JP3854331B2 - 多値記録用符号化及びその復号方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部磁界を用いて光磁気記録媒体や磁気記録媒体等の記録媒体に多値記録を行う際の符号化及びその復号方法に関し、さらに詳細には、多値情報を記録する際に外部磁界を発生する磁気ヘッドのインダクタンスに起因する不都合を回避するのに有効な符号化及びその復号方法並びにそれを用いた記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスクや光磁気ディスクのような記録媒体の記録密度を向上する手段として、情報を多値符号により記録する多値記録方法が注目されている。例えば、本出願人らは、特願平7−109679号において、2層の磁性層を有する光磁気記録媒体に、光照射の下で4種類の変調強度の外部磁界を印加することにより4値情報を記録しそれを再生する方法を示している。
【0003】
しかしながら、外部磁界の強度に応じて多値記録を実現する方法においては、以下に示すように、外部磁界を発生する磁気ヘッドのインダクタンスに起因する不都合が生じる。例えば、外部磁界として−H2 ,−H1 ,H1 ,H2 の4種類に応じて4値記録を行う場合を想定する(ここで、−H2 <−H1 <H1 <H2 とする)。記録の際に、−H2 からH2 へと外部磁界を切り換える時間と、−H2 から−H1 へと外部磁界を切り換える時間は異なる。なぜなら、外部磁界を印加する際に、磁気ヘッドのインダクタンスは一定であるので、所望の外部磁界に達するまでの時間が切り換わる外部磁界の大きさの差に応じて異なるからである。このため外部磁界の立ち上がり及び立ち下がりの挙動は、ある時刻における多値符号だけでなく、直前の時刻の多値符号にも依存することになる。このことは、高密度記録において記録磁区の長さを一定にするために、外部磁界を、遷移する多値符号の値に応じて緻密に制御しなければならないことを意味する。
【0004】
ところで、光磁気記録媒体に限らず、多値記録を行う上でS/N比が比較的小さな場合にもデ−タの記録及び再生処理を有効に行うために、各種変調方式あるいは符号化方式を開発することが重要となっており、例えば、パ−シャルレスポンス方式を用いることが知られている。
【0005】
例えば、特開平5−6619号は、かかるパ−シャルレスポンス方式を用いるために、デ−タに含まれる周波数のうち最高周波数と充分低い周波数に対応するリファレンスデ−タを発生させ、それらを所定のデ−タブロックの冒頭部に配置して記録媒体に多値記録することを開示している。
【0006】
また、特開平5−83318号は、入力された多値信号とこの多値信号の遷移との関係が位相・振幅平面上で原点に対称であった場合に、多値信号とこの多値信号の関係が位相・振幅平面上で原点に対称にならないように遷移を制限する信号遷移制限手段と、信号遷移に制限を加えられた信号を多値直交振幅変調する多値直交振幅変調方式を開示している。
【0007】
さらに、特開平5−336180号は、差動論理変換の送受信機能を有し、N≧3を満たす2のN乗値の多値ディジタル変復調を行う変復調方式において、デ−タビット及びパリティビットを含む入力ビット系列の所定ビット数をワ−ドとし、該ワ−ドの所定ビット数が表す符号を多値ディジタル変復調の変調レベルに割り当てる符号構成であって、互いに隣接する変調レベルに対応する2つのワ−ド間のハミング距離が1または2であり、かつ2種のハミング距離を有する符号数がそれぞれ変調レベルの値の半数になるように符号を構成し、構成した符号を自然2進符号に符号変換して自然2進符号を差動論理変換することを特徴とする多値変調用符号変換方法を開示している。
【0008】
しかしながら、特開平5−6619号では、パ−シャルレスポンス方式を光磁気ディスク等の多値記録に用いるのに好適な記録再生装置は開示されているが、再生多値情報の誤りを訂正するのに有効な特定の符号遷移規則は開示されていない。また、特開平5−83318号は、信号を伝送する通信システムにおける直交振幅変調方式について記載したもので、光磁気記録媒体や磁気記録媒体への記録に関する記載はない。また、特開平5−336180号には光磁気記録媒体や磁気記録媒体への記録に関する記載はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、記録媒体への多値記録に外部磁界を印加して行う光磁気記録方式や磁気記録方式において、外部磁界を発生する磁気ヘッドのインダクタンスに起因する不都合を回避するのに有効な符号化及びその復号方法を提供することにある。より具体的には、本発明は、外部磁界により記録媒体に情報を記録する際、磁気ヘッドからの外部磁界の立ち上がり及び立ち下がりの挙動を安定化させて、高密度記録における記録磁区の長さを一定にすることが可能な多値記録を実現するための符号化及びその復号方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の別の目的は、多値信号が記録された記録媒体から、誤りの少ない再生多値符号を得ることができる符号化及びその復号方法を提供することにある。
【0011】
さらに本発明の別の目的は、再生符号に誤りが少なく且つデ−タ再生時に誤り訂正が容易な多値記録用符号化及びその復号方法を用いた記録媒体の記録再生方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に従えば、記録媒体に印加する外部磁界の強度に応じて多値情報を記録する記録方法に用いられる多値記録用符号化及びその復号方法であって、ある時刻tにおける多値符号への直前の時刻における多値符号からの遷移において、当該ある時刻tにおける多値符号が、符号器に入力される2値符号と直前の時刻t−1以前における多値符号とにより一意に定まり、該直前の時刻t−1における多値符号と、該ある時刻tにおける多値符号との差の絶対値が”0”あるいは”1”になるような遷移のみが許容されるような遷移規則の下で符号化を行う上記多値記録用符号化及びその復号方法が提供される。
【0013】
本発明の原理を、4種類の外部磁界を用いて記録媒体に4値符号を記録する場合を例に挙げて説明する。ここで、記録媒体の再生出力が大きくなるに従って4値符号”0”、”1”、”2”、”3”を順次割り当てることとし、4値符号”0”、”1”、”2”、”3”を記録する際に印加する外部磁界の強度は、それぞれ、−H2 <−H1 <H1 <H2 を満足する−H2 ,−H1 ,H1 ,H2 の4種類とするのが好ましい。本発明に従えば、上記のように多値符号間の遷移を制限することによって、例えば、直前の時刻t−1における4値符号が”0”の場合には、ある時刻tにおける多値符号は”0”あるいは”1”のみが許容されるので、ある時刻tに印加する外部磁界は、直前の時刻t−1に印加された磁界−H2 に対して−H2 あるいは−H1 のみとなる。また、直前の時刻t−1における4値符号が”1”の場合には、ある時刻tにおける多値符号は”0”あるいは”1”あるいは”2”のみが許容されるので、ある時刻tに印加する外部磁界は、直前の時刻t−1に印加された磁界−H1 に対して−H2 あるいは−H1 あるいはH1 のみとなる。直前の時刻t−1における4値符号が”2”の場合にはある時刻tにおける多値符号は”1”あるいは”2”あるいは”3”のみが許容されるので、ある時刻tに印加する外部磁界は、直前の時刻t−1に印加された磁界H1 に対して−H1 あるいはH1 あるいはH2 のみとなる。直前の時刻t−1における4値符号が”3”の場合にはある時刻tにおける多値符号は”2”あるいは”3”のみが許容されるので、ある時刻tに印加する外部磁界は、直前の時刻t−1に印加された磁界H2 に対してH1 あるいはH2 のみとなる。以上のように遷移規則を規定することによって、多値符号を記録する際の外部磁界の強度変化の絶対値は、|H2 −H1 |あるいは2H1 あるいは0のみとなり、磁界を印加する磁気ヘッド等の負担を軽減し、磁界印加の遅延を防止することができる。
