JP3855021B2 - 不安定物質の精製装置、不安定物質の精製方法 - Google Patents

不安定物質の精製装置、不安定物質の精製方法 Download PDF

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Description

本発明は、大気中といった通常の環境下では、不安定な化合物である不安定物質の精製装置、および、不安定物質の精製方法に関するものである。
従来から、酸素ガス(分子状酸素)または水、あるいはそれらの両方に不安定な化学物質の分離・精製技術は、一般性の乏しい極めて限られた技術しか知られていない。対象となる化学物質が再結晶法や蒸留により分離および精製可能な場合は比較的容易であるが、そのような化学物質の全体の中で占める割合は極めて少ない。
一方、再結晶法や蒸留法を適用することができない蒸気圧の低い液体や、アモルファスなどの化学物質の精製法として、フラッシュクロマトグラフ(シリカゲルクロマトグラフ)や液体クロマトグラフが広く用いられてきた。
しかし、上記従来のクロマトグラフを用いた精製方法は、空気中で安定な化合物に関しては適応可能であったが、空気中で不安定な化学物質は分離条件下で分解してしまうため、適用ができなかった。これまで、シリカゲルカラムクロマトグラフを不活性ガス加圧下で行うなどの方法が行われているが、高度な実験技術が必要であるため、一般的な方法へとは成り得なかった。
本発明は、特別な実験技術を必要とすることなく、不安定な化学物質を精製できる精製装置、および、その精製方法を提供することを課題としている。
本発明の不安定物質の精製装置は、上記課題を解決するために、外部から内部を操作可能な操作手段、内部を外部から観察できる観察部を含み、かつ、気密性を有するチェンバーと、精製目的とする不安定物質に対し不活性な不活性ガス雰囲気下に上記チェンバー内を設定するためのガス供給部と、試料注入口および溶離液回収口を有し、不安定物質を精製するための液体クロマトグラフ部と、上記不活性ガスによって上記チェンバー内を陽圧にするためのガス循環手段とを備え、上記分取口は、上記チェンバー内に設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、不安定物質を含有する試料を試料注入口に注入することにより、液体クロマトグラフ部に注入できて、上記試料は液体クロマトグラフ部により精製され、不安定物質の比率(濃度)が大きくなったフラクションを得ることが可能となる。また、不安定物質の比率が大きくなったフラクションを分取口から分取して、精製された不安定物質を得ることができる。
このとき、上記構成では、チェンバー内は、ガス供給部によって不活性ガス雰囲気下となっており、かつ、上記チェンバー内に設けた分取口、並びに、チェンバーに設けた操作手段および観察部により、チェンバー内において、観察部を通して外部から観察しながら操作手段を介した操作によって、上記分取口から上記フラクションを不活性ガス雰囲気下にて分取できるので、上記不安定物質を分解や変性を防止しながら安定に精製することができる。
さらに、ガス循環手段は、チェンバー内を、不活性ガスにて陽圧にできるので、チェンバー内への不活性ガス以外のガスの侵入を回避できて、上記チェンバー内の不活性ガス雰囲気をより確実に維持できる。
上記精製装置においては、前記試料注入口は、上記チェンバー内に設けられていることが好ましい。上記構成によれば、不安定物質を含む粗な試料を注入する時にも、上記試料は外気に触れる可能性が高いが、試料注入口をチェンバー内に設けたことで、注入時の試料は、不活性ガスに触れるだけであるので、上記試料に含まれる不安定物質が分解したり変性したりすることを防止できて、上記不安定物質の精製を確実化できる。
