=1、2、3)とからなる組み合わせと、図5に示すように、3枚の時系列的画像について、その番地n、mの画素Xの右隣りの番地n、(m+1)の画素の出力値Di(i=1、2、3)とその番地n、mの画素Xの直下の番地(n+1)、mの画素の出力値Ci(i=1、2、3)とからなる組み合わせとに分ける。
【0034】
そして、その図4に示す時系列的画像について2つの画素の組み合わせの中の出力値から差分をとると共に、その図5に示す時系列的画像について2つ画素の組み合わせの中の出力値から差分をとる。
【0035】
すなわち、一つの所定番地位置(n、m番地)の画素X及び所定番地位置近傍に位置する画素の中から選択された複数の画素からなる第1画像G1の第1の画素群と、その他の画像(第2画像G2、第3画像G3)の第1画素群と同じ番地に位置する第2及び第3画素群とを選択する。そして、第1画素群ないし第3画素群から所定の二つの組み合わせ画素を選択する。
【0036】
その図4に示す2つの画素の組み合わせの中の出力値から差分をとる組み合わせとしては、3枚の時系列的画像の各画像について、演算に用いる画素の個数が2個であるので、演算に用いる画素の全個数は6個であり、全ての各画素の組み合わせについて、その差分を演算すると、6C2個数(15個)の出力値の差分結果が得られることになる。この場合、差分の演算結果は(A1−B1)、(A1−A2)、(A1−B2)、(A1−A3)、(A1−B3)、(B1−A2)、(B1−B2)、(B1−A3)、(B1−B3)、(A2−B2)、(A2−A3)、(A2−B3)、(B2−A3)、(B2−B3)、(A3−B3)となる。
【0037】
同様にして、その図5に示す2つの画素の組み合わせの中の出力値から差分をとる組み合わせとしては、3枚の時系列的画像の各画像について、演算に用いる画素の個数が2個であるので、演算に用いる画素の全個数は6個であり、全ての各画素の組み合わせについて、その差分を演算すると、6C2個数(15個)の出力値の差分結果が得られることになる。
【0038】
従って、演算に用いる全ての画素の個数は12個であり、その出力の総和Sn,mは、(A1+A2+A3)+(B1+B2+B3)+…+(D1+D2+D3)である。この式は、番地n,mの画素Xの分子に対応するもので、総和の平均値に係数2.5倍を掛けたものを分子の演算値Sn,m’とする。分母には、その30個の差分の総和の平均値を用いる。
Sn,m’=(A1+A2+A3)+…+(D1+D2+D3)×2.5/12
ここで、係数2.5倍は、演算に用いた分母の画素の個数と演算に用いた分子の画素の個数とを合わせたものである。
【0039】
このような演算を、n=1、m=1番地からn=n、m=m番地まで行って、SBR値に相当する演算値を得るものである。
【0040】
なお、分母と分子とを逆にした逆数をSBR値に基づく演算値として用いても良い。
【0041】
ここでは、奇数フィールドに対応する画素と偶数フィールドに対応する画素とで1/60秒ずれている。
【0042】
このような演算方法を用いると、血流速度演算のための多数枚の画像を必要とせず、少なくとも3枚の画像を用いて従来と同等の速度で血流速度を示すSBR値に相当する演算値を求めることができる。
(実施例2)
図7は図6に示す番地n、mの画素XのSBR値に相当する演算値を求めるのに、図6に示す番地n、mの画素Xの近傍の番地n、(m+1)の画素、番地(n+1)、mの画素、番地(n+1)、(m+1)の画素の出力値Ai〜Di(i=1、2、3)を演算に用いることにしたものであり、この12個の選択された画素のうちの2つを組み合わせてその差分を取ることにしたものである。
【0043】
演算に用いる画素の個数は12個であり、差分を取るのに2個の画素を用いるので、差分の個数は12C2(=66)個である。出力の総和Sn,mは、実施例1と同じである。
【0044】
この実施例2では、分子の演算に用いる画素の個数が12個であり、差分をとるのに用いた個数が66個であるので、出力の総和Sn,mの平均値に掛ける係数は、66/12=5.5である。
【0045】
この実施例2による場合も実施例1と同様の効果を奏する。
(実施例3)
図9、図10は図8に示す番地n、mの画素XのSBR値に相当する演算値を求めるのに、図9に示す(n+1)、m番地の画素の出力値Ci(i=1、2、3)と(n+1)、(m+1)番地の画素の出力値Bi(i=1、2、3)とからなる組み合わせと、図10に示す(n+1)、(m+1)番地の画素の出力値Bi(i=1、2、3)とn、(m+1)番地の画素の出力値Di(i=1、2、3)とからなる組み合わせとを用いて、出力値の差分と総和Sn,mとを求めたものである。
【0046】