【0014】
一方、本発明のような隣接する多値符号間の遷移の制限がない場合では、多値符号を記録する際の外部磁界の強度変化は、|H2 −H1 |、2H1 、0、2H2 、|H2 +H1 |の種々の値を取る得、例えば−H2 からH2 のように隣接する多値符号間で強度変化の絶対値が2H2 と非常に大きい場合も含まれてしまう。このように印加する磁界が大きく変化するため、磁気ヘッド等に負担がかかるとともに印加時期の遅延等の磁気ヘッドのインダクタンスに起因する不都合が生じる。
【0015】
上記のように直前の時刻t−1における4値符号が”1”または”2”の場合には、符号化器に入力された2値と直前の時刻t−1における4値符号によりある時刻tにおける4値符号が一意に決まらないため、符号器に入力される2値符号と直前の時刻t−1における多値符号と直前の時刻t−1より前の時刻t’における多値符号とによりある時刻tにおける多値符号を一意に定めることができ、この時刻t’は直前の時刻t−1における多値符号とは異なる多値符号を示し且つ該直前の時刻t−1に最も近い時刻とすることが好ましい。
【0016】
本発明において、異なる多値符号に遷移する際に、外部磁界強度の変化の絶対値が多値符号の値に拘らず一定になるように、各多値符号に対応する外部磁界強度を決定することが好ましい。すなわち、印加する磁界強度を、Δ=|H2 −H1 |≒2H1 となるようにH1 及びH2 を設定すれば、隣接する多値符号間で、印加する外部磁界の強度変化は、0あるいはΔのみとなり、記録の際の印加磁界の変化を一定にすることができ、高密度記録においても遷移の種類による磁界印加のタイミング調整が不要となる。
【0017】
また、本発明の符号化方法は、トレリス線図を描くことが可能であるので、尤度を最大化するように復号するビタビ復号を適用することが可能となる。そのため、任意の時刻でデ−タ再生時に雑音が含まれても、誤りを容易に補正することができる。すなわち、本発明の多値記録用符号化及び復号方法を用いると雑音に強い多値記録及び再生が可能となる。
【0018】
本発明に従う符号化及び復号方法において、多値符号を表現可能なレジスタを一周期を形成するように複数個連結して構成した符号化器を用いて符号化することができる。この符号化器に2値符号を入力し、その2値符号に応じて該複数のレジスタ内の多値符号を次のレジスタにシフトさせ、所定のレジスタから本発明の符号化及び復号化方法における遷移規則に従った多値符号を得ることができる。
【0019】
本発明に従う符号化及び復号方法を採用することにより多値記録情報の再生時にビタビ復号方式による復号が可能となる。ビタビ復号は誤り訂正機能を備えた復号方式であるので、前記符号化により記録媒体に記録された多値符号を再生する際の復号手段としてビタビ復号を用いるのが好適である。この場合、ビタビ復号におけるパスメトリック計算に際して、記録時の各4値符号と再生時の4値符号の差の絶対値をパスメトリックとみなし、該パスメトリックを最小とするパスを生き残りパスとするのが好ましい。
【0020】
本発明の第2の態様に従えば、上記符号化及びその復号方法を用いた記録媒体の記録再生方法が提供される。
【0021】
本発明に従う符号化及びその復号方法並びに記録再生方法において使用される記録媒体としては光磁気記録媒体または磁気記録媒体が好ましい。
【0022】
本発明は、磁界変調方式における磁気ヘッド等の負荷を軽減し且つ磁界印加の遅延を有効に防止できるため、磁界変調記録方式に使用される多値記録用符号化及びその復号方法に好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の符号化及びその復号方法並びに記録再生方法の実施の形態を図面を参照しながら説明する。最初に本発明に係る多値記録用符号化及び復号方法における多値符号の遷移の規則の実施例を図1〜図4を用いて説明する。
【0024】
〔符号化方法〕
実施例1
本発明の多値記録用符号化及びその復号方法を、印加する外部磁界の強度に応じて4値符号を記録する磁界変調記録方式の記録再生に用いることができる。この実施例では記録時の外部磁界の強度に対する再生された信号の相対信号出力が図1(a) に示した特性となる記録媒体を用いる。図1(a) に示したように、印加される外部磁界を4つの範囲で区切り、区切られた範囲内の外部磁界H0 ,H1 ,H2 ,H3 に、それぞれ、”0”、”1”、”2”、”3”の4値符号の記録状態を割り当てることによって信号の4値記録が可能になる。このような特性を有する記録媒体の詳細については後述する。以降の説明では、4値符号と再生信号出力の大きさとの関係は、再生時の出力が大きくなるに従って4値符号”0”,”1”,”2”,”3”を割り当てることとする。
【0025】
図1(b) に、この実施例における多値符号(4値符号)の遷移規則を矢印を用いて示す。図中、ある時刻の4値符号から次の時刻の4値符号に遷移する際に、矢印の先の多値符号以外の遷移は許容されないものとする。すなわち、直前の時刻t−1の4値符号が”0”である場合、ある時刻tには”0”あるいは”1”の4値符号のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”1”である場合、ある時刻tには”0”あるいは”1”あるいは”2”の4値符号のみが遷移を許される。直前の時刻t−1の4値符号が”2”である場合、ある時刻tには”1”あるいは”2”あるいは”3”の4値符号のみが遷移を許される。直前の時刻t−1の4値符号が”3”である場合、ある時刻tには”2”あるいは”3”の4値符号のみが遷移を許される。この符号遷移の制限によって、遷移が許される隣接する4値符号の差の絶対値は、全て0あるいは1となる。例えば、直前の時刻t−1の4値符号が”1”の場合、ある時刻tに遷移可能な4値符号は、”0”あるいは”1”あるいは”2”であるから、隣接する4値符号の差の絶対値は、|0−1|=1あるいは|1−1|=0あるいは|2−1|=1となり、結局、遷移が許される隣接する4値符号の差の絶対値は、全て0あるいは1となる。このため、隣接する4値符号の差に相当する外部磁界の差も最小となり、記録時に外部磁界を大きく変化させる必要はなくなり、外部磁界を印加する磁気ヘッドまたはコイルの負荷を軽減し、コイル等のインダクタンスに起因する不都合を防止できる。