上記精製装置では、前記操作手段は、柔軟性を備えたグローブ状部であってもよい。上記構成によれば、操作手段が柔軟性を備えたグローブ状部であるので、人がチェンバー内部をグローブ状部により外部から操作することを容易化できる。
上記精製装置においては、前記不安定物質は、分子状酸素および水の少なくとも一方との接触により変性または分解するものであってもよい。上記構成によれば、従来、精製が困難であった、分子状酸素および水の少なくとも一方との接触により変性または分解する不安定物質を不活性ガス雰囲気下によって確実に精製できる。
上記精製装置では、前記液体クロマトグラフ部に用いる溶離液を溜めておくための溶媒溜め部が、前記不活性ガス雰囲気下に設けられていてもよい。上記構成によれば、溶媒溜め部を不活性ガス雰囲気下に設けたことで、溶離液に溶解しているガスの少なくとも一部も不活性ガスに置換できるから、不安定物質の精製時に不安定物質が溶離液と接触しても、上記不安定物質の分解や変性が抑制されて、上記不安定物質の精製をより確実化することが可能となる。
上記精製装置においては、さらに、前記溶媒溜め部内の溶離液を前記不活性ガス雰囲気下にて撹拌するための撹拌手段を備えていることが好ましい。上記構成によれば、撹拌手段により、溶離液に溶解している溶存ガスを、より確実に不活性ガスに置換できて、上記不安定物質の精製をより一層確実化できる。
上記精製装置では、さらに、前記ガス循環手段によって、上記チェンバー内のガスを循環させることが望ましい。上記構成によれば、ガス循環手段を用いて、チェンバー内のガスを循環させ、チェンバー内を陽圧にできるので、チェンバー内への不活性ガス以外のガスの侵入を回避できて、上記チェンバー内の不活性ガス雰囲気をより確実に維持できる。
上記精製装置においては、前記ガス循環手段は、さらに、循環させたガス中から分子状酸素を低減するための酸素除去手段、および循環させたガス中から水を低減するための水除去手段の少なくとも一方を備えていてもよい。
上記構成によれば、酸素除去手段、および水除去手段の少なくとも一方を備えることで、不活性ガス雰囲気を、より一層安定に維持できるから、不安定物質の精製をより確実化できる。
上記精製装置では、さらに、循環させた不活性ガスの温度を制御するための、ガス温度制御手段を備えていてもよい。上記構成によれば、不活性ガス雰囲気の温度を制御、例えば一定に維持できるので、液体クロマトグラフ部でのクロマトグラフィーを安定化できて、不安定物質の精製をより安定化できる。
上記精製装置においては、前記液体クロマトグラフ部のカラムには、排除クロマトグラフィー用充填材が充填されていてもよい。上記精製装置では、前記排除クロマトグラフィー用充填材は、スチレン‐ジビニルベンゼン共重合体ゲルからなるものであってもよい。
上記構成によれば、排除クロマトグラフィーは、溶離液に水を含まない組成を用いることができるから、不安定物質の精製には好適なものとなる。
上記精製装置では、さらに、前記液体クロマトグラフ部のカラムと分取口との間にて、溶離液中の不安定物質の比率を検出する検出手段を備えていてもよい。上記構成によれば、検出手段により、不安定物質の比率が高いフラクションのみを分取口から確実に分取することにより、不安定物質の精製を効率化できる。
上記精製装置においては、前記不活性ガスは窒素ガスであってもよい。上記構成によれば、窒素ガスは、多くの不安定物質に対し、不活性であり、かつ、コストも低くできて、不安定物質の精製には好適なものである。
本発明に係る不安定物質の精製方法は、前記課題を解決するために、不安定物質を含む試料を液体クロマトグラフ部に注入し、上記試料を液体クロマトグラフ部のカラムクロマトグラフィーにより精製し、上記不安定物質の含有比率(含有濃度)を高めたフラクションを液体クロマトグラフ部から分取する不安定物質の精製方法において、上記液体クロマトグラフ部への試料の注入、および上記フラクションの回収を上記不安定物質に対し不活性な不活性ガス雰囲気、かつ陽圧下にて行うことを特徴としている。