図9に示す画素を選択して、画素の出力値の差分を求める組み合わせは、6個の画素から2個の組み合わせを選択するので、6C2=15通り、図10に示す画素を選択して、画素の出力値の差分を求める組み合わせも、6C2=15通りであるので、分母の演算に用いる画素の個数は30個である。
【0047】
一方、総和Sn,mに用いる画素の個数は9個であり、総和Sn,mは、
Sn,m=C1+B1+C2+B2+C3+B3+D1+D2+D3
なお、係数は3.3である。
【0048】
この実施例3の場合にも、実施例1と同様の効果を奏する。
(実施例4)
図12、図13は図11に示す番地n、mの画素Xの値を求めるのに、図12に示す番地n、mの画素の出力値Ai(i=1、2、3)と番地n、(n+1)の画素の出力値Ci(i=1、2、3)とからなる組み合わせと、図13に示す番地n、(m+1)の画素の出力値Di(i=1、2、3)と番地(n+1)、(m+1)の画素の出力値Bi(i=1、2、3)とからなる組み合わせとに分け、図12に示す6個の画素の中から2つを選択してその出力値の差分を取ると共に、図13に示す6個の画素の中から2つを選択してその出力値の差分を取ることにしたものである。
【0049】
このものによる場合も、実施例3と同様に分母の演算に用いる画素の個数は30個であり、総和Sn,mの演算に用いる画素の個数は12個であり、係数は2.5である。
【0050】
この実施例4の場合にも、実施例1と同様の効果を奏する。
(実施例5)
図15は図14に示す画素XのSBR値に相当する演算値を演算するのに番地n、mの画素の出力値Ai(i=1、2、3)、番地n、(m+2)の画素の出力値Fi(i=1、2、3)、番地(n+1)、(m+1)の画素の出力値Bi(i=1、2、3)、番地(n+2)、mの画素の出力値Ei(i=1、2、3)、番地(n+2)、(m+2)の画素の出力値Gi(i=1、2、3)の5個の画素の出力値の中から2つを選択して、その差分を求めることにしたものである。総和Sn,mは、
Sn,m=A1+A2+A3+B1+B2+B3+E1+E2+E3+F1+F2+F3+G1+G2+G3
総和Sn,mの演算に用いる個数は15個であり、15個の中から2個を選んで差分を取る組み合わせは、15C2であるので、その分母の差分に用いる個数の組み合わせは105通りであり、従って、総和Sn,mに掛ける係数は、7.0である。
(実施例6)
図17は図16に示す画素XのSBR値に相当する演算値を求めるのに番地n、(m+1)の画素の出力値Di(i=1、2、3)、番地(n+1)、mの画素の出力値Ci(i=1、2、3)、番地(n+1)、(m+1)の画素の出力値Bi(i=1、2、3)、番地(n+1)、(m+2)の画素の出力値Ji(i=1、2、3)、番地(n+2)、(m+1)の画素の出力値Hi(i=1、2、3)の5個の画素の出力値の中から2つを選択して、その差分を求めることにしたものである。総和Sn,mは、
Sn,m=B1+B2+B3+C1+C2+C3+D1+D2+D3+H1+H2+H3+J1+J2+J3
総和の演算に用いる個数は15個であり、15個の中から2個を選んで差分を取る組み合わせは、15C2であるので、その分母の差分に用いる個数の組み合わせは105通りであり、従って、総和Sn,mに掛ける係数は、7.0である。
(実施例7)
図18に示すように、時系列的に連続する複数枚の画像G1〜GNの中から時系列的に連続する3枚の画像G1、G2、G3を取り出し、実施例1ないし実施例6のいずれかの演算結果を用いて番地n,mの画素の値をn=1、m=1からn=n、m=mまで演算し、その演算結果に基づき血流速度分布を求める。
【0051】
次いで、画像を1枚ずらして時系列的に連続する3枚の画像G2、G3、G4を取り出し、次の血流速度分布を求める。このように、血流速度分布の演算に用いる画像を1枚ずつずらしながら3枚の画像に基づき血流分布速度を求めると、時間的に変化する血流速度分布が求められる。
【0052】
これによって、血流速度分布の時間的変化を求めることができ、血流速度分布の変化を動画像として画面1に表示させることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成したので、従来の血流速度測定装置のように血流速度演算のための多数枚の画像を必要とせず、少なくとも3枚の画像があれば充分な精度で血流速度を演算できるものであり、シャッター間隔が短い高速の連続画像取り込み装置を必要とせず、例えば、1秒間60フレームの一般的な画像取り込み装置であっても、充分高い測定精度を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 N枚の一連の画像のうちの番地n、mの画素のSBR値の演算を、各画像の番地n、mの各画素の出力値に基づき行うことを説明するための説明図である。