【0026】
実施例2
この実施例では、図2(a) に示したような記録時の外部磁界強度に対する再生時の相対信号出力特性を有する記録媒体を用いる。このような3値記録を可能とする記録媒体については後述する。この記録媒体に3値符号を記録する際に、外部磁界H0 ,H1 ,H2 に、それぞれ、3値符号”0”,”1”,”2”の記録状態を割り当てるものとする。このような記録媒体に3値符号を記録する際の遷移規則を図2(b) に示す。直前の時刻t−1の3値符号が”0”である場合、ある時刻tには”0”あるいは”1”の3値符号のみが遷移を許される。直前の時刻t−1の3値符号が”1”である場合、ある時刻tには”0”あるいは”1”あるいは”2”の3値符号のみが遷移を許される。直前の時刻t−1の3値符号が”2”である場合、ある時刻tには”1”あるいは”2”の3値符号のみが遷移を許される。このため、記録時に外部磁界を大きく変化させることが不要となり、外部磁界を印加する磁気ヘッドまたはコイルの負荷を軽減し、コイルのインダクタンスに起因する不都合を防止できる。
【0027】
以上述べた実施例1及び実施例2では多値符号として4値符号及び3値符号の場合を説明したが、本発明ではn>4なるn値符号を多値符号として用いた場合にも適用することができ、そのような場合にも隣接する多値記録符号間の遷移が制限されるため、磁気ヘッドのインダクタンスに起因する不都合を回避することができる。
【0028】
次に、実施例1〜2に示した多値符号化における遷移規則を実行するための符号化器の代表的な構成例を図3〜図9を用いて説明する。
【0029】
実施例1の4値符号化における遷移規則を実行するための符号化器の構成例及びそれにより実現される4値符号遷移をそれぞれ図3(a) 及び図3(b) に示す。図3(a) において、符号化器1は、4値符号レジスタ2A、4値符号レジスタ2B、4値符号レジスタ2C、4値符号レジスタ2D、4値符号レジスタ2E、4値符号レジスタ2F、シフト実行判断回路3、2値符号入力素子4、符号出力タイミング補正回路5、4値符号出力素子6から構成されている。4値符号レジスタ2A、4値符号レジスタ2B、4値符号レジスタ2C、4値符号レジスタ2D、4値符号レジスタ2E、4値符号レジスタ2Fが順に直列に接続され、4値符号レジスタ2Fの出力が符号出力タイミング補正回路5と4値符号レジスタ2Aに入力されるようにそれぞれ接続されている。シフト実行判断回路3は、2値符号入力素子4から符号化器1へ入力された2値符号”0”または”1”を判断して、その値に応じて各レジスタに内在する4値符号を後続するレジスタにシフトさせるための回路である。符号出力タイミング補正回路5は、4値符号レジスタ2Fに内在していた4値符号を、2値符号入力素子4への2値符号の入力タイミングと同期して4値符号出力素子6へと出力させるための回路である。
【0030】
入力された2値符号に応じてシフト実行判断回路3で各4値符号レジスタの内在値をシフトすると判断した場合は、4値符号レジスタ2Aに格納されていた4値符号を4値符号レジスタ2Bに、4値符号レジスタ2Bに格納されていた4値符号を4値符号レジスタ2Cに、4値符号レジスタ2Cに格納されていた4値符号を4値符号レジスタ2Dに、4値符号レジスタ2Dに格納されていた4値符号を4値符号レジスタ2Eに、4値符号レジスタ2Eに格納されていた4値符号を4値符号レジスタ2Fに、4値符号レジスタ2Fに格納されていた4値符号を4値符号レジスタ2Aに、それぞれ新しい4値符号として代入することで更新を行う。このシフトにより4値符号レジスタ2Fに格納された4値符号は、符号出力タイミング補正回路5へも出力され、前記2値符号入力素子4への2値符号の入力タイミングと同期するように、符号出力タイミング補正回路5から4値符号出力素子6へと出力される。
【0031】
入力された2値符号に応じてシフト実行判断回路3で各4値符号レジスタの内在値をシフトしないと判断した場合は、4値符号レジスタ2A、4値符号レジスタ2B、4値符号レジスタ2C、4値符号レジスタ2D、4値符号レジスタ2E、4値符号レジスタ2Fに格納されている4値符号はいずれも更新されない。そして、4値符号レジスタ2Fに格納されていた4値符号が、符号出力タイミング補正回路5へも出力され、2値符号入力素子4への2値符号の入力タイミングと同期して符号出力タイミング補正回路5から4値符号出力素子6へと出力される。
【0032】
シフト実行判断回路3における判断は、2値符号入力素子4から入力された2値符号に依存する。すなわち、2値符号入力素子4から入力された2値符号が、”1”の場合はシフトさせ、”0”の場合はシフトさせない。なお、時刻t=0における各4値符号レジスタに内在する初期値としては、図5(a) に示すように、4値符号レジスタ2Aには”1”を、4値符号レジスタ2Bには”2”を、4値符号レジスタ2Cには”3”を、4値符号レジスタ2Dには”2”を、4値符号レジスタ2Eには”1”を、4値符号レジスタ2Fには”0”を設定しておく。例えば、時刻t=1で2値符号”1”が入力された場合は、5(b) に示すようにシフトが実行されて、前の時刻t=0で4値符号レジスタ2Eに格納されていた4値符号”1”が符号化器1から出力される。また例えば、時刻t=1で2値符号”0”が入力された場合は、5(c) に示すようにシフトは実行されず、前の時刻t=0に4値符号レジスタ2Fに格納されていた4値符号”0”が出力される。
【0033】
上記4値符号レジスタ2A〜2Fは、例えば、2ビット以上の値を保持するメモリ機能を有する素子を連結することにより構成することができる。
【0034】
以上説明した動作により、図3(a) に示した4値記録用符号化器1で実現される4値符号の遷移は、図3(b) に示すように一意に定まることになる。図3(b) には、直前の時刻t−1の4値符号Qdr(t−1)とある時刻tの4値符号Qdr(t)との間の遷移を矢印で示し、各矢印には、時刻t’における4値符号Qdr(t’)と入力された2値符号aの値を添えてある。ここで時刻t’は、直前の時刻t−1より前の時刻であって、直前の時刻t−1に最も近い時刻を表し、しかも、該直前の時刻t−1における4値符号とは異なる4値符号を示す時刻が選択される。これは、時刻t−1における4値符号が例えば”1”の場合、時刻tにおける4値符号として”0”、”1”及び”2”の3種に遷移可能であり、入力2値符号だけでは遷移を一意に決定できないからである。このため、時刻t−1より前の時刻t’における4値符号を用いて、時刻t−1における4値符号と入力された2値符号とにより時刻tにおける4値符号を一意に決定する。この際、時刻t’では2種類の状態が選択できれば、入力2値と組合せて上記3種の遷移を特定することができるので、時刻t−1における4値符号と同じ4値符号を示す時刻t’を除いている。
【0035】