上記方法によれば、試料の注入、および上記フラクションの回収を不活性ガス雰囲気、かつ陽圧下にて行うことによって、不安定物質の分解や変性を防止でき、上記不安定物質の精製を確実化できる。
上記精製方法では、前記不安定物質は分子状酸素および水の少なくとも一方に対して不安定なものでもよい。上記方法によれば、酸素および水を含む大気中では精製できない不安定物質の精製を確実化できる。
上記精製装置においては、前記不活性ガスは窒素ガスであってもよい。上記方法によれば、窒素ガスは、多くの不安定物質に対し、不活性であり、かつ、コストも低くできて、不安定物質の精製を最適化できる。
上記精製方法では、前記カラムクロマトグラフィーに、排除クロマトグラフィーを用いてもよい。上記方法によれば、排除クロマトグラフィーは、溶離液に水を含まない組成を用いることができるから、不安定物質の精製には好適であり、不安定物質の精製を確実化できる。
上記精製方法においては、排除する分子量が相違する、複数の排除クロマトグラフィーを互いに直列に接続してクロマトグラフィーを行ってもよい。上記方法によれば、複数の排除クロマトグラフィーを互いに直列に接続して用いることで、不安定物質の分離度を大きくできて、不安定物質の精製をより確実化することが可能となる。
上記精製方法では、不活性ガスを循環させ、循環時に不活性ガスの純度を制御して、前記不活性ガス雰囲気下を維持してもよい。上記方法によれば、不活性ガスの循環時に、つまり不活性ガスの流れの中において不活性ガスの純度を、順次、制御するので、不活性ガス雰囲気下の維持制御を容易化できる。
本発明に係る不安定物質の精製装置は、以上のように、不安定物質を精製するための液体クロマトグラフ部の試料の分取口が、上記不安定物質に対する不活性ガス雰囲気、かつ陽圧下のチェンバー内に設けられた構成である。
それゆえ、上記構成は、不安定物質を含む試料を、液体クロマトグラフ部に対しインジェクトして精製でき、かつ、液体クロマトグラフ部により精製された不安定物質を不活性ガス雰囲気、かつ陽圧下にて上記分取口から回収できるので、上記不安定物質の分解や変性を抑制しながら、上記不安定物質を安定に得ることができるという効果を奏する。
本発明に係る不安定物質の精製方法は、以上のように、不安定物質を含む試料を精製するための液体クロマトグラフ部への試料の注入、および液体クロマトグラフ部からの不安定物質の比率が大きくなったフラクションの回収を上記不安定物質に対し不活性な不活性ガス雰囲気、かつ陽圧下にて行う方法である。
上記方法によれば、試料の注入、および上記フラクションの回収を不活性ガス雰囲気下にて行うことによって、不安定物質の分解や変性を防止でき、上記不安定物質の精製を確実化できる。
発明の実施するための最良の形態
本発明は、以上の特長を有するものであるが、以下に、さらに詳しく発明の実施の形態に基づき説明する。本発明の不安定物質の精製装置に係る実施の第一形態は、図1に示すように、グローブボックス(チェンバー)1と、そのグローブボックス1内に設置された液体クロマトグラフ部2と、上記グローブボックス1内を不活性ガス雰囲気下とするための、不活性ガスを貯蔵しておくボンベ(ガス供給部)4を有している。
グローブボックス1は、略直方体の外形および内部形状を備えた金属製の壁面を備えた箱状で気密性を有するように形成されている。さらに、グローブボックス1には、その前面側に、内部を外部から観察できる観察部としての、透明板18が嵌め込まれている。上記透明板18は、光透過性やガスバリア性を発揮できるように、例えば、アクリル樹脂の厚板からなっている。