【図2】 図1に示す一連の画像を用いて求められたSBR値に基づき画面に表示される血流速度分布の一例を説明するための説明図である。
【図3】 一連の時系列的画像のうちの時系列的に連続する3枚の画像のうちのn、m番地の画素のSBR値に相当する演算値を求めるのに用いる近傍画素群の説明図である。
【図4】 本発明の実施例1に示すSBR値に相当する演算値を求めるために二つの群に分けてその一方の群に用いる画素の説明図であって、図3に示す画素群の4行4列の画素を拡大して示す図である。
【図5】 本発明の実施例1に示すSBR値に相当する演算値を求めるために二つの群に分けてその他方の群に用いる画素の説明図であって、図3に示す画素群の4行4列の画素を拡大して示す図である。
【図6】 本発明の実施例2に示すSBR値に相当する演算値を求める画素Xの説明図であって、図3に示す画素群の4行4列の画素を拡大して示す図である。
【図7】 本発明の実施例2に示すSBR値に相当する演算値を求めるのに使用する画素Xの近傍の説明図である。
【図8】 本発明の実施例3に示すSBR値に相当する演算値を求める画素Xの説明図であって、図3に示す画素群の4行4列の画素を拡大して示す図である。
【図9】 本発明の実施例3に示すSBR値に相当する演算値を求めるために二つの群に分けてその一方の群に用いる画素の説明図である。
【図10】 本発明の実施例3に示すSBR値に相当する演算値を求めるために二つの群に分けてその他方の群に用いる画素の説明図である。
【図11】 本発明の実施例4に示すSBR値に相当する演算値を求める画素Xの説明図であって、図3に示す画素群の4行4列の画素を拡大して示す図である。
【図12】 本発明の実施例4に示すSBR値に相当する演算値を求めるために二つの群に分けてその一方の群に用いる画素の説明図である。
【図13】 本発明の実施例4に示すSBR値に相当する演算値を求めるために二つの群に分けてその他方の群に用いる画素の説明図である。
【図14】 本発明の実施例5に示すSBR値に相当する演算値を求める画素Xの説明図であって、図3に示す画素群の4行4列の画素を拡大して示す図である。
【図15】 本発明の実施例5に示すSBR値に相当する演算値を求めるのに使用する画素Xの近傍の説明図である。
【図16】 本発明の実施例6に示すSBR値に相当する演算値を求める画素Xの説明図であって、図3に示す画素群の4行4列の画素を拡大して示す図である。
【図17】 本発明の実施例6に示すSBR値に相当する演算値を求めるのに使用する画素Xの近傍の説明図である。
【図18】 本発明の実施例7に示す時系列的画像群の説明図である。
【図19】 本発明の血流速度測定装置の要部構成を示す図である。
【符号の説明】
1…レーザー光照射系(レーザー光照射部)
5…CCD(受光部)
16…画像記録器(記憶部)
17…演算処理部
Claims (4)
- 生体組織の血球にレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記生体組織からの反射光を検出する多数の受光素子からなる受光部と、前記受光部からの信号に基づき受光部上に形成された画像を順次複数枚記録する記憶部と、前記記憶された画像の中の少なくとも3枚の画像に基づき血球の速度の分布状態を演算する演算部とからなり、
前記演算部は、一つの画像の中の一つの所定番地位置の画素及び該所定番地近傍に位置する画素の中から選択された複数の画素からなる第1の画素群と、その他の画像の中で前記第1の画素群とそれぞれ同じ番地に位置する第2及び第3の画素群とを選択し、前記第1ないし第3画素群から所定の2つの組み合わせ画素を選択し、選択された2つの画素の出力の差分の総和の平均値もしくはその逆数を演算し、その差分演算を各所定番地の画素毎に行うことにより、生体組織での血流分布状態を検出することを特徴とする血流速度測定装置。 - 前記受光部からの信号に基づき奇数走査線に基づく奇数フィールド画像と偶数走査線の信号に基づく偶数フィールド画像とを1組として順次取り込み、記憶部に取り込んだ前記偶数フィールド画像と前記奇数フィールド画像とを合成して合成フレーム画像として記憶し、前記演算部は前記記憶された画像の中の少なくとも3枚の合成フレーム画像に基づき血球の速度の分布状態を演算する請求項1記載の血流速度測定装置。
- 前記演算部で演算に使用する画像は、受光素子上での像のずれ量を補正するために座標変換を行った画像であることを特徴とする請求項1記載の血流速度測定装置。
- 第1ないし第3の画素群はさらに、それぞれ画素番地位置が異なる2つの画素群に分けられ、該2つの画素群のそれぞれの画素群の中で所定の2つの組み合わせ画素を選択する請求項1記載の血流速度測定装置。
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