図3(b) において、直前の時刻t−1の4値符号が”0”であり、且つ2値符号”0”が4値記録用符号化器1に入力される場合、ある時刻tには4値符号”0”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”0”であり、且つ2値符号”1”が4値記録用符号化器1に入力される場合、ある時刻tには4値符号”1”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”1”であり、且つ2値符号”0”が4値記録用符号化器に入力される場合、ある時刻tには4値符号”1”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”1”であり、且つ2値符号”1”が4値記録用符号化器に入力され、且つ4値符号Qdr(t’)が”0”の場合、ある時刻tには4値符号”2”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”1”であり、且つ2値符号”1”が4値記録用符号化器に入力され、且つ4値符号Qdr(t’)が”2”の場合、ある時刻tには4値符号”0”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”2”であり、且つ2値符号”0”が4値記録用符号化器に入力される場合、ある時刻tには4値符号”2”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”2”であり、且つ2値符号”1”が4値記録用符号化器に入力され、且つ4値符号Qdr(t’)が”1”の場合、ある時刻tには4値符号”3”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”2”であり、且つ2値符号”1”が4値記録用符号化器に入力され、且つ4値符号Qdr(t’)が”3”の場合、ある時刻tには4値符号”1”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”3”であり、且つ2値符号”0”が4値記録用符号化器1に入力される場合、ある時刻tには4値符号”3”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の4値符号が”3”であり、且つ2値符号”1”が4値記録用符号化器1に入力される場合、ある時刻tには4値符号”2”のみに遷移が許される。
【0036】
次に、実施例2の3値符号化における遷移規則を実行するための符号化器の構成例及びそれにより実現される3値符号遷移をそれぞれ図4(a) 及び図4(b) に示した。図4(a) に示したように、符号化器21は、3値符号レジスタ22A、3値符号レジスタ22B、3値符号レジスタ22C、3値符号レジスタ22D、シフト実行判断回路23、2値符号入力素子24、符号出力タイミング補正回路25、3値符号出力素子26から構成されている。3値符号レジスタ22A、3値符号レジスタ22B、3値符号レジスタ22C、3値符号レジスタ22Dは順に直列に接続され、3値符号レジスタ22Dは、その出力が符号出力タイミング補正回路25と3値符号レジスタ22Aに入力されるように接続されている。2値符号入力素子24を介して符号化器21へ2値符号が入力されると、最初にシフト実行判断回路23において、3値符号レジスタ22A、3値符号レジスタ22B、3値符号レジスタ22C、3値符号レジスタ22Dに格納されている3値符号をシフトするか否かを判断する。シフト実行判断回路23が各レジスタに内在する3値符号をシフトすると判断した場合は、3値符号レジスタ22Aに格納されていた3値符号を3値符号レジスタ22Bに、3値符号レジスタ22Bに格納されていた3値符号を3値符号レジスタ22Cに、3値符号レジスタ22Cに格納されていた3値符号を3値符号レジスタ22Dに、3値符号レジスタ22Dに格納されていた3値符号を3値符号レジスタ22Aに、それぞれ、新しい3値符号として代入することで更新を行う。3値符号レジスタ22Dに格納された3値符号は、符号出力タイミング補正回路25へも出力され、2値符号入力素子24への2値符号の入力タイミングと同期するように、符号出力タイミング補正回路25から3値符号出力素子26へと出力される。
【0037】
シフト実行判断回路23が各レジスタに内在する3値符号をシフトしないと判断した場合は、3値符号レジスタ22A、3値符号レジスタ22B、3値符号レジスタ22C、3値符号レジスタ22Dに格納されている3値符号は更新されないまま、3値符号レジスタ22Dに格納されていた3値符号が、符号出力タイミング補正回路25へも出力され、2値符号入力素子24への2値符号の入力タイミングと同期するように、符号出力タイミング補正回路25から3値符号出力素子26へと出力される。実施例1と同様に、シフト実行判断回路23における判断は、2値符号入力素子24から入力された2値符号に依存する。すなわち、2値符号入力素子24から入力された2値符号が、”1”の場合は各レジスタに内在する3値符号をシフトさせ、”0”の場合はシフトしない。
【0038】
上記3値符号レジスタ22A〜22Dは、例えば、2ビット以上の値を保持するメモリ機能を有する素子を連結することにより構成することができる。
【0039】
3値記録用符号化器21で実現される4値符号の遷移は、図4(b) に示すように一意に定まる。図4(b) には、直前の時刻t−1の3値符号Trpl(t−1)とある時刻tの3値符号Trpl(t)との間の遷移を矢印で示し、各矢印には、時刻t’における4値符号Trpl(t’)と、入力された2値符号aの値を添えてある。実施例1と同様に、時刻t’は、該直前の時刻t−1より前であって、直前の時刻t−1に最も近く、且つ該直前の時刻t−1における3値符号とは異なる3値符号を示す時刻が選択される。これは、時刻t−1における3値符号が例えば”1”の場合、時刻tにおける3値符号として”0”、”1”及び”2”の3種に遷移可能であり、入力2値符号だけでは遷移を一意に決定できないからである。このため、時刻t−1より前の時刻t’における3値符号を用いて、時刻t−1における3値符号と入力された2値符号とにより時刻tにおける3値符号を一意に決定する。この際、時刻t’では2種類の状態が選択できれば足りるので、時刻t−1における3値符号と同じ3値符号を示す時刻t’を除いている。
【0040】
図4(a) の3値記録用符号化器を用いた場合の符号遷移は次の通りである。すなわち、直前の時刻t−1の3値符号が”0”であり、且つ2値符号”0”が3値記録用符号化器21に入力される場合、ある時刻tには3値符号”0”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の3値符号が”0”であり、且つ2値符号”1”が3値記録用符号化器1に入力される場合、ある時刻tには3値符号”1”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の3値符号が”1”であり、且つ2値符号”0”が3値記録用符号化器に入力される場合、ある時刻tには4値符号”1”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の3値符号が”1”であり、且つ2値符号”1”が3値記録用符号化器21に入力され、且つ3値符号Trpl(t’)が”0”の場合、ある時刻tには3値符号”2”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の3値符号が”1”であり、且つ2値符号”1”が3値記録用符号化器21に入力され、且つ3値符号Trpl(t’)が”2”の場合、ある時刻tには3値符号”0”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の3値符号が”2”であり、且つ2値符号”0”が3値記録用符号化器21に入力される場合、ある時刻tには3値符号”2”のみに遷移が許される。直前の時刻t−1の3値符号が”2”であり、且つ2値符号”1”が3値記録用符号化器に入力される場合、ある時刻tには3値符号”1”のみに遷移が許される。