さらに、上記グローブボックス1では、透明板18のほぼ中央部に、図2に示すように、外部から内部を操作可能な操作手段としての、一対の各グローブ状部1aが、グローブボックス1内の気密性を維持できるように設けられている。一対の各グローブ状部1aは、柔軟性やガスバリア性に優れ、かつ、成形性も良好な、天然ゴム等の樹脂からなり、それらの先端部を、左右の手袋状の5本指となるようにそれぞれ形成されている。また、各グローブ状部1aの基端部側は、円筒状に形成されており、透明板18のほぼ中央部(つまり、人が立って、グローブボックス1内を外部から手を差し入れて操作できる位置)にそれぞれ円形状に形成された穴部に気密性を維持して取り付けられている。
図1に示す、前記のボンベ4には、酸素ガスおよび水の少なくとも一方との接触により分解したり、変性したりする、精製対象(目的)となる不安定物質に対して、反応性が小さい、例えば窒素ガス(不活性ガス)が充填されて貯蔵されている。また、ボンベ4は、その貯蔵した窒素ガスを必要に応じてグローブボックス1内に供給して、上記グローブボックス1内を不活性ガス雰囲気下に設定できるようになっている。
グローブボックス1内の底面上には、グローブボックス1内の窒素ガス雰囲気下を維持するために窒素ガスを循環させるガス吹き出し口11と、ガス吸い込み口12とがそれぞれ蛇腹式のガスフィルタを備えて略円柱状に設けられている。ガス吹き出し口11は、その中心軸がグローブボックス1内の底面に対しほぼ垂直方向となるように取り付けられる一方、ガス吸い込み口12は、その中心軸がグローブボックス1内の底面に対しほぼ水平方向となるように取り付けられている。ガス吹き出し口11と、ガス吸い込み口12とは、互いに、グローブボックス1内の底面上における対角線上の両端部またはその近傍にそれぞれ設置されていることが好ましい。
また、グローブボックス1には、例えば、左側壁に、グローブボックス1の内外の間でものを出し入れするための出入り口14が開閉自在に、かつ閉めたときにはグローブボックス1内の気密性を維持できるように設けられている。上記出入り口14は、図2に示すように、大小の2つ設けてもよい。
さらに、図1に示すように、グローブボックス1では、例えば、右側壁に、内部温度を制御するための温度制御部(通常はクーラー)15が設置されている。この温度制御部15のためのコンプレッサ部16と、温度制御部15およびコンプレッサ部16間で冷媒をやりとりする配管部17とがグローブボックス1の外壁上に設置されている。
その上、グローブボックス1内においては、自在にたわむ可撓性を有する真空ポンプ用のゴム管19aが設けられていることが、グローブボックス1内にて不活性物質を含む溶離液を濃縮乾固できて望ましい。このため、グローブボックス1の壁部には、図示しない開閉バルブ付きの、金属製の真空引き用管19が上記壁部を貫通して設けられている。真空引き用管19におけるグローブボックス1内側の口には、上記ゴム管19aの基端部が取り付けられている。また、上記真空引き用管19におけるグローブボックス1の外側の配管は、真空ポンプ7に接続されている。
さらに、グローブボックス1の外側には、ガス吸い込み口12からの配管13からの窒素ガスを循環するためのガス循環ポンプ(ガス循環手段)3が、ガス吹き出し口11に向かって窒素ガスを送出するように設置されている。また、ガス循環ポンプ3には、前述のボンベ4が窒素ガスをガス循環ポンプ3に供給するように接続されている。よって、ガス循環ポンプ3は、グローブボックス1内を窒素ガスにて陽圧となるように窒素ガスの供給を制御したり、初期設定時のように、グローブボックス1内が大気となっているときに、多量(ボンベ1〜2本分)の窒素ガスをグローブボックス1内に短時間にて導入するように制御したりできるようになっている。
また、ガス吸い込み口12とガス循環ポンプ3との間の配管13には、窒素ガス中の酸素ガスを除去して低減するための銅触媒槽(酸素除去手段)5と、窒素ガス中の水蒸気(水)を除去して低減するためのモレキュラーシーブ(水除去手段)6とが、循環する窒素ガスの流れ方向に沿って設けられている。さらに、ガス吸い込み口12に近い配管13においては、循環する窒素ガス中の酸素ガスの濃度を測定する酸素ガスモニタ(図示せず)と、循環する窒素ガス中の水蒸気の濃度を測定する水モニタ(図示せず)とが、窒素ガスの流れる方向に沿ってそれぞれ設置されている。一方、ガス循環ポンプ3とガス吹き出し口11との間の配管13には、循環して通過する窒素ガスの温度を制御、通常は冷却するガス温度制御手段としてのクーラー部8が取り付けられている。