【0041】
〔復号方法〕
次に、実施例1〜2で説明したような多値記録用符号化方法で符号化した多値符号から2値符号へと復号する方法について説明する。基本的には、誤り訂正を考慮し、ビタビ復号を用いる。すなわち、トレリス線図を作って、再生時に得た各時刻の多値符号を用いてパスメトリックを内部状態ごとに計算し、生き残りパスを得ることで、尤度を最大にする復号を行う。ただし、本発明に係る多値記録用符号化方法では、符号化の際に、多値符号出力素子に最も近い多値符号レジスタに内在する値により一意に定まる内部状態が多値符号と一致しているという特徴を有し、ビタビ復号における処理が簡易化できるという効果がある。例えば、図3(a) の4値記録記録用符号化器1で符号化する際のトレリス線図は、内部状態として4値符号レジスタ2Fに内在する4値符号を用いれば、図7のようになる。この場合、トレリス線図の内部状態の遷移と、出力される多値符号の遷移とは一致する。内部状態として4値符号レジスタ2Fに内在する4値符号を用いたのは、4値符号レジスタ2Fが決まれば、その他の4値レジスタ2A,2B,2C,2D,2Eに内在する値も決まるからである。
【0042】
図7を用いて本発明の復号方法について詳細に説明する。図3(a) の4値記録用符号化器1に2値符号が最初に入力される前の各4値符号レジスタの初期設定は図5(a) に示すように設定し、最初の時刻t=0に4値符号レジスタ2Fに内在する”0”が出力されるとする。すなわち、最初の時刻の4値符号は”0”とする。図7に示したトレリス線図による復号の前に、記録時に入力された2値符号系列を、図3(a) の4値記録用符号化器1で4値符号系列に符号化し、雑音によって誤り4値符号系列を含む再生4値符号系列が、再生時に得られたものとする。図7のトレリス線図の下側に、符号器に入力された2値符号系列、符号化された4値符号系列、誤り4値符号系列、及び誤りを含む再生された4値符号系列をそれぞれ示した。なお、図3(a) の符号化器1に、2値符号”0”が入力される場合のパスは実線の矢印で、2値符号”1”が入力される場合のパスは点線の矢印でそれぞれ示した。ビタビ復号は尤度を最大にする多値符号系列を得るためのもので、図3(a) の4値記録用符号化器1における尤度としては、記録時にx(=0,1,2または3)なる4値符号を記録した条件の下で、再生時にy(=0,1,2または3)なる4値符号を再生する確率p(y|x)を用いる。ビタビ復号は、p(y|x)を最大とする内部状態の遷移を求めることで符号化の際に入力されたデ−タ列を求めようとするもので、トレリス線図に示されている内部状態の遷移ごとにパスメトリックを計算し、最終的に生き残ったパスからデ−タ列を復元する。
【0043】
パスメトリックは各内部状態の遷移ごとのp(y|x)に応じた数値で、従来よく知られている方式では、例えばトレリス線図上の各時刻の各内部状態での4値符号(=0,1,2または3)の2進表示と再生時の4値符号yの2進表示とのハミング距離をパスメトリックとして用い、パスメトリックが小さなパスが生き残るものとしている。これに対して、本発明の復号方式では、パスメトリックに相当する数値として、トレリス線図上の各時刻の各内部状態での4値符号zと再生時の4値符号yとの差の絶対値|z−y|として、|z−y|が小さなパスが生き残るようにする。例えばz=2,y=1の場合には、それらの2進表示はz=(10)2 及びy=(01)2 となるので、ハミング距離は2となるが、本発明で定義したパスメトリック|z−y|では|2−1|=1となる。また例えばz=2,y=3の場合には、それらの2進表示はz=(10)2 及びy=(11)2 であるのでハミング距離は1となり、本発明で用いるパスメトリック|z−y|も|2−3|=1となり一致する。本発明において2進表示におけるハミング距離の代わりに|z−y|を用いる理由は、外部磁界の強度に応じて記録された記憶媒体を用いて再生する際に、記憶媒体の諸特性の経時変化等で4値符号が本来の数値から変化したとしても、例えば本来の数値”2”が”3”に変化する確率と”2”が”1”に変化する確率が同等程度と想定したためである。ただし、記憶媒体の特性によっては、zの2進表示とyの2進表示のハミング距離を用いた方が適する場合もあり得る。
【0044】
図7においては、|z−y|を各パスを示す矢印についている円の中に示してある。但し、同じ内部状態間の遷移において、前の時刻における|z−y|を累積させて表示してある。従って、例えば、内部状態0の系列において、t=2では、t=2でのパスメトリック|z−y|にt=1のパスメトリック|z−y|を加算して表示してある。|z−y|が小さなパスが生き残るようにして、尤度を最大にする4値符号系列を得ていくのは通常のビタビ復号と同様であり、図中、Δで表示されたパスは、同一の内部状態に到達する際により尤度が小さいために除外されるパスとなる。このような手順を繰り返しながら各時刻における生き残りパスを順次定めていけば、各状態の生き残りパスのなかから再生データ系列との距離が最小(尤度が大きい)であるパスを最尤パスとして選択することにより、最尤復号と全く等価な復号が実行できる。従って、最尤パスから誤りが訂正された形で2値符号(入力2値符号)を復号することができる。
【0045】
次に、本発明の多値記録再生方法を適用するのに好適な記録媒体について説明する。該記録媒体は、図1または図2に示した磁化特性を満足する記録媒体であれば、光磁気記録媒体であっても磁気記録媒体であってもよい。最初に外部磁界強度を変調することによって多値記録が可能な光磁気記録媒体について説明する。
【0046】
本出願人は、直接あるいは非磁性層を介して積層された複数の磁性層を有し、それら複数の磁性層の温度と当該磁性層に印加される外部磁界とを変化させたとき、高温状態においては、印加される外部磁界の変化に応じて、少なくとも3以上の異なる磁界領域に前記複数の磁性層の合計の磁化が単一の安定な磁化状態となる領域を有し、且つ低温状態においては、外部磁界がゼロの状態で、高温時に印加された外部磁界の大きさに応じて少なくとも3以上の磁化状態が安定に存在する磁化特性を有する光磁気記録媒体に関する特許出願をした(特願平第7−109679号)。この光磁気記録媒体の原理を以下に説明する。
【0047】