前記液体クロマトグラフ部2は、不安定物質をカラムクロマトグラフィーにより精製するためのものであり、カラムクロマトグラフィー用の溶離液を溜めておく、例えばガロン瓶といった溶媒溜め部21と、溶媒溜め部21からの配管チューブ22と、配管チューブ22に接続されたポンプ23と、そのポンプ23からの溶離液を流すステンレスチューブ(図示せず)に接続された試料注入口24とを備えている。
試料注入口24としては、例えば、レオダイン社製のインジェクタを用いることができる。上記インジェクタは、図3(a)および図3(b)に示すように、円柱状のインジェクタ本体と、円柱状のインジェクタ回転部とを、同心状に設け、インジェクタ本体に設けられた3つの流路を、インジェクタ回転部により切り換えることで、サンプルチューブ内に一定量注入された試料が溶離液(solvent)とともにカラム25に導入されるようになっている。
さらに、液体クロマトグラフ部2は、試料注入口24からの溶離液を流すステンレスチューブ(図示せず)に接続されるカラム(例えば、内径20mm、長さ600mmのステンレス管)25と、カラム25からの経時的な(時系列的な)溶離液を順次検出する、例えば示差屈折計やUV検出器といった検出器(検出手段)26と、検出器26からの溶離液をポンプ23の入り口へリサイクルするための流路と、外部に溶離液を廃液として排出するための流路とを切り換えるリサイクルバルブ(図示せず)とを備えている。
その上、液体クロマトグラフ部2は、検出器26からの溶離液を任意のときにバルブの切り換えによって、液体クロマトグラフ部2の外に回収するための分取口27と、分取口27からの回収されなかった溶離液の廃液を外部に導くための金属チューブ32とを備えている。よって、上記分取口27や、試料注入口24は、グローブボックス1内に設けられており、不活性ガス雰囲気下にて操作することが可能なものである。
また、液体クロマトグラフ部2には、検出器26からの検出結果を示すデータ信号を、記録紙上に経時的に記録し、視覚化するためのレコーダ(図示せず)が、例えば、グローブボックス1に近接して設けられている。
さらに、グローブボックス1内の底面上では、前記溶媒溜め部21内の溶離液を窒素ガス雰囲気下にて撹拌するためのマグネティックスターラ駆動部(撹拌手段)28が、溶媒溜め部21の下に設置されている。溶媒溜め部21内には中央部が膨らんだ略円柱状のマグネティックスターラ29が投入されている。よって、マグネティックスターラ駆動部28内の回転子が、その両端に取り付けられた磁石と共に回転駆動されることで、上記回転子の上方にあるマグネティックスターラ29が回転して、溶媒溜め部21内の溶離液が窒素ガス雰囲気下にて回転して、上記溶離液内の溶存ガスが窒素ガスに迅速に置換されることになる。撹拌速度は通常30〜180rpm、より限定的には60〜120rpm程度であれば十分である。
そして、前記液体クロマトグラフ部2のカラム25には、排除クロマトグラフィー用充填材、例えば、スチレン‐ジビニルベンゼン共重合体ゲルからなる充填材が充填されている。また、液体クロマトグラフ部2に用いたステンレスチューブの内径は、溶離液に用いる流速に応じて設定されるが、通常は、0.8〜3mmφ程度である。よって、外部に取り出された廃液用のステンレスチューブにおいても、溶離液が流れて充満しており、そのステンレスチューブ内を大気が逆行してグローブボックス1内の窒素ガス雰囲気を酸素ガスにて汚染することは防止される。また、不活性物質の回収のために上記廃液用のステンレスチューブ内における溶離液の流れが一時的に停止しても、同様に上記汚染は回避される。