この光磁気記録媒体は、印加される外部磁界に対して2つの異なる磁界領域に記録状態が存在する第1の磁性層と、第1の磁性層とは異なる磁界領域に1つの記録状態が存在する第2の磁性層とを積層した構造を持ち、各磁性層の各記録状態に対応する4段階の異なる外部磁界を印加することによって、信号の4値記録が可能である。また、印加される外部磁界に対して2つの異なる磁界領域に記録状態が存在する第1の磁性層と、第1の磁性層とは異なる磁界領域に2つの記録状態が存在する第2の磁性層とを積層した光磁気記録媒体を用いることもでき、この場合も各磁性層の各記録状態に対応する4段階の異なる外部磁界を印加することによって信号の4値記録が可能になる。
【0048】
上記のような印加される外部磁界に対して2つの異なる磁界領域に記録状態が存在する第1の磁性層は、垂直磁化膜と所定の補助磁性膜とを積層して構成することができる。第1磁性層は、例えば図8に示すように、外部磁界に対する光変調記録信号の搬送波対雑音比が、2つのピーク(記録状態)をもつ。一方、第2の磁性層は補助磁性層を有しておらず、例えば図9に示すように、外部磁界に対する光変調記録信号の搬送波対雑音比が、1つのピークをもつ。また、本願出願人が先に特開平5−182264号公報で明らかにしたように、垂直磁化膜と所定の補助磁性膜とを積層してなる第1の磁性層は、補助磁性層の作用によって垂直磁化膜中の遷移金属の副格子磁気モーメントが容易に交換結合磁界方向に反転するので、磁性層全体の磁化の向きを外部磁界方向又はそれと反対の方向に向けることができる。一方、補助磁性層を有さず、前記第1の磁性層とは異なる磁界領域に1つの記録状態が存在する第2の磁性層は、昇温状態で外部磁界の向きに容易に磁性層全体の磁化の向きが反転する。
【0049】
図10(a) に上記のような第1磁性層及び第2磁性層を備えた4値記録用光磁気記録媒体の構造の一例を示す。この光磁気記録媒体は、透明基板上に、第1エンハンス膜、第1記録膜、第2エンハンス膜、第2記録膜、反射膜及び保護膜を順次積層してなる。図10(a)に示すように、第2記録層は、室温からキュリー温度にかけて希土類原子の副格子磁気モーメントが遷移金属原子の副格子磁気モーメントよりも優勢なフェリ磁性体からなる第1磁性層から構成され、第1記録層は、室温からキュリー温度にかけて遷移金属原子の副格子磁気モーメントが希土類原子の副格子磁気モーメントよりも優勢なフェリ磁性体からなる第2磁性層から構成されている。この光磁気記録媒体に、下向きの外部磁界を記録方向の外部磁界として、上向きの外部磁界を消去方向の外部磁界としてそれぞれ信号の記録を行うと、外部磁界の大きさにより各磁性層は以下のような磁気モーメントの挙動を示すことになる。
【0050】
(i) 第1磁性層の全体の磁化の向きを消去方向に向けられる大きさの外部磁界H0 (図8に示すa領域の外部磁界)を消去方向に印加することによって、第1磁性層の遷移金属原子の副格子磁気モーメントを記録方向に、第2磁性層の遷移金属原子の副格子磁気モーメントを消去方向に向けることができる(図10(a) の状態”1”参照)。
【0051】
(ii)第1磁性層の全体の磁化の向きを記録方向に向けられる大きさの外部磁界H1 (図8に示すb領域の外部磁界)を消去方向に印加することによって、第1磁性層及び第2磁性層の遷移金属原子の副格子磁気モーメントを共に消去方向に向けることができる(図10(a) の状態”0”参照)。
【0052】
(iii) 第1磁性層の全体の磁化の向きを消去方向に向けられる大きさの外部磁界H2 (図8に示すc領域の外部磁界)を記録方向に印加することによって、第1磁性層及び第2磁性層の遷移金属原子の副格子磁気モーメントを共に記録方向に向けることができる(図10(a) の状態”3”参照)。
【0053】
(iv)第1磁性層の全体の磁化の向きを記録方向に向けられる大きさの外部磁界H3 (図8に示すd領域の外部磁界)を記録方向に印加することによって、第1磁性層の遷移金属原子の副格子磁気モーメントを消去方向に、第2磁性層の遷移金属原子の副格子磁気モーメントを記録方向に向けることができる(図10(a) の状態”2”参照)。
【0054】
光磁気記録媒体より再生信号として検出されるカー回転角の変化の大きさは、第1磁性層及び第2磁性層の各遷移金属原子の副格子磁気モーメントの合計に比例するから、H0 ,H1 ,H2 ,H3 の外部磁界が順次印加された記録トラックからは、図10(b) に示す相対信号出力が得られる。よって、例えば、同図に示すように、外部磁界H1 による記録状態を“0”、外部磁界H0 による記録状態を“1”、外部磁界H3 による記録状態を“2”、外部磁界H2 による記録状態を“3”にそれぞれ割り当てることによって、信号を4値記録することができる。
【0055】
また、印加される外部磁界に対して2つの異なる磁界領域に記録状態が存在する第1の磁性層と、該第1の磁性層とは異なる磁界領域に2つの記録状態が存在する第2の磁性層とを積層した光磁気記録媒体を用いた場合も、これと同様の原理で4値符号の記録を行うことができる。
【0056】
上記説明は、外部磁界強度を変調することにより4値記録を可能にする光磁気記録媒体の原理であり、図1(a) に示した磁界特性を得るための4値記録用の光磁気記録媒体の具体例を以下に説明する。図10(a) に示した構造を有する光磁気記録媒体の一例として、透明基板上に、第1エンハンスト膜としてSiN膜を、第1記録膜としてRE(希土類)リッチのTbFeCo膜を、第2エンハンス膜としてSiN膜を、第2記録膜としてREリッチのTbFeCo膜を、その補助磁性層としてPtCo膜をそれぞれ使用している。この光磁気記録媒体の各記録層の膜厚及び組成を適宜調整することにより、高温状態(170℃)及び低温状態(25℃)におけるヒステリシスループが、図11(a) に示すような形になり、磁化特性が図11(b) に示すような形になる。よって、図1(a) に示した磁化特性が得られ、磁界強度H0 ,H1 ,H2 ,H3 の夫々に記録状態“0”,“1”,“2”,“3”を割り当てることによって、本発明の符号化の遷移規則に従って信号の4値記録が可能になる。
【0057】
次に、磁界強度を変調することにより3値記録が可能な光磁気記録媒体の記録原理について以下に説明する。垂直磁化膜と、該垂直磁化膜よりもキュリー温度が高いか同じである補助磁性膜とを互いに接してなる磁性層は、記録又は消去用のレーザビームが照射されて垂直磁化膜の磁化が外部磁界によって回転可能な状態になると、図12(a)に示すように、補助磁性層の磁化の方向は初期の状態を保ち、垂直磁化膜に対して交換結合力を作用する。この交換結合力は、磁界に換算すると、室温で数十KOeに及ぶ強力なもので、この交換結合磁界が垂直磁化膜に対して、記録又は消去時に、外部磁界に加算されるバイアスとなる。この交換結合によるバイアス磁界により、当該垂直磁化膜及び補助磁性膜からなる磁性層は、記録時の外部磁界に対する再生信号出力の非記録状態から記録状態に至る遷移領域が、図12(b)に示すように、ゼロ磁界付近から高磁界方向(記録方向)又は低磁界方向(消去方向)にシフトする。
【0058】
一方、補助磁性膜を有しない単層の垂直磁化膜は、記録時の外部磁界に対する再生信号出力の非記録状態から記録状態に至る遷移領域が、図12(c)に示すように、ゼロ磁界付近になる。よって、前記補助磁性膜を有する垂直磁化膜からなる磁性層(第1磁性層という)と補助磁性膜を有しない単層の垂直磁化膜からなる磁性層(第2磁性層という)との間には、記録状態の外部磁界強度が重複しない磁界領域が存在する。