なお、上記実施の第一形態では、液体クロマトグラフ部2の主たる構成部分である、溶媒溜め部21、試料注入口24、送液のポンプ23、カラム25、検出器26、分取口27をすべて窒素ガス雰囲気下に設置した形態であるが、廃液については、窒素ガス雰囲気下において回収してもよいが、遮断バルブを備えた廃液管を利用したり、前述したように、細いステンレスチューブを廃液に用いて逆行を防止する構造を用いたりして、空気雰囲気下で回収してもよい。
本発明に関する最も典型的な形態としての実施の第一形態の概念図を図1に示したが、実施に当たっては必ずしもこの形態に限定されるものではない。実施の第二形態を示す図4に示すように、液体クロマトグラフ部2の構成部分のうち、試料注入口24および分取口27の両方、あるいはどちらか一方を窒素ガス雰囲気下のグローブボックス1内に設置し、上記両者と液体クロマトグラフ部2の他の構成部分とを、各ステンレスチューブ30、31により接続する形態でもよい。この場合、ポンプ、検出器、カラムの全部あるいは一部は窒素ガス雰囲気下になくても構わない。また、溶媒溜め21については、窒素(不活性)ガス雰囲気下にあれば、特に試料注入口24や分取口27と同じ雰囲気下にある必要は無く、送液管を通して結合されていてもよい。
導入する液体クロマトグラフ部2としては、特に限定されることは無く、ポンプなどの動力により液体を送液する装置であればよいが、より好ましくは、中圧液体カラムクロマトグラフ装置(MPCL)、高圧液体クロマトグラフ装置(HPCL)が挙げられる。
液体クロマトグラフ部2に設置するカラム25については、代表的なものとして、順相および逆相シリカゲル系のカラム、分子ふるいを利用するカラム、光学活性担体を持つカラムなどが上げられるが、溶液の移動層を用いるものであればすべてが利用可能であり、特に限定されることは無い。
移動層として用いる溶媒としては、分離・精製を目的とする化学物質と反応するものでなければ、特に限定されるものではない。定法により、酸素に弱い化学物質(不安定物質)の場合には脱酸素を、水に弱い化学物質(不安定物質)の場合は脱水を行った後に用いればよい。
窒素(不活性)ガス雰囲気下を形成できる装置の形態としては、グローブボックス1が代表的なものであるが、液体クロマトグラフ部2の全体あるいはその一部を設置することが可能であれば、特にその形態は限定されることは無い。
上記実施の各形態では、排除クロマトグラフィーを用いた例を挙げた。このような排除クロマトグラフィーに用いるカラムは分子の大きさにより分離を行う原理に基づいており、一般によく用いられているシリカ系カラムが吸着により分離を行う点と、分離原理において全く異なっている。シリカ系カラムを水の無い乾燥した状態で用いると、活性が極めて高くなるため、サンプルがカラムに吸着してしまい溶離してこないということは一般によく知られている。それに対し、吸着がない分子ふるい型のカラムではそのような問題が生じない。従って、水分濃度が極めて低い環境においても有効に利用できているものである。
しかし、シリカ系のカラムおよび他の原理(例えば、アフィニティークロマトグラフィー)を用いて本精製装置や精製方法を利用できないということが必ずしも無い。必要に応じた条件設定を行うことで、利用可能である。例えば、酸素に対して極めて不安定であるが、水に対しては安定である化合物については、水を溶離液に加えて使用することも当然可能である。試料の性質をよく理解したうえで、必要に応じたカラムの選択と条件の設定を行うことで適応範囲が格段に広げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて、本発明の精製方法を具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
目的物質(不安定物質)としての4−メチルテラニル−4−フェニル−1−ピリジン−2−イル−1−トリメチレシロキシ−1−ブテンの精製を例に挙げる。
まず、図1に示した精製装置を組み立てた。液体クロマトグラフ部2として、日本分析工業社のLC−928型を用いた。また、グローブボックス1として、MBRAUN社UNILabを用いた。液体クロマトグラフ部2は試料注入口24、送液用のポンプ23、カラム25、示唆屈折計である検出器26、リサイクルバルブ(図示せず)、分取口27を備えている。
カラム25としては、日本分析工業杜製のJAIGEL1HおよびJAIGEL2Hを、溶離液の流れる方向に沿って互いに連結して用いた。JAIGEL1HおよびJAIGEL2Hは、それぞれ、スチレン‐ジビニルベンゼン共重合体ゲルからなり、排除分子量が、それぞれ2000と1000に設定されているものである。
また、溶離液(移動層)としてはクロロホルムを用いた。クロロホルムは、市販品に対して乾燥窒素ガスを30分間吹き込むことにより溶存酸素ガスを取り除いた。さらに、グローブボックス1内に上記溶離液を導入した後に、グローブボックス1内で、マグネティックスターラ駆動部28およびマグネティックスターラ29を用いて溶離液を撹拌することで、残存する微量の酸素ガスを除去した。グローブボックス1内の酸素ガス量および水分量はいずれも2ppm以下であった。
4−メチルテラニル−4−フェニル−1−(2−ピリジル)−1−トリメチルシロキシ−1−ブテンの合成過程で得られた反応粗生成物をサンプルとして、上記のグローブボックス1内に出入り口14を用いて導入した。サンプル中の主な不純物は、ジメチルジテルリド、2−フェニルシクロプロピル−ピリジン−2−イル−ケトンである。粗反応生成物220mgをクロロホルム2.5mLに溶解した後、溶液を、ポアサイズ0.45μmのフィルター(例えば、ミリポア(Millipore)社製、SLLHH13NL)を通して不溶物をろ過した後、ろ液をシリンジにより液体クロマトグラフ部2に試料注入口24を介して注入した。このとき、液体クロマトグラフ部2のポンプ23は、流量3.8mL/minにて溶離液であるクロロホルムを送液していた。
前述のレコーダにより、目的物質がカラム25から溶出してきたことを検出すると、前述のリサイクルバルブにより、前記カラム25内への3回のリサイクルを行った後に、前述のレコーダにより、目的物質がカラム25から溶出してきたことを検出すると、前記分取口27により分離して分取した溶離液部分をナス型フラスコ内に分画した。
続いて、グローブボックス1内に導入されている真空ラインである、ゴム管19aに上記ナス型フラスコを接続して、上記ナス型フラスコ内の溶離液の溶媒(クロロホルム)を減圧留去することで純粋な4−メチルテラニル−4−フェニル−1−(2−ピリジル)−1−トリメチルシロキシ−1−ブテンが155mg得られた。
本発明の不安定物質の精製装置および精製方法は、酸素ガスや水といった通常環境下で不安定な不安定物質を、分解や変性を回避しながら安定に確実に精製できて、化学工業や化学実験に用いる化成品や、医薬品の製造といった分野に好適に利用できる。
本発明に係る実施の第一形態における、不安定物質の精製装置の概略正面図である。 上記実施の第一形態における精製装置の要部斜視図である。 上記実施の第一形態における精製装置のインジェクタ(試料注入口)の要部斜視図である。 本発明に係る実施の第二形態における、不安定物質の精製装置の概略正面図である。
符号の説明
1 グローブボックス(チェンバー)
1a グローブ状部(操作手段)
2 液体クロマトグラフ部
3 ガス循環ポンプ(ガス循環手段)
4 ボンベ(ガス供給部)
18 透明板(観察部)
24 試料注入口
27 分取口

Claims (20)

  1. 外部から内部を操作可能な操作手段、内部を外部から観察できる観察部を含み、かつ、気密性を有するチェンバーと、