【0059】
これらの磁性層を2層に積層してなる光磁気記録媒体は、外部磁界に対する記録信号の変化が図12(d)に示すように明確な3段階になり、各磁性層の遷移領域間に安定な記録が可能な外部記録領域をもつ。よって、同図に示すように、第1の磁性層の遷移領域以下の外部磁界強度H0 による記録状態を“0”、第1の磁性層の遷移領域以上で第2の磁性層の遷移領域以下の外部磁界強度H1 による記録状態を“1”、第2の磁性層の遷移領域以上の外部磁界H2 による記録状態を“2”にそれぞれ割り当てることによって、信号の3値記録ができる。
【0060】
図13に、上記3値記録原理に従い、図2(a) に示した磁化特性を示す3値記録用光磁気記録媒体の構造の具体例を示す。図13の光磁気記録媒体は、透明基板上に、SiN膜と、TMリッチのTbFeCo膜と、SiN膜と、TMリッチのTbFeCo膜と、REリッチのGdFeCo膜と、SiN膜とが順次積層されている。ここに、下方のTbFeCo膜は第1磁性層、上方のTbFeCo膜は第2磁性層、GdFeCo膜はその補助磁性層であり、SiN膜はエンハンス膜である。本例の光磁気記録媒体は、高温状態(160℃)及び低温状態(25℃)におけるヒステリシスループが図13(b) に示すような形になるため、外部磁化に対する相対信号出力特性は図13(c) に示すような形になる。よって、図2(a) に示した磁化特性が得られ、外部磁界H0 ,H1 ,H2 の夫々に記録状態“0”,“1”,“2”を割り当てることによって、本発明の符号化の遷移規則に従って信号の3値記録が可能になる。
【0061】
なお、磁性層を2層以上の多層に積層すれば、磁性層の積層数に応じたより高次の多値記録が可能になる。また、光磁気記録媒体として、磁性層が3層以上に積層され、そのうちの少なくとも1の磁性層が、印加される外部磁界に対して2以上の異なる磁界領域に記録状態が存在する光磁気記録膜で構成されたものを用いれば、外部磁界強度を各磁性層の記録状態に対応させることによって、5値以上の多値記録が可能になる。
【0062】
次に、上記のような光磁気記録媒体を用いて多値記録を行う方法について説明する。図14に記録再生系の構成例を示す。記録時には、光磁気記録媒体50を図示しない駆動系により駆動し、光学ヘッド51及び磁気ヘッド52を光磁気記録媒体50の所定のトラックに位置付ける。データ信号53を、既に図3(a) 等で説明したような符号化器54により本発明の多値記録用符号化方法に従って多値符号化した後、外部磁界印加回路55に入力して磁気ヘッド53を駆動する。この際、磁界強度を多値符号に相当すべく強度変調すると共に、この強度変調された多値の外部磁界を、記録クロック56に同期して光情報記録媒体50に印加する。そして、外部磁界が所定の値に切り替わった後、レーザ駆動回路57により駆動される光学ヘッド51から光パルスを照射して、光パルス照射部の各記録層を、外部磁界によって磁化反転できる温度まで加熱する。これによって、各光パルスの照射部に、外部磁界の大きさに応じた磁化ドメインが形成される。なお、記録時に、パルス光の代わりに、一定強度のレーザビームを連続的に照射してもよい。
【0063】
再生時には、光ヘッド51により記録トラックから反射光を検出して、カー回転角に相当する再生信号を得る。再生信号をI−V変換器58で変換した後、イコライザ59を通すことにより光学的な符号間干渉を除去して、そのアナログ信号をA/D変換器60を通じてA/D変換した。デジタルトランスバーサルフィルタ61で内外周特性差を吸収した後、多値判定器62により多値を判定し、その後、ビタビ復号器63に供給して4値信号を2値化してデータ信号64を得た。再生クロックは、A/D変換後の信号からクロック発生器65によりクロック信号を発生させて多値判定器62及びビタビ復号器63に供給した。なお、図14で示した記録再生系の構成例以外にも、同等の機能を有する記録再生系を用いて本発明の符号化及びその復号方法を実施することは可能である。
【0064】
次に、磁気記録媒体を用いて多値記録を行う方法の例について説明する。図15に、磁気記録媒体70を用いた多値記録再生系の構成例を示す。磁気記録媒体としては、例えば、垂直磁気記録媒体を用い得る。記録時には、磁気記録媒体70を、図示しない駆動系により駆動し、磁気ヘッド71を所定のトラックに位置付ける。データ信号72を、既に図3(a) 等で説明したような符号化器73に入力して、本発明の多値記録用符号化方法を用いて符号化を行う。この際、外部磁界印加回路74を通じて印加磁界強度を多値に強度変調すると共に、この強度変調された多値の外部磁界を記録クロック75に同期して磁気ヘッド71により磁気記録媒体70に印加する。そして、外部磁界を所定の値に切り替えて外部磁界の大きさに応じた磁化ドメインを形成する。
【0065】
再生時は、磁気ヘッド71からの再生信号を得るが、この際記録時の磁気ヘッド71ではなく、MR素子あるいはGMR素子を用いた再生専用ヘッドを用いてもよい。再生信号をI/V変換器76で変換した後、アナログ波形等化器77を通すことにより符号間干渉を除去して、そのアナログ信号をA/D変換器78でA/D変換した。その後、デジタルトランスバーサルフィルタ79で内外周特性差を吸収した後、多値判定器80で多値を判定し、ビタビ復号器81に供給して2値化して再生信号82を得る。再生クロックは、A/D変換後の信号を用いてクロック発生器83により生成する。なお、図15で示した記録再生系の構成例以外にも、同等の機能を有する記録再生系も符号化及び復号方法で本発明を用いることは可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明の符号化及びその復号方法によると、記録媒体への多値記録に外部磁界を印加して行う光磁気記録方式や磁気記録方式において、外部磁界を発生する磁気ヘッドのインダクタンスに起因する不都合を回避できる。具体的には、記録線密度を高めても記録磁区の長さを一定にすることが可能なように、外部磁界の立ち上がり及び立ち下がりの挙動が安定となる多値記録を実現することが可能となる。
【0067】
本発明は、多値符号の遷移の制限として隣接する多値符号間で強度変化の絶対値が非常に大きい遷移を禁じたため、磁気ヘッドや磁気コイル等の負荷を低減し且つそれらのインダクタンス等に起因する遅延を防止することができる。
【0068】
また、本発明の符号化及びその復号方法を用いることによって、トレリス線図を描くことが可能であるので、再生信号の復号時に、尤度を最大化するように復号するビタビ復号を適用することが可能となる。従って、任意の時刻でデ−タ再生時に雑音が含まれても誤りを補正しやすい。すなわち、多値信号が記録された記録媒体から、誤りの少ない再生多値符号を得ることが可能である。
【0069】
本発明の符号化及びその復号方法は、複数の多値符号レジスタを含む簡単な構造の多値記録用符号化器を用いて符号化を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の4値記録用符号化及び復号方法における4値符号遷移の規則を示す図であり、図1(a) は記録媒体の記録時の外部磁界強度と再生時の相対信号出力の関係を示し、図1(b) はある時刻の4値符号から次の時刻の4値符号への遷移の制限を示す。
【図2】実施例2の3値記録用符号化及び復号方法における3値符号遷移の規則を示す図であり、図2(a) は記録媒体の記録時の外部磁界強度と再生時の相対信号出力の関係を示し、図2(b) はある時刻の3値符号から次の時刻の3値符号への遷移の制限を示す。
【図3】実施例1の4値符号の遷移規則を実行するための4値記録用符号化器の構成例及びそれにより実行される遷移を示す図であり、図3(a) は符号化器の構成図を示し、図3(b) は符号化器に入力される2値符号と直前の時刻t−1における4値符号Qdr(t−1)とにより決定されるある時刻tにおける4値符号Qdr(t)への遷移を示す。
【図4】実施例2の3値符号の遷移規則を実行するための3値記録用符号化器の構成例及びそれにより実行される遷移を示す図であり、図4(a) は符号化器の構成図を示し、図4(b) は符号化器に入力される2値符号と直前の時刻t−1における3値符号Trpl(t−1)とにより決定されるある時刻tにおける3値符号Trpl(t)への遷移を示す。
【図5】図3(a) に示す4値記録用符号化器の各4値符号レジスタに内在する数値の状態を説明する図であり、図5(a) は時刻t=0における初期状態、図5(b) は時刻t=1においてシフト実行した場合の状態、図5(c) は時刻t=1においてシフト実行しなかった場合の状態を示す。
【図6】図4(a) に示す3値記録用符号化器の各3値符号レジスタに内在する数値の状態を説明する図であり、図6(a) は時刻t=0における初期状態、図6(b) は時刻t=1においてシフト実行した場合の状態、図6(c) は時刻t=1においてシフト実行しなかった場合の状態を示す。
【図7】図3(a) に示す4値記録用符号化器を用いて記録媒体に記録された4値符号を再生する際に用いるビタビ復号を説明するためのトレリス線図である。
【図8】本発明に使用できる4値記録用光磁気記録媒体の第1磁性層の磁界特性を示すグラフである。
【図9】本発明に使用できる4値記録用光磁気記録媒体の第2磁性層の磁界特性を示すグラフである。
【図10】本発明に使用できる4値記録用光磁気記録媒体の構成及び磁気モーメント((a) )及び外部磁界に対する相対信号出力の関係((b) )を示す。
【図11】本発明の実施例で用いた4値記録用光磁気記録媒体のヒステリシス((a) )及び外部磁界強度に対する相対再生信号出力((b) )を示す。
【図12】本発明で使用可能な3値記録用光磁気記録媒体の記録原理を示す図である。
【図13】本発明の実施例で用いた3値記録用光磁気記録媒体の構造((a) )、ヒステリシス((b) )及び外部磁界に対する相対信号出力の関係((c) )を示す。
【図14】本発明の多値記録用符号化及び復号方法を用いて光磁気記録媒体を記録再生するための記録再生装置の概要図である。
【図15】本発明の多値記録用符号化及び復号方法を用いて磁気記録媒体を記録再生するための記録再生装置の概要図である。
【符号の説明】
1,11 4値記録用符号化器
2A,2B,2C,2D,2E,2F 4値符号レジスタ
21 3値記録用符号化器
22A,22B,22C,22D 3値符号レジスタ
50 光磁気記録媒体
51 光ヘッド
52,71 磁気ヘッド
53 データ信号
54,73 符号器
56 記録クロック
58,76 I/V変換器
62,80 4値判定器
60,78 A/D変換器
63,81 ビタビ復号器
70 磁気記録媒体
Claims (8)
- 記録媒体に印加する外部磁界の強度に応じて多値情報を記録する記録方法に用いられる多値記録用符号化方法であって、
ある時刻tにおける多値符号への直前の時刻における多値符号からの遷移において、当該ある時刻tにおける多値符号が、符号器に入力される2値符号と直前の時刻t−1における多値符号と該直前の時刻t−1より前の時刻t’における多値符号とにより一意に定まり、該時刻t’は該直前の時刻t−1における多値符号とは異なる多値符号を示し且つ該直前の時刻t−1に最も近い時刻であり、該直前の時刻t−1における多値符号と、該ある時刻tにおける多値符号との差の絶対値が”0”あるいは”1”になるような遷移のみが許容されるような遷移規則の下で符号化を行う上記多値記録用符号化方法。 - 上記外部磁界の強度の大きさの順に従って多値符号値を外部磁界強度に対応させることによって、記録時の外部磁界の変化を最小に維持することを特徴とする請求項1に記載の多値記録用符号化方法。
- 前記直前の時刻t−1における多値符号が最大値あるいは最小値の場合には、該時刻tにおける多値符号が前記符号器に入力される2値符号と該直前の時刻t−1における多値符号のみにより一意に定まり、該直前の時刻t−1における多値符号が最大値及び最小値以外の場合には、該時刻tにおける多値符号が前記符号器に入力される2値符号と該直前の時刻t−1における多値符号と該時刻t’における多値符号とにより一意に定まることを特徴とする請求項1または2に記載の多値記録用符号化方法。
- 異なる多値符号に遷移する際に、外部磁界強度の変化の絶対値が多値符号の値に拘らず一定になるように、各多値符号に対応する外部磁界強度を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多値記録用符号化方法。
- 前記符号化を、多値符号が表現可能なレジスタを一周期を形成するように複数個連結させて構成した符号化器を用いて行い、前記符号器に入力される2値符号に応じて、各レジスタ内の多値符号を次のレジスタにシフトさせることによって上記ある時刻tにおける多値符号を一意に定めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の多値記録用符号化方法。
- 前記記録媒体として光磁気記録媒体を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の多値記録用符号化方法。
- 前記記録媒体として磁気記録媒体を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の多値記録用符号化方法。
- 請求項1に記載の多値記録用符号化方法を用いた記録媒体の記録方法。
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- 1996-01-11 JP JP02044596A patent/JP3854331B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2014502071A (ja) * | 2010-10-19 | 2014-01-23 | モサイド・テクノロジーズ・インコーポレーテッド | 不完全な誤り特性を持つチャネルおよびメモリのための誤り検出および訂正符号 |
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