    精製目的とする不安定物質に対し不活性な不活性ガス雰囲気下に上記チェンバー内を設定するためのガス供給部と、
    試料注入口および分取口を有し、不安定物質を精製するための液体クロマトグラフ部と
    上記不活性ガスによって上記チェンバー内を陽圧にするためのガス循環手段とを備え、
    上記分取口は、上記チェンバー内に設けられていることを特徴とする不安定物質の精製装置。
  2. 上記試料注入口は、上記チェンバー内に設けられている請求項1記載の不安定物質の精製装置。
  3. 前記操作手段は、柔軟性を備えたグローブ状部である請求項1または2記載の不安定物質の精製装置。
  4. 前記不安定物質は、分子状酸素および水の少なくとも一方との接触により変性または分解するものである請求項1ないし3の何れか1項に記載の不安定物質の精製装置。
  5. 前記液体クロマトグラフ部に用いる溶離液を貯めておくための溶媒溜め部が、前記不活性ガス雰囲気下に設けられている請求項1ないし4の何れか1項に記載の不安定物質の精製装置。
  6. さらに、前記溶媒溜め部内の溶離液を前記不活性ガス雰囲気下にて撹拌するための撹拌手段を備えた請求項5記載の不安定物質の精製装置。
  7. 前記ガス循環手段によって、上記チェンバー内のガスを循環させる請求項1ないし6の何れか1項に記載の不安定物質の精製装置。
  8. さらに、循環させたガス中から分子状酸素を低減するための酸素除去手段を備えた請求項7記載の不安定物質の精製装置。
  9. さらに、循環させたガス中から水を低減するための水除去手段を備えた請求項7または8記載の不安定物質の精製装置。
  10. さらに、循環させたガスの温度を制御するための、ガス温度制御手段を備えた請求項7ないし9の何れか1項に記載の不安定物質の精製装置。
  11. 前記液体クロマトグラフ部のカラムには、排除クロマトグラフィー用充填材が充填されている請求項1ないし10の何れか1項に記載の不安定物質の精製装置。
  12. 前記排除クロマトグラフィー用充填材は、スチレン‐ジビニルベンゼン共重合体ゲルからなる請求項11記載の不安定物質の精製装置。
  13. さらに、前記液体クロマトグラフ部のカラムと分取口との間にて、溶離液中の不安定物質の比率を検出する検出手段を備えた請求項1ないし12の何れか1項に記載の不安定物質の精製装置。
  14. 前記不活性ガスは、窒素ガスである請求項1ないし13の何れか1項に記載の不安定物質の精製装置。
  15. 不安定物質を含む試料を液体クロマトグラフ部に注入し、
    上記試料を液体クロマトグラフ部のカラムクロマトグラフィーにより精製し、
    上記不安定物質の含有比率を高めたフラクションを液体クロマトグラフ部から分取する不安定物質の精製方法において、
    上記液体クロマトグラフ部への試料の注入、および上記フラクションの回収を、上記不安定物質に対し不活性な不活性ガス雰囲気、かつ陽圧下にて行うことを特徴とする不安定物質の精製方法。
  16. 前記不安定物質は分子状酸素および水の少なくとも一方に対して不安定なものである請求項15記載の不安定物質の精製方法。
  17. 前記不活性ガスは窒素ガスである請求項15または16記載の不安定物質の精製方法。
  18. 前記カラムクロマトグラフィーに、排除クロマトグラフィーを用いる請求項15ないし17の何れか1項に記載の不安定物質の精製方法。
  19. 排除する分子量が相違する、複数の排除クロマトグラフィーを互いに直列に接続してクロマトグラフィーを行う請求項18記載の不安定物質の精製方法。
  20. 不活性ガスを循環させ、循環時に不活性ガスの純度を制御して、
    前記不活性ガス雰囲気下を維持する請求項15ないし19の何れか1項に記載の不安定物質の精製方法。

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